パワーポイントテンプレートの出し方と選び方|入手先・著作権
Check!
- テンプレートの出し方と入手先がわかる
- 著作権・商用利用の確認ポイントがわかる
- 自社用に整えて社内で共有する手順がわかる
パワーポイントのテンプレートは、PowerPointを開いて「ファイル」の「新規」から選べるほか、Microsoftの公式サイトや無料配布サイト、デザインツールからも入手できます。テンプレートは資料作成の時間を減らす道具ですが、入手先が多いぶん、見た目の好みで先に選んでしまい、用途に合わずに作り直したり、利用規約を確認しないまま社外向けの資料に使って手戻りになったりしがちです。本記事では、テンプレートの出し方と保存場所、種類と入手先、用途別の選び方、著作権・商用利用で確認する点、自社用に整えて社内で使い回す手順までを、実務の順番に沿って解説します。
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パワーポイントのテンプレートはどこにある?出し方と探し方
パワーポイントのテンプレートは、PowerPointの「ファイル」から「新規」を開くと、検索欄とタブから探して呼び出せます。
テンプレートの出し方は、新しく資料を作り始めるときと、すでにある資料の見た目を変えたいときで少し異なります。新しく作り始める場合の手順は、Microsoftのサポートページ既存のプレゼンテーションにテンプレートを適用するで、次のように案内されています(2026年10月16日確認)。
- 「ファイル」から「新規」を選ぶ
- 「新規」の画面で、検索欄にキーワードを入れるか、「おすすめ」の横にあるタブ(環境によって「個人用」「共有」「カスタム」などが表示される)やギャラリーから選ぶ
- テンプレートを選んでプレビューを確認し、「作成」を選ぶ
「おすすめ」の横に並ぶタブには、自分で保存したテンプレートや、組織が共有しているテンプレートが表示されます。自分で保存したテンプレートの置き場所は、「ファイル」「オプション」「保存」にある「既定の個人用テンプレートの場所」で確認できます。同じ画面にフォルダーの指定がない場合、Microsoftのサポートページでは、ドキュメントフォルダーの中に「Custom Office テンプレート」というフォルダーを作って指定する方法が案内されています。このフォルダーに入れたテンプレートが、「新規」の画面のタブから使えるようになります。
Microsoftが公開している既製のテンプレートは、PowerPointの「新規」の画面のほか、MicrosoftのPowerPointプレゼンテーション テンプレートのページでも探せます。同ページでは、検索で見つけたテンプレートのスライドの内容やレイアウトを更新し、PDFとして保存・印刷・共有するという流れが案内されており、色・ロゴ・フォントでカスタマイズできるとされています(2026年10月16日確認)。
探し始める前に決めておく3つのこと
出し方がわかっても、候補が多いまま選び始めると、見た目の好みで決めてしまいがちです。ダウンロードや作成の前に、次の3つを決めておくと、選び直しが減ります。
- 用途と相手:顧客向けの提案書か、社内会議の報告か、研修・説明会の資料かを決める
- 作業するソフトと渡す形式:PowerPointのpptx形式のまま渡すのか、PDFにして渡すのかを決める
- 使い回しの範囲:資料として配るだけか、録画して動画にしたり社内ポータルに載せたりするかを決める
3つ目は見落とされがちです。研修や説明会の資料は、一度作って終わりではなく、録画して動画にする、社内ポータルに掲載する、配信で見せるなど、使い回しが増えやすい資料です。使い回す予定があるなら、テンプレートの規約が動画化や公開を認めているか、同梱の写真やイラストが同じ使い方でよいかを、選ぶ段階で確認しておくと安心です。確認する項目は、後の章の表にまとめています。
整えたスライドを、のちに研修や社内説明の動画としても使い回したい場合の一例が、株式会社Stand Technologiesが提供するVideo Craftです。PowerPointと同じような操作感でスライドを編集でき、PowerPointやPDFの資料を取り込んで、入力した原稿をAI音声が読み上げるナレーション付きの動画(MP4形式)にできます。ナレーション原稿を直すだけで動画を修正でき、撮り直しは必要ありません。一方で、PowerPointの編集データを変換する際は一部に変換に対応していない要素があるため、変換後に反映内容を確認する必要があり、グループで共有できる人数もプランによって異なります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社Stand Technologies
Video Craft
株式会社Stand Technologies
Video Craft
AIで簡単作成!効率的に高品質な動画を作成したい方におすすめ

おすすめ!
