saas 中途採用とは?採用管理SaaSの選び方と注意点
Check!
- 採用管理SaaSの選び方を比較軸ごとに確認できる
- ATSとRPO・採用BPOの使い分けがわかる
- 募集時の表示事項と個人情報の注意点を確認できる
saas 中途採用とは、中途採用の応募受付から選考、内定までの業務を、インターネット経由で使える採用管理システム(ATS)などのSaaSで管理・効率化することです。「応募者の管理が媒体ごとにバラバラ」「スカウトを送りたいのに書類選考で手一杯」といった悩みから、採用管理SaaSを検討する採用担当者が増えています。ただし中途採用は応募経路が多く、ポジションごとに要件も変わるため、機能の多いATSを入れれば解決するとは限りません。この記事では、選び方、RPO・採用BPOとの使い分け、業種別・規模別の注意点、応募者情報を扱う際の法務上のポイント、採用工数の試算方法を、厚生労働省や個人情報保護委員会の公開資料をもとに整理します。
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Q1. 中途採用でいちばん時間を取られている作業は?
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中途採用のスカウト・書類選考はAIとSaaSで工数を減らせる
中途採用で担当者の時間を最も奪いやすいのは、候補者の検索、スカウト文の作成、書類選考の3つです。ここを管理するだけのATSに加えて、作業そのものをAIで代替するSaaSを組み合わせると、少人数の採用チームでも候補者への接触数を増やしやすくなります。
ダイレクトリクルーティング媒体が普及した結果、中途採用では「応募を待つ」だけでなく「企業から候補者に声をかける」動きが当たり前になりました。一方で、スカウトは候補者ごとにレジュメを読み、自社の求人との接点を見つけて文章を書く作業です。1通に数分から十数分かかることも珍しくなく、テンプレートの一斉送信に頼ると返信が得られにくくなります。書類選考も同じで、応募が集中する時期には、確認待ちの書類が積み上がり、候補者への連絡が遅れて他社に先を越されることがあります。
こうした課題に対して、AIでスカウト文の作成やスクリーニング、書類選考を行うサービスも登場しています。その一例がエースジョブです。求人票やヒアリング内容から採用要件を言語化し、媒体上の候補者とのマッチ度を理由付きで表示したうえで、候補者ごとに文面を変えたスカウト文の作成・送信までを行う採用支援サービスです。履歴書・職務経歴書を一括で取り込み、自社の要件にもとづいて合否判定を行うAI書類選考や、求人票の作成機能もあり、ATSや採用媒体でのステータス変更・合否連絡との連携にも対応しています。AIに任せきりにするのではなく、専任チームがスカウト体制の構築から運用までを伴走する点も特徴で、スカウト運用をAI化するプランのほか、求人広告の運用やATS管理まで任せる採用代行型のプランも用意されています。注意したいのは、採用要件のヒアリングや求人票の確認など、社内側の協力も必要になる点です。料金は採用課題に応じて設計されるため、詳細は資料や問い合わせで確認してください。
エースジョブの強み・特徴
エースジョブの導入事例
エースジョブは求人票からAIが作成した内容をチェックする・CSの方と擦り合わせる形で精度を上げることができるため、立ち上げの心理的・時間的負荷が圧倒的に低く、採用ポジションが多い弊社としてはとても助かっています。また、候補者確認や評価のUIUXもわかりやすく、人事だけではなく事業部を巻き込んで採用を行う弊社には適していると感じています
導入事例|ラクスル株式会社
エースジョブの基本情報
| 対象 | 新卒・中途 |
|---|---|
| 導入実績 | 200社以上 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 求人媒体連携 | 20以上の主要媒体・ATSに対応 |
| 主な機能 | AIスカウト、AI書類選考、AI求人票作成、候補者AIマッチング、日程調整など |
| サポート | AI採用に精通したコンサルタントによる導入・運用支援 |

おすすめ!
