SaaS UIとは|使いやすさの基準
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- SaaS UIの意味と選定で確認する理由がわかる
- 良いSaaS UIの5つの特徴がわかる
- 現場での評価の進め方がわかる
SaaSを導入したものの、現場で「使いにくい」という声が上がり、定着しないことがあります。導入前にUIを確認する基準を持っておくと、こうした事態を避けやすくなります。本記事では、SaaS UIとは何かと、導入前に確認したい使いやすさの基準を解説します。
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SaaS UIとは
SaaS UIとは、画面の見た目だけでなく、メニュー構成・入力フォーム・通知・権限表示といった操作全体のワークフローを含む概念です。デザインの美しさだけでなく、実際の業務フローに沿って使いやすいかどうかが重要になります。
SaaS選定でUIを確認する理由
UIが業務フローに合わないSaaSを導入すると、現場での定着が進まず、投資対効果が得られないリスクがあります。機能面だけでなく、実際に使う現場の視点からUIを確認しておくことが、導入後のトラブルを防ぐ鍵になります。
良いSaaS UIの5つの特徴
直感的な操作経路、入力しやすいフォーム、明確な権限構造、状況の可視化、アクセスしやすいサポート機能という5つが、良いSaaS UIの特徴です。これらが揃っているかどうかを、実際の操作を通じて確認することが重要です。
| 特徴 | 確認内容 |
|---|---|
| 直感的な操作経路 | 目的の機能にすぐアクセスできるか |
| 入力しやすいフォーム | 入力項目が分かりやすいか |
| 明確な権限構造 | 誰が何を操作できるか一目で分かるか |
| 状況の可視化 | 進捗・ステータスが確認できるか |
社内のスケジュール共有やファイル管理を担うグループウェアは、多くの従業員が日常的に触れるSaaSであるため、UIの使いやすさが業務効率に直結しやすい領域です。
SaaS UIを現場で評価する進め方
実際に業務で使う複数の役割の担当者にテストしてもらうことが、デザインの見た目だけを評価するより実用的な進め方です。無料トライアル等を活用し、実際の業務フローに沿って操作してもらうことで、UIが合うかどうかを確認できます。
役割別に見るUIチェックの観点
SaaSのUIは、日常的に操作する一般利用者と、権限設定や運用管理を担う管理者とでは、確認すべき観点が異なるため、両方の立場からトライアルで試すことが重要です。
一般利用者の視点では、日々繰り返し行う操作(データ入力、検索、ファイルの共有等)がどれだけ少ないクリック数・画面遷移で完了できるかが、業務効率に直結します。特に入力頻度の高い操作で毎回複数の画面を行き来する必要がある設計だと、日々の業務のストレスとして積み重なり、現場での定着を妨げる要因になります。トライアル期間中は、実際の業務で最も頻繁に行う操作を数回繰り返してみて、ストレスなく完了できるかを確認するとよいでしょう。
管理者の視点では、従業員の追加・削除、権限設定の変更、利用状況の把握といった管理画面の使いやすさが重要になります。管理画面が複雑で分かりにくいと、情報システム担当者の運用負荷が高くなり、本来の業務を圧迫してしまいます。特に従業員数の変動が多い企業では、アカウントの一括登録・削除機能や、CSVでのデータ入出力機能が備わっているかも、管理者にとって重要なUIの確認ポイントです。
SaaS UI確認でよくある失敗パターン3つ
デザインの見た目だけで判断する、決裁者だけが操作を確認する、導入後にUIの不満に気づくという3つが、SaaS UI確認でよく見られる失敗の典型です。
失敗パターン1:デザインの見た目だけで判断する。見た目は良くても業務フローに合わず、現場で使われないケースです。実際の操作を通じて評価することが回避策になります。
失敗パターン2:決裁者だけが操作を確認する。実際に日常的に使う現場担当者の視点が欠け、導入後に不満が出るケースです。複数の役割の担当者にテストしてもらうことが回避策になります。
