SaaS UIとは|使いやすさの基準と選定時の5つの確認ポイント・トライアル活用法
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- SaaS UIは業務の接点全体を指すとわかる
- 選定時の5つの観点と10原則の確認方法がわかる
- トライアルの採点法と操作を覚える仕組みがわかる
SaaS UIとは、ログイン画面、メニュー、ボタン、入力フォームなど、利用者がSaaSを操作するときに触れる接点全体のことです。UIは「ユーザーインターフェース」の略で、見た目の美しさだけでなく、業務を迷わず進められるかどうかまでを含みます。SaaSを導入したのに、現場から「画面がわかりにくい」「どこから入力すればいいのかわからない」という声が上がり、結局一部の詳しい人しか使わなくなる。こうした失敗の多くは、機能や料金だけを比べて、UIの確認を後回しにしたことから起こります。本記事では、導入する企業の立場から、選定時に見るポイント、ユーザビリティの10原則に沿った確認項目、トライアルでの評価方法、そしてUIだけでは埋まらない「使いこなせない」問題の補い方を、実務の流れに沿って解説します。
SaaSの操作を覚える仕組み、どこから整える?2問で診断
Q1. 導入したSaaSの画面で、いちばん心配なのは?
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SaaS UIの学習コストを補う|操作を覚える仕組みの選び方
SaaS UIが使いやすいかどうかは、画面の出来だけでなく、利用者が操作を覚える仕組みがあるかどうかでも左右されます。
SaaS UIとは、画面の見た目ではなく、業務で触れる接点全体を指します。接点が多いほど、はじめて触る社員には「新しい画面の使い方を覚える」負担が生じます。機能要件や価格の都合で、UIがやや複雑なSaaSを選ばざるを得ない場面もあります。どちらの場合も、定着を左右するのは、UIそのものと、そのUIを覚える仕組みの組み合わせです。
UIが複雑なSaaSでよく起きるのが、操作に慣れた数人だけが使い、ほかの社員はその人に入力を頼む状態です。導入した意味が薄れるうえ、担当者が異動や退職をしたときに業務が止まる属人化のリスクも生まれます。利用者が数人で操作も単純なSaaSなら、画面キャプチャを貼った簡単なマニュアルでも足ります。利用者が数十人以上いる、拠点や職種で使う画面が違うといった条件がそろうほど、更新しやすく、誰が学んだかを確認できる仕組みを用意する意味が大きくなります。
以下は、ビジネスコンシェルジュに掲載されているeラーニングの3サービスを、役割の違いで並べた表です。商品ページの記載(2026年10月19日確認)をもとにしており、優劣や順位ではなく、どんな状況に向くかの違いとして読んでください。
SaaSの操作を覚える仕組みを、役割の違いで比べる
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:Smart Boardingは、自社の資料や動画で研修コースを作れます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:SAKU-SAKU Testingは、テストを作って配信し、結果を確認できます。
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資料を無料ダウンロード| サービス | Smart Boarding |
SAKU-SAKU Testing |
|
|---|---|---|---|
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株式会社FCE
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目指したい社員教育を実現!OJTや研修など社員教育に悩んでいる企業におすすめ


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Smart Boarding 導入事例(株式会社ミツハシ、責任者のコメント) 出典:導入事例ページ
SaaS UIとは|業務の接点全体を指す
SaaS UIとは、ログイン画面から、メニュー、ボタン、入力フォーム、検索、通知、権限ごとの表示の出し分けまで、利用者がSaaSを操作するときに触れる接点全体のことです。画面の色やレイアウトの美しさだけを指す言葉ではありません。
UIはユーザーインターフェースの略で、人とシステムが情報をやり取りする境界を意味します。業務用のSaaSでは、日々の入力、内容の確認、上長の承認、帳票の出力、他システムとの連携といった一連の流れが、画面上で迷わず進められるかどうかがUIの良し悪しを決めます。見た目が洗練されていても、毎日使う入力欄が3階層下のメニューにあれば、現場にとっては使いにくいSaaSです。
