領収書とは?書き方・インボイス対応・収入印紙・保存方法をわかりやすく解説
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- 領収書は代金の受取を証明する書類で、レシートも税務上は同じ受取書として扱われる
- インボイス対応には登録番号と税率ごとの金額・消費税額が必要で、小売・飲食等は宛名不要の適格簡易請求書も使える
- 税抜5万円以上の紙の領収書には収入印紙が必要で、電子で受け取った領収書は電子のまま7年間保存する
領収書とは、代金を受け取った側が「いつ、誰から、何の代金として、いくら受け取ったか」を証明するために発行する書類です。支払った側にとっては経費計上や仕入税額控除の根拠になり、受け取った側にとっては二重請求などのトラブルを防ぐ記録になります。ところが実務では、レシートとの違い、宛名や但し書きの書き方、インボイス制度で必要になった登録番号、5万円以上で必要な収入印紙、電子で受け取った領収書の保存方法など、確認することが多く迷いやすい書類でもあります。本記事では、国税庁の公表資料をもとに、領収書の定義と法的な位置づけ、必須の記載項目、適格請求書と適格簡易請求書の違い、よくある失敗、保存期間と電子帳簿保存法への対応までを、発行する側と受け取る側の両方の立場で整理します。
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領収書の入力と保管を楽にする|手作業と読み取り対応の会計ソフトの比較
領収書は、書き方を正しく覚えても、受け取った後の処理が残ります。1枚ずつ日付・金額・支払先を帳簿に打ち込み、勘定科目を判断し、原本を月別に綴じて7年間保管する作業は、件数が増えるほど経理担当者の時間を奪います。電子メールで届いた領収書は電子データのまま保存する必要があるため、紙とデータの2つの保管ルールを並行して運用している会社も少なくありません。
こうした負担を減らす方法の一つが、領収書やレシートをスマホのカメラやスキャナで読み取り、日付・金額・支払先を自動でデータ化する機能(OCR)を持つ会計ソフトです。読み取った内容から仕訳の候補が作られ、画像も会計データとひも付けて保存されるため、入力と保管を一度に済ませられます。以下は、手作業で処理する場合と、読み取りに対応した会計ソフトの一部を、強みと留意点で並べたものです。
| 方法・サービス名(提供会社) | 強み | 留意点 |
|---|---|---|
| 手作業(Excel・紙の帳簿で入力し、原本を綴じて保管) | 新しいツールを覚える必要がなく、件数が少なければ費用をかけずに運用できる | 転記ミスや紛失が起きやすく、電子で受け取った領収書は別に検索できる形で保存する仕組みが必要になる |
| やよいの青色申告 オンライン(弥生株式会社) | 入力作業を自動化でき、知識がなくても確定申告できる。スマホアプリやe-Taxにも対応している | 仕訳や経理・確定申告の相談を行いたい場合は、最上位の「トータルプラン」の契約が必要 |
| マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード) | 帳簿・レポート・決算書を自動作成でき、金融機関の入出金データを自動取得して数字を共有できる | ある程度の簿記知識が必要な場合がある |
| 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント) | カスタマイズ性が高く、企業独自の管理会計に対応。電子申告・電子納税にも対応している | 機能を使いこなせない場合は割高に感じることがある |
※各サービスの特徴は、下記リンク先の比較記事の掲載内容をもとに要約しています。料金や機能の詳細は、各社の公式情報で最新の内容を確認してください。
個人事業主なら確定申告まで一続きで済ませられるもの、中小企業なら銀行や他サービスとの連携が多いもの、中堅企業以上なら承認や管理会計の機能が充実したものと、規模によって向く製品は変わります。手書きの領収書は読み取り精度が落ちるなど、OCRの注意点もあわせて解説している比較記事で、自社の規模に合う候補を確認できます。
領収書とは|法的な位置づけとレシート・請求書との違い
領収書は、金銭を受け取った事実を証明する書類で、会計上は取引の証拠となる「証憑(しょうひょう)」の一つです。法律上の根拠は主に次の3つに分かれます。
1つ目は民法です。民法第486条は、弁済をする者が弁済と引換えに受取証書の交付を請求できると定めています。つまり、代金を支払った人は領収書を求めることができ、受け取った人はそれに応じる必要があります。2つ目は印紙税法です。国税庁は、領収書やレシート、受取書などの名称にかかわらず、金銭の受取事実を証明する文書を「金銭又は有価証券の受取書」(第17号文書)として扱うとしています(出典:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」)。3つ目は消費税法で、インボイス制度のもとでは、所定の事項を満たした領収書やレシートが適格請求書(または適格簡易請求書)として仕入税額控除の根拠になります。
