SaaS連携とは?API・iPaaS・Webhook・SSOの違いと始め方

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  • 4つの連携方式の違いと使い分けがわかる
  • SaaSとAPIの違いと認証の基本がわかる
  • 連携の進め方と失敗パターンがわかる

SaaS連携とは、複数のクラウドサービス(SaaS)の間でデータやログイン情報を自動でやり取りさせ、手入力の転記や二重管理をなくす取り組みです。方式は、データを受け渡すAPI連携・iPaaS・Webhookと、ログインをまとめるSSOの大きく4つに分かれます。業務ごとにSaaSを増やすほど、同じ取引先名や金額を別のツールへ入れ直す手間や、ツールごとのID管理の負担が増えていきます。この記事では、SaaSとAPIの違い、4方式の使い分け、連携の始め方、認証とセキュリティ、よくある失敗までを、契約業務を例に整理します。

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目次

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  1. SaaS連携は何から始める?契約業務を例に考える
  2. SaaS連携とは|なぜ必要になるのか
  3. SaaS連携の方法|4方式とそれ以外の手段の違い
  4. API直接連携の特徴とメリット・デメリット
  5. iPaaSの特徴|ノーコードで複数SaaSを中継
  6. Webhook・SSOの特徴と使い分け
  7. iPaaSとRPAの補完関係
  8. SaaS連携の進め方|5ステップと方式の選び方
  9. SaaS連携でよくある失敗パターン4つ
  10. 連携導入の効果をどう確認するか
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
  13. 参考文献

SaaS連携は何から始める?契約業務を例に考える

SaaS連携は、同じデータを複数のツールに手入力している業務から始めるのが基本です。契約業務は4つの方式すべてが関わるため、最初の題材に向いています。

契約書の作成、社内承認、締結、保管、請求までの流れには、顧客管理(CRM・SFA)、ワークフロー、会計、文書管理など複数のシステムが関わり、同じ取引先名や金額を何度も入力し直すことが少なくありません。

連携方式電子契約での活用例得られる効果
API直接連携自社の基幹システムから契約書データを送り、締結結果を受け取る独自の業務フローに合わせて作り込める
ネイティブ連携・iPaaSCRMの商談情報から契約書を自動作成し、締結後にストレージへ保存する開発なしで転記作業をなくせる
Webhook契約が締結された瞬間にチャットへ通知し、経理が請求準備を始める確認待ちの時間を減らせる
SSO社員が普段のアカウントで電子契約システムにログインする退職者のアカウント停止漏れを防げる

ただし、どこまで連携できるかは電子契約システムごとに異なります。API公開の有無、標準で連携できるSaaS、SSOへの対応状況は、導入前に確認したいポイントです。自社掲載の電子契約5サービスを、連携まわりの役割の違いで並べました。優劣ではなく、向いている会社の違いとして見てください(商品ページの記載を2026年10月15日に確認)。

電子契約5サービスの連携まわりの違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:マネーフォワード クラウド契約。Slackや債務支払、Boxとの連携機能が商品ページで紹介されています。

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この状況に合う一例:Contract One。SSO、2要素認証、IPアドレス制限を備えると紹介されています。

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この状況に合う一例:電子印鑑GMOサイン。幅広い外部サービスとの連携に対応すると紹介されています。

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サービス 電子印鑑GMOサインfreeeサインマネーフォワード クラウド契約Contract OneSMBCクラウドサイン
向いている会社 契約書の機能やオプションを、自社に合わせて選びたい会社 freeeのサービスをすでに使っている会社 マネーフォワード クラウドの他サービスや、Slackとつなぎたい会社 全社の取引情報を正確に管理・活用したい会社 リスク管理を徹底したい会社
特徴 立会人型・当事者型のどちらの署名にも対応。幅広い外部サービスとの連携に対応 freeeプロダクトとの互換性が高く、連携で他業務の効率化も見込める。ワークフローと権限管理は「Pro」「Pro Plus」 標準でワークフロー機能を搭載。Slack、債務支払、Boxとの連携機能がある 契約書をデータ化し、AIで扱いやすいデータベースにする。SSO、2要素認証、IPアドレス制限を備える 契約金額や契約期間を自動で読み取る「AI契約書管理」。メガバンクの厳格なセキュリティ基準でモニタリング
注意したい点 機能やオプションが豊富な分、すべて必要な場合はオプション料金が高くなる場合がある 画面が簡素化されすぎて、場所が分かりにくい機能もある。API利用は「Pro Plus」がおすすめとされている 口コミでは、Slack以外のチャットツールとも連携させたいという声がある 連携できる電子契約サービスは4つとされる。導入時に業務フローの見直しが必要な場合もある フォルダ管理の自由度が低い。商品ページに連携先の記載がないため、資料で確認したい
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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

