スマホのウイルス対策|業務端末を守る5ステップとAndroid・iOSの違い、BYODの注意点
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- 無料の土台と5ステップで業務スマホを守る
- 対策アプリは5つの観点とMDMとの違いで選ぶ
- BYODは会社と従業員の責任範囲を規程で決める
スマホのウイルス対策とは、OSとアプリの更新、端末ロックとアカウントの保護、不正アプリや危険サイトを検知する対策アプリ、そして使う人の判断を組み合わせて、端末と業務データを守る取り組みのことです。社用スマホでも私物スマホでも、アプリを1つ入れれば終わりではなく、まず無料でできる設定を整え、次に対策アプリや管理ツール、人の教育の順に重ねるのが基本です。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、個人向け脅威に「不正アプリによるスマートフォン利用者への被害」が11年連続で選ばれています。この記事では、情シス・総務担当者の視点で、対策の全体像、5つのステップ、対策アプリの選び方、AndroidとiOSの違い、感染時の対処、BYOD(私物端末の業務利用)の責任分界、よくある失敗と費用の考え方を整理します。
いまの不安から、スマホ対策の進め方を診断
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社用スマホのウイルス対策|全体像と、最後に残る抜け穴は「人」
社用スマホのウイルス対策は、端末の設定、対策アプリや管理ツール、使う人の判断という3つの層を重ねて守ります。どれか1つだけでは、攻撃の入口が残ります。
| 層 | 守るもの | 代表的な手段 |
|---|---|---|
| 1. 端末の設定 | 既知の脆弱性、紛失・盗難 | OS・アプリの更新、画面ロック、二段階認証 |
| 2. 対策アプリ・管理ツール | 不正アプリ、危険サイト、設定のばらつき | 対策アプリ、MDM(設定の一括配布・遠隔ロック) |
| 3. 使う人の判断 | 偽SMS・偽ログイン画面、無断のアプリ導入 | ルールの周知、研修・eラーニング、報告の習慣 |
3つの層のうち、最後まで残るのが「人」の抜け穴です。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」の個人向け脅威には、フィッシングによる個人情報等の詐取、不正アプリによるスマートフォン利用者への被害、サポート詐欺(偽警告)による金銭被害などが並んでいます。いずれも、利用者に「リンクを開かせる」「アプリを入れさせる」「電話をかけさせる」ことで成立する手口です。対策アプリは既知の不正アプリや危険なサイトを検知できますが、偽SMSの先にある本物そっくりのログイン画面に従業員が自分でIDとパスワードを入力してしまえば、防ぎきれません。
とはいえ、拠点が分かれている会社や外回りの多い職場では、全員を集めた集合研修は現実的ではありません。そこで選択肢になるのが、スマホやPCから受講でき、受講状況を管理者が確認できるeラーニングです。情報セキュリティの内容を扱うeラーニングのうち、性格の異なる3つを、役割の違いで整理しました。
スマホ対策の「人」の面を支えるeラーニング3サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:OneCompliance(ワンコンプライアンス)は、情報セキュリティなどの基本のコースを、全従業員に同じ内容で届けたい場合の一例です。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Smart Boardingは、BYOD規程のような自社のルールを教材にして、研修コースを作りたい場合の一例です。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:SAKU-SAKU Testingは、確認テストの結果で理解度を確かめ、受講状況を管理したい場合の一例です。
資料を無料ダウンロード| サービス | Smart Boarding |
SAKU-SAKU Testing |
|
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 全従業員に、情報セキュリティなどの基本を同じ内容で周知したい会社 | 自社のルールや手順を教材にして、研修やOJTと合わせて進めたい会社 | 研修のあとにテストで理解度を確かめ、結果を管理したい会社 |
| 特徴 | コンプライアンス研修に特化。情報セキュリティのほか個人情報保護法などのコースがあり、自動リマインダーとダッシュボードで受講管理の工数を減らせる | 研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで進められ、自社の資料や動画と用意されたコンテンツを組み合わせた研修コースを作れる | CBTの技術を生かしたテスト機能があり、既存の問題と自社で作る問題を組み合わせられる。情報セキュリティなどの内容がある |
| 注意したい点 | 掲載コースは法務・労務・情報領域が中心。自社の教材を作れるかは資料で確認する | 自社の内容を学習プログラムにする際に手間がかかる。情報セキュリティ専用コースの有無は資料で確認する | AIによるリモート監視などは有償オプション。日本国内仕様で、海外での利用はサポート対象外 |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
従業員への周知を仕組みにする場合の一例が、OneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンス研修に特化したeラーニングで、商品ページには、情報セキュリティ(リスク、外部からの攻撃、人の不注意や不正、リスクを最小化する対策)のほか、個人情報保護法などのコースが掲載されています。マルウェア感染や機密情報の漏えい、メールの誤送信などを防ぐ手立てまで扱うとされ、コースの割り当てと自動リマインダー、受講状況を確認できるダッシュボードにより、連絡や集計にかかる工数を減らせると紹介されています。注意したい点は、掲載コースが法務・労務・情報領域の内容が中心であることです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社Oyster
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
株式会社Oyster
OneCompliance(ワンコンプライアンス)
コンプライアンスに特化!上場準備中/IPO準備中、上場企業、大手グループ会社、監査法人、金融機関/フィンテック、中堅/中小企業の方に特におすすめ

おすすめ!
