ファイル同期・共有サービスの使い方|複数デバイス間の同期と社内共有を解説
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- 保存・同期・共有の3つの使い方と設定がわかる
- 共有リンク・共有フォルダ・ファイルリクエストの使い分けがわかる
- 無料と有料プランの違いと共有後の連絡の決め方がわかる
Dropboxの使い方は、「保存する」「同期する」「共有する」の3つに分けて考えると整理できます。パソコンにインストールしたDropboxフォルダへファイルを保存するだけで、スマートフォンなど他の端末にも自動で同期され、共有リンクやファイルリクエストで取引先ともやり取りできます。操作は難しくありませんが、同期の仕組みと共有方法の使い分けを知らないまま使い始めると、「端末ごとに内容が違う」「共有リンクの権限が分からない」「どれが最新版か分からない」といったつまずきが起こりがちです。この記事では、Dropboxを例に、始め方と同期の設定、共有方法の使い分け、無料と有料プランの違い、業種別の活用、よくある失敗、セキュリティ設定までを順に解説します。
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Q1. Dropboxをどんな場面で使いますか?
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Dropboxの使い方の全体像|保存・同期・共有の3つと、仕事で増える連絡の手間
Dropboxの使い方は、専用フォルダへの保存、端末間の自動同期、リンクなどによる共有の3つです。保存したファイルは、同じアカウントでログインした別の端末にも反映されます。
| 3つの使い方 | できること | 主な操作 |
|---|---|---|
| 保存 | 文書・画像・動画などを、形式を問わずクラウドに置く | パソコンのDropboxフォルダへ入れる、またはブラウザからアップロードする |
| 同期 | パソコン・スマートフォン・タブレットで同じファイルを開く | 各端末で同じアカウントにログインする(同期自体は自動) |
| 共有 | 取引先やチームとファイルを受け渡し、ファイルを集める | 共有リンク、共有フォルダ、ファイルリクエストを使い分ける |
スマートフォン、タブレット、パソコンのファイルをそろえたいだけなら、Dropboxのような専用サービスのほか、普段使っているGoogleやMicrosoft、Appleのアカウントに付いているストレージでも目的は果たせます。選ぶときの軸は、すでに会社で使っているアカウント基盤は何か、取引先とどう受け渡すか、会社としてメンバーと権限を管理できるか、の3つです。Googleドライブとの違いは、後半の「無料プランと有料プランの違い」で整理します。
仕事で使い始めると、操作そのものよりも「共有したあと」の手間が目立ってきます。共有リンクを送ったあとで、相手が開いたかどうか、いつまでに確認してもらうかは、Dropboxの外でメールや電話、チャットを使って伝えることになります。案件が増えるほど、確認依頼と返事が複数の手段に散らばり、「どのやり取りで依頼したのか」を探す時間が増えます。ファイルそのものはDropboxに置いたまま、確認依頼と期限の連絡だけを案件ごとのチャットに分けるのは、見直しの一つの方法です。
この確認依頼と返事の場の一例が、株式会社kubellが提供するChatworkです。商品ページで確認した範囲では、チャットに加えてビデオ通話・音声通話が標準で使え、タスクを管理して、完了すると自動でチャットに通知されます。ファイルをアップロードして、チャット参加メンバーのみで共有することもできます。公式の機能一覧では、ファイルの共有・保存・プレビューは無料プランを含む全プランで使えると記載されています(同ページの記載は2024年11月現在)。一方で、フリープランは閲覧できるのが過去40日分、5,000件までのため、やり取りの履歴を長く残したい場合は、プランごとの内容を資料や公式サイトで確認する必要があります。なお、Chatworkは連絡と確認依頼の場であり、ファイルの版管理や長期保管をDropboxの代わりに担うものではありません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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「グループチャットに関連するシートやドキュメントのURLを概要欄に貼り付けて、すばやくアクセスできるようにしています。」
