DX効率化とは?業務効率化との違いと進め方を解説

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  • DX効率化と従来の業務効率化の違いがわかる
  • DX効率化の進め方4ステップがわかる
  • 効果測定の基本的な考え方がわかる

「DX」という言葉が広まる中、「結局これまでの業務効率化と何が違うのか」という疑問を持つ担当者は少なくありません。DX効率化とは、既存の業務プロセスを大きく変えずに、デジタル技術によって作業のスピードやコストを改善する取り組みを指します。本記事では、DX効率化の考え方と、一般的な業務効率化との違い、進め方を解説します。

目次

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  1. DX効率化とは|既存業務の改善に軸を置く取り組み
  2. 業務効率化との違い|デジタル技術の使い方
  3. DX効率化の進め方
  4. 部門別に見るDX効率化の対象業務例
  5. DX効率化の先にある業務改革との関係
  6. DX効率化でよくある失敗パターン3つ
  7. 企業規模別に見るDX効率化の進め方の違い
  8. DX効率化の効果測定で見るべき具体的な指標
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|今日からできる3つのこと
  11. 参考文献

DX効率化とは|既存業務の改善に軸を置く取り組み

DX効率化とは、既存の業務プロセスの構造自体は変えずに、デジタル技術を使って作業時間・コスト・ミスを減らす取り組みを指します。

たとえば、紙の書類で行っていた申請作業を電子化する、手作業で行っていた集計をツールで自動化するといった取り組みが典型例です。業務の「やり方」自体は大きく変えず、その工程をデジタル技術で速く・正確にすることが、DX効率化の中心的な考え方です。経済産業省の「デジタルガバナンス・コード」では、DXを企業の競争力強化に向けた広い変革として位置づけていますが、効率化はその中でも比較的着手しやすい第一段階として捉えられます(経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」2024年9月、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html 2026年8月13日取得)。

業務効率化との違い|デジタル技術の使い方

従来の業務効率化は業務手順の見直し・簡素化が中心でしたが、DX効率化はデジタル技術(RPA・クラウドサービス等)を活用して、人手による作業自体を減らす点が特徴です。

観点 従来の業務効率化 DX効率化
主な手段 業務手順の見直し、マニュアル整備 RPA・クラウドサービス等のデジタル技術活用
対象 人が行う作業の順序・方法 人手による作業自体の削減
効果の範囲 個々の作業の短縮 部門・システムをまたぐ作業の自動化
図1:従来の業務効率化とDX効率化の違い

従来の業務効率化が「同じ作業をもっと速くやる」ことを目指すのに対し、DX効率化は「その作業自体をシステムに任せる」という発想の転換を含みます。この違いを理解していないと、単にツールを導入しただけで、実際の作業プロセスは変わらないという結果になりがちです。

DX効率化の進め方

対象業務の選定、現状の作業時間の把握、適したデジタル技術の選定、効果測定という4ステップで進めると、着実にDX効率化を進められます。

まず、繰り返し発生し、かつルール化しやすい業務(データ入力、定型的な集計等)を対象業務として選びます。現状その業務にどれだけの時間がかかっているかを把握し、RPAやクラウドサービスなど適したデジタル技術を選定します。導入後は、実際にどれだけ時間が削減されたかを効果測定し、次の対象業務の選定に活かします。この一連のサイクルを繰り返すことが、DX効率化を組織全体に広げる基本的な進め方です。業務の可視化・標準化・自動化という段階を踏んで進める考え方を詳しく知りたい場合は、DXで業務効率化|可視化・標準化・自動化もあわせてご覧ください。

効率化の対象としてよく挙げられるのが、紙で管理されている文書のデジタル化です。契約書・請求書・申請書類などを電子化し、検索性や保管の効率を高めることは、DX効率化の中でも取り組みやすい領域の1つです。文書管理の電子化を検討する際は、以下のような文書管理システムの比較が参考になります。

