出勤簿テンプレート【無料】記載項目・Excel計算式・業種別の運用を解説

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  • 出勤簿に公式様式はなく項目で選ぶとわかる
  • 必要な記載項目とExcel計算式がわかる
  • 保存期間と業種別の運用ポイントを確認できる

出勤簿に法律で決まった様式はなく、厚生労働省も出勤簿の公式テンプレートは公開していません。始業・終業時刻を日ごとに残せる様式であれば、無料のExcelテンプレートで作っても問題ありません。ただし、時刻を書く欄がない、残業や深夜労働を分けて集計できないといったテンプレートを選ぶと、給与計算の誤りや労務トラブルにつながります。本記事では、厚生労働省の資料で確認できること、必要な記載項目とそのままExcelに写せる列構成・数式、形式の選び方、業種別の運用、よくある失敗を解説します。

あなたの出勤簿の運用に合うやり方を診断

Q1. 今の出勤簿はどのように運用していますか?

目次

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  1. 出勤簿テンプレートに厚生労働省の公式様式はある?選び方と勤怠管理システムの分かれ目
  2. 出勤簿とは|法定三帳簿としての位置づけ
  3. 出勤簿の記載項目|そのまま使える無料テンプレートの列構成
  4. Excel・Word・Googleスプレッドシート|テンプレート形式の選び方
  5. 業種別の出勤簿運用|建設業・店舗・製造業・家族経営
  6. 自動計算機能付きテンプレートの活用と限界
  7. 出勤簿テンプレートでよくある失敗パターン
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|出勤簿テンプレートは「時刻が残る様式」を選ぶ
  10. 参考文献

出勤簿テンプレートに厚生労働省の公式様式はある?選び方と勤怠管理システムの分かれ目

出勤簿に法律で決まった様式はなく、厚生労働省も出勤簿の公式テンプレートは公開していません。始業・終業時刻を日ごとに残せる様式なら、自社で選んだ無料のテンプレートで問題ありません。

厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」に掲載されているのは労働者名簿と賃金台帳の様式で、出勤簿は載っていません(2026年10月15日確認)。国が出勤簿について示しているのは様式ではなく、労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録するという考え方です(出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。そのため、テンプレートは自社の働き方に合わせて選び、必要な項目を満たしているかを自分で確かめる必要があります。

従業員が数名で勤務時間が固定なら、テンプレートで足ります。一方、時刻の記録を自己申告に頼っている、月末の集計や転記に毎月時間がかかる、残業の上限管理が目視になっている場合は、打刻から集計までを任せられる勤怠管理システムも選択肢になります。次の表は、本サイトに掲載している2つの勤怠管理システムを、商品ページで確認した内容(2026年10月15日確認)で比べたものです。優劣ではなく役割の違いで並べています。

出勤簿の記録・集計を仕組みに任せるなら、2つの勤怠管理システムの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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この状況に合う一例:ジンジャー勤怠パソコン・スマホ・交通系ICカード・チャットなど、複数の打刻方法に対応していると紹介されています。

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サービス ジンジャー勤怠 カオナビ勤怠
向いている会社 スマホやICカード、チャットでの打刻に切り替えたい会社。外回りやリモートの従業員、外国人従業員がいる会社 打刻忘れや残業超過の催促を通知に任せたい会社。ほかのシステムとCSVやAPIで連携したい会社
特徴 打刻漏れの自動通知、100種以上から選べる集計項目、承認ルートの10段階設定、英語など5言語の表示、1か月の無料トライアル アラート機能、シフト管理と工数管理、36協定の設定、月次・日次データのCSV・PDF出力と5年間の自動保存、導入前の無料オンライン相談
注意したい点 セキュリティ機能やサポートプランの一部はオプション料金。口コミにはアプリの動作や管理者画面の見やすさへの指摘がある タブレットは一部のタッチ操作に非対応で、スマートフォンアプリの動作保証はサポート対象外。プランは人事DXとタレントマネジメントから選ぶ
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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