- 採用基準を学習するリクルーターAIにより、スクリーニングやスカウト文を作成
- 工数のかかる書類選考や運用媒体を代行でき、見極め業務に時間をかけやすい
- 採用課題に合わせて導入できるため、内定数増加・採用費用削減につながる
気になる…
- 詳しい費用を知るには問い合わせが必要
エースジョブのベンダーの導入事例ページでは、ライフイズテック株式会社の採用担当者が、導入後の変化を次のように述べています。一社の事例であり、効果は企業の状況によって異なります。
エースジョブ導入後はターゲットを整理して、スクリーニングを最適化したことで人の目を介さず毎日媒体に上がってくる新規候補者を自社に合うかエースジョブで確認できるようになりました。
出典:エースジョブ導入事例「ライフイズテック株式会社」
AIによる書類選考やスクリーニングを使う場合でも、最終的な合否の判断と、その根拠を説明できる状態を社内に残しておくことが大切です。後述するとおり、厚生労働省は応募者の適性と能力に基づく公正な採用選考を求めているため、AIの判定基準に採用と関係のない項目が混ざっていないかを、導入時と運用中の両方で確認しましょう。
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saas 中途採用とは|ATSがSaaS型で提供される理由
saas 中途採用とは、中途採用の応募受付から選考、内定までの業務を、クラウド上の採用管理システムなどのSaaSで管理・効率化する取り組みのことです。ATSの多くは、自社サーバーに導入するパッケージではなくSaaS型で提供されています。
「採用SaaS」「採用管理SaaS」「ATS(採用管理システム)」は、ほぼ同じ意味で使われます。この記事では、採用する企業の担当者が、応募者の管理や選考を効率化するために使うサービスを指します。なお、「saas 中途採用」で検索すると、SaaS企業への転職を考える求職者向けの情報も表示されることがありますが、この記事は採用する企業側の担当者向けです。
ATS(Applicant Tracking System)は、応募者の情報、選考の進み具合、面接官の評価、候補者とのやり取りを1か所にまとめる仕組みです。中途採用では、求人媒体、人材紹介会社、自社の採用サイト、社員紹介など、経路ごとに応募者情報の受け取り方が異なります。ATSがない場合、担当者は各媒体の管理画面とメール、Excelの応募者一覧を行き来することになり、二重連絡や対応漏れが起こりやすくなります。
ATSがSaaS型で提供される理由は、採用業務の性質と相性がよいためです。主な理由を表にまとめます。
| SaaS型である理由 | 中途採用での具体的なメリット |
|---|---|
| 外部サービスとの連携を提供側が保守する | 求人媒体やエージェントとの連携仕様が変わっても、提供側がアップデートで対応するため、自社で改修する必要がない |
| 制度変更への対応が早い | 職業安定法や個人情報保護法の改正に合わせた画面・項目の見直しが、サービス側で順次反映される |
| 場所を問わずアクセスできる | 本社の人事、拠点の面接官、在宅勤務の担当者が同じ候補者情報を見ながら評価を入力できる |
| 小さく始めて広げられる | 利用人数や機能に応じた月額課金が多く、採用数が少ない時期は小さな契約で始められる |
特に「制度変更への対応」は、中途採用ならではの論点です。2022年10月施行の改正職業安定法では、求人情報等の的確な表示の義務化、求職者等の個人情報の取扱いに関するルールの整備、求人メディア等に関する届出制の創設が行われました(厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」)。求人を出す企業側も、募集内容を正確に示し、応募者の個人情報を適切に扱う責任を負います。SaaS型のATSであれば、こうした制度対応を提供側と分担しやすくなります。
一方で、SaaSには「提供側のサービス仕様に業務を合わせる必要がある」「データが社外のクラウドに保管される」という性質もあります。独自の選考フローが多い企業や、応募者データを社外に置くことに慎重な企業は、次の章で紹介する確認項目を導入前に丁寧に見ておきましょう。ATS導入のメリット全般については、ATS(採用管理システム)導入のメリットとは?選び方も解説でも詳しく紹介しています。
中途採用向けATSの選び方
中途採用向けATSは、求人媒体・エージェントとの連携範囲、採用サイト作成機能、料金体系の3点を軸に、日程調整・データ分析・運用サポートも加えて選ぶのが基本です。機能の数ではなく、自社の応募経路と選考フローに合うかを軸に比較しましょう。比較の評価軸の立て方は、SaaS比較の正しい方法|景表法に配慮した選び方と評価軸も参考になります。
