SaaSコンサルとは|使うべきケースと自社で進める判断軸・料金体系を解説
Check!
- SaaSコンサルの支援範囲を5工程で整理できる
- コンサルを使うべきかを4つの軸で見極められる
- 料金体系と定着まで見据えた選び方がわかる
SaaSコンサルとは、SaaSの選定だけでなく、要件整理から初期設定、データ移行、権限設計、利用定着までを外部の立場から支援するサービスです。使うべきかどうかは、導入対象の範囲、関係部署の数、既存データの複雑さ、社内に業務設計を担える人材がいるかの4つの軸で判断できます。SaaSを導入しようとして「外部のコンサルに頼むべきか、自社だけで進められるのか」と迷う経営者や情報システム担当者に向けて、本記事では支援範囲の5工程、自社で進められるケースの目安、BPOコンサルやDXアセスメントとの違い、料金体系の考え方、定着まで見据えた選び方、よくある失敗パターンを、依頼する前の判断に役立つ順番で解説します。
コンサルに頼るか迷っている方向けの、2問の簡易診断
Q1. SaaS導入を外部に頼むかどうか、いまの状況は?
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SaaSコンサルに頼るか自社で進めるかは、社内に業務を設計できる人がいるかで分かれる
SaaSコンサルを使うか自社で進めるかは、導入後に設定や運用を担える業務設計の担当者が社内にいるかどうかで分かれます。コンサルに依頼しても、契約期間が終われば設定の見直しや新しい社員への説明は社内で行う必要があり、自社だけで進める場合はなおさらです。
こうした人材は、外から採用するより、既存の社員に少しずつ学んでもらう形で育てる企業が多く見られます。その手段として使われるのが、自分のペースで学べて受講状況を画面で確認できるeラーニングシステム(LMS)です。次の表は、社内で運用を回す人を育てる場面で検討されるサービスの、役割の違いです。
社内で運用を回す人を育てる3サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:Smart Boarding自社オリジナルコースを作成できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:SAKU-SAKU Testing作成・登録しやすい機能があります。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:OneCompliance(ワンコンプライアンス)コンプライアンスに特化しています。
資料を無料ダウンロード| サービス | Smart Boarding |
SAKU-SAKU Testing |
|
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 新人から管理職まで、幅広い層の教育を1つの仕組みで進めたい会社 | 教材づくりに不慣れな担当者が、受講者の管理もまとめて行いたい会社 | 法令や情報セキュリティのルールを社員全体に周知したい会社 |
| 特徴 | 自社オリジナルコースの作成や学習進捗の管理が行える | 作成・登録しやすいコンテンツ機能が多く、受講者をカテゴリーやグループで管理できる | ダッシュボードや自動リマインダーで管理工数を抑えられる |
| 注意したい点 | 電話やメール相談、教育プログラム設計などは「充実サポートプラン」のみ | 事務局運営やカスタマーデスクはオプション扱い | 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認 |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
業務設計を担う人を社内で育てる場合の一例が、Smart Boardingです。内定者・新人教育からリーダー・管理職育成まで幅広い場面で使え、自社オリジナルコースの作成や学習進捗の管理も行えます。SaaSの操作手順や権限の考え方を自社コースにしておけば、担当者が代わっても同じ内容を学べます。電話やメール相談、教育プログラム設計といった手厚いサポートは「充実サポートプラン」のみで提供される点は、事前に確認しておきたいところです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社FCE
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今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。
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「学びを自分のものとして定着させ、繰り返し実践できる仕組みとして、Smart Boardingの導入を決めました。」
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SaaSコンサルとは|支援範囲は選定だけではない
