DXでExcel業務を見直す方法|残す業務と移す業務の見分け方と脱Excelの進め方

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  • DXでもExcelを全廃せず、残す業務と移す業務を見分けるとわかる
  • 活Excelの手段と脱Excelの5つのステップがわかる
  • 失敗パターンと効果測定から、経費精算を起点に進められる

DXを進めるうえで、Excelをすべてやめる必要はありません。繰り返し発生し、複数人が関わり、記録を残す必要がある業務はシステムに移し、それ以外はExcelの使い方を整えて続けるのが現実的な進め方です。「月末の集計で残業が続く」「このファイルは作った人にしか直せない」「最新版がどれか分からない」といった悩みは、Excelそのものの問題というより、Excelに向かない使い方から生まれています。本記事では、DXとExcelの関係、Excelに残す業務とシステムに移す業務の見分け方、Excelを活かす「活Excel」の具体策、脱Excelの5つのステップ、移行時の注意点、よくある失敗、効果測定までを解説します。最初の題材として取り組みやすい経費精算のシステム化も、サービスの役割の違いとあわせて紹介します。

あなたのExcel経費業務に合うタイプを診断

Q1. Excelでの経費申請で、いちばん手間がかかっているのは?

目次

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  1. DXとエクセルの関係|Excelを活かす場面と脱Excelする場面
  2. Excelが得意な業務・苦手な業務|脱Excelが必要と言われる理由
  3. Excelに残す業務・システムに移す業務の見分け方
  4. 脱Excelの進め方|5つのステップ
  5. 移行時に注意すべきポイント
  6. 脱Excelでよくある失敗パターン
  7. 脱Excelの効果測定の方法
  8. 経費精算から他業務へ脱Excelを広げる順番
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|脱Excelを進める5つの行動
  11. 参考文献

DXとエクセルの関係|Excelを活かす場面と脱Excelする場面

DXにおけるExcelの扱いは、Excelを全廃することではなく、Excelが得意な業務は活かし、苦手な業務だけを別の仕組みに移すことです。Excelの使い方を整える「活Excel」と、別の仕組みへ移す「脱Excel」を、業務ごとに使い分けます。

脱Excelの最初の一歩に選ばれやすい経費精算

脱Excelの最初の対象として選ばれやすいのが経費精算です。申請書のExcelへの入力、領収書の貼り付け、上長の押印、会計ソフトへの転記と、属人化・入力ミス・共有の手間がすべて表れやすい一方で、規程や承認ルートが決まっていて毎月同じ手順を繰り返すため、システムに置き換えやすい業務でもあります。

次の表は、自社の経費精算システム掲載ページで確認できる内容をもとに、5サービスの役割の違いを整理したものです。優劣ではなく、どの状況に合うかで比べています。

Excelの経費精算を移すときの、5サービスの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:楽楽精算 領収書やICカードの読み取りで入力を減らせます。

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この状況に合う一例:マネーフォワード クラウド経費 不備入力防止のアラートで差し戻しを減らせます。

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この状況に合う一例:Bill One経費 ビジネスカードの利用で立替経費をなくせます。

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サービス 楽楽精算マネーフォワード クラウド経費ジンジャー経費バクラク経費精算Bill One経費
向いている会社 経費精算の手入力や確認作業を効率化したい会社 オンラインでミスなく経費精算を完結したい会社 経費精算のペーパーレス化を目指す会社 OCR読み取りで作業の効率を上げたい会社 社員の立替経費をなくしたい会社
特徴 領収書やICカードをスマートフォンで読み取れ、社外からでも申請や精算ができる。経費精算から会計ソフト連携まで機能がそろう オンラインでまとめて経費申請でき、不備入力防止のアラート機能で差し戻しの手間を軽くできる 勤怠・給与・人事・経費などを1つに集約でき、シンプルな画面で操作できる 複数枚の領収書を自動で読み取り、アプリやチャットツールから承認できる。ミス防止機能を複数搭載 ビジネスカードで経費を支払うため立替をなくせ、領収書の受取から仕訳・保管までオンラインで一元管理できる
注意したい点 外国語対応は英語のみ OCR機能の精度があまり良くないという声がある 導入までに最長3か月ほどかかる 導入前のサポートは有償対応 初期費用が発生し、支払いは月払いではなく年額
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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

経費申請書のExcelへの入力と、領収書の貼り付け・押印の回覧がいちばんの負担になっている場合の一例が楽楽精算(株式会社ラクス)です。商品ページでは、領収書やICカードをスマートフォンで読み取れること、社外からでも申請や精算ができること、経費精算から会計ソフト連携まで便利な機能がそろっていることが特徴として紹介されています。注意点として、外国語対応は英語のみとされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社ラクス

楽楽精算

楽楽精算
出典:www.rakus.co.jp

株式会社ラクス

楽楽精算

ペーパーレス化により、経費精算の手入力業務や確認業務を効率化したい方におすすめ

全体評価
4 (41件)

基本情報

GOOD

ここがおすすめ!

