企業研修の選び方|費用相場・4タイプ・目的別サービス比較と助成金活用
Check!
- 研修の費用相場と見積もりの比べ方がわかる
- 研修会社を比べる5つのポイントがわかる
- 目的別の研修サービスと助成金の使い方がわかる
研修とは、職務に必要な知識や技能を高めるために、会社が一定の期間を設けて計画的に行う勉強や実習のことです。新入社員研修、管理職研修、コンプライアンス研修、語学研修など種類は幅広く、実施方法も講師を招く集合研修、外部セミナーへの派遣、eラーニングなどさまざまです。
人事・研修担当者からは「研修会社や研修サービスをどう比べればよいか」「研修の費用や見積もりの相場が分からない」「受講させたのに現場で活かされていない」といった声がよく聞かれます。この記事では、研修サービスの目的別の違いと費用相場、見積もりの比べ方、研修会社を比べる5つのポイント、人材開発支援助成金の活用方法、よくある失敗パターンまでを、厚生労働省の最新の調査(令和7年度能力開発基本調査、2026年7月31日公表)や制度資料をもとに整理します。
自社に合う研修サービスの方向性を2問で診断
Q1. 研修で扱う内容は、他社と共通ですか。自社独自ですか。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
企業研修サービスの比較|目的別4サービス
研修サービスは「何のための研修か」で選ぶのが近道です。自社教材の配信、階層別の育成、コンプライアンス、理解度テストのどれを主な目的にするかで、向いているサービスは変わります。ここでは、eラーニング型の研修サービスを目的別に4つ取り上げ、役割の違いを比べます。
比較表の内容は、2026年10月15日時点で各サービスの商品ページに記載された情報をもとにしています。料金は受講者数やプラン、オプションによって変わるため、本記事では具体的な金額を記載していません。導入を検討する際は、自社の受講人数と使いたい機能を伝えたうえで、見積もりを取り寄せて比べてください。講師を派遣する研修会社や公開講座を比べたい場合は、後半の「研修サービスの4タイプ」と「研修会社・研修サービスを比べる5つのポイント」も参考にしてください。
目的別に見る、研修サービス4つの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:OneCompliance(ワンコンプライアンス)は、コンプライアンス研修に特化し、自動リマインダーとダッシュボードで受講管理の工数を抑えられます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:LearnOは、自社の教材をアップロードして配信でき、まず社内の研修をオンラインに載せたい段階に向いています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Smart Boardingは、キャリアマップに沿った学習プログラムで、階層別の育成とOJTの標準化を進められます。
資料を無料ダウンロード| サービス | LearnO |
Smart Boarding |
SAKU-SAKU Testing | |
|---|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 自社で用意した動画やスライド、理解度テストを、まず社内でオンライン配信したい会社 | 階層別の育成やOJTの内容を標準化し、学習の進み具合まで管理したい会社 | コンプライアンス研修を全従業員に毎年受講させ、督促や集計の手間を減らしたい会社 | 研修後の理解度をテストで確かめ、受講結果を集計・出力したい会社 |
| 特徴 | シンプルな操作画面、スマートフォン・タブレット対応、理解度テスト、自社仕様へのカスタマイズ。独自の教材をアップロードして配信できる | 社員研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで運用、キャリアマップに沿った学習プログラム、自社オリジナルコースの作成、ライブ型のオンライントレーニング | 専門家が作成・レビューした教材、法改正に合わせた更新、自動リマインダーとダッシュボードで管理工数を削減 | CBTの技術を活かしたテスト機能、既存問題と自社問題の組み合わせ、受講結果のリアルタイム集計とデータ出力 |
| 注意したい点 | 教材コンテンツの提供はなく、自社で作成するか制作会社に依頼する必要がある。動画配信には対応プランが必要 | 自社独自の教育内容をプログラム化する際に、担当者との打ち合わせなど一定の準備が必要。電話やメールでの相談など手厚いサポートは充実サポートプランのみ | 料金は受講者数に応じて変わり、詳細は問い合わせが必要。無料トライアルの期間・内容も要確認 | AIを使ったリモート監視機能などは有償オプション。日本国外での利用はサポート対象外 |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料。OneCompliance・Smart Boarding・SAKU-SAKU Testing)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
4つのうち、特定の目的に絞らず「まずは社内の研修をオンラインに載せたい」という段階の会社で最初の候補になりやすいのがLearnOです。操作画面がシンプルでパソコン操作に不慣れな従業員でも使いやすく、自社で用意した動画やスライド、理解度テストを配信できます。一方で、教材そのものは提供されないため、社内マニュアルや研修資料を教材として用意できるかどうかが、導入を判断するポイントです。
LearnOに決めた理由は、ともかくインターネットが苦手な人でも使いやすいこと、画面の作り方が分かりやすく、ボタンの位置も目に入りやすく、色使いが新しすぎないなど、すぐに操作に馴染めるところです。
出典:LearnO導入事例 オルビス株式会社様(コールセンターの専門教育への活用)


Smart Boardingとの比較はこちら

【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!
今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。
おすすめ!
