領収書とは?書き方・インボイス対応・収入印紙・保存方法をわかりやすく解説
Check!
- 領収書は代金の受取を証明する書類で、名称より内容で扱いが決まる
- 支払った側は電子データでの受取証書も求められ、カード明細は対象外
- インボイスは登録番号と税率別の金額が必要で、電子で受け取った分は電子のまま保存
領収書とは、代金を受け取った側が、支払った側に対して「いつ、誰から、何の代金として、いくら受け取ったか」を証明するために交付する書類です。民法では、代金を支払った側が領収書(受取証書)の交付を求められると定められており、受け取った側にとっては経費計上や仕訳の根拠、支払った側にとっては二重請求を防ぐ証拠になります。ただ、実務ではレシートや領収証との違い、宛名と但し書きの書き方、インボイス制度の登録番号、5万円以上で必要な収入印紙、電子で受け取った領収書の保存など、確認する点が多い書類でもあります。本記事では、国税庁と法務省の公表資料をもとに、領収書の意味と法的な位置づけ、発行する側と受け取る側それぞれの確認事項、書き方、インボイス、収入印紙、保存方法までを整理します。
領収書の悩みに近い解説を診断(2問)
Q1. 領収書で、いま負担が大きいのはどちらですか?
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領収書とは|発行する側と受け取る側で、確認することが変わる書類
領収書とは、代金を受け取った事実を証明する書類で、会計上は取引の証拠となる「証憑(しょうひょう)」の一つです。支払った側にも受け取った側にも、取引の記録として残す意味があります。
法律上の根拠は主に3つあります。1つ目は民法第486条で、弁済をする者は、弁済と引換えに受取証書の交付を請求できると定めています。つまり、代金を支払った人は領収書を求めることができ、受け取った人はそれに応じる必要があります。2つ目は印紙税法です。国税庁は、受取書とは金銭や有価証券の受領事実を証明するために作成し、支払った人に交付する証拠証書のことで、領収証やレシート、預り書など名称を問わず扱うと説明しています(出典:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」)。3つ目は消費税法で、インボイス制度のもとでは、所定の事項を満たした領収書やレシートが適格請求書(または適格簡易請求書)として仕入税額控除の根拠になります。
同じ領収書でも、発行する側と受け取る側では、やることが違います。発行する側の仕事は、必要事項を書き、5万円以上の紙の領収書に収入印紙を貼り、控えを残すことです。受け取る側の仕事は、宛名や登録番号を確認し、仕訳を入力し、7年間保存することです。発行は1枚ずつの作業ですが、受け取る側には従業員の立替分、出張の交通費、取引先からメールで届く電子の領収書が集まるため、件数が増えるほど確認と保管の作業が積み上がります。この負担を減らす手段として、領収書を読み取り、申請から保存までを1か所で進められる経費精算システムがあります。5つのサービスの役割の違いを、先に表で整理します。
受け取った領収書の確認と保存を減らす経費精算システム 5サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:楽楽精算は、領収書をスマホで読み取って申請でき、申請項目や承認フローを自社のルールに合わせて設定できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Bill One経費は、ビジネスカードで経費を支払うことで社員の立替経費をなくし、領収書の受取から保管までオンラインで一元管理できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:バクラク経費精算は、電子帳簿保存法に対応したタイムスタンプの付与や、領収書の事業者番号の有効性の自動判定を備えています。
資料を無料ダウンロード| サービス | マネーフォワード クラウド経費 |
ジンジャー経費 |
Bill One経費 |
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|---|---|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 紙やExcelの申請書の様式を変えずに、経費精算をシステムに移したい会社 | 会計や給与などのバックオフィス業務を、同じシリーズでそろえたい会社 | 勤怠・給与・人事の情報とあわせて経費を管理したい会社 | 複数枚の領収書をまとめて読み取り、承認までスマホやチャットで進めたい会社 | 社員の立替経費そのものをなくしたい会社 |
| 特徴 | 領収書やICカードをスマホで読み取って申請でき、領収書の登録番号は国税庁のデータベースと照合される | 領収書や利用明細からデータを取得でき、アップロードした領収書の登録番号は国税庁のデータベースをもとに照合される | 承認ルートや勘定科目をグループ単位・個人単位で設定でき、スマホで領収書を撮影して申請できる | 複数枚の領収書を自動で読み取り、タイムスタンプの付与や事業者番号の有効性の判定に対応している | ビジネスカードで経費を支払い、提出された領収書が適格請求書の要件を満たすかを自動で判定する |
| 注意したい点 | 外国語対応は英語のみ | OCRの読み取り精度の向上を求める声がある | 導入までに最長3か月ほどかかる | 導入前のサポートは有償での対応 | 初期費用が発生し、月払いではなく年額での支払い |
| 資料・詳細 |
5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
受け取った領収書の確認と入力を減らしたい場合の一例が、楽楽精算(株式会社ラクス)です。商品ページによると、領収書やICカードをスマホで読み取って申請でき、領収書に記載された登録番号は国税庁のデータベースと照合されます。申請項目や承認フローは自社のルールに合わせて設定できます。一方で、外国語対応は英語のみとされているため、海外拠点が多い会社は対応言語を確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社ラクス
楽楽精算
株式会社ラクス
楽楽精算
ペーパーレス化により、経費精算の手入力業務や確認業務を効率化したい方におすすめ
基本情報

おすすめ!