契約業務を既存の基幹システムやワークフローとつなぎたい場合の一例が、電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)です。商品ページでは、立会人型・当事者型のどちらの署名にも対応し、幅広い外部サービスとの連携に対応していると紹介されています。オプションで、外部のワークフローシステムとの連携や承認者の設定機能も追加できます。一方、機能やオプションが豊富な分、すべて必要な場合はオプション料金が高くなる点には注意が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

電子印鑑GMOサイン

電子印鑑GMOサイン

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

電子印鑑GMOサイン

オプションが豊富で自社にあった機能を選びたい方におすすめ

全体評価
4.6 (18件)
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【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、GMOサインの利用経験ゼロの筆者が、ゼロからGMOサインの無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。

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  • スタンダードプランでも機能が充実しており、提供機能を無駄なく活用できる
  • 立会人型電子署名は1件あたり100円で送信でき、他社と比較してほぼ半額で利用できる
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  • 機能やオプションが豊富でマルチに使えるが、全て必要な場合はオプション料金が高額になってしまう
評価・口コミ(一部抜粋)
4.6
  • 紙の契約業務から解放されたのが一番のメリットです。

  • 全国各地にユーザー様がいる弊社ですと現地に行くことが難しいですがそんな中でも電子契約書を導入する事で直ぐに契約結ぶことや時間削減などに行い出来て良かったです。 GMOサインは有名で知らない人が居ないので、使ってみましたが使いやすくてオススメです。

  • 導入することで契約締結のスピードが大幅に向上し、契約業務にかかる手間を削減できました。また、テレワーク環境でも円滑に契約業務を進めることが可能になり、業務効率がかなり向上しました。

契約データの保管に制約がないこと、API連携やSSO(シングルサインオン)、IPアドレス制限など、高いセキュリティ機能を備えていることも重要な選定基準でした。

電子印鑑GMOサイン導入事例(日建レンタコム株式会社 法務部)

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freeeサイン株式会社

freeeサイン

freeeサイン

freeeサイン株式会社

freeeサイン

弁護士監修の信頼感!freee既存ユーザーにおすすめ

全体評価
4.1 (16件)
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  • 契約相手も「電話サポート」が利用できる
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  • シンプルで見やすい画面ではあるが、簡素化されすぎてしまい場所が分かりにくい機能もある
評価・口コミ(一部抜粋)
4.1
  • 以前は紙での契約書でやり取りをしていたが、取引先によってfreeeサインを使用していて、取引先に合わせてfreeeサインでやり取りすることが可能になり、郵送などの業務や時間がなくなり、業務の効率化につながった。

  • freeeサインを導入することで、紙の契約書にかかっていた印刷・郵送・保管の手間やコストを大幅に削減できました。契約の進捗状況もオンラインで可視化でき、社内外とのやりとりがスムーズに。リモートワーク環境でも契約業務が止まらず、業務効率とコンプライアンスの両立を実現できた点が大きなメリットです。

  • 郵送など紙でのやり取りがなくなり、どこにいてもことがその場で完結でき、スムーズに契約等を行うことができる。また、紙としての保管をしなくても良くなり、書類管理もシステム上で行えることがメリットに感じます。

契約の前後の作業を、チャットや債務支払とつなげたい場合の一例が、マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)です。商品ページでは、標準機能でワークフロー(申請・承認)を使えるほか、Slack、マネーフォワード クラウド債務支払、マネーフォワード クラウドBoxとの連携機能が搭載されていると紹介されています。口コミにはSlack以外のチャットツールとも連携させたいという声があり、連携先は事前に確認したいポイントです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