SaaSコンサルとは、SaaSの選定だけでなく、要件整理から初期設定、データ移行、権限設計、利用定着までを外部の立場から支援するサービスです。特定製品の販売を目的とするSaaSベンダーの営業とは異なり、自社の業務に合う進め方そのものを一緒に組み立てる役割を担います。
なお、「SaaSコンサル」という言葉は、導入を支援するサービスを指す場合のほかに、その仕事に就くコンサルタントの転職・求人の文脈で使われることもあります。本記事では、SaaSを導入する企業の側から見て、外部の支援を依頼するかどうかの判断を扱います。
「コンサル」と聞くとツール選びの助言だけをイメージしがちですが、実際の導入でつまずきやすいのは、選んだ後の工程です。支援範囲は一般的に次の5つの工程に分けて考えると整理しやすくなります。
| 工程 | 主な支援内容 | 自社だけで進めた場合につまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 要件整理 | 現在の業務フローの棚卸し、課題の洗い出し、必須機能と希望機能の切り分け | 部署ごとに要望がばらばらで、優先順位がつけられない |
| 2. 選定 | 候補の洗い出し、比較表の作成、デモや無料トライアルの評価観点の設計 | 知名度や価格だけで決め、業務に合わない製品を選ぶ |
| 3. 初期設定・データ移行 | マスタデータの整形、既存システムからの移行手順の設計、他システムとの連携設定 | 表記ゆれや重複が多い既存データをそのまま移し、使い物にならない |
| 4. 権限設計 | 部署・役職ごとの閲覧・編集権限、承認フロー、アカウント管理ルールの設計 | 全員に管理者権限を付けてしまい、情報管理上のリスクが残る |
| 5. 定着支援 | 操作マニュアルや社内研修の用意、利用状況の確認、問い合わせ対応の仕組みづくり | 導入直後だけ使われ、数か月後には元のExcel運用に戻る |
コンサル会社によって、この5工程のどこまでを受け持つかは大きく異なります。選定だけを短期間で手伝う会社もあれば、定着まで数か月から年単位で伴走する会社もあります。依頼を考える前に、自社がどの工程で手が足りないのかを見極めておくと、必要以上に広い範囲を依頼して費用がかさむことを防げます。
なお、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開している「DX推進指標」は、自社のデジタル化の成熟度を経営者と現場が一緒に自己診断するための枠組みです。コンサルに相談する前に一度目を通しておくと、自社の現状や課題を言語化しやすくなり、依頼内容の整理にも役立ちます。
SaaSコンサルを使うメリットとデメリット
SaaSコンサルを使う主なメリットは、第三者の視点で自社の業務を整理してもらえることと、社内に不足しているノウハウや作業時間を補えることです。一方で、外部費用がかかること、社内での調整や打ち合わせの手間が増えること、依頼の仕方によっては社内に知識が残りにくいことがデメリットとして挙げられます。依頼を判断する前に、両面を並べて確認しておきましょう。
| 区分 | 内容 | 判断のときに見ておきたい点 |
|---|---|---|
| メリット | 社内の慣習にとらわれず、第三者の立場から業務の現状を整理してもらえる | 部署間で意見が割れているほど、外部の整理役を置く意味が大きい |
| メリット | 他社の導入で得た進め方の型や、つまずきやすい点の知見を借りられる | 自社と近い業種・規模での支援経験があるかで、得られる知見の質が変わる |
| メリット | 兼務の担当者だけでは足りない作業時間を補い、導入までの期間を短くしやすい | 期限のある導入(法令対応や旧システムの保守終了など)ほど効果が出やすい |
| デメリット | SaaSの利用料とは別に、コンサルの費用がかかる | 既存システムが複雑な場合や現場の協力が得にくい場合は、工数が増えて費用が膨らみやすい |
| デメリット | ヒアリングや定例会への参加など、社内側の調整・準備の手間が増える | 窓口担当者の業務時間をあらかじめ確保できるか |
| デメリット | 任せきりにすると、設定の意図や運用の知識が社内に残りにくい | 契約終了後に自社で運用を続けられるよう、引き継ぎまで提案に含まれているか |
もう1つ押さえておきたいのは、コンサルを入れてもSaaS自体の制約はなくならないという点です。SaaSは多くの企業が同じ仕組みを共同で使うサービスのため、自社独自の業務に合わせた細かなカスタマイズには限界があります。コンサルの役割は、SaaSを自社に合わせて作り変えることではなく、SaaSの標準機能に合わせて業務の進め方をどう見直すかを一緒に考えることだと理解しておくと、依頼後の期待とのずれを防げます。
コンサルを使うべき4つの判断軸
SaaSコンサルを使うべきかどうかは、導入対象の範囲、関係部署の数、既存データの複雑さ、社内に業務設計を担える人材がいるかの4つの軸で判断すると整理しやすくなります。どれか1つだけで決めるのではなく、4つを並べて「自社で担えない部分がどこにあるか」を確認するのがポイントです。
| 判断軸 | 自社で進めやすい状態 | コンサルの活用を検討したい状態 |
|---|---|---|
| 導入対象の範囲 | チャットや勤怠など、1つの業務で完結するSaaS | 会計・販売・在庫など、基幹業務をまたぐ複数のSaaS |