失敗パターン3:導入後にUIの不満に気づく。チェックリストを使わずに導入を決め、後から使いにくさが判明するケースです。導入前にチェックリストで確認することが回避策になります。
モバイル対応・アクセシビリティの確認ポイント
外出先や複数の端末からSaaSを利用する機会が増えているため、パソコン画面だけでなく、スマートフォン・タブレットでの操作性も導入前に確認しておくことが望ましいです。
営業職や現場作業が多い従業員が使う場合、外出先でスマートフォンから承認作業や情報確認を行う場面が想定されます。パソコン向けの画面をそのまま縮小しただけのUIでは、文字が小さすぎて読みにくかったり、ボタンが押しにくかったりすることがあります。専用のモバイルアプリを提供しているか、ブラウザ表示でも画面サイズに応じて最適化されたレスポンシブデザインになっているかを、実際にスマートフォンで操作して確認しておくとよいでしょう。
また、視認性への配慮(文字サイズの変更のしやすさ、色のコントラスト)や、キーボード操作だけで一通りの操作が完結できるかといったアクセシビリティの観点も、幅広い年齢層・特性の従業員が使う社内向けSaaSでは重要な確認項目です。特に全社的に導入するグループウェアのようなツールは、特定の従業員だけでなく、さまざまな従業員が日常的に触れることを前提に、誰にとっても使いやすいUIになっているかを確認しておくことをおすすめします。
部門・業種によって異なるUI確認の重要度
SaaSのUIで何を優先して確認すべきかは、導入する部門や業種によって変わります。全社共通の観点だけでなく、実際に日常的に触れる部門の業務特性を踏まえて確認項目を調整することが、導入後のミスマッチを減らす近道です。
経理・総務のようなバックオフィス部門では、月次・年次で発生する定型業務(請求書処理、経費精算、勤怠締め等)を、決められた期日までに正確にこなす必要があります。そのため、入力ミスを防ぐための確認画面や、過去データとの照合のしやすさ、承認フローが業務の実態(誰が一次承認者で誰が最終承認者か)と合っているかといった、正確性と業務フローへの適合が優先度の高い確認項目になります。逆に、操作の見た目の華やかさや高度なカスタマイズ機能は、バックオフィス部門にとっては優先度が低いことが多く、確認に時間をかけすぎる必要はありません。
営業部門やカスタマーサポートのように、社外とのやり取りが多く、外出先や電話対応中に素早く情報を確認する場面が多い部門では、検索のしやすさや、必要な情報にたどり着くまでの操作数の少なさが重要になります。商談中や電話対応中に画面遷移を何度も繰り返す必要があるUIは、対応の遅れや顧客対応の質の低下につながりかねません。トライアル時には、実際の商談や問い合わせ対応を想定したシナリオで、目的の情報にたどり着くまでの手数を数えてみると、部門の業務特性に合ったUIかどうかを具体的に評価できます。
製造業や建設業など、現場作業員が事務所以外の場所からSaaSに触れる業種では、通信環境が不安定な場所での操作性や、手袋をしたままでも操作しやすいボタンサイズといった、オフィスワークとは異なる観点での確認が必要になります。一方、IT・Web業界のように従業員のITリテラシーが総じて高い業種では、多少操作が複雑でも高機能なUIが受け入れられやすい傾向がある一方、幅広い年齢層・職種の従業員が使う業種では、シンプルで直感的な操作性の方が定着率に強く影響します。自社の従業員構成や業務環境を踏まえたうえで、優先すべきUIの観点を整理しておくことをおすすめします。
SaaS UIチェックリストの作り方と運用の仕方
これまで挙げてきた確認観点を、選定のたびに思い出しながら評価するのではなく、社内共通のチェックリストとしてあらかじめ整理しておくと、複数のSaaSを比較する際の判断基準がぶれにくくなります。