出典: Chatwork導入事例 株式会社モリチュウ(社員22名、取材2022年9月) https://go.chatwork.com/ja/case/morichu.html
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Dropboxの始め方と同期の設定|アカウント作成から端末間の同期まで
Dropboxは、アカウントを作ってデスクトップアプリを入れ、Dropboxフォルダにファイルを保存すれば使い始められます。同期は自動で行われ、同期のための特別な操作は要りません。
利用開始までの手順
| 手順 | 操作内容 | 業務利用で意識したいこと |
|---|---|---|
| 1. アカウント作成 | 公式サイトでメールアドレスとパスワードなどを登録する | 業務用は会社のメールアドレスで作成し、個人アカウントと分ける |
| 2. アプリのインストール | パソコンにはデスクトップアプリ、スマートフォンにはモバイルアプリを入れる。ブラウザからも利用できる | 会社支給の端末に入れてよいか、社内ルールを確認する |
| 3. フォルダ構成の決定 | Dropboxフォルダの中に、案件別・取引先別などのフォルダを作る | 命名規則(例:年月_案件名_版数)を最初に決めて文書化する |
| 4. ファイルの保存 | パソコンのDropboxフォルダへファイルをドラッグするか、ブラウザからアップロードする | 機密性の高いファイルは、保存してよい範囲を事前に決めておく |
| 5. 同期と共有の確認 | 別の端末で同じファイルが開けるか、共有相手からアクセスできるかを確認する | 本番運用の前に、少人数で同期と権限の動きを試しておく |
アプリのインストール手順や対応OS、保存したファイルの取り出し方は、クラウドストレージのダウンロード方法で詳しく整理しています。
端末間の同期の仕組み
デスクトップアプリを入れると、パソコンの中に「Dropbox」というフォルダが作られます。このフォルダで保存・編集したファイルは、インターネットに接続されているタイミングでクラウドへ送られ、同じアカウントでログインしている他のパソコンやスマートフォンにも反映されます。普段どおりファイルを保存するだけで同期される点が基本で、公式ヘルプでは、同期の状況をファイルやフォルダに付くアイコンで確認できると案内されています。端末間の同期の仕組みを一言でいえば、「各端末のDropboxフォルダを、クラウド上のフォルダと同じ状態にそろえ続ける」ということです。
パソコンの容量を節約する|オンライン専用と選択型同期
容量の小さいノートパソコンで使うなら、「オンライン専用」と「選択型同期」の2つを知っておくと便利です。Dropbox公式ヘルプによると、どちらもハードドライブの容量を節約できる設定ですが、仕組みが異なります。
| 設定 | 仕組み | 向いている場面・注意点 |
|---|---|---|
| オンライン専用 | ファイルはパソコン上に表示されたまま、データ本体はクラウドにだけ置く。開くと自動でダウンロードされる | 普段は参照しない過去の資料に向く。オンライン専用のファイルを削除すると、連携しているすべての端末から削除される |
| オフラインで使用可能 | データを端末にも保存し、通信がなくても開ける | 出張先や外出先で使う資料に向く。端末の容量を使う |
| 選択型同期 | 同期するフォルダを選び、外したフォルダはそのパソコンに置かない(Dropbox上のファイルは残る) | 担当外の大容量フォルダを外す使い方。ファイル単位ではなくフォルダ単位で、設定はパソコンごとに適用される |
すべてを端末に置くと容量を圧迫し、すべてをオンライン専用にすると出張先で開けずに困るため、頻繁に使うフォルダだけを端末に置くのが現実的です。ただし、オンライン専用のファイルを誤って削除するとすべての端末から消える点は、業務で使うチームの全員が知っておく必要があります。
同じファイルを複数人が編集したときの「競合コピー」