| 関係部署の数 | 1部署、または利用者が数十人程度で意思決定者が明確 | 複数部署や複数拠点が関わり、利害調整が必要 |
| 既存データの複雑さ | 新規にゼロから入力できる、または移行するデータが少ない | 長年のExcelや旧システムに大量のデータがあり、表記ゆれや重複が多い |
| 業務設計を担える人材 | 業務フローを整理し、設定や権限に落とし込める社員がいる | 担当者が他の業務と兼務で、設計まで手が回らない |
4つのうち右側に当てはまる項目が多いほど、コンサルを使う意味は大きくなります。反対に、ほとんどが左側に当てはまるなら、まずは自社で進め、つまずいた工程だけを外部に相談する形でも十分なことが多いでしょう。
4つの中で最も重いのは「業務設計を担える人材」
範囲・部署数・データの3つは、導入計画を工夫すれば小さくできます。たとえば対象業務を段階的に広げる、まず1部署で試す、移行するデータを直近分に絞るといった方法です。一方、業務設計を担える人材の不足は、計画の工夫だけでは埋められません。この軸だけが右側に当てはまる場合は、コンサルに設計を任せつつ、同時に社内の担当者を育てていくという両面の対応が現実的です。コンサルに丸投げすると、契約が終わった時点で設計の意図を説明できる人が社内にいなくなるためです。
判断に迷ったときの簡易フロー
- 導入対象が基幹業務をまたぐか確認する。またぐ場合は、少なくとも要件整理と選定はコンサルへの相談を検討する。
- またがない場合、関係部署が複数か確認する。複数なら、社内に調整役を立てられるかで判断する。
- 既存データの移行が必要か確認する。量が多く整形が必要なら、データ移行の工程だけスポットで依頼する選択肢がある。
- 上記がいずれも小さい場合は、自社で進める。業務設計を担う担当者の学習時間をあらかじめ確保しておく。
フローで決めきれないときは、次のセルフチェックで自社の状況を確かめてください。
SaaSコンサルを使うべきか、自社の状況セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
自社で進められるケースの目安
個人事業主や、関係部署が少ない中小企業が、1つの業務で完結するSaaSを導入する場合は、コンサルに頼らず自社で進められることが多いと考えられます。多くのSaaSは無料トライアルや導入ガイド、ベンダーのサポート窓口を用意しており、小規模な導入であればそれで足りる場面も少なくありません。
内製で進めやすい代表的なパターンは次のとおりです。
- 個人事業主や数名の会社が、会計や請求書発行のSaaSを使い始める
- 1部署だけで、チャットやタスク管理のSaaSを試験的に導入する
- 紙やExcelでの運用から、同じ項目をそのままSaaSに置き換える
- ベンダーの無料トライアル期間中に、担当者が実際の業務データで試せる
ただし、自社で進める場合も「誰が責任者か」を決めておくことは欠かせません。担当者が兼務のまま片手間で進めると、トライアル期間が終わっても評価が終わらず、なし崩しに契約してしまうことがあります。担当者の業務時間のうち、導入作業に使う時間を上長があらかじめ確保しておくと、判断が先延ばしになりにくくなります。
全部を頼むか全部を内製するかの二択にしない
自社で進めるか依頼するかは、二択で決める必要はありません。社内に情報システムの担当者がいる場合は、選定や初期設定は自社で進め、業務設計や定着支援など手が回りにくい工程だけを外部に任せる分業が考えられます。最初の1件目だけコンサルと並走して進め方を学び、2件目以降は自社で進めるという段階的な移行も、中小企業では現実的な選択肢です。
もう1つの課題は、担当者の知識が属人化することです。内製で導入した会社ほど、「設定したのは前任者で、なぜこうなっているか誰も分からない」という状態に陥りがちです。これを防ぐには、設定の考え方や操作手順を担当者1人の頭の中に置かず、社内で学べる形にしておくことが有効です。経済産業省とIPAが公開している「デジタルスキル標準」は、全社員が身につけたいデジタルリテラシーと、DXを推進する人材に求められるスキルを整理した共通の物差しで、社内でどこまで学んでもらうかを決める際の参考になります。社内教育の仕組みとしてeラーニングを使えば、操作マニュアルを自社コースとして載せ、誰がどこまで学んだかを確認できます。
教材づくりに慣れていない担当者が内製を進める場合の一例が、SAKU-SAKU Testingです。不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数備え、ユーザー管理機能でカテゴリーやグループを紐づけられるため、部署や役割ごとに学ぶ内容を分けやすくなります。事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いになるため、どこまで自社で対応するかを決めてから検討すると進めやすくなります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
初心者にも◎受講者の管理をスムーズに行いたい方におすすめ
おすすめ!