時刻の記録を自己申告から打刻に切り替えたい場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー勤怠です。パソコン・スマートフォン・タブレットのほか、交通系ICカードやChatwork・Slackでも打刻でき、GPSやIPアドレスによる制限で不正打刻を防ぐ仕組みがあると商品ページで紹介されています。打刻漏れは従業員に自動で通知されます。一方、セキュリティ機能やサポートプランの一部はオプション料金になるほか、口コミにはアプリの動作や管理者画面の見やすさへの指摘もあります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

jinjer株式会社

ジンジャー勤怠

ジンジャー勤怠
出典:hcm-jinjer.com

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4.4 (14件)
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ここが少し気になる…

  • スマホアプリだと申請や修正画面がわかりにくい
評価・口コミ(一部抜粋)
4.4
  • jinjer勤怠を利用することによって、取り急ぎ問題となっていた「社内システムでは不可能な日付を跨いだ打刻」に関する問題が解決しました。 また、個人個人で日勤・夜勤がバラバラになっているシフト管理も、あらかじめスケジュールを登録できることにより解決しました。現場の責任者からも「シフト表を作る手間が省けた!」と大変好評でした。 労務部の立場としても、無理なシフトになっていないかの連携がリアルタイムにできることは大きなメリットでした。

  • 以前の勤怠管理は従業員一人一人がExcelを使って毎日時間を打ち込んでいましたが、ジンジャーを利用するとボタン一つで出勤退勤ができるようになりました。なので勤怠管理の作業時間が短くなることが1番のメリットだと思います。

  • 打刻忘れや申請漏れに対するアラート機能があるため、従業員自身が気づきやすくなり、修正依頼が減少しました。管理側の確認作業も楽になり、ミスが少なくなったのを実感しています。

他システムとの比較記事はこちら


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ベンダーの導入事例では、社会福祉法人三重ベタニヤが、200名を超える職員の勤怠をタイムカードとExcelで管理して回収から給与計算までに毎月2営業日以上かかっていた課題を、勤怠管理と給与計算を1つのシステムにまとめて改善したと紹介されています(出典:ジンジャー導入事例「社会福祉法人三重ベタニヤ」)。

出勤簿とは|法定三帳簿としての位置づけ

出勤簿とは、従業員が何日に出勤し、何時から何時まで働いたかを記録する書類です。労働者名簿・賃金台帳と並んで「法定三帳簿」と呼ばれ、労働時間を把握した記録として一定期間の保存が求められます。

労働基準法には「出勤簿」という名前の帳簿を作れという条文はありません。労働者名簿は第107条、賃金台帳は第108条で作成が義務づけられており、出勤簿やタイムカードは、第109条が保存を求める「労働関係に関する重要な書類」に当たると解されています。また、使用者には労働時間を適正に把握する責務があり、その具体的な方法を示したのが厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日策定)です(出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。

帳簿 主な根拠 記録する内容 出勤簿との関係
労働者名簿 労働基準法第107条 氏名、生年月日、住所、雇入れ年月日、退職日など 誰の出勤簿かを特定する基本情報
賃金台帳 労働基準法第108条 労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働時間数、賃金の内訳など 出勤簿を集計した数字を転記する先
出勤簿(タイムカード等) 労働基準法第109条(保存)、上記ガイドライン(把握方法) 出勤日、始業・終業時刻、休憩時間、時間外労働など 三帳簿のうち日々の実績を残す元データ

三帳簿の関係で押さえておきたいのは、出勤簿が賃金台帳の「元データ」だという点です。賃金台帳には時間外労働や深夜労働の時間数を書く欄があるため、出勤簿の段階でそれらを分けて記録していないと、賃金台帳を正しく作れません。出勤簿テンプレートを選ぶときは、単に出勤の有無を丸で付けるだけの様式ではなく、時刻と時間数を残せる様式かを確認してください。

保存期間は原則5年、当分の間は3年

労働関係の重要な書類の保存期間は、2020年4月の改正労働基準法で3年から5年に延長され、経過措置として当分の間は3年とされています(出典:厚生労働省 スタートアップ労働条件「賃金台帳等の労働契約関係の書類の保存期間は何年ですか?」)。起算日は、記録が完結した日か、その記録に関係する賃金の支払期日のいずれか遅い日とされています(出典:厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」)。月末締め翌月25日払いの会社なら、3月分の出勤簿は4月25日から数えることになります。