  • 領収書やICカードはスマホで読み取れ、社外からでも申請や精算が可能
  • 経費精算から会計ソフト連携まで便利な機能が充実している
MORE

ここが少し気になる…

  • 外国語対応は英語のみ
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • 交通費や出張費などの経費精算を行うことができ、社員の経費管理がしやすい

  • 拠点が多い会社で精算システムを導入していない場合、毎月の領収書などの精算を郵送でやりとりしていることが多く時間もかかり効率的ではありません。システム導入することでそういったやり取りがすべて電子化され、精算を申請する社員、精算する会社側双方において便利になる点が一番のメリットかと思います。

  • とにかく経費申請が億劫でした。入力が面倒でつい後回しにしがちでしたが、楽楽精算のアプリを使ってレシートを読み取るだけで、ほとんど申請に必要な項目を埋めてくれます。サッと着手することができるため、申請漏れや遅れて申請などが無くなりました。

他システムとの比較記事はこちら

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「経理から提供していたエクセルのフォーマットに、申請者自身が入力をして、領収書とともに上長に提出、捺印してもらい最後に経理に渡してもらうというフローです。」

出典:トレンダーズ株式会社の導入事例(楽楽精算公式) https://www.rakus.co.jp/rakurakucloud/seisan/case/casestudies_trenders.php

同事例では、導入後に精算の期間が短くなったと紹介されています。Excelに入力して押印を回す流れが、そのままシステム上の申請と承認に置き換わるイメージです。

Excelが得意な業務・苦手な業務|脱Excelが必要と言われる理由

Excelは表計算や簡単な集計には優れた道具ですが、複数人での同時利用、大量データの長期蓄積、承認の記録を残す使い方は苦手です。この苦手な使い方をシステムに移すことが、DXの文脈でいう脱Excelです。

経済産業省のデジタルガバナンス・コードでは、DXを、データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することと位置づけています。この考え方に照らすと、Excelの問題は「ツールが古い」ことではなく、データが個人のパソコンやファイルの中に閉じてしまい、組織として活用できない状態にあることだといえます。

Excel管理の限界現場で起きていること業務への影響
属人化 複雑な関数やマクロを作った担当者しか構造を理解しておらず、修正できない 異動・退職・休職で業務が止まる。改善が進まない
入力ミス・転記ミス 手入力や別ファイルからのコピーが多く、数式が上書きされることもある 確認と修正に時間がかかり、誤ったデータで判断してしまう
版管理の混乱 メール添付でやり取りするうちに「最終版」「最終版2」などのファイルが増える どれが正しいデータか分からなくなる
同時編集・共有の難しさ 誰かがファイルを開いていると編集できない、閲覧権限を細かく分けにくい 作業待ちが発生し、情報共有が遅れる
大量データ・外部連携 データが増えるほど動作が重くなりやすく、ほかのシステムとの自動連携もしにくい 即時の集計や、システム間のデータ連携が必要な業務に向かない
データの分散 部署ごと、担当者ごとに似たファイルを作り、同じデータを二重三重に管理している 全社の数字を集めるたびに手作業の集計が必要になる
セキュリティと記録 ファイルの持ち出しやメール誤送信が起きやすく、誰がいつ変更したか追いにくい 情報漏えいのリスクや、監査・税務対応での説明の難しさにつながる

大量データについては、Microsoftの公式情報によると、Excelのワークシートは1,048,576行・16,384列までという仕様上の上限があります。上限に達しなくても、数式や複数シートの参照が増えると再計算に時間がかかることがあるため、データが増え続ける業務は、早めにデータベースなどへ移す判断が必要です。

Excelが手放せない理由も押さえておく

脱Excelが進みにくいのは、Excelに実際のメリットがあるためです。多くの企業ですでにOfficeを導入していて追加費用がほとんどかからないこと、使える人が多く教育の負担が小さいこと、取引先もExcelを使っていてファイルをそのまま送れること、現場の事情に合わせて書式を自由に変えられることが主な理由です。長年の運用で積み重ねたノウハウがExcelの中にある、という慣習の面もあります。

そのため、「Excelをやめたい」という気持ちだけで進めると、現場の負担が増えて反発を招きます。Excelの強みが活きている業務は残し、弱みが目立つ業務から移す、という順番が欠かせません。

脱Excelは「Excelの全廃」ではない

脱Excelという言葉からは、社内のExcelをすべて禁止するイメージを持たれがちですが、現実的なゴールはそこではありません。一時的な試算、会議用の簡単な表、システムから出力したデータの個人的な分析など、Excelの柔軟さが役立つ場面は今後も残ります。大切なのは、Excelで続けるべき業務と、別の仕組みに移したほうがよい業務を見極めることです。

