AIでプレゼン資料作成|手順・ツールの使い分け・プロンプト例
Check!
- 構成・スライド・図解・読み稿の4つに分けて任せる
- 目的・聞き手・時間・結論を伝えて構成案を作る
- 数値と顧客情報は人が確認し入力範囲を決める
AIでプレゼン資料を作成するときは、構成・スライド・図解・読み稿の4つに分け、上流の構成から順にAIへ任せて、各工程の最後に人が確認する進め方が基本です。テーマだけを入力して一度にスライドまで作らせると、話の順番を直すたびに作り直しになり、結局ほとんど手直しすることになりがちです。この記事では、構成案とスライドデザインをAIで作る手順、Microsoft 365のCopilotやGoogleスライドのGemini、Canvaといった既存ツールの使い分け、プロンプトの書き方、著作権と情報管理の注意点、読み稿を発表や説明動画に使い回す方法まで、業務で資料を作る担当者の目線で整理します。
AIプレゼン資料作成で、まず見直したい工程を診断
Q1. 資料づくりで、いちばん手間がかかっているのは?
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
AIでプレゼン資料を作る基本フロー|構成から読み稿まで4つに分けて任せる
AIでプレゼン資料を作るときは、構成・スライド・図解・読み稿の4つに分け、この順番で1つずつAIに任せて人が確認する流れにすると、手戻りが少なくなります。
最近のスライド作成ツールには、テーマを入力するだけで構成からデザインまで一度に生成する機能があります。短時間で形になるのは便利ですが、構成が固まらないままデザインまで作られると、話の順番を変えるたびにスライドを作り直すことになります。建物に例えると、設計図が決まる前に内装まで仕上げてしまうようなものです。4つの要素は前の工程が後の工程の土台になっているため、上流から順に固める方が結果的に早く仕上がります。
| 順番 | 要素 | AIに任せること | 人が決めること | 向いているツールの種類 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 構成 | 章立て案、各スライドの見出しと要点のたたき台 | 結論、伝える優先順位、削る内容 | 対話型の生成AI |
| 2 | スライド | レイアウト、配色、文字量の調整 | 社内テンプレートとの整合、1枚に載せる情報量 | スライド生成機能を持つソフトやデザインツール |
| 3 | 図解 | 表・グラフ・フロー図への変換案 | 数値の正確さ、比較の切り口 | 生成AI、表計算ソフト、デザインツール |
| 4 | 読み稿 | 話し言葉の原稿のたたき台、想定質問の洗い出し | 自分の言葉への言い換え、強調する箇所 | 対話型の生成AI |
ポイントは、各工程の最後に必ず人の確認を挟むことです。AIは一般的にありそうな構成や表現を作るのは得意ですが、その資料を誰に見せ、相手に何を決めてもらいたいのかという事情は知りません。4つの工程それぞれで「人が決めること」を押さえておけば、AIの出力をそのまま使う危うさを避けながら、作業時間を大きく減らせます。
4つ目の読み稿は、発表のあとにも使い回せる
読み稿は発表者が話すための原稿ですが、同じ原稿は、発表の場に出られなかった人や新しく入った人への説明動画のナレーションにもなります。発表のたびに口頭で同じ説明を繰り返しているなら、スライドと読み稿を動画にしておくと、説明の手間を減らせます。
整えたスライドと読み稿を説明動画にも使い回したい場合の一例が、株式会社Stand Technologiesが提供するVideo Craftです。PowerPointと同じような操作感覚でスライドを編集でき、PowerPointやPDFの資料を取り込んだうえで、入力した原稿をAI音声が読み上げるナレーション付きの動画(MP4形式)にできます。ナレーション原稿を直すだけで動画を修正でき、撮り直しは必要ありません。一方で、PowerPointの編集データを変換する際は一部に変換に対応していない要素があるため、変換後に内容を確認する必要があります。利用できる人数もプランによって異なります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社Stand Technologies
Video Craft
株式会社Stand Technologies
Video Craft
AIで簡単作成!効率的に高品質な動画を作成したい方におすすめ

ここがおすすめ!