Excelで管理している場合、保存期間中のファイルを上書きしてしまう事故がよく起こります。月ごとにファイルを分けて「2026年03月_出勤簿.xlsx」のように名前を付け、締め処理が終わった月のファイルは読み取り専用にするか、PDFに書き出して別フォルダに保管しておくと安心です。退職者の出勤簿も同じ期間の保存が必要です。

管理職も「労働時間の状況」の把握が必要

上記のガイドラインは、管理監督者やみなし労働時間制が適用される労働者を対象から除いています。そのため「店長や課長は出勤簿がいらない」と考えがちですが、労働安全衛生法では、長時間労働者への医師による面接指導を行うため、管理監督者も含めて労働時間の状況を把握することが事業者に求められています。管理職の分だけ記録が抜けている出勤簿テンプレートの運用は、健康管理の面で不十分になる可能性があるため、管理職も同じ様式で出退勤時刻を残しておくのが無難です。

厚生労働省の公式資料で確認できること|出勤簿まわりの早見表

出勤簿そのものの様式は公開されていませんが、関連する帳簿や運用のルールは厚生労働省の資料で確認できます。法定三帳簿のうち労働者名簿と賃金台帳は国の様式をそのまま使え、出勤簿だけを自社で選ぶ形になります。次の表は、知りたいことごとに、確認できる公式資料と分かる内容をまとめたものです(2026年10月15日確認)。

知りたいこと 厚生労働省の資料 確認できる内容
出勤簿の様式主要様式ダウンロードコーナー労働者名簿と賃金台帳の様式は掲載されているが、出勤簿の様式は掲載されていない
時刻の記録の方法労働時間の適正な把握のためのガイドライン労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録する。原則は使用者の現認か、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間などの客観的な記録。自己申告制では説明と実態調査などの措置が必要
保存期間スタートアップ労働条件のQ&A原則5年、当分の間は3年
年次有給休暇管理簿リーフレット「年5日の年次有給休暇の確実な取得」労働者ごとに作成して3年間保存する。労働者名簿や賃金台帳とあわせて調製できる
時間外労働の上限スタートアップ労働条件「時間外労働の上限」36協定を結んでも、原則として月45時間・年360時間が上限
割増賃金の率確かめよう労働条件「時間外・休日労働と割増賃金」時間外と深夜(午後10時から午前5時)は25%以上、法定休日は35%以上。月60時間を超える時間外は50%以上で、中小企業の猶予は2023年4月1日に廃止

年次有給休暇管理簿は出勤簿とは別の書類ですが、保存期間は同じ3年です。出勤簿のテンプレートを選ぶときに、賃金台帳や年次有給休暇管理簿へ転記しやすい項目構成になっているかを見ておくと、月末の作業が減ります。

出勤簿の記載項目|そのまま使える無料テンプレートの列構成

出勤簿には、日付、出勤・欠勤の別、始業時刻、終業時刻、休憩時間、実労働時間、時間外労働時間、深夜労働時間、休日労働時間を記録するのが基本です。この9項目があれば、賃金台帳の労働時間に関する欄を埋めることができます。

市販やWeb上の無料テンプレートは見た目がさまざまですが、中身として必要な項目は共通しています。以下は、Excelやスプレッドシートの1行目にそのまま見出しとして入力すれば出勤簿として使える列構成の例です。1人1シート、1か月1シートで作ると、給与の締め単位と揃って集計しやすくなります。

列 項目 入力・計算のしかた 必要な理由
A日付・曜日月初の日付を入れ、以降は前日に1を足す労働日数の集計、法定休日の判定
B勤怠区分出勤・欠勤・有給・特別休暇・振休などを選択式で入力欠勤控除の計算、有給休暇の取得日数管理
C始業時刻実際に業務を始めた時刻を分単位で入力ガイドラインが記録を求める項目
D終業時刻実際に業務を終えた時刻を分単位で入力ガイドラインが記録を求める項目
E休憩時間実際に取った休憩の合計を入力実労働時間の算出、休憩付与の確認
F実労働時間終業から始業と休憩を差し引いて自動計算賃金台帳の労働時間数
G時間外労働時間1日の法定労働時間(8時間)を超えた部分を自動計算割増賃金、36協定の上限管理
H深夜労働時間22時から翌5時までに働いた時間を入力または計算深夜割増賃金の計算
I休日労働時間法定休日に働いた時間を入力休日割増賃金の計算
J確認欄・備考上長の確認印や修正理由を記入自己申告内容の確認、修正履歴の保全