- 日本語AIアバターとAI音声により、撮影不要で高品質な動画を作成
- パワーポイントと同じ操作感覚で、研修やeラーニングなどに適した動画作成が可能
- ワンクリックで50ヶ国語に翻訳でき、翻訳作業の効率化を図れる
気になる…
- グループ共有できる人数はプランによって異なる
毎年の新人研修の座学講義で講師の対応工数が大きいことを課題に、研修の動画化を進めた製造業の株式会社メンテック様は、「PowerPoint資料から比較的短時間で動画を作成できる点が便利だと感じました。」と紹介されています。
出典:Video Craft 導入事例「株式会社メンテック様」(株式会社Stand Technologies、2026年10月16日確認)
手持ちの研修資料やテンプレートで作ったスライドを動画にできるか、利用人数に合うプランはどれかは、資料で具体的に確認できます。
パワーポイントテンプレートとは?テーマ・スライドマスターとの関係
パワーポイントテンプレートとは、配色・フォント・レイアウトなどの設計が組み込まれた、スライドのひな形ファイルのことです。
パワーポイントには、似た言葉として「テーマ」と「スライドマスター」があります。テーマは配色・フォント・効果の組み合わせを指し、デザインタブから切り替えられる見た目の設定です。スライドマスターは、すべてのスライドに共通するレイアウトやロゴの位置、見出しの書式などを一括で管理する仕組みで、表示タブの「スライドマスター」から編集できます。テンプレートは、このテーマとスライドマスターの設定に、サンプルのスライドや図表のひな形を加えて1つのファイルにまとめたもの、と理解すると整理しやすくなります。
| 用語 | 管理している内容 | 主な操作場所 |
|---|---|---|
| テーマ | 配色・フォント・図形の効果の組み合わせ | デザインタブ |
| スライドマスター | 全スライド共通のレイアウト、ロゴ、見出しや本文の書式 | 表示タブの「スライドマスター」 |
| テンプレート | 上記2つに加え、サンプルスライドや図表のひな形を含むファイル一式 | 「ファイル」「新規」の画面、またはテンプレート形式(potx)のファイル |
この区別が大切なのは、配布サイトで入手したテンプレートの中には、見た目だけをスライド上の図形で作り込み、スライドマスターが整理されていないものがあるためです。そうしたテンプレートは、新しいスライドを追加するたびに背景や装飾をコピーし直す必要があり、ページ数が増えるほど手間がかかります。選ぶ段階で「スライドマスターに設計が入っているか」を確認すると、長く使えるテンプレートかどうかを見分けやすくなります。
新規作成時に開く形を変える:既定のテーマの設定
「デフォルトのテンプレート」が何を指すのかは、混同されやすい点です。PowerPointで新しいプレゼンテーションを開いたときの見た目は、既定のテーマで決まります。Microsoftのサポートページプレゼンテーションの既定のテーマを設定するでは、「デザイン」タブの「テーマ」の下にある矢印を選び、既定にしたいテーマを右クリックして「既定のテーマとして設定」を選ぶと、次に新しいプレゼンテーションを開いたときにそのテーマで開くと案内されています(2026年10月16日確認)。同ページには、テーマを既定として設定するには、プレゼンテーションを保存する必要があるという注意もあります。
自社のロゴや配色を入れたテーマを作って既定に設定しておけば、新しい資料を作るたびに配色やフォントを直す手間が減ります。ただし、これは自分のPowerPointでの設定です。社内の全員に同じ見た目を使ってもらうには、テンプレート形式で保存したファイルを共有する運用を、別に決める必要があります。
パワーポイントテンプレートの種類
テンプレートは入手元で、Microsoft公式、無料配布サイト、デザインツール系、有料マーケットプレイスの4種類に分けられます。それぞれ、規約の確認先と使い勝手が異なります。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| Microsoft公式 | パワーポイントの新規作成画面や公式サイトから入手でき、レイアウト崩れが起きにくい | 社内資料、標準テンプレートのベース | Microsoftのサービス規約の範囲 |
| 無料配布サイト | デザイナーや企業が公開しており、デザインの幅が広い | イベント資料、少し個性を出したい提案書 | サイトごとの利用規約、会員登録の要否、クレジット表記 |
| デザインツール系サービス | ブラウザ上で編集し、パワーポイント形式で書き出せるものがある | 画像や図解を多く使う資料 | 書き出し後の再編集のしやすさ、素材ごとのライセンス |
| 有料マーケットプレイス | スライド枚数や図解パーツが豊富で完成度が高い | ブランドの印象が重要な営業資料 | ライセンスの範囲(利用人数・商用利用・再配布) |
ファイル形式の違い:pptx と potx