- 不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数搭載
- あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意
- ユーザー管理機能を備えているため、より細かな対象でカテゴリーやグループを紐づけられる
気になる…
- 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる
3サービスの役割を比較表で見る「受講者への事前リマインドによる受講率向上や、受講状況・結果を容易に把握できるようになったことで、次の施策への展開が容易になった。」
メディカル・データ・ビジョン株式会社の導入事例(イー・コミュニケーションズ公式サイト)
SaaSコンサルとBPOコンサル・DXアセスメントの違い
SaaSコンサルはツールの導入と定着、BPOコンサルは業務そのものの外部委託、DXアセスメントは経営戦略を含めた全体診断を主な対象とする点が違います。依頼の目的が「ツールを入れて使いこなしたい」のか「業務ごと外に出したい」のか「会社全体の方向性を見直したい」のかで、適した支援は変わります。
| 支援の種類 | 主な対象 | 向いている目的 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| SaaSコンサル | ツールの要件整理、選定、設定、定着 | 業務は自社で続けつつ、SaaSで効率化したい | 運用は最終的に自社で担う必要がある |
| BPOコンサル | 業務の委託範囲の設計、委託先の選定・管理 | 経理や労務などの業務自体を外部に任せたい | 委託先への依存度が高まり、社内に業務知識が残りにくい |
| DXアセスメント | 経営戦略、組織、IT基盤を含む全体の現状診断 | 何から手をつけるべきか、全社の優先順位を決めたい | 診断が中心で、個別ツールの設定までは含まれないことが多い |
よくある混同は、ツールを1つ選びたいだけなのに全社的なDXアセスメントを依頼し、費用と期間が膨らむケースです。逆に、全社の方向性が定まっていないのにSaaSコンサルに個別ツールの導入だけを依頼すると、部署ごとにばらばらのSaaSが増え、後から統合し直す手間が発生します。自社の課題がどの層にあるかを見極めてから依頼先の種類を選ぶことが大切です。なお、経済産業省の「DX認定制度」の申請を視野に入れている場合は、全社のDX戦略を整理する必要があるため、DXアセスメント型の支援と相性がよいと考えられます。申請の流れや認定事業者の一覧の見方は、DX認定事業者とは|メリット・申請の流れ・一覧の見方とDX銘柄・補助金との関係で解説しています。
依頼先の料金体系と相場の考え方
SaaSコンサルの料金体系は、大きく「初期費用と月額を組み合わせる型」と「月額固定の型」に分けられます。具体的な金額は依頼範囲や会社によって大きく異なり、時期によっても変動するため、本記事では金額そのものではなく、比較するときの考え方を整理します。実際の金額は必ず個別の見積もりで確認してください。
| 料金体系 | 向いているケース | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|
| 初期費用と月額を組み合わせる型 | 要件整理から設定・移行までを一定期間でまとめて進め、その後は軽い運用支援を続けたい | 初期費用に含まれる工程と、月額で受けられる支援の範囲がそれぞれ明記されているか |
| 月額固定型 | 相談窓口として継続的に使い、SaaSの追加や運用改善を少しずつ進めたい | 月あたりの対応時間や相談回数の上限、中途解約の条件 |
| スポット型 | データ移行や選定の比較表づくりなど、特定の工程だけを任せたい | 成果物の定義と、追加作業が発生したときの費用の扱い |
費用を抑える実務的な方法は、依頼する工程を絞ることです。前章で整理した5工程のうち、要件整理と定着支援を社内で担い、選定と設定・移行だけをコンサルに依頼するといった役割分担をすれば、コンサルの稼働時間を減らせます。見積もりを受け取る際は、合計金額だけでなく、人件費・資料作成費・交通費などの内訳が分かれているか、SaaSベンダーとの資本関係や販売代理店契約があるかも確認しておくと、中立的な提案かどうかを見極めやすくなります。なお、SaaS導入時にIT導入補助金などの公的支援を検討する場合は、年度ごとに対象や要件が変わるため、公式情報で最新の内容を確認してください。
導入後の定着支援まで見据えた選び方
SaaSコンサルを選ぶときは、導入完了までの実績だけでなく、導入後に現場で使い続けられる状態をどう作るかまで提案してくれるかを確認することが重要です。SaaSは導入した時点がゴールではなく、社員が日常業務で使い続けて初めて効果が出るためです。
依頼先を選ぶ前に確認しておきたいポイントは次の6つです。
- 操作マニュアルや社内研修資料を成果物として受け取れるか、また自社で更新できる形式か
- 利用状況(ログイン率や入力件数など)をどう確認し、定着しない場合にどう手を打つかの計画があるか