- 領収書やICカードはスマホで読み取れ、社外からでも申請や精算が可能
- 経費精算から会計ソフト連携まで便利な機能が充実している
気になる…
- 外国語対応は英語のみ
-
全社教育などの管理業務を全自動化する機能が備えてあります。そうすることで管理者の労力削減に繋げることもできる。また、eラーニングコンテンツの数が豊富です。1000本以上のコンテンツがあるので、階層別教育、全社教育などにすぐ使えるものが多く見受けられます。多種多様なコンテンツがあるので、別職種の自己研鑽も可能です。
-
経費精算のオンライン化ができ、各社員・経理担当ともに時間の短縮、紙の保管場所の削減となった。また、Excelを使っていた頃は、内容の更新があっても、古いバージョンで提出する人も多く、煩雑であったのが、誰もが最新状態で使えるようになり、訂正の手間がなくなった。
-
紙で行っていた出張旅費精算や、経費精算をスマホで領収書読み取りや交通系ICカード取込機能などで、自動化・効率化できた。また、ワークフロー機能で承認フローを最適化しガバナンスの強化に役立った。
これまでは1回の精算に15-16分くらいかかっていたのが、今はもう2-3分で終わるようになりました。
楽楽精算 導入事例(株式会社毎日新聞社。導入時期2016年10月の事例。コーポレートカードと交通系ICカードの連携を利用) 出典:導入事例ページ
領収書・領収証・領収証明書・レシートの違い|名前ではなく書いてある内容で決まる
領収書と領収証は、税務上も民法上も同じ書類として扱われ、違いは呼び名だけです。レシートも、受領の事実が分かる内容であれば受取書として同じ扱いになります。
国税庁は、受取書にあたるかどうかを書類の名称ではなく、金銭の受領事実を証明するために作成して支払った人に交付しているかどうかで判断すると説明しています。請求書や納品書に「代済」「了」などと書き込んだものも、受領事実を証明する目的であれば受取書に含まれます。民法上の正式な呼び方は「受取証書」で、領収書も領収証もその一種として使われている呼び名です。名前の似た書類との違いは、「何を証明する書類か」と「誰が発行するか」で整理できます。
| 書類 | 証明する内容 | 発行のタイミング | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 領収書(領収証) | 代金を受け取ったこと | 支払いを受けた時 | 宛名と但し書きを書くため、誰が何のために支払ったかが明確になる |
| レシート | 代金を受け取ったこと | 支払いを受けた時(レジで自動発行) | 宛名はないが品目と単価が印字され、購入内容が具体的に分かる |
| 領収証明書 | 代金を受け取ったこと(名称ではなく記載内容で判断) | 受領後 | 呼び名の一つ。受領した日付・金額・受け取った側の名称が書かれていることが確認のポイント |
| 請求書 | 代金の支払いを求めること | 支払いの前 | 支払期日や振込先を記載する。支払った事実の証明にはならない |
| 納品書 | 商品やサービスを引き渡したこと | 納品の時 | 数量や品名の確認に使う。金銭の受取は証明しない |
「領収証明書」という書類は、国税庁の説明や民法の条文には出てきません(2026年10月時点で確認)。上の考え方に当てはめれば、受領した日付・金額・受け取った側の名称が書かれ、受領の事実を証明する内容であれば、領収書と同じ受取書として扱われ、紙で5万円以上なら収入印紙の対象になる可能性があります。名称が違っても、確認する項目は領収書と同じです。迷う場合は、所轄の税務署に確認してください。
レシートと領収書は、税務上はどちらも受取書として同じ扱いで、経費の証拠として使えます。むしろレシートは品目が印字されている分、何を買ったかが明確です。一方で、取引先から「宛名入りの領収書を」と求められる場面や、社内規程で領収書を指定している場合もあるため、相手の求めに応じて発行できるように準備しておくのが実務的です。
領収書は自分で作成してもよいか
領収書を発行する側であれば、自分で作成して問題ありません。領収書の書式に法律で決まった形はなく、市販の複写式の用紙でも、ExcelやWordのテンプレートでも、会計ソフトや請求書システムの発行機能でも有効です。法務省・内閣府のQ&Aも、受取証書は形式に制限がなく、取引上適切なものであれば足りるとしています。自作するときの注意は3つです。控えを必ず残すこと、インボイスの登録番号と税率ごとの金額・消費税額の欄を設けること、紙で5万円以上なら収入印紙を貼って消印することです。テンプレートの選び方は「領収書テンプレートの選び方」で解説しています。
一方、領収書は代金を受け取った側が交付するものです。支払った側が自分で書いた領収書は、受け取った側が作成したものではないため、受領の事実を示す書類にはなりません。領収書をもらえなかった場合の出金伝票などは、領収書とは別の社内書類として扱います。
領収書は必ず出す?|クレジットカード・銀行振込・電子データでの考え方
領収書の交付は、支払った側が求めたときに応じる義務で、クレジットカード払いや銀行振込では、利用明細や振込の記録が支払いの証拠になります。電子データで受取証書の提供を求めることもできます。
民法第486条と電子的な受取証書