部門別に見るDX効率化の対象業務例

DX効率化で対象になりやすい業務は、部門によって傾向が異なります。経理部門では、請求書・領収書のデータ入力、経費精算の突合作業、月次締めの集計作業などが対象になりやすく、これらはOCRや会計ソフトとの連携によって作業時間を大きく削減できる領域です。人事・総務部門では、勤怠データの集計、給与計算の一部、入退社手続きに伴う書類作成などが対象になりやすく、クラウド型の勤怠管理・労務管理ツールとの連携で効率化しやすい業務です。

営業部門では、日報や商談記録の入力、見積書・請求書の作成といった定型作業が対象になりやすく、SFA・CRMツールとの連携によって二重入力を防ぐことができます。製造・物流部門では、在庫データの手入力による集計、発注書の作成、検品記録の転記といった作業が対象になりやすく、バーコード・RFIDなどの技術と連携させることで、現場での入力作業自体を減らせる場合があります。自部門でどの作業が繰り返し発生し時間を取られているかを洗い出すことが、DX効率化の対象業務を選ぶ第一歩になります。

DX効率化の先にある業務改革との関係

DX効率化は、既存の業務プロセスを維持したまま作業を速く・正確にする取り組みですが、これはDX推進全体の出発点にすぎません。効率化によって削減した時間やコストを、業務プロセスそのものの見直しや、新たな価値の創出につなげていく段階が、その先に位置づけられます。

たとえば、請求書のデータ入力を自動化して浮いた時間を、単に他の定型作業に充てるだけでは、DX効率化の効果が組織全体の変革にはつながりません。浮いた時間を使って、請求データの傾向分析や、取引先ごとの支払い条件の見直しといった、より付加価値の高い業務に振り向けることで、初めて業務改革の段階に近づきます。DX効率化を進める際は、削減した時間を「次に何に使うか」まであらかじめ意識しておくと、単なる省力化で終わらせずに済みやすくなります。業務プロセスや組織構造自体を見直す業務改革の考え方を詳しく知りたい場合は、DX業務改革とは?効率化との違いと進め方もあわせてご覧ください。

DX効率化でよくある失敗パターン3つ

ツール導入だけで満足する、対象業務の選定を誤る、効果測定をしないという3つが、DX効率化でよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:ツール導入だけで満足する。デジタルツールを導入したこと自体を目的化し、実際の作業プロセスが変わっていないケースです。導入後の作業手順まで見直すことが回避策になります。

失敗パターン2:対象業務の選定を誤る。頻度が低く効果の小さい業務からDX化を始め、成果が見えにくいケースです。繰り返し発生し、時間がかかっている業務を優先することが回避策になります。

失敗パターン3:効果測定をしない。導入後の効果を数値で確認せず、次の展開判断ができなくなるケースです。作業時間の削減効果を定量的に測定することが回避策になります。

企業規模別に見るDX効率化の進め方の違い

DX効率化の進め方は、企業規模によって重視すべきポイントが異なります。専任のIT部門や情報システム部門を持つ企業と、担当者が他業務と兼務している中小企業とでは、同じ「効率化」でも着手の順序や進め方を変える必要があります。

大企業や情報システム部門を持つ組織では、複数部門にまたがる業務プロセスを一括で見直し、基幹システムとの連携を前提としたRPAやワークフローシステムを導入するケースが多く見られます。この場合、部門間の調整やセキュリティ要件の確認に一定の時間がかかるため、最初から全社展開を狙うのではなく、特定の部門・特定の業務で効果を検証してから横展開する進め方が現実的です。情報システム部門が旗振り役となり、各部門の担当者を巻き込みながら段階的に対象業務を広げていくことで、大規模な混乱を避けながらDX効率化を進められます。