表の上部(見出し行の上)には、事業所名、従業員氏名、対象年月、所定労働時間を書く欄を設けます。所定労働時間を欄として持っておくと、所定は7時間半で法定は8時間といった会社で、法定内残業(所定を超えて8時間までの部分)と法定外残業を区別しやすくなります。

Excelで使う計算式の例

上の列構成で、C列からE列を「時刻」の表示形式にしている場合、実労働時間と時間外労働時間は次のような式で計算できます。いずれも2行目に入力し、下の行へコピーして使います。

セル 計算式 意味
F2(実労働時間)=IF(C2=””,””,(D2-C2+(D2<C2))-E2)終業が日付をまたぐ場合も含めて、拘束時間から休憩を引く
G2(時間外労働時間)=IF(F2=””,””,MAX(0,F2-TIME(8,0,0)))1日8時間を超えた部分だけを取り出す
月合計(時間数)=SUM(F2:F32)*24時刻形式の合計を、給与計算で使う「時間」の数値に変える

合計欄を時刻形式のまま表示すると、24時間を超えた分が切り捨てられて「5:30」のように表示されることがあります。時刻形式で見たい場合は表示形式を「[h]:mm」にし、時給を掛ける場合は上の式のように24を掛けて数値に直してください。なお、この式は1日8時間を基準にした簡易的なものです。週40時間を超えた分の時間外労働や、変形労働時間制の場合の判定は、1日ごとの計算だけでは正しく出せない点に注意が必要です。

出勤簿の書き方|使い始める前に決めておく記入ルール

同じテンプレートを使っていても、書き方が人によって違うと集計の段階で数字が合わなくなります。様式を配る前に、次の点を社内で統一しておきましょう。特に手書きやExcelへの手入力で運用する場合、月末にまとめて記入すると記憶に頼ることになり、実際の時刻とずれやすくなります。出勤簿はその日のうちに記入するのが基本です。

決めておくこと ルールの例 決めていないと起こること
記入のタイミング出勤時と退勤時に、その日のうちに本人が記入する月末のまとめ書きになり、退勤時刻の記入漏れや実態とのずれが増える
休憩時間の書き方所定の休憩時間ではなく、実際に取った時間を書く休憩を取れなかった日も一律に差し引かれ、実労働時間が少なく計算される
勤怠区分の表記有給・欠勤・遅刻・早退・休日出勤・振替休日の書き方を1種類に決め、選択式にする「有休」「年休」「休み」などの表記が混ざり、日数を数え直すことになる
締め日と対象期間給与の締め日に合わせて、1日始まりか21日始まりかなどをシートの単位にする月の途中で集計を区切る必要が生じ、転記ミスが起こりやすくなる
修正の方法元の記録を消さず、修正後の時刻と理由を備考欄に残す誰がいつ直したか分からなくなり、記録の信頼性が下がる
確認する人と時期上長が週1回や締め日に内容を確認し、確認欄に記録する記入漏れが締め日まで見つからず、給与計算が遅れる

出勤簿は従業員本人が書かなければならないものではなく、事業主や店長が出退勤を確認して記入する運用でも構いません。ただし、その場合もシフト表やレジの開閉記録、パソコンの使用時間など、ほかの記録と突き合わせられるようにしておくと、記録の確かさを説明しやすくなります。法定休日を何曜日とするかは就業規則などの定めによるため、休日労働時間の列を使う前に、自社の法定休日を確認しておくことも大切です。

出勤簿と勤怠表・勤怠管理表の違い

テンプレートを探していると、「出勤簿」のほかに「勤怠表」「勤怠管理表」「出勤表」といった名前の様式も見つかります。これらに法律上の定義の違いはなく、いずれも日々の出退勤と労働時間を記録するという役割は同じです。一般的には、行政の資料で使われる呼び方が「出勤簿」、社内の実務で使われる呼び方が「勤怠表」「勤怠管理表」と考えておけば差し支えありません。名前で選ぶのではなく、上の列構成にある項目を記録できるかどうかで選ぶことが大切です。「勤怠管理表」という名前でも出勤の有無しか書けない様式は出勤簿として不十分ですし、「出勤表」という名前でも始業・終業時刻と時間外労働を残せる様式なら出勤簿として使えます。なお、シフト表は勤務の予定を示すもので、実績を記録する出勤簿の代わりにはなりません。