民法第486条は、支払った側が書面の受取証書(領収書)の交付を請求できると定めています。2021年9月1日からは第2項が加わり、書面の代わりに、その内容を記録した電子データの提供も請求できるようになりました。ただし、受け取った側に不相当な負担を課すときは請求できません(出典:法務省「電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&A」)。同Q&Aは、次のように整理しています。
- 記録する内容は書面と同じで、受け取った側、支払った側、弁済の日付、一定の金額を受領した旨があれば足りる(支払った側の記載は、求めがなければ省略してよい)
- 提供の方法は、アプリ、メール送信、IDを入力してのオンライン閲覧など、支払った側が保存または閲覧できる状態になっていればよい
- 書面と電子データの両方を請求されても、特約がなければどちらか一方に応じれば足りる
- 社内に前例がないというだけでは、不相当な負担にはあたらない(企業間の取引で、提供する体制が整っている場合)
クレジットカードの利用明細は受取証書にあたるか
同じQ&Aは、クレジットカードの利用伝票や月次の利用明細は、受取証書として必要な情報が書かれていても、民法上の受取証書にはあたらないと整理しています。カードを使った時点では、店もカード会社も代金の弁済を受けておらず、弁済を受領したことを証する書類ではないためです。カード払いでは、利用明細と、代金が引き落とされた銀行取引の履歴で支払いを証明できます。なお、店がカード払いでも領収書にあたる書面を渡す実務は、商慣行として多く、否定されるものではないとも書かれています。
銀行振込でも同じように、通帳の記帳や振込明細が支払いの記録になるため、領収書を発行しない取引が一般的です。相手から求められたときは、民法の考え方に沿って発行に応じるのが原則です。経費精算では、領収書の代わりに振込明細と請求書を組み合わせて残すと、取引の経緯をたどれます。
こうして見ると、領収書を発行する・しないの判断は、支払い方法によって変わります。受け取る側の会社にとっては、立替払いで集まる紙の領収書そのものを減らせるかどうかが、処理の量を左右します。領収書の受け渡しを減らす方法の1つが、社員の立替払いをなくすことです。その場合の一例が、Bill One経費(Sansan株式会社)です。商品ページによると、ビジネスカードで経費を支払うことで社員の立替経費をなくし、領収書の受取から仕訳・保管までオンラインで一元管理できます。提出された領収書が適格請求書の要件を満たしているかを自動で判定する機能もあります。一方で、初期費用が発生し、月払いではなく年額での支払いになる点は、導入前に確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
Sansan株式会社
Bill One経費
Sansan株式会社
Bill One経費
オンラインで完結!社員の立替経費をなくしたい企業におすすめ
基本情報

おすすめ!
- ビジネスカードで経費を支払うため、社員の立替経費をなくせる
- 領収書の受取から仕訳・保管までオンラインで一元管理
- 経費精算に関するさまざまな課題を解決でき、社員の負担を軽減
気になる…
- 初期費用が発生し、月払いではなく年額での支払い
-
簡単に領収書を撮影しすぐに経費申請ができることが一番ありがたかった。導入前の経費申請は領収書をPDF化してシステムから申請、という古いタイプだったためかなり利便性が向上した(使用していたほぼすべての社員が満足していた印象)
-
経費立替からの精算という流れを変えたことで業務効率化がはかれました。領収書をメールやチャットで提出したりする必要がなく、クラウドにアップロードすれば共有できるのでとにかく楽です。本来の業務に時間を使えるのがメリットです。
-
テレワークに伴い、こちらのサービスを導入した経緯があります。今まで紙で届いた請求書に上長の押印、明細などを添えて経理に提出していましたが、一気にペーパレスできましたし、経理担当者の処理時間も大幅に減ったのではないでしょうか。請求書を受理する現場担当者も入力作業がありますが、データをアップロードすればAIが読み取ってある程度データ化してくれるのでとても便利だと思いました。
領収書の書き方|必須の記載項目と正しい記入例
領収書に必要な基本項目は、日付、宛名、金額、但し書き、発行者の5つで、インボイスの登録番号と税率ごとの金額が加わります。書式は自由で、記載内容がそろっていることが大切です。基本の項目と、よくある迷いどころを表にまとめました。1項目ずつの手書きの手順は「領収書の書き方」、個人事業主・士業・任意団体・建設・講演料など場面別の記入例は「領収書の書き方を業種・場面別にまとめた記事」で詳しく解説しているため、本記事では、全体像と判断の基準に絞ります。
| 記載項目 | 書き方 | 避けたい書き方 |
|---|---|---|
| 日付 | 実際に代金を受け取った年月日を書く。西暦・和暦どちらでもよい | 発行日と受領日を混同する、年を省略する |
| 宛名 | 支払者の正式名称を書く。法人なら「株式会社」も省略しない | 「上様」、空欄、「(株)」などの略記 |
| 金額 | 「¥110,000-」のように先頭に円記号、末尾に「-」や「※」を付け、3桁ごとに区切る。税込金額とあわせて内訳を書く | 記号を付けず、後から桁を書き足せる状態にする |
| 但し書き | 「会議用飲料代として」「ホームページ制作費として」など、何の代金かが分かるように書く | 「お品代として」だけで済ませる |
| 発行者 | 発行者の氏名または名称、住所、連絡先を書き、社印や担当者印を押す | 名前だけで所在地や連絡先が分からない |