IT化とDXの違いから見た脱Excelの位置づけ

Excelの申請書をシステムの入力画面に置き換えるだけなら、それは業務のデジタル化(IT化)の段階です。DXと呼べる状態に近づくのは、システムに蓄積されたデータを使って、経費の使い方の傾向を把握したり、承認のルールそのものを見直したりと、業務や意思決定のやり方が変わったときです。脱Excelは、このデジタル化の段階を確実に進め、次の変革に使えるデータを整えるための土台づくりと考えると、社内での期待値をそろえやすくなります。

Excelに残す業務・システムに移す業務の見分け方

Excelに残すか、システムに移すかは、繰り返しの頻度、関わる人数、ルールの明確さ、データの蓄積、記録の必要性、転記の有無の6つの観点で判断できます。次の表で、左の列に当てはまる項目が多い業務ほど、システム化の効果が大きくなります。

判断の観点システムに移したほうがよい業務Excelに残してもよい業務
繰り返しの頻度 毎日・毎月など定期的に同じ手順で発生する 一度きり、または不定期にしか発生しない
関わる人数 申請者・承認者・経理など複数人が同じデータを扱う 担当者1人で作成から利用まで完結する
ルールの明確さ 規程や承認ルートが決まっており、手順を言葉で説明できる 都度の判断が多く、形式が毎回変わる
データの蓄積 過去データを長期間保存し、検索・集計したい その場で使えば終わる一時的な試算
記録・証跡の必要性 誰が承認したか、いつ変更したかを後から説明する必要がある 記録を残す必要がない社内メモ
転記の発生 Excelから会計ソフトなど別の仕組みへ手で入力し直している ほかの仕組みにデータを渡さない

経費精算、勤怠管理、請求書の発行、在庫管理、顧客管理などは、多くの企業で左の列にほぼすべて当てはまるため、脱Excelの候補に挙がりやすい業務です。反対に、経営会議向けの一時的な試算や、担当者個人の作業メモまでシステムに移す必要はありません。在庫管理をExcelで続ける場合の限界と移行の判断は、在庫管理をエクセルで始める方法でも整理しています。

見落としやすいのは「Excelの前後の作業」

業務を見極めるときは、Excelファイルそのものだけでなく、その前後で行われている作業にも目を向けることが大切です。たとえば経費精算なら、Excelに入力する前に紙の領収書を集める作業があり、入力した後にはメールで上長に送る、印刷して押印をもらう、経理担当者が会計ソフトへ入力し直すといった作業が続きます。時間を取られているのはExcelの入力よりも、こうした前後の受け渡しであることが少なくありません。前後の作業まで含めて見直さないと、Excelだけをシステムに置き換えても手間はあまり減らないため、業務の流れ全体を1枚の表に書き出してから判断するのがおすすめです。

前後の作業のなかでも、領収書の回収と、社員の立替払い・小口現金の管理に手間がかかっている場合の一例がBill One経費(Sansan株式会社)です。商品ページでは、専用のビジネスカードで経費を支払うため社員の立替経費をなくせること、領収書の受取から仕訳・保管までオンラインで一元管理できることが特徴として紹介されています。注意点として、初期費用が発生し、支払いが月払いではなく年額である点が挙げられています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Sansan株式会社

Bill One経費

Bill One経費
出典:bill-one.com

Sansan株式会社

Bill One経費

オンラインで完結!社員の立替経費をなくしたい企業におすすめ

全体評価
4.3 (3件)

基本情報

GOOD

ここがおすすめ!

  • ビジネスカードで経費を支払うため、社員の立替経費をなくせる
  • 領収書の受取から仕訳・保管までオンラインで一元管理
  • 経費精算に関するさまざまな課題を解決でき、社員の負担を軽減
MORE

ここが少し気になる…

  • 初期費用が発生し、月払いではなく年額での支払い
評価・口コミ(一部抜粋)
4.3
  • 簡単に領収書を撮影しすぐに経費申請ができることが一番ありがたかった。導入前の経費申請は領収書をPDF化してシステムから申請、という古いタイプだったためかなり利便性が向上した(使用していたほぼすべての社員が満足していた印象)

  • 経費立替からの精算という流れを変えたことで業務効率化がはかれました。領収書をメールやチャットで提出したりする必要がなく、クラウドにアップロードすれば共有できるのでとにかく楽です。本来の業務に時間を使えるのがメリットです。

  • テレワークに伴い、こちらのサービスを導入した経緯があります。今まで紙で届いた請求書に上長の押印、明細などを添えて経理に提出していましたが、一気にペーパレスできましたし、経理担当者の処理時間も大幅に減ったのではないでしょうか。請求書を受理する現場担当者も入力作業がありますが、データをアップロードすればAIが読み取ってある程度データ化してくれるのでとても便利だと思いました。

小口現金で備品などを購入していた企業について、「現金の引き出しや管理に工数がかかり店舗運営の負担となっていました」と紹介され、導入後は「経費精算業務にかける時間を全社で月間100時間以上削減」する見込みとされています。