マネーフォワード クラウド契約

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

電子契約書の送付料が従量課金制でないサービスをお探しの方

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3.8 (8件)
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  • ハンコの印影にもう少し工夫ができると良い
評価・口コミ(一部抜粋)
3.8
  • 契約書のやり取りがオンラインで完結し、郵送や印刷の手間がなくなったのが大きなメリットです。また、契約書の管理がクラウド上で一元化され、必要な書類をすぐに検索できるため、契約関連の業務時間が短縮されました。電子署名機能も搭載されており、契約締結がスムーズになった点も便利です。

  • まずペーパーレスになったのでコストの左右限につながりました。また部署をこえての共有が可能なので、社内全体で管理がしやすく便利だと思います。ステータスもわかりやすいので今どの状態にあるのかがひとめでわかりやすく、全体的に作業効率が格段に上がりました。サポートも充実しているので安心して利用ができます。

  • 雛形利用により簡単に契約書フォームを作成する事が可能になった。 契約相手とも対面でなくインターネットを使ったワークフローで契約する事が可能となった。 対面では無い為、商談日時のネゴ取り等も不要になった。 契約書をペーパレスで管理する為、契約書管理が楽になった。

マネーフォワード クラウド契約であれば、他社の電子契約サービスで締結した契約書であっても取り込むことができます。

マネーフォワード クラウド契約 導入事例(株式会社ワンオールシステム)

契約書を一元管理し、契約データを全社で使いたい場合の一例が、Contract One(Sansan株式会社)です。商品ページでは、あらゆる契約書をデータ化し、AIで扱いやすいデータベースにするほか、シングルサインオン(SSO)、2要素認証、IPアドレス制限を備えると紹介されています。連携できる電子契約サービスは「クラウドサイン」「Acrobat Sign」「DocuSign」「GMOサイン」の4つとされ、連携先は拡大予定とあります。導入時に業務フローの見直しが必要な場合もある点は注意点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Sansan株式会社

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Sansan株式会社

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全社の取引情報を正確に管理・活用したい方におすすめ

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  • あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
  • Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
  • 法改正への対応をサポート
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気になる…

  • 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も

基本契約書と覚書といった関連する契約書が自動でひも付けされるため、各担当者が自身の業務に関連する契約書を簡単に把握できるようになりました。

Sansan株式会社ニュースリリース(イオンマーケティング株式会社の事例)

契約書の情報を管理台帳へ入れ直す手間を減らしたい場合の一例が、SMBCクラウドサイン(SMBCクラウドサイン株式会社)です。商品ページでは、契約金額や契約期間を自動で読み取って登録する「AI契約書管理」や、CSVを読み込んで契約書を一括作成・送信する機能が紹介されています。メガバンクの厳格なセキュリティ基準でモニタリングされている点も特徴です。フォルダ管理の自由度が低い点は注意点で、商品ページには外部システムとの連携先の記載がないため、連携を重視する場合は資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

SMBCクラウドサイン株式会社

SMBCクラウドサイン

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SMBCクラウドサイン株式会社

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リスク管理を徹底したい方向け

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  • AI契約書管理機能搭載
  • メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
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  • フォルダ管理の自由度が低い

社内ワークフローツールですでに社内稟議の手続はデジタル化できていましたが、その先の発注はアナログ的でした。

SMBCクラウドサイン導入事例(株式会社山一建設)

SaaS連携とは|なぜ必要になるのか

SaaS連携とは、複数のSaaSの間でデータや認証情報を自動でやり取りさせる取り組みです。SaaSが増えて、手入力と情報の分断が起きたときに必要になります。

SaaSとは何か

SaaS(Software as a Service)は、クラウド上で動くアプリケーションを、利用者がインターネット経由で使う提供形態です。総務省のガイドラインでは、サービスの形で提供されるソフトウェアであり、事業者がクラウドのインフラ上で稼働するアプリケーションを利用者に提供するものと説明されています(参考:総務省「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン」)。SaaSの定義や種類は、SaaSとは|PaaS・IaaS・ASPとの違いと選び方やSaaSの種類を3軸で解説した記事で詳しく整理しています。