- 企業の規模に合わせた料金体系があり、どれだけ費用が掛かってくるか予算を立てやすい
- 年に4回以上のアップデートが行われており、PCの最新のOSにも対応できる
- デザインの選択やロゴの登録が可能で、オリジナル感ある資料が作れる
- 独自の教材をアップロードし、自由に設定した価格でエンドユーザーへ再販売することができる「OEM制度」も展開している
気になる…
- 教材は自社で作成する必要があるため、1から始める場合は時間や労力が掛かる可能性も
そのほかの3サービスは、後半の「目的別に見る研修サービスの選び方」で、目的ごとに詳しく紹介します。eラーニングシステム全般をさらに広く比べたい方はeラーニングシステム(LMS)の比較12選もあわせてご覧ください。
研修とは?意味・言い換え・講習との違い
研修とは、職務上必要な知識や技能を高めるために、一定の期間を設けて勉強や実習をすることです。会社が従業員に計画的に受けさせる教育を指す言葉として使われます。
研修の意味と目的
国語辞典(デジタル大辞泉)では、研修は「職務上必要とされる知識や技能を高めるために、ある期間特別に勉強や実習をすること」、またそのために行われる講習と説明されています(コトバンク「研修」)。会社が行う研修の目的は、業務に必要な知識や技能を身につけてもらうことに加えて、職場のルールや法令の理解を共有することにもあります。
「研修」の言い換えと使い分け
「研修」に近い言葉は、文脈によって使い分けます。厚生労働省の能力開発基本調査では、業務命令に基づいて通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)をOFF-JT、日常の業務に就きながら行う教育訓練をOJTと定義しています(令和7年度能力開発基本調査 用語の説明)。社内の文書や求人では、次のような言い換えがよく使われます。
| 言い換え | 主な意味・使い方 |
|---|---|
| 社員教育・従業員教育 | 会社が従業員に行う教育全般。研修よりも広く、日常の指導を含めて使われる |
| 教育訓練 | 行政の資料や助成金の制度で使われる言い方。能力開発基本調査でもこの言葉が使われている |
| 人材育成 | 研修に加えて、配置や評価、キャリア支援を含めた会社の取り組み全体を指す |
| OFF-JT | 職場を離れて行う研修。集合研修や外部セミナー、eラーニングによる学習が含まれる |
| OJT | 仕事をしながら先輩や上司から教わる教育。計画的に行う場合は研修の一部として扱われる |
研修と講習の違い
国語辞典では、講習は「集まって、学問・技芸などを学習すること。また、その指導をすること」と説明されています(コトバンク「講習」)。研修は職務に必要な知識や技能を高めるという目的に重点があり、講習は集まって学ぶ場や形式に重点があります。実務では、研修の中で講習形式の講義を行うことも多く、両者は重なる部分があります。会社の施策として呼ぶときは、目的が育成にある場合は「研修」、特定の知識や技能を限られた時間で学ぶ場を指す場合は「講習」と使い分けると誤解が少なくなります。
「研修する」の例文
「研修する」は、研修を受ける場合にも実施する場合にも使えます。受ける側なら「来週から新入社員研修に参加します」「情報セキュリティ研修を受講しました」、実施する側なら「全従業員を対象にハラスメント防止の研修を実施します」「管理職を集めて評価者研修を行います」のように使います。
企業研修の費用相場|見積もりの比べ方と内訳
厚生労働省「令和7年度能力開発基本調査」によると、企業がOFF-JT(通常の仕事を一時的に離れて行う研修)に支出した費用は、労働者1人当たり平均2.0万円(令和6年度実績)です。この平均額は費用を支出した企業だけを対象にした値で、前回調査の1.5万円から0.5万円上がっています(調査結果の概要)。
同じ調査では、OFF-JTまたは自己啓発支援に費用を支出した企業は54.4%で、いずれにも支出していない企業が45.5%でした。また、事業所調査では、能力開発や人材育成に何らかの問題があるとする事業所が80.1%にのぼります。約半数の企業は研修費用を支出しておらず、支出している企業も多くが課題を抱えている状態です。「他社がいくら使っているか」よりも、「自社の目的に対して妥当な費用か」を判断できるように、費用の構造を理解しておくことが大切です。
研修費用の内訳
研修費用は、講師や教材にかかる直接費だけではありません。研修の形式によって、次のような費用が組み合わさります。見積もりを比べるときは、どの項目が含まれていて、どの項目が別料金なのかを必ず確認しましょう。
| 費用項目 | 内容 | 発生しやすい研修形式 |
|---|---|---|
| 講師料・受講料 | 講師への謝礼、外部セミナーの参加費、研修プログラムの利用料 | 講師派遣型、公開講座型 |
| ライセンス費・システム利用料 | eラーニングシステムの月額・年額利用料、受講ID数に応じた料金 | eラーニング型 |
| 教材費・コンテンツ制作費 | テキスト、動画教材の購入や制作、テスト問題の作成 | すべての形式(自社教材を作る場合は特に大きい) |
| カスタマイズ費 | 自社の課題に合わせたプログラム設計、独自機能の追加 | オーダーメイド型、eラーニングの個別開発 |
| 会場費・交通費・宿泊費 | 研修会場のレンタル、講師や受講者の移動費 | 集合研修、拠点をまたぐ研修 |
| 受講中の人件費 | 研修時間中に業務を離れる従業員の賃金(見積書には表れない) | すべての形式(長時間の集合研修ほど大きい) |