出典:ニップンドーナツ株式会社(Sansanニュースリリース) https://jp.corp-sansan.com/news/2025/0424.html

Excelに残す業務は「活Excel」で整える

Excelに残すと判断した業務も、今のやり方のまま放置してよいわけではありません。Excelの機能と運用ルールを見直すだけで、属人化やミスをかなり抑えられます。この考え方を「活Excel」と呼ぶこともあります。代表的な手段は次の表のとおりです。

活Excelの手段できること向く場面と注意点
テーブル形式への統一 1行に1件、1列に1項目の形にそろえ、セルの結合や途中の小計行をなくす 並べ替えや集計がしやすくなる。後でシステムへ移すときのデータ整備も軽くなる
関数による自動集計 SUMやIFなどの基本関数で、計算と集計を自動化する 計算ミスと集計時間を減らせる。式を上書きしないよう入力規則やシートの保護を併用する
Power Query 別ファイルやCSVからの取り込みと整形の手順を登録し、更新の操作だけで繰り返す コピーと貼り付けの手作業を減らせる。取り込み元のファイル形式が変わると設定の見直しが必要
Power PivotやPower BI 複数のデータをまとめて集計・比較し、グラフやダッシュボードで可視化する 分析と報告の手間を減らせる。元データが整っていないと活用できない
マクロ・VBA 定型の操作を記録して、ボタン1つで再実行する 毎月の集計や帳票づくりを自動化できる。作成者以外が読めず、属人化しやすいため手順書が必要
クラウド上での共同編集 クラウドストレージ上の1つのファイルを全員で開き、変更履歴も残す メール添付による最新版の取り違えを防げる。権限の設定を先に決めておく

ただし、これらはあくまでExcelの弱点を和らげる方法です。扱う件数や関わる人数が増え続ける業務、承認の記録が必要な業務は、活Excelで整えても限界が来るため、次に挙げる移行先への切り替えを検討します。なお、マクロやVBAは便利な反面、複雑にするほど作った人にしか直せなくなります。使う場合は、処理の内容を簡単な手順書にまとめ、複数人で保守できる状態にしておくことが大切です。

システムに移す業務の移行先は5種類

システムに移すと判断した業務も、移行先は1つではありません。業務の性質によって向いている仕組みが異なるため、種類ごとの特徴を押さえておくと選定で迷いにくくなります。ツールの分類と選び方を公的データから整理したDXツールとはもあわせて参考にしてください。

移行先の種類向いているExcel業務留意点
業務特化型のクラウドサービス(SaaS) 経費精算、勤怠管理、請求書発行など、どの会社でも流れが似ている定型業務 標準の流れに自社の業務を合わせる前提になる。利用料が継続して発生する
Webデータベース・ノーコードツール 案件管理、現場管理、各種台帳など、自社独自の項目が多い管理表 自分たちで設計できる分、作った人しか分からない状態が再び起きないよう管理ルールが必要
ワークフローシステム 稟議書や各種申請書など、Excelの様式を回覧・押印している業務 承認ルートと決裁権限を先に整理しておく必要がある
RPA Excelと別のシステムの間で発生する定型的な転記・入力作業 業務の流れ自体は変わらないため、画面や様式の変更で止まることがある
BIツール 複数のファイルを集めて毎月作っている集計表やグラフ、レポート 元になるデータが整っていないと活用できないため、入力側の整備が先になる

どの移行先を選んでも、初期設定や利用料といった費用と、操作に慣れるまでの学習の負担は発生します。Excelは追加の費用なしで誰でも使えるため、この負担が脱Excelの弱点として挙げられがちです。削減できる作業時間と費用を並べて判断できるよう、後述の効果測定を試行の段階から行っておくことが大切です。

脱Excelの進め方|5つのステップ

脱Excelの進め方は、Excelファイルの棚卸し、業務の流れの書き出し、最初に移す業務の決定、移行先の選定と試行、効果測定と全社展開の5ステップです。現状を把握してから小さく試し、効果を確かめながら広げます。

ステップ1. Excelファイルを棚卸しする

まず、社内で業務に使われているExcelファイルを洗い出します。ファイル名だけでなく、管理者、利用者、更新の頻度、保存場所、データの入力元と出力先、使っている関数やマクロの有無を一覧にしておくと、後の判断がしやすくなります。棚卸しの過程で、同じデータを複数のファイルで管理しているケースや、長く使われていないファイルも見つかります。使われていないファイルは整理するだけで管理の負担が減るため、それ自体が小さな成果になります。

ステップ2. 業務の流れと困りごとを書き出す

棚卸しした中から主要な業務について、誰が、いつ、何を入力し、誰に渡し、最終的に何に使われるのかを順番に書き出します。前の章で触れたExcelの前後の作業もここで洗い出します。あわせて、現場の担当者に「どこで時間がかかっているか」「どこでミスが起きやすいか」を聞いておくと、システム化で解決したい課題がはっきりし、ツール選定の基準にもなります。