- 契約終了後に社内の担当者へ運用を引き継ぐ手順が、提案の中に含まれているか
- 自社と近い業種・規模での定着支援の経験があるか
- 特定のSaaSベンダーの販売代理店でないかなど、中立的に提案できる立場か
- 初回の相談で、業務の頻度や例外対応まで聞いてくるか(業務への理解の深さを見る手がかりになる)
このうち特に差がつきやすいのが、契約終了後の引き継ぎです。コンサルが作った研修資料が、コンサルにしか編集できない形式だと、SaaSの画面が変わったり新しい社員が入ったりするたびに、再び外部に依頼することになります。社内で研修を回し続けられるように、教材を自社のeラーニングに載せて更新できるようにしておくと、コンサルがいなくなった後も新しい社員が同じ内容を学べます。受講状況が記録されるため、「誰が操作を覚えていないか」を把握して個別にフォローすることもできます。
定着したかどうかは、導入直後ではなく数か月後の利用状況で見る
定着の成果は、導入した直後ではなく、数か月が経ってもどれだけ使われているかで判断します。導入前に「誰が、いつ、何を入力するか」を決めておき、ログイン率や入力件数などの利用状況を定期的に確認すると、元のExcel運用に戻りかけている兆候に早く気づけます。利用状況の確認は、コンサルに任せきりにせず、社内の窓口担当者が見られる形にしておきましょう。
コンサルへ実際に依頼すると決めた場合の、依頼先の比較方法や見積もりの読み方は、SaaS導入コンサルとは?依頼すべきかの判断基準・費用の考え方・選び方を解説で詳しく紹介しています。本記事で依頼の要否を判断したうえで、あわせて確認してください。
3サービスの役割を比較表で見るSaaSコンサル活用でよくある失敗パターン
SaaSコンサル活用の失敗は、選定基準を決めないまま依頼する、支援の種類を取り違える、社内の担当者を立てずに丸投げする、といった形で起きることが多く見られます。いずれも依頼前の準備で防げるものです。
| 失敗パターン | 起きやすい状況 | 防ぐための準備 |
|---|---|---|
| 選定基準を決めずに依頼し、提案とミスマッチになる | 「いいSaaSを選んでほしい」とだけ伝え、コンサルが得意な製品を中心に提案される | 必須機能、予算の上限、関係部署を事前に書き出してから相談する |
| 支援の種類を取り違える | ツールを1つ入れたいだけなのに全社診断を依頼し、費用と期間が膨らむ | 課題がツール・業務委託・全社戦略のどの層にあるかを先に整理する |
| 社内担当者を立てずに丸投げする | 現場の意見がコンサルに届かず、契約終了後に設定の意図を説明できる人がいない | 窓口となる担当者を1人置き、議事録や設定の判断理由を社内に残す |
| 自社で試す前に依頼する | 1部署で完結する小さな導入にも外部費用をかけ、費用対効果が合わない | 無料トライアルで自社で試し、つまずいた工程だけ相談する |
| 複数のSaaSを同時に入れて優先順位が決まらない | 部署ごとの要望を全部取り込み、どの導入も中途半端なまま止まる | 対象業務に優先順位をつけ、1つずつ定着を確認してから次に進む |
中でも3つ目の丸投げは、導入時には問題が表に出にくく、契約が終わってから影響が出る点で注意が必要です。コンサルとの定例ミーティングの議事録や、「なぜこの設定にしたか」という判断の経緯は、口頭のやり取りだけで済ませず、社内のドキュメントとして残しておきましょう。担当者が異動しても、後任が経緯をたどれる状態にしておくことが、SaaSを長く使い続けるための土台になります。
丸投げや権限設計の失敗は、設定の問題であると同時に、SaaSの使い方や情報の扱いのルールが社員全体に伝わっていないという問題でもあります。全員に管理者権限を付けたままにする、退職者のアカウントを放置するといった状態は、ルールを周知して受講状況を確認する仕組みがあれば起きにくくなります。そうした周知の場面の一例が、OneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンスに特化したeラーニングで、各種法令、労務・ハラスメント、情報セキュリティ領域の研修を実施でき、ダッシュボードや自動リマインダーによって受講状況の管理工数を抑えられます。SaaS導入そのものに特化した教材ではないため、情報管理や権限の扱いといった基礎ルールを周知する手段として検討するのが現実的です。費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認してください。
株式会社Oyster
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
株式会社Oyster
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
コンプライアンスに特化!上場準備中/IPO準備中、上場企業、大手グループ会社、監査法人、金融機関/フィンテック、中堅/中小企業の方に特におすすめ

おすすめ!