一方、専任のIT担当者がいない中小企業では、大掛かりなシステム連携よりも、クラウド型の会計ソフトや勤怠管理ツール、文書管理サービスなど、導入・設定が比較的容易なサービスから着手する方が現実的です。中小企業の場合、経営者や現場責任者自身が業務の課題を把握していることが多いため、外部のシステム部門を介さずに、現場主導で小さく試してから広げるスピード感がむしろ強みになります。ただし、担当者が他業務と兼務している場合が多いため、一度に複数の業務を並行して効率化しようとすると負担が大きくなりがちです。まずは1つの業務領域に絞って着手し、効果を実感してから次の対象業務に広げていく進め方が、無理なく継続するコツになります。

DX効率化の効果測定で見るべき具体的な指標

DX効率化の効果測定では、作業時間の削減幅だけでなく、ミスの発生率、処理件数あたりのコスト、担当者の負担感といった複数の指標を組み合わせて確認することが望ましいとされています。

最も分かりやすい指標は、対象業務にかかる作業時間の変化です。導入前に一定期間の作業時間を記録しておき、導入後の同じ期間と比較することで、削減効果を定量的に把握できます。あわせて、入力ミスや処理漏れといったエラーの発生件数も記録しておくと、単に時間が短縮されただけでなく、品質面でも改善があったのかを確認できます。手作業による転記や二重入力が減ることで、ミスの発生率が下がるケースは少なくありません。

コスト面では、削減された作業時間を人件費に換算し、ツールの導入・運用コストと比較することで、投資対効果の目安を示すことができます。ここで「時点の目安」であることを明示し、断定的な数値を一人歩きさせないよう注意する必要があります。また、数値だけでなく、実際に業務を担当している従業員が負担感の軽減をどう感じているかもあわせて確認すると、定量指標だけでは見えない現場の実感を把握できます。効果測定の結果は、次にどの業務をDX効率化の対象にするかを判断する材料としても活用できるため、一度きりで終わらせず、継続的に記録を残しておくことが望ましいとされています。

なお、効果測定の頻度についても検討が必要です。導入直後は現場が新しい運用に慣れておらず、一時的に作業時間が増えることもあるため、1回だけの測定で判断せず、少なくとも数週間から1-2か月程度の運用期間を経てから評価するのが望ましいとされています。短期間の数値だけで「効果がなかった」と判断してツールの利用をやめてしまうと、本来得られたはずの中長期的な効果を見逃すことにもなりかねません。

よくある質問(FAQ)

Q1. DX効率化と業務効率化は同じ意味ですか?

A. 重なる部分はありますが、DX効率化はデジタル技術を活用して作業自体を自動化・削減する点に特徴があります。従来の業務効率化は、作業手順の見直しが中心である点が異なります。

Q2. どの業務からDX効率化を始めるべきですか?

A. 繰り返し発生し、ルール化しやすい業務(データ入力、定型的な集計等)から始めることをおすすめします。頻度が高く時間がかかっている業務ほど、効果が見えやすくなります。

Q3. DX効率化の効果はどう測定すればよいですか?

A. 導入前後での作業時間の変化を比較することが基本です。削減された時間を金額に換算すると、投資対効果としても説明しやすくなります。

Q4. 紙の文書をデジタル化するメリットは何ですか?

A. 検索性の向上、保管スペースの削減、複数人での同時参照が可能になることなどが挙げられます。契約書・請求書等の重要文書のデジタル化は、効率化の中でも効果を実感しやすい領域です。

Q5. DX効率化だけでDX推進は完了しますか?

A. 完了しません。効率化は既存業務の改善が中心であり、業務プロセスや組織構造自体の見直しを含む、より広範な取り組み(業務改革)は別途検討が必要です。

Q6. 中小企業でもDX効率化は進めやすいですか?

A. はい。大規模なシステム改修を伴わない、クラウドサービスの導入や文書のデジタル化などから始められるため、中小企業でも着手しやすい領域です。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 対象業務を選定する:繰り返し発生し、時間がかかっている業務を洗い出します。
  2. 適したデジタル技術を選ぶ:RPA・クラウドサービス等、業務内容に合った技術を検討します。
  3. 効果を測定し次に活かす:作業時間の削減効果を数値で確認し、次の対象業務選定に反映します。

参考文献

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