SaaS契約とは?利用規約・SLA・解約条項の確認ポイントと契約前チェックリスト

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  • SaaS契約を構成する4つの文書がわかる
  • SLA・解約・規約変更の確認点がわかる
  • 更新期限を見落とさない管理方法がわかる

SaaS契約とは、クラウド上のソフトウェアを一定期間利用する権利について、提供事業者と利用者が結ぶ継続的なサービス提供の契約です。1通の契約書で完結するものではなく、申込書、利用規約、SLA(サービスレベルアグリーメント)、データの取扱いに関する規程といった複数の文書がセットになって内容が決まります。申し込み画面で「利用規約に同意する」にチェックを入れた時点で契約が成立していることも多く、読まずに同意した結果、「知らないうちに自動更新されていた」「障害で業務が止まったのに補償がほとんどなかった」「解約後にデータを取り出せなかった」といったトラブルは珍しくありません。この記事では、契約の基本構造と法的な位置づけ、SLAの読み方、解約・自動更新、免責や規約変更、通知の規定、そして契約前のチェックリストまでを、利用する企業の立場を中心に整理します。

いまのSaaS契約の管理、どこから見直す?2問で診断

Q1. SaaS契約で、いま特に不安なのはどれですか?

目次

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  1. SaaS契約が増えるほど難しくなる契約書類の管理と、電子契約システムの役割
  2. SaaS契約の基本構造|4つの文書がセットで1つの契約になる
  3. SLA(サービスレベルアグリーメント)とは|数字より「違反したら何が起きるか」を読む
  4. 解約条項で確認すべきポイント|自動更新と解約予告期間
  5. 免責・損害賠償・規約変更の条項も見落とさない
  6. 事業者側が利用規約を作成するときに留意すべき点
  7. 通知に関する規定|連絡先の管理が契約リスクを左右する
  8. SaaS契約前チェックリスト
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

SaaS契約が増えるほど難しくなる契約書類の管理と、電子契約システムの役割

SaaS契約の管理で最初に必要なのは、申込書・利用規約・SLAなどの書類一式と、更新日・解約予告期限を、契約ごとに一か所へ残しておくことです。

契約の中身を理解しても、実務でつまずきやすいのは「契約の管理」です。会計、勤怠、チャット、ストレージと導入するSaaSが増えるたびに、申込書や利用規約の控え、SLA、見積書が各部署のメールやフォルダに散らばり、更新月も解約予告期限もばらばらになっていきます。どれか1つの更新期限を見落とすだけで、使っていないサービスに1年分の料金を払うことになりかねません。

SaaSの利用開始は申込画面での同意で済むことが多い一方、個別の申込書や注文書、取引先との基本契約や秘密保持契約、社内の稟議資料などは、契約書類として別に残す必要があります。電子契約システムは、こうした契約書の締結に加えて、保存・検索・期限通知までを担う仕組みです。以下は、契約書類の管理という観点で、役割の違いを整理したものです。優劣ではなく、向いている会社の違いで並べています。

契約書類の管理で見る、電子契約システムの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:マネーフォワード クラウド契約は、紙の契約書や複数の電子契約サービスで締結した契約書も一元管理できると商品ページに載っています。

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この状況に合う一例:SMBCクラウドサインは、電子帳簿保存法の検索要件を満たす検索機能を備えると商品ページに載っています。

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この状況に合う一例:freeeサインは、30種類以上の契約書フォーマットがあり、契約書作成がはじめてでも進めやすいと商品ページに載っています。

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サービス 電子印鑑GMOサイン freeeサイン マネーフォワード クラウド契約 Contract One SMBCクラウドサイン
向いている会社 契約の重要度に応じて、立会人型と当事者型の署名を使い分けたい会社 はじめて電子契約を導入する会社、freeeのサービスをすでに使っている会社 紙の契約書も電子契約書も、まとめて管理したい会社 紙の契約書を含め、全社の契約情報をデータ化して活用したい会社 セキュリティとリスク管理を重視したい会社
特徴 立会人型・当事者型の両方に対応。文書ごとのリマインド通知や、フォルダ作成・文書検索の機能も備える 30種類以上の契約書フォーマットとリモートで承認できるワークフローを備え、有効期限のメールリマインドもできる 作成、申請・承認、締結、保存、管理までを1つで行える。紙や他の電子契約サービスで締結した契約書も一元管理でき、アラートの自動通知がある 紙・PDF・電子契約の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化。全文検索、期限のアラート通知、自動更新設定がある AI契約書管理機能を搭載。電子帳簿保存法の検索要件を満たす検索機能があり、メガバンクのセキュリティ基準が採用されている
注意したい点 機能やオプションが豊富なぶん、すべてを使うとオプション料金が高くなる場合がある 画面がシンプルなぶん、機能の場所が分かりにくいと感じる場合がある ハンコの印影の表現に、もう少し工夫の余地があるという声がある 導入時に、業務フローの見直しが必要な場合がある フォルダ管理の自由度が低いという指摘がある
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5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

