SaaS営業の年収相場は?職種別・未経験ルートを公的統計で解説

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  • SaaS営業職の年収相場と職種別(IS/FS/CS)レンジ
  • 未経験からSaaS営業に入るルートと初年度の現実的な水準
  • 年収を上げるキャリアパスと働き方(リモート可否含む)の関係

SaaS営業の年収は、SaaSという業界名だけで決まるものではなく、扱う商材、顧客規模、担当フェーズ、評価制度で変わります。本記事では、「SaaS営業」という民間求人の呼び方をそのまま平均年収化せず、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で近い職業分類として示される「コンサルティング営業(IT)」や「営業課長」の統計を参照し、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの違いを整理します。個人事業主の業務委託検討、中小企業の処遇見直し、中堅・大企業の採用設計にも使えるよう、未経験からの入口と年収を伸ばす要素を分けて解説します。

目次

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  1. SaaS営業職の年収相場を読む前提
  2. 職種別に見る年収レンジの考え方
  3. SaaS営業の年収を構成する要素
  4. 未経験からSaaS営業に入るルート
  5. 年収を伸ばすキャリアパス
  6. SaaS営業の働き方と年収の関係
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ|今日からできる3つのこと
  9. 出典一覧

SaaS営業職の年収相場を読む前提

SaaS営業という単独の公的職種分類は限られる

SaaS営業の年収を見るときは、まず「SaaS営業」という職種名が公的統計でそのまま独立しているとは限らない点を押さえる必要があります。SaaSはクラウドを通じてソフトウェア機能を提供する仕組みであり、営業職としては法人営業、IT営業、コンサルティング営業、カスタマーサクセスなど複数の業務にまたがります。

そのため、本記事ではSaaS営業の年収を「SaaS企業の求人相場」として断定せず、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)にある「コンサルティング営業(IT)」などの近い職業分類を参照点にします。SaaSの基本そのものを確認したい場合は、SaaSの提供形態やクラウドとの関係を先に整理しておくと理解しやすくなります。

近接する公的職種として「コンサルティング営業(IT)」を見る

job tagの「コンサルティング営業(IT)」は、別名にIT営業員などを含み、顧客の方針や課題を確認し、情報システムや情報サービスを提案・販売する仕事として整理されています。SaaS営業も、顧客課題を聞き取り、クラウド型サービスでどのように解決するかを提案する点で、この分類と近い部分があります。

同ページでは、全国の年収として659.4万円が示されています。ただし、これは「コンサルティング営業(IT)」という職業分類の統計であり、SaaS営業だけを抜き出した平均ではありません。未経験者の初年度、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、管理職では見方が変わるため、以下では職種と評価制度に分けて整理します。

図1:SaaS営業の年収を読む3段階 SaaSの定義、公的統計、職種別の評価制度という3段階で年収を見る流れを示す図 1 SaaSの定義 クラウド経由で ソフトウェアを提供 2 公的統計 IT営業など 近い分類を参照 3 職種別 IS・FS・CS 評価制度で確認 求人媒体の数値だけでなく、職務内容と評価軸をセットで確認する
図1:SaaS営業の年収は「SaaSの定義」「公的統計」「職種別の評価制度」を分けて見る
参照する公的情報本文での使い方注意点
コンサルティング営業(IT)IT営業・SaaS営業に近い職務の年収参照点SaaS営業のみの平均ではない
求人賃金(月額)未経験・採用時の初期水準を見る補助情報賞与込み年収とは異なる
営業課長マネージャー職の参照点SaaS企業の管理職年収を断定するものではない

職種別に見る年収レンジの考え方

インサイドセールスは商談創出と分業体制を評価されやすい

インサイドセールスは、見込み顧客への初期接点、商談化、ナーチャリングを担うことが多い職種です。SaaS企業では、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスを分けて設計するケースがあり、年収も単純な「営業職一括」ではなく、担当範囲や成果指標によって見方が変わります。

未経験者がSaaS営業に入る場合、インサイドセールスは入口になりやすい職種の一つです。ただし、未経験者向けの年収を一律に示すと、求人媒体や企業制度の違いを無視することになります。初年度は、金額だけでなく、担当する商材の難しさ、研修の有無、商談化の基準、成果連動の比率を確認することが大切です。