同期で起こりやすいトラブルが、「競合コピー」です。Dropbox公式ヘルプによると、複数の人が同じファイルを同時に編集したときや、一人がオフラインで編集している間に別の人が同じファイルを編集したときに作られ、最後に保存された版が競合コピーとして残ります。データを消さないための仕組みですが、放置するとどちらが正しいファイルか分からなくなります。
- 基本の対処は、両方の版を見比べて手作業で1つに統合し、不要な方を削除する
- 防ぐ方法として、公式ヘルプはDropbox PaperやMicrosoft Office Onlineなどでのリアルタイム共同編集を挙げている
- 同時に編集できない場合は、編集中のファイルを別の場所に移して作業する、チームで順番に編集する、といった運用を決める
写真・スクリーンショットの自動保存
スマートフォンのモバイルアプリでカメラアップロードを有効にすると、撮影した写真や動画がDropboxに自動で保存されます。パソコンのデスクトップアプリでは、スクリーンショットをDropboxに保存する設定も選べます。現場写真や画面の記録をすぐにチームで共有できて便利ですが、業務用のアカウントに私的な写真が混ざったり、個人のアカウントに業務の画面が保存されたりしないよう、どのアカウントで有効にするかを決めてから設定してください。
ファイルの共有方法|共有リンク・共有フォルダ・ファイルリクエストの使い分け
Dropboxの共有方法は、一度渡して終わりなら共有リンク、継続して一緒に編集するなら共有フォルダ、相手からファイルを集めるならファイルリクエストと使い分けます。共有したいファイルを選んで「共有」から操作するのが基本の流れです。
| 共有方法 | できること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 共有リンク | URLを発行して渡す。閲覧用か編集用かを選べ、Dropboxアカウントを持たない相手もファイルを開ける | 取引先への資料送付や、大きなファイルの受け渡しなど、一方向の共有 |
| 共有フォルダ(メンバー招待) | 招待したメンバーが同じフォルダのファイルを編集・同期できる。参加にはDropboxアカウントが必要 | チーム内で進行中の案件を共同で管理する |
| ファイルリクエスト | 相手にアップロード用のリンクを送り、ファイルを提出してもらう。相手はアカウント不要で、届いたファイルは自分のDropbox内の指定フォルダに入る | 顧客や応募者、顧問先からの書類回収 |
迷ったときは、「相手に編集してほしいか」と「やり取りが続くか」で考えると整理できます。共有フォルダは便利な反面、招待されたメンバーがファイルを削除・移動すると全員の画面から消えるため、社外の人を招待する場合は権限を「閲覧のみ」にするなど慎重に設定してください。大きなファイルを一度だけ送りたいときの選択肢や、転送サービスとの違いは、大容量ファイル転送の送り方と選び方で整理しています。
ファイルリクエストの作り方と上限
Dropbox公式ヘルプによると、ファイルリクエストは、dropbox.comの左側のメニューから「ファイル リクエスト」を開き、「新しいリクエスト」でタイトルを入力し、保存先のフォルダを確認して「作成」を押し、相手のメールアドレスなどを入力して共有します。パスワードの設定は任意で、保存先のフォルダは初期状態では非公開です。受け取れるファイルのサイズは、Basic・Plusなどでは2GBまで、Professional・Business・Standard・Advancedなどでは250GBまでで、提出の期限を設定できるのも後者のプランです。管理者がこの機能をオフにしているチームでは、作成できません。
共有を解除する方法
共有は「始める」だけでなく「やめる」操作も覚えておく必要があります。発行した共有リンクは、共有設定の画面からリンクを削除すれば、そのURLではファイルを開けなくなります。共有フォルダの場合は、メンバーを外すか、フォルダの共有自体を解除します。案件の終了時や取引先の担当者が変わったときに、この解除作業を手順として決めておくと、使わなくなった共有が残り続けることを防げます。
削除・上書きしたファイルを元に戻す