| 収入印紙 | 受取金額(税抜で記載している場合は税抜額)が5万円以上の紙の領収書に貼り、消印する | 税込額だけで判定して不要な印紙を貼る、消印を忘れる |
ここにインボイス制度の項目(登録番号、税率ごとの金額と消費税額)が加わります。インボイス対応の詳しい記載例は、次の章で整理します。
但し書きは「受け取る側の経理が勘定科目を決められるか」で考える
但し書きで迷ったら、受け取った相手の経理担当者がその1行を見て勘定科目を判断できるかを基準にすると書きやすくなります。「お品代」では、事務用品なのか接待用の贈答品なのか区別できません。複数の品目をまとめて販売した場合は「文房具ほか事務用品代として」のように代表的な品目を書き、詳細はレシートや明細書を添えると親切です。飲食店であれば「飲食代として」に人数や日付を添える、サービス業なら「○月分保守料として」と対象期間を書くと、後から見返したときにも取引内容をたどれます。
「上様」と宛名の省略はどこまで許されるか
「上様」は慣習として使われてきましたが、誰が支払ったかを特定できないため、法人間の取引では避けるのが基本です。一方、小売業や飲食店業などが発行できる適格簡易請求書では、制度上、宛名(書類の交付を受ける事業者の名称)の記載は必要ありません。つまり「宛名がないから無効」とは限りませんが、BtoB取引で相手が宛名入りを求めた場合は、正式名称で発行するのが確実です。
書き損じたときの訂正
手書きの領収書で書き損じた場合、軽微な誤字であれば二重線を引いて訂正印を押す方法もありますが、金額や日付の誤りは改ざんを疑われやすいため、新しい領収書を書き直すのが確実です。修正液や修正テープは、元の記載が分からなくなるため使わないようにします。書き損じた用紙は破棄せず、複写式であれば控えとあわせて「書き損じ」と記して残しておくと、連番の抜けを説明できます。すでに相手に渡した領収書の誤りに気づいた場合は、誤った領収書を回収したうえで正しい内容で発行し直し、二重に経費計上されないようにします。電子データで発行する場合も、記載項目は紙と変わりません。
5サービスの役割を比較表で見るインボイス制度対応の領収書|適格請求書と適格簡易請求書の違い
インボイス制度のもとでは、名称が「領収書」でも、必要な事項が書かれていれば適格請求書等として扱われます。買い手が仕入税額控除を受けるには、原則として、適格請求書発行事業者が交付した適格請求書等の保存が必要です。
民法上の受取証書と、インボイスに必要な記載事項は、重なる部分と違う部分があります。法務省・内閣府のQ&Aは、民法上の受取証書に、インボイスとして必要な事項が書かれていれば、その受取証書をインボイスとして使えると説明しています。逆に、民法上は成り立つ領収書でも、登録番号や税率ごとの消費税額がなければ、仕入税額控除の根拠としては足りません。
| 項目 | 民法上の受取証書 | 適格請求書(インボイス) |
|---|---|---|
| 受け取った側(発行者) | 弁済受領者の名称が必要 | 氏名または名称と登録番号(Tから始まる13桁)が必要 |
| 支払った側(宛名) | 支払った側の求めがなければ省略できる | 必要(適格簡易請求書は不要) |
| 日付 | 弁済の日付 | 取引年月日 |
| 金額 | ある債務の弁済として一定の金額を受領した旨 | 税率ごとに区分した対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等 |
記載事項は次のとおりです(出典:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」)。
| 記載事項 | 適格請求書 | 適格簡易請求書 |
|---|---|---|
| 発行事業者の氏名または名称と登録番号(Tから始まる13桁) | 必要 | 必要 |
| 取引年月日 | 必要 | 必要 |
| 取引内容(軽減税率の対象品目である旨を含む) | 必要 | 必要 |
| 税率ごとに区分して合計した対価の額 | 必要(税抜または税込)と適用税率 | 必要(税抜または税込) |
| 税率ごとに区分した消費税額等と適用税率 | 消費税額等と適用税率の両方が必要 | 消費税額等か適用税率のどちらか一方でよい |
| 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称(宛名) | 必要 | 不要 |
適格簡易請求書を交付できるのは、小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業、駐車場業など、不特定かつ多数の者に販売やサービスを行う事業に限られます。スーパーや飲食店のレシートに宛名がなく、税率ごとの合計額と税率だけが印字されていても、登録番号があれば仕入税額控除の根拠として使えるのはこのためです。
発行する側が確認したいこと
自社が適格請求書発行事業者として登録している場合、取引先から求められたら適格請求書等を交付する義務があります。領収書の書式に登録番号の欄があるか、8%と10%の品目が混在する取引で税率ごとの合計額と消費税額を分けて書けるかを確認しましょう。消費税額の端数処理は、1つの書類につき税率ごとに1回と定められているため、品目ごとに端数を切り捨てて合算する書き方は避けます。請求書ですでにインボイスの要件を満たした書類を渡している場合、領収書は受取の事実を示すだけの簡易な書式でも問題ありません。どちらを適格請求書として扱うかを取引先とすり合わせておくと、二重に書類を作る手間が減ります。
