モバイルオーダーとは?おすすめ6選と費用相場・選び方を徹底解説【2026年最新】
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- モバイルオーダーの仕組みと流れがわかる
- 支払い方法と現金払いへの対応を確認できる
- タイプ別の違いと費用の考え方を比べられる
モバイルオーダーとは、お客様が自分のスマートフォンでメニューの閲覧から注文、場合によっては支払いまでを行い、店頭やテーブルで商品を受け取る仕組みです。店員を介さずに注文が厨房やレジへ届くため、ピークタイムの人手不足やオーダーミス、訪日外国人への説明の負担を減らす手段として、飲食店で導入が広がっています。一方で、店内型とテイクアウト型の違い、支払い方法と現金への対応、決済手数料を含む費用、POSレジとの連携など、導入前に確かめる点は少なくありません。この記事では、モバイルオーダーの仕組みと注文から受け取りまでの流れ、支払い方法、タイプ別の違い、代表的なサービスの比較、費用の考え方、導入でつまずきやすい点を、飲食店の経営者・店長の目線で整理します。
お店のモバイルオーダー、どこから読む?30秒診断
Q1. モバイルオーダーで、いちばん解決したいことは?
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モバイルオーダーとは|注文から受け取りまでの流れ
モバイルオーダーとは、お客様がスマートフォンで店舗とメニューを選んで注文し、あらかじめ、または会計時に支払って、店頭やテーブルで受け取る仕組みです。スマホでオーダーするときの流れは、マクドナルド、スターバックス、東京ディズニーリゾートの公式案内(2026年10月14日確認)を並べると、次の5段階に整理できます。
- 注文画面を開く:公式アプリを開く、またはWebサイトやLINE、店内に掲示されたQRコードから注文画面に入る
- 店舗と利用方法を選ぶ:来店する店舗と、店内飲食・お持ち帰り・ドライブスルーなどの受け取り方法を選ぶ
- メニューを選ぶ:商品とカスタマイズ、数量を選んでカートに入れる
- 支払いを済ませて注文を確定する:クレジットカードやコード決済などを選ぶ
- 準備完了の通知を受けて受け取る:アプリのプッシュ通知やメールで知らせを受け、受け取り番号などを見せて受け取る
店舗側から見ると、運用の差が出るのは「4. 支払い」と「5. 受け取りの合図」です。支払い手段と、注文確定後の変更の扱いで、お客様の使いやすさと現場の負担が変わります。
モバイルオーダーの支払い方法と現金払いへの対応
モバイルオーダーの支払いは、クレジットカードやコード決済などのキャッシュレスが基本で、現金は店頭のレジで払える運用に対応した店舗やサービスに限られます。公式案内を見ると、マクドナルドはクレジットカード、PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、Apple Pay、Google Payのいずれか、スターバックスは登録済みのスターバックス カード、PayPay、Apple Pay(ご利用形態によって異なる)、東京ディズニーリゾートはクレジットカード決済とコード決済を案内しており、現金払いの案内はありません。
現金で払いたいお客様への対応には、スマホで注文だけを行い、会計は食事のあとに店頭のレジで現金も受け付ける運用があります。テイクアウトの事前注文は事前決済が前提になっていることが多いため、現金のお客様が多い店では、サービスが対応する支払い方法を候補選びの段階で確認しておきましょう。経済産業省の公表によると、2025年の国内キャッシュレス決済比率は58.0%で、そのうちコード決済が10.2%を占めています(経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」)。
通販やお取り寄せも扱う店は、配送商品の代金回収を別に考える
