パワポのデザイン基本ルール|見やすい資料の配色・レイアウト・型化のコツ

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  • 資料の使われ方に合う見やすいパワポの基本がわかる
  • 配色・フォント・レイアウトの基本ルールがわかる
  • スライドマスターで社内資料を型にする方法がわかる

パワポのデザインを見やすく整えるコツは、センスではなく順番にあります。資料の使われ方を決め、1スライド1メッセージに絞り、色とフォントを決め、位置と余白を揃え、最後にスライドマスターで型にします。この順に進めれば多くの資料は読みやすくなり、逆に装飾から足していくほど読みにくくなります。本記事では、配色・フォント・行間・レイアウト・図表・アイコンの基本ルールと、よくある失敗のBefore/After、社内で使い回せる型の作り方を、作業の順番に沿って解説します。整えた資料を説明動画にして使い回す方法にも触れます。

あなたの資料に合う進め方を診断

Q1. 今作っている資料は、どう使われますか?

目次

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  1. パワポのデザインを始める前に|資料の使われ方で作り方を決める
  2. 1スライド1メッセージと文字量|内容を整理してから整える
  3. 配色ルール|ベース・メイン・アクセントの役割で統一する
  4. フォントと文字サイズ|読みやすさは書体と階層で決まる
  5. レイアウトと視線誘導|Z字型・余白・整列・近接の考え方
  6. よくある失敗パターンとBefore/After
  7. スライドマスターとテンプレートで社内資料を「型」にする
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

パワポのデザインを始める前に|資料の使われ方で作り方を決める

パワポのデザインは、資料が投影されるのか、読まれるのか、動画で見られるのかで正解が変わります。先に使われ方を決めると、文字量も文字サイズも迷わず決まります。

見やすいパワポの解説は配色やフォントから始まることが多いのですが、同じスライドでも使われ方が違えば評価が変わります。会議室のスクリーンに映して話しながら見せる資料と、メールで送って相手が1人で読む資料では、必要な文字量も図表の細かさもまったく異なるためです。まず、使われ方を3つに分けて、デザインの優先順位を整理します。

3つの使われ方と、デザインの違い

観点 投影する資料(会議・登壇) 読ませる資料(送付・稟議・印刷) 動画で見せる資料(説明者なし)
文字量 キーワードと短い文で最小限に 説明なしで理解できる文章量を確保 スライドは要点だけにし、詳しい説明はナレーションに回す
文字サイズ 会場の後方から読める大きさを優先 画面や印刷で読める大きさであればよい 小さな画面でも読める大きさを優先
図表 結論が一目でわかるシンプルな図 数値や注記まで含めた詳しい図表も可 1枚ごとに見せる順序が伝わる図
補足情報 話し手が口頭で補う 注記やアペンディクスに書き残す ナレーションの原稿として用意する

印刷して配る場合は、行間や文字の間隔にゆとりを持たせると読みやすくなります。オンラインで画面共有する場合は、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンで見られることも想定し、文字を大きめにして背景との差をはっきりさせておくと安心です。同じ資料を投影にも送付にも使うなら、投影用のスライドを本編とし、読み手向けの詳しい説明はノート欄やアペンディクスに分けておくと、両方の用途を無理なく満たせます。

説明する人がいない資料は、動画にするという選択肢もある

投影する資料は話し手がいることを前提に、送付する資料は文章で補うことを前提に作ります。ところが、新人向けの手順説明や社内ルールの共有のように、同じ資料を何度も違う相手に説明する場面では、話し手の時間が毎回かかってしまいます。そのようなときは、スライドに説明の原稿を付けて動画にしておけば、資料を見る人が好きな時間に説明まで確認できます。

整えたスライドを説明動画にも使い回したい場合の一例が、株式会社Stand Technologiesが提供するVideo Craftです。PowerPointと同じような操作感覚でスライドを編集でき、PowerPointやPDFの資料を取り込んだうえで、入力した原稿をAI音声が読み上げるナレーション付きの動画にできます。原稿を直すだけで動画を修正でき、撮り直しは必要ありません。一方で、PowerPointの編集データを変換する際は一部に変換に対応していない要素があるため、変換後に内容を確認する必要があります。利用できる人数もプランによって異なります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • グループ共有できる人数はプランによって異なる

