DXの次とは?AX・GX・SXの違いと公的定義の有無を中立整理

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  • DXの次は1つに決まっておらず、AX・GX・SXが並立していることがわかる
  • 各用語の提唱主体と公的な定義の確度、VX・BXの扱い方がわかる
  • よくある誤解と、業種・規模別の優先順位の考え方がわかる

DXの次として公的に決まった1つの言葉はなく、AX(AIトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)・SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)などが、変革の軸ごとに並び立っています。DXを置き換える後継語ではなく、DXで整えたデータとデジタルの基盤の上に積み上がる別の軸の変革、と捉えるのが実態に近い整理です。ところが、これらの言葉は提唱した主体も、指している範囲も、公的な定義があるかどうかもバラバラで、同じ「AX」でも意味が複数あります。本記事では、AX・GX・SXを中心にVXやBXなど周辺の言葉も含めて、意味と提唱主体、公的な定義の確度を中立的に整理し、自社の課題に合わせた優先順位の考え方まで解説します。

あなたの会社に合う「DXの次」の言葉の整理の進め方は? かんたん診断

Q1. 社内でいま一番話題になっている言葉は?

目次

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  1. DXの次の言葉を社内でそろえる第一歩|学びの仕組みの選択肢
  2. DXの次とは|ひとつの後継語ではなく複数の概念が並立している
  3. AX(AIトランスフォーメーション)とは
  4. GX(グリーントランスフォーメーション)とは
  5. SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは
  6. Beyond DX・VX・BXなど、その他の言葉の整理
  7. DXの次を支える技術と、DXの今後
  8. DXの次を理解するときによくある誤解
  9. 自社にとってどれを優先すべきか|業種・規模別の考え方
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|「DXの次」の言葉を社内で使いこなすための5つのこと
  12. 参考文献

DXの次の言葉を社内でそろえる第一歩|学びの仕組みの選択肢

DXの次の言葉を社内でそろえるとは、AX・GX・SXといった言葉を、経営層から現場まで同じ意味で使える状態にすることです。公的に決まった「DXの次」が無い以上、言葉の意味を決めるのは各社であり、意味がそろっていなければ施策の優先順位も決められません。

経営会議では「AX」を生成AIの導入の意味で使い、現場では「業務アプリの刷新」の意味で受け取っていた、というすれ違いは珍しくありません。本記事で整理する内容を社内に共有する段階では、関係者が同じ教材で学び、誰がどこまで学んだかを確認できる仕組みがあると進めやすくなります。担当者1人が理解していても、社内で意味がそろっていなければ施策は進まないためです。

その手段の1つが、教材の提供と受講状況の管理をサービスに任せられるeラーニングです。サービスごとに得意分野が違うため、ここでは「学びの一元管理」「理解度の確認」「ルールの周知」という3つの役割で整理します(2026年10月19日時点で、各社の商品ページに掲載されている内容にもとづきます)。確認した範囲では、いずれもAX・GX・SX専用のコースを用意しているとは記載されていないため、自社で決めた言葉の意味や方針を学習の仕組みに載せる使い方になります。

「DXの次」の言葉を社内に広げるeラーニング3サービスの役割の違い

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DXの次とは|ひとつの後継語ではなく複数の概念が並立している

結論から言うと、「DXの次」として公的に決まった1つの言葉はありません。AX・GX・SXなどは、DXを置き換える後継語というより、DXとは別の「変革の軸」に名前を付けたものです。DXがデジタル技術とデータを軸にした変革であるのに対し、AXはAI、GXは脱炭素、SXは社会と企業の持続可能性を軸にしています。

検索上位の解説記事でも、DXの次としてVXやBXを挙げるもの、GXとSXを並べるもの、AXを中心に据えるものなど、取り上げる言葉がそれぞれ違います。これは、どの言葉を「次」と呼ぶかが、書き手の業界や関心によって変わるためです。そこで本記事では、言葉ごとに「誰が言い出したのか」「公的な定義はあるのか」を先に整理します。この確度の違いを押さえておくと、社内外で言葉を使うときの重みを判断しやすくなります。