SaaSが増えると起きる4つの問題

起きる問題具体的な状況連携で減らせるもの
データのサイロ化勤怠、会計、顧客管理などのデータが各SaaSに分かれ、部門をまたいだ活用ができないツール間でデータを自動で受け渡し、集計の手間を減らす
二重入力とミス同じ取引先名や金額を2つ以上のツールに手で入力し、転記ミスが起きる一度の入力を他のツールへ自動で反映する
データの不整合ツールごとに取引先情報が食い違い、どれが正しいか分からなくなる元になるデータを決め、他のツールへ同期する
アカウント管理の負担入社・退職のたびに、SaaSごとにアカウントの作成や停止を手作業で行うSSOやアカウントの自動連携で、管理を1か所にまとめる

連携には2種類ある|データ連携と認証連携

SaaS連携は、データを受け渡す「データ連携」と、ログインを共通化する「認証連携」の2種類に分けて考えると整理しやすくなります。前者にはAPI直接連携、iPaaS(ネイティブ連携を含む)、Webhookが、後者にはSSOが当たります。転記をなくしたいのか、アカウント管理を楽にしたいのかで、選ぶ方式が変わります。

なお、扱うSaaSが少なく、データの受け渡しが年に数回しかない場合は、CSVの書き出しと取り込みで十分なこともあります。連携の仕組みを作ること自体が目的にならないよう、手間とミスが実際に出ている業務から検討しましょう。

5サービスの連携まわりの違いを比較表で見る

SaaS連携の方法|4方式とそれ以外の手段の違い

SaaS連携の方法は、API直接連携、iPaaS・ネイティブ連携、Webhook、SSOの4つが基本で、4方式以外にCSVによる手動連携やバッチ連携、ETLなどもあります。役割が異なるため、目的に合わせて使い分けます。

方式仕組み必要なスキル向いているケース
API直接連携SaaSが公開するAPIを自社のプログラムから呼び出すプログラミング、保守の体制独自システムとの連携、複雑なデータ加工
iPaaS・ネイティブ連携用意されたコネクターを画面操作で組み合わせるノーコードで可能一般的なSaaS同士の定型的なデータ受け渡し
Webhookイベントが起きたときに、指定したURLへ自動で通知を送る受け取り側の設定リアルタイムの通知、処理の起点づくり
SSO1回のログインで複数のSaaSを使えるようにするIDaaSなどの設定アカウント管理の一元化、セキュリティ強化

4つの方式は優劣ではなく役割の違いです。実務では「SSOで入口をそろえ、iPaaSで定型のデータ連携を組み、足りない部分だけAPIで作り込み、Webhookで通知をつなぐ」のように組み合わせて使うのが一般的です。

4方式以外の連携手段と、連携のタイミング

4方式のほかに、CSVファイルの書き出しと取り込みによる手動連携、決まった時刻にまとめてデータを送るバッチ連携、複数のシステムからデータを抽出・変換して分析用の基盤に集めるETL、クラウド上で小さなプログラムを動かして処理をつなぐFaaS(サーバーレスの関数実行サービス)、社内の基幹システムとSaaSをつなぐEAIといった方法もあります。

連携のタイミング主な手段向いている業務
リアルタイムWebhook、API、iPaaS締結・受注などの通知、すぐに次の担当者へ渡したい処理
定時(バッチ)バッチ連携、ETL、iPaaSのスケジュール実行日次の売上集計、月次の分析用データの取りまとめ
手動(都度)CSVの書き出しと取り込み年に数回のデータ移行など、頻度が低い作業

CSVによる手動連携は追加費用がかからない一方、作業の手間と入力ミスが残ります。まず「どのくらいの頻度で、どれだけ新しいデータが必要か」を決めてから手段を選ぶと、過剰な仕組みを作らずに済みます。あわせて、開発や導入の費用だけでなく、連携を保守・監視する担当者の体制まで見積もっておくことが、どの手段でも共通する検討ポイントです。