新卒向けATSは、説明会の予約管理や大量の応募者への一斉連絡に強い製品が多く、アルバイト向けは応募から面接までのスピードを重視した製品が中心です。中途採用向けは、少ない母集団から要件に合う人を見極めることが目的になるため、応募経路の多さと、ポジションごとに異なる選考フローへの対応力が問われます。
| 比較項目 | 中途採用向け | 新卒採用向け | アルバイト採用向け |
|---|---|---|---|
| 重視する機能 | 媒体・エージェント連携、ポジション別の選考管理 | 説明会管理、一斉連絡、内定者フォロー | 即時応募受付、面接日程の自動調整 |
| 応募経路 | 求人媒体、人材紹介、スカウト、リファラルなど多数 | 就職情報サイト、学校経由が中心 | 求人サイト、店頭、自社サイトが中心 |
| 選考期間 | 随時。スピードが合否に影響しやすい | 年間スケジュールに沿って進む | 数日単位で完結することが多い |
アルバイト採用は応募から面接までの速さが成否を分けるため、応募通知の即時化や面接日程の自動調整でスピードアップを図る製品が中心です。中途採用の管理をアルバイト向けのATSで代用すると、媒体・エージェントとの連携や、職種ごとに異なる選考フローの管理が足りなくなることがあります。
ATSの標準機能と、製品で差が出る機能
多くのATSには、求人の管理、応募者の管理、選考の管理、データの集計という4つの基本機能があります。製品ごとに差が出やすいのは、媒体との連携方法や、日程調整・分析機能の細かさです。比較するときは、次の表の「中途採用で確認すること」を自社の状況に当てはめてみましょう。
| 機能の区分 | 主な内容 | 中途採用で確認すること |
|---|---|---|
| 求人管理 | 求人票の作成、採用サイトの作成、求人媒体への掲載 | ポジションごとに募集要項を分けて管理できるか。表示事項の抜けを防げるか |
| 応募者管理 | 応募者情報の一元化、連絡履歴の記録、重複応募の確認 | 媒体・エージェント・スカウト・リファラルの応募を同じ画面で扱えるか |
| 選考管理 | 選考ステータス、面接日程の調整、面接官の評価入力 | ポジション別の選考フローを設定できるか。面接官が入力しやすい画面か |
| データ分析 | 経路別の応募数・通過率、選考にかかった日数の集計 | 媒体費の見直しに使える形で、経路別の採用数まで出せるか |
| 外部連携 | Web面接ツール、カレンダー、メール、人事労務システムとの連携 | 内定後の情報を入社手続きに引き継げるか |
求人媒体・エージェント連携
最初に確認したいのは、自社がいま使っている求人媒体や人材紹介会社と連携できるかどうかです。連携方法は、応募者情報が自動で取り込まれるAPI連携、媒体からの通知メールを解析して取り込む方式、CSVの手動取り込みなど、製品によって異なります。自動連携に対応していない媒体が多いと、結局は手作業での転記が残ってしまいます。
人材紹介会社を複数使っている場合は、エージェントごとに候補者を推薦してもらう専用画面を発行できるか、推薦状況を一覧で比較できるかも確認しましょう。ダイレクトリクルーティング媒体の候補者やリファラル(社員紹介)の応募者も同じ画面で管理できると、紹介手数料や媒体費に頼らない採用を増やしやすくなります。どの経路から何人が応募し、何人が内定に至ったかを経路別に集計できると、翌期の媒体選びに役立ちます。求人媒体の選び方そのものは、おすすめの中途採用サイト10選|選ぶ際の比較ポイントも解説もあわせて参考にしてください。
採用サイト作成機能
中途採用では、候補者が応募前に企業の採用サイトを確認することが一般的です。ATSに採用サイトの作成機能があれば、募集要項の更新とATSへの反映を一度に行え、採用サイト経由の応募も自動で取り込めます。求人媒体に払う掲載費を抑えたい企業ほど、自社サイト経由の応募を増やす意味は大きくなります。
確認したいポイントは、テンプレートの自由度、スマートフォン表示への対応、求人検索エンジンへの掲載に対応した形式で求人情報を出せるかどうかです。すでに自社のコーポレートサイトがある場合は、ATSの採用ページと見た目や導線がちぐはぐにならないかも見ておきましょう。募集要項に載せる項目には法令上の表示事項があるため、応募者情報を扱うときの法務上の注意点で確認した項目を入力欄として設定できるかも見ておくと安心です。
日程調整・外部ツール連携
中途採用は選考のスピードが合否に影響しやすいため、面接日程の調整にかかる手間も比較の対象になります。候補者が空き時間から面接日を選べる機能や、面接官のカレンダーとの連携、Web面接ツールのURLを自動で送る機能があると、担当者の連絡の往復を減らせます。候補者との連絡手段がメールだけで足りるのか、電話やメッセージアプリでの連絡も記録したいのかも、自社の運用に合わせて確認しましょう。
データ分析・レポート