誤って削除した、共有メンバーが内容を上書きしてしまった、といった場合に備え、Dropboxには削除済みファイルの復元と、以前の版に戻せるバージョン履歴があります。バージョン履歴は、dropbox.comでファイルの「…」から「アクティビティ」、「バージョン履歴」の順に開きます。公式ヘルプによると、バージョン履歴の保存期間はBasic・Plus・Familyで30日、Professional・Essentials・Business・Standardで180日、Business Plus・Advanced・Enterpriseで365日です。完全に削除されたファイルやフォルダは、以前の版を表示も復元もできません。業務で使う場合は、自社のプランでどこまでさかのぼれるかを確認しておくと安心です。
ここまでの手順で、ファイルの渡し方と戻し方は決まります。残るのは、渡したあとの運用です。次のチェックで、いまのやり方に抜けがないかを確かめてみてください。
共有したあとの連絡、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
無料プランと有料プランの違い|Googleドライブとの比較も
Dropboxは、無料のBasicプランでも2GBまで使えます。業務で継続して使うなら、容量・復元期間・管理機能の面で有料プランを検討します。以下は、公式のプラン比較ページで確認した内容です(2026年10月15日確認)。
| プラン | 区分 | 保存容量 | ファイルの復元期間 |
|---|---|---|---|
| Basic(無料) | 個人用 | 2GB | バージョン履歴は30日(公式ヘルプ) |
| Plus | 個人用(1人) | 2TB | 30日以内 |
| Professional | 個人用(1人) | 3TB | 180日以内 |
| Standard | チーム(3人以上) | チーム全体で5TB | 180日以内 |
| Advanced | チーム(3人以上) | チーム全体で15TBから | 1年以内 |
Dropboxの月額料金は、プランの種類、契約する人数、支払い方法によって異なり、改定されることもあります。この記事では具体的な金額を載せませんので、検討するときはDropbox公式のプラン比較ページで最新の条件を確認してください。共有リンクのパスワードや有効期限の設定、ファイルリクエストの期限設定は、上位のプランで使える機能です。公式ヘルプの記載でもプランの対象が一部異なるため、使いたい機能がある場合は、契約前に公式で対象プランを確認してください。
業務利用で有料プランを検討する際に、容量よりも重視したいのが管理機能です。社員が各自で個人アカウントを作ると、会社としては「誰がどのデータをどこに共有しているか」を把握できません。退職者のアカウントに業務データが残り続けるといった事態を防ぐには、管理者がメンバーと権限をまとめて管理できるチーム向けのプランが基本になります。反対に、個人事業主やフリーランスが自分の端末間で同期する用途なら、個人向けの有料プランで足りるケースもあります。
Dropboxの注意したい点(欠点になりやすい点)
Dropboxの欠点として挙がりやすいのは、次の点です。いずれも、使い方とルール次第で和らげられます。
- 無料プランの容量は2GBで、業務データを継続して置くには足りなくなりやすい
- 共有リンクの権限や共有フォルダの招待を誤ると、意図しない相手にファイルが見られる、または消される
- 複数人で同じファイルを編集すると、競合コピーが作られて整理の手間が増える
- 確認依頼や期限の連絡といったコミュニケーションは、Dropbox単体の守備範囲ではなく、別の手段が要る
GoogleドライブとDropbox、どちらを使うべきか
どちらが優れているかは、会社の使い方で決まります。確認できた事実の範囲で、判断に使える違いを並べます。
| 比較の観点 | Dropbox | Googleドライブ |
|---|---|---|
| 無料の保存容量 | Basicプランで2GB | Googleアカウントで最大15GB。ドライブ・Gmail・Googleフォトで共有 |
| 考え方 | 専用フォルダを端末と同期し、リンクやファイルリクエストで受け渡す | Googleアカウントのサービスの1つとして、ストレージを他のサービスと共有する |
| 判断の軸 | 取引先とのファイル受け渡しや、端末間の同期を専用サービスで整えたいとき | すでに会社でGoogleのアカウントとサービスを使っていて、ストレージもそこにまとめたいとき |