API直接連携の特徴とメリット・デメリット

API直接連携とは、SaaSが外部のプログラムに公開しているAPI(機能やデータを提供する窓口)を、自社で開発したプログラムから呼び出す方式です。独自の業務フローに合わせて作り込める反面、開発と保守の体制が必要になります。

メリットデメリット
自社独自の業務フローや社内システムに合わせて自由に作り込める開発できる人材と、開発期間・費用が必要になる
データの加工や条件分岐など、複雑な処理にも対応できるSaaS側のAPI仕様変更に合わせて、継続的な改修が必要になる
iPaaSの利用料がかからない担当者の異動や退職で、仕組みが分かる人がいなくなるリスクがある

API直接連携で見落とされやすいのが、作った後の保守です。SaaSは頻繁にアップデートされ、APIのバージョンが古くなると提供が終了することもあります。連携の仕様書や、APIキーの保管場所、障害時の連絡先を文書に残し、特定の担当者だけが分かる状態にしないことが大切です。

SaaSとAPIの違い

SaaSはクラウド上のソフトウェアを使う提供形態、APIはそのソフトウェアが外部のプログラムに機能やデータを渡すための窓口で、役割が異なります。多くのSaaSはAPIを備えており、SaaS連携ではそのAPIを使ってデータをやり取りします。ただし、すべてのSaaSがAPIを公開しているわけではなく、公開していても使える範囲やプランに制限がある場合があります。

APIの認証方式|APIキーとOAuth

APIを呼び出すときは、相手が正しい利用者かを確かめる認証が必要です。代表的な方式は、固定の文字列(APIキー)を送る方法と、OAuth 2.0を使う方法です。

方式仕組み注意点
APIキーSaaSが発行した固定の文字列をリクエストに付けて送る漏れると第三者が同じ権限で使える。保管場所と権限の範囲を限定し、定期的に見直す
OAuth 2.0パスワードを渡さずに、第三者のアプリへ限定的なアクセスを許可する認可の仕組みどの範囲の操作を許可するか(スコープ)を最小限にする。許可の取り消し方も確認する

OAuth 2.0は、第三者のアプリが特定のサービスに限定的にアクセスできるようにする認可の枠組みとして、IETFの仕様(RFC 6749)で定められています(参考:IETF「RFC 6749 The OAuth 2.0 Authorization Framework」)。総務省のガイドラインも、APIのアクセスキーやシークレットキーの設定管理が不十分だと、システム全体の乗っ取りなどのリスクがあると指摘しています。

自社で作る前に、SaaS側の連携対応を確認する

API連携を自社で作る前に、つなぎたいSaaSが標準連携やAPIをどこまで備えているかを確認しましょう。標準連携で足りれば、開発も保守も不要になります。電子契約システムでも、外部サービスとの連携に対応しているか、ワークフローや基幹システムとつなぐオプションがあるかは製品ごとに異なります。

電子印鑑GMOサイン

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契約業務を基幹システムや外部のワークフローとつなぎたい会社

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iPaaSの特徴|ノーコードで複数SaaSを中継

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、複数のシステムの連携をクラウド上で中継するサービスです。コネクターを画面操作で組み合わせるため、開発なしで定型のデータ連携を作れます。

主要なSaaSに接続するための部品(コネクター)があらかじめ用意されており、「CRMで商談が受注になったら、会計ソフトに取引先を登録し、チャットに通知する」といった処理を、画面上の操作で組み立てられます。また、SaaS自体が他のSaaSとつながる機能を標準で備えている場合もあります。これをネイティブ連携(標準連携)と呼び、設定画面で連携先を選んで認証するだけで使えるため、最も手軽な方法です。まずはネイティブ連携で足りるかを確認し、足りない部分や3つ以上のSaaSをまたぐ処理をiPaaSで補うのが効率的な進め方です。