受け取る側が確認したいこと
受け取った領収書に登録番号が書かれていても、番号の誤記や登録の取消しが起きている可能性はゼロではありません。高額な取引や新しい取引先の場合は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で番号を検索して、名称と一致するかを確認すると安心です。免税事業者からの領収書には登録番号がないため、仕入税額控除の扱いが変わります(経過措置の有無や割合は時期によって異なるため、最新の制度を確認してください)。インボイスの記載欄を含むテンプレートの法的要件は「インボイス対応の領収書テンプレートの選び方と書き方」でも確認できます。
登録番号の確認は、1件ずつ公表サイトで調べる方法が確実ですが、件数が増えると月末に確認が集中します。登録番号の確認を手作業から減らしたい場合の一例が、マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)です。商品ページによると、アップロードした領収書をデータ化する際に、国税庁のデータベースをもとに登録番号を照合する機能があります。不備入力を防ぐアラートで差し戻しの手間を減らせる点も特徴です。一方で、商品ページにはOCR機能の精度に関する指摘が載っているため、読み取り結果は申請者が目視で確認する前提で運用を設計してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド経費
株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド経費
オンラインでミスなく経費精算業務を完結したい方におすすめ
基本情報

おすすめ!
- オンライン上でまとめて経費申請できる
- 従業員や費目ごとに経費利用額が自動でグラフ化
- 不備入力防止アラート機能で入力ミスが減るため、差し戻しの手間が軽減
気になる…
- OCR機能の精度があまりよくない
-
PCだけでなく出先からスマホで入力できるため、申請を忘れることが大幅に減りました。また、申請ミスがあった場合もアラートで知らせてくれるので、すぐに修正できてとても便利です。さらに、二重申請まで自動で検知してくれるため、業務効率が大きく向上し非常に助かっています。
-
マネーフォワードクラウド会計との連携で、経費の取り込みミスがなくなりました。突合するストレスの大幅な軽減です。また、従業員個人で経費登録することで接待交際費の具体的な入力をストレスなく強制できるようになりました。また、役員、従業員共に勘定科目への意識ができるようになり、営業の仕事にたいする意欲向上にもつながっています。
-
紙の領収書を回収して、手入力して、上司に印鑑をもらって……というアナログな手間から完全に解放されました。スマホで撮影して申請、承認もオンラインで完結するため、出張先でもすぐ処理できるのが大きなメリットです。経理側のチェック負担も明らかに減っています。

実際に使ってみたレビュー記事はこちら

【レビュー】マネーフォワードクラウド経費を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある経費精算システムの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド経費」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。
他システムとの比較記事はこちら
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複数パターンあった当社の経費精算フローを1つのシステムに集約できるかどうかを重視しました。
マネーフォワード クラウド経費 導入事例(シャープファイナンス株式会社。システム選定で重視した点として掲載) 出典:導入事例ページ
領収書の収入印紙|5万円の判定と貼り忘れたときの扱い
紙で発行する領収書のうち、記載された受取金額が5万円以上のものは印紙税の課税文書になり、金額に応じた収入印紙を貼って消印する必要があります(5万円未満は非課税)。受取金額が100万円以下なら200円で、金額が大きくなるにつれて段階的に上がります。判定のポイントは次の4つです。
- 消費税額が区分して記載されていれば、税抜の金額で5万円以上かを判定する(税込の合計額だけを書くと、税込額で判定される。出典:国税庁「No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」)
- 営業に関しない受取書は非課税になる。たとえば会社以外の個人が私的な売買で受け取った代金の領収書などが該当する(出典:国税庁「No.7125 営業に関しない受取書」)
- クレジットカードで支払われたことが書かれた領収書は、金銭の受取を証明するものではないため、印紙税の対象外として扱われる(出典:国税庁「質疑応答事例 クレジットカードによる売上げの場合の領収書」)
- 電子メールやPDFなどの電磁的記録で発行した領収書は、紙の文書ではないため印紙は不要とされている(出典:国税庁「質疑応答事例 電磁的記録により作成された文書」)