モバイルオーダーの支払いは、来店して受け取る注文が対象です。一方、ケーキやおせち、冷凍惣菜、ギフトの茶葉など、配送でお客様に届ける商品をネットで売る店では、振込やコンビニ前払いの入金確認、請求書の発行、支払いが遅れたお客様への督促といった、別の負担が生まれます。クレジットカードの入力に不安のあるお客様が、注文の途中でやめてしまうことも、配送商品の通販に特有の課題です。こうした配送商品の代金回収を外部に任せる選択肢の一例が、GMOペイメントサービス株式会社のGMO後払いです。
GMO後払いは、購入者が商品を受け取ってから支払う後払い決済サービスです。商品ページでは、決済時に与信審査の結果がすぐわかるリアルタイム与信、与信を通過し正常に完了した取引に限った未回収リスクの保証、請求書の発行から督促、入金管理までの代行が特徴として紹介されています。注意点は、対面販売や電話による受注には対応しておらず、サイトが未完成の場合は申し込めないことです。店頭のモバイルオーダーの支払いには使えないため、配送商品のネット販売がある店が対象になります。料金はプランや請求書の発行方法によって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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出典:GMO後払い 導入事例「株式会社カレルチャペック 様」(実店舗とECを運営する紅茶専門店、2022年取材時点)
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モバイルオーダーの種類|店内型・テイクアウト型・タブレット型の違い
モバイルオーダーは、店内の席から注文する店内型、来店前に注文して受け取るテイクアウト型、店舗が席に置いたタブレットで注文するタブレット型の3つに大きく分かれます。店員が注文を聞きに行く従来の方式と比べて、呼び出し待ちや聞き間違いが減り、ホールスタッフを配膳や接客に集中させやすくなります。競合サービスの比較記事でも「店内」と「テイクアウト」の2分類で整理されることが多いですが、実際の検討では、お客様のスマホではなく店舗が用意したタブレットを席に置く「テーブルオーダー(セルフオーダー)」も比較対象に入ってくるため、ここでは3つに分けて整理します。
| タイプ | 仕組み | 向いている業態 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 店内モバイルオーダー | テーブルのQRコードをお客様のスマホで読み取り、席から注文する | 居酒屋、カフェ、ファミリーレストラン、フードコート | スマホ操作に不慣れなお客様への代替手段が必要 |
| テイクアウト(店外)モバイルオーダー | 来店前にWebやアプリで注文・決済し、指定時刻に受け取る | テイクアウト専門店、弁当店、ランチ需要の多い店 | 受け取り時刻と調理能力の調整、キャンセル条件の明示 |
| テーブルオーダー(タブレット型) | 店舗が席に設置したタブレット端末からお客様が注文する | 焼肉店、回転寿司、客層の年齢幅が広い店 | 端末の購入・充電・破損対応のコストがかかる |
店内モバイルオーダーはお客様のスマホを使うため、端末の購入費がかからず、席数が多い店でも導入しやすいのが強みです。一方で、スマホの電池切れや操作に不慣れなお客様への配慮として、口頭での注文も受けられる状態を残しておく店舗が多く見られます。テイクアウト型は、店内の席数に関係なく売上を伸ばせる点が魅力ですが、ピーク時に店内注文とテイクアウト注文が重なると厨房が回らなくなるため、受け取り枠の上限設定ができるかが重要です。タブレット型は操作が統一されるため年配のお客様にも使いやすい反面、端末の管理という別の業務が生まれます。
なお、スタッフが専用のハンディ端末で注文を入力する方式も含めた「注文を受けてから厨房・レジに伝える仕組み」全体は、オーダーエントリーシステムと呼ばれます。スマホ注文にこだわらず注文業務全体を見直したい場合は、おすすめのオーダーエントリーシステムの選び方も参考になります。
支払いのタイミングで分かれる先払い型と後払い型