用語 変革の軸 主な提唱・推進主体 公的な定義の確度
DX デジタル技術とデータ 経済産業省(デジタルガバナンス・コード等) 高い(政府文書で定義あり)
GX 脱炭素・エネルギー転換 政府(内閣官房のGX実行会議、経済産業省等) 高い(国の方針として推進)
SX 社会と企業の持続可能性 経済産業省(伊藤レポート3.0等) 高い(政府の報告書で定義あり)
AX AI(またはアプリケーション) コンサルティング会社・IT企業・メディア等 低い(政府文書にも言及はあるが、定義は確認できず意味が複数ある)
Beyond DX・VX・BX等 DXの発展形、価値の変革、事業全体の再構築など 企業・メディアごとに独自に使用 低い(統一された定義はない)

表のとおり、GXとSXは政府の方針や報告書に根拠があり、AXやBeyond DX、VX、BXは業界の中で広まった言葉です。どちらが優れているということではありませんが、社外向けの資料や開示で使う場合は、定義の確度が高い言葉ほど説明しやすく、確度が低い言葉は自社での意味を明記する必要があります。なお、DXそのものの定義は「DX化とは?IT化・デジタル化との違いと、施策を判定する5つの問い」、DXの意味と3段階モデルは「DXの意味とは|経産省定義と3段階モデルでデジタル化との違いを整理」で詳しく解説しています。

AX(AIトランスフォーメーション)とは

AXとは、一般にAIを業務や事業の中心に組み込み、仕事の進め方やビジネスモデルを変革する取り組みを指します。生成AIの普及をきっかけに、2023年ごろから急速に使われるようになった言葉です。経済産業省のデジタルスキル標準(2026年4月改訂)にもAI活用やAXが急速に進展していることへの言及がありますが、本記事の執筆時点で、公的機関がAXを正式に定義した文書は確認できていません。

AXには2つの意味がある

注意したいのは、AXという略語に2つの意味があることです。1つはAIトランスフォーメーション、もう1つはアプリケーション・トランスフォーメーション(スマートフォンのアプリなどを通じて顧客への提供価値を変えること)です。後者は生成AIが広まる前から一部で使われており、DXの次を解説する記事の中にもこちらの意味でAXを紹介しているものがあります。社内でAXという言葉を使うときは、どちらの意味なのかを最初に確認しておくと混乱を防げます。

DXとAXの違い・関係

DXとAXの違いは、変革の軸がデジタル技術全般か、AIかにあります。AIトランスフォーメーションとしてのAXは、DXと対立するものではなく、DXの延長線上にあると考えるのが一般的です。AIは学習や判断の材料となるデータがなければ力を発揮できません。紙の書類や個人のExcelに情報が散らばった状態では、AIを業務の中心に据えることは難しいため、データを整えるDXの取り組みがAXの土台になります。

観点 DX AX(AIトランスフォーメーションの意味の場合)
変革の軸 デジタル技術とデータの活用全般 AIの活用
主な問い 紙や手作業をどうデジタルに置き換え、業務や事業をどう変えるか どの判断や作業をAIに任せ、それを前提に仕事の進め方をどう組み直すか
前提 業務や情報がデジタルデータとして扱える状態 整理されたデータと、AIの出力を確認する体制
定義の確度 高い(政府文書で定義あり) 低い(統一された公的な定義は確認できない)

AXの取り組み例としては、需要予測や在庫管理、問い合わせ対応など、これまで人が担っていた判断の一部をAIに任せ、その前提で業務フローや意思決定の仕組みを組み直すことが挙げられます。AIツールを導入するだけでなく、AIの出力を誰がどう確認するかまで含めて仕組みを作る点が、単なるツール導入との違いです。DXからAXへの流れを業務別に詳しく知りたい場合は、「DXとAXの違いとは?AI導入との違い・メリットとデメリット・アナログ業務からの始め方」もあわせて参考にしてください。

AXを進める前に決めておきたいこと

AXは言葉の意味が人によって変わりやすいため、取り組みを始める前に次の点を社内で決めておくと、議論がかみ合いやすくなります。以下は公的な基準ではなく、考え方の例です。

  • AXを「AIトランスフォーメーション」と「アプリケーション・トランスフォーメーション」のどちらの意味で使うか
  • AIに任せる判断と、人が最終確認する判断の線引き
  • AIに入力してよい情報と、入力してはいけない情報(個人情報や取引先の機密など)のルール
  • 生成物を業務や社外向け資料に使うときの著作権や出典の確認方法