印紙を貼り忘れた場合は、本来の印紙税額とその2倍に相当する金額の合計、つまり3倍の過怠税が課されます。ただし、税務調査を受ける前に自ら申し出た場合は1.1倍に軽減されます。また、貼っただけで消印をしていない場合も、消印されていない印紙の額面に相当する過怠税の対象になります(出典:国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」)。印紙税を負担するのは領収書を作成した発行者で、受け取った側に過怠税がかかることはありません。
5サービスの役割を比較表で見る領収書の保存期間と電子帳簿保存法への対応
受け取った領収書も、発行した領収書の控えも、税務上の保存対象です。法人は原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間、青色申告書を提出した事業年度に青色繰越欠損金が生じた場合などは10年間保存します(出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」)。個人事業主は青色申告なら書類の種類に応じて5年または7年、保存が必要とされています。インボイス制度で仕入税額控除を受けるための適格請求書等も、同様に7年間の保存が求められます。
保存方法は、領収書をどの形で受け取ったかで変わります。電子帳簿保存法は保存の区分を次の3つに分けています。
| 受け取り方 | 保存の区分 | 保存の考え方 |
|---|---|---|
| 紙で受け取った | 紙のまま保存、またはスキャナ保存(任意) | 紙の原本を保管するか、要件を満たしてスキャンまたはスマホ撮影したデータで保存する |
| メール添付・Webからのダウンロードなど電子で受け取った | 電子取引データの保存(義務) | 2024年1月以降は電子データのまま保存する。改ざん防止の措置と、日付・金額・取引先で検索できる状態が必要 |
| 自社の会計ソフト等で作成して発行した控え | 電子帳簿等保存(任意) | 一定の要件を満たせば、控えを紙に印刷せずデータで保存できる |
電子取引データの保存には、一定の要件のもとで検索機能の確保を不要とする措置や、システム整備が間に合わない相当の理由がある場合の猶予措置もあります。自社が対象になるかは、国税庁の「電子帳簿保存法関係」の一問一答で最新の要件を確認してください。
実務で迷いやすいのは、紙と電子が混在する運用です。たとえば出張の宿泊費はWeb予約のPDF領収書、現地のタクシー代は紙のレシートといった具合に、1回の経費精算の中に両方が含まれます。紙はスキャナ保存、電子は電子取引として、保存場所と命名ルールを揃えておくと、後から探す手間が大きく変わります。スキャナ保存を選ぶ場合は、読み取りの解像度やタイムスタンプなどの要件を満たす必要があります。
電子データの領収書の保存は、ファイル名の付け忘れや表記ゆれが起きやすい作業です。読み取りと保存の要件対応を同じ流れで進めたい場合の一例が、バクラク経費精算(株式会社LayerX)です。商品ページによると、スマホアプリで複数枚の領収書をまとめて自動で読み取り、タイムスタンプを付与して電子帳簿保存法に対応する機能があります。領収書に記載された事業者番号の有効性を自動で判定する機能もあります。一方で、導入前のサポートを受けたい場合は有償での対応となる点には注意が必要です。確認と承認の工数が減った事例も紹介されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社LayerX
バクラク経費精算
株式会社LayerX
バクラク経費精算
OCR読み取り機能◎作業の効率を上げたい方におすすめ
基本情報

おすすめ!
- 差戻しや確認に時間をかけずに済む「ミス防止機能」を複数搭載
- アプリやチャットツールから承認が行え、社内にいなくても承認時間の確保が可能
- 複数枚の領収書でも自動で読み取れる
気になる…
- 導入前のサポートを受けたい場合は有償での対応となる
-
スマホ撮影した領収書をAI‑OCRが数秒で読取・タイムスタンプ付与し、原本破棄が可能に。入力ミス/差戻しアラートで承認スピードが向上し、経理の月末突貫作業を削減。会計ソフトへワンクリック仕訳連携でき、集計から振込データ作成までを同一画面で完結できた。
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バクラク経費精算の導入により、Excelベースの申請書で発生していた多くのミスが大幅に削減されました。システムが自動でチェックしてくれるため、申請者側の入力ミスが減り、経理担当者の修正工数も減少しました。 また、承認者にとってもメリットは大きいです。申請内容が直感的に分かりやすく表示されるため、以前のような「目くら承認」が減り、内容をきちんと確認した上での承認が可能になりました。さらに、承認フローの経路カスタマイズが非常に柔軟に行えるため、複雑な組織体制や特定の経費規程にも対応でき、経費精算全体の透明性と効率が格段に向上したと感じています。
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役員の出張旅費精算が多く、紙の出張精算では溜め込みがちで、処理が滞ることが多かったが、移動先でも経費を利用した直後にスマホから簡単に申請できるようになり、申請作業が迅速化された。
従来6名で行っていた経費精算業務の工数を2名分へと大幅に圧縮できた
バクラクシリーズ「バクラクAI申請承認」導入事例(株式会社ストライクグループ。経費精算の承認の一次チェックを自動化した事例で、効果として掲載) 出典:導入事例ページ
