SaaS営業の年収相場は?職種別レンジと未経験からの入り方を公的統計で解説

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  • 公的統計と職種別のSaaS営業の年収相場がわかる
  • 年収500万円から1,000万円の帯ごとの条件がわかる
  • OTEとインセンティブ、未経験からの入り方がわかる

SaaS営業の年収は、公的統計で近い職業区分(コンサルティング営業(IT))の全国平均が659.4万円で、転職支援会社の公開記事では職種ごとに300万円台から1,000万円超まで幅があります。年収は、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、マネージャーといった職種のほか、固定給とインセンティブの比率、目標の達成度で大きく変わります。この記事では、SaaS営業への転職を考えている人と、自社の営業評価や報酬の仕組みを見直したい人に向けて、公的統計の位置づけ、職種別の年収レンジ、年収500万円から1,000万円までの帯ごとの条件、インセンティブとOTEの仕組み、未経験からの入り方を順に整理します。

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目次

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  1. SaaS営業の年収相場|全体像と公的統計の位置づけ
  2. 職種別の年収レンジ(IS・FS・CS・マネジメント)
  3. 年収帯別に見る|500万円から1,000万円に届く職種と条件
  4. 年収が高くなる理由|インセンティブ構造とKPI
  5. 未経験からSaaS営業に入るルート
  6. 年収を決める3つの変数と、年収を上げる進め方
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ
  9. 参考文献

SaaS営業の年収相場|全体像と公的統計の位置づけ

SaaS営業だけを切り出した公的統計はありませんが、最も近い区分である厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「コンサルティング営業(IT)」では、年収の全国平均は659.4万円です。国税庁の統計で見る給与所得者全体の平均478万円と並べると、高めの水準にあります。

公的統計で見る「コンサルティング営業(IT)」の数値

job tagの「コンサルティング営業(IT)」は、顧客の課題を確認し、その解決策として情報システムや情報サービスを提案・販売する職業と定義されています。SaaS(クラウドで提供されるソフトウェア)の営業も、顧客の課題に合わせてITサービスを提案する点で、この区分に近い仕事です。

項目 数値(全国) 出典
賃金(年収) 659.4万円 令和7年賃金構造基本統計調査を加工(job tag)
平均年齢 42.2歳 令和7年賃金構造基本統計調査を加工(job tag)
労働時間(月) 162時間 令和7年賃金構造基本統計調査を加工(job tag)
ハローワーク求人賃金(月額) 30.3万円 令和7年度ハローワーク求人統計(job tag)
有効求人倍率 3.82倍 令和7年度ハローワーク求人統計(job tag)
(参考)給与所得者全体の平均給与 478万円 令和6年分民間給与実態統計調査(国税庁)
(参考)正社員(正職員)の平均給与 545万円 令和6年分民間給与実態統計調査(国税庁)
(参考)情報通信業の平均給与(業種全体) 659.5万円 令和6年分民間給与実態統計調査(国税庁)

統計を読むときの注意点

job tagの数値は「通信・情報システム営業員」などの職業分類に対応するもので、SaaS営業だけの数値ではありません。システム開発の受託営業やハードウェアの販売営業も含まれ、平均年齢も42.2歳と、20代から30代の転職者が多いSaaS営業の現場より高めです。国税庁の統計は調査の対象や集計方法が異なるため、表の数値は同じ基準での比較ではなく、水準感をつかむ目安として読むのが現実的です。有効求人倍率3.82倍という数値は、IT系の提案営業の人材需要が高いことを示し、未経験者や他業界の営業経験者にも採用の門戸が開かれやすい背景の一つといえます。

年収の根拠になるのは、記録された活動と成果

統計の平均は職業全体の目安にすぎず、個人の年収を実際に左右するのは、商談数や受注額、契約の継続といった成果を会社がどう記録し、どう評価するかです。SaaS企業の営業は、インサイドセールスからフィールドセールス、カスタマーサクセスへと案件を引き継ぐ分業制が一般的で、引き継ぎのたびに顧客との接点や商談の経緯が記録として残っていないと、誰の成果なのかを示しにくくなります。転職する側にとっては応募先の評価の根拠を知る手がかりになり、営業組織を運営する側にとっては、インセンティブや評価面談の土台になる記録をどう整えるかという課題になります。

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職種別の年収レンジ(IS・FS・CS・マネジメント)

SaaS営業の年収は職種で変わり、転職支援会社の公開記事の目安では、インサイドセールスが300万円から700万円前後、フィールドセールスが400万円台から1,000万円超です。