とくに後ろの2点は、AIを使う全社員が守る必要があるルールです。担当者だけが知っている状態では守られないため、全社員への周知方法まで含めて決めておくことが大切です。周知の方法については、後半の「自社にとってどれを優先すべきか」でも触れます。

GX(グリーントランスフォーメーション)とは

GXとは、化石燃料中心の産業構造や社会の仕組みを、再生可能エネルギーなどのクリーンなエネルギー中心へ転換し、脱炭素と経済成長の両立を目指す取り組みです。日本では2020年に政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言したことを背景に、内閣官房に設置されたGX実行会議などで国の方針として議論が進められてきました。

GXは、AXやVXと比べて国の政策としての位置づけが明確な言葉です。そのため、企業にとっては「取り組むかどうか」を自由に選ぶテーマというより、取引先からの要請や開示の流れの中で、いずれ向き合うことになるテーマという性格が強くなります。大手企業のサプライチェーンに入っている中小企業では、取引先から自社の温室効果ガス排出量について問い合わせを受けるケースも出てきています。

GXとDXの違い・関係

GXとDXの違いは、DXがデジタル技術とデータを軸にするのに対し、GXは脱炭素とエネルギー転換を軸にする点です。ただし、軸が異なっても実務では深くつながっています。温室効果ガスの排出量を把握するには、電気や燃料の使用量などのデータを継続的に集める必要があり、そのデータ収集の仕組みはDXの取り組みそのものです。また、設備の稼働データを見える化して無駄な稼働を減らすことは、省エネ(GX)と業務効率化(DX)を同時に進める取り組みになります。GXを進めるうえでも、データを扱う基盤づくりが先に必要になる点を押さえておきましょう。

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは

SXとは、社会のサステナビリティ(持続可能性)と企業のサステナビリティを同期させ、長期的に企業価値を高めていくための経営・事業の変革を指します。経済産業省が2022年8月に公表した「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」では、社会の持続可能性に関する課題から生じる中長期のリスクや事業機会を踏まえ、投資家などとの対話を通じて経営・事業変革を実行することとして整理されています。

GXが「環境」、特に脱炭素に焦点を当てるのに対し、SXは環境に加えて人権や人的資本、ガバナンスなど、経営全体を広く対象にします。GXはSXを構成する重要な要素の1つと考えると、両者の関係を理解しやすくなります。

SXとSDGs・ESGの違い

SXと混同されやすい言葉に、SDGsとESGがあります。SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに国際社会全体で達成を目指す17の目標です。ESGは環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字で、主に投資家が企業を評価する際の観点として使われます。これに対してSXは、こうした社会課題や評価の観点を自社の経営戦略に取り込み、長期的に稼ぐ力を高めていく企業側の変革を指します。

用語 何を指すか 主な視点
SDGs 国際社会が共有する目標(ゴール) 国・自治体・企業・個人を含む社会全体
ESG 企業を評価する観点 主に投資家
SX 持続可能性を経営に組み込む変革の取り組み 企業の経営

SDGsは「何を目指すか」、ESGは「どう評価されるか」、SXは「企業としてどう変わるか」と整理すると、3つの言葉の役割の違いがわかりやすくなります。SXに取り組むことが、結果としてSDGsへの貢献やESG評価の向上につながる関係です。

DXとSXの違い・関係

DXとSXの違いは、軸がデジタル技術か、社会と企業の持続可能性かにあります。SXの考え方では、DXは目的ではなく、SXという大きな経営変革を実現するための手段の1つとして位置づけられます。たとえば人的資本の情報を開示するには、社員のスキルや研修の受講状況、働き方に関するデータを正確に集める必要があり、ここでもデジタルの基盤が前提になります。「DXが終わったから次はSX」という順番ではなく、DXで整えた基盤の上にSXやGXの取り組みが乗る関係と捉えるのが自然です。

SXの取り組みでは、人的資本の一部として社員の学び直し(リスキリング)の状況を把握し、説明できることも求められます。誰が何を学んだかを記録できる学習管理の仕組みがあると、社内への浸透度を確認できるだけでなく、社外への説明にも使いやすくなります。

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Beyond DX・VX・BXなど、その他の言葉の整理

AX・GX・SX以外にも、DXの次として紹介される言葉があります。いずれも統一された公的な定義は確認できず、使う企業やメディアによって意味が異なる点に注意が必要です。