フィールドセールスは案件金額・意思決定者対応が評価に入りやすい

フィールドセールスは、商談、提案、契約交渉、導入前の調整を担うことが多く、法人営業としての要素が強くなります。job tagの「営業の仕事」でも、法人営業は企業などを顧客として商品・サービスを販売する仕事として説明され、IT関連などの無形商材を扱う場合があるとされています。

SaaSのフィールドセールスでは、顧客の業務課題、利用部門、決裁者、セキュリティ確認、契約条件などを整理する力が求められます。詳しい業務内容はSaaS営業の仕事内容で扱い、本記事では年収に関係しやすい「担当顧客」「案件規模」「評価指標」に絞って見ます。

カスタマーサクセスは継続・活用支援と営業要素が重なる

カスタマーサクセスは、契約後の利用定着、活用支援、更新、追加提案に関わる職種です。営業という名前が付かない場合もありますが、SaaSの収益は継続利用と関係しやすいため、売上への関与が評価制度に入ることがあります。

ただし、カスタマーサクセスの年収を公的統計だけで切り出すのは難しいため、求人情報の数字をそのまま相場として一般化するのは避けます。評価制度を見るときは、新規契約なのか、更新率なのか、アップセルなのか、オンボーディング品質なのかを分けて確認しましょう。

図2:IS・FS・CSの役割と評価軸 インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの主な役割と評価軸を並べた図 IS 商談創出 見込み顧客育成 評価軸 商談化率・質 FS 商談・提案 契約交渉 評価軸 受注額・案件難度 CS 活用支援 更新・追加提案 評価軸 継続・利用定着 職種名ではなく、担当フェーズと成果指標で年収の見方を分ける
図2:IS・FS・CSは担当フェーズが異なり、評価される成果も変わる
職種主な役割年収を見るときの確認点
インサイドセールス見込み顧客の育成、商談化、初期ヒアリング商談化の質、架電・メール件数だけで評価されないか
フィールドセールス商談、提案、契約交渉、導入前調整担当顧客規模、単価、決裁者対応、成果連動の比率
カスタマーサクセス利用定着、更新、追加提案、活用支援更新率、解約抑制、アップセル、支援品質の評価方法

SaaS営業の年収を構成する要素

基本給は職務等級と担当領域で決まりやすい

SaaS営業の年収は、基本給、賞与、成果連動報酬、手当、株式関連制度などを組み合わせて決まります。このうち基本給は、職務等級、経験年数、担当顧客、扱う商材の難しさ、マネジメント責任の有無で決まりやすい部分です。

中小企業や中堅・大企業が処遇を設計するときは、「営業職だから一律」ではなく、職務記述書に近い形で役割を明文化することが重要です。SaaS企業側の収益構造や組織設計はSaaS企業のビジネスモデルとも関係するため、採用・評価・事業モデルを分けずに確認すると判断しやすくなります。

インセンティブは短期成果と長期成果を分けて見る

インセンティブは、受注額、商談化、継続率、追加契約などに連動することがあります。新規契約に強く連動する制度では短期の売上成果が重くなり、カスタマーサクセスやエンタープライズ営業では長期利用や顧客満足に関わる評価が入ることもあります。

個人事業主や業務委託でSaaS営業に関わる場合も、成果報酬の割合、支払い条件、対象になる成果、契約終了時の扱いを確認する必要があります。求人や業務委託案件を選ぶ前に、固定報酬と成果報酬の範囲を分けて見ると、見かけの年収だけに左右されにくくなります。

株式報酬や手当は会社制度として確認する

スタートアップや上場企業では、株式関連制度、持株会、各種手当が年収の見え方に影響する場合があります。ただし、株式報酬やストックオプションは制度条件、権利確定、退職時の扱い、税務上の取り扱いによって意味が変わるため、年収相場として単純比較するのは避けるべきです。

本記事では、個社制度や株価に基づく評価は行いません。SaaS営業の年収を比べるときは、固定給、成果連動、賞与、手当、株式関連制度を分け、実際に毎年受け取れる金額と将来条件つきの制度を混同しないことが大切です。