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表は横にスクロールできます。内容は各サービスの商品ページの記載(2026年10月19日確認)によります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

選ぶときの目安は、紙で結んだ過去の契約書も含めて整理したいなら紙と電子の一元管理ができるか、担当者が替わっても契約書を探せるように検索機能があるか、期限の通知を自動で受け取れるか、といった点です。ここからは、SaaS契約の中身の確認ポイントを順に見たうえで、各サービスがどの場面で役に立つかを紹介します。

契約書類をひとまとめに残し、契約の重要度に応じて署名の方式を選びたい場合の一例が電子印鑑GMOサインです。商品ページによると、サービス提供会社が仲介する立会人型と、当事者同士が電子署名をする当事者型の両方に対応しています。文書ごとに更新などのリマインド通知を設定でき、文書を管理するフォルダの作成や文書検索の機能も備えています。注意点として、機能やオプションが豊富なぶん、すべてを使う場合はオプション料金が高くなることがあります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

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オプションが豊富で自社にあった機能を選びたい方におすすめ

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【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、GMOサインの利用経験ゼロの筆者が、ゼロからGMOサインの無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。

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  • 立会人型電子署名は1件あたり100円で送信でき、他社と比較してほぼ半額で利用できる
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  • 機能やオプションが豊富でマルチに使えるが、全て必要な場合はオプション料金が高額になってしまう
評価・口コミ(一部抜粋)
4.6
  • 紙の契約業務から解放されたのが一番のメリットです。

  • 契約書の送付にかかる送信料が1件あたり110円と、他社と比較しても料金が安かったので、以前活用していたサービスと比較したときに料金を下げることができたと同時にワークフロー機能や権限管理機能がどのプランでも使えるので、内部統制を強化という目的も果たすことができました。

  • とにかく面倒だった紙面契約が全て電子に置き換わり契約業務がスピーディになった。紙面契約の場合、保管場所も圧迫されるがクラウド上で保存されるため物理的スペースが不要に。

導入事例では、日建レンタコム株式会社の法務部が、導入前の課題を次のように述べています。

契約書が法務部に届かず支店で保管されるケースもあり、管理の一元化やコンプライアンス面での課題が顕在化していました。

出典:日建レンタコム株式会社の導入事例(電子印鑑GMOサイン)

SaaS契約の基本構造|4つの文書がセットで1つの契約になる

SaaS契約とは、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で利用する権利について、提供事業者と利用者の間で結ぶ契約です。ソフトウェアを買い取るのではなく、一定期間の利用権に対して月額や年額の料金を払う点が、従来のパッケージ購入やシステム開発の契約と大きく異なります。SaaSそのものの定義や、PaaS・IaaSとの違いはSaaSとは|PaaS・IaaS・ASPとの違いと選び方の基準で整理しています。

契約内容は、一般に次の4種類の文書に分かれて書かれています。どれか1つだけを読んでも全体はわからず、特にSLAとデータの取扱いに関する規程は、利用規約とは別ページや別ファイルになっていることが多いため注意が必要です。

文書 主に書かれている内容 確認のポイント
申込書(注文書・オーダーフォーム)契約プラン、ユーザー数、料金、契約期間、開始日、支払方法利用規約と内容が食い違う場合にどちらが優先されるか
利用規約(サービス利用約款)利用条件、禁止事項、料金の支払、契約期間と更新、解約、免責、損害賠償、規約変更自動更新、解約予告期間、損害賠償の上限、規約変更の方法
SLA(サービスレベルアグリーメント)稼働率、障害時の連絡や復旧の目標時間、計画メンテナンス、違反時の返金や減額保証か努力目標か、違反時の救済の内容と請求方法
データの取扱いに関する規程(プライバシーポリシー・データ処理規約など)入力データの権利、利用目的、保存場所、再委託、解約後の返還や削除データの帰属、統計利用の範囲、解約後のエクスポート可否

SaaS契約の法的性質|ライセンス契約・開発委託契約とどう違うか

SaaS契約は、ソフトウェアのプログラムを利用者に引き渡して使わせる従来型のライセンス契約とは異なり、提供事業者のサーバー上で動く機能を、継続的に利用させるサービスの提供契約として整理されるのが一般的です。弁護士による解説でも、売り切り・納品型ではなく継続提供型の契約であることが、契約の設計や確認すべき点に影響するとされています。従来型の契約との違いは、次のように整理できます。