- 日本語AIアバターとAI音声により、撮影不要で高品質な動画を作成
- パワーポイントと同じ操作感覚で、研修やeラーニングなどに適した動画作成が可能
- ワンクリックで50ヶ国語に翻訳でき、翻訳作業の効率化を図れる
ここが少し気になる…
- グループ共有できる人数はプランによって異なる
毎年の新人研修の座学講義で講師の対応工数が大きいことを課題に、研修の動画化を進めた製造業の株式会社メンテック様は、「PowerPoint資料から比較的短時間で動画を作成できる点が便利だと感じました。」と紹介されています。
出典:Video Craft 導入事例「株式会社メンテック様」(株式会社Stand Technologies、2026年10月15日確認)
手持ちの資料を動画にできるか、利用人数に合うプランはどれかは、資料で具体的に確認できます。
構成案をAIに作らせる方法|章立ての例とプロンプトの書き方
構成案をAIに作らせるときは、目的・聞き手・発表時間・結論の4点を先に伝えることで、そのまま使える精度に近い章立てが返ってきやすくなります。
「新サービスの提案資料の構成を作って」とだけ依頼すると、AIは一般的な提案書の型(背景、課題、解決策、導入効果、費用、スケジュール)をなぞった構成を返します。形は整っていますが、聞き手が経営層なのか現場の担当者なのかによって、最初に置くべき内容は変わります。経営層なら結論と投資対効果を冒頭に、現場の担当者なら今の業務がどう変わるのかを具体的に、というように、聞き手によって優先順位が入れ替わるためです。構成案を依頼するときに伝えたい情報と指定の例は次のとおりです。
| 伝える情報 | 指定の例 | 伝えないと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 目的 | 導入の稟議を通すための判断材料を示したい | 情報提供なのか意思決定を求めるのかが曖昧になる |
| 聞き手 | 取引先の部長級、ITには詳しくない | 専門用語が多すぎる、または説明が浅すぎる |
| 発表時間 | 質疑を除いて15分 | スライドの枚数が多すぎて時間内に話しきれない |
| 結論 | 小規模な試行から始めることを提案したい | 結論が最後まで出てこない、話が散らばる |
用途別の章立ての例
章立ての型は、資料の用途によってほぼ決まります。AIに依頼する前に型を決めて伝えておくと、一般的な提案書の型に引きずられた構成を避けられます。よく使う用途ごとの章立ての例は次のとおりです。
| 用途 | 章立ての例 | 冒頭に置くこと |
|---|---|---|
| 顧客向けの提案資料 | 現状と課題、提案の内容、期待できる変化、進め方とスケジュール、次のアクション | 相手の課題と、提案の結論 |
| 社内の報告・会議資料 | 結論、背景、経過と実績、課題、次の一手 | 決めてほしいことと期限 |
| 研修・説明資料 | 目的、全体像、手順、よくある間違い、確認のポイント | 学んだあとにできるようになること |
| 会社紹介・採用説明会の資料 | 会社の概要、事業の特徴、働き方、募集と選考の流れ | 聞き手が知りたい点への答え |
構成案は「見出しだけ」から段階的に作る
最初から各スライドの本文まで書かせると、分量が多すぎて全体の流れを確認しにくくなります。まずはスライドの見出しだけを並べた案を出してもらい、話の順番と抜け漏れを人が確認してから、見出しごとに要点を3行程度で書いてもらう、という2段階で進めると修正が楽になります。見出しの段階で「3枚目と4枚目を入れ替えて」「費用の話は1枚にまとめて」と指示すれば、後の工程のやり直しを防げます。
そのまま使えるプロンプトの例
プロンプトは、目的・聞き手・時間・必須の内容・出力の形を1つずつ書くと安定します。次の例の角かっこの部分を、自社の資料に合わせて書き換えて使えます。
あなたは企業向け提案資料の構成づくりを手伝う担当者です。
目的:[例 小規模な試行の承認を得る]
聞き手:[例 取引先の部長級。ITには詳しくない]
発表時間:[例 質疑を除いて15分、スライドは10枚程度]