名前の似た書類との違いは、次のように整理できます。ポイントは「何を証明する書類か」と「誰が発行するか」です。
| 書類 | 証明する内容 | 発行のタイミング | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 領収書(領収証) | 代金を受け取ったこと | 支払いを受けた時 | 宛名と但し書きを書くため、誰が何のために支払ったかが明確になる |
| レシート | 代金を受け取ったこと | 支払いを受けた時(レジで自動発行) | 宛名はないが品目と単価が印字され、購入内容が具体的に分かる |
| 請求書 | 代金の支払いを求めること | 支払いの前 | 支払期日や振込先を記載する。支払った事実の証明にはならない |
| 納品書 | 商品やサービスを引き渡したこと | 納品の時 | 数量や品名の確認に使う。金銭の受取は証明しない |
レシートと領収書は、税務上はどちらも受取書として同じ扱いで、経費の証拠として使えます。むしろレシートは品目が印字されている分、何を買ったかが明確です。一方で、取引先から「宛名入りの領収書を」と求められる場面や、社内規程で領収書を指定している場合もあるため、相手の求めに応じて発行できるように準備しておくのが実務的です。
なお、銀行振込で支払いを受けた場合は、振込の記録(振込明細や通帳の記帳)が支払いの証拠になるため、領収書を発行しない取引も一般的です。ただし相手から求められた場合は、民法の考え方に沿って発行に応じるのが原則です。
領収書の書き方|必須の記載項目と正しい記入例
領収書の書式に法律で決まった形はなく、市販の領収書用紙、Excelのテンプレート、会計ソフトや請求書システムでの発行のいずれでも有効です。大切なのは書式ではなく、記載内容が揃っていることです。基本の項目と、よくある迷いどころを表にまとめました。
| 記載項目 | 書き方 | 避けたい書き方 |
|---|---|---|
| 日付 | 実際に代金を受け取った年月日を書く。西暦・和暦どちらでもよい | 発行日と受領日を混同する、年を省略する |
| 宛名 | 支払者の正式名称を書く。法人なら「株式会社」も省略しない | 「上様」、空欄、「(株)」などの略記 |
| 金額 | 「¥110,000-」のように先頭に円記号、末尾に「-」や「※」を付け、3桁ごとに区切る。税込金額とあわせて内訳を書く | 記号を付けず、後から桁を書き足せる状態にする |
| 但し書き | 「会議用飲料代として」「ホームページ制作費として」など、何の代金かが分かるように書く | 「お品代として」だけで済ませる |
| 発行者 | 発行者の氏名または名称、住所、連絡先を書き、社印や担当者印を押す | 名前だけで所在地や連絡先が分からない |
| 収入印紙 | 受取金額(税抜で記載している場合は税抜額)が5万円以上の紙の領収書に貼り、消印する | 税込額だけで判定して不要な印紙を貼る、消印を忘れる |
ここにインボイス制度の項目(登録番号、税率ごとの金額と消費税額)が加わります。インボイス対応の詳しい記載例は次の章で整理します。
但し書きは「受け取る側の経理が勘定科目を決められるか」で考える
但し書きで迷ったら、受け取った相手の経理担当者がその1行を見て勘定科目を判断できるかを基準にすると書きやすくなります。「お品代」では、事務用品なのか接待用の贈答品なのか区別できません。複数の品目をまとめて販売した場合は「文房具ほか事務用品代として」のように代表的な品目を書き、詳細はレシートや明細書を添えると親切です。飲食店であれば「飲食代として」に人数や日付を添える、サービス業なら「○月分保守料として」と対象期間を書くと、後から見返したときにも取引内容をたどれます。
「上様」と宛名の省略はどこまで許されるか
「上様」は慣習として使われてきましたが、誰が支払ったかを特定できないため、法人間の取引では避けるのが基本です。一方、小売業や飲食店業などが発行できる適格簡易請求書では、制度上、宛名(書類の交付を受ける事業者の名称)の記載は必要ありません。つまり「宛名がないから無効」とは限りませんが、BtoB取引で相手が宛名入りを求めた場合は、正式名称で発行するのが確実です。
手書き・Excel・システム発行の使い分け
月に数枚なら市販の複写式の領収書でも十分ですが、控えを残しておくことが前提です。Excelのテンプレートは入力ミスを減らせる一方、ファイルの版がばらばらになりやすく、登録番号や税率の欄が古い書式のまま残ることがあります。発行件数が多い場合や、請求から入金、領収書発行までを一続きで管理したい場合は、請求書発行システムや会計ソフトの発行機能を使うと、記載漏れと控えの管理を同時に防げます。テンプレートの形式ごとの違いは「領収書テンプレートの選び方」、手書きの手順と記入例は「領収書の書き方」でも詳しく解説しています。
書き損じたときの訂正と、PDFで発行するときの注意点