SaaS企業の営業組織は、見込み顧客の獲得から受注、契約継続までを複数の職種で分担する「分業制」をとることが一般的です(分業の考え方はSaaS営業とは|The Model型の役割分担と未経験から始める実務ガイドでも解説しています)。役割ごとに担う成果と責任の大きさが違うため、年収レンジにも差が出ます。

職種 主な役割 主な評価指標
インサイドセールス(IS) 電話・メール・オンラインで見込み顧客と接点を持ち、商談を設定する 架電数、商談設定数、商談化率
フィールドセールス(FS・AE) 商談を担当し、提案から契約締結までを担う 受注件数、受注金額、受注率
カスタマーサクセス(CS) 契約後の活用を支援し、継続利用やアップセルにつなげる 解約率、契約更新率、追加契約額
マネージャー・部門責任者 チームの目標設定、メンバー育成、営業戦略の立案 チーム全体の売上、目標達成率

年収の目安は、転職支援会社3社の公開記事(2026年10月14日確認)に書かれている数字を、記事ごとに並べたものです。

職種 スマシエ(Smacie) キャリア・エックス SQiL Career Agent
インサイドセールス 400-700万円 約300-700万円 400-700万円
フィールドセールス 600-1,000万円超 下限は400-500万円、企業によっては1,000万円以上 400-1,000万円
カスタマーサクセス 550-1,000万円 300-800万円 400-800万円
マネージャー・責任者 900-1,800万円超 記載なし 600-1,000万円

同じ職種でも記事によって数字が異なるのは、集計の元になった求人や対象の企業が記事ごとに違うためで、どれか1つが正しいというわけではありません。年収の目安は、企業の規模や成長段階、個人の成果によって上下するため、幅のある相場として読み、応募先の求人票で固定給とインセンティブの内訳を確認してください。

インサイドセールス(IS)

インサイドセールスは、マーケティング施策で集まった見込み顧客に連絡し、ニーズを確認して商談の機会をつくる職種です(マーケティング側の設計はSaaSマーケティングとは|PLG・The Model型とDX活用の設計で解説しています)。訪問をせず、電話やオンラインで多くの顧客と接点を持つため、行動量と会話の質の両方が求められます。年収レンジは他の職種より低めですが、未経験者の採用が最も多い入口であり、ここで成果を出してフィールドセールスやカスタマーサクセスへ異動するのが典型的なキャリアです。

フィールドセールス(FS・AE)

フィールドセールスは、インサイドセールスから引き継いだ商談を担当し、課題のヒアリング、デモ、提案、見積もり、契約までを進めます。AE(アカウントエグゼクティブ)と呼ばれることもあります。法人営業の経験がある人は、課題のヒアリングや提案書の作成といった経験を生かしやすい職種です。受注金額が直接売上になるため、インセンティブの比重が大きく、成果によって年収の差が最も開きやすい職種です。大企業向けのエンタープライズ営業では、商談期間が長く金額も大きいため、年収レンジはさらに高くなる傾向があります。

カスタマーサクセス(CS)

カスタマーサクセスは、契約した顧客がサービスを使いこなし、成果を出せるように支援する職種です。SaaSは月額や年額の継続課金で収益を得るため、解約を防ぎ、上位プランや追加機能の契約につなげることが売上に直結します。営業経験に加えて、顧客の業務を理解して活用方法を提案する力が評価され、フィールドセールスと同程度の年収レンジが提示されることもあります。

マネジメント職

マネージャーや部門責任者は、チームの目標を設定し、メンバーの商談や活動を記録されたデータで確認しながら、目標達成までの打ち手を考えます。個人の成果ではなく組織の成果で評価されるため、年収はさらに一段上がり、成長段階の企業では1,000万円を超える提示も見られます。

年収帯別に見る|500万円から1,000万円に届く職種と条件

年収500万円台はインサイドセールスの中心帯、800万円から900万円はフィールドセールスの上位層やマネージャーの入口、1,000万円以上はエンタープライズ営業やマネージャー以上が中心です(上の公開記事の幅を重ねた目安)。

年収帯 近い職種・立場の目安 求人で確認したい条件
500万円 インサイドセールス全般、未経験可のフィールドセールスやカスタマーサクセス 固定給の額、賞与と昇給の有無
600万円 インサイドセールスの上位、フィールドセールスやカスタマーサクセスの入口から中堅 固定給とインセンティブの比率、目標の決め方
800万円 フィールドセールスやカスタマーサクセスの中堅から上位 OTEか固定給か、目標達成率ごとの年収の試算
900万円 フィールドセールスの上位、セールスマネージャーの入口 担当する顧客の規模、受注金額の目標、管理するメンバーの人数
1,000万円 エンタープライズ営業、マネージャー以上 必須とされる経験(営業組織の規模、担当した予算の大きさ)、OTEの前提

