退職届テンプレート無料配布|書き方・例文・封筒マナーを解説
Check!
- 退職届・退職願・辞表の違いと法的効力の違いがわかる
- 手書き・Word・PDF形式の選び方と封筒マナーを確認できる
- 退職後に必要な書類・手続きのチェックリストを確認できる
退職届テンプレートを使えば、書式の心配なく退職手続きを進められます。ただし、退職届と退職願の違いを把握せずに提出すると、法的な意味が変わったり、会社との手続きでトラブルになる場合があります。また、無料で配布されているテンプレートの中には著作権上の注意が必要なものや、古い法律に基づく内容のものもあります。本記事では、すぐに使える例文・テンプレートの選び方から、手書き・Word・PDF形式の使い分け、封筒への入れ方、そして退職手続き全体の流れまで、個人事業主・中小企業・中堅大企業の担当者が共通して知っておくべき実務情報を整理しました。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
退職届・退職願・辞表の違いと使い分け
退職届は「退職します」と確定的に届け出る書類、退職願は「退職したい」と申し出る書類で、法的な効力の発生タイミングが異なります。多くの場合、会社から求められるのは退職届ですが、まず口頭で意思を伝えてから退職願を提出し、承認後に退職届を出す流れが一般的です。辞表は役員・公務員が職を辞す際に使用する書類で、一般社員の退職届とは区別します。
どちらを提出すれば良いか
会社の就業規則に提出書類の指定がある場合はそれに従います。指定がない場合、一般的には「まず退職願で意思を伝え、承認後に退職届を提出」する流れが円満です。民法第627条により、退職の意思表示から2週間が経過すれば雇用関係は終了しますが、就業規則で「1か月前申し出」と定めている会社も多く、円満退職のためには就業規則に従った期日で提出することを推奨します(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ 2025年6月時点確認)。
退職届テンプレートの基本書式と記入例
退職届には「退職理由」「退職日」「届出日」「所属・氏名・捺印」「宛名(代表者名)」の5項目を漏れなく記載します。書式は縦書き・横書きどちらでも法的効力に差はありませんが、手書きの場合は縦書き白便箋(B5またはA4)が一般的なマナーとされています。退職理由は自己都合の場合「一身上の都合により」と記載するのが定型で、詳細な事情を書く必要はありません。
退職届の例文(自己都合・縦書き対応)
以下は縦書き・横書きどちらでも使える基本例文です。会社名や氏名、退職日は必ずご自身の情報に書き換えてください。
| 項目 | 記入例(退職届) | 記入例(退職願) |
|---|---|---|
| タイトル | 退職届 | 退職願 |
| 冒頭 | 私儀 | 私儀 |
| 本文 | このたび一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたします。 | このたび一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。 |
| 届出日 | 令和○年○月○日 | 令和○年○月○日 |
| 所属・氏名 | 〇〇部 氏名(捺印) | 〇〇部 氏名(捺印) |
| 宛名 | 〇〇株式会社 代表取締役社長 〇〇〇〇 殿 | 〇〇株式会社 代表取締役社長 〇〇〇〇 殿 |
縦書きで日付を記入する場合は漢数字(例:令和七年六月一日)、横書きの場合はアラビア数字でも問題ありません。宛名の敬称は「殿」または「様」を使用し、自分の名前より上方(または左方)に配置します。捺印は認印で可ですが、シャチハタ(スタンプ式)は避け、消えないボールペンで署名することを推奨します。
会社都合退職の場合の書き方
会社都合退職(リストラ・退職勧奨など)の場合でも、会社から退職届の提出を求められることがあります。この場合、退職理由を「一身上の都合」と書くと自己都合扱いになるリスクがあるため、「部門縮小のため」「退職勧奨に伴い」など実態に即した理由を記載するようにしてください。離職票の退職理由と整合が取れているかを確認することも重要です(参考:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」)。
手書き・Word・PDF形式の選び方と提出方法
就業規則に「手書き必須」と定められていなければ、Word・PDF等のPC作成でも法的効力に問題はありません。ただし、パソコン作成の場合でも氏名(署名)だけは手書きにして捺印することで、本人の意思による提出であることの証明力が高まります。中小企業では手書きを慣習的に求めるケースもあるため、事前に就業規則か信頼できる先輩に確認しておくと安心です。
封筒への入れ方と表書き
退職届は封筒に入れて提出するのがマナーです。封筒の表面に「退職届」または「退職願」とタイトルを書き、裏面左下に所属部署とフルネームを記載します。書類は三つ折りにして(書き出し面が内側になるよう折る)封入し、封をした上で「〆」と書きます。提出は基本的に直属の上司に直接手渡しですが、病気・遠方等のやむを得ない場合は事前に上司へ連絡の上、簡易書留で郵送します。
退職手続きの全体ステップと提出タイミング