よく似た言葉にUX(ユーザーエクスペリエンス)があります。UXは、SaaSを使うことで得られる体験全体を指し、UIはその体験を形づくる接点の一部という関係です。たとえば「月末の請求書発行が半日から1時間に短縮された」という実感はUXであり、その実感をもたらした「必要な項目だけが並んだ入力画面」や「前月の内容を複製できるボタン」がUIにあたります。導入する側の企業にとっては、UXという成果を得るために、UIという具体的な画面を確認する、と考えると整理しやすくなります。
また、「UIデザイン」は、こうした接点を設計する作業を指す言葉です。SaaSを提供する側にとっては設計の仕事であり、導入する側にとっては、その設計が自社の業務に合っているかを選定時に確かめる作業になります。SaaSそのものの定義や種類は、SaaSとは|意味・仕組み・種類と導入前に決めておく自社の管理で解説しています。
導入企業の立場からSaaS UIを評価するときは、次の5つの観点に分けて見ていくと、確認漏れを防げます。
| 観点 | 確認すること | 見落としたときに起きやすいこと |
|---|---|---|
| 業務フローとの適合 | 自社の業務の順番どおりに画面が進むか | 画面を行き来する手間が増え、入力漏れが起きる |
| 利用者像との一致 | ITに不慣れな社員でも迷わないか、役割ごとに必要な機能だけが見えるか | 一部の詳しい人だけが使う属人化 |
| デバイス対応 | スマホやタブレットで主要な操作ができるか | 外出先で承認できず、業務が止まる |
| 導線のわかりやすさ | よく使う機能に少ない手数でたどり着けるか | 操作のたびに問い合わせが発生する |
| 管理画面の使いやすさ | ユーザー追加、権限変更、利用状況の確認が簡単か | 情報システム担当者の運用負担が膨らむ |
このうち、見落とされやすいのが5つ目の管理画面です。SaaSの提供会社はエンドユーザーの画面づくりに力を入れる一方、管理者向けの画面は後回しになりがちです。導入企業にとっては、日々の運用を回す情報システム担当者や総務担当者も重要な利用者であり、管理画面の使いにくさは見えにくいコストとして積み上がっていきます。
UI選定時に見るべき5つのポイント
選定時は、先ほどの5つの観点を、実際の画面で確認できる具体的な問いに置き換えて見ていきます。デモ画面や資料だけでは判断しにくい項目が多いため、可能な限り自分で操作して確かめることが前提です。
1. 自社の業務の順番どおりに画面が進むか
たとえば経費精算であれば「領収書を撮影する、金額と科目を入力する、申請する、上長が承認する、経理が確認する」という順番があります。SaaSの画面がこの順番と同じ流れで進むか、途中で別のメニューに移動しなければならない場面がないかを確認します。自社独自のルール(一定金額以上は部長承認が必要など)を画面上で設定できるかも、この段階で見ておきます。業務の順番とUIの順番がずれていると、社員は「どの画面で何をするか」を覚えるのに時間がかかり、入力漏れの原因にもなります。
2. 役割ごとに必要な機能だけが見えるか
一般社員、承認者、管理者で、必要な機能は大きく違います。全員に同じメニューがすべて表示されるSaaSは、機能が多いほど画面が複雑になり、ITに不慣れな社員ほど迷いやすくなります。権限設定によって表示されるメニューを絞れるか、よく使う機能をホーム画面に固定できるかを確認しましょう。自分の役割で使う機能だけが見えている状態は、それだけで操作の迷いを大きく減らします。
3. スマホ・タブレットで主要な操作ができるか
営業職や店舗、工場、建設現場のように、パソコンの前にいない時間が長い社員が使うSaaSでは、スマホでの操作性が定着を左右します。パソコン向けの画面をそのまま縮小しただけの表示では、文字が小さく、ボタンが押しにくくなります。専用アプリがあるか、ブラウザ表示が画面サイズに合わせて最適化されているかを、実際のスマホで確かめます。すべての機能がスマホで使える必要はありませんが、承認や勤怠の打刻、簡単な確認など、外出先で発生する操作ができるかは必ず確認しておきたい点です。
4. よく使う機能まで何手でたどり着けるか
導線のわかりやすさは、感覚ではなく「手数」で比べると客観的になります。ログインしてから、毎日行う操作が完了するまでに何回クリックや画面遷移が必要かを数えてみます。複数のSaaSを比較している場合、同じ操作を同じ手順で試して手数を記録すると、スペック表では見えない差がはっきりします。検索機能の精度や、入力途中の内容が自動保存されるかといった点も、日常の使いやすさに直結します。
あわせて確認したいのが、画面ごとの操作の一貫性です。保存ボタンの位置や、一覧から詳細に進む操作、検索欄の置き場所が画面によって違うと、利用者は画面を開くたびに操作を探すことになります。反対に、ボタンの配置や用語、色の使い方が全体で統一されているSaaSは、ひとつの画面で覚えた操作をほかの画面でもそのまま使えるため、新しい機能を使い始めるときの負担も小さくなります。また、SaaSは提供会社がUIを継続的に改善していく仕組みでもあります。画面の更新がどのくらいの頻度で行われるか、大きな変更の前に告知や移行期間があるか、利用者の要望を受け付ける窓口があるかも、長く使ううえでの使いやすさを左右するため、選定時に確認しておくと安心です。