領収書の発行・受領でよくある失敗パターン
領収書の不備は、その場では問題にならず、月末の経費精算や決算、税務調査の段階で表面化することが多いのが厄介な点です。発行する側と受け取る側でよく起きる失敗を、改善前と改善後で並べました。
| 立場 | Before(よくある失敗) | After(改善策) |
|---|---|---|
| 発行側 | 古い書式を使い続け、登録番号や税率ごとの消費税額の欄がない領収書を渡してしまう | 書式を1つに統一し、登録番号と税率の欄が入ったテンプレートかシステム発行に切り替える |
| 発行側 | 税込の合計額だけを書き、税抜では5万円未満なのに印紙を貼っている | 本体価格と消費税額を分けて記載し、税抜額で印紙の要否を判定する |
| 発行側 | 紛失したと言われて同じ内容の領収書をもう1枚発行し、二重に経費計上される原因を作る | 再発行する場合は「再発行」と明記し、控えに再発行日と理由を記録する |
| 受領側 | 「上様」「お品代」の領収書を受け取り、後から用途を説明できない | 受け取る場で宛名と但し書きを伝え、難しい場合はレシートや明細を一緒に保管する |
| 受領側 | メールで届いたPDFの領収書を印刷して紙だけを保管している | 電子で受け取ったものは電子データのまま、日付・金額・取引先で検索できる形で保存する |
| 受領側 | カード明細とレシートの両方を入力し、同じ支払いを二重に計上している | カード連携とレシート読み取りのどちらで計上するかを決め、会計ソフト上で重複をチェックする |
表を見ると分かるとおり、受け取る側の失敗の多くは「入力と保管を別々の作業で行っている」ことから生まれています。紙を綴じるファイル、PDFを入れる共有フォルダ、仕訳を入れる会計ソフトがばらばらだと、どの領収書がどの仕訳に対応するのかをたどれなくなり、二重計上や保存漏れが起きやすくなります。自社の受け取り側の運用がどのくらい手作業に寄っているかを、次のセルフチェックで確認してみてください。
受け取った領収書の処理、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
領収書の運用を見直すタイミングの目安
領収書の運用を見直す目安は、月に処理する枚数が増えた、立て替えをする社員が増えた、担当者が替わる、紙と電子が混在してきた、の4つです。書き方と確認のルールを決めたら、それを担当者の注意力だけに頼らず、仕組みとして回るようにすることが次の段階です。
一方で、システムを入れれば領収書の知識が不要になるわけではありません。読み取った内容が正しいかの最終確認や、宛名のない領収書を受け付けるかといった社内ルールは、人が決めて運用する必要があります。本記事で整理した確認項目を社内規程にまとめ、それを前提にシステムを選ぶと、導入後の運用が安定します。
領収書の管理を、人事や勤怠などほかの情報とまとめて整えたい場合の一例が、ジンジャー経費(jinjer株式会社)です。商品ページによると、社内に散らばる勤怠・給与・人事・経費などの情報を1つに集約でき、承認ルートや勘定科目をグループ単位・個人単位で設定できます。スマホアプリでは、領収書を撮影して経費申請まで進められます。一方で、導入までに最長3か月ほどかかるとされているため、導入時期には余裕をもって計画してください。紙の領収書が多く管理に手間がかかっていた会社の事例も紹介されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
jinjer株式会社
ジンジャー経費
jinjer株式会社
ジンジャー経費
経費精算のペーパーレス化を目指している企業におすすめ
基本情報

おすすめ!
- 社内に散らばる勤怠・給与・人事・経費などを1つに集約できる
- 担当者の面倒の原因を解決し、効率的な経費精算業務を実現可能
- さまざまな企業規模に対応し、特にペーパーレス化したい企業にぴったり
気になる…
- 導入までに最長3ヶ月ほどかかる
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ジンジャー経理を導入したことで、経費精算や支払申請のフローが一元化され、紙やメールでの申請・承認の手間が解消されました。仕訳の自動化や承認ルートの設定により、確認ミスや処理の抜け漏れも減少。経理部門だけでなく、現場の申請者にとっても操作が簡単で、業務全体の効率化につながっています。
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トップページが見やすく、検索がしやすいので、見たいページがすぐに見つかり、対象月の表をすぐ表示することができた。毎月の給与の欄と賞与の欄があり、見たいものが探しやすかった。
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オンラインで申請ができるので、どこからでも精算できることが魅力です。また、シンプル操作ゆえに高齢の方でも1人で操作でき、高齢の方だけ、代理で精算をする手間もかかりませんでした。大きな業務効率につながりました。
5サービスの役割を比較表で見る紙ベースの経費精算や領収書管理が中心で、書類の量が多く管理や保管に手間がかかっていた。
ジンジャー経費 導入事例(富永物産株式会社。導入前の課題として掲載) 出典:導入事例ページ
よくある質問(FAQ)
Q1. 領収書と領収証明書の違いは何ですか?