- 上場準備中/IPO準備中の企業にも最適
- ダッシュボードや自動リマインダーなど管理工数を最小化
- 初期費用なし、受講人数に合わせた料金体系のためコストを最適化
気になる…
- 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認
社内に法務専任担当や教育専任担当がおらず、社内のみでの実施が困難
出典: 株式会社プリメディカ(OneCompliance導入事例の「導入の背景・課題感」) https://onecompliance.jp/
業務スマホを守る5ステップ【一覧】
業務スマホのウイルス対策は、無料でできる土台づくりから順に、OS更新、アカウント保護、対策アプリ、管理ルール、定期点検の5ステップで進めるのが効率的です。高価なツールを先に入れても、OSが古いままでは既知の脆弱性を突かれますし、ルールがなければ設定はすぐに崩れます。まずは全体像を一覧で確認しましょう。
| ステップ | 具体的な対策 | 防げる主なリスク |
|---|---|---|
| 1. OSとアプリを最新に保つ | 自動更新を有効化し、サポートが終了した古い機種は業務から外す | 既知の脆弱性を悪用した攻撃 |
| 2. 端末ロックとアカウントを守る | 画面ロック、生体認証、業務アカウントの二段階認証、パスワードの使い回し禁止 | 紛失・盗難時の情報漏えい、不正ログイン |
| 3. 対策アプリを導入する | 不正アプリの検知、危険なサイト・SMSのブロック機能を持つアプリを業務端末に入れる(選び方は次のH2で解説) | 不正アプリ、フィッシングサイト |
| 4. 管理ルールを決めて周知する | アプリの入手元、公衆Wi-Fiの使い方、紛失時の連絡手順、BYODの条件を文書化し、研修で共有 | 従業員ごとの判断のばらつき、報告の遅れ |
| 5. 定期的に棚卸しと点検をする | 端末台帳の更新、OSバージョンの確認、退職者のアカウント削除を四半期ごとに実施 | 放置端末、退職者経由の漏えい |
ステップ1と2は今日からできる無料の土台
OSの更新と端末ロック、二段階認証は、費用をかけずにすぐ実施できるうえ、効果の大きい対策です。スマホの攻撃の多くは、すでに修正プログラムが公開されている脆弱性を狙います。更新を後回しにしている端末は、攻撃者から見れば「鍵の壊れたドア」と同じです。業務端末では自動更新をオンにし、更新が溜まっている端末がないかを定期的に確認しましょう。
メーカーのサポートが終了してセキュリティ更新が届かなくなった古い機種は、対策アプリを入れても根本的な弱点が残ります。コスト削減のために古い端末を使い回している職場では、買い替えの基準を「OSの更新が受けられるかどうか」で決めておくと判断に迷いません。二段階認証は、メールやクラウドストレージ、チャットなど、業務で使うすべてのアカウントで有効にします。SMSで届くコードよりも、認証アプリを使う方式の方が、SIMの乗っ取りに強いとされています。
ステップ4と5で対策を「続く仕組み」にする
設定は一度行えば終わりではありません。新しく入社した人の端末、機種変更した端末、退職者の端末など、スマホは常に入れ替わっています。ルールを文書にし、誰がいつ台帳を更新するのかを決めておかないと、半年後には「誰の端末がどの状態なのか分からない」という状況になりがちです。四半期に1回、台帳とOSのバージョン、アカウントの一覧を突き合わせるだけでも、放置端末や削除漏れのアカウントを見つけられます。総務省の「テレワークにおけるセキュリティ確保」でも、端末の管理とあわせて、利用者へのルール周知や教育を継続することが重視されています。
5つのステップのうち、手作業で続けにくいのは、ステップ4の周知と、その理解度の確認です。配布資料やメールで伝えるだけの運用だと、誰が読んだか、どこまで理解したかが見えません。次のセルフチェックで、今の運用を確かめてみてください。
スマホのルール周知、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
スマホのウイルス対策アプリの選び方|標準機能・個人向けアプリ・管理ツールの違い
対策アプリは、対応するOSと台数、必要な機能、管理のしやすさ、費用の範囲、サポートの5点で選びます。無料版で足りるかどうかは、守る端末の台数と管理体制で決まります。
標準機能・対策アプリ・MDMは役割が違う