採用が思うように進まないとき、どの段階で候補者が減っているかを数字で確認できるかどうかが、ATSの価値を左右します。経路別の応募数、書類通過率、面接通過率、応募から内定までの日数が集計できれば、媒体費をかける先や、選考で時間がかかっている工程を見直せます。ただし、採用数が少ないうちは数値に差が出にくいため、最初は経路別の応募数と選考の進み具合が確認できれば十分なこともあります。
導入費用・料金
SaaS型ATSの料金は、初期費用と月額費用の組み合わせが一般的で、月額は利用ユーザー数、求人数、応募者数、利用機能のいずれかで決まる製品が多くあります。料金は「要問合せ」の製品も多く、課金の単位も製品ごとに異なります。そのため、中小企業が見積もりを依頼するときは、利用人数、同時に募集する求人数、年間の想定応募者数を同じ条件にそろえて比べると、割安・割高を判断しやすくなります。
- 面接官が多い企業は、ユーザー数課金だと費用がかさみやすい
- 通年で多くの職種を募集する企業は、求人数課金だと費用が読みにくい
- 応募が特定の時期に集中する企業は、応募者数課金だと月ごとの変動が大きい
- 媒体連携や採用サイト作成がオプション料金になっていないかを確認する
- 無料で使える製品は、保存できる期間や件数、使える機能に制限がないか、課金が発生する条件は何かを確認する
中小企業がITツールを導入する際には、国の補助金制度が活用できる場合があります。対象となるツールや要件は年度ごとに変わるため、検討する時点で公式情報を確認しましょう。
導入・運用サポート
ATSは入れただけでは定着しません。初期設定を手伝ってもらえるか、面接官向けの操作説明があるか、困ったときの問い合わせ窓口は何で受け付けているか(電話・メール・チャット)を、契約前に確認しておきましょう。担当者が兼務で1人程度の企業ほど、運用サポートの内容が使いやすさに直結します。
中途採用にATSを導入するメリットとデメリット
選び方を詰める前に、導入で得られることと引き換えに生じる負担を整理しておくと、社内の合意を取りやすくなります。中途採用は応募経路が多く、ポジションごとに選考にかかわる人も変わるため、メリットとデメリットの両方が新卒採用より表れやすい傾向があります。
| 観点 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 応募者情報の管理 | 媒体・紹介会社・スカウト経由の応募を一か所にまとめ、対応漏れや二重連絡を防げる | 導入時に既存の表計算ファイルなどからデータを移す作業が発生する |
| 担当者の作業時間 | 日程調整や定型連絡の自動化で、候補者との面談や口説きに時間を回せる | 選考フローや通知の初期設定に一定の時間がかかる |
| 社内の情報共有 | 複数部署・拠点の面接官が評価を同じ画面で共有でき、判断が早くなる | 面接官が入力しないと情報が揃わず、形骸化しやすい |
| 採用活動の改善 | 経路別の応募数や選考通過率を確認でき、費用をかける媒体を見直せる | 採用数が少ないうちは数値の差が出にくく、分析の効果を感じにくい |
| 費用 | 紙や表計算での管理にかかっていた手間を減らせる | 初期費用と月額費用が継続的に発生する |
デメリットの多くは、導入初期の設定と、面接官を含む社内の利用定着に関するものです。無料プランやトライアルがある製品なら、実際の求人1件で選考を一通り回してみて、担当者と面接官の手間が本当に減るかを確かめてから本契約に進むと失敗を防ぎやすくなります。
ATS(自社運用)とRPO・採用BPO(外部委託)の使い分け
社内に採用担当者の時間があり、選考ノウハウを蓄積したいならATSで自社運用、担当者の時間が足りない、または急いで採用数を増やしたいならRPO・採用BPOの活用が向いています。両者は対立するものではなく、組み合わせて使うことも一般的です。
RPO(Recruitment Process Outsourcing)は採用業務の一部または全部を外部に委託するサービスで、採用BPOとも呼ばれます。委託できる範囲は、求人票の作成、媒体運用、スカウト送信、応募者対応、面接日程の調整、書類選考の一次判定など多岐にわたります。人材紹介会社が「候補者を紹介する」のに対し、RPOは「自社の採用業務を代わりに行う」点が異なります。
| 比較項目 | ATSで自社運用 | RPO・採用BPOに委託 | 人材紹介を利用 |
|---|---|---|---|
| 向いている状況 | 担当者の時間があり、採用を内製化したい | 担当者が不足、短期間で採用数を増やしたい | 専門性の高い職種を少数採用したい |
| 長所 | ノウハウとデータが社内に残る。費用が比較的読みやすい | 専門チームの運用力を借りられる。立ち上げが早い | 成果報酬型が多く、採用できなければ費用が発生しにくい |