契約の種類 利用者が受け取るもの SaaS契約との違い
ソフトウェアのライセンス契約プログラムを使う許諾SaaSでは、プログラムは引き渡されず、提供事業者のサーバー上の機能にアクセスして使う
システムの開発委託契約開発した成果物の納品SaaSには納品する成果物がなく、サービスを継続して提供し続けることが中心になる
保守契約既存のシステムの保守作業SaaSでは、保守を含めたサービスの提供そのものが契約の中心になる

そのため、従来型のソフトウェア契約のひな形をそのまま当てはめて読むと、稼働率、サービス終了、データの返還といったSaaS特有の論点を見落としやすくなります。なお、契約の法的な性質や条項の有効性の判断は個別の事情によって変わるため、本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。具体的な契約の判断は弁護士などの専門家に相談してください。

多くのSaaS利用規約は「定型約款」として扱われる

不特定多数の利用者に同じ内容で提供されるSaaSの利用規約は、2020年4月に施行された改正民法の「定型約款」に当たるとされるのが一般的です。定型約款では、利用者が個々の条項を読んでいなくても、規約を契約内容とすることに合意していれば、その内容で契約が成立したとみなされます(民法第548条の2)。つまり「読んでいなかった」という主張は、原則として通りにくいということです。

一方で、相手方の権利を制限したり義務を重くしたりする条項のうち、信義則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意しなかったものとみなされる規定もあります。ただし、どの条項がそれに当たるかは個別の事情によって判断されるため、「不利な条項は無効になるはず」と期待して契約するのは危険です。契約前に読み、気になる条項があれば事前に問い合わせるのが基本になります。

BtoBとBtoCで適用されるルールが異なる

個人が使う消費者向けのSaaSでは、消費者契約法により、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項などが無効とされる場合があります。これに対して、企業同士のBtoB契約には消費者契約法は適用されません。そのため、BtoB SaaSの利用規約では免責や損害賠償の上限が事業者に有利に書かれていることが多く、利用する企業側がより注意深く読む必要があります。

申込時点の書類一式を保存しておく

Web上で同意する利用規約やSLAは、事業者によって後から改訂されることがあります(民法第548条の4)。そのため、申込時点の利用規約・SLA・データの取扱いに関する規程をPDFなどで保存し、申込書や見積書と同じ場所に置いておくと、後から「契約時点でどの条件だったか」を確認できます。電子契約システムで締結した書類と、Web画面で同意した規約の控えを、同じ契約の書類として束ねて残しておくのが理想です。

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SLA(サービスレベルアグリーメント)とは|数字より「違反したら何が起きるか」を読む

SLAとは、SaaS事業者が提供するサービスの品質の水準と、それを満たせなかった場合の取り扱いを定めた合意です。代表的な項目は稼働率で、「月間稼働率99.9%」のように表示されます。SaaSは自社でサーバーを管理しない分、障害が起きたときに自社でできることが限られるため、SLAは事業継続の観点から重要な文書です。

SLAに定められる主な項目

項目 内容 読み方の注意
稼働率一定期間のうちサービスが利用できた時間の割合計画メンテナンスの時間が計算から除外されていないか
障害の通知障害発生時にどの手段で、どのくらいの時間内に知らせるかステータスページへの掲示だけで個別連絡がない場合もある
復旧目標障害から復旧するまでの目標時間「目標」であり、到達を約束していない場合が多い
サポート対応問い合わせ窓口の受付時間、初回回答までの時間上位プランのみ対象になっていないか
バックアップデータの保存頻度、保存期間、復元の可否利用者の操作ミスで消したデータの復元は対象外のことがある
違反時の措置基準を下回った場合の利用料金の減額(サービスクレジット)など申請期限があるか、他の救済を排除していないか

「保証」か「努力目標」かで意味がまったく違う

SLAの数値は、事業者が達成を約束する「保証値」として書かれている場合と、達成に努める「目標値」として書かれている場合があります。目標値の場合、下回っても事業者の契約違反にはならず、利用者は何も請求できないことがあります。同じ「99.9%」という表示でも、どちらなのかを文言で確認することが大切です。

保証値であっても、違反時の措置は「翌月以降の利用料金から一定割合を減額する」というサービスクレジット方式が一般的です。さらに、そのクレジットが「唯一かつ排他的な救済」と定められていると、障害で自社の業務が止まって損失が出ても、それ以上の損害賠償を請求できない構成になります。SLAは損害賠償条項や免責条項とセットで読む必要があります。

稼働率の数字を「止まる時間」に置き換えて考える

稼働率は小さな差に見えても、停止時間に直すと印象が変わります。30日の月で計算すると、目安は次のとおりです。自社の業務でどのくらいの停止なら許容できるかを考え、許容できない場合は代替手段を用意しておく判断材料にしてください。