年収帯が上がるほど、求人票に書かれる条件も具体的になります。2026年10月14日に確認した公開求人から、年収帯と条件の例を3つ挙げます。

求人の例(掲載サイト) 掲載された年収 求人に書かれている条件の例
宿泊業界向けSaaS営業(求人ボックス) 500万円から600万円 未経験可
海外SaaS営業・英語を活かす(Daijob.com) 600万円から1,200万円 海外拠点の営業組織の立ち上げや顧客開拓を担当し、面談で英語力を確認する
営業統括責任者・国内SaaSスタートアップ(日経転職版) 1,000万円から2,000万円 必須条件に、10名以上の営業組織での戦略立案からマネジメントまでの経験と、年間ACV1億円以上の営業予算を担当した経験がある

未経験可の求人は500万円台、組織の統括を任される求人は1,000万円以上と、年収帯は役割の大きさと必須の経験に対応しています。同じ年収帯でも、固定給が高いのか、目標達成を前提としたOTEなのかで実際の支給額は変わるため、次の章でその仕組みを見ていきます。

年収が高くなる理由|インセンティブ構造とKPI

SaaS営業の年収が高くなりやすいのは、固定給に加えて目標達成度に応じたインセンティブが支払われる報酬設計が多く、成果が数字(KPI)で明確に測れるためです。

OTE(目標達成時の想定年収)という考え方

SaaS企業の求人では、年収をOTE(On Target Earnings:目標を100%達成した場合の想定年収)で示すことがあります。OTEは固定給とインセンティブの合計で、例えばOTEが800万円で固定給の比率が70%なら、固定給560万円と目標達成時のインセンティブ240万円に分かれます。目標を上回ればインセンティブが増え、下回れば減る仕組みのため、求人票の年収を見るときは「固定給はいくらか」「インセンティブの比率はどれくらいか」を分けて確認することが大切です。

目標達成率 固定給 インセンティブ 年収
50% 560万円 120万円 680万円
100% 560万円 240万円 800万円
150% 560万円 360万円 920万円

上の表は、インセンティブが達成率に比例するシンプルな例で計算したものです。実際には、一定の達成率を超えると支給率が上がる仕組みや、達成率に上限を設ける仕組みなど、企業ごとに設計が異なります。

成果は記録されたKPIで測られる

インセンティブの計算根拠になるのは、商談数、受注件数、受注金額、解約率などのKPIです。SaaS営業の現場では、日々の活動や商談の進み具合を記録し、上司との面談もその記録を見ながら進めるのが一般的です。記録が正確であるほど成果が正しく評価されるため、活動を数字で説明できることは、年収に間接的に影響するスキルといえます。営業組織を運営する側でも、評価の根拠が個人のメモや表計算ファイルに分かれていると、インセンティブの算定や担当者の引き継ぎに手間がかかります。

ストックオプションを含めて比べる

スタートアップや成長企業では、固定給やインセンティブとは別に、ストックオプション(あらかじめ決めた条件で自社の株式を取得できる権利)が付与される求人もあります。現金の年収だけで比べると低く見えても、ストックオプションを含めた報酬全体で判断する考え方があり、スマシエの公開記事も、未上場企業では換金しにくく評価が難しい点に注意が必要だと述べています。付与の有無や権利を行使できる条件は会社ごとに異なるため、内定時に書面で確認しておきましょう。

ここまでの内容を、自分の営業活動に当てはめて確認してみましょう。評価の根拠になる記録が整っているかどうかは、インセンティブの算定にも、転職時に成果を説明する場面にも関わります。

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未経験からSaaS営業に入るルート

未経験からSaaS営業に入るルートは、インサイドセールスとして入社する、他業界の法人営業経験を生かしてフィールドセールスに応募する、カスタマーサポートなど顧客対応の経験からカスタマーサクセスを目指す、の3つが代表的です。

入社の難しさは職種で異なります。キャリア・エックスの公開記事でも、インサイドセールスは業界未経験でも転職できるとされる一方、フィールドセールスは法人営業やインサイドセールスの経験者が多く、企業によっては無形商材の営業経験を必須にしていると書かれています。job tagでも、コンサルティング営業(IT)は特に学歴や資格が必要とされない職業(ただし大学卒が多い)とされ、IT関連の同業他社や他業種で営業経験を積んだ人が中途採用される場合も多いと説明されています。自分の経歴に近いルートを選ぶことが、採用の可能性と入社後の年収の両方を高める近道です。