日またぎ・深夜・休日の記録のしかた

夜勤などで終業時刻が翌日になる場合は、始業した日の行に1件として記録し、終業時刻を「25:00」のように24時以降で入力するか、前の節の数式のように日またぎを補正します。日付ごとに行を分けると、休憩や時間外労働の判定がずれる原因になります。

深夜労働は午後10時から午前5時までの時間です。時間外労働と深夜労働が重なる時間は、両方の割増賃金の対象になるため、時間外の列と深夜の列は別々に、重複を許して数えます。休日も同様に、法定休日の労働と、それ以外の休日(たとえば週休2日制の土曜)の労働は割増賃金の扱いが異なります。法定休日の労働は35%以上の割増が必要で、法定休日以外の休日の労働は、その週の労働時間が40時間を超えた分が時間外労働になります(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」)。自社の法定休日がどの曜日かは、就業規則で確認して出勤簿に反映してください。テレワーク中の中抜け時間や直行直帰の扱いなど、勤怠管理全般の考え方は、関連記事の勤怠管理とは?法律上の義務・システムの選び方・失敗しないポイントを解説で解説しています。

ここまでの列構成や記入ルールを、自社の運用に当てはめてみましょう。この作業を毎月手でやっている場合は、当てはまる項目の数で、今のやり方で足りるかどうかの目安が分かります。

出勤簿の運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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Excel・Word・Googleスプレッドシート|テンプレート形式の選び方

出勤簿テンプレートの形式は、自動計算をしたいならExcel、紙に印刷して手書きで運用するならWordやPDF、複数の拠点や在宅勤務の従業員とリアルタイムで共有したいならGoogleスプレッドシートが向いています。

形式 向いている使い方 注意点
Excel実労働時間や残業時間を自動計算したい、オフラインで使いたい共有すると版が分かれやすく、数式を誤って消すと気付きにくい
Word・PDF(印刷用)パソコンを使わない現場で、紙に手書きして確認印を押したい集計はすべて手計算になり、給与計算時に転記ミスが起こりやすい
Googleスプレッドシート複数人で同時に入力したい、変更履歴を残したい共有範囲の設定を誤ると、他の従業員の勤務記録まで見えてしまう

無料テンプレートをダウンロードして使う場合は、配布サイトの利用規約も確認しておきましょう。多くのテンプレートは業務での利用や改変が認められていますが、再配布を禁止しているもの、会員登録を条件にしているものもあります。社内の複数店舗に配る、社労士や取引先に渡すといった使い方をする場合は、規約で認められている範囲かを事前に見ておくと安心です。

テンプレートを選ぶ際のチェックポイントをまとめると、次の5点です。

  • 始業・終業時刻を分単位で書ける欄があるか(出勤の丸付けだけの様式は避ける)
  • 時間外・深夜・休日の労働時間を分けて集計できるか
  • 締め日と支払日が自社の給与サイクルに合わせられるか
  • 管理職やパート・アルバイトなど、全員に同じ様式を使えるか
  • 利用規約で、自社の使い方(改変・社内配布)が認められているか

状況別|どの様式を選ぶか

自社の状況 向く様式 理由
全員が所定内で働き、残業・深夜・休日出勤がほとんどない日付・出勤・退勤・休憩・労働時間だけのシンプルな月間様式集計欄が不要で、記入の手間が少ない
残業・深夜・休日出勤がある時間外・深夜・休日の集計欄があるExcel様式賃金台帳に書く時間数を、割増率の違いごとに分けて出せる
従業員が複数人いて、月末に一覧で確認したい1人1シートに加え、全員の月合計を並べる集計シート給与計算への転記が1か所に集まり、確認漏れが減る
在宅勤務やリモートの従業員がいるGoogleスプレッドシートなど共有できる様式に、始業・終業時刻を残す運用自己申告制になるため、本人への説明と上長の確認を組み合わせる
現場や店舗が複数ある現場名や店舗名の列を足した様式拠点別の人件費や人工(にんく)の集計にも同じデータを使える