見落とされやすいのが、最後の「受講中の人件費」です。1日がかりの集合研修に30人を参加させれば、その日の30人分の業務が止まります。研修会社に支払う費用が安くても、受講時間が長ければ会社全体の負担は大きくなります。反対に、eラーニングで隙間時間に受講できるようにすれば、見積書上の費用は同程度でも、現場の負担を抑えられることがあります。
研修の見積もりを比べるときの確認項目
「研修 見積もり」を取る段階で多いのが、会社ごとに見積もりの項目や前提がそろわず、総額を比べられないという悩みです。依頼するときに同じ条件を伝え、見積書の内訳を次の項目で確認すると、比較しやすくなります。
| 確認項目 | 確認すること | 抜けやすい例 |
|---|---|---|
| 依頼時に伝える条件 | 研修の目的、対象者と人数、実施時期、形式(集合・オンライン・eラーニング)、期待する成果 | 条件が会社ごとに違うと、見積もりを同じ基準で比べられない |
| 含まれる範囲 | 講師料、教材費、会場費、交通費、事前のヒアリング、研修後のフォロー、効果測定 | 教材費や事後フォローが別料金になっている |
| 追加費用の条件 | 人数や日程の変更、キャンセル、オプション(カスタマイズ、追加コース)の扱い | 見積もり後に増減する条件が書面に書かれていない |
| 税区分と有効期限 | 税込か税抜か、見積もりの有効期限 | 税抜のまま比べて、総額を見誤る |
| 総額の比べ方 | 2社から3社を同じ条件にそろえ、受講中の人件費も加えた総額で比べる | 見積書の金額だけで判断し、受講時間の差を見落とす |
形式別の費用の考え方
研修の費用は、「1回ごとに払うか」「期間で払うか」という料金の形で比べると整理しやすくなります。講師派遣型の集合研修は1回・1日単位で費用が決まり、受講人数が増えても講師料は大きく変わらないことが多いため、同じ内容を大人数に一度に行う場合に1人当たりの費用が下がります。公開講座(外部セミナー)は1人当たりの参加費で決まるため、少人数を派遣するときに向いています。
eラーニング型は、受講ID数や期間に応じた月額・年額で決まるのが一般的です。一度導入すれば同じ教材を何度でも配信でき、中途入社者にも同じ内容を受講させられるため、毎年繰り返す研修や、入社時期がばらばらな会社で費用対効果が高くなりやすい形式です。ただし、自社独自の教材を用意する場合は、システム利用料とは別に教材の作成工数や制作費がかかります。
研修会社に依頼する場合と社内で運営する場合の費用
研修会社に依頼すると、プログラムの企画、講師、教材をまとめて任せられる一方で、講師料や企画費が費用の中心になります。社内で運営する場合は、講師を務める社員の人件費や教材づくりの工数が、見積書に表れない形で発生します。eラーニングは両者の中間にあたり、教材づくりは自社で行い、配信や受講管理はシステムに任せる形になります。
費用の面では、実施の頻度が低く専門性の高い内容は研修会社に依頼し、毎年繰り返す共通の内容はeラーニングや社内の運営に移す、という使い分けが現実的です。どちらが安いかは、実施の回数と対象人数、教材を作れる社内の体制によって変わるため、年間の総額で比べましょう。
対象別に見た費用の傾向
新入社員研修は、ビジネスマナーや社会人の基礎を一斉に教える内容が中心のため、集合研修とeラーニングを組み合わせて行う会社が多く見られます。受講人数が多い年ほど1人当たりの費用は下がりますが、入社時期が分散する会社では、同じ内容を何度も実施する負担が生じます。管理職研修は、ケーススタディや討議など少人数で行う内容が多く、1人当たりの費用は高くなりやすい傾向があります。
コンプライアンス研修は、全従業員を対象に毎年繰り返すことが多いため、1回ごとの費用よりも「年間を通した運用費」で比べるのが適しています。語学研修は、成果が出るまでに一定の学習期間が必要なため、受講期間や継続を支える仕組みまで含めて比べましょう。研修会社の見積もりやサービスの料金は条件によって変わるため、ここで挙げたのはあくまで考え方の目安です。実際の金額は必ず複数社の見積もりで確認してください。
研修費用は会社負担か自己負担か
予算を組む段階でよく問題になるのが、研修の費用を会社と従業員のどちらが負担するのかという点です。一般的には、会社が受講を指示する研修や、業務を行ううえで欠かせない研修は、会社が費用を負担するものとされています。一方で、従業員が自分の意思で参加する自己啓発(業務と直接関係しない資格の取得や語学学習など)は、本人負担としたうえで、会社が受講料の一部を補助する制度を設ける形が多く見られます。
費用とあわせて整理しておきたいのが、受講時間の扱いです。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間を、労働時間として扱わなければならない時間の例として挙げています(厚生労働省の案内ページ)。eラーニングは時間や場所を選ばず受講できる反面、受講を必須としながら業務時間外や自宅での視聴に任せていると、その時間の扱いが曖昧になりがちです。必須の研修は業務時間内に受講時間を確保する、時間外に受講させる場合は労働時間として記録する、といった運用を先に決めておきましょう。
どの研修が「必須」で、どの研修が「任意」なのかが曖昧なままだと、費用負担と受講時間の両方で従業員との認識のずれが生じやすくなります。研修の種類ごとに、受講が必須か任意か、費用をどちらが負担するか、受講時間を労働時間として扱うかを一覧にまとめ、就業規則や研修規程に明記して周知しておくと安心です。労働時間に当たるかどうかは個別の状況によって判断されるため、迷う場合は社会保険労務士などの専門家や労働基準監督署に確認してください。