比較項目ネイティブ連携iPaaS
導入の手軽さ設定画面で連携先を選ぶだけ処理の流れを画面で組み立てる
柔軟性提供元が用意した範囲に限られる条件分岐や複数SaaSの組み合わせが可能
費用SaaSの料金に含まれることが多い処理回数や接続数に応じた月額料金
管理SaaSごとに設定が分散する連携の一覧を1か所で管理できる

iPaaS・連携ツールを選ぶ4つのポイント

選ぶ観点確認すること
対応サービス数と拡張性自社が使うSaaSのコネクターがあるか。今後SaaSが増えても対応できるか
操作性と学習コスト担当者が画面操作で組み立てられるか。エラー時に原因を追いやすいか
コストの考え方処理回数や接続数で費用が変わるか。月額だけでなく、構築・保守にかかる人の工数も含めて比べる
サポート体制導入時の支援や、障害時の問い合わせ先があるか。担当者が替わっても引き継げるか

ネイティブ連携やiPaaSで連携できるかどうかは、つなぎたいSaaS側がどの連携先に対応しているかで決まります。電子契約システムのように、チャットやワークフロー、ストレージなど多くのSaaSとの連携機能があるサービスを選んでおくと、後から連携を広げやすくなります。たとえばマネーフォワード クラウド契約は、商品ページでSlackやマネーフォワード クラウド債務支払、マネーフォワード クラウドBoxとの連携機能が紹介されています。

マネーフォワード クラウド契約

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Webhook・SSOの特徴と使い分け

Webhookはイベントが起きたときに相手から通知が届く方式、SSOは1回のログインで複数のSaaSを使えるようにする認証連携です。前者は処理の起点づくり、後者はアカウント管理の一元化に向いています。

Webhook:イベントをきっかけに通知する

Webhookは、SaaSの中で「契約が締結された」「フォームに回答があった」などのイベントが起きたときに、あらかじめ指定したURLへ自動で通知を送る仕組みです。APIが「こちらから取りに行く」方式なのに対し、Webhookは「相手から知らせてくれる」方式で、定期的に確認しに行く必要がないため、リアルタイム性に優れます。チャットへの通知や、iPaaSの処理を始めるきっかけとして使われることが多い方式です。

注意点は、通知の送り先URLが漏れると第三者が偽の通知を送れてしまうことです。送信元を確認する署名の検証など、SaaS側が用意している安全対策を有効にして使いましょう。

SSO:ログインを1つにまとめる

SSO(シングルサインオン)は、1回のログインで複数のSaaSを使えるようにする認証連携です。IDaaS(Identity as a Service)と呼ばれるID管理サービスを使って実現するのが一般的で、社員はパスワードを1つ覚えるだけで済み、管理者はアカウントの追加や停止を1か所で行えます。SAMLやOAuth、OpenID Connectといった仕組みの違いは、SaaS SSOとは?SAML・OAuth・OpenID Connectの違いを解説した記事で詳しく整理しています。

SSOはデータを受け渡す仕組みではないため、SSOを入れても転記作業はなくなりません。一方で、SaaSが増えるほど問題になる「退職者のアカウントが残ったまま」「使い回しのパスワード」といったリスクを減らせるため、データ連携と並行して検討する価値があります。総務省のガイドラインでも、退職者のユーザIDやパスワードの失効管理をせずに放置すると、不正利用による情報漏えいのリスクがあるとされています。

やりたいこと使う方式
あるSaaSの出来事を、すぐに別のツールへ知らせたいWebhook
SaaS間で顧客や取引のデータを受け渡したいネイティブ連携、iPaaS、API
社員のログインとアカウント管理をまとめたいSSO(IDaaS)

SSOや権限管理に対応しているかは、SaaSごとに異なります。電子契約のように契約内容という重要な情報を扱うサービスでは、SSO、2要素認証、IPアドレス制限といったセキュリティ機能の有無を導入前に確認しておきたいところです。

Contract One

SSOや2要素認証など、契約データの守りを確認したい会社に

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iPaaSとRPAの補完関係

iPaaSはAPIを通じてシステム同士を直接つなぎ、RPAは人がパソコンの画面で行う操作をロボットに再現させます。APIのあるSaaS同士はiPaaS、APIのない社内システムはRPAというのが基本の分担です。

RPA(Robotic Process Automation)は、人がパソコンの画面で行う操作をソフトウェアのロボットに記録させて自動化する仕組みです。API経由でデータをやり取りするiPaaSとは、自動化の対象が異なります。

比較項目iPaaSRPA
連携の方法APIでシステム同士が直接データをやり取りする画面の操作を再現してデータを入力・取得する
得意な対象APIを公開しているクラウドサービスAPIのない社内システムや古いソフト
安定性画面の変更の影響を受けにくい画面のレイアウトが変わると止まりやすい

両方を使う場合は、どの処理がどちらで動いているかを一覧にしておかないと、障害時に原因を追えなくなります。

5サービスの連携まわりの違いを比較表で見る

SaaS連携の進め方|5ステップと方式の選び方

SaaS連携は、転記が多い業務を洗い出し、連携先の対応状況を確認してから方式を選ぶ、という順番で進めます。方式から決めると、対応していないSaaSに当たって手戻りしがちです。

  1. 業務の洗い出し:同じデータを2つ以上のツールに入力している業務を、頻度と件数つきで一覧にする
  2. 連携先の対応状況の確認:つなぎたいSaaSにAPI、標準連携、SSOがあるか、使えるプランはどれかを確認する
  3. 方式の選定:下の表で、やりたいことと社内の体制から方式を決める
  4. 費用と体制の見積もり:導入費用だけでなく、保守・監視を担う担当者と、障害時の連絡先まで決める
  5. 小さく始めて効果を測る:1つの業務で試し、転記時間やミスの件数を前後で比べてから広げる
状況向いている方式
つなぎたいSaaSに標準連携があるネイティブ連携(まず確認)
標準連携はないが、APIのあるSaaS同士をつなぎたい。開発できる人はいないiPaaS
独自の基幹システムや複雑なデータ加工が必要。開発できる人がいるAPI直接連携
イベントをすぐ別のツールへ知らせたいWebhook(iPaaSの起点としても使う)
アカウント管理とセキュリティを先に整えたいSSO(IDaaS)
APIのない社内システムが相手RPA

最初に連携すべき業務の選び方

どの業務から連携するかは、次の3つの観点で優先順位をつけると判断しやすくなります。

  1. 転記の回数が多いか:同じデータを2つ以上のツールに入力している業務ほど、連携の効果が大きい
  2. ミスの影響が大きいか:契約金額や請求額、給与など、誤りが取引先や社員に直接影響する業務を優先する
  3. 連携の手段が用意されているか:対象のSaaS同士に標準連携やAPIがあるかを確認し、すぐ実現できるものから着手する

多くの企業では、契約から請求までの流れ、勤怠から給与計算までの流れ、入社・退職に伴うアカウント管理の3つが候補に挙がります。いずれも転記が多く、ミスの影響も大きい業務です。ここで、今の自社の状況を確認してみましょう。

SaaS連携、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

SaaS連携でよくある失敗パターン4つ

SaaS連携の失敗は、技術よりも方式の選び方や運用の設計に原因があることがほとんどです。代表的な失敗と改善策を紹介します。

失敗パターンよくある進め方(Before)改善後の進め方(After)
1. いきなりAPI開発から始める標準連携で済む処理まで自社開発し、保守の負担が膨らむネイティブ連携、iPaaS、APIの順に検討し、開発は必要な部分に絞る
2. SSOでデータ連携もできると思い込むSSOを導入したのに転記作業が減らない認証連携とデータ連携を分けて、それぞれの目的を決める
3. 権限を広く与えすぎる連携用アカウントに管理者権限を付け、全データにアクセスできる状態になる連携に必要な範囲だけの権限を付与し、定期的に見直す
4. 連携の一覧がない部署ごとに連携を作り、止まっても誰も気づかない連携元・連携先・担当者・エラー時の通知先を台帳で管理する

特に3は見落とされがちです。総務省のガイドラインでは、クラウドサービスの設定不備による情報漏えいを防ぐため、利用者側でアクセス権限や設定を適切に管理することが求められています。IPAの手引きも、クラウドのセキュリティは事業者と利用者がそれぞれの役割・責任を分担して対策を実施することで維持・向上すると説明しています(参考:IPA「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」)。連携はデータの通り道を増やす取り組みであることを意識し、権限・ログ・担当者をセットで設計しましょう。

連携導入の効果をどう確認するか

SaaS連携の効果は、転記にかかる時間、入力ミスの件数、処理のリードタイム、アカウント管理の手間を、導入前後で比べて確認します。つないだら終わりではなく、数字で確かめて次の連携に広げていきます。

指標測り方の例
転記にかかる時間1件あたりの入力時間と月間件数を掛けて、削減時間を計算する
入力ミスの件数請求額の訂正や差し戻しの回数を月ごとに記録する
処理のリードタイム契約締結から請求書発行までの日数などを比べる
アカウント管理の手間入退社時のアカウント作成・停止にかかる時間と漏れの件数を数える

たとえば、契約1件あたり10分の転記作業が月に100件あれば、連携によって月に約17時間を削減できる計算になります(10分×100件=1,000分、約16.7時間)。この数字は仮の例です。自社の件数と所要時間で試算すると、次の業務へ広げるための社内の合意を得やすくなります。契約業務は件数が把握しやすいため、効果を示しやすい最初の連携対象になります。

連携先の対応状況は製品ごとに異なるため、効果を試算する前に、候補のサービスが自社のツールとつながるかをサービスの詳細ページで確認しておくと手戻りを防げます。

連携先の対応状況を、詳細ページで確認する

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よくある質問(FAQ)

Q1. SaaS連携とは何ですか?

A. 複数のクラウドサービスの間でデータや認証情報を自動でやり取りさせ、転記や二重管理をなくす取り組みです。データを受け渡すAPI連携・iPaaS・Webhookと、ログインを共通化するSSOに大きく分けられます。

Q2. SaaSとは何ですか?どういう意味ですか?

A. SaaSは「Software as a Service」の略で、クラウド上で動くソフトウェアをインターネット経由でサービスとして利用する提供形態です。総務省のガイドラインでは、事業者がクラウドのインフラ上で稼働するアプリケーションを利用者に提供するものと説明されています。

Q3. SaaSとAPIの違いは何ですか?

A. SaaSはクラウド上のソフトウェアを使う提供形態、APIはそのソフトウェアが外部のプログラムに機能やデータを渡すための窓口です。SaaS連携では、SaaSが備えるAPIを使ってデータをやり取りすることがあります。

Q4. 日本の三大SaaS企業や5大SaaS企業は決まっていますか?

A. 公的な定義や公式の順位は見当たらず、売上、導入社数、提供分野のどれで見るかで顔ぶれは変わります。SaaS連携では企業の知名度より、つなぎたいSaaSがAPIや標準連携、SSOに対応しているかを確認するほうが実務で役立ちます。

Q5. iPaaSと自社でのAPI開発はどちらを先に検討すべきですか?

A. 一般的なSaaS同士をつなぐだけなら、まずネイティブ連携やiPaaSで実現できないかを確認しましょう。開発や保守の負担が小さく、短期間で始められます。独自システムとの連携や複雑な処理が必要な部分だけをAPIで開発するのが効率的です。

Q6. SaaS連携で注意すべきセキュリティ上のポイントは?

A. 連携用アカウントには必要な範囲だけの権限を付与し、APIキーを安全に保管し、連携の一覧と担当者を台帳で管理することが基本です。退職者のアカウントを残さないことや、OAuthで許可する範囲を最小限にすることも大切です。

まとめ

SaaS連携の方式と進め方を解説しました。ポイントは次の5つです。

  1. SaaS連携には、データを受け渡すAPI直接連携・iPaaS・Webhookと、ログインを共通化するSSOがあり、役割が異なる
  2. ネイティブ連携、iPaaS、APIの順に検討し、開発は必要な部分に絞ると保守の負担を抑えられる
  3. 認証はAPIキーやOAuthを使い分け、権限の最小化と連携台帳の整備で、データの通り道が増えるリスクに備える
  4. 最初の連携は、転記が多くミスの影響が大きい契約・請求などの業務から始めると効果を示しやすい
  5. 電子契約システムなどを検討するときは、連携先やSSOへの対応状況を資料で確認し、複数のサービスを比べる

SaaSの数が増えるほど、連携の設計が業務効率とセキュリティの両方を左右します。まずは身近な1つの業務から連携を始め、効果を確かめながら範囲を広げていきましょう。

参考文献

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