図3:SaaS営業の報酬構成 基本給、賞与、成果連動、手当、株式関連制度を分解して確認する図 年収 総額だけで見ない 基本給 職務等級・経験 賞与 会社業績・評価 成果連動 受注・継続など 手当・株式 制度条件を確認
図3:SaaS営業の年収は、固定給と変動要素を分けて確認する

未経験からSaaS営業に入るルート

法人営業・無形商材・ITサポート経験は接続しやすい

未経験からSaaS営業を目指す場合、完全にゼロからというより、これまでの経験をどの業務に接続できるかを考えると整理しやすくなります。法人営業、無形商材の提案、カスタマーサポート、ITサポート、業務改善、マーケティング経験は、SaaS営業の一部業務と接続しやすい領域です。

job tagの「コンサルティング営業(IT)」では、入職前の実務経験について「特に必要ない」とする回答が一定割合で示されています。一方で、顧客課題の理解、ITサービスの説明、社内エンジニアとの調整が必要なため、入社後の学習や支援体制は重要です。未経験者は、初年度の金額だけでなく、研修、商談同席、商材理解、評価基準を確認しましょう。

未経験では初年度の金額より学習環境と職務範囲を見る

未経験者がSaaS営業の年収を調べるときは、「初年度から高い年収が得られるか」だけに注目しない方が安全です。年収は、担当する顧客、商材単価、評価制度、成果連動比率、組織の分業度によって変わるため、同じSaaS営業でも実態が異なります。

転職市場全体の見方はSaaS転職全体の考え方で整理し、本記事では営業職に絞ります。比較対象としてBPO領域の求人を見たい場合はBPO求人の見方、DX関連職との違いを見たい場合はDX求人の考え方も確認すると、職種横断で判断しやすくなります。

確認項目見るべき理由質問例
担当職種IS、FS、CSで評価軸が異なる初期配属ではどのフェーズを担当しますか
研修・同席IT商材の理解に時間が必要な場合がある商談同席やロールプレイの機会はありますか
成果指標短期成果だけを見る制度か確認できる商談数、受注額、継続率のどれが重視されますか
報酬構成固定給と成果連動のバランスを把握できる月給、賞与、インセンティブの内訳はどうなっていますか

年収を伸ばすキャリアパス

営業スペシャリストとして大型案件・エンタープライズを担う

SaaS営業で年収を伸ばす道の一つは、営業スペシャリストとして扱う案件の難度を上げることです。中小企業向けの標準提案から、複数部門が関わる中堅・大企業向け提案へ広がると、契約条件、セキュリティ確認、稟議、導入支援、利用定着まで見通す力が求められます。

この場合、単に売上額だけでなく、顧客の業務理解、提案設計、社内調整、導入後の継続利用まで含めた成果が評価されます。SaaSでは契約後の利用継続が大切なため、新規契約だけでなく、カスタマーサクセスやプロダクト部門との連携力も年収に関わる場合があります。

マネージャー・営業企画・RevOpsへ広げる

もう一つの道は、営業マネージャー、営業企画、Revenue Operations(RevOps)など、組織の仕組みを設計する役割へ広げることです。厚生労働省 job tag の「営業課長」では、営業活動の計画、部下の指導、販売促進、営業成績の管理などが職務として示されています。

同ページでは、全国の年収として966.8万円が示されています。これは営業課長という職業分類の統計であり、SaaS企業の営業管理職年収をそのまま示すものではありません。ただし、個人の営業成果に加え、チーム設計や採用、育成、営業プロセス改善に責任を持つほど、評価される範囲が広がることは押さえておきたい点です。

図4:SaaS営業のキャリアパス 未経験入口から専門職、管理職、営業企画へ広がるキャリアパスを示す図 入口 未経験・IS 実務 FS・CS 専門 大型案件 管理 企画 営業課長・RevOps 個人成果から、顧客規模・組織設計・育成責任へ評価範囲を広げる
図4:SaaS営業のキャリアは、入口職種から専門職・管理職・営業企画へ広がる

SaaS営業の働き方と年収の関係

フルリモート可否は職種・商談工程・社内制度で変わる

SaaS営業はオンライン商談やクラウドサービスを扱うことが多いため、リモートワークと相性がよい面があります。ただし、フルリモートが可能かどうかは、商談工程、顧客規模、出張の有無、社内のセキュリティ方針、オンボーディング体制によって変わります。

job tagの「コンサルティング営業(IT)」でも、オンライン打ち合わせなどを活用し、テレワークが可能な会社が多いと説明されています。ただし、年収はリモート可否だけで決まるものではありません。SaaSフルリモートの働き方を確認するときも、勤務地の自由度と評価制度を分けて見ることが大切です。