モバイルオーダーは、使う場面に加えて「いつ支払うか」でも2つの運用に分かれます。注文と同時にスマホで決済を済ませる先払い型(キャッシュオン型とも呼ばれます)は、ファストフード店やカフェ、フードコートのように提供までの時間が短い業態で多く使われ、テイクアウトの事前注文もこの形が基本です。食い逃げや未払いの心配がなく、退店時のレジ待ちもなくなるのが利点ですが、追加注文のたびに決済が発生するため、何度も注文が入る居酒屋などでは手間に感じられることがあります。一方、注文はスマホで行い、会計は食事の最後にまとめて行う後払い型は、追加注文が多い居酒屋やファミリーレストランに向いています。後払い型では最終的な会計をスマホで行うか店頭のレジで行うかを選べるサービスもあり、現金払いのお客様にも対応しやすくなります。どちらの運用に対応しているかはサービスによって異なるため、自店の注文回数や客層に合わせて確認しておきましょう。なお、ここでいう後払い型は食事のあとに店内で会計する運用のことで、配送商品の代金を後日支払う後払い決済とは別の仕組みです。
大手チェーンの公式案内に見る共通点
大手チェーンの公式案内を並べると、モバイルオーダーの運用で店舗が決めておくべき点が見えてきます。下の表は、各社の公式案内で確認できた内容を2026年10月14日時点で整理したものです。仕様は変更されることがあるため、最新の内容は各社の公式サイトで確認してください。
| 確認項目 | マクドナルド | スターバックス | 東京ディズニーリゾート |
|---|---|---|---|
| 注文の入口 | 公式アプリ | アプリ、Webサイト、LINE、App Clip | 東京ディズニーリゾート・アプリ |
| 受け取り方法 | お持ち帰り、店内。対象店舗は駐車場、ドライブスルー、テーブルへのお届けも選べる | お持ち帰りと店内飲食、ドライブスルー | 来店時間を選び、到着後に受け取りカウンターで受け取る |
| 受け取りの合図 | 店舗到着時に「受け取りに進む」ボタンを押す | アプリはプッシュ通知、Webサイトはメールで準備完了を知らせる | 「店舗に到着しました」ボタンで決済が進み、調理が始まる |
| 注文後の扱い | 注文番号の表示後は追加注文ができない | 公式案内の範囲では記載を確認できず | 到着ボタンの押下後は変更、キャンセル、返金ができない |
3社に共通するのは、受け取りの合図を設けて調理や決済のタイミングを管理していること、注文確定後の変更の扱いを画面上で明示していることです。小規模な店でも、受け取り方法の選択肢、準備完了の知らせ方、追加注文や変更の受け付けルールの3つは、導入前に決めておくと運用が安定します。
店舗と利用客それぞれのメリット・デメリット
モバイルオーダーは店舗の業務を楽にするだけでなく、利用するお客様の体験も変えます。一方で、店舗側には費用や運用の負担が、お客様側には使いにくさが生じることもあります。導入を判断する前に、双方の立場からメリットとデメリットを整理しておくと、自店に合うかどうかを見極めやすくなります。
| 立場 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 店舗側 | 注文を取る手間とオーダーミスが減る、少ない人数でホールを回しやすい、会計待ちが減り席の回転が上がりやすい、多言語メニューでインバウンド対応がしやすい | 初期費用・月額利用料・決済手数料がかかる、スタッフへの操作研修やメニュー登録の手間が発生する、通信障害時の対応を決めておく必要がある |
| 利用客側 | 店員を呼ばずに自分のペースで選べる、写真や外国語表示で内容を確認しやすい、テイクアウトでは並ばずに受け取れる | スマホ操作に不慣れな人には使いにくい、アプリのダウンロードや会員登録が必要なサービスでは注文までに手間がかかる、電池切れや通信環境に左右される、キャッシュレス決済のみだと現金派のお客様が利用できない |
モバイルオーダーが向いている店・向きにくい店
向いているのは、軽食やランチの利用が多いカフェ・フードコート、追加注文が多い食べ放題・飲み放題の居酒屋、外国語の説明に手間がかかるインバウンド客の多い店、席の回転数を上げたい店です。反対に、接客での対話そのものが価値になる店や、客層のほとんどがスマホ操作に不慣れな店では、スマホ型よりスタッフ用のハンディ端末やタブレット型の方が合うことがあります。導入の目的を人手不足の解消、客単価の向上、テイクアウトの強化のうち何に置くかで、選ぶタイプが変わります。
おすすめのモバイルオーダーシステム6選【比較表】
ここでは、公式サイトやプレスリリースで機能が公開されている代表的なサービスを、タイプ別に6つ紹介します。いずれも特定のサービスを推奨するものではなく、比較の出発点として使っていただくための整理です。機能は随時更新され、料金や手数料もプランによって異なるため、本記事では具体的な金額は記載していません。契約前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。
| サービス名 | タイプ | 主な特徴 | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|---|
| トレタO/X | 店内 | 注文から会計までスマホで完結できる店内向けサービス。2025年8月にLINE公式アカウントとの連携機能を提供開始 | 既存のPOSレジとの連携範囲 |
| 食べログオーダー | 店内 | 株式会社カカクコムが提供。食べログアプリで培った知見を生かしたUIで、メニュー閲覧から注文、会計までを行える | 対応する決済手段と、グルメサイト集客との関係 |
| Okage Go 店内版 | 店内 | QRコードを読み込むだけで注文でき、アプリのダウンロードや会員登録が不要。LINEミニアプリとの連携にも対応 | 多言語対応の範囲とメニュー翻訳の方法 |
| Okage Go 店外版 | テイクアウト | テイクアウト商品の事前注文と事前決済に対応し、受け取り時の待ち時間を減らす設計 | 受け取り枠の上限設定、キャンセル時の返金ルール |
| funfo | 店内・テイクアウト | モバイルオーダーとPOSレジの機能を1つのアプリで使え、小規模店でも始めやすい | 店舗規模が大きくなったときのプランと機能の上限 |
| スマレジ・テーブルオーダー | タブレット | お客様自身がテーブル上で注文するセルフオーダー機能。注文データはキッチン伝票として印刷され、英語表記にも対応 | フードビジネスプランのオプション契約になる点と、端末の台数分の準備・管理 |
比較するときは、機能の多さよりも「自店の課題に直結する機能があるか」で絞り込むのが失敗しにくい方法です。人手不足が課題なら注文と会計の両方をスマホで完結できるか、インバウンド需要が大きいなら多言語メニューとアレルギー表示の見せ方、リピーターを増やしたいならLINE公式アカウントなどとの連携と顧客データの扱い、というように、課題ごとに見るべき機能は変わります。POSレジごと入れ替えるなら、無料で利用できるPOSレジアプリの比較ポイントもあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
モバイルオーダーの導入費用と決済手数料の考え方
モバイルオーダーの費用は「初期費用」「月額利用料」「決済手数料」の3つの組み合わせで決まり、どこに重心を置くかはサービスによって大きく異なります。以前は大規模な専用システムが中心でしたが、現在は初期費用や月額費用を抑えたプランも増え、小規模店でも導入しやすくなっています。ただし、月額が安いサービスは決済手数料や注文件数に応じた従量課金で収益を得ていることが多く、売上が伸びるほどコストも増える点に注意が必要です。
| 費用項目 | 主な内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 初期費用 | アカウント設定、メニュー登録の代行、QRコードの作成・印刷 | メニュー写真の撮影や翻訳を依頼すると別料金になることがある |
| 月額利用料 | システム利用料。店舗数や機能の範囲でプランが分かれる | 無料プランは注文件数やメニュー数に上限があることが多い |
| 決済手数料 | スマホ決済やクレジットカード決済の売上に対して一定の割合でかかる | 決済手段ごとに料率が異なり、入金サイクルも確認が必要 |
| 周辺機器・連携費用 | キッチンプリンター、タブレット、POSレジとの連携オプション | 既存POSが連携対象外だと、入れ替えや手入力が発生する |
費用を比べるときは、月額料金の安さだけでなく、1か月の想定売上と客数をもとに「月額利用料と決済手数料を合計した総額」で比較するのが実務的です。たとえば客単価が高くキャッシュレス比率も高い店では、月額が高めでも手数料率が低いプランの方が総額を抑えられる場合があります。反対に、客数が少ない店や現金払いが多い店では、月額が低く手数料中心のプランが向いています。繁忙期の注文件数で試算し、無料プランの上限を超えたときに何が起きるかも契約前に確認しておきましょう。
費用を抑えるときの見方と補助金
「初期費用ゼロ」や無料プランをうたうサービスは、その分を月額利用料、決済手数料、端末や周辺機器の費用のどこかで回収する料金設計になっていることがあります。費用を抑えたいときは、次の4点を同じ条件で並べて総額を試算すると、見かけの安さに惑わされにくくなります。
- 初期費用に含まれる範囲:メニュー登録やQRコード作成が含まれるか、別料金か
- 月額利用料と決済手数料の合計:繁忙期の売上と注文件数で試算する
- 無料プランの上限:注文件数やメニュー数の上限を超えたときの扱い
- 周辺機器の費用:キッチンプリンターやタブレットを自店で用意するか、月額に含まれるか
公的な支援も確認する価値があります。農林水産省と厚生労働省が令和7年6月に公表した「省力化投資促進プラン(飲食業)」は、モバイルオーダーを効果的な省力化投資の例に挙げ、中小企業省力化投資補助金やIT導入補助金などの活用を促しています(内閣官房ウェブサイト掲載「省力化投資促進プラン(飲食業)」)。補助の対象になるかどうか、要件や公募時期は年度ごとに変わるため、申請を考える場合は最新の公募要領を確認してください。
もう1つ押さえておきたいのは、モバイルオーダーの決済手数料と、配送商品を通販で売るときの決済手数料は別の取引にかかる、という点です。通販の後払い決済は、取引金額に応じてプランが分かれ、取引金額が多いほど手数料が安くなる設計のサービスもあります。店頭の注文と配送商品を別々に試算し、それぞれの総額を把握しておくと、費用の見通しを立てやすくなります。
POSレジ・会計ソフトとの連携で確認すべきこと
モバイルオーダーの効果を最大化できるかどうかは、POSレジや会計ソフトとどこまでデータをつなげられるかで決まります。注文データがPOSレジに自動で入らなければ、会計時に手入力が発生し、かえって手間が増えてしまいます。連携の確認は、次の4つの観点で行うと漏れを防げます。
- 注文データの連携:モバイルオーダーで受けた注文が、POSレジとキッチンプリンター(またはキッチンモニター)に自動で届くか
- 会計データの連携:スマホ決済の売上が、POSレジの日次売上や会計ソフトへの仕訳に反映されるか。税率ごとの集計や、インボイス制度に対応したレシートの発行ができるか
- 顧客データの連携:LINE公式アカウントやアプリ会員の情報と、注文履歴を結びつけられるか
- メニューデータの連携:POSレジの商品マスタとモバイルオーダーのメニューを二重に登録せずに済むか。売り切れ情報がリアルタイムに反映されるか
特に見落とされがちなのが3つ目の顧客データです。注文履歴と会員情報がつながっていないと、せっかくのデジタル化が再来店の促進や接客の質の向上につながりません。連携の可否は製品の組み合わせによって異なるため、無料トライアル期間中に実際の注文から会計まで一通り試しておくのが確実です。
アレルギー表示については、食品表示基準により、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生に加え、2026年4月にカシューナッツが特定原材料として追加され、容器包装された加工食品でこれらを含む旨の表示が義務づけられています(消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」)。店内で調理して提供する料理は義務の対象外とされていますが、お客様の安全のために、モバイルオーダーのメニュー画面でアレルギー情報を分かりやすく示す店舗が増えています。表示内容に誤りがないよう、メニュー変更のたびに情報を更新する運用ルールを決めておきましょう。