手書きの領収書で書き損じた場合、軽微な誤字であれば二重線を引いて訂正印を押す方法もありますが、金額や日付の誤りは改ざんを疑われやすいため、新しい領収書を書き直すのが確実です。修正液や修正テープは、元の記載が分からなくなるため使わないようにします。書き損じた用紙は破棄せず、複写式であれば控えとあわせて「書き損じ」と記して残しておくと、連番の抜けを説明できます。すでに相手に渡した領収書の誤りに気づいた場合は、誤った領収書を回収したうえで正しい内容で発行し直し、二重に経費計上されないようにします。
領収書をPDFなどの電子データで発行し、メールや請求書システムで送る方法も広く使われています。記載すべき項目は紙の領収書と変わらず、インボイス制度の登録番号や税率ごとの金額も同じように必要です。後から編集されにくいPDF形式で作成し、送信前に宛先のメールアドレスを確認することが基本です。電子で送った領収書の控えは、発行した側にとっても電子取引データにあたるため、送信したデータを日付・金額・取引先で検索できる形で保存しておく必要があります。紙で渡す場合と違い収入印紙は不要ですが、取引先が紙の原本を求める運用になっていないか、事前に確認しておくと行き違いを防げます。
インボイス制度対応の領収書|適格請求書と適格簡易請求書の違い
2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)では、買い手が仕入税額控除を受けるために、原則として適格請求書発行事業者が交付した適格請求書等の保存が必要になりました。名称が「領収書」や「レシート」であっても、必要な事項が記載されていれば適格請求書等として扱われます。記載事項は次のとおりです(出典:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」)。
| 記載事項 | 適格請求書 | 適格簡易請求書 |
|---|---|---|
| 発行事業者の氏名または名称と登録番号(Tから始まる13桁) | 必要 | 必要 |
| 取引年月日 | 必要 | 必要 |
| 取引内容(軽減税率の対象品目である旨を含む) | 必要 | 必要 |
| 税率ごとに区分して合計した対価の額 | 必要(税抜または税込)と適用税率 | 必要(税抜または税込) |
| 税率ごとに区分した消費税額等と適用税率 | 消費税額等と適用税率の両方が必要 | 消費税額等か適用税率のどちらか一方でよい |
| 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称(宛名) | 必要 | 不要 |
適格簡易請求書を交付できるのは、小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業、駐車場業など、不特定かつ多数の者に販売やサービスを行う事業に限られます。スーパーや飲食店のレシートに宛名がなく、税率ごとの合計額と税率だけが印字されていても、登録番号があれば仕入税額控除の根拠として使えるのはこのためです。
発行する側が確認したいこと
自社が適格請求書発行事業者として登録している場合、取引先から求められたら適格請求書等を交付する義務があります。領収書の書式に登録番号の欄があるか、8%と10%の品目が混在する取引で税率ごとの合計額と消費税額を分けて書けるかを確認しましょう。消費税額の端数処理は、1つの書類につき税率ごとに1回と定められているため、品目ごとに端数を切り捨てて合算する書き方は避けます。請求書ですでにインボイスの要件を満たした書類を渡している場合、領収書は受取の事実を示すだけの簡易な書式でも問題ありません。どちらを適格請求書として扱うかを取引先とすり合わせておくと、二重に書類を作る手間が減ります。
受け取る側が確認したいこと
受け取った領収書に登録番号が書かれていても、番号の誤記や登録の取消しが起きている可能性はゼロではありません。高額な取引や新しい取引先の場合は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で番号を検索して、名称と一致するかを確認すると安心です。免税事業者からの領収書には登録番号がないため、仕入税額控除の扱いが変わります(経過措置の有無や割合は時期によって異なるため、最新の制度を確認してください)。業種ごとの記入例は「インボイス・電帳法対応の領収書の書き方(業種別テンプレ付き)」、テンプレートの法的要件は「インボイス対応の領収書テンプレートの選び方と書き方」でも確認できます。
領収書の収入印紙|5万円の判定と貼り忘れたときの扱い
紙で発行する領収書のうち、記載された受取金額が5万円以上のものは印紙税の課税文書になり、金額に応じた収入印紙を貼って消印する必要があります(5万円未満は非課税)。受取金額が100万円以下なら200円で、金額が大きくなるにつれて段階的に上がります。判定のポイントは次の4つです。
- 消費税額が区分して記載されていれば、税抜の金額で5万円以上かを判定する(税込の合計額だけを書くと、税込額で判定される)
- 営業に関しない受取書は非課税になる。たとえば会社以外の個人が私的な売買で受け取った代金の領収書などが該当する