必ず入れる内容:[例 現状の課題、提案の内容、期待できる変化、次のアクション]
出力の形:各スライドの「見出し」と「要点を3行以内」。数字や固有名詞は書かず、確認が必要な箇所は[要確認]と書く。
最後の「数字や固有名詞は書かず」という指定は、AIがもっともらしい数字を作り出すのを防ぐためのものです。数字や事例は、人が出典のはっきりした情報を後から入れます。
ヒアリングメモをもとに提案資料の構成を作る場合
顧客との打ち合わせ後に、会社情報とヒアリングメモをもとに提案資料を作りたい場合も、構成案とスライドのたたき台まではAIに任せられます。ただし、提案の結論や、その顧客だけに当てはまる判断(予算の考え方、決裁者が気にする点など)は人が決めます。メモの内容を箇条書きで渡し、「課題」「提案」「期待できる変化」「次のアクション」に振り分けた章立て案を出してもらうと、材料の整理から始められます。
このとき注意したいのが、メモに含まれる顧客名や担当者名、取引条件の扱いです。個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう注意喚起しています。あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力し、応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合は、個人情報保護法に違反する可能性があるとして、サービス提供事業者が機械学習に利用しないことなどの確認も求めています。社内で入力してよい情報の範囲が決まっていない場合は、固有名詞を伏せた形で要点だけを渡すか、入力データを学習に使わない設定ができる法人向けのプランを使うのが基本です。提案書や報告書の本文をAIで書く場合の指示の出し方は、AIで文書作成する方法の記事で整理しています。
スライドデザインをAIで仕上げる方法|既存ツールの使い分け
スライドのデザインは、固まった構成をスライド生成機能のあるソフトやツールに渡して整え、最後に社内テンプレートや文字量を人が調整する、という分担にすると効率的です。
普段使っている資料作成ソフトやデザインツールには、すでにスライド生成のAI機能が用意されているものがあります。どれを使うかは、完成した資料を最終的にどの形式で共有するかで考えると決めやすくなります。代表的な3つの公式の案内を整理すると次のとおりです(2026年10月15日確認)。
| ツール | 公式の案内にある作り方 | 使う前に確認したい点 |
|---|---|---|
| PowerPointのCopilot(Microsoft 365) | 新しいプレゼンテーションでCopilotを開き、「エージェント モード」でプロンプトを入力する。対象読者やスタイルを質問されることがあり、アウトラインを調整してからスライドを生成できる。Wordの文書から作ることもできる | 出力はAIが生成したものなので人のレビューが必要。組織の標準テンプレートから始めるとテーマやデザインが維持される。ご利用の契約や組織の設定によっては使えない場合がある |
| GoogleスライドのGemini | 「Geminiに相談」にスライドの内容を入力して生成し、プレビューを見て挿入または置き換える。ドライブ内のファイルをソースとして追加することもできる | ヘルプでは、対象のGoogle WorkspaceまたはGoogle AIのプランへの登録が必要で、パソコンでのみ英語で利用できるとされている。一度に生成できるスライドは1つで、不正確な提案が出ることもある |
| Canva | テーマや概要を入力すると、Canva AIがスライドの構成と文章を提案する。PowerPointの資料の取り込み、PowerPoint形式やPDF形式でのダウンロード、チームでの共同編集に対応している | 使える素材やAI機能の範囲はプランによって異なる場合がある。書き出し後にレイアウトが崩れないかを確認する |