Googleドライブの無料容量はGmailやGoogleフォトと共有されるため、メールの添付が多い会社では、見かけの容量ほど余裕がないこともあります。反対にDropboxは容量が小さい代わりに、ファイルの受け渡しに特化して使えます。ストレージの種類ごとの違いと選び方は、ファイルストレージの種類と選び方でも整理しています。
有料プランへの切り替えを検討したいサイン
- 容量不足の通知が頻繁に出て、古いファイルを削除しながら使っている
- 取引先に送る共有リンクにパスワードや有効期限をかけたい
- メンバーの入退社に合わせて、アクセス権を会社として管理したい
- 誤って削除・上書きしたファイルを、30日より長くさかのぼって復元したい
- ファイルリクエストで、2GBを超える大きなファイルを受け取りたい
ひとつでも当てはまる場合は、有料プランの条件を確認する時期です。特に、アクセス権の管理は容量の問題ではなく会社としての管理の問題であり、放置するとセキュリティリスクにつながるため、早めに対応を検討してください。
業種別の活用シーン|デザイン・営業・士業
クラウドストレージは業種を問わず身近なクラウド活用ですが、使い方の重点は業種によって異なります。ここでは3つの業種を例に、どの共有方法が合うかを整理します。
デザイン・制作会社
画像や動画、デザインデータなど大容量のファイルを、取引先や外部のフリーランスと頻繁にやり取りする業種です。完成データの納品は共有リンク、素材の受け取りはファイルリクエストと使い分けることで、メール添付の容量制限や「どのメールの添付が最新か」という混乱を避けられます。外部スタッフが多い場合は、案件終了後に共有フォルダのメンバーから外す作業を忘れずに行うことが重要です。
営業部門
提案書や製品カタログ、価格表などを、外出先からスマートフォンやタブレットで確認・提示する使い方が中心です。営業資料の置き場所を共有フォルダに一本化しておけば、担当者ごとに古い資料を使い続けるといったミスを減らせます。オンライン専用の設定を理解しておくと、移動中に資料が開けないというトラブルも防げます。
士業(会計事務所・社会保険労務士事務所など)
顧問先から領収書や給与関係の資料を定期的に受け取る士業では、ファイルリクエストが特に役立ちます。顧問先ごとに提出用のリンクを用意すれば、相手はDropboxのアカウントがなくても提出でき、メールでの添付送付も不要になります。一方で、個人情報や税務関係の書類を扱うため、後述する個人情報保護法や電子帳簿保存法の観点からの確認は欠かせません。
どの業種にも共通するのは、ファイルの受け渡しを済ませたあとの「確認したか」「いつまでか」という連絡を、Dropboxとは別の手段で行っている点です。共有の方法を整えたら、その連絡をどこで行うかまで決めておくと、運用が安定します。
Dropbox利用でよくある失敗パターン
Dropboxは使い始めるのが簡単な分、ルールを決めないまま利用者が増えると、後から整理するのが難しくなります。よくある失敗と回避策を表にまとめました。
| 失敗パターン | 起きること | 回避策 |
|---|---|---|
| 共有リンクを誰でも開ける設定のまま送る | リンクが転送されると、想定外の相手にもファイルを見られる | 社外共有は、使えるプランならパスワード・有効期限を設定し、不要になったリンクは削除する |
| 社員が個人アカウントで業務データを扱う | 退職後もデータにアクセスできる状態が残り、会社として把握できない | 業務用アカウントを会社として用意し、管理者が権限を一元管理する |
| 命名規則を決めずに共有フォルダを使う | 「最終版」「修正版」が乱立し、最新版が分からなくなる | 命名規則とフォルダ構成を文書化し、版の管理はバージョン履歴に任せる |
| 競合コピーを放置する | 同じ内容のファイルが複数でき、誤った方で作業が進む | 競合コピーを見つけたら内容を統合し、不要な方を削除する |
| 共有フォルダで大量のファイルを移動・削除する | メンバー全員の端末からファイルが消え、業務が止まる | フォルダ構成の変更は担当者を決めて行い、事前にメンバーへ周知する |
| 端末の容量を考えずに全フォルダを同期する | パソコンの空き容量がなくなり、動作が重くなる | オンライン専用や選択型同期を使い、必要なフォルダだけを端末に置く |
| 共有したあとの確認依頼を、口頭やメールに散らす | 相手が見たか分からず、確認の期限も曖昧になる | 共有リンクと確認依頼・期限を、案件ごとの連絡の場にまとめる |