研修サービスの4タイプ|総合支援型・選択型・特化型・オーダーメイド型
研修サービスは、提供範囲の広さと自社に合わせる度合いによって、総合支援型、選択型eラーニング型、特定スキル特化型、オーダーメイド型の4タイプに分けられます。タイプごとに得意な場面と注意点が違うため、自社の状況に合うタイプから候補を絞り込むと、比較の手間が減ります。
| タイプ | 概要 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 総合支援型 | 研修体系の設計から実施、効果測定まで一貫して支援する | 研修体系がまだなく、全体設計から相談したい会社 | 費用が大きくなりやすい。社内にノウハウが残りにくい場合がある |
| 選択型eラーニング型 | 用意された教材や自社教材を、システム上で選んで受講させる | 拠点が分散している、受講時期がばらばらな会社 | 受講が任意だと進まない。督促や進捗管理の運用が必要 |
| 特定スキル特化型 | 語学、コンプライアンス、テストなど1つの領域に絞って提供する | 目的がはっきりしている会社、既存の研修を補いたい会社 | 複数導入すると管理画面やアカウントが分かれる |
| オーダーメイド型 | 自社の課題に合わせて内容をゼロから設計する | 業務が独自で、既製の教材では合わない会社 | 設計に時間と費用がかかる。要件を社内で整理しておく必要がある |
実務では、1つのタイプだけで完結させるよりも、組み合わせて使う会社が多くあります。たとえば、全社で共通の基礎研修やコンプライアンス研修は選択型や特化型のeラーニングで効率よく回し、管理職の討議型研修や自社独自の技術研修はオーダーメイド型や集合研修で行う、といった分担です。すべてを集合研修で行うと費用と現場の負担が大きくなり、すべてをeラーニングにすると対話や実践の機会が不足しがちです。
タイプを選ぶ際の判断軸は、主に次の3つです。1つ目は「研修の内容が他社と共通か、自社独自か」で、共通なら既製の教材がある選択型や特化型、独自ならオーダーメイド型や自社教材を載せられるシステムが向いています。2つ目は「受講者が同じ場所・同じ時期に集まれるか」で、集まれないならeラーニングの比重を高めます。3つ目は「社内に研修を運用する担当者がいるか」で、担当者が少ないなら、受講督促や集計を自動化できるサービスを選ぶと運用が続きやすくなります。
選択型のeラーニングで、まず自社の資料やマニュアルを教材にして配信したい場合は、自社教材を載せられるシステムが出発点になります。先に紹介したLearnOのように、教材の提供はなく自社で用意する前提のサービスもあるため、教材を作れる体制があるかどうかも、資料で確認しておきましょう。
目的別に見る研修サービスの選び方
研修の目的がはっきりしている場合は、その目的に特化したサービスを選ぶと、教材の質と運用のしやすさの両方で成果につながりやすくなります。ここでは、階層別育成、語学研修、コンプライアンス研修、理解度テスト、チームビルディングの5つの目的ごとに、選び方のポイントと向いているサービスを紹介します。
階層別研修・OJTの標準化
新入社員、中堅社員、管理職と、階層ごとに身につけてほしい内容を体系立てて教えたい場合は、「どの階層で、いつまでに、何ができるようになってほしいか」を先に決めることが出発点になります。厚生労働省も、職業能力の評価の目安として業種・職種ごとの「職業能力評価基準」を公開しており、自社の育成目標を整理する際の参考になります(職業能力評価基準)。
階層別研修でよく起きる課題が、OJTの属人化です。現場の先輩が教える内容や教え方がばらばらで、配属先によって新入社員の成長に差が出てしまうケースは少なくありません。OJTで教えている内容を動画や資料にして学習プログラムに組み込めば、誰が教えても同じ内容を伝えられ、指導者の負担も減らせます。OJTの教材づくりについてはOJTでマニュアル作成が必要な理由とは?作り方のポイントも解説もあわせてご覧ください。選ぶ際は、階層別のプログラムを作れるか、自社の教材と既製の教材を組み合わせられるか、学んだ内容を実践する場があるかを確認しましょう。
こうした階層別の育成とOJTの標準化に向いているのがSmart Boardingです。社員研修、OJT、eラーニングを1つのシステムで運用でき、メンバー階層・管理職階層・経営層に整理したキャリアマップに沿って学習プログラムを作成できます。動画を見るだけで終わらせず、ライブ型のオンライントレーニングで学んだ内容を実践できる点も特徴です。一方で、自社独自の教育内容をプログラム化する段階では担当者との打ち合わせなど一定の準備が必要なため、導入初期の工数を見込んでおきましょう。
Smart Boarding導入により、場所に関わらず全社員が「同じ基準の教育」を受けられる環境が整いました。
出典:Smart Boarding導入事例 株式会社シーアールイー様
株式会社FCE
Smart Boarding
株式会社FCE
Smart Boarding
目指したい社員教育を実現!OJTや研修など社員教育に悩んでいる企業におすすめ


LearnOとの比較はこちら

【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!
今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。
おすすめ!