月間稼働率 1か月(30日)で許容される停止時間の目安
99.0%約7時間12分
99.5%約3時間36分
99.9%約43分
99.99%約4分

なお、この停止時間はあくまで計算上のもので、計画メンテナンスや利用者側の通信環境による不具合が除外されていれば、実際に使えない時間はさらに長くなることがあります。給与計算や受発注など締め日に集中して使う業務では、平均の稼働率より「繁忙日に止まらないか」が重要です。計画メンテナンスの実施日時が事前に通知されるか、業務の繁忙期を避けられるかも確認しておきましょう。

解約条項で確認すべきポイント|自動更新と解約予告期間

SaaS契約の解約や自動更新で確認すべきなのは、最低利用期間、自動更新の有無と更新単位、解約予告期間と申請方法、解約後のデータの扱いの4点です。トラブルで最も多いのは、お金に関わる解約や更新の問題です。「使っていないのに自動更新された」「解約を申し出たのに翌月分も請求された」「年払いを途中で解約したら返金がなかった」といった事態は、ほとんどが契約時に条項を確認していれば防げたものです。

最低利用期間

月額プランでも「最低利用期間12か月」と定められていることがあります。この場合、途中で解約しても残りの期間分の料金を払う必要があったり、違約金が発生したりします。年額プランは月額より割安に設定されることが多い一方、途中解約時の返金なしと定められているのが一般的です。試験導入の段階では、割引率よりも解約のしやすさを優先して月額プランから始めるのも一つの方法です。

自動更新の有無と更新単位

多くのSaaS契約は、どちらからも申し出がなければ同じ条件で契約が延長される自動更新になっています。確認したいのは、更新されるかどうかだけでなく「何か月単位で更新されるか」です。年額契約が自動で1年延長される場合、更新日を1日過ぎただけで次の1年分の支払い義務が生じることがあります。

解約予告期間と解約の方法

「契約期間満了の1か月前までに申し出ること」「更新日の30日前までに所定のフォームから申請すること」のように、解約には予告期間が設けられていることがほとんどです。ここでは期限の日数に加えて、解約の手段も確認しておきましょう。管理画面からの操作だけで完結するのか、書面の提出が必要なのか、担当営業への連絡でよいのかによって、準備にかかる時間が変わります。電話で伝えただけでは解約として扱われない規約もあるため、記録が残る方法で手続きするのが安全です。

ユーザー数の増減とプラン変更の条件

利用する社員が増えたときや、逆に減ったときの扱いも、契約前に確認しておきたい項目です。見るべき点は次のとおりです。

  • ユーザー数の追加は、いつから反映され、料金はいつの分から変わるか(申請した月からか、翌月からか)
  • ユーザー数を減らせるのは、契約期間の途中か、更新のタイミングだけか
  • 上位プランへの変更は途中でできるか、下位プランへの変更は更新日以降に限られるか
  • 最低ユーザー数や、プランごとの機能の差(SLAやサポートが上位プランのみ対象になっていないか)

年額契約で途中にユーザーを増やせても、減らせるのは次の更新時だけという構成は珍しくありません。利用人数が変動しやすい会社は、増減の条件を申込書の段階で確認しておくと、更新時に想定外の支払いが生じにくくなります。

解約後のデータの扱い

見落とされがちなのが、解約した後のデータの行方です。解約と同時にデータが削除される、一定期間はエクスポートできる、エクスポートは有料オプション、など扱いはサービスによってさまざまです。別のサービスへ乗り換える予定があるなら、どの形式(CSVなど)でデータを取り出せるか、添付ファイルや変更履歴も対象になるかを契約前に確認しておくと、移行時の手戻りを防げます。

独自の視点:解約予告期限から逆算した「判断日」を決めておく

解約予告期限だけを管理していると、期限の直前になって「継続するかどうか社内で決まっていない」という状態に陥りがちです。そこでおすすめしたいのが、契約ごとに次の3つの日付を決めておく方法です。

日付 考え方 この日までにやること
契約更新日契約書に記載された更新日継続する場合は支払いの準備
解約予告期限更新日から予告期間をさかのぼった日解約する場合の申請を完了させる
社内判断日解約予告期限から、社内の稟議や承認にかかる期間をさらにさかのぼった日利用状況を確認し、継続・プラン変更・解約を決める

たとえば年額契約で更新日が4月1日、解約予告期間が1か月、社内承認に2週間かかる会社であれば、社内判断日はおおむね2月中旬になります。この日に、アカウントごとのログイン状況や使われていない機能を確認すれば、ユーザー数の削減や下位プランへの変更といった「解約以外の選択肢」も検討できます。

次のセルフチェックで、自社の更新・解約の管理が仕組みになっているかを確認してみてください。

SaaS契約の更新・解約管理、今のやり方で足りていますか?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

2つ以上当てはまる場合は、期限を表計算ソフトで管理し続けるより、契約書と一緒に更新期限を登録して通知を受け取れる仕組みに移すほうが、担当者の異動をまたいでも判断日の見落としを防げます。紙の契約書が多い会社では、契約書をデータ化して期限を管理できるサービスが選択肢になります。

紙の契約書を含めて期限を一元管理したい場合の一例がContract Oneです。商品ページによると、紙・PDF・電子契約といった形態の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化し、全文検索のほか、契約期限が近づいた際のアラート通知や契約の自動更新設定を備えています。注意点として、導入時に業務フローの見直しが必要な場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Sansan株式会社

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  • あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
  • Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
  • 法改正への対応をサポート
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気になる…

  • 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も

Sansan株式会社が公表しているイオンマーケティング株式会社の事例では、期限通知の効果が次のように説明されています。

契約更新時期が近づくと自動でアラートメールを発信しています。これにより、担当者の異動や退職などによる引き継ぎがあった場合にも抜け漏れなく更新期限を検知でき、意図しない契約更新や契約更新漏れといったリスクを回避できるようになりました。

出典:Sansan株式会社「イオンマーケティングが取引管理サービス「Contract One」を活用」(2026年1月22日)

免責・損害賠償・規約変更の条項も見落とさない

解約やSLAと並んで確認しておきたいのが、トラブルが起きたときの責任の範囲を決める条項です。平常時には意識されませんが、障害や情報漏えいが起きたときに、自社がどこまで補償を受けられるかを左右します。

免責条項

天災、停電、通信回線の障害、第三者による攻撃など、事業者の管理が及ばない事情による損害について責任を負わないとする条項は、ほとんどの利用規約にあります。確認したいのは、その範囲が広すぎないかです。「理由を問わず一切の責任を負わない」といった書き方になっていないか、事業者の故意や重大な過失による場合まで免責していないかを見ておきましょう。海外事業者のサービスは、国内事業者に比べて免責の範囲が広く定められていることもあります。

損害賠償の上限

事業者が責任を負う場合でも、賠償額の上限を「直近12か月に受け取った利用料金の総額」や「損害発生月の利用料金」などに限定する条項がよく見られます。月額料金が小さいサービスほど、上限額も小さくなります。顧客情報など重要なデータを預けるサービスの場合は、上限額と想定される損害の大きさを比べ、必要に応じて自社でサイバー保険などの備えを検討する判断材料にしてください。

責任分界|事業者の責任と利用者の責任を分けて読む

SaaSでは、サーバーやアプリケーションの運用は事業者、アカウントの管理や入力するデータの内容、利用端末の管理は利用者、というように責任の範囲が分かれています。規約には「利用者のID・パスワードの管理不備による損害は事業者は責任を負わない」といった条項が入っていることが多く、IDの共有や退職者アカウントの放置は、自社の責任になる可能性があります。事業者の責任と利用者の責任がどこで分かれているかを、規約とSLAで確認しておきましょう。利用者側の責任範囲の詳しい整理はSaaSのセキュリティ|利用者の責任範囲とISMAP・個情法の要点で解説しています。

規約変更の条項

SaaSの利用規約には、事業者が規約を変更できる旨の条項が入っているのが一般的です。定型約款の場合、変更が利用者の一般の利益に適合するときや、契約の目的に反せず変更の必要性や内容の相当性などに照らして合理的なときは、変更する旨と変更後の内容、効力が生じる時期をインターネットなどで周知することで、個別の同意なく変更できるとされています(民法第548条の4)。料金の値上げや機能の縮小が、この仕組みで行われることもあります。変更の通知がどのように届くのか、変更に納得できない場合に解約できるのかを確認しておくことが大切です。

利用範囲・仕様変更・サービス終了

利用範囲は、利用できる人(グループ会社や業務委託先の担当者を含むか)、場所(海外拠点や海外出張先からの利用)、量(ユーザー数、保存容量、取引件数)に分けて確認します。量の上限を超えたとき、自動で追加料金が発生するのか、利用が制限されるのかも運用が始まってから困りやすい点です。また、SaaSは事業者の判断で機能が変更・廃止されるため、仕様変更の事前通知の定めと、サービス終了時の予告期間やデータの返還方法を見ておきましょう。特定のサービスに業務データが集まるほど他へ移りにくくなる(ベンダーロックイン)ので、エクスポートできる形式と範囲の確認が有効です。