5. 困ったときにUI上で解決できるか
エラーが出たときに何が問題かが画面上で具体的に表示されるか、入力欄の横に説明が出るか、ヘルプやFAQに画面から直接移動できるか、といった点も広い意味でのUIです。エラー表示が「入力内容に誤りがあります」だけでは、利用者はどこを直せばよいかわからず、社内の担当者への問い合わせが増えます。また、文字サイズの変更や色のコントラスト、キーボードだけで操作できるかといったアクセシビリティの観点も、年齢層や障害の有無を問わず多様な社員が使う全社向けのSaaSでは重要です。デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」は、こうした観点を確認する際の手がかりになります。
なお、生成AIの機能が組み込まれたSaaSでは、画面の操作に加えて、AIへの指示の出し方や、AIが出した内容をどこで確認するかも、UIの確認対象になります。AI機能を含むSaaSの注意点は、SaaSとAI|生成AI・AIエージェントで変わる役割と「SaaSの死」、導入時の注意点で整理しています。
ユーザビリティの10原則で見る|使いやすいSaaS UIの条件
使いやすいSaaS UIの条件は、UIデザインの定番の基準である「ユーザビリティの10原則」に当てはめると整理できます。
10原則は、ユーザビリティ研究で知られるヤコブ・ニールセンが1994年に示した、インタラクションデザインの一般的な経験則で、Nielsen Norman Groupが解説を公開しています。画面を設計する側の基準ですが、導入する側がトライアルで画面を触るときの確認項目にも言い換えられます。自社でSaaSを開発・提供する側の場合も、UIレビューの基準として使えます。
| 10原則(原文の英語名) | 業務SaaSのトライアルで確認すること |
|---|---|
| 1. システム状態の可視化(Visibility of System Status) | 保存、送信、承認の結果がすぐ画面に出て、処理が終わったかどうかがわかるか |
| 2. システムと実世界の一致(Match Between the System and the Real World) | 画面の用語が自社の業務の言葉に近く、社内で使う言葉と食い違わないか |
| 3. ユーザーの主導権と自由度(User Control and Freedom) | 誤操作を取り消したり、途中でやめて前の画面に戻ったりできるか |
| 4. 一貫性と標準(Consistency and Standards) | 保存ボタンの位置や用語が、画面が変わってもそろっているか |
| 5. エラーの防止(Error Prevention) | 削除や外部への共有の前に確認が出るなど、間違えにくい作りか |
| 6. 記憶よりも認識(Recognition Rather than Recall) | 前の画面の内容を覚えていなくても、選択肢やラベルが画面に見えているか |
| 7. 柔軟性と効率性(Flexibility and Efficiency of Use) | 初心者向けの手順に加えて、慣れた人向けの近道(複製、ショートカットなど)があるか |
| 8. 美的で最小限のデザイン(Aesthetic and Minimalist Design) | 使わない項目が多く、必要な項目が埋もれていないか |
| 9. エラーからの回復支援(Help Users Recognize, Diagnose, and Recover from Errors) | エラー文が平易な言葉で、原因と直し方を示しているか |
| 10. ヘルプとドキュメント(Help and Documentation) | 画面から探しやすいヘルプがあり、操作手順が具体的に書かれているか |
トライアルでこの10項目をすべて採点するのは負担が大きいため、まずは自社の業務で事故につながりやすい「エラーの防止」「エラーからの回復支援」「一貫性」から確認すると効率的です。経費の誤申請や、承認フローの途中での取り消しなど、実際の業務で起きやすい場面を選んで試します。
一貫性を支える仕組みとして、提供会社が部品や配色の共通ルールを「デザインシステム」としてまとめているかも確認の手がかりです。公的な例では、デジタル庁デザインシステムが、スタイリングの考え方を示すデザイン言語、UIコンポーネント、ユーザビリティやアクセシビリティを踏まえたガイドラインで構成されています。SaaSの提供会社が同様の仕組みを持っているかは、問い合わせやトライアルの場で質問できます。
使いやすさが事業に与える影響
SaaSの使いやすさは、社員の満足度だけでなく、導入の投資対効果、データの質、社内の問い合わせ対応の工数といった、事業上の成果に直接つながります。