- 内定者・新人教育からリーダー・管理職育成まであらゆるシーンで活用
- 属人化を防いでいつでも何回でも学習できる環境を実現
- 自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理も行える
気になる…
- 電話やメール相談、教育プログラム設計といった手厚いサポートを受けられるのは「充実サポートプラン」のみ
語学研修
語学研修は、他の研修と比べて成果が出るまでに時間がかかるのが特徴です。数回の集合研修だけで英語力が大きく伸びることは期待しにくく、日々の学習を続けられる仕組みがあるかどうかが成果を左右します。そのため、受講者のレベルに合ったコースを選べるか、学習の継続を促すサポートがあるか、読む・聞く力に加えて話す力を鍛える機会があるかを確認することが大切です。
また、語学研修は目的の設定が曖昧になりやすい研修でもあります。「全社の英語力を底上げしたい」のか、「海外取引の担当者に会議や交渉で使える英語を身につけてほしい」のかで、選ぶべきコースは異なります。前者なら総合的な英語力を測る試験のスコアを目標にしたコース、後者ならビジネス英会話やライティングなど実務に直結するコースが向いています。受講前後で同じ指標を測れるようにしておくと、研修の効果を社内に説明しやすくなります。
語学の教材やコースそのものは、語学に特化したサービスから選ぶのが基本です。この記事で比べている4サービスの商品ページには、語学教材についての記載はありません。学習の進み具合の管理や、自社で用意した教材の配信を学習管理の仕組みで行いたい場合は、LearnOやSmart Boardingのように自社の教材を載せられるサービスが候補になりますが、語学教材を含むかどうかは資料で確認してください。英語学習向けのサービスを比べたい方は英語学習向けeラーニングシステム11選も参考にしてください。
コンプライアンス研修
コンプライアンス研修は、ハラスメント防止、個人情報保護、情報セキュリティ、下請取引など、法令や社会のルールに関わる内容を扱います。職場のハラスメントについては、事業主に方針を明確にして従業員へ周知・啓発することなどの措置が義務付けられており、研修はその周知・啓発の手段の1つになります。さらに、カスタマーハラスメントの防止措置も2026年10月1日から事業主の義務となりました。厚生労働省は、カスタマーハラスメント対策の取り組みとして、研修等の実施により労働者の顧客等への理解を深めることが望ましいとしています(職場におけるハラスメントの防止のために)。
コンプライアンス研修の難しさは、法改正に合わせて教材を更新し続けなければならないことと、全従業員に確実に受講させる必要があることの2点です。自社で教材を作る場合は、法改正のたびに内容を見直す手間がかかります。また、受講状況を担当者が手作業で集計し、未受講者に個別に連絡していると、担当者の負担が大きくなるうえに集計ミスも起きやすくなります。選ぶ際は、専門家が監修した教材が法改正に合わせて更新されるか、受講督促や集計を自動化できるかを確認しましょう。
コンプライアンス研修に特化したサービスとして挙げられるのがOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。元行政機関の弁護士などの専門家が教材を作成・レビューしており、法務・労務・情報領域の研修をまとめて受講させられます。ハラスメント予防は管理者向けと全従業員向けに分かれているなど、対象階層に合わせてコースを選べる点も特徴です。自動リマインダーやダッシュボードによって、受講状況の把握と督促の手間を減らせます。料金は受講者数に応じて変わるため、事前に問い合わせて確認しましょう。コンプライアンス研修向けのサービスを広く比べたい方はコンプライアンス研修向けeラーニングシステムおすすめ12選もご覧ください。
導入の背景として「社内に法務専任担当や教育専任担当がおらず、社内のみでの実施が困難」、お役立ちポイントとして「時間・場所を選ばずにeラーニングで受講でき、またテキスト・動画、どちらでも学習可能」と紹介されています。
出典:OneCompliance公式サイト 導入事例 株式会社プリメディカ様
株式会社Oyster
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
株式会社Oyster
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
コンプライアンスに特化!上場準備中/IPO準備中、上場企業、大手グループ会社、監査法人、金融機関/フィンテック、中堅/中小企業の方に特におすすめ

おすすめ!
- 上場準備中/IPO準備中の企業にも最適
- ダッシュボードや自動リマインダーなど管理工数を最小化
- 初期費用なし、受講人数に合わせた料金体系のためコストを最適化
気になる…
- 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認
理解度テスト・定着確認
研修を実施しても、受講者が内容を理解し、仕事で使えるようになったかを確かめなければ、効果があったかどうかは分かりません。受講したかどうかだけを記録している会社は多いものの、理解度まで測れている会社は限られます。研修の直後に確認テストを行い、一定の点数に届かなかった受講者には再受講や補足説明を行う、という仕組みを作ると、研修の定着度は大きく変わります。
テストを選ぶ際は、既製の問題だけでなく自社独自の問題を作れるか、選択式だけでなく記述式などの問題形式に対応しているか、部署や階層ごとに結果を集計できるかを確認しましょう。集計結果から「どの部署で、どの問題の正答率が低いか」が分かれば、次の研修で重点的に説明すべき内容が見えてきます。
理解度テストと定着確認に強いのがSAKU-SAKU Testingです。CBTの技術を活かしたテスト機能を持ち、専門家が作成・監修した設問と自社で作ったオリジナルの設問を1つのテストにまとめて出題できます。選択式、穴埋め、並び替え、記述などの問題形式に対応し、受講状況や結果はリアルタイムで集計されます。コンプライアンスや階層別研修の教材も揃っているため、テストと学習をまとめて行いたい会社にも向いています。AIを使ったリモート監視などの機能は有償オプションとなる点、日本国外での利用はサポート対象外である点は確認しておきましょう。
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
初心者にも◎受講者の管理をスムーズに行いたい方におすすめ
おすすめ!