- クレジットカードで支払われたことが書かれた書類は、金銭の受取を証明するものではないため、印紙税の対象外として扱われる
- 電子メールやPDFで発行した領収書は紙の文書ではないため、印紙は不要とされている
印紙を貼り忘れた場合は、本来の印紙税額とその2倍に相当する金額の合計、つまり3倍の過怠税が課されます。ただし、税務調査を受ける前に自ら申し出た場合は1.1倍に軽減されます。また、貼っただけで消印をしていない場合も、消印されていない印紙の額面に相当する過怠税の対象になります(出典:国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」)。印紙税を負担するのは領収書を作成した発行者で、受け取った側に過怠税がかかることはありません。
領収書の発行・受領でよくある失敗パターン
領収書の不備は、その場では問題にならず、月末の経費精算や決算、税務調査の段階で表面化することが多いのが厄介な点です。発行する側と受け取る側でよく起きる失敗を、改善前と改善後で並べました。
| 立場 | Before(よくある失敗) | After(改善策) |
|---|---|---|
| 発行側 | 古い書式を使い続け、登録番号や税率ごとの消費税額の欄がない領収書を渡してしまう | 書式を1つに統一し、登録番号と税率の欄が入ったテンプレートかシステム発行に切り替える |
| 発行側 | 税込の合計額だけを書き、税抜では5万円未満なのに印紙を貼っている | 本体価格と消費税額を分けて記載し、税抜額で印紙の要否を判定する |
| 発行側 | 紛失したと言われて同じ内容の領収書をもう1枚発行し、二重に経費計上される原因を作る | 再発行する場合は「再発行」と明記し、控えに再発行日と理由を記録する |
| 受領側 | 「上様」「お品代」の領収書を受け取り、後から用途を説明できない | 受け取る場で宛名と但し書きを伝え、難しい場合はレシートや明細を一緒に保管する |
| 受領側 | メールで届いたPDFの領収書を印刷して紙だけを保管している | 電子で受け取ったものは電子データのまま、日付・金額・取引先で検索できる形で保存する |
| 受領側 | カード明細とレシートの両方を入力し、同じ支払いを二重に計上している | カード連携とレシート読み取りのどちらで計上するかを決め、会計ソフト上で重複をチェックする |
表を見ると分かるとおり、受け取る側の失敗の多くは「入力と保管を別々の作業で行っている」ことから生まれています。紙を綴じるファイル、PDFを入れる共有フォルダ、仕訳を入れる会計ソフトがばらばらだと、どの領収書がどの仕訳に対応するのかをたどれなくなり、二重計上や保存漏れが起きやすくなります。領収書を読み取った時点で仕訳と画像を同じ場所にひも付けて保存できる会計ソフトなら、入力・照合・保管を一度の操作にまとめられ、担当者が替わっても同じ手順で処理を続けられます。
領収書の保存期間と電子帳簿保存法への対応
受け取った領収書も、発行した領収書の控えも、税務上の保存対象です。法人は原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)、個人事業主は青色申告なら書類の種類に応じて5年または7年、保存が必要とされています。インボイス制度で仕入税額控除を受けるための適格請求書等も、同様に7年間の保存が求められます。
保存方法は、領収書をどの形で受け取ったかで変わります。電子帳簿保存法は保存の区分を次の3つに分けています。
| 受け取り方 | 保存の区分 | 保存の考え方 |
|---|---|---|
| 紙で受け取った | 紙のまま保存、またはスキャナ保存(任意) | 紙の原本を保管するか、要件を満たしてスキャンまたはスマホ撮影したデータで保存する |
| メール添付・Webからのダウンロードなど電子で受け取った | 電子取引データの保存(義務) | 2024年1月以降は電子データのまま保存する。改ざん防止の措置と、日付・金額・取引先で検索できる状態が必要 |
| 自社の会計ソフト等で作成して発行した控え | 電子帳簿等保存(任意) | 一定の要件を満たせば、控えを紙に印刷せずデータで保存できる |
電子取引データの保存には、一定の要件のもとで検索機能の確保を不要とする措置や、システム整備が間に合わない相当の理由がある場合の猶予措置もあります。自社が対象になるかは、国税庁の「電子帳簿保存法関係」の一問一答で最新の要件を確認してください。
実務で迷いやすいのは、紙と電子が混在する運用です。たとえば出張の宿泊費はWeb予約のPDF領収書、現地のタクシー代は紙のレシートといった具合に、1回の経費精算の中に両方が含まれます。紙はスキャナ保存、電子は電子取引として、保存場所と命名ルールを揃えておくと、後から探す手間が大きく変わります。スキャナ保存を選ぶ場合は、読み取りの解像度やタイムスタンプなどの要件を満たす必要があるため、要件に対応した会計ソフトや経費精算システムを使うのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q. 領収書とレシートはどちらを保管すればよいですか?