まず影響が大きいのが定着率です。SaaSは使われて初めて効果が出る仕組みであり、ライセンスを契約していても実際に使う人が少なければ、費用だけがかかり続けます。使いやすいUIは、研修や説明に頼らなくても利用者が自分で操作を覚えられるため、全社への展開が早く進みます。反対にUIが複雑だと、最初の数週間で「使いにくいから元のやり方に戻そう」という判断が現場で起き、紙やExcelとの二重運用が始まってしまいます。
次に、データの質への影響があります。入力しにくい画面では、必須でない項目が空欄のまま登録されたり、自由記述欄に表記ゆれのある内容が入力されたりします。SaaSに蓄積されたデータを分析して経営判断に使うことを考えている場合、入力段階のUIがデータの質を決めると言っても大げさではありません。選択式の入力欄や、入力内容の自動チェックなど、正しいデータが入りやすいUIになっているかは、後工程の分析まで見据えて確認しておきたい点です。
さらに、社内の問い合わせ対応の工数にも差が出ます。操作方法がわかりにくいSaaSでは、情報システム部門や導入担当者に「この画面はどうすればいいのか」という問い合わせが集中します。担当者が本来の業務に時間を使えなくなるだけでなく、回答を待つ間は現場の業務も止まります。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX動向2024」でも、DXの取組が進む一方で、その取組を成果につなげることが求められており、ツールを入れるだけでなく使いこなせる状態をつくることの重要性がうかがえます。
操作の質問が特定の担当者に集まる状態は、操作手順を動画やマニュアルにして、誰でも好きなタイミングで確認できるようにすることで和らげられます。自社の資料や動画を教材にできるeラーニングであれば、手順の更新もまとめて行えます。
UIが業務に合っていない場合のリスク
UIが自社の業務に合っていないSaaSを導入すると、定着しないだけでなく、属人化、二重運用、情報漏えいにつながる運用ミスといった、導入前より悪い状態を生むおそれがあります。
最も起きやすいのが属人化です。操作が難しいSaaSでは、使い方を覚えた一部の社員に入力や設定の作業が集まります。その社員がいないと業務が回らない状態は、SaaS導入前の「Excelファイルの管理者がいないと誰も触れない」状態と本質的に変わりません。むしろ、クラウド上の設定は画面を見ないと中身がわからないため、引き継ぎがより難しくなることもあります。
次に、二重運用のリスクです。現場がSaaSを使いにくいと感じると、従来の紙やExcelで作業を続け、あとから誰かがSaaSに転記するという運用が生まれます。転記の手間が増えるうえ、どちらが最新の情報なのかわからなくなり、集計ミスの原因になります。
また、権限設定や共有範囲の設定画面がわかりにくいと、本来は社内限定のはずのファイルを社外にも公開してしまう、退職者のアカウントを削除し忘れるといった運用ミスも起きやすくなります。こうしたミスは、UIの設計と、設定する担当者の理解の両方が原因になります。
これらのリスクは、選定段階でUIを確認することで大きく減らせますが、ゼロにはできません。業務要件や予算の都合で、UIに多少の課題があるSaaSを選ぶ場面は少なくないからです。その場合に有効なのが、UIの課題を前提として、操作方法を社員に浸透させる仕組みをあらかじめ用意しておくことです。よく使う操作を短い動画やマニュアルにまとめ、スマホからいつでも確認できるようにしておけば、特定の社員に質問が集中する状態を防ぎやすくなります。
もう一つ見落としやすいのが、操作手順の教材とは別の、情報の扱いのルールの周知です。権限や共有範囲の設定ミスは、画面のわかりにくさだけでなく、「何を社外に出してよいか」「退職者のアカウントをいつ止めるか」といった基準が社内で共有されていないことも原因になります。
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SaaS UI確認でよくある失敗パターン
SaaS UIの確認で失敗する原因は、「誰が」「何を」「いつ」確認したかのずれにあることがほとんどです。代表的な失敗と、その改善策を表にまとめます。
| 失敗パターン | 起きたこと | 改善策 |
|---|---|---|
| デモ画面の見た目だけで判断した | 営業担当者の操作ではスムーズに見えたが、自社の業務では画面の行き来が多かった | 自社の業務シナリオで、自分たちの手で操作する |
| 決裁者や情報システム担当者だけで確認した | ITに慣れた人には使いやすかったが、現場の社員には難しかった | 実際に毎日使う現場の担当者を評価に加える |
| パソコン画面だけで確認した | 導入後、外出の多い社員がスマホで承認できないことに気づいた | 利用場面ごとに使う端末でも操作する |
| 一般利用者の画面だけを確認した | 管理画面が複雑で、ユーザー追加や権限変更に毎回時間がかかった | 管理者の定常作業もトライアルで試す |
| トライアル終盤に慌てて触った | 十分に比較できないまま、期限に押されて導入を決めた | 評価の担当者と日程を先に決めてから申し込む |