テンプレートとして配布されているファイルには、通常のプレゼンテーション形式である pptx と、テンプレート専用の形式である potx があります。pptx は開いてそのまま上書き保存できるため、うっかり元のテンプレートを書き換えてしまうことがあります。potx は「新規」の画面から選ぶと新しいプレゼンテーションとして作成されるため、元のひな形が上書きされにくいのが特徴です。社内で共有する標準テンプレートは potx で保存しておくと、誰かが誤って元ファイルを編集してしまう事故を防げます。
スライドの縦横比:16:9 と 4:3
MicrosoftのサポートページPowerPoint スライドのサイズを変更するでは、16:9のワイドスクリーン設定が、新しく作成するプレゼンテーションの既定値とされています(2026年10月16日確認)。一方、古いテンプレートや一部の配布サイトには4:3のものも残っています。会議室のモニターやオンライン会議の画面共有は16:9が主流のため、特に理由がなければ16:9を選ぶのが無難です。サイズは「デザイン」タブの「スライドのサイズ」から変更できますが、後から縦横比を変えると図形や画像の配置が崩れやすいため、作り始める前に決めておくことが大切です。
無料のパワーポイントテンプレートの主な入手先と使い始める手順
無料テンプレートは、まずMicrosoft公式で標準的なものを探し、足りなければ配布サイトやデザインツールへ広げると、規約確認の手間を抑えて選べます。
Microsoft公式のテンプレート
PowerPointの「ファイル」「新規」の画面や、前の章で紹介したMicrosoftのテンプレートのページから、ビジネス向けのテンプレートを探せます。パワーポイントで作られているため、スライドマスターやテーマの設定が整っているものが多く、標準的なフォントが使われていれば、環境によるレイアウト崩れも起きにくいのが利点です。デザインの個性は控えめなものが中心ですが、社内の標準テンプレートを作るベースとしては扱いやすい選択肢です。
無料配布サイト
素材サイトやデザイナー個人のサイトなど、パワーポイントテンプレートを無料で公開しているサイトは数多くあります。たとえばSlidesCarnivalは、PowerPoint・Googleスライド・Canva向けのテンプレートを配布しており、ビジネス・教育・マーケティングなどの用途別の分類や、色・スタイルでの絞り込みがあります(2026年10月16日確認)。デザインの選択肢が豊富な一方、会員登録が必要なもの、ダウンロード数に上限があるもの、クレジット表記を求めるものなど、条件はサイトによってさまざまです。気に入ったデザインが見つかっても、ダウンロード前に利用規約のページを開き、後の章で紹介する6項目を確認する習慣をつけておきましょう。
デザインツール系サービス
Canvaなどのブラウザで使うデザインツールには、プレゼンテーション用のテンプレートが多数用意されています。Canvaのスライドテンプレートのページには、作成した資料をPowerPointやPDF形式でダウンロードできると案内されています(2026年10月16日確認)。写真やイラスト素材と組み合わせやすく、見栄えのよい資料を短時間で作れるのが強みです。ただし、書き出したファイルをパワーポイントで開くと、一部の文字が画像化されていたり、スライドマスターが整理されていなかったりして、後から編集しにくい場合があります。社内で継続的に編集していく資料なら、書き出し後の編集のしやすさを事前に試しておくと失敗を防げます。
| 入手先 | 良い点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| Microsoft公式 | レイアウト崩れが起きにくい、マスター設定が整っている | デザインの個性が控えめで、他社と似やすい |
| 無料配布サイト | デザインの種類が豊富、用途・色・スタイルで探しやすい | 規約がサイトごとに異なる、フォントが特殊な場合がある |
| デザインツール系サービス | 素材と組み合わせやすく、見栄えを短時間で整えやすい | パワーポイントへの書き出し後に編集しにくい場合がある |
各配布サイトの個別の特徴や、PowerPoint版とGoogleスライド版の違いまで知りたい場合は、スライドテンプレートの無料配布サイトをまとめた記事もあわせてご覧ください。
ダウンロードしたテンプレートを使い始める手順
入手したテンプレートの使い方は、これから新しく資料を作る場合と、すでにある資料に適用する場合とで異なります。新しく作る場合は、ダウンロードしたファイルを開き、最初に別名で保存してから内容を差し替えていくのが基本です。配布ファイルが pptx 形式のときは、そのまま上書きすると元のひな形が失われるため、作業用のコピーを作ってから編集を始めましょう。
すでに作ってある資料の見た目だけを新しいテンプレートに変えたい場合は、先ほどのMicrosoftのサポートページで、既存のスライドがある場合でも、テンプレートから新しいファイルを作ってから既存のスライドをインポートする方法が勧められています。手順は次のとおりです。
- 使いたいテンプレートから新しいプレゼンテーションを作成する
- 既存の資料を開き、画面左のサムネイルで移したいスライドを選択してコピーする
- 新しいプレゼンテーションに切り替え、サムネイルの領域を右クリックする
- 「貼り付けオプション」で「コピー先のテーマを使用」を選ぶ
この方法で貼り付けると、文字や図表の内容はそのままに、配色・フォント・背景が新しいテンプレートのものに置き換わります。ただし、元の資料でスライド上に直接配置していた図形や、個別に色を指定していた文字は自動では変わらないことがあるため、貼り付けた後に1枚ずつ目で確認する作業は必要です。特に、見出しの位置がずれていないか、表やグラフの色が新しい配色になじんでいるか、文字が枠からはみ出していないかの3点は崩れやすい箇所です。枚数の多い資料では、最初の数枚で崩れ方の傾向をつかんでから残りを貼り付けると、修正の見通しが立てやすくなります。
用途・業種に合ったテンプレートの選び方
テンプレートは見た目の好みではなく、「誰に」「何を」「どの環境で」見せるかから逆算して選ぶと、作成後の手直しが少なくなります。
| 用途 | 重視したいポイント | 避けたいデザイン |
|---|---|---|
| 社内会議・報告資料 | 表やグラフを入れやすい、文字量が多くても崩れにくい | 写真背景や装飾が多く、本文の領域が狭いもの |
| 顧客向け提案書・営業資料 | 自社の配色やロゴと調和する、表紙と章扉に印象がある | 他社で見かけることが多い定番デザインをそのまま使うこと |
| セミナー・登壇資料 | 遠くからでも読める大きな文字、1枚1メッセージの構成 | 細かい文字や淡い色の組み合わせ |
| 採用説明・会社案内 | 写真を大きく配置できる、雰囲気が伝わる | 業務資料のような硬すぎる構成 |
| マニュアル・手順書 | 画面キャプチャと番号付き手順を並べやすい | 1枚あたりの情報を詰め込みにくい大胆なレイアウト |
業種によって好まれるトーンの違い
業種によっても、相手に安心感を与えるデザインの方向性は変わります。金融・士業・医療など信頼性が重視される業種では、紺やグレーを基調にした落ち着いた配色と余白を十分にとったレイアウトが好まれる傾向があり、製造業や建設業では、図面や工程表、写真を大きく見せられる構成が実務に合います。飲食・小売・美容などでは、写真の配置枠が大きいテンプレートが向いています。ただし、業種のイメージに合わせすぎると同業他社の資料と見分けがつかなくなるため、業種らしさは配色やフォントで押さえつつ、表紙や章扉に自社のロゴやコーポレートカラーをはっきり入れて調整するのがおすすめです。
配色・フォント・装飾の量は、載せる内容量から決める
用途と業種の次に見ておきたいのが、配色とフォントです。色の印象は文化や文脈によっても変わるため絶対的な決まりではありませんが、一般に青系は誠実さや落ち着き、赤系は活発さや強調、緑系は安心感を連想させやすいとされています。まず自社のコーポレートカラーがあればそれを主役の色に据え、ない場合は「この資料で相手にどう受け取ってほしいか」から基調の色を選ぶと決めやすくなります。
色数は、背景に近いベースの色、見出しや図形に使うメインの色、強調したい箇所だけに使うアクセントの色の3色程度に絞ると、どこが重要なのかが伝わりやすくなります。フォントも、見出し用と本文用の2種類に絞り、画面や会議室のモニターで読みやすいゴシック体系を基本にすると、資料全体の統一感が出ます。候補のテンプレートを開いたら、グラフのサンプルや図形の塗りに何色使われているか、フォントが何種類使われているかを数えてみると、仕上がりの印象を事前に想像できます。
装飾の量は、1枚に載せる情報量と反比例させるのが基本です。数値の表やグラフ、手順の説明など情報量の多い資料には、背景が白に近く、装飾が見出しの帯やラインだけに抑えられたテンプレートが合います。反対に、キーメッセージを短い言葉で見せる登壇資料や会社紹介では、写真や大きな色面を使ったテンプレートの方が、少ない文字でも画面が間延びしません。「デザインが気に入ったのに、内容を入れたら窮屈になった」という手戻りの多くは、この不一致から起こります。迷ったときは、実際に使う予定の表やグラフを1枚だけ仮に入れてみて、読める大きさのまま収まるかを確かめてから決めると確実です。
選ぶ前に確認したい5つのチェック項目
- スライドマスターにレイアウトが整理されているか(表紙・章扉・本文・2カラムなどが用意されているか)
- 使われているフォントが自社のパソコンに入っているか、標準フォントに置き換えても崩れないか
- 表やグラフのサンプルがあり、配色がテーマの色と連動しているか
- 縦横比が主な利用環境(会議室のモニター、オンライン会議、印刷)に合っているか
- 利用規約で、社外向け資料への利用や社内での共有が認められているか
この5項目のうち、特に見落とされやすいのがフォントです。デザイン性の高いテンプレートほど、標準では入っていないフォントを使っていることがあります。自分のパソコンでは美しく見えても、同僚や取引先のパソコンでは別のフォントに置き換わり、文字がはみ出して表示されることがあります。候補を絞った段階で一度ダウンロードし、自社の標準的なパソコンで開いて確認すると安心です。社外に渡す資料は、PDFに変換して渡すと環境による表示の違いを避けられます。
著作権・商用利用の注意点
無料で配布されているテンプレートでも著作権がなくなるわけではなく、配布元が定めた利用条件の範囲でのみ使えるのが原則です。社外向けの資料に使う前に、利用規約で許可されている範囲を確認しましょう。
著作権法では、思想や感情を創作的に表現したものを著作物として保護しています。テンプレートのデザインや、そこに含まれるイラスト・写真・アイコンなどは、創作性があれば著作物に当たる可能性があります。著作物を利用する際は、著作権者から利用の許諾を受け、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内で利用できるというのが基本とされています(著作権法第63条)。配布サイトの利用規約は、この「許諾の条件」を示したものと考えると理解しやすいでしょう。著作権制度の全体像は、文化庁の著作権施策に関する総合案内ページで確認できます。
| 確認項目 | 規約で確認する内容 | 判断に迷いやすい例 |
|---|---|---|
| 商用利用の可否 | 企業の業務や営利目的での利用が認められているか | 顧客への提案書、有料セミナーの投影資料 |
| 改変の範囲 | 配色やレイアウトの変更、素材の切り出しが認められているか | テンプレート内のイラストだけを別の資料に流用する |
| 再配布の可否 | テンプレート自体を第三者に配ることが禁止されていないか | 社外の協力会社に編集用ファイルを渡す |
| クレジット表記 | 配布元の表記が必要か、どこに記載するか | 表記が必要なテンプレートの表記を削除して配布する |
| 利用人数・範囲 | 購入者本人のみか、組織内で共有できるか | 有料テンプレートを1ライセンスで部署全体に配る |
| 公開方法の制限 | Web公開、動画化、印刷物としての配布が認められているか | 資料をPDFにして自社サイトで公開する、動画にして社内ポータルに載せる |
規約の読み方の例:SlidesCarnivalのテンプレートライセンス
実際の規約のどこを見ればよいかを、SlidesCarnivalのテンプレートライセンスを例に確認します。同ページには、同サイトのテンプレートは、クリエイティブ・コモンズ表示4.0国際(Creative Commons Attribution 4.0 International)のライセンスのもとで無料で使えると書かれています(2026年10月16日確認)。上の6項目に当てはめると、次のように読み取れます。
| 確認項目 | 同ページの記載(要約) | 読み取りのポイント |
|---|---|---|
| 商用利用の可否 | 改変して、営利目的を含むあらゆる目的に使えると記載 | 社外向けの資料にも使える記載。ただし規約は変更されることがある |
| クレジット表記 | 適切なクレジットと、同サイトへのリンクが必要と記載 | 「表記不要」ではないため、表記の方法を決めておく |
| 同梱素材 | テンプレートに付属する写真を使う場合は、クレジットのスライドを残す。写真には別のライセンスがあると記載 | テンプレート本体と写真は別条件 |
| 再配布の可否 | 改変せずそのままのファイルを、単体で再販・再配布することは禁止。自分の内容を加えた資料としてなら可能と記載 | 社外にテンプレートのファイルをそのまま渡さない |
| 利用目的 | 適法な目的に限る。他者を中傷する内容などでの利用は不可と記載 | 社内ルールとあわせて周知する |
この例のように、無料のテンプレートでも「クレジット表記が必要」「写真は別ライセンス」「そのままの再配布は不可」といった条件が付くことがあります。ほかのサイトでも同じ項目で読み比べ、確認した日付・規約のURL・確認した担当者を記録しておくと、後から利用範囲を問われたときに説明しやすくなります。
商用利用の範囲について、社外向け・社内向けの具体的なケースごとにさらに詳しく知りたい場合は、パワポテンプレートの商用利用はどこまでOKかを解説した記事もあわせてご覧ください。なお、本記事は一般的な考え方を整理したものであり、法的助言を目的としたものではありません。個別のケースで判断に迷う場合は、配布元への問い合わせや専門家への相談をおすすめします。
AIで生成したデザインを使う場合
最近は、AIに指示してスライドのデザイン案や画像を生成する方法も広がっています。AIで生成したデザインを使う場合も、まず利用しているAIサービスの規約で、生成物の商用利用がどこまで認められているかを確認する必要があります。加えて、生成されたデザインが既存のテンプレートやイラストに偶然よく似ている可能性もゼロではありません。社外向け資料に使う場合は、生成結果をそのまま使うのではなく、自社の配色やレイアウトに合わせて調整し、特定の既存デザインに似すぎていないかを目視で確認しておくと安心です。
テンプレートを自社用に整えて社内で使い回すステップ
入手したテンプレートは、スライドマスターにロゴ・配色・フォントを組み込み、potx形式で共有すると、誰が作っても同じ品質になる社内標準にできます。
配布サイトのまとめ記事の多くは「どこでテンプレートを入手するか」で終わっていますが、実務で差がつくのは入手した後の整え方です。担当者ごとに別々のテンプレートを使っていると、同じ会社の資料なのに部署によって見た目がばらばらになり、顧客に「社内の連携が取れていない」という印象を与えかねません。次の6ステップで、テンプレートを組織の資産に変えていきましょう。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 用途と利用者を決める | 社内用・社外用のどちらを標準化するか、誰が使うかを決める | 最初は1種類に絞ると定着しやすい |
| 2. ベースを選び規約を記録する | 候補を2つか3つに絞り、利用規約の確認結果を記録する | 確認日・URL・確認者を残す |
| 3. 配色とフォントを設定する | デザインタブのバリエーションから、配色とフォントを自社仕様にユーザー設定する | スライド上で個別に色を塗らず、テーマ側で設定する |
| 4. スライドマスターを整える | ロゴ、ページ番号、コピーライト表記を配置し、不要なレイアウトを削除する | レイアウト名を「表紙」「本文」など分かりやすく変更する |
| 5. よく使うスライドを追加する | 比較表、スケジュール、体制図など頻出パターンのサンプルを入れる | 記入例を入れておくと迷わず使える |
| 6. potxで保存し共有する | PowerPointテンプレート形式で保存し、共有の場所に置く | 管理担当者と更新ルールを決める |
配色とフォントは「テーマ」で設定する
自社のコーポレートカラーに合わせる際、スライド上の図形を1つずつ塗り替えるのは避けましょう。デザインタブのバリエーションにある「配色」と「フォント」をユーザー設定で作成し、テーマとして保存しておくと、グラフや表、新しく挿入した図形にも自動で自社の色が反映されます。フォントは見出し用と本文用を指定でき、社内の全員が使えるフォントを選ぶことで、環境による表示崩れを防げます。後からブランドカラーが変わった場合も、テーマの配色を変更するだけで全スライドに反映できます。
スライドマスターで共通要素を管理する
ロゴやページ番号、機密区分の表記など、すべてのスライドに入れたい要素はスライドマスターに配置します。個々のスライドに貼り付けると、編集中に位置がずれたり、削除されたりする原因になります。MicrosoftのサポートページPowerPoint テンプレートを作成して保存するでも、テンプレートを作るには、スライドマスターとスライドレイアウトのセットを変更する必要があると説明されています(2026年10月16日確認)。配布サイトのテンプレートには使わないレイアウトが多数含まれていることがあるため、実際に使うものだけを残して名前を分かりやすく付け直しておくと、利用者が新しいスライドを追加するときに迷いません。スライドマスターやテーマの使い分けをさらに詳しく知りたい場合は、テーマ・デザイナー機能・スライドマスターの使い分けを解説した記事もあわせてご覧ください。
potx形式で保存して、新規の画面から呼び出す
整えたテンプレートは、前述のMicrosoftのサポートページに沿って、次の手順でテンプレート形式にして保存します。
- 「ファイル」から「名前を付けて保存」を選ぶ(Microsoft 365では「コピーを保存」)
- ファイルの種類の一覧で「PowerPointテンプレート」を選び、ファイル名を入力して保存する
- 使うときは「ファイル」「新規」を選び、「個人用」などのタブから保存したテンプレートを選んで「作成」を押す
同ページには、種類として「テンプレート」を選ぶと、通常は保存場所がカスタムのOfficeテンプレートフォルダーに切り替わるとも書かれています。個人用のテンプレートは、前の章で触れた「既定の個人用テンプレートの場所」のフォルダーに置かれたファイルとして管理されるため、不要になったテンプレートを整理するときも、まず保存場所を確認します。
社内で共有する:ワークグループテンプレートの場所
社内の全員に標準テンプレートを使ってもらうには、全員がアクセスできる場所に最新版を1つだけ置くのが基本です。先ほどのMicrosoftの「既存のプレゼンテーションにテンプレートを適用する」のページによると、組織にはテンプレートを格納する標準のネットワークやクラウドの場所があることが多く、Microsoft 365ではこれを「ワークグループ テンプレート」と呼びます。その場所にテンプレートを置くと、「ファイル」「新規」の画面のタブから使えるようになります。場所の確認と変更の手順は、同ページの「テンプレート ファイルが属する場所」に載っているため、情報システム部門などに確認したうえで、決まった場所に置きましょう。古い版は別のフォルダに移し、どれが最新かが分かる運用にしておくと、古いテンプレートが使われ続ける事態を防げます。
標準テンプレートを整えて共有しても、残りやすい作業があります。使い方やルールの説明です。新しく入った人への説明や、研修・説明会を担当者がその都度話して行っていると、テンプレートやルールを更新するたびに、説明のやり直しが発生します。整えたスライドを、AI音声のナレーション付きの説明動画にしておく方法もあり、Video Craftでは、PowerPointやPDFの資料を取り込んで、原稿を直すだけで動画を更新できます。自社の状況に当てはまるかを、次のチェックで確かめてみてください。
テンプレートの運用、説明の手間は大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
見やすさ・伝わりやすさで確認したいポイント
おしゃれなテンプレートでも、文字と背景のコントラストが弱い、色だけで情報を区別しているといった状態では、内容が伝わりにくくなります。
資料を見る人の中には、色の見え方に特性がある人や、小さな文字が読みにくい人もいます。オンライン会議の画面共有では、資料が縮小されて表示されることも少なくありません。Microsoftのサポートページ障碍のある方のためにアクセシビリティの高い PowerPoint プレゼンテーションを作成するでは、テキストと背景の色に十分なコントラストを付ける、すべてのスライドに固有のタイトルを付ける、画像などのビジュアルに代替テキストを付ける、といった点が案内されています(2026年10月16日確認)。テンプレートを選ぶ段階で、次の点を確認しておくと、誰にとっても読みやすい資料に近づきます。
- 背景と文字の明暗差が十分にあるか(淡い背景に淡い文字、写真の上に直接文字を置くデザインは注意)
- グラフの系列や凡例を、色だけでなくラベルや模様でも区別できるか
- 本文の文字サイズを大きめに設定しても、レイアウトが崩れないか
- 画像や図表に代替テキストを設定しやすい構成になっているか
- 各スライドにタイトルを入れる場所があり、1枚に入れる情報量が多すぎない設計になっているか
同ページでは、PowerPointには作成中にバックグラウンドで自動実行されるアクセシビリティ チェックがあり、手動では「確認」タブの「アクセシビリティの確認」から起動できると案内されています。また、アクセシビリティに配慮したテンプレートを探す方法として、「ファイル」「新規」の画面で、オンラインテンプレートの検索欄に「accessible templates」と入力して探す手順が示されています。資料が完成したら一度チェックを実行し、代替テキストの設定漏れや読み取りにくい色の組み合わせがないかを確認すると、提出前の品質チェックとして役立ちます。
テンプレート選びでよくある失敗パターン
失敗の多くは、デザインの好みで先に選んでしまい、用途・規約・利用環境の確認を後回しにすることから起こり、手戻りや規約違反につながります。代表的なパターンと回避策を整理します。
| 失敗パターン | 起こりやすい問題 | 回避策 |
|---|---|---|
| 規約を確認せず社外向け資料に使う | 個人利用限定のテンプレートを提案書に使ってしまう | ダウンロード前に商用利用の可否を確認し、記録する |
| 見た目だけで選ぶ | 表やグラフが多い資料に合わず、毎回レイアウトを崩して使う | 用途と入れたい情報量を先に決めてから候補を探す |
| 特殊なフォントのまま共有する | 相手の環境で文字が置き換わり、はみ出しや改行ずれが起きる | 標準フォントに置き換えるか、社外にはPDFで渡す |
| 部署ごとに別のテンプレートを使う | 同じ顧客に出す資料のデザインが部署で異なる | 社内標準テンプレートを決め、共有の場所で一元管理する |
| 標準化したあとの説明が属人化する | 新しい人が入るたび、更新のたびに、使い方やルールの説明が繰り返される | 使い方を1枚のガイドスライドにまとめ、説明は繰り返し見られる形で残す |
最後のパターンは見落とされがちですが、影響が大きいものです。テンプレートそのものは社内標準にできても、使い方やルールの説明が担当者の口頭に頼ったままだと、人が入れ替わるたび、ルールが変わるたびに、同じ説明をやり直すことになります。ガイドスライドを用意したうえで、さらに説明そのものを動画にして残しておく方法もあり、前述のVideo Craftは、PowerPointやPDFの資料から、AI音声のナレーション付きの動画を作れるサービスです。
よくある質問(FAQ)
Q1. パワーポイントのテンプレートはどこにありますか?