毎年の新人研修の座学講義で講師の対応工数が大きいことを課題に、研修の動画化を進めた製造業の株式会社メンテック様は、「PowerPoint資料から比較的短時間で動画を作成できる点が便利だと感じました。」と紹介されています。

出典:Video Craft 導入事例「株式会社メンテック様」(株式会社Stand Technologies、2026年10月16日確認)

手持ちの資料を動画にできるか、利用人数に合うプランはどれかは、資料で具体的に確認できます。

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1スライド1メッセージと文字量|内容を整理してから整える

1スライド1メッセージとは、1枚で伝える主張を1つに絞り、スライドの上部に1行で書くことです。文字は主張を支える最小限にとどめ、残りは別のスライドか補足に回します。デザインは情報を整理した結果として決まるもので、整理されていない情報をデザインで見やすくすることはできません。

メッセージラインを先に書く

1枚のスライドの上部に、そのスライドの主張を1行の文章(メッセージライン)として書きます。本文や図表は、その主張を裏付ける材料として配置します。1枚に複数の主張が入りそうな場合は、迷わずスライドを分けましょう。枚数が増えることよりも、1枚ごとの主張がぼやけることの方が、読み手にとっては負担になります。「このスライドで言いたいことを一言で表せるか」を、作り始める前の確認にすると迷いません。

書く前に「削る」ことを考える

文字だらけのスライドになる原因の多くは、「全部書かないと伝わらないのではないか」という不安です。まず書きたい内容を箇条書きで出し切り、そのうえで「この情報がなくても主張は成立するか」を1項目ずつ確認して削ります。削った情報は、口頭で補足するか、補足資料(アペンディクス)に回します。1つの文章は短くし、箇条書きも数項目に収めると、スライドとして読みやすい分量になります。ただし、削りすぎて情報が足りなくなると内容が正しく伝わらないため、必要な補足は別のスライドに書くようにします。

行間・改行・配置を整える

文字量が適切でも、行間が詰まっていると読みにくくなります。行間は文字サイズや行数に合わせてPowerPointの段落の設定で広げ、スペースキーや空行で調整しないようにします。改行は、単語の途中ではなく区切りのよい位置で切り替わるように整えると、読み手に配慮した見た目になります。文章の配置は、3行以上になるなら左揃えにするのが読みやすく、中央揃えは短い見出しや1行のメッセージに限るのが無難です。

資料の種類ごとに、最初に決めること

同じルールでも、資料の目的によって最初に決めるべきことは変わります。営業資料や提案書では、次のような点を先に決めておくと、スライドの流れが定まります。

資料の種類 最初に決めること 構成の考え方
営業資料 相手に取ってほしい行動と、結論の1行 結論を簡潔に示し、数値やグラフで裏付ける
提案書 読み手が納得する理由と、次のアクション 現状、課題、提案、期待する成果の順に流れを作る
社内の報告資料 判断してほしいことと、その根拠 結論を先に書き、補足はアペンディクスに回す

配色ルール|ベース・メイン・アクセントの役割で統一する

配色は、背景と本文のベース色に、メイン色とアクセント色を足した3つの役割で決めます。有彩色を2色までに絞ると、資料全体に統一感が生まれ、強調したい場所が一目で伝わります。

基本は、背景や本文に使う無彩色(白・黒・グレー)をベースにして、メインカラーとアクセントカラーの2色だけを有彩色として使う構成です。色ごとに役割を決めておくと、スライドを作るたびに迷わずに済みます。

色の種類 主な使いどころ 選び方のポイント
ベースカラー(無彩色) 背景、本文テキスト 背景は白、本文は真っ黒より少し濃いグレーにすると目が疲れにくい
メインカラー 見出し、図形、グラフの主系列 会社のロゴやコーポレートカラーに合わせると統一感が出る。鮮やかな原色なら少し落ち着いた色味にする
アクセントカラー 結論の数値、強調したい1語 メインカラーと区別しやすい色を選び、使う場所を絞る。面積は3つの中で最も小さくする