| 導入後の教育を考えていなかった | UIは悪くなかったが、使い方が伝わらず一部の社員しか使わなかった | 操作マニュアルや動画を導入前から準備する |
最後の「導入後の教育を考えていなかった」は、見落とされがちな失敗です。UIの使いやすさは相対的なもので、どれほどわかりやすい画面でも、はじめて使う人には最初の数回の説明が必要です。「UIが良ければ説明はいらない」と考えるのではなく、「UIが良いほど説明が短く済む」と考えて、導入後の教育の準備も選定と並行して進めるのが現実的です。
3サービスの役割を比較表で見るUIの使いやすさをどう確認するか|トライアル活用法
多くのSaaSには無料のトライアル期間があります。この期間を「なんとなく触ってみる」で終わらせず、役割別の業務シナリオを決めて採点することで、UIの使いやすさを客観的に比較できます。
評価の準備:担当者とシナリオを先に決める
トライアルを申し込む前に、評価を担当する人と、試す業務シナリオを決めておきます。評価者は、一般利用者から2人から3人(ITに慣れた人と不慣れな人を含める)、承認者から1人、管理者から1人程度を選ぶとバランスが取れます。シナリオは、その役割の人が毎日または毎週行う操作を3つから5つ選び、「経費を1件入力して申請する」のように、完了した状態が明確にわかる形で書きます。
評価の実施:役割別シナリオで採点する
各評価者は、決めたシナリオを説明を受けずに実行し、次のような項目を記録します。比較するSaaSが複数ある場合は、同じシナリオと同じ評価者で試すことで、条件をそろえた比較ができます。
| 評価項目 | 記録の仕方 | 主に見る役割 |
|---|---|---|
| 説明なしで完了できたか | できた、途中で迷った、できなかった、の3段階 | 一般利用者 |
| 完了までの手数 | クリック数や画面遷移の回数を数える | 一般利用者・承認者 |
| スマホでの操作 | 同じシナリオをスマホで試し、できたかを記録する | 承認者・外出の多い社員 |
| 管理作業の手間 | ユーザー追加、権限変更、利用状況の確認にかかった時間 | 管理者 |
| 迷った箇所のメモ | どの画面で何に迷ったかを自由記述で残す | 全員 |
この採点表の良いところは、評価者の好みではなく、「できたか」「何手かかったか」という事実で比較できる点です。ITに不慣れな評価者が「途中で迷った」と記録した箇所は、導入後に現場で問い合わせが集中する箇所の予測にもなります。
評価結果を導入後の教育に生かす
トライアルで集めた「迷った箇所のメモ」は、選定が終わったら捨てるのではなく、導入後の操作研修の材料として使います。評価者がつまずいた箇所は、ほかの社員もつまずく可能性が高い箇所です。そこを重点的に説明する短い動画やマニュアルを用意すれば、研修内容を一から考えるよりも効率的に、効果の高い教材をつくれます。また、問い合わせ対応の窓口やサポートへの連絡のしやすさもトライアル中に一度試しておくと、導入後に困ったときの対応の早さを見積もれます。
つくった教材を受講状況つきで配信しておくと、新しく入社した社員や異動してきた社員にも同じ内容を伝えられ、SaaSの定着が特定の担当者の頑張りに頼らない形になります。さらに、迷った箇所を確認テストにしておけば、研修を受けた社員が操作を覚えたかを後から確かめられます。
評価で見つけた迷いやすい箇所を確認テストにして、操作を覚えたかを確かめたい場合の一例が、株式会社イー・コミュニケーションズのSAKU-SAKU Testingです。商品ページによると、ドリル・テスト・アンケートを作成して配信でき、受講状況や結果をリアルタイムで確認できます。あらかじめ用意された設問と自社で作成した設問を、1つのテストにまとめることもできます。パソコン・スマホ・タブレットから受講でき、組織やグループごとの管理もできます。一方で、事務局運営やカスタマーデスクを使う場合はオプション扱いです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
株式会社イー・コミュニケーションズ
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初心者にも◎受講者の管理をスムーズに行いたい方におすすめ
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- ユーザー管理機能を備えているため、より細かな対象でカテゴリーやグループを紐づけられる
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- 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる
ここまでの流れを踏まえて、自社の今の運用を、次のセルフチェックで確認してみてください。
SaaSの操作を覚える仕組み、今のやり方で足りている?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
よくある質問(FAQ)
Q1. SaaS UIとは何ですか?UIは何の略ですか?