これらの失敗の多くは、機能の使い方というより運用ルールの問題です。導入の最初に、フォルダ構成・命名規則・社外共有のルールを1枚の資料にまとめて共有しておくだけでも、多くのトラブルは防げます。ルールを決めた後は、年に1回程度、共有リンクや共有フォルダのメンバーを棚卸しする機会を設けると、使わなくなった共有が放置される状態を避けられます。
セキュリティ設定と社内利用時の注意点
Dropboxを業務で使ううえで、最低限押さえておきたい設定は次のとおりです。いずれもアカウント設定や共有設定の画面から行えますが、プランによって使えない設定もあります。
- 2段階認証を有効にし、パスワードが漏れてもログインされにくくする
- 社外への共有リンクには、使えるプランならパスワードと有効期限を設定する
- 共有フォルダの権限は、編集が必要な人だけを「編集可」にし、それ以外は「閲覧のみ」にする
- 紛失した端末や使わなくなった端末は、アカウントの接続端末一覧から解除する
- 退職者・異動者のアクセス権は、手続きと同時に削除する
総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」では、クラウドサービスを利用する際の注意点として、アカウントの適切な管理や共有設定の確認などが挙げられています(総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」)。クラウドストレージのセキュリティは、サービス側の対策だけで完結するものではなく、利用者側のアカウント管理と共有設定に大きく左右されます。
個人情報を含むファイルを扱う場合
顧客や従業員の個人情報を含むファイルをクラウドに保存する場合、個人情報保護法への配慮が必要です。個人情報保護委員会のガイドラインQ&Aには、クラウドサービスに個人データを保存することが第三者提供に当たるのか、委託に当たるのかを扱うQ&A(Q7-53など)があります(個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」)。判断はクラウドサービス事業者が個人データを取り扱うこととなっているかどうかが軸になるため、利用するサービスの規約を確認したうえで、アクセス権を業務上必要な範囲に限る、共有リンクの発行状況を定期的に確認する、といった運用を徹底しましょう。
請求書・領収書を保存する場合
メールやWebで受け取った請求書・領収書などの電子取引データを保存する場合は、電子帳簿保存法の保存要件を確認する必要があります(国税庁「電子帳簿保存法の概要」)。クラウドストレージにファイルを置くだけでは要件を満たさない場合があるため、ファイル名のルールや事務処理規程の整備などとあわせて検討してください。
※本セクションは一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の対応については、弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
連絡の窓口が増えるほど、退職・異動時の削除漏れが起きやすい
セキュリティの観点から見落とされやすいのが、ツールが増えるほど管理の穴も増えるという点です。ファイルはDropbox、確認依頼はメール、期限は個人のメモ、というようにバラバラに管理していると、退職者や異動者の権限をどれか1つで外し忘れるだけで、情報が残り続けます。ファイルの置き場所はDropbox、確認依頼と返事は案件ごとのチャットと決め、案件ごとに参加メンバーを入れ替える運用にしておけば、共有リンクの宛先とチャットの参加者を同じ案件の単位でそろえて棚卸しでき、削除漏れに気づきやすくなります。Chatworkは、ファイルをアップロードしてチャット参加メンバーのみで共有できるため、この運用の一例になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. Dropboxは無料で使えますか?
A. はい、無料のBasicプランがあり、保存容量は2GBです(2026年10月15日に公式のプラン比較ページで確認)。個人で試す用途には使えますが、業務データを継続して置くには足りなくなりやすく、メンバーと権限を会社として管理する機能も別のプランになります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
Q2. Dropboxの月額料金はいくらですか?