知的財産権とデータの利用範囲

サービスそのもの(ソフトウェアやデザイン)の権利が事業者に属するのは当然として、確認したいのは利用者が入力したデータや、サービス上で作成した文書・画像などの成果物の権利が誰に帰属するかです。多くの規約では入力データの権利は利用者に残るとしつつ、事業者がサービス改善や統計作成のために利用できると定めています。生成AI機能を備えたSaaSでは、入力した内容がAIの学習に使われるかどうか、学習への利用を利用者側で停止できるかも確認しておきましょう。また、サービスが第三者の知的財産権を侵害していると指摘された場合に、事業者がどこまで対応するかが定められているかも確認したい点です。導入企業として社名やロゴを事業者の導入事例に掲載できるとする条項が入っていることもあります。

セキュリティと個人情報の取扱い

顧客や従業員の個人データをSaaSに預けることは、一般に個人情報保護法上の「委託」に当たると整理されます。その場合、利用する企業には委託先であるSaaS事業者を必要かつ適切に監督する義務があるとされています(個人情報保護法第25条)。データの保存場所(国内か海外か)、取得しているセキュリティ認証、再委託先の有無、情報漏えいが起きた際の通知の時期と方法が、規約やデータの取扱いに関する規程にどう書かれているかを確認しておくと、社内の審査や監督の記録としても使えます。

準拠法と管轄裁判所

紛争が起きたときにどの国の法律で判断し、どこの裁判所で争うかを定めるのが準拠法と管轄の条項です。国内事業者であれば日本法と事業者の本店所在地を管轄する地方裁判所とするのが一般的ですが、海外事業者のサービスでは外国法や外国の裁判所、仲裁が指定されていることがあります。実際に争うとなると費用と手間が大きくなるため、業務の中核に使うサービスほど事前に確認しておきたい項目です。

事業者側が利用規約を作成するときに留意すべき点

自社でSaaSを提供する立場にある場合、利用規約は顧客との信頼関係の土台になります。利用者が気にするポイントは、そのまま事業者が明確にしておくべきポイントでもあります。BtoBの顧客からは、契約前に法務部門の審査で規約の修正を求められることも多く、次の点が曖昧だと商談が長引く原因になります。

  • 契約期間、自動更新、解約予告期間、途中解約時の返金の有無を、読み手が迷わない表現で書く
  • SLAを保証値とするか目標値とするかを明示し、違反時の措置と申請方法を具体的に定める
  • 入力データの権利が利用者に残ることと、事業者が統計情報として利用する範囲を区別して書く
  • 解約後のデータの返還方法、エクスポート可能な期間、削除の時期を定める
  • 規約変更の手続き(通知方法、周知期間、効力発生日)を定型約款の要件に沿って整える
  • 事業者からの一方的なサービス終了や契約解除について、予告期間を設ける

事業者からサービスを終了する場合の予告期間について、定めがない契約で争いになった事例もあります。利用者は業務をSaaSに依存していることが多いため、移行に必要な期間を見込んだ予告期間を設けておくことが、トラブルの予防につながります。個人向けにも提供する場合は、消費者契約法の不当条項規制にも注意が必要です。規約のひな形を使う場合でも、自社のサービス内容に合わせて見直し、公開前に専門家の確認を受けるのが一般的です。

規約や利用規約のほかに、個別の申込書や注文書、秘密保持契約などを顧客と取り交わす場面も多くあります。自社で契約書のひな形を整え、締結から管理までを電子で行いたい場合の一例がfreeeサインです。商品ページによると、契約内容に合わせて選べる30種類以上の契約書フォーマットがあり、既存のWordファイルをテンプレートとして登録できます。リモートで承認できるワークフローや、有効期限のメールリマインドも備えています。注意点として、画面がシンプルなぶん、機能の場所が分かりにくいと感じる場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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【徹底レビュー】電子契約システム『freeeサイン』を実際に使ってみた!スムーズな契約フローを体験レポート【使い方解説】

数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、freeeサイン利用経験ゼロの筆者が、無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。

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  • リモートでも承認できるワークフローを搭載
  • 従量課金制ではないため、送信件数が増えても料金が変わらない
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  • シンプルで見やすい画面ではあるが、簡素化されすぎてしまい場所が分かりにくい機能もある
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  • リモートワークでも契約業務が進められるようになり、社内ガバナンスも強化されました。 またワークフロー内での契約承認・締結により、業務時間が40%程削減できました。 紙の使用が大幅に減り、コスト削減にも繋がってます。

  • 郵送など紙でのやり取りがなくなり、どこにいてもことがその場で完結でき、スムーズに契約等を行うことができる。また、紙としての保管をしなくても良くなり、書類管理もシステム上で行えることがメリットに感じます。

  • このサービスを利用するメリットは、契約までが非常にシームレスである点だと思います。 契約までを迅速に行うことができるので、結果的に、お客様へのサービス提供や、ご説明にかける時間を最大化出来ることが可能となるので、顧客の満足度を高め、お客様自身にも、契約して良かったという感情を抱いていただきやすくなると、可能性を感じました。