退職の申し出から最終退職日までは、就業規則に定めた期日に沿って段階的に手続きを進めます。多くの企業では「退職希望日の1〜2か月前までに申し出」と定めており、この期限を守ることが円満退職の大前提です。民法上は2週間前の通知で退職は有効ですが、業務引き継ぎや後任育成の観点から、実務上は余裕を持った申し出が望ましいとされています(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ 2025年6月時点確認)。
中小企業・個人事業主における退職届の実務ポイント
従業員規模が小さい企業では、退職届の書式が整備されていないケースや、就業規則自体が存在しない(または未整備の)ケースがあります。常時10名以上の従業員を雇用する企業には就業規則の作成・届け出が義務付けられており(労働基準法第89条)、退職に関するルールを明記することが法律上の要件です。個人事業主・フリーランスが従業員に退職届を求める際も、民法の規定に基づき退職の2週間前に申し出があれば法律上有効となります(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」退職・解雇・雇止め https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ 2025年6月時点確認)。
| 企業規模・立場 | 退職届に関する実務上の注意点 |
|---|---|
| 個人事業主(雇用なし) | 退職届の提出義務はなし。業務委託契約の場合は契約条件に準拠 |
| 少人数(9名以下)の事業主 | 就業規則の法定義務はないが、退職ルールをあらかじめ雇用契約書に明記すると後のトラブル防止になる |
| 10名以上の事業主 | 就業規則の作成・届け出が必須(労働基準法第89条)。退職手続きの規定を必ず記載 |
| 従業員(全規模共通) | 就業規則に指定書式があれば従う。なければ本記事のテンプレートを参考に作成 |
退職届テンプレートを使う際の法務・労務確認事項
退職届の提出に際しては、労働基準法・民法・就業規則の3つのルールが複雑に絡み合います。特に以下の点は確認漏れが起きやすいため、担当者・退職者双方で事前に確認しておくことを推奨します。
確認必須の法務・労務論点
①退職証明書の発行義務(労働基準法第22条) 退職者から請求があった場合、事業主は退職証明書を「遅滞なく」発行する義務があります。発行を拒否した場合は30万円以下の罰金(同法第120条)が科されます。転職先や国民健康保険の手続き等で必要になるケースがあるため、退職手続き時に発行の流れを確認しておきましょう。請求できる期間は退職後2年以内です。
②テンプレートの著作権・利用規約の確認 インターネット上で配布されているテンプレートには、個人利用のみ可・商用利用禁止のものがあります。企業の人事部門が就業規則のひな形として使用したり、外部に頒布したりする場合は、配布元の利用規約を必ず確認してください。「法定書式」(厚生労働省や都道府県労働局が公開するもの)については著作権制限がなく自由に利用できます(出典:厚生労働省「退職証明書」様式 https://jsite.mhlw.go.jp/ 2025年6月時点確認)。
③自己都合・会社都合の記載ミスによるリスク 退職理由の書き方を誤ると、雇用保険の給付日数・給付開始時期に影響が出ます。会社都合退職(退職勧奨・倒産等)の場合に「一身上の都合」と記載してしまうと、失業給付の上で不利になるケースがあります。厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」を参照し、離職票の記載内容と整合を取ることが重要です(出典:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/ 2025年6月時点確認)。
よくある失敗パターン3つと回避策
退職届のトラブルは「書式の誤り」よりも「手続きの流れを誤解した」ことで起きるケースが多く、事前知識で大半を防げます。
退職後に必要な書類と手続きチェックリスト
退職届の提出後も、会社・個人双方でいくつかの書類手続きが必要になります。受け取り忘れや申請漏れがあると、失業給付・社会保険・税金の手続きに支障が出ることがあります。退職日前後のタイミングで必ず確認してください。
| 書類・手続き | 発行・申請先 | 用途・注意点 |
|---|---|---|
| 離職票(雇用保険被保険者離職証明書) | 会社が手続き後ハローワークから発行 | 失業給付の申請に必要。59歳以上は本人希望にかかわらず発行義務あり |
| 源泉徴収票 | 会社 | 退職後1か月以内に発行義務あり。確定申告・年末調整に使用 |
| 退職証明書 | 会社(請求した場合に発行義務) | 転職先・国保手続き等で必要。退職後2年以内なら請求可能 |
| 雇用保険被保険者証 | 会社(ハローワーク経由) | 転職先への提出に必要 |
| 健康保険資格喪失証明書 | 会社・健保組合 | 国民健康保険への加入手続きに必要 |
| 国民健康保険加入手続き | 市区町村窓口 | 退職日翌日から14日以内に手続き |
| 国民年金切り替え手続き | 市区町村窓口 | 退職日翌日から14日以内に手続き |
よくある質問(FAQ)
Q1. 退職届はメールや郵送でも提出できますか?