どの様式でも、必要な項目を満たしているかを選ぶ基準にしてください。名前や見た目で選ぶと、時間外・深夜・休日の時間を分けられない様式を選んでしまうおそれがあります。

業種別の出勤簿運用|建設業・店舗・製造業・家族経営

出勤簿に必要な項目は業種を問わず同じですが、勤務の実態によって「どこを細かく記録すべきか」は変わります。汎用のテンプレートをそのまま使うのではなく、自社の働き方に合わせて列を足したり、集計の単位を変えたりするのがポイントです。

建設業|現場名と移動時間を記録する

建設業では、同じ従業員が日によって別の現場に出るため、出勤簿に現場名の列を追加しておくと、現場ごとの人工(にんく)集計にも同じデータを使えます。事務所に集合してから現場へ向かう場合、その移動時間が労働時間に当たるかどうかは、会社の指示の有無など実態によって判断が分かれるため、少なくとも事務所の出発時刻と現場からの帰着時刻は残しておきましょう。また、建設業は2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されています。これまで以上に月ごとの時間外労働の合計を確認できる様式にしておくことが大切です。

飲食店・小売店|シフトと実績を並べて記録する

シフト制の店舗では、曜日ごとに出勤時刻が変わるため、「予定(シフト)」と「実績」の2列を並べる様式が便利です。予定と実績を並べると、閉店作業で終業が延びた日や、開店準備で早く出勤した日がひと目で分かります。深夜営業をする店舗では22時以降の勤務が発生するため、深夜労働時間の列は必須です。アルバイトが多い店舗では、従業員が自分で時刻を書き込む運用になりやすいため、店長が毎日確認欄に印を付けるルールを決めておきましょう。

製造業|交替勤務と変形労働時間制に注意する

2交替・3交替の工場では、夜勤が日付をまたぐため、「どの日の勤務として記録するか」を先に決めておく必要があります。一般的には始業した日の勤務として1行で記録すると、集計がぶれにくくなります。1年単位の変形労働時間制を採用している場合は、日ごと・週ごとの所定労働時間が一定ではないため、1日8時間固定で残業を判定するテンプレートでは時間外労働を正しく計算できません。所定労働時間の列を日ごとに持たせる必要があります。

個人事業主・家族経営|家族従業員の扱いを確認する

個人事業主が人を雇う場合も、出勤簿の作成・保存のルールは会社と変わりません。一方、事業主と同居している親族だけで営んでいる事業は、労働基準法の適用が除外されています。ただし、親族以外の従業員を1人でも雇えば、その人については出勤簿が必要です。家族と従業員が一緒に働く店舗では、家族の分も同じ様式で記録しておくと、青色事業専従者給与の実態を説明する資料としても役立ちます。人数が少ないうちは、日付の入っていない「万年型」のシンプルなテンプレートでも十分に運用できます。

建設業の現場や複数の店舗では、出勤簿が拠点ごとにばらばらの様式になり、月末に回収して集計する手間が増えがちです。位置情報の記録やスマートフォンでの打刻に対応した仕組みなら、拠点が離れていても同じ形式で時刻を集められます。ジンジャー勤怠は、GPSを使った位置の記録と打刻範囲の制限、スマホアプリでの打刻に対応していると商品ページで紹介されています。

ジンジャー勤怠

現場や店舗が分かれていて、出勤簿の回収に手間がかかる会社に

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自動計算機能付きテンプレートの活用と限界

自動計算機能付きのExcelテンプレートを使えば、始業・終業時刻と休憩を入れるだけで実労働時間や残業時間が計算されるため、手計算に比べて集計の手間とミスを大きく減らせます。ただし、記録そのものの正確さや、週単位・月単位の上限管理までは自動化できません。

自動計算テンプレートで楽になるのは、1日単位の足し算・引き算です。一方で、次のような作業はテンプレートを使っても担当者の手元に残ります。

作業 自動計算テンプレート 勤怠管理システム
1日の実労働時間・残業時間の計算自動化できる自動化できる
時刻の記録本人の自己申告(手入力)スマホ・ICカード等の打刻で記録
週40時間超・月の上限の確認別途の集計や目視確認が必要アラート機能を持つサービスが多い
全従業員分の集計・給与計算への受け渡しファイルを開いて転記CSV出力や給与ソフト連携に対応するものがある
数式や様式の保守担当者が自分で管理提供会社が法改正に合わせて更新