通知に関する規定|連絡先の管理が契約リスクを左右する

SaaSの利用規約では、事業者からの通知は「登録されたメールアドレスへの送信」または「サービスサイト上への掲示」によって行い、送信や掲示をした時点で通知が到達したものとみなす、と定められていることが多くあります。これは、利用者が実際にメールを読んだかどうかにかかわらず、通知が有効になる可能性があるということです。

この規定が実務で問題になるのは、登録メールアドレスが導入を担当した社員の個人アドレスのままになっているケースです。担当者が異動や退職をすると、料金改定、規約変更、サービス終了、セキュリティ上の重要なお知らせが誰にも届かない状態になります。次のような対策をとっておくと安心です。

  • 管理者アカウントと通知先には、個人ではなく部署やグループのメールアドレスを登録する
  • 管理者アカウントを最低2名分用意し、1人に依存しない体制にする
  • 人事異動や退職の手続きに、SaaSの管理者と通知先の変更を確認する項目を加える
  • 規約変更の通知を受け取ったら、変更前後の規約を保存し、変更点を記録しておく

利用者から事業者への通知についても、解約や契約内容の変更は所定のフォームや書面に限る、と方法が指定されていることがあります。通知の方法を誤ると、期限内に申し出たつもりでも無効になるおそれがあるため、契約台帳に「解約の申請方法」も記録しておきましょう。

担当者が替わっても、契約書類の所在と送付の履歴をたどれるようにしたい場合の一例がSMBCクラウドサインです。商品ページによると、AI契約書管理機能を搭載し、組み合わせ検索や範囲指定検索など電子帳簿保存法の検索要件を満たす検索機能を備えています。メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されているとも紹介されています。注意点として、フォルダ管理の自由度が低いという指摘があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

SMBCクラウドサイン株式会社

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  • AI契約書管理機能搭載
  • メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
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  • フォルダ管理の自由度が低い

導入事例では、株式会社山一建設が、発注書の送付に電子契約を使う前の期待を次のように述べています。

何をいつ送信したのか、といった履歴を後から容易に追うこともでき、発注管理の効率化を図ることも可能になるのではないかと。

出典:株式会社山一建設の導入事例(SMBCクラウドサイン)

SaaS契約前チェックリスト

ここまでの内容を、契約前に確認する項目としてまとめました。新しいSaaSを導入する際の社内チェックや、既存契約の棚卸しにそのまま使えます。すべての項目で有利な条件を求める必要はありませんが、自社にとって重要な項目がどう定められているかは把握したうえで契約しましょう。

分類 確認項目 主な記載場所
文書契約を構成する文書がすべてそろっているか、優先順位はどうなっているか、参照先の文書は保存したか申込書、利用規約
期間最低利用期間、自動更新の有無、更新単位申込書、利用規約
解約解約予告期間、解約の申請方法、途中解約時の返金や違約金利用規約
利用範囲利用できる人・場所・量の範囲、ユーザー数の増減とプラン変更の条件申込書、利用規約
品質稼働率が保証か目標か、計画メンテナンスの扱い、違反時の措置SLA
責任免責の範囲、損害賠償の上限、SLAのクレジットが唯一の救済になっていないか、責任分界利用規約、SLA
データデータ・成果物の権利の帰属、事業者の利用範囲(AI学習を含む)、保存場所、再委託先、漏えい時の通知、準拠法と管轄データの取扱いに関する規程
終了時解約後のエクスポート可否と形式、削除の時期、サービス終了時の予告期間利用規約、データの取扱いに関する規程
変更規約・料金・仕様の変更方法と通知期間、変更に同意できない場合の解約可否利用規約
通知通知の到達時期、登録メールアドレスが部署共有のものになっているか利用規約、管理画面
管理契約書類一式の保管場所、更新日・解約予告期限・社内判断日の登録社内の契約台帳

最後の「管理」の項目は、契約書そのものには書かれていませんが、他の項目をすべて確認していても、ここが抜けると確認した内容を活かせません。契約時に確認した条件と期限を、契約書類と一緒に後から誰でも探せる場所に残しておくことが、SaaS契約のリスクを減らす最も確実な方法です。電子取引として保存する書類の保存要件についてはsaas 文書管理とは?電帳法・インボイス対応で見る選び方も参考にしてください。

契約書類一式の保管と期限の登録を、1つの場所にまとめたい場合の一例がマネーフォワード クラウド契約です。商品ページによると、契約書の作成、申請・承認、締結、保存、管理までを1つで行えます。紙の契約書や複数の電子契約サービスで締結した契約書も一元管理でき、アラートによる自動通知の機能もあります。注意点として、ハンコの印影の表現にもう少し工夫の余地があるという声があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