チェックリストを作る際は、まず自社が導入するSaaSに共通して当てはまる基本項目(操作経路の分かりやすさ、入力フォームの使いやすさ、権限構造の明確さ、状況の可視化、サポートへのアクセスしやすさ等)を洗い出します。そのうえで、前段で触れたような部門・業種固有の観点(バックオフィスなら正確性重視、営業なら検索性重視等)を追加項目として組み込むと、汎用性と実用性を両立したチェックリストになります。項目数を増やしすぎると評価する側の負担が大きくなるため、優先度の高い項目に絞り込むことも重要です。
評価の進め方としては、各項目を5段階等の簡単な尺度で採点し、実際に操作した複数の担当者(一般利用者・管理者それぞれ)の評価を集計する方法が現実的です。個人の主観だけで判断すると、評価者のITリテラシーや思い込みに結果が左右されやすいため、複数人の評価を平均・比較することで、より客観的な判断材料になります。また、比較対象となる複数のSaaSに同じチェックリストを適用することで、機能面のスペック比較だけでは見えにくい「使いやすさ」の差を、一定の基準に基づいて可視化できます。
チェックリストは一度作って終わりではなく、実際にSaaSを選定・導入するたびに、評価してみて気づいた項目を追加・修正していくことで、自社にとってより実用的なものに育てていくことができます。特に導入後にUIに関する不満や問い合わせが現場から寄せられた場合は、その内容を次回以降のチェックリストに反映させておくと、同じような選定ミスを繰り返しにくくなります。
トライアル期間を使ったUI評価の進め方
多くのSaaSでは無料または試用価格でのトライアル期間が用意されているため、この期間をどう使うかによって、導入前に得られる情報の質が大きく変わります。限られた期間を有効に使うには、あらかじめ評価のスケジュールと担当者を決めておくことが重要です。
トライアル期間の前半では、実際の業務データに近い形でテストデータを登録し、日常的に発生する操作を一通り試してみることをおすすめします。後半では、前段で整理したチェックリストに沿って複数の担当者に評価してもらい、評価結果を持ち寄って比較検討する時間を確保します。トライアル期間の終盤になって初めて操作を始めると、十分な評価ができないまま導入判断を迫られることになりやすいため、期間の前半のうちに主要な操作を一通り試しておくことが望ましいです。
また、トライアル期間中に問い合わせ対応の速さや案内の分かりやすさも合わせて確認しておくと、導入後にUIの操作方法で不明点が出た際、どの程度スムーズに解決できそうかの目安になります。サポート体制の使いやすさも、広い意味でのUIの一部として捉えておくとよいでしょう。加えて、複数のSaaSを並行してトライアルしている場合は、同じ操作シナリオ・同じ評価担当者で試すことで、比較の条件をそろえられ、結果としてより公平な評価につながります。評価結果は表計算ソフト等で一覧化しておくと、選定の意思決定を行う際にも振り返りやすく、次回以降の選定作業の参考資料としても活用できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. UIとUXの違いは何ですか?
A. UIは操作接点そのもの、UXはその接点を通じた体験全体を指す、より広い概念です。
Q2. デザインが美しければ使いやすいと言えますか?
A. 必ずしも言えません。デザインの美しさと業務フローへの適合は別の観点です。
Q3. 導入前のUI評価は誰が行うべきですか?
A. 実際に業務で使う複数の役割の担当者が評価に加わることが望ましいです。
Q4. UIのカスタマイズは可能ですか?
A. サービスによって異なり、事前にカスタマイズの範囲を確認しておくことが望ましいです。
Q5. 複数サービスのUIをどう比較すればよいですか?
A. 同じ業務フローを実際に操作し、共通の観点で比較することが有効です。
Q6. UI評価にはどれくらいの期間が必要ですか?
A. トライアル期間を活用し、複数の担当者が実務に近い形で試す時間を確保することが望ましいです。
まとめ|今日からできる3つのこと
- 実際の操作で評価する:見た目だけで判断しません。
- 現場担当者を評価に加える:決裁者だけで確認しません。
- 導入前にチェックリストを使う:導入後に気づくことを避けます。