ステップ3. 最初に移す業務を1つ決める

判断表で「システムに移したほうがよい」に多く当てはまり、なおかつ効果が見えやすい業務を、最初の対象として1つだけ選びます。最初の業務は、成功すれば社内で脱Excelへの理解が広がり、失敗すれば「やはりExcelのほうがよかった」という空気が生まれる、影響の大きな選択です。そのため、多くの従業員が関わり、手間の削減を実感しやすく、既製のクラウドサービスで対応できる業務が向いています。経費精算がよく選ばれるのはこの条件を満たしやすいためです。

ステップ4. 移行先を選び、小さく試す

移行先には、経費精算や勤怠管理のような特定業務向けのクラウドサービス、業務アプリを自分たちで組み立てられるノーコードツール、データベースなどの選択肢があります。定型的な業務なら、業務ルールがあらかじめ組み込まれた専用サービスのほうが、設定の手間が少なく定着しやすい傾向があります。候補を絞ったら、無料トライアルなどを使って1つの部署で試し、Excel運用と比べてどれだけ手間が減ったかを確認します。Excelの申請書の項目をそのまま置き換えられるか、承認ルートを自社の規程どおりに設定できるか、会計ソフトへデータを連携できるかの3点を確認すると、比較しやすくなります。

ステップ5. 効果を測り、ルールを整えて広げる

試行で効果が確認できたら、運用ルール(入力の期限、承認の流れ、Excelファイルの廃止日など)を決めて全社に広げます。このとき、旧Excelファイルを並行して使い続けられる状態にしておくと、いつまでも二重管理が続くため、廃止日をあらかじめ決めて周知することが重要です。最初の業務で得た手順と効果の数字は、次の業務を移すときの社内説明にそのまま使えます。

自社のExcel運用をセルフチェックする

ここまでの内容を、自社の経費申請の運用に当てはめて確認できます。当てはまる項目の数で、次の一手が変わります。

Excelでの経費申請、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

移行時に注意すべきポイント

移行時に注意したいのは、既存データの移行範囲、マクロや関数に埋め込まれたルール、現場の抵抗感、法令対応の4点です。ツールを選ぶ段階よりも、実際に移行する段階でつまずくことが多くあります。

既存データの移行範囲を決めておく

過去のExcelデータをすべて新しいシステムに移そうとすると、表記の揺れ(全角と半角、社名の略称など)や空欄の整理に多くの時間がかかります。過去データは参照用としてExcelのまま保管し、新しいシステムには一定の時点以降のデータだけを入れる、といった線引きを先に決めておくと、移行作業の負担を抑えられます。移す場合は、項目名と入力ルールをそろえてから取り込むことが大切です。

マクロや関数に隠れた業務ルールを掘り起こす

長く使われてきたExcelには、「この部署は上限額が違う」「この科目は自動で別シートに振り分ける」といった業務ルールが、関数やマクロの中に埋め込まれていることがあります。これを見落とすと、システムに移した後で「以前はできていた処理ができない」という問題が起きます。移行前に作成者や現場の担当者と一緒にファイルを確認し、隠れたルールを文書にしておくことで、システムの設定漏れを防げます。作成者がすでに不在の場合は、実際の入力結果と計算結果を突き合わせてルールを推定する必要があるため、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。

現場の抵抗感には「手間が減る実感」で応える

Excelに慣れた従業員ほど、新しいシステムへの切り替えに抵抗を感じやすいものです。「操作を覚えるのが面倒」「今のやり方で困っていない」という声に対しては、説明だけで説得しようとするより、試行した部署で集計時間や差し戻しがどれだけ減ったかを具体的に示すほうが効果的です。導入前に現場の担当者を選定に巻き込み、自分たちの困りごとが解決される仕組みだと理解してもらうことも、定着を後押しします。

電子帳簿保存法など法令対応を確認する

経費精算や請求書のように税務に関わる書類を扱う業務では、電子帳簿保存法への対応が関係します。国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトでは、電子取引データの保存要件などが解説されています。システムを選ぶ際は、検索機能やタイムスタンプなど、自社の運用に必要な要件への対応状況を確認し、具体的な判断に迷う場合は税理士などの専門家に相談すると安心です。

電子データで受け取る領収書や請求書の保存ルールを、日々の経費精算の流れに組み込みたい場合の一例がバクラク経費精算(株式会社LayerX)です。商品ページでは、複数枚の領収書を自動で読み取れること、ミス防止のアラートを複数設定できること、電子保存要件に適合しているかを自動で判別する機能があることが紹介されています。注意点として、導入前のサポートは有償対応とされています。法令への適合の判断は、公的機関の情報や専門家への確認とあわせて行ってください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社LayerX

バクラク経費精算

バクラク経費精算
出典:bakuraku.jp

株式会社LayerX

バクラク経費精算

OCR読み取り機能◎作業の効率を上げたい方におすすめ

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4 (6件)

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ここがおすすめ!