| 短所 | 運用する人の時間が必要。定着しないと形骸化する | ノウハウが社内に残りにくい。委託先の管理が必要 | 1人あたりの採用単価が高くなりやすい |
| 個人情報の扱い | 自社で管理ルールを整備する | 委託先への監督が必要 | 紹介会社が職業安定法に基づき管理する |
判断に迷う場合は、「どの業務を社内に残すか」から考えると整理しやすくなります。面接と最終判断、候補者への口説きは社内に残し、候補者検索やスカウト文作成、書類の一次確認といった作業量の多い業務を外部やAIに任せる分担は、中小企業でも取り入れやすい形です。ATSで応募者情報を一元管理しておけば、委託先とのやり取りも同じ画面で完結でき、委託をやめたときにもデータが社内に残ります。業務委託(BPO)を使うときの判断の進め方は、経理SaaSの選び方|BPO委託との違いと補助金・DX認定の活用でも、別の業務を例に整理しています。
委託する場合、応募者の個人情報を委託先に渡すことになります。個人情報保護法では、個人データの取扱いを委託する場合に委託先を監督する義務が定められているため、契約で安全管理の方法を取り決め、取扱状況を確認できるようにしておきましょう(個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」)。作業量の多いスカウトや書類選考を、AIと専任チームの伴走で任せたい場合は、先ほど紹介したエースジョブのように、スカウト運用のAI化から採用代行までプランを選べるサービスも比較対象になります。
業種別に見る中途採用SaaS活用の注意点
中途採用SaaSの使い方は業種によって重視すべき点が変わります。応募経路、選考にかかわる人数、求める経験の種類が異なるため、自社の業種に近い例を参考に確認項目を絞り込みましょう。
| 業種 | 中途採用の特徴 | SaaS活用で確認したい点 |
|---|---|---|
| IT・Web | エンジニア職は候補者優位で、スカウトの質が成否を分けやすい | ダイレクトリクルーティング媒体との連携、スキル要件の言語化、技術面接の評価共有 |
| 製造業 | 工場や拠点ごとに採用し、面接官が現場にいることが多い | 拠点別の権限設定、スマートフォンからの評価入力、資格情報の管理 |
| 医療・介護 | 資格職が中心で、人材紹介の利用比率が高い | 紹介会社ごとの推薦管理、資格・免許の確認記録、夜勤など勤務条件の提示 |
| 小売・サービス | 店長候補など複数店舗の採用を本部で束ねる | 店舗ごとの求人管理、本部と店舗の役割分担、アルバイト採用との管理の切り分け |
| 建設業 | 施工管理など経験者採用の難度が高い | スカウトの活用、現場責任者が面接に参加しやすい日程調整機能 |
IT・Web業界のように候補者が複数の企業から声をかけられる職種では、スカウト文が定型文だと埋もれてしまいます。候補者の経歴のどこに注目したのか、入社後にどんな役割を期待するのかを具体的に書く必要があり、その作業量が採用担当者の負担になりがちです。スカウトの質と量の両立が課題の場合は、冒頭で紹介したAIによるスカウト文作成のような仕組みが役立ちます。
製造業や小売業のように拠点が分かれている企業では、本社の人事部と現場の面接官が同じ候補者情報を見られることが重要です。SaaS型ATSは場所を問わずアクセスできる一方で、閲覧権限を適切に絞らないと、他拠点の応募者情報まで見えてしまうことがあります。拠点ごと、役職ごとに見られる範囲を設定できるかを必ず確認しましょう。
小売・サービス業では、店長候補やエリアマネージャーなどの中途採用と、店舗ごとのアルバイト採用が同時に動きます。同じATSで両方を管理するか、中途採用だけを本部のATSで管理するかで、必要な権限設計や求人管理の方法が変わります。製品の候補を探す前に、店舗ごとの求人を本部がどこまで承認するのか、店舗の担当者に応募者情報をどこまで見せるのかを決めておくと、選ぶ基準がぶれません。
医療・介護分野では、資格や免許の有無が採用の前提になります。応募時に資格の写しを受け取る場合、それも個人情報として保管期間や閲覧範囲のルールを決めておく必要があります。どの業種でも共通するのは、応募者情報の取扱いルールを先に決め、それに合わせてSaaSの設定を行う順番です。
応募者情報を扱うときの法務上の注意点
中途採用SaaSを使う場合も、応募者情報の取扱いと募集内容の表示に関する責任は採用する企業側にあります。職業安定法、個人情報保護法、公正な採用選考の考え方の3点を押さえておきましょう。