A. 税務上はどちらも金銭の受取書として同じ扱いで、経費の証拠として使えます。レシートは品目が印字されるため取引内容が分かりやすく、領収書は宛名と但し書きで誰が何のために支払ったかが明確になります。両方を受け取った場合は、同じ支払いを二重に計上しないよう、どちらか一方を正として保管し、もう一方は補足資料として添付しておくと整理しやすくなります。
Q. インボイス制度で領収書に必要な項目は何ですか?
A. 発行事業者の名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した合計額と適用税率、税率ごとの消費税額等、宛名の6項目です。小売業や飲食店業などが発行する適格簡易請求書であれば、宛名は不要で、消費税額等と適用税率はどちらか一方の記載で足ります。
Q. 収入印紙は税込と税抜のどちらの金額で判定しますか?
A. 領収書に消費税額が区分して記載されていれば、税抜の金額で判定します。税込の合計額しか書かれていない場合は税込額で判定されるため、本体価格と消費税額を分けて書くと、不要な印紙を貼らずに済む場合があります。クレジットカード払いである旨を記載した書類や、電子データで発行した領収書には印紙は不要とされています。
Q. 領収書をなくしたら再発行してもらえますか?
A. 再発行に応じる法的な義務はなく、発行者の判断によります。二重計上を防ぐため、再発行する場合は「再発行」と明記するのが一般的です。再発行が難しい場合は、振込明細やカード利用明細などの支払いの記録と、支払内容を記した社内の出金伝票を組み合わせて証拠を残しておきましょう。
Q. メールで受け取った領収書を印刷して紙で保存してもよいですか?
A. 電子で受け取った領収書は電子取引データにあたり、2024年1月以降は電子データのまま保存する必要があります。印刷した紙だけを保存する方法は原則として認められていないため、改ざん防止の措置をとったうえで、日付・金額・取引先で検索できる形で保存してください。一定の条件を満たす場合の猶予措置もあるため、詳細は国税庁の資料で確認しましょう。
Q. 領収書の入力や保管の手間を減らす方法はありますか?
A. スマホやスキャナで領収書やレシートを読み取れる会計ソフトを使うと、日付・金額・支払先が自動でデータ化され、仕訳の候補作成と画像の保存を同時に行えます。手書きの領収書や破損したレシートは読み取り精度が落ちることがあるため、読み取り後に内容を目で確認する手順は残しておきましょう。
まとめ|領収書は「書き方」と「受け取った後の処理」の両方を整える
領収書は、代金の受取を証明する書類であり、経費計上と仕入税額控除の根拠になる書類でもあります。発行する側・受け取る側の両方で、次の4つを押さえておきましょう。
- 日付・宛名・金額・但し書き・発行者の基本項目を、「上様」「お品代」に頼らず具体的に書く
- インボイス制度では登録番号と税率ごとの金額・消費税額を記載し、適格簡易請求書との違いを理解しておく
- 紙の領収書は税抜5万円以上で収入印紙が必要になるため、本体価格と消費税額を分けて書き、消印まで行う
- 受け取った領収書は7年間保存し、電子で受け取ったものは電子のまま保存する。件数が多い場合は読み取り対応の会計ソフトで入力と保管を一体化する
インボイス制度や電子帳簿保存法は、経過措置や猶予措置の期限によって扱いが変わる部分があります。社内の書式やルールを見直すときは、国税庁の最新資料と照らし合わせてください。なお、本記事は領収書に関する一般的な内容を解説したもので、個別の取引に対する税務上・法律上の助言ではありません。判断に迷う場合は、所轄の税務署や税理士に確認してください。
参考文献
- 国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm
- 国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm
- 国税庁「特集 インボイス制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
- 国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm
- 国税庁「電子帳簿保存法関係」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm
- e-Gov法令検索「民法」https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089