色を増やしたくなったときは、新しい色を追加するのではなく、メインカラーの濃淡(明るさや透明度を変えたもの)で表現の幅を広げます。グラフの系列が多い場合も、濃淡で段階をつけると、色数を増やさずに区別できます。

配色に迷ったら、配色ツールで組み合わせを作る

色の組み合わせに自信がない場合は、メインカラーを1色決めてから、補色や類似色の組み合わせを提案してくれる配色ツール(Adobe Colorなど)を使う方法があります。ツールが出した色をそのまま増やすのではなく、ベース・メイン・アクセントの3つの役割に割り当てて、使う色の数を増やさないようにします。

色に意味を持たせるなら、1つの意味に固定する

強調のために背景色(ベタ塗り)を使う場合は、同じスライドに何種類も重ねないようにします。複数使いたいときは、「赤は注意点、緑は提案のポイント」のように色の意味を決め、資料全体で同じ意味に固定します。意味が決まっていない色が混ざると、読み手はその色が何を指しているのか考えることになります。

コントラストと色覚の多様性に配慮する

社外向けの資料では、誰にとっても読み取りやすい配色かどうかも重要です。背景と文字の明るさの差(コントラスト)が小さいと、プロジェクターの投影や印刷で文字がかすれて読めなくなります。Microsoftのサポートページ「障碍のある方のためにアクセシビリティの高い PowerPoint プレゼンテーションを作成する」では、色が情報を伝える唯一の手段にならないようにすることと、テキストと背景の色に十分なコントラストを付けることが挙げられています。

たとえば「赤は悪い、緑は良い」のように色だけで意味を伝えるのは避け、「達成」「未達」などの文字ラベルやアイコン、線の種類でも区別できるようにしておくと安心です。

フォントと文字サイズ|読みやすさは書体と階層で決まる

フォントは資料全体で1種類、多くても見出し用と本文用の2種類に絞り、文字サイズは役割ごとに固定します。書体と大きさがスライドごとにばらつくと、同じ資料でも統一感が失われます。

和文は、線の太さが均一で画面上でも読みやすいゴシック体を選ぶのが一般的です。Windowsであれば游ゴシックやメイリオ、Macであればヒラギノ角ゴシックがよく使われます。ただし、作成した環境と表示する環境でフォントが異なると、文字の位置がずれたりレイアウトが崩れたりすることがあります。社外にファイルを送る場合は、相手の環境にもあるフォントを選ぶか、PDFに変換して送ると安全です。

文字サイズは「役割ごとに固定」する

文字サイズは、見出し・小見出し・本文・注記のように役割ごとに決め、スライドごとに変えないようにします。Microsoftのアクセシビリティの案内では、18pt以上のサンセリフ(ゴシック体)のフォントと十分な空白を使うことが推奨されています(Microsoft サポート)。投影する資料では、この大きさを下回らないようにし、会場が広い場合は、実際にスクリーンに映して後方の席から読めるかを確認しておくと確実です。

強調は1つの方法に絞る

重要な情報は、太字かアクセントカラーのどちらか一方で強調します。下線や斜体、影などの装飾を重ねると、かえって何が重要なのかが伝わりにくくなります。強調する語句の数も最低限に絞り、「ここだけ読めば伝わる」という箇所を作るのがコツです。文字の位置をスペースキーで合わせると、フォントや環境が変わったときにずれが生じやすくなるため、文字の間隔や位置はPowerPointの書式設定や整列機能で調整します。

レイアウトと視線誘導|Z字型・余白・整列・近接の考え方

レイアウトは、視線の流れに沿って情報を並べ、余白と整列で情報のまとまりを見せるのが基本です。横書きの資料では、視線は左上から右下へと流れる傾向があります。

Z字型に沿って情報を置く

スライドを見たときの視線は、左上から右上、左下を経て右下へとアルファベットの「Z」を描くように動くと言われ、この流れに沿って情報を配置する考え方を「Z字型配置」や「Zの法則」と呼びます。左上にはそのスライドの主張、中央から下には根拠となる図表や説明、右下には結論や次のアクションを置きます。手順や時系列を表す場合は、過去を左、現在や未来を右に並べると、視線の流れと内容の流れが一致して理解しやすくなります。