職業安定法では、求職者の個人情報は、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、その範囲内で保管・使用することとされています(第5条の5)。また、募集に関する広告等では、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、労働者の募集を行う者は、募集情報を正確かつ最新の内容に保つ必要があります(第5条の4。e-Gov法令検索「職業安定法」)。2017年の法改正以降、求人等に関する情報の的確な表示や求職者等の個人情報の取扱い、労働条件等の明示についてもルールが整備されてきました(厚生労働省「平成29年職業安定法の改正について」)。ATSに応募フォームを作る際は、選考に必要のない項目を設けていないかを見直しましょう。
ATSの採用サイト作成機能や求人票の入力欄を設定するときは、厚生労働省が案内している募集時の表示事項も確認しておく必要があります。主な内容を表にまとめます。
| 確認項目 | 厚生労働省の案内の内容 | ATSの設定で見ておくこと |
|---|---|---|
| 募集広告の6つの表示事項 | 募集主の氏名(名称)、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金を表示する。インターネットやSNSを含む広告等が対象で、自社サイトの募集要項へのリンクだけでは不十分とされている | 求人媒体や採用サイトに出力する募集情報に、6項目が入っているか |
| 2024年4月1日から追加された明示事項 | 従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間・更新回数の上限を含む)が追加された。自社ホームページでの募集や求人広告の掲載でも、求人票や募集要項で労働条件を明示する | 求人票のテンプレートに、変更の範囲や更新の基準を書く欄があるか |
| 募集情報の正確さと最新性 | 募集情報は正確かつ最新の内容に保つ。掲載した時点を明示するなどの対応が例示されている | 募集を終えた求人や、条件を変更した求人を、媒体と採用サイトの両方で更新できるか |
出典は、厚生労働省「労働者の募集広告の表示事項について」と、厚生労働省のリーフレット「2024年4月から、募集広告や職業紹介を受ける際に、求人企業などから明示される労働条件が追加されます」(PDF)です。表の内容は案内の要点で、個別の求人が条件を満たしているかどうかは、原文と所管の労働局の案内で確認してください。
厚生労働省は、応募者の適性と能力に基づいた公正な採用選考を求めており、本籍・出生地、家族の状況、思想・信条などを応募書類や面接で把握しないよう呼びかけています(厚生労働省「公正な採用選考をめざして」)。AIによる書類選考やスクリーニングを使う場合も、判定基準にこうした項目が影響していないかを確認し、最終判断は人が行う体制にしておくと安心です。
クラウドに応募者情報を保管する以上、アカウント管理やアクセス権限の設定も欠かせません。中小企業向けには、情報処理推進機構が情報セキュリティ対策の進め方をまとめたガイドラインを公開しています(IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」)。退職者のアカウント削除、面接官ごとの閲覧範囲の制限、不合格者データの保管期間の設定などを、導入時の設定項目として洗い出しておきましょう。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。判断に迷う場合は、社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談してください。
企業規模別に見る中途採用SaaSの導入の進め方
中途採用SaaSは、年間の採用人数と採用担当者の人数によって、最初に導入すべき機能と進め方が変わります。いきなり全機能を使おうとせず、自社の規模に合った範囲から始めて、運用が定着してから広げるのが基本です。
| 規模の目安 | よくある状況 | 最初に取り組みたいこと |
|---|---|---|
| 採用担当が兼務で1人程度 | 総務や経営者が採用も担い、採用は欠員が出たときに都度行う | 応募者一覧と連絡履歴の一元化。作業量が多い部分は外部委託やAIの活用も検討 |
| 専任担当が数人 | 複数職種を通年で募集し、媒体と人材紹介を併用している | 媒体・エージェント連携と、面接官の評価入力の統一 |
| 複数拠点・採用チームあり | 拠点や事業部ごとに採用し、本社が全体を管理している | 権限設計、経路別・拠点別の分析、既存の人事システムとの連携 |
採用担当者が兼務で1人程度の企業では、高機能なATSを契約しても、設定や運用に割ける時間がないことが少なくありません。まずは応募者一覧と候補者とのやり取りを1か所に集めることを目標にし、それ以上の作業負担が大きい場合は、ツールを増やすより外部の手を借りる方が早く成果につながることもあります。中小企業の人手不足の状況は中小企業庁の中小企業白書などでも繰り返し取り上げられており、採用担当者の時間をどう確保するかは、規模の小さい企業ほど重要な論点です。