  • 差戻しや確認に時間をかけずに済む「ミス防止機能」を複数搭載
  • アプリやチャットツールから承認が行え、社内にいなくても承認時間の確保が可能
  • 複数枚の領収書でも自動で読み取れる
MORE

ここが少し気になる…

  • 導入前のサポートを受けたい場合は有償での対応となる
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • バクラク経費精算の導入により、Excelベースの申請書で発生していた多くのミスが大幅に削減されました。システムが自動でチェックしてくれるため、申請者側の入力ミスが減り、経理担当者の修正工数も減少しました。 また、承認者にとってもメリットは大きいです。申請内容が直感的に分かりやすく表示されるため、以前のような「目くら承認」が減り、内容をきちんと確認した上での承認が可能になりました。さらに、承認フローの経路カスタマイズが非常に柔軟に行えるため、複雑な組織体制や特定の経費規程にも対応でき、経費精算全体の透明性と効率が格段に向上したと感じています。

  • 主に経費生産に利用していますが、明細をアップロードすることで簡単に経費申請を済ませることができるのでその点が便利です。

  • スマホ撮影した領収書をAI‑OCRが数秒で読取・タイムスタンプ付与し、原本破棄が可能に。入力ミス/差戻しアラートで承認スピードが向上し、経理の月末突貫作業を削減。会計ソフトへワンクリック仕訳連携でき、集計から振込データ作成までを同一画面で完結できた。

他システムとの比較記事はこちら

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導入前の課題として「現場管理者の経費精算の承認品質にばらつきがあり、最終的に経理が全件を細かく精査していた」ことが挙げられ、導入後は「従来6名で行っていた経費精算業務の工数を2名分へと大幅に圧縮できた」と紹介されています。

出典:株式会社ストライクグループの導入事例(バクラク公式) https://bakuraku.jp/case/strike/

脱Excelでよくある失敗パターン

脱Excelの失敗は、機能の多さで選ぶ、全業務を一度に移す、Excelの手順をそのまま再現する、並行運用を続ける、効果を測らない、といった共通のパターンに集約できます。導入前にパターンを知っておくことで、同じつまずきを避けやすくなります。

失敗パターン(Before)起きること改善した進め方(After)
機能の多さでシステムを選ぶ 設定項目が多すぎて使いこなせず、結局Excelに戻る ステップ2で書き出した困りごとを解決できるかを基準に、必要な機能に絞って選ぶ
全業務を一度に移す 現場の負担が集中し、どの業務も中途半端なまま定着しない 効果が見えやすい業務を1つ選び、成果を確認してから次に広げる
Excelの手順をそのまま再現する カスタマイズが増えて費用がかさみ、システムの利点が活かせない システムの標準的な流れに業務を合わせ、不要な手順はこの機会に廃止する
Excelとの並行運用を続ける 二重入力で手間が増え、どちらのデータが正しいか分からなくなる 旧ファイルの廃止日を決めて周知し、期限後は参照専用にする
情報システム部門だけで決める 現場の使い勝手が考慮されず、入力されないシステムになる 申請者・承認者・経理など実際に使う人を選定段階から巻き込む
効果を測らない 成果を説明できず、次の業務への展開や予算の確保が進まない 導入前に作業時間やミスの件数を記録し、導入後と比較する

なかでも多いのが、機能の多さを基準にシステムを選び、使いこなせないまま定着しないケースです。Excelは自由度が高い分、どんな業務にも合わせられる道具でした。その感覚のまま「何でもできるシステム」を選ぶと、設定と運用の負担が大きくなり、現場からは「Excelのほうが早かった」という声が出てしまいます。経費精算のように業務の流れが決まっている領域では、申請、承認、仕訳という標準的な流れがあらかじめ用意された専用サービスを選ぶほうが、設定の迷いが少なく定着しやすくなります。サービスごとの役割の違いは、冒頭の5サービスの比較表で確認できます。

脱Excelの効果測定の方法

脱Excelの効果は、導入前後で入力時間、チェック・集計の工数、差し戻し・ミスの件数、承認までの日数、紙・保管のコストを同じ指標で比べて測ります。導入前の数字を記録していないと、「なんとなく楽になった」以上の説明ができなくなるため、試行を始める前に計測しておくことが重要です。

指標測り方の例見るポイント
入力時間 申請者1人が1件の申請にかける時間を数件計測する 領収書の読み取りや交通費の自動計算で短くなっているか
チェック・集計の工数 経理担当者が月末の確認・集計・転記にかけた時間を記録する 会計ソフトへの手入力がなくなり、締め作業が短くなっているか
差し戻し・ミスの件数 記入漏れや金額の誤りで差し戻した件数を月ごとに数える 入力チェック機能でミスが減っているか
承認までの日数 申請から最終承認までにかかった日数の平均を見る 外出先や在宅でも承認でき、滞留が減っているか
紙・保管のコスト 印刷枚数や、書類の保管・検索にかかった時間を確認する ペーパーレス化が進み、書類を探す時間が減っているか

時間の削減効果は、1件あたりの削減時間に月の件数と12か月を掛けて、年間の削減時間として概算できます。たとえば、1件あたりの処理時間が10分短くなり、月に100件の申請がある場合、年間でおよそ200時間を別の業務に回せる計算になります(数値は説明のための仮定です)。この削減時間とシステムの利用料を並べて示すと、投資の妥当性を社内で説明しやすくなります。あわせて、利用者の満足度や「Excelに戻りたいか」といった定性的な声も集めておくと、数字だけでは見えない定着の度合いを把握できます。

効果測定では、経費の使い方を従業員や費目ごとに見られる状態にしておくと、数字を比べやすくなります。申請から承認までをオンラインで完結させ、その集計もあわせて見たい場合の一例がマネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)です。商品ページでは、オンライン上でまとめて経費申請できること、従業員や費目ごとの経費利用額が自動でグラフ化されること、不備入力防止のアラート機能で差し戻しの手間が軽減されることが紹介されています。注意点として、OCR機能の精度があまり良くないという声があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド経費

マネーフォワード クラウド経費
出典:biz.moneyforward.com

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド経費

オンラインでミスなく経費精算業務を完結したい方におすすめ

全体評価
4.4 (25件)

基本情報

GOOD

ここがおすすめ!

  • オンライン上でまとめて経費申請できる
  • 従業員や費目ごとに経費利用額が自動でグラフ化
  • 不備入力防止アラート機能で入力ミスが減るため、差し戻しの手間が軽減
MORE

ここが少し気になる…

  • OCR機能の精度があまりよくない
評価・口コミ(一部抜粋)
4.4
  • 領収書の撮影による自動読み取りや、交通費の自動計算機能により入力作業が簡略化され、経理担当者の確認・処理時間も短縮されました。承認フローもオンライン化され、在宅勤務中でもスムーズな対応が可能となり、業務全体の効率が格段に向上しました。

  • スマホアプリで領収書を撮影して申請を行うことができ、アプリのOCRの読取精度も優秀なため、必要情報の入力も容易で、領収書管理や経費精算の申請/承認の煩わしさから、社員/経理共に解放されました。

  • マネーフォワード会計との連携により、経費関連の会計仕訳を手入力で作成する必要がなくなった。これにより経理の月次業務における生産性がかなり向上した。また、経費入力などを課金制でアウトソーシングできる機能もあり、こういった機能を適宜使用することで、他の業務に注力することができリソースを効率的に使うことができるようになった。

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【レビュー】マネーフォワードクラウド経費を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある経費精算システムの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド経費」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。

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「領収書の内容をExcelに転記し、経理担当者が目視で確認しながら会計システムへ入力するなど、紙・Excel・手入力を前提とした運用に課題がありました。」

出典:富士防災警備株式会社の導入事例(マネーフォワード クラウド導入事例) https://biz.moneyforward.com/case/14512/

経費精算から他業務へ脱Excelを広げる順番

最初の業務で成果が出たら、同じ手順で次の業務へ広げます。展開の順番は、最初の業務とデータや利用者がつながっているものから選ぶと、効果が積み重なりやすくなります。

展開の段階対象業務の例経費精算とのつながり
第1段階 経費精算 全従業員が関わり、申請・承認・仕訳の流れをシステム化する経験を積める
第2段階 勤怠管理、請求書の受け取り 同じ従業員・同じ経理担当者が関わり、承認や会計連携の考え方をそのまま使える
第3段階 在庫管理、顧客管理、案件管理 部署固有の業務だが、データ移行やルールの掘り起こしの手順を応用できる
第4段階 データの横断的な活用 各業務に蓄積したデータを組み合わせ、経営判断や業務改善に活かす

第4段階のようにデータを横断して活用できるようになって初めて、脱Excelは単なるデジタル化から、業務や意思決定のやり方を変えるDXに近づきます。情報処理推進機構(IPA)の「DX動向」調査でも、DXの取り組みを成果につなげる前提としてデータの活用が繰り返し取り上げられています。その出発点として、まずは経費精算のように効果が見えやすい業務で脱Excelを成功させ、社内に「Excelをやめると楽になる」という実感をつくることが、全体を前に進める力になります。

経費精算の次に勤怠管理や人事情報へ広げることを見据える場合の一例がジンジャー経費(jinjer株式会社)です。商品ページでは、社内に散らばる勤怠・給与・人事・経費などを1つに集約できること、シンプルな画面で操作しやすいこと、ペーパーレス化を目指す企業に向くことが紹介されています。注意点として、導入までに最長3か月ほどかかるとされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

jinjer株式会社

ジンジャー経費

ジンジャー経費
出典:hcm-jinjer.com

jinjer株式会社

ジンジャー経費

経費精算のペーパーレス化を目指している企業におすすめ

全体評価
4 (3件)

基本情報

GOOD

ここがおすすめ!