働き方だけで年収を判断せず、評価制度を確認する

フルリモートやハイブリッド勤務は、移動時間や働きやすさに影響します。一方で、年収は担当顧客、成果指標、商談難度、マネジメント責任、成果連動の設計によって変わります。働き方だけで年収を判断すると、実際の責任範囲や評価基準を見落としやすくなります。

採用担当者や人事がSaaS営業の処遇を設計する場合も、出社・リモートの可否だけで給与差をつけるのではなく、職務内容、成果定義、情報管理、顧客対応の難度をセットで整理する必要があります。これは、個人事業主が業務委託で関わる場合も同じです。

よくある質問(FAQ)

Q. SaaS営業の平均年収はいくらですか?

A. 公的統計では「SaaS営業」という単独分類が限られるため、SaaS営業だけの平均年収を断定するのは避けるべきです。本記事では、近い職業分類として厚生労働省 job tag の「コンサルティング営業(IT)」に示される全国年収659.4万円を参照点として扱っています。

Q. 未経験でもSaaS営業を目指せますか?

A. 目指せる可能性はあります。ただし、未経験者は初年度の年収だけでなく、研修、商談同席、商材理解、評価制度を確認することが大切です。法人営業、無形商材、カスタマーサポート、ITサポートの経験は接続しやすい場合があります。

Q. インサイドセールスとフィールドセールスでは年収が違いますか?

A. 違いが出る場合があります。インサイドセールスは商談創出、フィールドセールスは提案・契約交渉を担うことが多く、担当顧客や成果指標が異なります。職種名だけでなく、評価される成果と成果連動の比率を確認しましょう。

Q. フルリモートだと年収は下がりますか?

A. フルリモートかどうかだけで年収が決まるとはいえません。年収は担当顧客、商談難度、成果指標、マネジメント責任などで変わります。リモート勤務を重視する場合も、給与制度、成果評価、情報管理ルールをセットで確認することが大切です。

まとめ|今日からできる3つのこと

SaaS営業の年収は、求人媒体の数字だけでなく、公的統計、職種、評価制度を分けて見ることが大切です。SaaS営業という単独の平均年収を断定するのではなく、IT営業に近い職業分類を参照しながら、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの役割差を確認しましょう。

  1. 厚生労働省 job tag などの公的統計を参照点にする
  2. IS・FS・CSの担当範囲と成果指標を分けて見る
  3. 未経験者は初年度の金額だけでなく、研修・商材理解・評価制度を確認する

採用担当者は、SaaS営業の処遇を「営業職一括」ではなく、担当フェーズと責任範囲で設計すると、採用後のミスマッチを減らしやすくなります。個人としてキャリアを考える場合も、年収の総額だけでなく、固定給、成果連動、学習環境、将来のキャリアパスをセットで確認しましょう。

出典一覧

  • 米国国立標準技術研究所(NIST) / The NIST Definition of Cloud Computing, Special Publication 800-145 / 2011年9月 / https://csrc.nist.gov/pubs/sp/800/145/final / 取得日:2026-06-14
  • 厚生労働省 / 職業情報提供サイト(job tag)「コンサルティング営業(IT)」 / 2026年掲載情報(統計データは令和7年賃金構造基本統計調査等を加工) / https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/320 / 取得日:2026-06-14
  • 厚生労働省 / 職業情報提供サイト(job tag)「営業の仕事」 / 2026年掲載情報 / https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/WorkDetail / 取得日:2026-06-14
  • 厚生労働省 / 職業情報提供サイト(job tag)「営業課長」 / 2026年掲載情報(統計データは令和7年賃金構造基本統計調査等を加工) / https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/285 / 取得日:2026-06-14
  • 総務省 / 令和7年版 情報通信白書 / 2025年 / https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/ / 取得日:2026-06-14
  • 経済産業省 / DXレポート2.2 / 2022年7月 / https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html / 取得日:2026-06-14

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