言葉 よく使われる意味 使うときの注意点
Beyond DX DXを土台にした次の段階の変革を指す総称。SXやGXと結び付けて語られることが多い 独立した新しい概念ではなく、文脈によって指す内容が変わる総称として扱う
VX 解説記事では、バーチャル(仮想)トランスフォーメーションとして現実と仮想空間の融合を指す説明と、バリュー(価値)トランスフォーメーションとして顧客や社会への価値提供の変革を指す説明が見られる Vが何の略かが使う人によって異なる。社内で使う前に、どちらの意味かを確認する
BX ビジネストランスフォーメーションとして、業務の効率化にとどまらず、組織文化や戦略を含む事業全体の再構築を指す説明が見られる DXとの境目があいまいで、公的な定義は確認できない。自社での範囲を明記する
CX・EX 顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)、従業員体験(エンプロイーエクスペリエンス) Xはトランスフォーメーションではなくエクスペリエンスの略で、DXの次という関係ではない

VXとBX、DXとの違い

VXとBXは、DXの次として取り上げられることが多い言葉ですが、位置づけはAX・GX・SXと異なります。VXは略語の意味が2通りあり、仮想空間の技術を軸にする説明と、提供する価値を軸にする説明で内容が別物になります。BXはDXよりも広く事業全体を対象にする説明が多く、DXとの違いは「デジタルを軸にするか、事業全体を軸にするか」と整理されることがあります。どちらも政府文書で定義されたものではないため、会議や資料で使うときは「ここではVXをバーチャルの意味で使う」のように自社での意味を明記すれば、すれ違いを防げます。

特にCXやEXは、見た目が似ているためDXの仲間として並べられがちですが、XはExperience(体験)を指しており、変革を意味するTransformationのXとは別物です。英語圏ではTransformationの接頭辞「Trans」を交差を意味する「X」で表す慣習があり、DX・GX・SXのXはこの用法から来ています。言葉の成り立ちを押さえておくと、末尾にXが付く新しい言葉に出会ったときに、それが変革を指すのか体験を指すのかを見分けやすくなります。

DXの次を支える技術と、DXの今後

DXの今後は、DXが不要になるのではなく、DXで整えたデータとデジタルの基盤の上に、AX・GX・SXなどの取り組みが積み上がる形で続くと考えられます。それぞれの変革を支える技術は異なりますが、データを集めて使う基盤が共通の前提になる点は同じです。

技術 何をするものか 結び付きやすい「X」の例
生成AI・機械学習 文章や画像の生成、需要予測など、データから判断や作業を支援する AX
IoT・センサー 設備や機器の稼働状況、エネルギー使用量をデータとして集める GX、AX
デジタルツイン 現実の設備や建物のデータを仮想空間に再現し、シミュレーションに使う VX(仮想の意味の場合)
VR・AR・メタバース 仮想空間での体験や、現実の風景へのデジタル情報の重ね合わせ VX(仮想の意味の場合)
クラウド・データ基盤 データを集めて保管し、部署をまたいで使えるようにする すべて(共通の土台)

上の表は、解説記事などで技術と変革の組み合わせとしてよく挙げられる例です。どの技術を使うかを先に決めるより、何を変えたいかを先に決めて、その手段として選ぶほうが失敗しにくくなります。

日本企業のDXの現在地

IPAが2025年2月から3月末にかけて、日本企業1,535社と米国・ドイツの企業を対象に実施した調査「DX動向2025」では、DXに取り組む日本企業の割合は約8割で、前回調査から微増したとされています。また、同じ調査に関するIPAの資料では、日本企業の85.1%でDXを推進する人材が不足しているとされています。取り組みは広がっていても、人材と共通理解が追いついていない状況がうかがえます。DXレポート2も、DXは製品やサービスの導入のみで達成されるものではなく、関係者の共通理解の形成が必要だとしています。

次の言葉に進む前に確認したい土台

AX・GX・SXに取り組む前に、DXの土台が整っているかを次の3点で確認してみてください。IPAの「DX推進指標」を使えば、より本格的な自己診断もできます。

  • データが部署ごとに閉じておらず、必要な情報を検索して取り出せるか
  • 「DX」や「AX」「GX」「SX」の意味と自社での使い方を、関係者が同じ意味で説明できるか
  • 言葉の意味や方針を学ぶ機会が、推進担当者以外の社員にも用意されているか