専任担当が数人いる企業では、担当者ごとに管理方法が違うことが課題になりがちです。評価シートの項目や、選考ステータスの名称を統一してからATSに登録すると、担当者が変わっても選考状況を引き継ぎやすくなります。導入初月は主要な1、2職種だけで運用し、面接官からの意見を反映してから全職種に広げると、現場の抵抗も少なくなります。
複数拠点を持つ企業では、本社が全体の数字を把握しつつ、拠点には自拠点の応募者だけを見せる権限設計が欠かせません。内定後の入社手続きを別の人事労務システムで行っている場合は、内定者情報を二重入力しなくて済むよう、連携方法や出力形式も確認しておきましょう。いずれの規模でも、導入から3か月程度を目安に、応募から内定までの日数や経路別の採用数を振り返り、設定や運用ルールを見直す時間を設けておくと定着しやすくなります。
ここまでの内容は、応募者情報の管理や選考の進め方を整える話でした。一方で、スカウト文の作成や書類の確認といった作業を毎回手で行っている場合は、ATSを入れても作業時間は減りにくくなります。次のチェックで、いまの運用のどこに手間が集中しているかを確認してみましょう。
中途採用の運用、手作業が多い箇所はどこ?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
中途採用SaaS選定でよくある失敗パターン
中途採用SaaSの失敗は、製品選びそのものより「導入前の整理不足」と「導入後の運用ルール不足」から生まれることがほとんどです。よくある3つのパターンと、その対策を切り替えて確認してみましょう。
- 機能の多さで選んだ結果、面接官が使いこなせず、評価は結局メールで送られてくる
- 主要な求人媒体と自動連携できず、応募者情報の転記作業が残ったまま
- 応募者データの閲覧権限を決めずに運用を始め、拠点をまたいで情報が見えてしまった
3つのパターンに共通するのは、使う人と使う場面を具体的に想定しないまま契約してしまう点です。採用担当者だけでなく、面接官、拠点の責任者、場合によっては委託先の担当者まで、誰がどの画面を使うのかを一覧にしてから比較すると、必要な機能と不要な機能がはっきりします。
もう1つ多いのが、スカウト機能を契約したのに、文面を書く時間がなくて送信数が伸びないケースです。ATSは「管理」の道具であり、スカウト文を書く、候補者を探すといった「作業」は依然として人の手に残ります。作業時間そのものが足りない場合は、ATSの機能を増やすより、作業を代替するAIサービスや外部委託の検討が先になることもあります。面接の効率化まで視野に入れる場合は、Web面接システムのおすすめ8選|比較のポイントや注意点も解説も参考になります。
エースジョブ
管理は整えたのに、スカウト文や書類確認の手間は減らないままではありませんか?
こんな会社に向いています
スカウトや書類選考に手が回らず、媒体を使いきれていない会社
少人数の採用チームで、候補者への接触数を増やしたい会社
中途採用の工数とコストを数値で確認する
SaaS導入の効果を判断するには、いまの採用業務にどれだけの時間がかかっているかを数字で把握することが出発点です。以下のシミュレーターで、書類選考とスカウト作成にかかる月間工数と、人件費に換算した金額の目安を確認してみましょう。
中途採用の作業時間シミュレーター
現在の月間作業時間:0時間
人件費換算:約0円/月
削減できる時間の目安:0時間/月(約0円/月)
※入力値をもとにした簡易計算です。実際の効果は、選考フローや利用するサービスの内容、運用体制によって異なります。
たとえば初期値の条件では、書類確認とスカウト作成だけで月に20時間以上を使っている計算になります。ここに面接日程の調整や、候補者・エージェントとのメールのやり取りが加わると、採用担当者の業務時間の多くが作業に費やされていることが分かります。数字で把握できると、ATSで管理を効率化すべきか、AIや外部委託で作業自体を減らすべきかを判断しやすくなります。
コストを考える際は、作業時間だけでなく、求人媒体の掲載費や人材紹介の手数料も含めた「採用1人あたりの費用」で比較することが大切です。スカウト経由の採用が増えれば、紹介手数料への依存度を下げられる場合があります。自社の離職・入職の傾向を業界と比べたい場合は、厚生労働省の雇用動向調査で産業別の入職率・離職率を確認できます。
試算の結果、作業時間の大半がスカウト文の作成や書類確認に使われていた場合は、管理を効率化するATSだけでなく、作業そのものを減らす選択肢も比べる価値があります。エースジョブは、スカウト文の作成・送信やAI書類選考を担い、商品ページで機能やプラン、導入の流れを確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. saas 中途採用(採用管理SaaS)とは何ですか?