スマホのウイルス対策に使える手段は、大きく4種類あります。違いを知らないまま選ぶと、役割が重なったり、守れない領域が残ったりします。
| 手段 | できること | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|
| OSの標準機能 | Androidでは、Google Play プロテクトが、ストアのアプリの安全チェックや、端末内のアプリの確認、有害な可能性があるアプリの警告・無効化・削除を行う | 偽SMSの先のログイン画面に、利用者自身が情報を入力する場面までは防げない |
| 個人向けの対策アプリ | 不正アプリのスキャン、危険サイトのブロック、詐欺SMSの検知など。無料で使える機能と、有料のプレミアム機能に分かれるものがある(アバストの公式ページで確認) | 1台ずつの管理が前提で、会社が複数台をまとめて確認できるかは製品による |
| 携帯会社のセキュリティサービス | たとえばNTTドコモの「あんしんセキュリティ」は、ウイルス対策、危険サイト対策、危険Wi-Fi対策、迷惑メール・迷惑電話対策などをまとめて提供する(ドコモの公式ページで確認) | 対象の回線・機種・OSが決まっている。ウイルス対策の対象はスマートフォン・タブレットで、iPhone・iPadは危険サイト対策などの対象になる |
| 法人向けの管理ツール(MDM・MAM) | 端末設定の一括配布、利用できるアプリの制限、紛失時の遠隔ロック・消去 | 脅威そのものの検知ではなく、端末を統制するための仕組み。対策アプリと組み合わせて使う |
この表から分かるように、どの手段にも守れない領域があります。標準機能は既知の不正アプリへの備え、対策アプリは危険サイトや詐欺SMSへの備え、MDMは設定のばらつきや紛失への備えというように、役割が異なります。複数の端末を会社として守る場合は、端末側の対策に加えて、管理ツールで設定を揃えるかどうかを先に決めると、選ぶ範囲が絞り込めます。
選ぶときに確認する5つの観点
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 対応OSと台数 | AndroidとiPhoneの両方に対応しているか、1契約で何台まで使えるか、対応する機種やOSのバージョンに自社の端末が入っているか |
| 機能 | 不正アプリの検知、危険サイトのブロック、詐欺SMS・迷惑電話への対策のうち、自社で防ぎたいものが入っているか。iPhoneでは機能の範囲がAndroidと異なる場合がある |
| 管理のしやすさ | 管理画面で複数台の状態をまとめて確認できるか、既に使っているMDMと機能が重ならないか |
| 費用の範囲 | 無料版と有料版で何が違うか、台数やユーザー数に応じて課金されるか。料金はプランによって異なるため、公式サイトや資料で確認する |
| サポート | 導入時の設定支援や、感染が疑われたときの問い合わせ窓口があるか |
無料版で足りるのか、有料版に切り替えるべきかは、台数と管理体制で判断が分かれます。端末が数台の小規模な事業者であれば、無料の標準機能と法人向けの対策アプリ、手作業の台帳で足りる場合もあります。判断基準は「スマホのウイルスチェックは無料で十分?法人利用の注意点を解説」で詳しく整理しています。ウイルスチェックの具体的な方法や法人向けの費用の目安は「スマホのウイルスチェックとは?法人向け方法・費用・選び方を解説」を参照してください。
なお、対策アプリを入れても、メールやSMSのリンクから偽のログイン画面に誘導される手口は残ります。迷惑メール・フィッシングメールの側の対策は「迷惑メール対策の完全ガイド|受信・送信・法務まで実務手順を解説」でまとめています。アプリは入口を減らす手段であり、最後は従業員の判断が残るため、次のAndroidとiOSの違いを踏まえて優先する対策を決めましょう。
Android・iOSでの対策の違い
AndroidとiOSは、アプリの入手経路と仕組みが異なるため、優先すべき対策も変わります。「iPhoneはウイルスに感染しないから対策は不要」という声を聞くことがありますが、これは半分だけ正しい理解です。両者の違いを業務端末の管理という観点で整理します。
| 観点 | Android | iOS(iPhone) |
|---|---|---|
| アプリの入手経路 | 公式ストア以外からのインストール(提供元不明のアプリ)も設定次第で可能 | 原則として公式ストア経由。一部地域では代替の配布経路も認められている |
| OS更新の届き方 | メーカー・機種ごとに更新の時期や期間が異なる | 対象機種には一斉に配信される |
| 主なリスク | 偽SMSから不正アプリを入れさせる手口、更新の止まった機種の脆弱性 | フィッシングサイトでの認証情報の入力、不審な構成プロファイルのインストール |
| 優先したい対策 | 提供元不明アプリのインストール禁止、対策アプリでの不正アプリ検知、更新期間の長い機種の選定 | フィッシング対策(危険サイトのブロック)、二段階認証、プロファイルの管理 |
Androidは自由度が高いぶん、公式ストア以外からアプリを入れられる設定が悪用されやすいのが特徴です。宅配便の不在通知を装ったSMSから偽アプリをインストールさせる手口は、主にAndroidを狙って広がってきました。業務端末では、提供元不明のアプリのインストールを許可しない設定を徹底し、MDMを使っている場合は設定を会社側で固定しておくと安心です。また、同じAndroidでもメーカーや機種によってセキュリティ更新の提供期間が異なるため、業務用に購入する際は価格だけでなく更新の提供期間も確認しましょう。
iOSは、アプリが互いのデータに勝手にアクセスできない仕組み(サンドボックス)が強く、公式ストアの審査もあるため、従来型のウイルスに感染するリスクは相対的に低いとされています。しかし、フィッシングサイトで業務アカウントのIDとパスワードを入力してしまう被害は、OSの種類を問いません。Webサイトの指示に従って「構成プロファイル」をインストールさせ、通信や設定を操作する手口もあります。iPhoneでは、アプリのスキャンよりも、危険なサイトへのアクセスを止める機能と、認証情報を盗まれても不正ログインされない二段階認証を優先するのが現実的です。
AndroidとiPhoneが混在している職場では、OSごとに別々のルールを作るより、「公式ストア以外からアプリを入れない」「SMSやメールのリンクからログインしない」「知らないプロファイルは入れない」といった、OSをまたいで共通する行動ルールを先に決め、OS固有の設定は管理側で対応する形にすると、従業員が迷わずに済みます。
感染が疑われるサインと、ウイルスを消す方法
スマホの感染は、動作やバッテリー、通信量の変化といった「いつもと違う挙動」で気づくことが多く、気づいた時点ですぐに通信を切って報告することが被害拡大を防ぐ鍵になります。ただし、これらの症状は端末の劣化やアプリの不具合でも起こるため、一つの症状だけで感染と断定せず、複数の兆候が重なっていないかを確認します。従業員が自分で気づけるよう、代表的なサインを研修やルールで共有しておきましょう。
| 疑うべきサイン | 確認するポイント |
|---|---|
| バッテリーの減りが急に早くなった、端末が異常に熱い | 設定画面のバッテリー使用状況で、見覚えのないアプリが上位にないか |
| データ通信量が急に増えた | アプリ別の通信量で、使っていないアプリが大量に通信していないか |
| 身に覚えのない広告や警告画面が頻繁に表示される | 最近入れたアプリや、通知の送信元になっているアプリがないか |
| 入れた覚えのないアプリやプロファイルがある | アプリ一覧、iPhoneでは設定内のVPNとデバイス管理(プロファイル)の項目 |
| 自分の番号やアカウントから、送った覚えのないSMS・メッセージが送られている | 送信履歴と、取引先や同僚からの問い合わせの有無 |
感染が疑われたときの対処の順番
感染が疑われたときの対処は、順番が大切です。まず機内モードなどでWi-Fiとモバイル通信を切り、情報の送信や不正な操作が続くのを止めます。次に、自己判断で作業を進める前に社内の担当者へ報告します。業務端末では、担当者がMDMの管理画面から状況を確認したり、業務データの遠隔消去を判断したりする必要があるためです。そのうえで、対策アプリでスキャンし、不審なアプリや構成プロファイルを削除します。業務アカウントのパスワードは、感染が疑われる端末ではなく別の安全な端末から変更し、二段階認証の設定も見直します。それでも不審な挙動が収まらない場合は、バックアップの状態を確認したうえで端末の初期化を検討します。初期化すると端末内のデータは消えるため、BYOD端末の場合は従業員本人の同意を得てから進めてください。日頃から「気づいたら通信を切って報告」という最初の一手を全員が覚えておくだけでも、被害の範囲は大きく変わります。
ウイルスの除去にかかる費用の考え方
「ウイルスの除去はいくらかかるのか」という疑問は多く検索されています。対策アプリでのスキャンや不審なアプリの削除、端末の初期化は、利用者自身が設定画面から行えるもので、操作そのものに追加費用がかからないのが一般的です。一方、専門の業者や携帯会社の窓口に依頼する場合の費用は事業者ごとに異なるため、具体額はここでは書きません。社内で対応できる範囲と、外部に相談する基準(業務データが流出した可能性がある場合など)を、あらかじめ決めておくと迷いません。技術的な相談先としては、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口があります。
BYOD端末を業務利用する場合の責任分界
私物スマホを業務に使うBYODでは、会社が管理する範囲と、従業員が自分で守る範囲を事前に取り決めておくことが最も重要です。端末の所有者は従業員である一方、端末の中で扱う顧客情報や業務データについては、会社が安全管理の責任を負うと考えるのが一般的だからです。
会社が負う責任と従業員のプライバシー
個人情報保護法では、個人データを取り扱う事業者に対し、漏えいなどを防ぐための安全管理措置を講じることが求められています。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、安全管理措置として、組織的・人的・物理的・技術的な措置が示されており、従業者への教育や、個人データを扱う機器の盗難・紛失の防止なども含まれます。この義務は、業務データがどの端末に保存されているかにかかわらず事業者に課されるものとされているため、「私物だから会社は関係ない」とはなりません。
一方で、会社が私物スマホの写真や個人のメッセージ、位置情報まで自由に見られるようにすることは、従業員のプライバシーとの関係で問題になりえます。BYODの管理では、端末全体を管理するのではなく、業務用のアプリやデータの領域だけを管理する方法(業務領域と個人領域の分離)を選ぶのが一般的です。MDMやMAM(モバイルアプリケーション管理)の製品によって、どこまで会社側から見えるのかは異なるため、導入前に「会社が確認できる情報」と「確認できない情報」を従業員に説明しておくことが、トラブルを防ぐうえで欠かせません。
BYOD規程で取り決めておきたい項目
| 項目 | 会社側が決めること | 従業員側が守ること |
|---|---|---|
| 利用の条件 | 許可するOSのバージョン、必須の設定、利用できる業務アプリ | OS更新、画面ロック、二段階認証の維持 |
| 管理の範囲 | 業務領域のみを管理すること、会社が確認できる情報の範囲の明示 | 業務データを個人のアプリやクラウドに保存しない |
| 紛失・感染時の対応 | 連絡先と報告期限、業務データの遠隔消去の範囲 | 紛失や不審な挙動に気づいたらすぐに報告する |
| 費用の負担 | 通信費や対策アプリの費用を会社が負担するかどうか | 取り決めに沿って申請する |
| 利用終了時 | 退職・機種変更時の業務データ削除と、アカウント停止の手順 | 削除作業への協力と完了の報告 |
特に揉めやすいのが、紛失時の遠隔消去です。端末全体を初期化すると従業員の個人データまで消えてしまうため、「業務領域のデータのみを消去する」のか「端末ごと初期化する場合がある」のかを規程に明記し、同意を得ておく必要があります。また、BYODの利用を条件として通信費などを会社が負担するかどうかも、あとから不満が出やすい論点です。規程の内容は就業規則との関係も含めて、必要に応じて社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。
規程は作って終わりにせず、従業員に読まれ、理解されて初めて機能します。BYODのように自社の事情が大きく出るルールを、自社の言葉で教材にして伝えたい場合の一例が、Smart Boardingです。研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで進められ、自社の資料や動画と用意されたコンテンツを組み合わせた研修コースを作れるほか、LMS機能で進捗や理解度を確認し、小テストも作成できると商品ページで紹介されています。iOS・Android版のアプリも提供されており、スマホで受講できます。注意したい点は、自社の教育内容を学習プログラムにする際に一定の手間がかかり、担当者との打ち合わせが必要なことです。情報セキュリティ専用のコースがあるかは商品ページに記載がないため、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社FCE
Smart Boarding
株式会社FCE
Smart Boarding
目指したい社員教育を実現!OJTや研修など社員教育に悩んでいる企業におすすめ


LearnOとの比較はこちら

【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!
今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。
おすすめ!
- 内定者・新人教育からリーダー・管理職育成まであらゆるシーンで活用
- 属人化を防いでいつでも何回でも学習できる環境を実現
- 自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理も行える
気になる…
- 電話やメール相談、教育プログラム設計といった手厚いサポートを受けられるのは「充実サポートプラン」のみ
社内で様々な研修を実施してきましたが、全社員の参加が難しかったり、研修のデータ把握・管理が複雑になること課題でした。
出典: パナソニックホームズ北九州株式会社(Smart Boarding導入事例) https://smartboarding.net/example/1834/
なお、ここでの法令の解説は一般的な考え方を整理したもので、個別の事案についての法的助言ではありません。実際の運用にあたっては、個人情報保護委員会のガイドラインなどの一次情報を確認してください。
スマホウイルス対策でよくある失敗パターン
スマホ対策がうまくいかない原因は、ツールの性能不足よりも、導入後の運用と従業員への浸透不足にあることがほとんどです。中小企業や部署単位で対策を進める際に起きやすい失敗と、その対策をまとめます。
| 失敗パターン | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 対策アプリを入れただけで完了とする | 偽のログイン画面に認証情報を入力され、業務アカウントが乗っ取られる | 二段階認証を必須にし、フィッシングの見分け方を研修で共有する |
| ルールを作ったが周知していない | 規程が読まれず、従業員ごとに判断がばらつく | 受講状況を確認できる形で研修を実施し、理解度をテストで確かめる |
| 一度の研修で終わらせる | 新しい手口に対応できず、新入社員には内容が伝わらない | 入社時と年1回以上の定期研修をセットで運用し、教材を更新する |
| 紛失・感染時の報告ルートがない | 従業員が叱責を恐れて報告を遅らせ、被害が拡大する | 連絡先を端末に登録させ、早く報告した人を責めない方針を明示する |
| 端末台帳を更新していない | 退職者の端末に業務アカウントが残り、情報が持ち出される | 四半期ごとに台帳とアカウント一覧を突き合わせる |
表を見ると、5つの失敗のうち多くが「知らない」「伝わっていない」ことに起因しているのが分かります。特に見落とされやすいのが報告の遅れです。怪しいリンクを開いてしまった従業員が「怒られるかもしれない」と黙っているうちに、盗まれた認証情報で不正ログインが進むケースは珍しくありません。技術的な対策と同じくらい、「おかしいと思ったらすぐ報告する」という行動を組織の共通認識にすることが大切です。
このような行動を定着させるには、ルールを配布するだけでなく、実際の偽SMSや偽警告画面の例を見ながら学べる研修が効果的です。eラーニングであれば、スマホからスキマ時間に受講でき、誰が未受講なのかを管理者が把握して声をかけることもできます。新しい手口が出てきた際に教材を差し替えられる点も、変化の速いスマホの脅威に向いています。
全従業員に情報セキュリティの基本を同じ内容で届け、受講の案内から集計までを仕組みに任せたい場合は、前掲のOneCompliance(ワンコンプライアンス)のような、受講管理を自動化できるサービスが選択肢になります。
フィッシングや不正アプリへの基本の判断を、全従業員に同じ内容で届けたい会社に
OneCompliance(ワンコンプライアンス)の資料を無料でダウンロードできます
対策費用の考え方と選び方
業務スマホの対策費用は、「端末1台あたりのツール費用」だけでなく、「管理にかかる人の手間」と「教育の費用」を合わせた総額で考えることが大切です。対策アプリやMDMは、端末台数やユーザー数に応じた月額課金が一般的で、機能の範囲によって費用は大きく変わります。具体的な金額はサービスや契約条件によって異なるため、ここでは費用を検討する際の考え方を整理します。
| 費用の種類 | 内容 | 検討のポイント |
|---|---|---|
| 無料でできる対策 | OS更新、画面ロック、二段階認証、OS標準の保護機能 | 費用はかからないが、全端末で設定されているかを確認する手間は発生する |
| 対策アプリ | 不正アプリ検知、危険サイトのブロック、詐欺SMSの検知 | 個人向けか法人向けか、管理画面で複数台をまとめて確認できるか |
| MDM・MAM | 端末設定の一括配布、アプリ制限、紛失時の遠隔ロック・消去 | 台数が増えるほど効果が大きい。BYODでは業務領域の分離に対応しているか |
| 従業員教育 | 情報セキュリティ研修、eラーニング、標的型メール訓練など | 受講管理の手間を減らせるか、教材が最新の手口に合わせて更新されるか |
選び方の順序としては、まず無料の対策をすべての端末で徹底し、次に端末台数と管理体制に応じて対策アプリやMDMを選び、並行して教育の仕組みを整えるのが無理のない進め方です。端末が数台の小規模な事業者であれば、MDMを導入するより、法人向けの対策アプリと手作業の台帳管理で十分な場合もあります。反対に、数十台以上の端末を複数の拠点で使っている場合は、設定を一括で配布できるMDMを入れた方が、管理の手間を含めた総額では安くなることがあります。
見落とされがちなのが、ツールを入れた後の教育費用です。どれだけ高機能なツールを導入しても、従業員が偽のログイン画面に自分で情報を入力してしまえば被害は防げません。教育の費用を見積もるときは、研修そのものの費用に加えて、受講の案内、催促、理解度の確認、記録の保管といった担当者の手間も含めて比べると、現実に近い総額になります。
理解度の確認と記録の保管を仕組みで任せたい場合の一例が、SAKU-SAKU Testingです。CBTの技術を生かしたeラーニングで、既存の問題と自社で作る問題を組み合わせたテスト(選択式、穴埋め、並び替え、記述)を作成でき、組織やグループ別に進捗や受講結果を把握できると商品ページで紹介されています。受講状況やデータ分析はダッシュボードでグラフ表示され、パソコン・スマホ・タブレットから受講できます。ラインナップにはコンプライアンス、ハラスメント、情報セキュリティなどの内容も含まれます。注意したい点は、AIを使ったリモート監視機能などが有償オプションであることと、日本国内仕様で海外での利用はサポート対象外であることです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
株式会社イー・コミュニケーションズ
SAKU-SAKU Testing
初心者にも◎受講者の管理をスムーズに行いたい方におすすめ
おすすめ!
- 不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数搭載
- あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意
- ユーザー管理機能を備えているため、より細かな対象でカテゴリーやグループを紐づけられる
気になる…
- 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる
コンテンツの質の向上はもちろん、受講者への事前リマインドによる受講率向上や、受講状況・結果を容易に把握できるようになったことで、次の施策への展開が容易になった。
出典: メディカル・データ・ビジョン株式会社(SAKU-SAKU Testing導入事例) https://www.e-coms.co.jp/jirei/jirei29
よくある質問(FAQ)
Q1. スマホにウイルス対策は必要ですか?iPhoneも対象ですか?
A. 業務で使うスマホには必要です。iOSは仕組み上、従来型のウイルスに感染するリスクは相対的に低いとされていますが、フィッシングサイトで業務アカウントの情報を入力してしまう被害や、不審な構成プロファイルをインストールさせる手口はiPhoneでも起きます。Androidは公式ストア以外からアプリを入れられるため、提供元不明アプリの禁止と対策アプリでの検知を優先します。
Q2. スマホがウイルスに感染しているサインは何ですか?
A. バッテリーの急な消耗や発熱、データ通信量の急増、身に覚えのない広告や警告画面、入れた覚えのないアプリやプロファイル、送った覚えのないSMSなどが代表的です。端末の劣化でも起こるため、複数が重なっているかを確認し、疑わしければ通信を切って社内の担当者に報告します。
Q3. スマホのウイルスを消す方法はありますか?費用はかかりますか?
A. まず機内モードなどで通信を切り、社内の担当者に報告します。そのうえで対策アプリでスキャンして不審なアプリを削除し、業務アカウントのパスワードを別の端末から変更します。収まらない場合はバックアップを確認して初期化を検討します。利用者自身が行う削除や初期化に追加費用はかからないのが一般的ですが、外部の窓口に依頼する場合の費用は事業者により異なります。
Q4. 業務スマホのウイルス対策は何から始めればよいですか?
A. まずは費用のかからないOSとアプリの更新、画面ロック、業務アカウントの二段階認証を全端末で徹底します。そのうえで対策アプリの導入、管理ルールの策定と周知、定期的な棚卸しと点検の順に進めると効率的です。
Q5. 従業員の私物スマホを業務に使わせても問題ありませんか?
A. 事前にBYODの規程を定め、利用条件や会社が管理する範囲、紛失時の対応、利用終了時のデータ削除などを取り決めておけば運用は可能です。業務データについては会社が安全管理の責任を負うと考えられるため、業務領域と個人領域を分けて管理し、会社が確認できる情報の範囲を従業員に説明しておきましょう。
Q6. 対策アプリ、MDM、eラーニングはどう使い分ければよいですか?
A. 対策アプリは不正アプリや危険なサイトを検知して脅威を防ぎ、MDMは端末の設定配布やアプリの制限、紛失時の遠隔ロックで端末を統制します。eラーニングは、偽SMSや不審アプリを見分ける従業員の判断を、受講状況を管理しながら揃えるための手段です。役割が異なるため、端末の台数と管理体制に応じて組み合わせるのが一般的です。
まとめ|業務スマホは「端末」と「人」の両面で守る
業務スマホのウイルス対策は、アプリを入れて終わりではなく、端末の設定、アカウントの保護、対策アプリや管理ツール、管理ルール、従業員の判断力を組み合わせて初めて機能します。この記事のポイントを整理します。
- OS更新、画面ロック、二段階認証という無料の土台を全端末で徹底する
- 対策アプリは、対応OSと台数、機能、管理のしやすさ、費用、サポートの5点で選び、標準機能・MDMとの役割の違いを押さえる
- Androidは提供元不明アプリの禁止と更新期間の長い機種選び、iPhoneはフィッシング対策と二段階認証を優先する
- BYODでは会社が管理する範囲と従業員が守る範囲を規程で決め、業務領域と個人領域を分ける
- フィッシングや不正アプリの多くは人の操作から始まるため、受講管理と理解度の確認ができるeラーニングなど、判断基準をそろえる仕組みを検討する
スマホを狙う手口は年々変化しており、一度決めた対策も定期的な見直しが欠かせません。本記事は公開時点の公的機関の情報をもとに一般的な対策の考え方を整理したもので、特定の製品の効果を保証するものではなく、法的助言を目的としたものでもありません。最新の脅威や法令の詳細は、IPAや個人情報保護委員会などの一次情報で確認してください。
参考文献
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2026」https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティに関する技術的なご相談」https://www.ipa.go.jp/security/anshin/
- 総務省「テレワークにおけるセキュリティ確保」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/telework/
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- Google Play ヘルプ「Google Play プロテクトを使用してアプリの安全性とデータ プライバシーを確保する」https://support.google.com/googleplay/answer/2812853?hl=ja
- NTTドコモ「あんしんセキュリティ」(2026年10月15日確認)https://www.docomo.ne.jp/service/anshin_security/
- アバスト「Android用無料アンチウイルス」(2026年10月15日確認)https://www.avast.co.jp/free-mobile-security