今の経歴 入りやすい職種 アピールしやすい経験
営業未経験(販売・接客など) インサイドセールス 顧客との会話量、目標を持って行動した経験
他業界の個人向け営業 インサイドセールス、中小企業向けフィールドセールス 目標達成率、成約までのプロセスを数字で語れること
他業界の法人営業 フィールドセールス 課題のヒアリング、提案書作成、複数の決裁者との調整
カスタマーサポート・ヘルプデスク カスタマーサクセス 製品知識、問い合わせ対応、顧客の課題整理

応募前に準備しておきたいこと

  • これまでの成果を、件数・金額・達成率などの数字で説明できるように整理する
  • 応募先のSaaSが、誰のどのような課題を解決するサービスかを公式サイトで調べる
  • 営業の記録に使われるSFAやCRM、名刺管理ツールの基本的な役割を知っておく
  • 求人票の年収について、固定給とインセンティブの内訳、評価の頻度(四半期ごと等)を確認する
  • 入社後の研修内容と、ISからFS・CSへの異動実績を面接で質問する

IT分野の基礎知識を体系的に示したい場合は、IT営業の入職後に取得する人も多い情報処理技術者試験(ITパスポート試験、基本情報技術者試験など)が選択肢になります。試験の概要は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開しています。

転職時の労働条件の確認

インセンティブ比率の高い求人では、入社時に提示される年収と実際の支給額が大きく変わることがあります。2024年4月からは労働条件の明示ルールが改正され、就業場所や業務の変更の範囲などの明示が求められるようになりました(厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。内定時には、労働条件通知書で固定給、インセンティブの算定方法、職種の変更の範囲を書面で確認しておきましょう。なお、この内容は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の契約内容に不安がある場合は、労働基準監督署や専門家に相談してください。

年収を決める3つの変数と、年収を上げる進め方

同じSaaS営業でも年収に差が出るのは、担当する顧客セグメント、企業の成長フェーズ、報酬設計の3つが組み合わさって年収が決まるためです。求人を比べるときは、この3点をセットで確認すると判断しやすくなります。

変数 年収が上がりやすい条件 確認するポイント
顧客セグメント 大企業向け(エンタープライズ)で1件あたりの契約金額が大きい 主な顧客の規模、平均的な契約金額と商談期間
企業の成長フェーズ 資金調達後の拡大期で、人材獲得のために高い年収を提示している 売上の伸び、営業組織の人数、昇格のスピード
報酬設計 インセンティブ比率が高く、目標超過時の上乗せがある 固定給とインセンティブの比率、目標の決め方、支給の上限

国内SaaS企業と外資系SaaS企業の違い

報酬設計の違いが最も表れやすいのが、国内SaaS企業と外資系SaaS企業の比較です。転職支援会社の公開記事では、外資系SaaS企業は成果主義が徹底され、インセンティブの比率が高く、販売実績が報酬に明確に還元される仕組みをとる企業が多いため、年収水準が高い傾向にあるとされています。

比べる点 国内SaaS企業 外資系SaaS企業
報酬設計 固定給の比率が比較的高く、年収の変動が小さい傾向 OTEで設計され、インセンティブの比率が高い傾向
年収の上振れ 安定した収入で経験を積みやすい 目標を超えると大きく上がるが、届かないと大きく下がる
働き方の特徴 未経験者向けの研修や、インサイドセールスから段階的に職種を広げる育成の仕組みを持つ企業も見られる 本国とのやり取りや英語の資料を扱う場面があり、英語力が求められることがある

どちらが合うかは、年収の上振れを狙いたいか、安定した収入で経験を積みたいかによって変わります。求人票ではOTEだけでなく、固定給の比率と目標達成者の割合、英語の使用頻度を確認しておくと判断しやすくなります。

年収を上げるための4つの進め方

  1. 成果を数字で語れる形にする。商談数、受注率、達成率、契約継続率など、評価で使われるKPIに合わせて実績を整理する。
  2. 担当する顧客の規模を段階的に広げる。中小企業向けから、中堅、大企業向け(エンタープライズ)へと進むほど、1件あたりの契約金額が大きくなり、年収レンジも高くなる傾向がある。
  3. リーダーやマネージャーの経験を積む。個人の成果に加えて、チームの目標達成や育成の経験が求められる求人は、年収レンジが一段上がる。
  4. 転職するときは、年収の額面だけでなく、固定給とインセンティブの内訳、ストックオプションの有無、目標の現実性まで確認する。