ChatGPTのような対話型の生成AIは、構成案や本文、読み稿のたたき台づくりに向いています。スライドのファイルそのものを出力できるかどうかは、サービスやプラン、時期によって異なるため、使う前に提供元の公式ヘルプで確認してください。ファイルを出力できない場合は、見出しと要点を生成させ、PowerPointやGoogleスライドに貼り付けて整える使い方が基本です。ここに挙げたツールの機能や提供条件は変更されることがあります。導入前に、各サービスの公式情報で最新の内容を確認してください。
AIが整えたデザインで見落としやすいのが、1枚あたりの文字量です。生成されたスライドは見た目が整っている分、文字が多くても気づきにくく、発表時に聞き手がスライドを読むことに気を取られてしまいます。1枚で伝えることは1つに絞り、補足の説明は読み稿に回す、という線引きを人が行うと、見やすさが大きく変わります。また、企業のロゴやブランドカラーが決まっている場合は、AIの提案する配色をそのまま使わず、社内のデザインルールに合わせて差し替えることも忘れないようにしましょう。
ツールを選ぶ前に確認したい4つの観点
スライド生成ツールは種類が多く、試用した印象だけで選ぶと、業務で使い始めてから制約に気づくことがあります。無料で試せるツールも多いものの、無料のまま使える範囲は限られるのが一般的です。導入前に確認しておきたい観点は次の4つです。
| 観点 | 確認する内容 | 確認しないと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 日本語への対応 | 操作画面や生成される文章が日本語に対応しているか、日本語フォントで表示が崩れないか | 不自然な言い回しや文字化けの修正に時間がかかる |
| 無料プランの制限 | 生成できる回数、書き出せるファイル形式、スライドにツールのロゴ表記が入るかどうか | 試用では問題なくても、社外向け資料に使う段階で有料プランが必要になる |
| 出力形式と既存ツールとの連携 | PowerPointやGoogleスライドの形式で書き出せるか、書き出し後に編集できるか、チームで共同編集できるか | 社内で修正できず、作成者しか更新できない資料になる |
| 入力データの扱い | 入力した内容がAIの学習に使われるか、学習に使わない設定や法人向けプランがあるか | 社内の情報管理ルール上、提案資料の作成に使えないことが後から分かる |
書き出し形式と日本語レイアウトの確認
AIで作ったスライドを社外に渡す前には、書き出し形式とレイアウトの確認が欠かせません。編集してもらう前提ならPowerPoint形式、閲覧だけで足りるならPDFが扱いやすい選択です。書き出したあとは、日本語フォントが別のフォントに置き換わっていないか、文字が枠からはみ出していないか、画像の縦横比が崩れていないかを全ページで確認します。同じツールのテンプレートをそのまま使い続けると他社の資料と似た印象になりやすいため、自社のロゴや配色、よく使う図の形を反映した独自のテンプレートを一度作っておくと、毎回の調整が減り、資料の統一感も保てます。
中小企業基盤整備機構が運営するデジタル化支援のサイト「ここからアプリ」でも、プレゼン資料づくりに生成AIを使う際のツールの特徴が紹介されています。自社で使えるツールを検討する際の参考になります。
図解・グラフをAIで作る方法
図解やグラフをAIで作るときは、「何と何を比べるのか」「時間の変化を見せるのか」といったデータの関係の種類を先に指定すると、目的に合った図の形を選んでもらいやすくなります。
文章で書くと長くなる内容も、表やグラフにすると一目で伝わります。ただし、AIに「図にして」とだけ頼むと、情報の関係に合わない形(比較したいのにフロー図になる、など)が選ばれることがあります。見せたい関係と、それに合う図の形の対応は次のとおりです。
| 見せたい関係 | 合う図の形 | 指定の例 |
|---|---|---|
| 複数の選択肢の比較 | 比較表、横並びの棒グラフ | 3つの案を費用・期間・効果の3項目で比較する表にして |
| 時間による変化 | 折れ線グラフ、年表 | 月別の問い合わせ件数の推移を折れ線グラフで見せて |