A. 領収書と領収証は同じ書類を指す呼び名で、民法上は「受取証書」と呼ばれます。「領収証明書」は国税庁の説明や民法の条文には出てこない呼び名で、名称ではなく、受領した日付・金額・受け取った側の名称など、受領の事実を証明する内容が書かれているかで扱いが決まります。紙で5万円以上なら収入印紙の対象になる可能性があるため、迷う場合は所轄の税務署に確認してください。
Q2. 領収書は自分で作成してもよいですか?
A. 代金を受け取る側が発行するのであれば、自分で作成して構いません。市販の用紙でなくても、ExcelやWordのテンプレート、会計ソフトで作ったものでも、必要な事項が書かれていれば有効です。控えを残す、インボイスの登録番号と税率ごとの金額・消費税額を書く、紙で5万円以上なら収入印紙を貼って消印する、の3点に注意してください。支払った側が自分で書いたものは、受領の事実を示す書類にはなりません。
Q3. 領収書とレシートはどちらを保管すればよいですか?
A. 税務上はどちらも金銭の受取書として同じ扱いで、経費の証拠として使えます。レシートは品目が印字されるため取引内容が分かりやすく、領収書は宛名と但し書きで誰が何のために支払ったかが明確になります。両方を受け取った場合は、同じ支払いを二重に計上しないよう、どちらか一方を正として保管し、もう一方は補足資料として添付しておくと整理しやすくなります。
Q4. インボイス制度で領収書に必要な項目は何ですか?
A. 発行事業者の名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した合計額と適用税率、税率ごとの消費税額等、宛名の6項目です。小売業や飲食店業などが発行する適格簡易請求書であれば、宛名は不要で、消費税額等と適用税率はどちらか一方の記載で足ります。
Q5. 収入印紙は税込と税抜のどちらの金額で判定しますか?
A. 領収書に消費税額が区分して記載されていれば、税抜の金額で判定します。税込の合計額しか書かれていない場合は税込額で判定されるため、本体価格と消費税額を分けて書くと、不要な印紙を貼らずに済む場合があります。クレジットカード払いである旨を記載した書類や、電子データで発行した領収書には印紙は不要とされています。
Q6. メールで受け取った領収書を印刷して紙で保存してもよいですか?
A. 電子で受け取った領収書は電子取引データにあたり、2024年1月以降は電子データのまま保存する必要があります。印刷した紙だけを保存する方法は原則として認められていないため、改ざん防止の措置をとったうえで、日付・金額・取引先で検索できる形で保存してください。一定の条件を満たす場合の猶予措置もあるため、詳細は国税庁の資料で確認しましょう。
まとめ|領収書の基本と、受け取った後の処理で押さえたい5つのこと
領収書は、代金の受取を証明する書類であり、経費計上と仕入税額控除の根拠になる書類でもあります。発行する側・受け取る側の両方で、次の5つを押さえておきましょう。
- 領収書は受領の事実を証明する書類で、領収書・領収証・レシートといった名称ではなく、書かれた内容で扱いが決まる
- 民法では、支払った側が求めれば領収書の交付に応じる必要があり、電子データでの提供を求めることもできる。クレジットカードの利用明細は民法上の受取証書にあたらない
- 書き方は日付・宛名・金額・但し書き・発行者が基本で、インボイスでは登録番号と税率ごとの金額・消費税額が加わる
- 紙の領収書は税抜5万円以上で収入印紙が必要になる。受け取った領収書は7年間保存し、電子で受け取ったものは電子のまま保存する
- 受け取る領収書が増えてきたら、確認と保存を仕組み化できる経費精算システムの資料を比べて検討する
インボイス制度や電子帳簿保存法は、経過措置や猶予措置の期限によって扱いが変わる部分があります。社内の書式やルールを見直すときは、国税庁の最新資料と照らし合わせてください。なお、本記事は領収書に関する一般的な内容を解説したもので、個別の取引に対する税務上・法律上の助言ではありません。判断に迷う場合は、所轄の税務署や税理士に確認してください。
参考文献
- 国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm
- 国税庁「No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7124.htm
- 国税庁「No.7125 営業に関しない受取書」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7125.htm
- 国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm
- 国税庁 質疑応答事例「クレジットカードによる売上げの場合の領収書」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/19/37.htm
- 国税庁 質疑応答事例「電磁的記録により作成された文書」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/10.htm
- 国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm
- 国税庁「特集 インボイス制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
- 国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/
- 国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm
- 国税庁「電子帳簿保存法関係」https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm
- 法務省「電子的な受取証書(新設された民法第486条第2項関係)についてのQ&A」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00269.html
- 法務省・内閣府「電子的な受取証書についてのQ&A」(令和3年7月、PDF)https://www.moj.go.jp/content/001354624.pdf
- e-Gov法令検索「民法」https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089