視線の位置 置く情報 ポイント
左上(最初に見る場所) スライドの主張・タイトル 結論を先に書き、何のスライドかを即座に伝える
中央(視線が横切る場所) 図表・グラフ・説明 主張を裏付ける材料を、左から右の順に並べる
右下(最後に見る場所) まとめ・次のアクション 読み終えた後に何をすればよいかを示す

なお、文章量の多い読ませる資料では、行頭を縦に追いながら気になる行を横に読む「F字型」に視線が動くとも言われます。この場合は、各段落の冒頭に要点を置き、行頭を揃えておくことが読みやすさにつながります。

余白・整列・近接の3つを揃える

「なんとなく見づらい」と感じるスライドの多くは、余白が足りないか、要素の位置が揃っていないことが原因です。スライドの上下左右に余白を取り、その内側に要素を収めます。余白は上下左右で均等にし、全スライドで同じ幅にそろえます。図形の中の文字の周りにも余白を確保すると、窮屈な印象がなくなります。

要素の位置は、目分量ではなくPowerPointの機能で揃えます。複数のオブジェクトを選び、[配置]から左揃えや左右中央揃えを選べるほか、3つ以上のオブジェクトを選べば[水平方向に分散]や[垂直方向に分散]で等間隔に並べられます(Microsoft サポート「スライド上のオブジェクトを揃える」)。[表示]タブのガイドやグリッド線を出しておくと、位置の基準をスライド全体で統一できます(Microsoft サポート「スライド上に物を配置するためのガイド」)。

また、関連する情報同士は近づけ、関係のない情報同士は離す「近接」を意識すると、説明しなくても情報のまとまりが伝わるようになります。図や表の補足文は、その図表のすぐそばに置き、スライドをまたいで情報を載せないようにすると、視線が行ったり来たりしません。同じ種類の要素は、同じ形・同じ大きさ・同じ間隔で繰り返すことで、資料全体にリズムと一貫性が生まれます。

図形の並べ方は、伝えたい関係で選ぶ

図形を並べるときは、伝えたい関係に合う配置を選びます。同じ要素数でも、並べ方で伝わる意味が変わります。

並べ方 向いている内容 注意したい点
横並び 時系列、ステップ、比較 要素が多すぎると視認性が下がる。情報量をそろえる
縦並び 手順やプロセス 縦に伸びすぎないようにし、区切りを明確にする
2行2列の格子 分類や比較、4つの観点の整理 各セルの文字量を均等にする

図表とグラフは「伝えたい差」だけを目立たせる

図表やグラフは、データをすべて見せることよりも、主張に関わる差を見せることを優先します。グラフでは、補助線や凡例、3D効果などの装飾を減らし、注目してほしい系列だけをメインカラーやアクセントカラーにして、それ以外はグレーにします。グラフの近くには「前年比で増加」のように、読み取ってほしい結論を一言添えておくと、読み手が解釈に迷いません。表は、罫線を目立たせず、見出し行に薄い背景色をつける程度にとどめると、数値が読みやすくなります。

アイコンと写真は、テイストをそろえて意味を持たせる

アイコンや写真は、文字では伝わりにくい情報を直感的に伝える要素ですが、「なぜ使うのか」が決まっていないと装飾になってしまいます。アイコンは、線の太さや塗りの有無、色味といったテイストを資料全体でそろえ、見出しや手順の番号のように意味を持たせて配置します。写真は、不要な背景をトリミングして主題を見せ、トーンや色味をそろえると統一感が出ます。インターネット上で見つけた画像やアイコンは、著作権や利用規約の制限を受ける場合があるため、利用条件を確認した素材か、自社で用意した素材を使いましょう。

よくある失敗パターンとBefore/After

見づらい資料の失敗は、文字の詰め込み・色の使いすぎ・装飾の重ねすぎ・位置のずれ・フォントの混在など、いくつかの型に集約できます。自分の資料を見直すときのチェックリストとしても使えます。