3点目が欠けていると、担当者だけが先に進み、現場に取り組みが届かなくなります。DXのメリットとデメリットを整理した「DXのメリット・デメリットを中立解説|導入前に見る判断軸と小さく始める進め方」では、導入前に見る判断軸を解説しています。

DXの次を理解するときによくある誤解

新しい言葉が次々に登場すると、言葉の関係を取り違えたまま議論が進んでしまうことがあります。社内の会議や資料づくりで起きやすい誤解を、正しい捉え方とあわせて整理しました。

よくある誤解 正しい捉え方
DXはもう古く、次の言葉に乗り換えるべき AX・GX・SXはいずれもデータとデジタルの基盤を前提にしており、DXはむしろ土台として重要性が増している
DXの次は1つに決まっている 公的に決まった後継語はなく、変革の軸ごとに複数の言葉が並立している
AXもGXやSXと同じように国が定義している GXとSXは政府の方針や報告書に根拠があるが、AXは業界用語で意味も複数ある
VXやBXもDXの公式な後継として定義されている 公的な定義は確認できず、使う会社やメディアごとに意味が違う
GXとSXは同じもの GXは脱炭素に焦点を当てた変革で、SXは環境・社会・ガバナンスを含む経営全体の変革。GXはSXの一部と捉えられる
すべてに同時に取り組まなければならない 業種や規模、取引先からの要請によって優先順位は変わる。自社の課題に近いものから着手すればよい

これらの誤解の多くは、言葉の定義の確度や変革の軸を確認しないまま、流行している言葉を並べて議論してしまうことから起きます。社内の会議資料や企画書では、見出しや議題に「DX」「GX」「SX」「AX」のどれに関する話なのかを明記するだけでも、参加者の理解のずれを減らせます。また、外部のセミナーや提案資料で新しい言葉が出てきた場合は、それが公的な定義に基づくものか、その会社独自の用語なのかを確認する習慣を持つと、社内外への説明に一貫性を持たせやすくなります。

ただし、資料に定義元を書き添えても、読んだ側が同じ理解をしているとは限りません。言葉の意味が伝わったかを、テストの結果で確認したい場合の一例が、株式会社イー・コミュニケーションズのSAKU-SAKU Testingです。CBT(コンピュータ上で試験を行う方式)の技術を生かしたテスト機能があり、選択式・穴埋め・並び替え・記述の設問を配信できます。用意された設問と自社オリジナルの設問を、1つのテストにまとめることもできます。注意したい点は、AIを使ったリモート監視機能などは有償オプションの契約が必要なこと、日本国外での利用はサポート対象外であることです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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出典: メディカル・データ・ビジョン株式会社(SAKU-SAKU Testing導入事例) https://www.e-coms.co.jp/jirei/jirei29
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自社にとってどれを優先すべきか|業種・規模別の考え方

AX・GX・SXのどれを優先するかに唯一の正解はありません。判断の手がかりになるのは、「外部から求められているか」と「自社の事業課題に直結しているか」の2点です。取引先や投資家から対応を求められているテーマは期限があることが多く、事業課題に直結するテーマは成果が見えやすいため、どちらかに当てはまるものから着手すると社内の合意を得やすくなります。

業種・規模 意識されやすいテーマ 考え方の例
製造業 GX、AX 設備や物流のエネルギー使用量が大きく、取引先から排出量の問い合わせを受けやすい。設備の稼働データを整えると、省エネ(GX)と予知保全などのAI活用(AX)の両方に使える
小売・サービス業 AX、SX 需要予測や問い合わせ対応などでAIを活用しやすい。人手不足への対応や働き方の改善は、人的資本の観点からSXにもつながる
上場企業・大企業 SX、GX 投資家との対話や開示の要請があり、経営全体でSXを体系的に進める必要性が高い
中小企業 DXの基盤づくり、取引先の要請に応じたGX 専任者を置く余裕がない場合が多いため、まず業務のデジタル化とデータの一元管理を進め、その上でAXやGXに段階的に着手する

どのテーマを選んでも共通して必要になるのが、データを扱う基盤と、変革の意味を理解した人材です。特に中小企業では、推進担当者を外部から採用するのは簡単ではありません。まずは社内で基礎知識をそろえ、関心の高い社員を推進役として育てていく方法が現実的です。経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開している「デジタルスキル標準」も、社員に何を学んでもらうかを決める際の目安になります。