- 不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数搭載
- あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意
- ユーザー管理機能を備えているため、より細かな対象でカテゴリーやグループを紐づけられる
気になる…
- 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる
チームビルディング・コミュニケーション研修サービスの比べ方
チームビルディング研修は、メンバー同士の対話や共同作業を通じて、関係づくりや目標の共有を進める研修です。対面やオンラインの体験型プログラムが中心で、eラーニングだけでは成果を出しにくい分野です。研修サービスを比較するときは、次の4つを軸にすると違いが見えやすくなります。
- 目的:関係づくり、目標の共有、対立の解消のどれを主なねらいにするか
- 人数と時間:対象のチームの人数と、確保できる時間に合ったプログラムか
- 形式:対面、オンライン、ハイブリッドのどれで行うか。遠隔地のメンバーが含まれるか
- 研修後のつなぎ方:振り返りや日常業務への落とし込みの仕組みがあるか
この記事で比べている4サービスの商品ページには、体験型のチームビルディング研修そのものの記載はありません。ただし、研修前後の学習を補う使い方はできます。たとえばSmart Boardingの導入事例では、対面の管理職研修と、研修内容を復習できるオンライン学習を組み合わせています。LearnOの導入事例には、対面研修のあとの確認にアンケート機能を使い、集計の工数が減ったという声があります。体験型の研修は研修会社に依頼し、事前課題や振り返りの管理をeラーニングで補う、という分担も1つの方法です。
研修会社・研修サービスを比べる5つのポイント
研修会社や研修サービスを比べるときは、「目的との一致」「研修の設計」「提供者の実績」「費用の中身」「運用とサポート」の5つで見比べると、見積書や資料の違いが整理できます。講師を派遣する研修会社にも、eラーニングにも共通して使える見方です。
| 比べるポイント | 確認すること | 資料請求・問い合わせで聞くこと |
|---|---|---|
| 1. 目的との一致 | その研修で現場の何を変えたいか。対象者と階層は合っているか | 同じ課題や同じ階層での導入例があるか |
| 2. 研修の設計 | 受講前の準備、受講中の演習、受講後のフォローまで含むか | 受講後の確認テストや、上司が行動の変化を確認する仕組みがあるか |
| 3. 提供者の実績と対応範囲 | 対応できる階層・テーマ・形式。導入実績や導入事例の内容 | 自社と同じ業種や規模の導入事例を見せてもらえるか |
| 4. 費用の中身 | 見積もりに含まれる範囲、追加費用の条件、受講中の人件費も含めた総額 | 人数や日程が変わったときの費用、オプションの料金体系 |
| 5. 運用とサポート | 受講管理、督促、集計の機能。問い合わせ窓口とサポートプランの違い | 手厚いサポートは標準かオプションか。運用担当者が少なくても回せるか |
5つめの「運用とサポート」は、導入後に差が出やすい点です。たとえばSmart Boardingは、電話やメールでの相談、教育プログラムの設計といった手厚いサポートを受けられるのは「充実サポートプラン」のみと商品ページで案内されています。SAKU-SAKU Testingも、事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いです。サポートの範囲がプランによって違うことを前提に、必要な支援が標準に含まれるかを資料で確認しましょう。
表の「聞くこと」は、資料請求や問い合わせの質問としてそのまま使えます。各社に同じ質問を投げて回答を並べると、料金の金額だけでは見えない違いが比べやすくなります。
研修の運用、今のやり方で足りていますか?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
研修費用を抑える方法|人材開発支援助成金の活用
研修費用を抑える代表的な方法が、厚生労働省の「人材開発支援助成金」の活用です。職務に関連した知識や技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。eラーニングや定額制(サブスクリプション型)の訓練が対象になるコースもあります。
主なコースと対象になる研修
人材開発支援助成金には複数のコースがあり、研修の目的や形式によって使うコースが変わります。厚生労働省のページで公開されている内容をもとに、企業研修で使われることが多いコースを整理すると次のとおりです(人材開発支援助成金)。
| コース名 | 主な対象 |
|---|---|
| 人材育成支援コース | 職務に関連した知識・技能を習得させる訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者の正社員化を目指す訓練 |
| 人への投資促進コース | デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)など |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新規事業の立ち上げなど事業展開に伴い、新たな分野で必要となる知識・技能を習得させる訓練 |
| 教育訓練休暇等付与コース | 有給の教育訓練休暇制度などを導入し、労働者が休暇を取得して訓練を受けた場合 |
このほか、建設業や障害者の職業能力開発を対象としたコースもあります。助成率や上限額、対象となる訓練の時間数などの要件はコースや企業規模によって異なります。支給要領は年度途中にも改正され、2026年度(令和8年度)は、4月8日に人材育成支援コースの中高年齢者実習型訓練の新設などが公表され、5月14日には受講料等の価格設定に関する疎明書の提出が必要な場合があることが示されました。8月3日には、eラーニング訓練実施結果報告書の様式も改正されています。申請を検討する際は、必ず厚生労働省のページで最新の支給要領とパンフレットを確認してください。
申請の基本的な流れ