A. SaaS UIとは、ログイン画面、メニュー、ボタン、入力フォーム、検索、通知、権限ごとの表示など、利用者がSaaSを操作するときに触れる接点全体を指します。UIは「ユーザーインターフェース」の略で、見た目の美しさだけでなく、業務の流れに沿って迷わず操作できるかが重要です。
Q2. UIとUXの違いは何ですか?
A. UXはSaaSを使うことで得られる体験全体を指し、UIはその体験を形づくる画面や操作の接点を指します。業務時間の短縮という成果がUX、それをもたらす入力画面や複製ボタンがUIにあたります。
Q3. SaaS選定時にUIのどこを確認すればよいですか?
A. 業務フローとの適合、利用者像との一致、スマホなどのデバイス対応、よく使う機能への導線、管理画面の使いやすさの5つの観点で確認すると、確認漏れを防ぎやすくなります。エラーの防止や一貫性など、ユーザビリティの10原則も確認の手がかりになります。
Q4. SaaSとは何ですか?
A. SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアを自社のサーバーに導入せず、インターネット経由で利用するサービスの形態です。画面はブラウザやアプリで提供されるため、利用者にとっては、UIが使い勝手の大部分を決めます。
Q5. トライアル期間はどのように使えばよいですか?
A. 申し込む前に、評価者と業務シナリオを決めます。評価者には、決裁者や情報システム担当者だけでなく、毎日使う現場の担当者を加えます。説明なしで完了できたか、完了までの手数、スマホでの操作、管理作業の手間を記録し、複数のSaaSを比べる場合は同じシナリオと同じ評価者で試します。
Q6. UIが多少複雑なSaaSを選んだ場合、どうすれば定着しますか?
A. トライアルで評価者が迷った箇所を中心に、短い操作動画やマニュアルを用意し、スマホからいつでも確認できるようにしておくことが有効です。受講状況を管理できるeラーニングを使えば、操作を覚えていない社員を把握して個別にフォローできます。
まとめ|SaaS UIの選定と定着で進めたい5つのこと
SaaS UIは画面の見た目ではなく、利用者が業務を進めるときに触れる接点全体です。使いやすさは定着率、データの質、社内の問い合わせ対応の工数に直結します。選定から定着までに進めたいことは、次の5つです。
- 業務フロー、利用者像、デバイス、導線、管理画面の5つの観点で、SaaSのUIを確認する
- ユーザビリティの10原則のうち、エラーの防止、エラーからの回復支援、一貫性など、自社の事故につながりやすい項目から試す
- トライアルでは、役割別の業務シナリオで「できたか」「何手かかったか」を記録し、複数のSaaSを同じ条件で比べる
- 評価者が迷った箇所を、導入後の操作研修の教材や確認テストに生かす
- 操作を覚える仕組みや、情報の扱いのルールを周知する仕組みが必要なら、eラーニングの資料を請求して、自社の運用に合うかを確認する
参考文献
- デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」https://www.digital.go.jp/resources/introduction-to-web-accessibility-guidebook
- デジタル庁「サービスデザイン」https://www.digital.go.jp/policies/servicedesign
- デジタル庁「デジタル庁デザインシステムβ版」https://design.digital.go.jp/dads/
- 独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024」https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2024.html
- Nielsen Norman Group「10 Usability Heuristics for User Interface Design」https://www.nngroup.com/articles/ten-usability-heuristics/