特に見落としやすいのが時間外労働の上限です。36協定を結んでも、時間外労働は原則として月45時間・年360時間が上限とされています(出典:厚生労働省 スタートアップ労働条件「時間外労働の上限について」)。1日単位で計算するテンプレートでは、月の途中で上限に近づいていることに気付きにくく、締め日に集計して初めて超過が分かるという事態が起こりがちです。テンプレートで運用する場合は、月の累計残業時間を毎日表示する欄を設け、30時間を超えたら色が変わるように条件付き書式を設定しておくと、早めに気付けます。

月の途中で上限に近づいていることに気付く仕組みが欲しい場合の一例が、カオナビ勤怠です。打刻忘れや残業時間の超過、休日出勤の未届け、申請の承認待ちなどをアラートで通知する機能があり、36協定の設定にも対応していると商品ページで紹介されています。勤怠データはCSVまたはAPIで給与計算などのシステムと連携できます。一方、タブレット(iPad・Androidタブレット)では一部のタッチ操作に対応しておらず、スマートフォンアプリの動作保証はサポート対象外とされているため、打刻に使う端末は導入前に確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社カオナビ

カオナビ勤怠

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出典:www.kaonavi.jp

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すでにカオナビを利用中の人にも◎自社好みのプランを作りたい方におすすめ

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  • カオナビのオプション扱いのため、詳細な費用は問い合わせで確認

また、厚生労働省のガイドラインは、始業・終業時刻の確認方法として、使用者自らが現認するか、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録など客観的な記録を基礎とすることを原則としています。従業員が自分で時刻を書き込むExcelの出勤簿は自己申告制にあたり、自己申告制で運用する場合は、正しく申告するよう説明することや、必要に応じて実態調査を行うことなどの措置が求められます。従業員が増えて、この確認作業まで手が回らなくなってきたら、テンプレートから打刻型の仕組みへ切り替える目安です。

出勤簿テンプレートでよくある失敗パターン

出勤簿テンプレートの失敗は、様式そのものよりも、記録の仕方や保管の仕方で起こることがほとんどです。代表的なパターンと対策を表にまとめました。

失敗パターン 起こる問題 対策
出勤に丸を付けるだけの様式を使っている労働時間が分からず、残業代を計算できない始業・終業時刻を分単位で記録する様式に変える
所定の時刻(9時から18時など)を毎日同じように書いている実態と記録がずれ、未払い残業を指摘されるおそれがある実際の時刻を書くルールを周知し、上長が確認する
残業時間を15分や30分単位で切り捨てている切り捨てた分の賃金が支払われない1日単位では1分単位で記録し、端数処理は月合計で行う
深夜・休日の時間を分けていない割増率の違う時間がまとめられ、賃金台帳を作れない深夜・休日の列を追加し、別々に集計する
過去月のファイルを上書きしている保存期間中の記録が失われる月ごとにファイルを分け、締め後はPDF化して保管する
管理職の記録を付けていない長時間労働を把握できず、健康管理が不十分になる管理職も同じ様式で出退勤時刻を記録する

残業時間の端数処理は特に誤解が多い点です。1か月の時間外労働などの合計に1時間未満の端数がある場合に30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる処理は、事務の簡便化のために認められているとされています。しかし、日ごとに15分未満を切り捨てるような処理は、働いた時間の賃金を支払わないことになるため避けるべきです。テンプレートの数式に端数処理が組み込まれている場合は、どの単位で丸めているかを確認してください。

また、労働基準法第109条に基づく記録の保存を怠った場合は、同法第120条により罰則(30万円以下の罰金)の対象となります。罰則を避けるためだけでなく、従業員との間で「言った・言わない」のトラブルが起きたときに事実を示す証拠として、出勤簿を正しく残しておくことが事業者自身を守ることにつながります。

労働基準監督署の調査では、労働者名簿やタイムカードなどの書類の提出を求められることがあります。調査で確認される書類と普段の備え方は、関連記事の労働基準監督署の調査内容とは?勤怠管理システムの活用方法も解説も参考にしてください。

記録の信頼性と保存の問題は、記録をシステムに移すと変わる部分があります。たとえばカオナビ勤怠は、月次・日次の勤務データや出勤簿をCSVまたはPDFで出力でき、データはシステム上で5年間自動保存されると商品ページで紹介されています。保存期間は法令の定めと自社の規程に合わせて確認してください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 出勤簿の様式は法律で決まっていますか?厚生労働省の公式テンプレートはありますか?