人材開発支援助成金は、研修を実施した後に申請すればよいものではありません。原則として、研修を始める前に訓練計画を届け出る必要があります。一般的な流れは次のとおりです。
- 研修の目的と対象者を決め、使うコースと要件を支給要領で確認する
- 職業能力開発推進者の選任など、コースごとに求められる社内の準備を行う
- 訓練を始める前に、訓練計画届を管轄の労働局に提出する(電子申請にも対応)
- 計画に沿って研修を実施し、受講記録や経費の支払いを証明する書類を保管する
- 訓練の終了後、定められた期間内に支給申請書を提出する
特に注意したいのが、書類の保管と申請期限です。eラーニングで研修を行う場合は、受講時間などを示す実施結果の報告書の提出が求められます。受講履歴をシステムから出力できるかどうかは、サービス選びの段階で確認しておくと安心です。たとえばSAKU-SAKU Testingは、受講状況や結果がリアルタイムで集計され、テストの統計情報の確認とデータ出力ができると商品ページで紹介されています。また、厚生労働省は不正受給を行った事業主を公表するとしています。研修会社から「実質無料になる」といった提案を受けた場合は、助成の対象経費や助成率には条件がある点に注意し、内容を慎重に確認しましょう。eラーニングで使える助成金の全体像はeラーニング導入で使える助成金とはでも解説しています。
助成金以外で費用を抑える工夫
助成金のほかにも、費用を抑える工夫はあります。まず、毎年繰り返す研修や全社共通の研修をeラーニングに移すことで、講師料や会場費、移動にかかる時間を減らせます。次に、社内にすでにある研修資料やマニュアルを教材として活用すれば、教材の制作費を抑えられます。さらに、研修の目的と対象者を絞り込むことも効果的です。「念のため全員に受講させる」研修が多いと、受講人数に比例して費用が増えるうえに、受講者の集中力も下がります。
なお、研修費用の会計処理や税務上の扱いは、研修の内容や支出の形態によって異なる場合があります。本記事は税務や法律に関する助言を目的としたものではありません。助成金の受給要件や会計処理の判断は、管轄の労働局や税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
受講結果を集計し、記録として出力したい会社に
SAKU-SAKU Testingの資料を無料でダウンロードできます
研修導入・選定でよくある失敗パターン
研修の導入で多い失敗は、「目的を決めずにサービスを選ぶ」「受講させて終わりにする」「導入後の運用担当を決めていない」の3つです。いずれも、サービスを選ぶ前の準備で防ぐことができます。スイッチを切り替えると、それぞれの回避策を確認できます。
失敗パターン1:機能の多さで選んだ。多機能なサービスを導入したものの、使う機能は一部だけで、担当者も使いこなせずに費用だけがかかった。
失敗パターン2:受講させて終わりにした。受講率は100%になったが、理解度を確かめておらず、現場の行動は研修前と変わらなかった。
失敗パターン3:運用担当を決めずに導入した。受講の督促や教材の更新をする人がおらず、半年後には誰もログインしなくなった。
3つの失敗に共通するのは、「研修を実施すること」自体がゴールになってしまっていることです。研修の本来の目的は、受講者の行動や仕事の成果が変わることにあります。サービスを選ぶ前に「研修が終わった3か月後に、現場で何ができるようになっていてほしいか」を具体的に書き出してみると、必要な機能や運用の体制が自然と見えてきます。
研修の効果を測る方法としては、受講者の満足度、理解度、現場での行動の変化、業績への影響という段階で考える方法がよく知られています。すべてを測るのは難しくても、少なくとも理解度テストと、上司による行動の変化の確認までは仕組みに組み込んでおくと、次の研修の改善につなげられます。厚生労働省の令和7年度の調査でも、能力開発や人材育成に問題を感じる事業所は80.1%にのぼっており、研修をやりっぱなしにしない仕組みづくりは多くの会社に共通する課題といえます。
運用担当を決めきれない場合は、督促や集計をシステム側で自動化できるかどうかが、現実的な判断基準になります。毎年全従業員に同じ研修を受講させるコンプライアンス研修のように、受講状況の確認と未受講者への連絡に手間がかかる研修ほど、自動リマインダーやダッシュボードのある仕組みの効果が出やすくなります。
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
毎年のコンプライアンス研修で、督促や集計に追われていませんか?
こんな会社に向いています
全従業員に毎年同じ研修を受講させる必要がある
受講状況の確認や督促を、手作業で行っている
研修コストを数値で確認する
研修の総コストは「研修会社やサービスに支払う費用」と「受講中の人件費」の合計で考えると、形式ごとの違いが見えやすくなります。以下のシミュレーターに、見積もりの金額や受講人数、受講時間を入力すると、総コストと1人当たりのコストの目安を試算できます。集合研修とeラーニングの見積もりを当てはめて比べてみてください。
簡易シミュレーター:研修の総コスト(支払い費用と受講中の人件費)を試算
1人当たりの総コストは約3.8万円、助成金の補填を差し引いた実質負担は約113万円です。
※入力値をもとにした簡易計算です。助成金の補填割合は、支払い費用と人件費の合計に一律で掛けた概算であり、実際の助成率・上限額・対象経費はコースや企業規模、訓練内容によって異なります。受給の可否や金額は、厚生労働省の支給要領や管轄の労働局で確認してください。
試算してみると、受講時間が長い研修ほど、見積書には表れない人件費の割合が大きくなることがわかります。たとえば、1日がかりの集合研修を数時間のeラーニングと確認テストに置き換えられれば、支払い費用が同程度でも総コストは下がる可能性があります。一方で、討議や実技など対面でしか身につかない内容を無理にeラーニングに置き換えると、効果が下がってしまいます。コストの比較は、研修の目的を満たせることを前提に行いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 研修とはどういう意味ですか?