| 全体に占める割合 | 円グラフ、積み上げ棒グラフ | 業務時間の内訳を割合で示して |
| 手順や流れ | フロー図、ステップ図 | 申請から承認までの流れを5ステップで示して |
| 階層や分類 | ツリー図、分類表 | 課題を原因ごとに3つに分類して整理して |
数値はAIに作らせず、元データを渡して形だけ整えてもらう
図解で最も注意したいのが数値の正確さです。生成AIは、もっともらしい数字や統計を作り出してしまうことがあります。グラフに使う数値は、社内の実績データや公的な統計など出典のはっきりしたものを人が用意してAIに渡し、AIにはグラフの形や見せ方の提案だけを任せるのが安全です。公的な統計を使う場合は、スライドの下部に出典名と公表時期を小さく記載しておくと、質疑で根拠を聞かれたときにも答えやすくなります。
生成した画像やイラストは権利の扱いを確認する
AIで生成したイラストやアイコンを図解に使う場合は、著作権の扱いにも気を配る必要があります。文化庁の審議会が示した「AIと著作権に関する考え方について」では、AIによる生成物を利用する場面で著作権侵害にあたるかどうかは、既存の著作物との類似性と依拠性によって判断されるという考え方が整理されています。社内会議の資料より、取引先への提案書やセミナー資料のように社外に公開する範囲が広い資料ほど、既存の作品やキャラクターに似ていないかを公開前に確認する体制が大切です。なお、本項は一般的な情報提供であり、個別の案件の法的な判断は社内の担当部署や専門家に確認してください。ポスターやチラシなど画像が中心の資料を作る場合の注意点は、AIでポスター作成する手順の記事も参考になります。
読み稿をAIで作る際の注意点
AIが作った読み稿は、そのまま読み上げるためのものではなく、自分の言葉に直して練習するための下書きとして使うのが基本です。
スライドの内容を渡して「発表用の原稿を作って」と頼めば、AIは数十秒で話し言葉の原稿を作ります。しかし、そのまま読み上げると、自分の普段の話し方と違う言い回しに引っかかったり、原稿から目を離せず聞き手の反応を見られなかったりします。さらに、原稿の内容を自分で理解しきれていないと、質疑で原稿にない質問が出たときに答えに詰まってしまいます。AIの読み稿を実際の発表に使えるものへ仕上げる手順は、次の4つです。
- AIの原稿を一度声に出して読み、言いにくい言い回しや自分が普段使わない表現に印をつける
- 印をつけた箇所を、自分の言葉に言い換える(AIに「もっとくだけた話し方に」「専門用語を減らして」と頼み直してもよい)
- 各スライドで必ず伝えたい一言だけを残し、原稿全文ではなく要点のメモを見ながら話す練習をする
- AIに聞き手の立場で想定質問を5つほど挙げてもらい、答え方を準備しておく
話す速さも確認しておきたい点です。発表時間を伝えずに原稿を作らせると、時間内に収まらない分量になることがあります。構成の段階で伝えた発表時間を、読み稿の依頼でも改めて伝え、実際に時間を計りながら読んでみて、長すぎる部分を削るようにしましょう。オンライン会議で発表する場合は、画面共有した状態でスライドの切り替えと原稿のタイミングが合っているかも、事前に一度通して確認しておくと安心です。
読み稿を説明動画のナレーション原稿にも使う
整えた読み稿は、発表が終わると使い道がなくなりがちですが、説明動画のナレーション原稿として再利用できます。動画にする場合は、発表のときと違い、読み間違いや言い淀みがなく、毎回同じ品質で伝えられるのが利点です。一方で、動画は話しながら聞き手の反応を見て調整できないため、1枚ごとの説明は短く区切り、専門用語や社内用語には読み方を確認しておく必要があります。ここまでの手順をふまえて、今の資料づくりと説明のやり方を、次のセルフチェックで確認してみてください。
資料づくりのあとの説明、今のやり方で足りている?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
導入でよくある失敗パターン