  • 社内に散らばる勤怠・給与・人事・経費などを1つに集約できる
  • 担当者の面倒の原因を解決し、効率的な経費精算業務を実現可能
  • さまざまな企業規模に対応し、特にペーパーレス化したい企業にぴったり
MORE

ここが少し気になる…

  • 導入までに最長3ヶ月ほどかかる
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • トップページが見やすく、検索がしやすいので、見たいページがすぐに見つかり、対象月の表をすぐ表示することができた。毎月の給与の欄と賞与の欄があり、見たいものが探しやすかった。

  • ジンジャー経理を導入したことで、経費精算や支払申請のフローが一元化され、紙やメールでの申請・承認の手間が解消されました。仕訳の自動化や承認ルートの設定により、確認ミスや処理の抜け漏れも減少。経理部門だけでなく、現場の申請者にとっても操作が簡単で、業務全体の効率化につながっています。

  • オンラインで申請ができるので、どこからでも精算できることが魅力です。また、シンプル操作ゆえに高齢の方でも1人で操作でき、高齢の方だけ、代理で精算をする手間もかかりませんでした。大きな業務効率につながりました。

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ジンジャーの人事労務・勤怠・給与・経費・ワークフローなど複数サービスを導入した企業について、導入前は「バックオフィス領域だけでも8つのシステムが乱立していました」と紹介されています。年間約4,400時間の削減は複数サービスをまとめた効果で、経費精算だけの数字ではありません。

出典:株式会社ベルーナの導入事例(jinjer公式ニュース) https://jinjer.co.jp/news/post-11443/

よくある質問(FAQ)

Q1. DXとは簡単に言うと何ですか?

A. データとデジタル技術を使って、業務のやり方や組織、ビジネスのあり方そのものを変えていくことです。Excelの申請書をシステムの入力画面に置き換えるだけならIT化の段階で、蓄積したデータで業務や意思決定が変わったときにDXに近づきます。脱Excelは、その土台となるデータを整える入口にあたります。

Q2. DXは意味ないって本当ですか?

A. ツールを入れただけで業務のやり方や意思決定が変わらなければ、成果は出にくいといえます。脱Excelでも、Excelの画面をシステムに置き換えるだけで終わらせず、困りごとを基準に業務を見直し、導入前後の数字を比べて効果を確かめることが大切です。

Q3. DXのためにExcelをすべて廃止する必要はありますか?

A. 必要はありません。一時的な試算や個人の分析など、Excelの柔軟さが役立つ業務は残して問題ありません。繰り返し発生し、複数人が関わり、記録を残す必要がある業務から優先してシステムに移し、残す業務は関数やPower Queryなどで使い方を整える活Excelで補うのが現実的です。

Q4. 脱Excelはどの業務から始めればよいですか?

A. 毎月同じ手順で繰り返し、多くの従業員が関わり、効果を実感しやすい業務から始めるのがおすすめです。経費精算はその代表例で、ルールが明確で専用のクラウドサービスも多いため、脱Excelの最初の題材として選ばれやすい業務です。

Q5. 脱Excelでよくある失敗は何ですか?

A. 機能の多さでシステムを選んで使いこなせない、全業務を一度に移して定着しない、Excelとの並行運用を続けて二重入力になる、といった失敗がよく見られます。困りごとを基準に必要な機能に絞り、1つの業務から段階的に進めることで避けやすくなります。

Q6. 脱Excelの効果はどう測ればよいですか?

A. 導入前後で、入力時間、チェックや集計の工数、差し戻しやミスの件数、承認までの日数などを比較します。1件あたりの削減時間に月の件数と12か月を掛けると年間の削減時間を概算でき、システムの利用料と並べて投資の妥当性を説明しやすくなります。

まとめ|脱Excelを進める5つの行動

DXにおける脱Excelは、Excelを全廃することではなく、Excelが苦手な業務を見極めて別の仕組みに移し、データを組織として活用できる状態をつくることです。次の5つの行動で、失敗を避けながら進められます。

  1. 繰り返しの頻度、関わる人数、ルールの明確さなど6つの観点で、Excelに残す業務とシステムに移す業務を見分ける
  2. Excelファイルを棚卸しし、Excelの前後の作業まで含めて業務の流れを書き出す
  3. 残す業務は、テーブル形式への統一やPower Queryなどの活Excelで使い方を整える
  4. 効果が見えやすい業務を1つ選び、経費精算のようなサービスを資料で比べて小さく試す
  5. 導入前後の作業時間やミスの件数を比べ、旧ファイルの廃止日を決めてから次の業務へ広げる

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言や税務上の個別判断を行うものではありません。電子帳簿保存法への対応など具体的な判断が必要な場合は、国税庁など公的機関の最新情報を確認のうえ、税理士などの専門家にご相談ください。サービスの機能や提供条件は変更されることがあるため、最新の情報は各サービスの資料や公式サイトでご確認ください。

参考文献

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