A. 研修とは、職務上必要な知識や技能を高めるために、一定の期間を設けて勉強や実習をすることです。会社が従業員に計画的に受けさせる教育を指して使われ、新入社員研修、管理職研修、コンプライアンス研修、語学研修などの種類があります。社内の文書では「社員教育」「教育訓練」「人材育成」といった言い換えも使われます。
Q2. 研修と講習の違いは何ですか?
A. 研修は、職務に必要な知識や技能を高めるという目的に重点があり、一定の期間に勉強や実習を重ねる活動を指します。講習は、集まって学問や技芸などを学習すること、またその指導を指し、学ぶ場や形式に重点があります。実務では、研修の中で講習形式の講義を行うことも多く、両者は重なる部分があります。
Q3. 企業研修の費用相場はどれくらいですか?
A. 厚生労働省の「令和7年度能力開発基本調査」では、企業がOFF-JTに支出した費用は労働者1人当たり平均2.0万円(令和6年度実績、費用を支出した企業の平均)です。ただし実際の費用は、研修の形式、対象者、受講人数、カスタマイズの有無によって大きく変わります。見積もりを比べる際は、講師料や利用料に加えて、教材費や会場費、受講中の人件費も含めた総額で考えることが大切です。
Q4. 研修会社の見積もりでは何を確認すればよいですか?
A. 会社ごとに同じ条件(目的、対象者と人数、実施時期、形式)を伝えたうえで、見積もりに含まれる範囲(講師料、教材費、会場費、交通費、事後フォローなど)を確認します。あわせて、人数や日程が変わったときの追加費用、キャンセルの条件、税込か税抜か、有効期限も書面で確認し、2社から3社を同じ条件で比べましょう。
Q5. 研修会社とeラーニングはどちらを選べばよいですか?
A. 毎年繰り返す研修や全社共通の研修、受講時期がばらばらな研修はeラーニングが向いています。討議や実技など対面で行うことに意味がある研修、自社独自の課題に合わせて内容を設計したい研修は、研修会社による集合研修やオーダーメイド型が向いています。両者を組み合わせて使い分ける会社も多くあります。
Q6. 人材開発支援助成金はeラーニングの研修にも使えますか?
A. コースや要件によっては、eラーニングや定額制(サブスクリプション型)の訓練も対象になります。ただし、原則として研修を始める前に訓練計画を届け出る必要があり、受講時間などを示す実施結果の報告書の提出も求められます。支給要領は年度途中にも改正されるため、最新の要件を厚生労働省のページや管轄の労働局で確認してください。
まとめ
研修サービスを選ぶ際は、費用の安さや機能の多さから選ぶのではなく、研修の目的と対象者を先に決めることが成功の近道です。この記事の内容を踏まえて、次の順番で進めてみてください。
- 目的と対象者を決める:自社教材の配信、階層別育成、コンプライアンス、理解度確認のどれを主な目的にするかを決め、研修後に現場で何ができるようになってほしいかを書き出します。
- 形式とタイプを選ぶ:内容が共通か独自か、受講者が集まれるか、運用担当者がいるかをもとに、集合研修とeラーニング、4つのタイプの組み合わせを考えます。
- 見積もりを同じ条件で比べる:2社から3社に同じ条件を伝えて見積もりを取り、支払い費用だけでなく受講中の人件費も含めた総額で比べます。
- 助成金の要件を確認する:人材開発支援助成金を使う場合は、研修を始める前に最新の支給要領を確認し、訓練計画を届け出ます。
- 候補のサービスを資料で比べる:目的に合うサービスを2つから3つに絞り、資料請求で機能、サポートの範囲、見積もりの条件を比べます。
- 理解度と定着を確かめる:研修直後の確認テストと、現場での行動の変化の確認までを仕組みに組み込み、次の研修の改善につなげます。
研修は一度実施すれば終わりではなく、目的の設定、実施、効果の確認、改善を繰り返して育てていく取り組みです。自社の状況に合ったサービスを選び、無理なく続けられる研修の仕組みを作っていきましょう。
参考文献
- 厚生労働省「令和7年度「能力開発基本調査」の結果」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「令和7年度能力開発基本調査 調査結果の概要」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「令和7年度能力開発基本調査 用語の説明」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「能力開発基本調査」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「人材開発」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「職業能力評価基準」、2026年10月15日確認
- 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、2026年10月15日確認
- 小学館 デジタル大辞泉(コトバンク)「研修」、2026年10月15日確認
- 小学館 デジタル大辞泉(コトバンク)「講習」、2026年10月15日確認
- LearnO「導入事例 オルビス株式会社様」、2026年10月15日確認
- Smart Boarding「導入事例 株式会社シーアールイー様」、2026年10月15日確認
- OneCompliance「公式サイト(導入事例)」、2026年10月15日確認