AIによるプレゼン資料作成の失敗は、構成を考えずにAIへ丸投げする、数値や図解の確認を省く、読み稿を練習せずに使う、の3つに集約されます。いずれも、4つの工程のどこかで人の確認が抜けたことが原因です。
| 失敗パターン | Before(よくある進め方) | After(改善した進め方) |
|---|---|---|
| 構成を考えずに丸投げする | テーマだけ入力して構成からデザインまで一度に生成し、話の順番を後から直すたびに作り直す | 目的・聞き手・発表時間・結論を伝えて見出しだけの案を作り、順番を確定してからスライドを作る |
| 数値や図解の確認を省く | AIが提示した数字をそのままグラフにし、出典を聞かれて答えられない | 元データを人が用意して渡し、AIには見せ方だけを任せる。出典をスライドに記載する |
| 生成画像の権利を確認しない | AIで作ったイラストを確認せずに社外向け資料に掲載する | 公開範囲に応じて確認の担当者を決め、既存の作品に似ていないかを公開前にチェックする |
| 読み稿を練習せずに使う | AIの原稿を当日そのまま読み上げ、棒読みになり質疑で詰まる | 自分の言葉に直し、要点メモで話す練習と想定質問の準備をしておく |
| 顧客情報をそのまま入力する | ヒアリングメモの顧客名や担当者名を、確認なしで生成AIに貼り付ける | 入力してよい範囲を社内で決め、固有名詞を伏せて要点だけを渡す |
これらの失敗を防ぐには、個人の注意力に頼るより、確認の手順を社内の資料テンプレートやチェックリストに組み込んでおく方が確実です。たとえば、資料テンプレートの最後のページに「数値の出典を記載したか」「生成画像の確認者は誰か」といった確認欄を設けておくと、担当者が替わっても同じ水準で確認できます。手順書やマニュアルを更新し続ける仕組みづくりは、AIマニュアル作成の進め方の記事でも解説しています。
作った資料を更新し続けるための運用ルール
AIで作った資料は、作って終わりにせず、誰がいつ更新し、どこに保管し、どの場面で使うかを決めておくと、毎回作り直す手間を減らせます。AIで作成の時間が短くなった分、資料の数が増え、古い版が出回る問題が起きやすくなるためです。
| 決めておくこと | 決め方の例 | 決めないと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 更新の担当者と頻度 | 資料ごとに更新担当者を1人決め、制度や数字が変わったときに見直す | 古い数字や制度のまま使い続ける |
| 保管場所と版の管理 | 最新版を置く場所を1か所にし、ファイル名に日付を入れる | 人によって別の版を使ってしまう |
| 元の読み稿・プロンプトの保存 | スライドと一緒に、使ったプロンプトと確定した読み稿を残す | 担当者が替わると同じ品質で作り直せない |
| 説明の使い回し方 | 発表用、配布用のPDF、説明動画のどれで共有するかを資料ごとに決める | 同じ説明を場面ごとに作り直す |
資料の内容が変わるたびに説明の録画を撮り直していると、更新が後回しになり、古い説明が使われ続けます。スライドと読み稿から説明動画を作る仕組みにしておけば、変更箇所の原稿を直すだけで更新できるため、運用ルールを守りやすくなります。
Video Craft
資料を更新するたびに、説明の録画や読み上げをやり直していませんか?
こんな会社に向いています
PowerPointやPDFの資料から、説明動画を作りたい会社
原稿を直すだけで動画を更新し、撮り直しを減らしたい会社
よくある質問(FAQ)
Q1. ChatGPTでパワポのプレゼン資料は作成できますか?
A. 構成案や各スライドの見出し、要点、読み稿のたたき台はChatGPTのような対話型の生成AIで作れます。スライドのファイルそのものを出力できるかどうかはサービスやプラン、時期によって異なるため、提供元の公式ヘルプで確認してください。出力できない場合は、生成した見出しと要点をPowerPointに貼り付けて整える使い方が基本です。
Q2. GoogleのAIでプレゼン資料を作成するにはどうすればよいですか?