学ぶ内容はテーマによって変わりますが、全社員向けの基礎と推進メンバー向けの実践を分けて計画すると、限られた時間でも効果を出しやすくなります。とくにAXでは、生成AIなどを使う全社員が、情報の取り扱いや著作権のルールを理解している必要があります。こうした法令・ルールの研修に特化した選択肢の一例が、株式会社OysterのOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンス研修に特化したeラーニングで、情報セキュリティ、個人情報保護法、著作権(AIに関する内容を含む)、ハラスメント予防などのコースが用意されています。法令の改正などに合わせてコンテンツが更新される点や、ダッシュボードと自動リマインダーで受講状況を把握できる点が特徴です。ただし、AX・GX・SXそのものを学ぶ内容ではなく、AIなどを使うときに守るルールの周知を担う位置づけである点に注意してください。料金体系は受講者数に応じて変わるため、トライアルやデモの内容とあわせて問い合わせで確認する必要があります。

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ここまでの内容をふまえ、自社の言葉の整理と学習の準備がどこまで進んでいるかを、次のセルフチェックで点検してみてください。

「DXの次」の言葉を社内で使う準備、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

よくある質問(FAQ)

Q1. DXの次に来る言葉は何ですか?

A. 公的に決まった1つの後継語はありません。AIを軸にしたAX、脱炭素を軸にしたGX、社会と企業の持続可能性を軸にしたSXなどが並立しており、目的や課題に応じて使い分けるのが一般的です。

Q2. AXとは何の略ですか?

A. 現在は主にAIトランスフォーメーションの略として使われ、AIを業務や事業の中心に組み込む変革を指します。ただし、アプリケーション・トランスフォーメーションの意味で使われる場合もあり、公的な定義も確認できないため、使う前に意味を確認することが大切です。

Q3. GXとSXの違いは何ですか?

A. GXは脱炭素とエネルギー転換に焦点を当てた変革で、SXは環境に加えて人権や人的資本、ガバナンスなどを含む経営全体の変革です。GXはSXを構成する要素の1つと捉えると理解しやすくなります。

Q4. DXの今後はどうなりますか?DXは不要になりますか?

A. 不要にはなりません。AX・GX・SXのいずれも、データを集めて活用するデジタルの基盤を前提にしています。DXは次の変革を支える土台として、引き続き重要な取り組みです。

Q5. VXとBXはDXとどう違いますか?

A. どちらも公的な定義は確認できず、使う会社やメディアによって意味が異なります。VXはバーチャル(仮想)またはバリュー(価値)の略として説明され、BXはビジネス全体の再構築を指す言葉として説明されることが多い言葉です。使うときは自社での意味を明記すると誤解を防げます。

Q6. 新しい概念を社内に浸透させるにはどうすればよいですか?

A. まず自社でその言葉をどういう意味で使うかを決め、関係者が同じ教材で基礎を学ぶ機会を作ることが効果的です。eラーニングなどで受講状況を管理すれば、全員が一度は内容に触れたかを確認しながら共通言語を作れます。機能はサービスによって異なるため、資料で確認してください。

まとめ|「DXの次」の言葉を社内で使いこなすための5つのこと

DXの次として語られる言葉は1つではなく、変革の軸ごとに複数の概念が並立しています。押さえておきたいポイントは次の5つです。

  1. AXはAI、GXは脱炭素、SXは社会と企業の持続可能性を軸にした変革で、公的に決まった「DXの次」はない
  2. GXとSXは政府の方針や報告書に根拠があるが、AXやBeyond DX、VX、BXは業界用語で、意味が複数ある場合もある
  3. いずれの変革もデータとデジタルの基盤を前提にしており、DXは次の変革を支える土台として続く
  4. 優先順位は業種・規模や取引先からの要請で変わるため、自社の課題に近いテーマから着手し、使う言葉は自社での意味を決めてから使う
  5. 言葉の意味をそろえる学習の仕組みとして、eラーニングなどの資料を取り寄せて比べ、自社に合うかを検討する

新しい言葉に振り回されないためには、言葉ごとの定義の確度と変革の軸を確認し、自社にとっての意味を決めてから使うことが大切です。なお、本記事は各用語の一般的な整理を目的としたものであり、具体的な取り組みの内容は自社の事業や体制に合わせて判断してください。

参考文献

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