A. 決まった様式はなく、厚生労働省も出勤簿の公式テンプレートは公開していません(厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーに掲載されているのは労働者名簿と賃金台帳です)。始業・終業時刻、休憩時間、時間外・深夜・休日の労働時間など、労働時間を把握できる内容が記録されていれば、紙・Excel・Googleスプレッドシート・勤怠管理システムのいずれでも構いません。

Q2. 出勤簿は何年保存すればよいですか?

A. 労働基準法では原則5年とされていますが、経過措置により当分の間は3年とされています。起算日は、記録が完結した日か、その記録に関係する賃金の支払期日のいずれか遅い日です。退職した従業員の出勤簿も、同じ期間の保存が必要です。

Q3. パート・アルバイトや管理職にも出勤簿は必要ですか?

A. パート・アルバイトも正社員と同じく出勤簿の対象です。管理監督者は労働時間の適正把握に関するガイドラインの対象外ですが、労働安全衛生法に基づく労働時間の状況の把握は必要とされているため、管理職も同じ様式で出退勤時刻を記録しておくのが無難です。

Q4. 従業員が自分で書くExcelの出勤簿でも問題ありませんか?

A. 従業員が自分で時刻を書き込む方法は自己申告制にあたります。厚生労働省のガイドラインは客観的な記録による確認を原則としており、自己申告制による場合は、正しく申告するよう説明することや、必要に応じて実態調査を行うことなどの措置を求めています。上長が毎日確認するルールを設けたうえで運用しましょう。

Q5. 無料の出勤簿テンプレートを会社で使っても大丈夫ですか?

A. 多くの無料テンプレートは業務での利用や改変が認められていますが、再配布の禁止などの条件がある場合もあります。ダウンロードする前に配布サイトの利用規約を確認し、社内の複数拠点に配る場合は、その使い方が認められているかを見ておきましょう。

Q6. 出勤簿テンプレートから勤怠管理システムに切り替える目安はありますか?

A. 月末の集計や給与計算への転記に毎月数時間かかる、シフトや勤務場所がばらばらで確認が追いつかない、時間外労働が上限に近い従業員がいる、といった状態が目安です。ジンジャー勤怠のように無料トライアルを用意しているサービスや、カオナビ勤怠のように導入前に無料のオンライン相談やデモを用意しているサービスもあるため、テンプレートと並行して試してから切り替える方法もあります。詳細は各社の資料で確認してください。

まとめ|出勤簿テンプレートは「時刻が残る様式」を選ぶ

出勤簿テンプレートを選ぶ・使ううえで押さえておきたいポイントは、次の4つです。

  1. 公式の出勤簿テンプレートはないため、始業・終業時刻、休憩、時間外・深夜・休日の労働時間を分けて記録できる様式かどうかを自分で確かめて選ぶ
  2. 建設業の現場名、店舗のシフト予定、工場の交替勤務など、自社の働き方に合わせて列を足す
  3. 月ごとにファイルを分け、原則5年(当分の間3年)の保存期間中は上書きせずに保管する
  4. 集計や確認の手間が増えてきたら、ジンジャー勤怠やカオナビ勤怠など、打刻から集計まで任せられる勤怠管理システムの資料を取り寄せて検討する

従業員が少ないうちは、無料の出勤簿テンプレートで十分に法令に沿った記録を残せます。大切なのは、様式を用意することではなく、実際の時刻を正しく記録し、賃金台帳や給与計算まで一続きで使える状態にしておくことです。なお、本記事は労働関係法令の一般的な内容を解説したもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。自社の運用が適切か判断に迷う場合は、社会保険労務士や最寄りの労働基準監督署に相談してください。

参考文献

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