A. Googleスライドを開き、「Geminiに相談」にスライドの内容を入力すると生成できます。Googleのヘルプ(2026年10月15日確認)では、対象のGoogle WorkspaceまたはGoogle AIのプランへの登録が必要で、パソコンでのみ英語で利用できるとされています。利用条件は変わることがあるため、最新の案内を確認してください。
Q3. プレゼン資料を作るのにどのAIツールがよいですか?
A. 完成した資料を最終的にどの形式で共有するかで考えると選びやすくなります。PowerPoint形式で社内テンプレートに沿って作るならPowerPointのCopilot、Googleスライドで共同編集するならGeminiやCanvaなど、普段使っているソフトのAI機能から試すのが現実的です。無料の範囲や書き出し形式、入力データの扱いも導入前に確認してください。
Q4. AIで作った構成案や図解の数値はそのまま使ってもよいですか?
A. そのまま使うのは避け、たたき台として人が確認してください。生成AIはもっともらしい数字を作り出すことがあるため、数値は社内の実績データや公的な統計など出典のはっきりした元データを人が用意して渡し、AIにはグラフの形や見せ方の提案だけを任せるのが安全です。
Q5. 顧客の会社情報やヒアリングメモをAIに入力してもよいですか?
A. 個人情報を含む場合は注意が必要です。個人情報保護委員会は、生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合、利用目的の達成に必要な範囲内であることを十分に確認するよう注意喚起しています。社内で入力してよい範囲を決め、固有名詞を伏せて要点だけを渡すか、学習に使われない設定ができる法人向けのプランを使うのが基本です。
Q6. AIで作ったスライドと読み稿を、説明動画にも使えますか?
A. 使えます。PowerPointやPDFの資料を取り込み、入力した原稿をAI音声が読み上げるナレーション付きの動画にできるサービスがあります。たとえばVideo Craftでは、ナレーション原稿を直すだけで動画を修正できます。PowerPointの編集データの変換では一部に対応していない要素があるため、変換後に内容を確認してください。
まとめ
AIでプレゼン資料を作成するときは、構成・スライド・図解・読み稿の4つの要素に分け、上流の構成から順に、各工程の最後で人が確認しながら進めることが、手戻りを減らす近道です。AIは作業のスピードを大きく上げてくれますが、誰に何を伝えるのかを決めるのは担当者自身です。今日から取り組めることは次の4つです。
- 次に作る資料で、目的・聞き手・発表時間・結論の4点を書き出してからAIに構成案を依頼する
- 図解に使う数値は元データを自分で用意し、生成画像は公開範囲に応じて確認者を決める
- AIの読み稿は自分の言葉に直し、想定質問への答えを準備してから発表に臨む
- 同じ説明を何度も繰り返しているなら、スライドと読み稿を説明動画にできるサービスの資料を確認する
本記事は2026年10月時点の公開情報に基づく一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。各ツールの機能や利用規約は変わることがあるため、最新の情報は各社の公式情報で確認してください。
参考文献
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日) https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」 https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構「プレゼン資料をどの生成AIで作る?」(ここからアプリ) https://digiwith.smrj.go.jp/cocoapp/info/feature/rfsisg0000000kzh.php
- Microsoft サポート「PowerPoint の Copilot を使用して新しいプレゼンテーションを作成する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/powerpoint/copilot/create-a-new-presentation-with-copilot-in-powerpoint
- Google ドキュメント エディタ ヘルプ「Gemini in Google スライドでスライドを生成する」 https://support.google.com/docs/answer/16961475?hl=ja
- Canva「スライドテンプレートでおしゃれなプレゼン資料を作成」 https://www.canva.com/ja_jp/presentations/templates/
- 株式会社Stand Technologies「株式会社メンテック様が社内研修・eラーニングの作成を目的にVideo Craftを導入」 https://videocraft.jp/blog/case-10
この記事に興味を持った方におすすめ