モバイルオーダー導入でよくある失敗パターン
モバイルオーダーの失敗は、システムの性能よりも「導入前の想定不足」から起こることがほとんどです。代表的なパターンと回避策を表にまとめました。
| 失敗パターン | 起きること | 回避策 |
|---|---|---|
| お客様に使われない | QRコードに気づかれず、結局店員を呼ばれる。年配のお客様が戸惑う | 着席時に一言案内する、卓上POPで手順を示す、口頭注文も併用する |
| 厨房が回らなくなる | 注文のハードルが下がり、ピーク時に注文が一度に集中する | 提供に時間がかかる品を表示する、テイクアウトの受け取り枠を制限する |
| 手入力が残る | POSレジと連携できず、会計時に注文を打ち直す | 契約前に既存POSとの連携可否を確認し、トライアルで実際に試す |
| 想定外のコスト | 無料プランの上限を超えて従量課金が発生する、決済手数料が積み上がる | 繁忙期の注文件数で総額を試算し、上限超過時の扱いを確認する |
| 支払いと変更のルールが決まっていない | 現金のお客様が利用できない、注文後の変更やキャンセルでお客様とトラブルになる | 対応する支払い手段を決めて画面と卓上に明記し、追加注文や変更の受け付けルールを注文画面で示す |
最後の「支払いと変更のルールが決まっていない」パターンは、システムを入れてから気づかれやすい失敗です。大手チェーンの公式案内が、支払い手段、追加注文の可否、到着後の変更の扱いを細かく明記しているのは、現場での食い違いを防ぐためと考えられます。自店でも、運用ルールを注文画面と卓上の両方に書いておくと、スタッフが説明に追われずに済みます。
導入から運用開始までの流れ
モバイルオーダーは、手順を踏めば比較的短い期間で運用を始められます。一般的な流れは次のとおりです。
- 課題と目的を決める:人手不足の解消、客単価の向上、インバウンド対応、テイクアウト強化のうち、何を最優先にするかを1つに絞る
- タイプと候補を絞る:店内型、テイクアウト型、タブレット型のどれが合うかを決め、既存のPOSレジと連携できる候補を2つから3つ選ぶ
- トライアルで試す:実際のメニューを登録し、注文から厨房への伝達、会計、売上の集計まで一通り動かす
- メニューと表示を整える:写真、説明文、アレルギー情報、多言語表記を整え、売り切れ時の表示方法を決める
- スタッフとお客様への案内を準備する:スタッフ向けの操作手順と、トラブル時の対応(通信障害やスマホの電池切れなど)を決め、卓上POPを用意する
- 運用を始めて見直す:注文単価や提供時間の変化を確認し、メニューの見せ方や案内方法を調整する
テイクアウトの事前注文やネット上での決済を扱う場合は、キャンセルや返金の条件を注文画面で明示しておくことも大切です。また、注文時に取得したお客様の連絡先や注文履歴は個人情報にあたるため、利用目的の明示や、システム提供会社への委託に伴う管理体制を確認しておく必要があります(個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」)。本記事の法令に関する記述は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の判断が必要な場合は専門家に相談してください。
運用を始めたあとの見直しでは、注文単価や提供時間に加えて、店のネット通販や予約制の配送商品がある場合は、入金確認や請求書の発行にかかる時間も一度書き出してみてください。取引ごとの手作業が多いなら、決済の仕組みごと見直す余地があります。ただし、GMO後払いは対面販売や電話受注には使えません。店頭の注文はモバイルオーダーで、配送商品の通販は後払い決済で、と役割を分けて考えるのが前提です。
GMO後払い
通販の入金確認や督促に、毎日の時間を取られていませんか?
こんな店に向いています
実店舗のほかに、ギフトやお取り寄せのネット販売も運営している店
入金確認や請求書の発行を、手作業で行っている店
よくある質問(FAQ)
Q1. モバイルオーダーとは何ですか?