A. 料金は、プランの種類、契約する人数、支払い方法によって異なり、改定されることもあります。個人用のPlus・Professional、チーム用のStandard・Advancedなどがあるため、必要な容量と機能を決めたうえで、公式のプラン比較ページで最新の料金を確認してください。
Q3. GoogleドライブとDropboxは、どちらを使うべきですか?
A. どちらが優れているかは会社の使い方で決まります。すでにGoogleのアカウントとサービスを会社で使っているなら、ストレージもそこにまとめる考え方があります。取引先とのファイル受け渡しや端末間の同期を専用サービスで整えたいなら、Dropboxが選択肢になります。無料の容量は、Dropboxが2GB、Googleドライブが最大15GB(Gmail・Googleフォトと共有)です。
Q4. Dropboxの同期は自分で操作する必要がありますか?
A. 必要ありません。デスクトップアプリを入れた端末では、Dropboxフォルダに保存・編集したファイルがインターネット接続時に自動で同期されます。同期の状況は、ファイルに付くアイコンで確認できます。
Q5. 相手がDropboxのアカウントを持っていなくても共有できますか?
A. 共有リンクやファイルリクエストであれば、相手がアカウントを持っていなくても利用できます。共有フォルダで一緒に編集する場合は、相手にもDropboxアカウントが必要です。
Q6. 誤って削除・上書きしたファイルは元に戻せますか?
A. 一定期間内であれば、削除済みのファイルの復元や、バージョン履歴からの以前の版への復元ができます。バージョン履歴の保存期間はプランによって異なり、Basicは30日、Professional・Standardなどは180日、Advancedなどは365日です。完全に削除されたファイルは復元できません。
まとめ|Dropboxの使い方で押さえたい5つのこと
Dropboxは、Dropboxフォルダに保存するだけで複数の端末に同期され、共有リンク・共有フォルダ・ファイルリクエストで他者とファイルをやり取りできるサービスです。上手に使うためのポイントは次の5つです。
- 使い始める前に、フォルダ構成と命名規則を決め、保存と同期は自動に任せる
- パソコンの容量が足りなければ、オンライン専用と選択型同期を使い分ける
- 共有方法を目的で使い分け、社外共有では使えるプランでパスワードと有効期限を設定し、終わった共有は解除する
- 業務利用では個人アカウントを避け、管理者がメンバーと権限を管理できるプランを、公式の最新の条件で選ぶ
- 共有したあとの確認依頼と期限の連絡窓口を案件ごとに決め、チャットツールを使うなら、Chatworkのような製品の資料を取り寄せて比較検討する
まずは少人数で共有と同期の動きを試し、運用ルールを固めてから利用範囲を広げていくと、トラブルなく定着させやすくなります。
参考文献
- Dropbox「プランの比較」https://www.dropbox.com/ja/plans
- Dropbox ヘルプセンター「共有リンクを作成する」https://help.dropbox.com/ja-jp/share/create-and-share-link
- Dropbox ヘルプセンター「ファイルリクエストを作成する」https://help.dropbox.com/ja-jp/share/create-file-request
- Dropbox ヘルプセンター「選択型同期の概要」https://help.dropbox.com/ja-jp/sync/selective-sync-overview
- Dropbox ヘルプセンター「ファイルをオンライン専用にする方法」https://help.dropbox.com/ja-jp/sync/make-files-online-only
- Dropbox ヘルプセンター「競合コピー」https://help.dropbox.com/organize/conflicted-copy
- Dropbox ヘルプセンター「バージョン履歴の概要」https://help.dropbox.com/delete-restore/version-history-overview
- Google ドライブ ヘルプ「Google アカウントのストレージ」https://support.google.com/drive/answer/2375123?hl=ja
- Chatwork「プラン別機能一覧」https://go.chatwork.com/ja/features/specifications/
- Chatwork導入事例 株式会社モリチュウhttps://go.chatwork.com/ja/case/morichu.html
- 総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/
- 個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/
- 国税庁「電子帳簿保存法の概要」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm