アンケートテンプレートの作り方|目的別の設問例と依頼文・個人情報の注意点

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  • 目的別の設問例を自社用に書き換える手順がわかる
  • 選択肢の作り方とダメな設問の直し方がわかる
  • 個人情報の注意点と集計の進め方がわかる

アンケートテンプレートとは、設問、選択肢、冒頭の説明文などをあらかじめ型にしたひな形のことです。顧客満足度、セミナー後、従業員満足度といった目的別に選び、自社の目的に合わせて設問を削り、書き換えて使うのが基本です。Word、Excel、Googleフォーム、Webアンケートツールのどれで作る場合も、先に「この結果を見て何を決めるのか」を1行で書いておくと、必要な設問と不要な設問を見分けられます。この記事では、目的別の設問例、選択肢の作り方、配布の依頼文、個人情報保護法への対応、ダメな例、集計の進め方までを、書き換えて使える形で整理します。

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Q1. アンケートづくりで、いま一番困っていることは?

目次

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  1. アンケートテンプレートの種類と、自社に合う作り方の選び方
  2. 目的別アンケートテンプレートの設計手順と設問例
  3. 選択式・自由回答の使い分けと、選択肢の作り方
  4. アンケート実施時の個人情報保護法対応
  5. アンケート調査でダメな例と、テンプレート運用でよくある失敗
  6. 回答データの集計・分析方法
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ
  9. 参考文献

アンケートテンプレートの種類と、自社に合う作り方の選び方

アンケートテンプレートは、配り方と集計の手間で選びます。紙ならWord、少人数ならExcel、手軽なWeb配布ならGoogleフォーム、回数や回答数が多いならWebアンケートツールが向いています。

あわせて決めておきたいのが、誰に聞くかです。顧客やイベント参加者に聞く社外向けのアンケートと、従業員に聞く社内向けのアンケートでは、設問の中身も、集めてよい情報も、合うツールも変わります。社外向けは設問づくりと回答者の確保、社内向けは同じ設問で定期的に聞いて変化を見ることが課題になりやすいため、テンプレートが用意されたサービスの役割も分かれます。次の表は、本サイトに掲載されている2つのサービスについて、商品ページと公式サイトで確認できた内容を、役割の違いとして整理したものです。優劣ではなく、自社の状況に合うかどうかで見てください。

アンケートの設問づくりと集計を助けるサービスの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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この状況に合う一例:Wevox 商品ページで、全社員にとって使いやすい従業員向けサーベイと紹介されています。

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この状況に合う一例:GMO Ask 商品ページで、豊富な設問テンプレートが特徴と紹介されています。

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サービス Wevox GMO Ask
向いている会社 従業員の満足度やエンゲージメントを定期的に把握し、組織の課題を見つけたい会社 顧客や生活者の声を、用意された設問テンプレートを使って手軽に集めたい会社
特徴 人事部などの特定の部署だけでなく全社員にとって使いやすいこと、豊富なデータ解析機能で社内の特徴や課題を把握できること、エンゲージメント向上に向けた個別支援があること(商品ページより) 用途や目的に合わせた設問テンプレートが用意されていること、3,000万人以上のアンケートモニターへ配信できること、専任担当による設問チェックがあること(商品ページと公式サイトより)
注意したい点 高度分析やセキュリティオプションなどは別途契約が必要とされています(商品ページより) 連携できるアンケートフォームはGoogleフォームのみとの記載があります(商品ページの2022年9月時点の記載)。最新の対応は資料で確認します
資料・詳細

表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。確認日:2026年10月19日

社内の従業員に定期的に聞くアンケートの一例が、株式会社アトラエのWevoxです。商品ページでは、人事部などの特定の部署だけでなく全社員にとって使いやすいこと、豊富なデータ解析機能により社内の特徴や課題を把握できること、エンゲージメント向上に向けた個別支援を提供していることが紹介されています。公式サイトにはエンゲージメントサーベイやカスタムサーベイなどのサーベイ機能が掲載されており、従業員向けの設問を毎回ゼロから考える負担を減らしたい場合の候補になります。注意点として、高度分析やセキュリティオプションなどは別途契約が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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サーベイの小項目の中から最も改善したい項目を選んでもらい、それをチームのセンターピンに設定してもらいました。

出典:Wevox公式メディア ホーユー株式会社の事例(サーベイの結果を職場の改善テーマに結びつけた取り組みについて)

社外の顧客や生活者に聞くアンケートの設問づくりで悩む場合の一例が、GMOリサーチ&AI株式会社のGMO Askです。商品ページでは豊富な設問テンプレートが特徴とされ、公式サイトでは、調査の目的に応じた11種類の設問テンプレートをまとめたホワイトペーパーの提供や、作成した設問を専任担当が事前にチェックする仕組みが案内されています。注意点として、商品ページには、連携できるアンケートフォームがGoogleフォームのみ(2022年9月現在)との記載があるため、使いたい形式に対応しているかは資料で確認してください。料金は資料や公式サイトで確認してください。

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  • 連携できるアンケートフォームは2022年9月現在、Googleフォームのみ

「このような質問だと答えにくいので、このような回答選択肢にしたらどうですか?」「このような聞き方にしてはいかがですか?」など、単に審査落ちしたという報告だけではなく、改善点についてのアドバイスがもらえるのがありがたいです。

出典:GMO Ask導入事例 ワダカルシウム製薬株式会社(調査票の改善アドバイスについて)

ここからは、どのサービスを使う場合でも、WordやExcelで自作する場合でも共通する、テンプレートの作り方を順に解説します。

目的別アンケートテンプレートの設計手順と設問例

アンケートテンプレートは、目的を1行で書き、対象者と配布方法を決め、その目的に必要な設問だけを残す順番で作ると、実務で使える形になります。簡単に作りたい場合も、この順番を省かないことが近道です。

手順1. 「結果を見て何を決めるか」を1行で書く

アンケートの失敗で最も多いのは、「とりあえず意見を聞いてみよう」と始めてしまい、集計後に使い道が見つからないケースです。設問を考える前に、「来期のセミナーのテーマを2つに絞る」「問い合わせ窓口の対応時間を延ばすか判断する」のように、結果を見て決めることを1行で書き出します。この1行が、あとで設問を削るときの判断基準になります。

手順2. 対象者と配布方法を決める

既存顧客なのか、見込み客なのか、従業員なのかで、使える言葉や答えてもらえる設問数が変わります。配布方法も、会場で紙を配る、郵送する、メールやQRコードでWebに誘導する、社内チャットで案内するなど、回答環境が異なります。スマートフォンで回答される想定なら、横に長い表形式の設問(マトリクス設問)は画面で見づらくなるため、項目数を減らすか、1問ずつに分けることを検討します。

配布方法が決まると、テンプレートをどの手段で作るかも決まります。テンプレートは大きく分けて、文書作成ソフト、表計算ソフト、無料のフォーム作成ツール、専用のWebアンケートツールの4つで作られており、それぞれ得意な場面が異なります。同じ設問でも、手段を間違えると配布や集計の手間が大きく変わるため、設問を書き始める前に選んでおきます。

作成手段向いている場面注意点
文書作成ソフト(Wordなど)店頭や会場で紙を配って、その場で記入してもらうアンケート回答を1件ずつ転記する必要があり、回答数が増えると集計の負担が大きい
表計算ソフト(Excelなど)社内でファイルを配り、少人数から回収するアンケートファイルが回答者の数だけ増え、1つにまとめる作業が発生する。スマートフォンでは入力しにくい
無料のフォーム作成ツール(Googleフォームなど)URLやQRコードで配り、簡単な集計まで自動で済ませたいアンケート設問の分岐やデザイン、回答者の管理など、細かい設定には限りがある
専用のWebアンケートツール定期的に実施する調査、回答数が多い調査、クロス集計まで行いたい調査機能によっては費用がかかるため、実施頻度と回答数に見合うかを確認する

Excel形式のアンケート用紙を探している場合は、マイクロソフトの「楽しもう Office」に「アンケート用紙」のテンプレートが公開されています(2026年10月19日確認)。ページには、文章の変更や不要な項目の非表示、項目の順番の入れ替えができ、個人情報項目の表示と非表示も選べると案内されています。こうした配布テンプレートを使う場合も、次の手順3で設問を目的に合わせて削ります。

紙で配る必要がある場面では文書作成ソフトのテンプレートが今でも有効ですが、回答者がスマートフォンを使える環境なら、Web形式のほうが回答者と集計担当者の両方の負担を減らせます。紙とWebを併用する場合は、設問の文面と選択肢の順番を両方でそろえておかないと、あとで結果を合算できなくなる点に注意します。

手順3. 目的別の設問を選び、書き換える

代表的な目的ごとに、設問の骨格と設問例を整理すると次の通りです。自社の商品名、サービス名、利用場面に置き換えて使ってください。

目的設問の骨格設問例
顧客満足度調査総合満足度、要素別の満足度、不満の理由、改善要望「今回ご利用いただいたサービスの総合的な満足度を5段階でお答えください」「最も満足度が低かった点を1つお選びください」
NPS(推奨度)調査推奨度(0から10の11段階)、その点数をつけた理由「このサービスを親しい友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか」「そのように評価した理由をお聞かせください」
従業員アンケート業務負荷、職場の人間関係、制度の利用しやすさ、改善してほしい点「現在の業務量は適切だと感じますか」「利用しにくいと感じる社内制度があればお選びください」
セミナー・イベント後内容の理解度、次回参加意向、関心のあるテーマ、個別相談の希望「本日の内容はご自身の業務に役立ちそうですか」「今後取り上げてほしいテーマをお選びください」
商品・サービス改善利用頻度、利用場面、使いにくい点、追加してほしい機能「主にどのような場面でご利用になっていますか」「使いにくいと感じた操作があればお書きください」

NPSは「推奨者」「中立者」「批判者」の割合から算出する指標で、点数そのものよりも、同じ設問を定期的に聞いて推移を見ることに意味があります。1回きりの調査で他社と点数を比べるより、四半期や半期ごとに同じ文面で聞き続けることを前提にテンプレート化しておくと、変化が読み取りやすくなります。

設問の書き方に迷う場合は、次の2つのひな形を土台にしてください。1つ目は、顧客やイベント参加者に聞く社外向けの例です。総合評価を先に聞き、要素別、理由、属性の順に並べています。

番号設問文の例回答形式
1今回ご利用いただいたサービスの総合的な満足度を教えてください5段階評価(満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、不満)
2次の項目それぞれについて、満足度を教えてください(商品・サービスの内容、スタッフの対応、対応のスピード、価格への納得感)項目ごとの5段階評価
3最も満足度が低かった点を1つお選びください単一回答(項目の一覧と「その他」)
43で選んだ点について、具体的にどのような点が不満でしたか自由回答(任意)
5このサービスを今後も利用したいと思いますか5段階評価(そう思うからそう思わないまで)
6このサービスを親しい方にすすめる可能性はどのくらいありますか0から10の11段階
7ご利用の頻度を教えてください単一回答
8そのほか、改善してほしい点があればお書きください自由回答(任意)

2つ目は、従業員に聞く社内向けの例です。仕事そのものへの満足と、働く環境への不満は別々に聞くと、改善の優先順位をつけやすくなります。氏名や社員番号は聞かず、属性も分析に必要な最小限にとどめます。

番号設問文の例回答形式
1現在の仕事にやりがいを感じていますか5段階評価(そう思うからそう思わないまで)
2現在の業務量は適切だと感じますか5段階評価
3上司や同僚に、困りごとを相談しやすい雰囲気がありますか5段階評価
4評価の基準や結果の伝え方に納得できていますか5段階評価
5利用しにくいと感じる社内制度があれば、当てはまるものをすべてお選びください複数回答(制度の一覧と「その他」「特になし」)
6これからも、今の職場で働き続けたいと思いますか5段階評価
7職場をよくするために、変えてほしいことを具体的にお書きください自由回答(任意)

手順4. 設問の順番を整える

設問は「答えやすいもの」から「考える必要があるもの」へ並べるのが基本です。冒頭に自由記述を置くと、その時点で回答をやめる人が増えやすくなります。また、個別の不満点を先に聞いてから総合満足度を聞くと、直前に思い出した不満に引きずられて総合評価が下がりやすいという「順序の影響」もあります。総合的な評価を知りたい場合は、総合満足度を先に聞き、そのあとで要素別の評価を聞く順番にします。属性(年代、業種、部署など)は、分析に本当に必要な項目だけを最後にまとめて聞きます。

手順5. 冒頭文と所要時間を書き、社内で試し回答する

アンケートの冒頭には、実施の目的、所要時間の目安、回答の締め切り、個人情報の取り扱い(後述)を書きます。「約3分で終わります」と所要時間を示すだけでも、途中でやめる人を減らす効果が期待できます。配布前には、作成者以外の2から3人に実際に回答してもらい、意味が取りにくい設問、選択肢の漏れ、所要時間のずれがないかを確認します。この試し回答は手間に見えますが、配信後の修正はできないため、最も費用対効果の高い工程です。

手順6. 依頼文を添えて配布し、回収率を上げる工夫をする

アンケートそのものと同じくらい回答数を左右するのが、配布時に添える依頼文(案内メールや社内への告知文)です。依頼文には、回答へのお礼、実施の目的、所要時間、回答期限、回答方法(URLやQRコード)、問い合わせ先を短くまとめます。テンプレートとして定型化しておくと、毎回の配布作業が早くなり、記載漏れも防げます。

記入例:先日は当社セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。今後の企画の参考にするため、アンケートへのご協力をお願いいたします。所要時間は約3分、回答期限は〇月〇日です。下記URLからご回答ください。

回収率を上げるには、回答者の負担を減らすことが基本です。スマートフォンから回答できる形式にする、イベント直後や購入直後など記憶が新しいうちに依頼する、期限の数日前に未回答者へ一度だけリマインドを送る、といった工夫が有効です。謝礼やプレゼントなどのインセンティブを用意する方法もありますが、謝礼目当ての回答で内容が雑になることもあるため、目的や対象者に合わせて検討します。

ここまでの手順のうち、最も時間がかかるのは設問づくりです。社外の顧客に聞く設問を一から考える負担が大きい場合は、目的別に用意された設問テンプレートを土台にする方法があります。GMO Askでは、調査の目的に応じた設問テンプレートが公式サイトで案内されています。

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選択式・自由回答の使い分けと、選択肢の作り方

数を比べたいときは選択式、理由や具体例を知りたいときは自由回答を使います。自由回答は1つのアンケートで1から2問に絞ると、答えてもらいやすくなります。

テンプレートに自由回答欄が多いと回答の負担が大きくなるため、自由回答は選択式の直後に「その理由」を聞く形で置くのが基本です。回答形式ごとの向き不向きは次の通りです。

形式向いている場面作るときの注意点
単一回答(1つだけ選ぶ)最も重視する点、利用頻度など、答えが1つに決まる設問選択肢が重ならないようにし、「その他」を用意する
複数回答(当てはまるものすべて)利用しているサービス、関心のあるテーマなど選択肢が多いと上のほうが選ばれやすいため、10個程度までに抑える
評価尺度(5段階など)満足度、同意度、重要度など、程度を測る設問段階の数と両端の言葉を、同じアンケート内でそろえる
マトリクス(複数の項目に同じ選択肢で答える)要素別の満足度など、同じ尺度で並べて聞きたい設問スマートフォンでは見づらいため、項目数を絞るか1問ずつに分ける
自由回答評価の理由、具体的な要望、想定していなかった意見「何でもご自由に」ではなく、聞きたい範囲を具体的に示す

選択肢を作るときの3つのルール

選択式の設問を作るときは、次の3点を確認します。1つ目は、選択肢の間に重なりがないことです。「1年未満」「1年から3年」「3年以上」のように区切ると、ちょうど3年の人がどちらを選べばよいか迷います。「1年未満」「1年以上3年未満」「3年以上」のように境界をはっきりさせます。2つ目は、想定される回答が漏れていないことで、自信がない場合は「その他(具体的に)」を加えます。3つ目は、選択肢の並びが評価の方向と一致していることです。満足度の設問で上から「満足」、別の設問では上から「不満」という並びが混在すると、読み違いによる誤回答が増えます。

5段階評価の選択肢の言葉の例

5段階評価の言葉は、聞く内容に合わせて選びます。同じアンケートの中では、段階の数と並べる向きをそろえてください。

聞く内容5つの選択肢の例
満足度満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、不満
同意度(そう思うか)そう思う、ややそう思う、どちらともいえない、あまりそう思わない、そう思わない
重要度非常に重要、やや重要、どちらともいえない、あまり重要でない、重要でない
利用頻度ほぼ毎日、週に数回、月に数回、年に数回、利用していない

真ん中の「どちらともいえない」を置くかどうかで、回答の分かれ方が変わります。全体の傾向をつかみたいときは置き、賛成か反対かをはっきり知りたいときは置かない設計もあります。どちらにする場合も、アンケート全体でそろえておくことが大切です。

1つの設問で1つのことだけを聞く

「スタッフの対応とスピードに満足しましたか」のように、2つの要素を1つの設問で聞くと、対応には満足したがスピードには不満だった人は答えられません。これはテンプレートを流用するときにも起こりやすい失敗です。設問文に「と」「や」「および」が含まれていたら、2つに分けられないかを確認する習慣をつけると防げます。また、「多くのお客様にご好評いただいている本サービスについて」のような前置きは回答を誘導してしまうため、設問文は中立的な表現にします。

アンケート実施時の個人情報保護法対応

アンケートで氏名やメールアドレスなど個人を特定できる情報を集める場合は、あらかじめ本人に利用目的を示し、必要な項目だけを集め、安全に管理することが基本です。事業の規模にかかわらず、個人情報を事業に使う事業者は個人情報保護法の対象になるため、小規模な店舗や個人事業主のアンケートでも確認しておきます。以下は一般的な整理であり、法的助言ではありません。個別の判断が必要な場合は、個人情報保護委員会の公表資料や専門家に確認してください。

利用目的をアンケートの冒頭で示す

個人情報保護法では、個人情報を取り扱うにあたって利用目的をできる限り特定することが求められています(第17条)。さらに、アンケート用紙やWebフォームのように、本人から直接書面や電磁的記録で個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示することが求められています(第21条第2項)。テンプレートの冒頭文に、たとえば次のような一文を入れておくと対応しやすくなります。

記入例:ご回答いただいた内容および個人情報は、サービス改善の検討と、ご希望の方への資料送付のためにのみ利用します。取り扱いの詳細は当社のプライバシーポリシーをご確認ください。

アンケート後に営業メールを送る予定がある場合は、その旨も利用目的として書いておく必要があります。明示した目的の範囲を超えて使う場合は、原則として本人の同意が必要になるとされています。

必要のない個人情報は聞かない

テンプレートの属性欄には、氏名、年齢、住所、電話番号などがまとめて並んでいることがあります。しかし、満足度の傾向を知るだけなら、氏名や連絡先は必要ありません。取得する情報が少ないほど、管理の手間と漏えい時の影響は小さくなり、回答者の心理的な負担も減ります。「この項目は、手順1で書いた目的に必要か」を1項目ずつ確認し、不要なものは削除するか、任意回答にします。

匿名と記名はどちらがよいか

本音を集めたいアンケートは、匿名のほうが答えやすくなります。特に従業員アンケートでは、記名にすると評価への影響を心配して正直に答えにくい人が出るため、匿名での実施を検討します。一方で、個別のフォローが必要なアンケートや、回答者への連絡が前提のアンケートは記名が必要です。匿名にする場合も、部署、年代、役職などの属性を細かく聞きすぎると、少人数の部署では回答者が推測できてしまいます。属性は分析に必要な範囲に絞り、回答者が少ないグループの結果は個別に公表しない運用にしておきます。従業員の個人情報を扱う帳票全般の注意点は、給与明細テンプレートの記事も参考になります。

病歴などの要配慮個人情報、保管、外部提供に注意する

病歴、障害、信条など、本人に対する不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮が必要な情報は「要配慮個人情報」とされ、取得には原則として本人の同意が必要とされています(第20条第2項)。従業員アンケートで健康状態や家庭の事情を聞く設問を入れる場合は、本当に必要か、回答を任意にできないかを慎重に検討します。

集めた回答データのうち、氏名などと結びついて検索できる形にしたものは個人データにあたり、漏えいや紛失を防ぐための安全管理措置を講じることが求められています(第23条)。回答を記入した紙を机の上に置いたままにしない、Excelファイルを誰でも見られる共有フォルダに置かない、閲覧できる担当者を限定するといった基本的な対策が中心です。また、回答データの取り扱いを外部の会社に委託する場合は委託先の監督(第25条)、外部に渡す場合は第三者提供の制限(第27条)に関わるため、提供の目的と契約内容を確認します。Webアンケートツールを使う場合も、データの保管場所やアクセス権限の設定を確認しておきましょう。

配布されているテンプレートの利用条件も確認する

Web上で配布されているテンプレートには、「商用利用可」「クレジット表記が必要」「再配布禁止」など、提供元ごとに利用条件が定められていることがあります。社外向けの調査や、顧客に配布する資料として使う場合は、ダウンロード前に利用規約を確認しておくと安心です。

アンケート調査でダメな例と、テンプレート運用でよくある失敗

アンケート調査でダメな例は、回答を誘導する聞き方、1つの設問に2つの内容を入れる、選択肢が重なる、目的のない設問を並べる、の4つが代表的です。

設問の聞き方のダメな例と直し方

設問文の失敗は、結果の信頼性に直結します。次の表のような設問がテンプレートに残っていないか、配布前に確認してください。

ダメな例何が問題か直し方
多くのお客様にご好評の当サービスに、満足していますか前置きが回答を誘導し、満足と答えやすくなる「当サービスの満足度を教えてください」と中立に聞く
スタッフの対応とスピードに満足しましたか2つの内容を1問で聞いており、片方だけ不満の人が答えられない対応とスピードを別の設問に分ける
1年未満、1年から3年、3年以上境界の「1年」「3年」がどの選択肢にも入り、迷う1年未満、1年以上3年未満、3年以上にする
現在の課題をお書きください(自由回答のみ)範囲が広すぎて、書く人と書かない人で差が出る主な課題の選択肢を示し、「その他」で自由に書いてもらう
使いにくくないと感じない否定が2つ重なり、意味を取り違えやすい「使いやすいと感じますか」と肯定の形に直す

テンプレート運用でよくある失敗

テンプレートを使ったアンケートでつまずきやすいポイントは、設問の中身よりも運用の段階に集中しています。代表的な失敗と、その回避策を整理すると次の通りです。

よくある失敗起きること回避策
テンプレートの設問をすべて残す設問数が多くなり、途中でやめる人が増える目的の1行に照らして、使い道のない設問を削る
毎回設問の文面を変える前回と比べられず、改善の効果が分からない定点で聞く設問は文面と選択肢を固定し、変更履歴を残す
Excelのテンプレートを部署ごとにコピーして使う列の並びや選択肢が少しずつ変わり、全社で集計できない原本を1つに決め、管理者と更新ルールを決める
利用目的の記載がない集めた連絡先をあとから案内に使えず、法令面のリスクも残る冒頭文の定型文に利用目的の一文を組み込んでおく
集計を後回しにする紙の回答が溜まり、転記の手間で結果の共有が遅れる回収の締め切りと同時に集計担当と報告日を決めておく

表の下の3つは、アンケートを担当者の手作業で回していることが原因で起きやすい失敗です。特に、部署ごとにテンプレートのコピーが増えて集計できなくなる問題は、アンケートの回数が増えるほど深刻になります。原本を1つに決めて管理する考え方は、シフト表テンプレートの記事で扱う他の業務テンプレートでも共通します。

自社の今のやり方がどの程度手作業に寄っているかを、次のチェックで確かめてみてください。

アンケートの作り方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

回答データの集計・分析方法

集計は、全体の傾向を見る「単純集計」から始め、属性ごとの違いを見る「クロス集計」、理由を読み取る「自由回答の分類」の順に進めると、報告にまとめやすくなります。

単純集計で全体の傾向をつかむ

単純集計は、設問ごとに各選択肢を選んだ人数と割合を出す方法です。5段階評価の設問では、平均点だけでなく「満足」と「やや満足」を合わせた割合(上位2つの割合)も一緒に出すと、読み手に伝わりやすくなります。平均点は極端な回答に左右されやすいため、分布とセットで見るのが基本です。

クロス集計で違いが出る層を探す

クロス集計は、年代別、利用期間別、部署別などに分けて回答を比べる方法です。全体の満足度が同じでも、利用開始から1年未満の顧客だけ満足度が低い、といった違いが見つかれば、改善すべき対象が具体的になります。ただし、分けたグループの回答者が数人しかいない場合は、偶然のばらつきで割合が大きく動くため、回答数が少ないグループの結果は参考程度にとどめます。

自由回答は分類してから数える

自由回答は、一つひとつ読むだけでは全体像がつかめません。「価格」「操作性」「サポート」「その他」のように分類ラベルを決めて各回答に割り振り、ラベルごとの件数を数えると、どの不満が多いかを数字で示せます。印象に残った1件の意見だけで判断しないことが大切です。

結果を共有し、改善行動につなげる

集計が終わったら、結果を報告書にまとめて終わりにせず、手順1で書いた「結果を見て何を決めるか」に立ち返って、実際に何をするかを決めます。報告は、分かったこと(数字)、そこから読み取れること(解釈)、次に行うこと(担当者と期限)の3点に絞ると、会議で結論が出やすくなります。会議用の資料にまとめるときは、パワーポイントテンプレートの記事も参考になります。

あわせて、回答してくれた人への結果の共有も欠かせません。特に従業員アンケートや既存顧客へのアンケートでは、回答しても何も変わらないと感じた人は、次回から回答しなくなる傾向があります。結果の概要と、それを受けて変えること、今回は対応を見送ることとその理由を、社内報やメール、Webサイトのお知らせなどで短く伝えます。この共有の文面も、依頼文と同じようにテンプレートとして定型化しておくと、実施のたびに迷わずに済みます。

実施頻度と、前回との比べ方

従業員アンケートや顧客満足度調査のように、状態の変化を見たいアンケートは、同じ設問、同じ選択肢で、同じ時期に繰り返し聞くと比べやすくなります。実施の頻度に決まった正解はなく、変化を見たい間隔と、回答者の負担を見て決めます。回答が増えるほど手作業の集計が重くなるため、頻度を上げる前に、集計をどこまで自動化できるかも確認しておきます。

集計作業にかかる時間を見積もる

紙やExcelのテンプレートで実施した場合、回答1件ごとの転記、入力ミスの確認、グラフ作成に時間がかかります。回答が数百件になるアンケートや、毎月・毎四半期のように定期的に実施するアンケートでは、この集計工数が担当者の大きな負担になりがちです。集計や分析の機能をもつサービスを使えば、担当者は集計作業ではなく、結果から何を改善するかを考えることに時間を使えます。従業員アンケートの結果を会社の課題の把握につなげたい場合は、データ解析機能をもつWevoxのようなサービスも選択肢になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. アンケート調査でダメな例はどのようなものですか?

A. 回答を誘導する前置きがある、1つの設問に2つの内容を入れている、選択肢の境界が重なっている、目的のない設問を並べているといった例が代表的です。配布前に、作成者以外の人に試し回答してもらうと見つけやすくなります。

Q2. 簡単なアンケートの作り方を教えてください。

A. まず結果を見て何を決めるかを1行で書き、対象者と配布方法を決めます。次に目的に必要な設問だけを選び、答えやすい順に並べて、冒頭に目的と所要時間を書きます。最後に作成者以外の人に試し回答してもらってから配布します。

Q3. ExcelやWordで使えるアンケートテンプレートはありますか?

A. マイクロソフトの「楽しもう Office」に、Excel形式の「アンケート用紙」のテンプレートが公開されています。項目の変更や並べ替えができるため、目的に合わない設問は削って使いましょう。利用条件は提供元のページで確認してください。

Q4. アンケートの例文(設問文)はどのように書けばよいですか?

A. 1つの設問で1つのことだけを、中立的な言葉で聞くのが基本です。たとえば「サービスの総合的な満足度を5段階で教えてください」のように、誘導する前置きを入れず、選択肢の境界が重ならないようにします。目的別の例は本記事の表を参考にしてください。

Q5. アンケートで個人情報を集めるときに必要なことは何ですか?

A. アンケート用紙やWebフォームで本人から直接個人情報を取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示することが求められています。あわせて、目的に不要な項目は集めない、回答データを安全に保管するといった対応も確認しておきましょう。

Q6. テンプレート作成や集計の手間を減らす方法はありますか?

A. 設問テンプレートが用意されたWebアンケートツールを使う方法があります。従業員に聞くならWevox、顧客や参加者に聞くならGMO Askのように、聞く相手で合うサービスが分かれるため、資料で自社の用途に合うかを確認してから検討しましょう。

まとめ

アンケートテンプレートを実務で役立てるために押さえておきたいことは、次の5つです。

  1. 設問を考える前に、結果を見て何を決めるかを1行で書く
  2. 目的別のテンプレートは設問の候補集として使い、不要な設問は削る
  3. 選択肢は重なりと漏れをなくし、1つの設問で1つのことだけを聞く
  4. 個人情報を集める場合は、冒頭で利用目的を明示し、必要な項目だけを取得する
  5. 手作業の負担が大きくなったら、設問テンプレートが用意されたサービスの資料を取り寄せ、聞く相手(社内か社外か)に合うかを比べて検討する

テンプレートは作業を早めるための道具であり、目的を決める作業までは代わりにしてくれません。目的の1行を起点に設問を整え、集計と振り返りまでを1つの流れとして設計することで、アンケートが業務改善につながる仕組みになります。

参考文献

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の事案については、個人情報保護委員会の公表資料をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。

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