A. 就業規則や上司の指示でメール・郵送が認められている場合は可能です。やむを得ない理由(病気・遠方勤務等)で手渡しが困難な場合は、事前に上司へ電話やメールで連絡した上で、簡易書留で郵送するのが一般的なマナーです。メールの場合はPDFを添付し、原本を後日郵送することが推奨されます。
Q2. 退職届を提出後に撤回できますか?
A. 退職願(申し出の書類)であれば人事責任者の承認が下りる前なら撤回できる可能性がありますが、確実ではありません。退職届(確定通告)は上司が受理した時点で原則として撤回できないとされています。一方で、会社が承諾する場合は撤回が認められることもあります。撤回の可能性がある段階では退職を安易に書面化せず、まず口頭で相談することを検討してください。
Q3. テンプレートは手書きにコピーして使えますか?
A. テンプレートをそのまま書き写す(手書きの参考として使う)ことは問題ありません。ただし、特定サービスのテンプレートをPDFのまま複製・配布したりWordデータを社内展開したりする場合は、配布元の利用規約を確認してください。厚生労働省・都道府県労働局の公式様式は利用制限がなく、人事担当者が社内ひな形として使用することも可能です。
Q4. 退職証明書はいつまでに請求できますか?
A. 退職後2年以内であれば、労働基準法第115条に基づき請求できます。会社は労働者から請求があった場合、遅滞なく発行する義務があります(労働基準法第22条)。発行を拒否した場合は30万円以下の罰金が科されます。国民健康保険の加入や転職先への提出など、退職後に必要になる場面があるため、退職時点で担当者に発行フローを確認しておくことをお勧めします。
Q5. パート・アルバイトも退職届は必要ですか?
A. 法律上の義務はなく、口頭での申し出でも退職は有効です(民法第627条)。ただし、会社の就業規則や雇用契約書に提出を求める規定がある場合はそれに従います。円満退職のためには、書面での申し出を行った方がトラブルを防ぎやすくなります。
まとめ|退職届テンプレートを活用するための3つのポイント
- 退職届と退職願の違いを把握する 退職届は「確定通告」、退職願は「申し出」で法的効力が異なります。どちらを提出するかは会社の就業規則に従い、承認後に退職届を提出するのが一般的な流れです。
- 5項目を漏れなく記載する 退職理由(一身上の都合)・退職日・届出日・所属氏名捺印・宛名の5項目が揃っていれば、書式(縦書き・横書き・Word・PDF)は問いません。就業規則で指定がある場合はそれに従ってください。
- 退職後の書類・手続きを事前にリストアップする 離職票・源泉徴収票・退職証明書・健康保険・国民年金の手続きは、退職日直後から期限のある手続きが発生します。退職届提出前に担当者に確認し、受け取り漏れを防ぎましょう。
退職届テンプレートは「書類を正しく作成するためのツール」ですが、最終的に大切なのは退職手続き全体をスムーズに進めることです。就業規則の確認・就業期間の確認・後任への引き継ぎをセットで進めることが、個人事業主・中小企業・大企業のいずれの規模でも求められます。本記事の内容を参考に、退職届の作成から退職後の手続きまでを一連の流れとして整理してください。
参考文献
| # | 発行元 | 資料名 | 発行年 | URL | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 厚生労働省 | 確かめよう労働条件(退職・解雇・雇止め) | 随時更新 | https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ | 2025年6月時点 |
| 2 | デジタル庁(e-Gov法令検索) | 民法第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ) | 随時更新 | https://elaws.e-gov.go.jp/ | 2025年6月時点 |
| 3 | デジタル庁(e-Gov法令検索) | 労働基準法第22条(退職時等の証明)・第120条(罰則) | 随時更新 | https://elaws.e-gov.go.jp/ | 2025年6月時点 |
| 4 | 厚生労働省 | 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準 | 随時更新 | https://www.mhlw.go.jp/ | 2025年6月時点 |
この記事に興味を持った方におすすめ