SaaS営業がきついと言われる場面

SaaS営業は、月次や四半期の目標数字と向き合う場面が多く、きついと感じる人もいます。主な理由は、目標の達成度がインセンティブに直結するためプレッシャーが大きいこと、商談数や受注率などのKPIが常に記録・共有されること、分業制のため前の担当からの引き継ぎの質が自分の成果に影響することの3つです。一方で、評価の基準が数字で明確で、未達の原因も記録から振り返りやすい点を、働きやすさと感じる人もいます。応募先を選ぶときは、目標の設定方法、目標達成者の割合、固定給の比率を面接で確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

よくある失敗パターン

よくある失敗(Before) 対処の考え方(After)
求人票の年収の上限だけを見て応募し、入社後の支給額が想定より低かった OTEか固定給かを確認し、目標達成率ごとの年収を試算してから判断する
年収の高いエンタープライズ営業に応募したが、経験不足で書類が通らない まず中小企業向けやインサイドセールスで実績をつくり、段階的に挑戦する
面接で前職の成果を具体的に説明できなかった 商談数、受注率、達成率など、評価で使われるKPIの形に経験を整理し直す
入社後、活動の記録や数値管理に慣れず評価が伸びない 入社前に応募先の評価の仕組みと記録の取り方を確認し、記録を評価の根拠として捉える

表の失敗の多くは、SaaS営業の成果がどのような数字で、どのような記録をもとに評価されるかを知らないまま転職活動を進めることから生じます。営業組織を運営する立場であれば、評価の根拠になる記録を個人任せにしない運用づくりも、年収への納得感を左右する要素になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. SaaS営業の平均年収はどれくらいですか?

A. SaaS営業だけの公的統計はありませんが、近い区分である厚生労働省job tagの「コンサルティング営業(IT)」の年収は全国平均659.4万円です。転職支援会社の公開記事では、インサイドセールスが300万円から700万円前後、フィールドセールスが400万円台から1,000万円超とされています。

Q2. 職種によってSaaS営業の年収はどう違いますか?

A. 公開記事の目安では、インサイドセールスは300万円から700万円前後、フィールドセールスは400万円台から1,000万円超、カスタマーサクセスは300万円から1,000万円、マネージャー以上は600万円から1,800万円超と幅があります。情報源によって数字が異なるため、応募先の求人票で固定給とインセンティブの内訳を確認してください。

Q3. SaaS営業はしんどいですか?

A. 目標数字と向き合う場面が多く、インセンティブに直結するためプレッシャーを感じる人もいます。一方で、評価基準が数字で明確で、未達の原因を記録から振り返りやすい点を働きやすさと捉える人もいます。応募先の目標の設定方法や、固定給の比率を面接で確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

Q4. SaaSに入社するのは難しいですか?未経験でも転職できますか?

A. 職種によって異なります。インサイドセールスは未経験でも応募できる求人が多く、フィールドセールスは法人営業の経験を求める求人が目立ちます。job tagでも、コンサルティング営業(IT)は特に学歴や資格が必要とされない職業と説明されているため、これまでの成果を数字で説明できるように整理しておくことが大切です。

Q5. 求人票のOTEとは何ですか?

A. OTE(On Target Earnings)は、目標を100%達成した場合の想定年収で、固定給とインセンティブの合計です。目標に届かなければ実際の年収はOTEより下がるため、固定給の金額とインセンティブの比率を分けて確認しましょう。

Q6. 営業職で一番稼げる業界はどこですか?

A. 営業職に限った集計ではありませんが、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査(業種全体の平均給与)では、電気・ガス・熱供給・水道業が832.4万円、金融業・保険業が702.3万円、情報通信業が659.5万円の順に高くなっています。SaaS企業が属する情報通信業は、給与所得者全体の平均478万円を上回る水準です。

まとめ

SaaS営業の年収は、公的統計の近い区分で平均659.4万円、転職支援会社の公開記事では職種ごとに300万円台から1,000万円超まで幅があり、職種と成果によって大きく変わります。転職や評価制度の見直しを考えるときは、次の4点を意識すると判断しやすくなります。

  1. インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスのどれが、自分の経歴から入りやすく、目指したい年収帯に近いかを考える。
  2. 求人票の年収は、固定給とインセンティブの内訳、顧客セグメント、企業の成長フェーズとセットで比べる。
  3. これまでの成果を、評価で使われるKPIの形で説明できるように整理しておく。
  4. 営業の記録や評価の根拠を整えたい立場であれば、名刺管理SKYPCEのような活動記録の仕組みの資料を取り寄せ、自社の運用と照らして検討する。

参考文献

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