A. PowerPointの「ファイル」から「新規」を開くと、検索欄や「おすすめ」の横のタブから探せます。自分で保存したテンプレートは「個人用」などのタブに並びます。Microsoftのテンプレートのページや、無料配布サイト、デザインツールからも入手できますが、配布元の利用規約は使う前に確認してください。
Q2. パワーポイントのテンプレートとテーマの違いは何ですか?
A. テーマは配色・フォント・効果の組み合わせを指す見た目の設定です。テンプレートは、テーマとスライドマスターの設定に、サンプルスライドや図表のひな形を加えたファイル一式を指します。
Q3. パワーポイントのデフォルトのテンプレートを変更するにはどうしますか?
A. 「デザイン」タブの「テーマ」の下にある矢印を選び、既定にしたいテーマを右クリックして「既定のテーマとして設定」を選びます。設定するには、プレゼンテーションを保存しておく必要があります。次に新しいプレゼンテーションを開いたときから、そのテーマで開きます。
Q4. 無料のパワーポイントテンプレートは会社の資料に使えますか?
A. 配布元の利用規約によって異なります。商用利用を認めているテンプレートも多くありますが、個人利用に限定しているものや、クレジット表記を条件とするものもあるため、社外向け資料に使う前に規約で許可されている範囲を確認してください。
Q5. 自社専用のテンプレートはどう作ればよいですか?
A. ベースとなるテンプレートを選び、配色とフォントをテーマで自社仕様に設定したうえで、スライドマスターにロゴやページ番号を配置します。完成したら「名前を付けて保存」でPowerPointテンプレート形式(potx)を選んで保存し、共有の場所に置くと、社内で使い回しやすくなります。
Q6. 16:9と4:3のどちらのサイズを選べばよいですか?
A. Microsoftのサポートページでは、16:9のワイドスクリーンが新しく作成するプレゼンテーションの既定値とされています。会議室のモニターやオンライン会議での画面共有が中心なら16:9が無難です。後から比率を変えると図形や画像の配置が崩れやすいため、作り始める前に決めておきましょう。
まとめ|テンプレート選びで押さえたい5つのこと
- 出し方と用途を先に決める:「ファイル」「新規」の画面で探し方を押さえ、誰に何を見せるか、動画や公開にも使い回すかを決めてから候補を探します。
- 入手元の特徴を知って選ぶ:Microsoft公式・無料配布サイト・デザインツールの特徴を踏まえ、用途と見せる環境から逆算して選びます。
- 利用規約を確認して記録する:商用利用・改変・再配布・クレジット表記・同梱素材・公開方法を確認し、確認日と規約のURLを残します。
- 自社用に整えて社内標準にする:配色とフォントをテーマで設定し、スライドマスターにロゴを配置して、potx形式で共有の場所に置きます。
- 説明の手間を見直す:標準テンプレートを整えたあとも使い方や研修の説明を人が繰り返しているなら、スライドを動画にする選択肢(Video Craftなど)を、資料で確認して検討します。
テンプレートは、資料の中身を考える時間を生み出すための道具です。出し方と規約の確認、社内ルールづくりを最初に済ませておけば、以降の資料作成は安心して効率化できます。
参考文献
- 文化庁「著作権施策に関する総合案内ページ」https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/
- e-Gov法令検索「著作権法」https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048
- Microsoft サポート「既存のプレゼンテーションにテンプレートを適用する」https://support.microsoft.com/ja-jp/powerpoint/apply-a-template-to-an-existing-presentation
- Microsoft サポート「PowerPoint テンプレートを作成して保存する」https://support.microsoft.com/ja-jp/powerpoint/create-and-save-a-powerpoint-template
- Microsoft サポート「プレゼンテーションの既定のテーマを設定する」https://support.microsoft.com/ja-jp/powerpoint/set-a-default-theme-for-your-presentations
- Microsoft サポート「PowerPoint スライドのサイズを変更する」https://support.microsoft.com/ja-jp/powerpoint/change-the-size-of-your-powerpoint-slides
- Microsoft サポート「障碍のある方のためにアクセシビリティの高い PowerPoint プレゼンテーションを作成する」https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/powerpoint/make-your-powerpoint-presentations-accessible-to-people-with-disabilities
- Microsoft PowerPoint「プレゼンテーション テンプレート」https://powerpoint.cloud.microsoft/create/ja/presentation-templates/
- SlidesCarnival「Terms of Use・Templates license」https://www.slidescarnival.com/terms-of-use、2026年10月16日確認
- Canva「スライドテンプレート」https://www.canva.com/ja_jp/presentations/templates/、2026年10月16日確認
- 株式会社Stand Technologies「AI動画サービスVideo Craft」https://videocraft.jp/、2026年10月16日確認
- 株式会社Stand Technologies「Video Craft 導入事例 株式会社メンテック様」https://videocraft.jp/blog/case-10、2026年10月16日確認