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【正直レビュー】『マネーフォワードクラウド契約』のメリットや機能は?実際に導入してわかったリアルな感想【使い方解説】

数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、電子契約システム利用経験ゼロの筆者が、マネーフォワードクラウド契約の無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。

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気になる…

  • ハンコの印影にもう少し工夫ができると良い
評価・口コミ(一部抜粋)
3.8
  • 過去の給与明細がしっかり確認できます。開けば通勤手当などよくある手当だけでなく、様々な項目を自由に記載できるようでより企業それぞれに対応していると思われます。見る側も分かりやすいです。

  • 契約書紙で印刷し、さらに契約先に郵送するなどしていた。近頃は郵便料金が値上がりしているため、印刷から郵送までの工程のコストがかさんでいたという課題があった。ところが、このサービスを利用することで、これらのコストが全くかからなくなった。大変大きなメリットだと感じている。

  • 契約書を印刷して捺印してスキャンしてメールに添付して送付…という一連の手間を大幅削減できたこと。

導入事例(株式会社ワンオールシステム)の「結果」欄には、管理面の変化が次のように記載されています。

ステータスがひと目で確認できるようになり、管理工数の削減に繋がった

出典:株式会社ワンオールシステムの導入事例(マネーフォワード クラウド契約)

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaS利用契約とはどんな契約ですか?

A. クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で継続的に利用する権利について、提供事業者と利用者の間で結ぶ契約です。ソフトウェアを買い取る契約ではなく、一般に、申込書、利用規約、SLA、データの取扱いに関する規程の4種類の文書がセットになって契約内容を構成します。

Q2. 利用規約を読まずに同意した場合も契約は有効ですか?

A. 多くのSaaS利用規約は民法の定型約款に当たるとされ、規約を契約内容とすることに合意していれば、個々の条項を読んでいなくても原則としてその内容で契約が成立します。ただし、信義則に反して一方的に利益を害する条項は合意しなかったものとみなされる規定もあります。個別の判断は専門家に相談してください。

Q3. SLAの稼働率を下回った場合、損害賠償を請求できますか?

A. SLAの定め方によります。稼働率が努力目標であれば請求できないことがあり、保証値であっても違反時の措置は利用料金の減額に限られ、それが唯一の救済と定められている場合もあります。SLAは損害賠償条項や免責条項とあわせて確認することが大切です。

Q4. 自動更新を防ぐにはどうすればよいですか?

A. 契約ごとに更新日と解約予告期限を確認し、さらに社内の承認にかかる期間を見込んだ社内判断日を決めておくのが効果的です。解約は規約で指定された方法で、記録が残る形で申請しましょう。契約数が多い場合は、期限を通知してくれる管理の仕組みを用意すると見落としを防げます。あわせて、解約後のデータをエクスポートできるかも確認しておきましょう。

Q5. SaaSの料金は、契約のどこを確認すればよいですか?

A. 金額はサービスやプラン、ユーザー数によって大きく異なるため、一律にはお答えできません。契約では、料金の課金単位(ユーザー数か利用量か)、最低利用期間、月額と年額の違い、料金改定の条項、途中解約時の返金の有無を確認します。具体的な金額は、各社の資料や公式サイトで確認してください。

Q6. 事業者は利用規約を一方的に変更できますか?

A. 定型約款の場合、変更が利用者の利益に適合するか、合理的であると認められるときは、変更する旨と内容、効力発生時期を周知することで個別の同意なく変更できるとされています。通知先のメールアドレスを部署共有のものにしておき、変更内容を確認できる体制を整えておくことが大切です。

まとめ

SaaS契約は、申し込みボタン1つで成立する手軽さの一方で、複数の文書に条件が分散しているため、確認を怠るとトラブルにつながりやすい契約です。最後に押さえておきたい6つのことを整理します。

  1. 申込書、利用規約、SLA、データの取扱いに関する規程の4つをセットで読み、申込時点の控えを保存する
  2. SLAは数値だけでなく、保証か目標か、違反時に何が受けられるかを確認する
  3. 最低利用期間、自動更新、解約予告期間、解約方法、ユーザー数の増減条件、解約後のデータの扱いを契約前に把握する
  4. 免責、損害賠償の上限、責任分界、規約変更の条項で、トラブル時の責任の範囲を確認する
  5. 通知先を部署共有のアドレスにし、更新日・解約予告期限・社内判断日を契約ごとに登録する
  6. 契約書類と期限を一か所で管理できる電子契約システムなどの資料を取り寄せ、自社に合うかを検討する

すべての条項を完璧に交渉する必要はありません。自社の業務にとって重要な条件を見極め、確認した内容と期限を後から誰でもたどれる形で残しておくことが、SaaSを安心して使い続けるための土台になります。

参考文献

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