A. 中途採用の応募受付から選考、内定までの業務を、インターネット経由で使える採用管理システム(ATS)などのSaaSで管理・効率化する取り組みのことです。複数の求人媒体や人材紹介会社からの応募者情報を一元管理し、面接官の評価や候補者とのやり取りを同じ画面で共有できます。「採用SaaS」「採用管理SaaS」もほぼ同じ意味で使われます。
Q2. 中途採用向けと新卒向けのATSは何が違いますか?
A. 中途採用向けは、求人媒体・人材紹介会社・スカウトなど多様な応募経路との連携や、ポジションごとに異なる選考フローの管理を重視します。新卒向けは説明会の管理や多数の応募者への一斉連絡、内定者フォローに強い製品が中心で、アルバイト向けは応募から面接までのスピードを重視した製品が中心です。
Q3. 中途採用向けATSはどう選べばよいですか?
A. 自社が使っている求人媒体・エージェントと連携できるか、採用サイトを作成できるか、料金体系が自社の採用規模に合っているかの3点を基本に比較します。日程調整やデータ分析、運用サポートの内容も確認し、面接官が使う画面をトライアルで確認しておくと、導入後に使われなくなる失敗を防げます。
Q4. ATSとRPO・採用BPOはどう使い分ければよいですか?
A. 担当者の時間があり採用ノウハウを社内に蓄積したい場合はATSで自社運用、担当者が不足している場合や短期間で採用数を増やしたい場合はRPO・採用BPOが向いています。面接と最終判断を社内に残し、スカウトや書類の一次確認を外部やAIに任せる組み合わせも一般的です。
Q5. AIで書類選考やスカウトを行っても問題ありませんか?
A. 作業の効率化に活用すること自体は広がっていますが、厚生労働省は応募者の適性と能力に基づく公正な採用選考を求めています。AIの判定基準に採用と関係のない項目が影響していないかを確認し、最終的な合否は人が判断する体制にしておくことが大切です。
Q6. 応募者の個人情報をクラウドに保管しても大丈夫ですか?
A. 多くの企業がクラウド型のATSを利用していますが、取扱いの責任は採用する企業側にあります。利用目的の明示、閲覧権限の設定、不合格者データの保管期間、委託先の監督などのルールを決めたうえで運用しましょう。
まとめ
saas 中途採用は、複数の応募経路から集まる候補者情報を一元管理し、選考のスピードと質を高めるための取り組みです。ATSがSaaS型で提供されることで、媒体連携や制度変更への対応、拠点をまたいだ情報共有がしやすくなりました。一方で、ATSは管理の道具であり、スカウト文の作成や書類確認といった作業は人の手に残ります。最後に、今日から取り組める5つのことを整理します。
- 過去1年の応募経路と、経路ごとの応募数・採用数を洗い出す
- 書類確認やスカウト作成にかかっている月間の作業時間を試算する
- 面接と最終判断など社内に残す業務と、ATS・AI・外部委託に任せる業務を分ける
- 応募者情報の閲覧範囲と保管期間のルールを決め、募集情報の表示事項を確認してから、ツールを比較する
- 作業量の多いスカウトや書類確認を任せる選択肢として、エースジョブのようなAIサービスの資料を取り寄せ、自社の採用要件に合うかを確認する
自社に合う体制が見えてくると、必要なのが管理を効率化するATSなのか、作業を代替するAIや専門チームなのかを判断しやすくなります。採用担当者が候補者との対話や見極めに時間を使える環境づくりを目指して、一歩ずつ進めていきましょう。
参考文献
- 厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497_00003.html
- 厚生労働省「平成29年職業安定法の改正について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497.html
- 厚生労働省「労働者の募集広告の表示事項について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html
- 厚生労働省「2024年4月から、募集広告や職業紹介を受ける際に、求人企業などから明示される労働条件が追加されます」(PDF)https://www.mhlw.go.jp/content/001114167.pdf
- e-Gov法令検索「職業安定法」https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
- 厚生労働省「公正な採用選考をめざして」https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「雇用動向調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html
- 中小企業庁「中小企業白書」https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html
- エースジョブ導入事例「ライフイズテック株式会社」https://lp.acejob.jp/case/life-is-tech