- 上場準備中/IPO準備中の企業にも最適
- ダッシュボードや自動リマインダーなど管理工数を最小化
- 初期費用なし、受講人数に合わせた料金体系のためコストを最適化
気になる…
- 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認
「社内に法務専任担当や教育専任担当がおらず、社内のみでの実施が困難」という状況から導入し、「時間・場所を選ばずにeラーニングで受講でき」るようになった。
株式会社プリメディカの導入事例(OneCompliance公式サイト)
よくある質問(FAQ)
Q1. SaaSコンサルとは何ですか?
A. SaaSの選定だけでなく、要件整理、初期設定・データ移行、権限設計、利用定着までを外部の立場から支援するサービスです。特定製品の販売を目的とするベンダーの営業とは異なり、自社に合う進め方を一緒に組み立てる役割を担います。転職・求人の文脈でコンサルタントの職種を指す場合もありますが、本記事では導入する企業側の立場で解説しています。
Q2. SaaSコンサルを使うべきかはどう判断すればよいですか?
A. 導入対象の範囲、関係部署の数、既存データの複雑さ、社内に業務設計を担える人材がいるかの4つの軸で判断すると整理しやすくなります。基幹業務をまたぐ、複数部署が関わる、移行データが多い、設計を担える人材がいない、といった状態が多いほど、コンサルを使う意味は大きくなります。
Q3. コンサルを使わず自社で進められるのはどんな場合ですか?
A. 個人事業主や関係部署が少ない中小企業が、会計やチャットなど1つの業務で完結するSaaSを導入する場合は、ベンダーの無料トライアルや導入ガイドを使って自社で進められることが多いと考えられます。その場合も責任者を決め、設定の考え方を社内で学べる形に残しておくことが大切です。
Q4. SaaSコンサルとBPOコンサル、DXアセスメントは何が違いますか?
A. SaaSコンサルはツールの導入と定着、BPOコンサルは業務そのものの外部委託、DXアセスメントは経営戦略を含めた全体診断を主な対象とします。ツールを使いこなしたいのか、業務ごと任せたいのか、全社の方向性を見直したいのかで選び分けます。
Q5. SaaSコンサルの料金体系にはどんな種類がありますか?
A. 初期費用と月額を組み合わせる型、月額固定の型、特定の工程だけを依頼するスポット型に大きく分けられます。金額は依頼範囲や会社によって大きく異なるため、内訳が明記された個別の見積もりで確認してください。
Q6. コンサルに依頼しても導入後に定着させるにはどうすればよいですか?
A. 社内に窓口となる担当者を置き、操作マニュアルや研修資料を自社で更新できる形で受け取ることが大切です。教材をeラーニングなどに載せて受講状況を確認できるようにしておくと、契約終了後も新しい社員に同じ内容を伝えられます。導入直後ではなく数か月後の利用状況も確認しましょう。
まとめ|依頼の要否は4つの判断軸と社内人材で決める
SaaSコンサルは、要件整理から定着まで幅広い工程を支援しますが、すべての導入に必要なわけではありません。依頼前に押さえておきたいことは次の5つです。
- 支援範囲を5工程に分け、自社で手が足りない工程を見極める
- 導入対象の範囲、関係部署の数、既存データの複雑さ、業務設計人材の4軸で依頼の要否を判断する
- SaaSコンサル、BPOコンサル、DXアセスメントの違いを踏まえ、課題の層に合う支援を選ぶ
- コンサルを使う場合も使わない場合も、社内で業務設計を担える人材を育て、設定や運用の知識を学べる形で残す
- 社内教育の仕組み(eラーニング)の資料を取り寄せ、自社の運用に合うかを検討する
コンサルに頼るか内製で進めるかにかかわらず、最後にSaaSを使い続けるのは自社の社員です。導入の準備とあわせて、社内教育の仕組みも検討しておくと、SaaSへの投資を長く生かしやすくなります。
参考文献
- 独立行政法人情報処理推進機構「DX推進指標のご案内」https://www.ipa.go.jp/digital/dx-suishin/about.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/index.html
- 経済産業省「DX認定制度」https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html