A. モバイルオーダーとは、お客様が自分のスマートフォンで店舗とメニューを選んで注文し、あらかじめ、または会計時に支払って、店頭やテーブルで商品を受け取る仕組みです。店内型、テイクアウト型、席に置くタブレット型の3つに分けて考えると、自店に合う方式を選びやすくなります。
Q2. モバイルオーダーで支払いはどうやってしますか?
A. クレジットカードやコード決済、Apple Payなどのキャッシュレス決済が中心です。大手チェーンの公式案内でも、現金払いの案内はありません。店内型では、注文だけスマホで行い、会計は店頭のレジで済ませる運用に対応したサービスもあります。
Q3. モバイルオーダーは現金払いができますか?
A. サービスと運用によります。テイクアウトの事前注文は事前のキャッシュレス決済が基本です。店内型には、スマホで注文して会計は店頭のレジで現金も受け付ける運用に対応したものがあります。現金のお客様が多い店は、候補選びの段階で対応する支払い方法を確認してください。
Q4. モバイルオーダーとセルフオーダーの違いは何ですか?
A. モバイルオーダーはお客様自身のスマートフォンで注文する方式で、店舗側で端末を用意する必要がありません。セルフオーダーは、店舗が席に設置したタブレット端末からお客様が注文する方式を指すことが多く、端末の準備と管理が必要です。
Q5. 小規模な個人店でも導入できますか?
A. 導入できます。初期費用や月額費用を抑えたプランを用意しているサービスもあり、小規模店でも始めやすくなっています。費用は主に初期費用、月額利用料、決済手数料の組み合わせで決まるため、繁忙期の注文件数で総額を試算してから選ぶと安心です。具体的な料金は各社の公式サイトで確認してください。
Q6. 既存のPOSレジと連携できますか?
A. 多くのサービスが主要なPOSレジとの連携に対応していますが、連携できる範囲は製品の組み合わせによって異なります。注文データ、会計データ、メニューデータがそれぞれ連携できるかを確認し、トライアル期間中に実際に試すことをおすすめします。
まとめ
モバイルオーダーは、注文と会計をお客様のスマートフォンで完結させることで、人手不足やオーダーミス、インバウンド対応といった飲食店の課題を和らげる仕組みです。導入を成功させるポイントは次の4つです。
- 注文から受け取りまでの流れと、支払い方法・現金への対応を、店の運用として先に決める
- 店内型、テイクアウト型、タブレット型の違いを理解し、自店の課題に合うタイプを選ぶ
- 初期費用、月額利用料、決済手数料を合計した総額で比較し、POSレジとの連携をトライアルで確かめる
- 配送商品のネット販売もあるなら、代金回収の仕組み(GMO後払いなどの後払い決済)も別に検討し、資料で比べる
まずは課題を1つに絞り、トライアルで小さく始めることが、現場に定着させる近道です。
参考文献
- 経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」2026年3月31日 https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331006/20260331006.html
- 内閣官房ウェブサイト掲載「省力化投資促進プラン(飲食業)」(農林水産省・厚生労働省、令和7年6月13日) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/shouryokukatousi/01.pdf
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/
- マクドナルド公式「モバイルオーダー」(2026年10月14日確認) https://www.mcdonalds.co.jp/shop/mobileorder/
- スターバックス コーヒー ジャパン「Mobile Order & Pay」(2026年10月14日確認) https://www.starbucks.co.jp/mobileorder/guide/
- 東京ディズニーリゾート「ディズニー・モバイルオーダー」(2026年10月14日確認) https://www.tokyodisneyresort.jp/tdr/guide/app_service/mobileorder.html
- GMOペイメントサービス株式会社「GMO後払い 導入事例 株式会社カレルチャペック 様」 https://www.gmo-ps.com/feature_ab-lp03/case/karelcapek/