失敗パターン Before(よくある状態) After(改善後)
文字の詰め込み 説明文が10行以上並び、どこが主張かわからない 主張を1行で上部に書き、根拠を3項目程度の箇条書きに絞る
色の使いすぎ 強調したい箇所ごとに赤・青・緑・黄を使い分けている メインカラーとアクセントカラーの2色に絞り、強調は1か所だけ
装飾の重ねすぎ 太字・下線・影・グラデーションを同じ文字に重ねている 強調は太字かアクセントカラーのどちらか一方にする
位置のずれ 図形やテキストの左端がスライドごと、要素ごとに微妙にずれている 配置機能とガイドで揃え、余白の幅を統一する
フォントの混在 コピーした資料から明朝体や別のゴシック体が混ざっている フォントの置換機能で1種類に統一し、テーマのフォントに設定する
色だけに頼った表現 良い・悪いを赤と緑の色の違いだけで表している 色に加えて「達成」「未達」などの文字ラベルやアイコンを添える
アイコンのテイスト不統一 線の太いアイコンと塗りつぶしのアイコンが混在している 同じ配布元・同じテイストのアイコンにそろえる

これらの失敗は、一つひとつは小さな修正で直せますが、数十枚の資料すべてで直そうとすると相当な時間がかかります。特に、過去の資料を寄せ集めて作った提案書は、フォントや色、余白がスライドごとに異なっていることが多く、体裁を揃えるだけで手間がかかります。直す作業を減らす最も確実な方法は、最初から崩れない「型」を用意しておくことです。

スライドマスターとテンプレートで社内資料を「型」にする

スライドマスターで配色・フォント・レイアウトを先に決めておくと、誰が作っても同じ見た目の資料になります。個人の工夫で終わらせず、チームや部署で共有することで、資料の品質と作成時間の両方が安定します。

スライドマスターで配色とフォントを固定する

スライドマスターは、すべてのスライドに共通するフォントや画像(ロゴなど)を1か所でまとめて変更できる機能です。[表示]タブの[スライド マスター]から開き、マスターで変更した内容は、そのマスターに基づくすべてのスライドに反映されます。Microsoftのサポートページでは、スライドを作成する前にマスターとレイアウトを編集することが推奨されており、作成後に変更した場合は既存のスライドにレイアウトを再適用する必要があると説明されています(Microsoft サポート「PowerPointのスライド マスターとは」)。

あわせて、よく使うスライドの形(表紙、1メッセージと図表、比較表、まとめなど)をレイアウトとして登録しておくと、作成者はレイアウトを選んで中身を入れるだけで済みます。自分で一から配置を考える場面が減るため、位置のずれや余白のばらつきといった失敗も起きにくくなります。テーマやデザイナー機能、スライドマスターの使い分けは、「パワーポイントデザインの基本とコツ|テーマ・デザイナー機能・スライドマスターの使い分け」で解説しています。

既存のテンプレートを選ぶときの注意点

ゼロから型を作る時間がない場合は、PowerPointに標準で用意されているテンプレートや、Microsoftが提供するテンプレート集を出発点にするのが手軽です。外部の配布サイトのテンプレートを使う場合は、デザインの好みより先に、商用利用の可否やクレジット表記の要否といった利用規約を確認しましょう。また、装飾の多いテンプレートほど、文字や図表を入れたときに情報が埋もれやすくなります。見やすさを重視するなら、余白が広く、色数の少ないシンプルなテンプレートを選び、自社の配色とフォントに置き換えて使う方が扱いやすいでしょう。テンプレートの探し方や、おしゃれに見せる配色・フォントの選び方は、「パワポをおしゃれにする方法|配色・フォント・テンプレート活用と外注の費用の考え方」が詳しく扱っています。本記事は、見やすさのための基本ルールに絞って解説しています。

社内向けの「デザインルール1枚」を作る

テンプレートを配っても、使い方が人によって違えば見やすさは揃いません。そこでおすすめしたいのが、テンプレートの先頭に「この資料のルール」を1枚にまとめたスライドを入れておく方法です。記載する項目は、次のような最低限のもので十分です。

  • 使う色(ベース・メイン・アクセントの3つと、それぞれの使いどころ)
  • 使うフォントと文字サイズ(見出し・小見出し・本文・注記の役割ごと)
  • 1スライド1メッセージで、主張は上部に1行で書くこと
  • 強調の方法(太字かアクセントカラーのどちらか一方)
  • グラフで色を使う系列と、グレーにする系列の考え方

このルールスライドは、資料を作る人が迷ったときに立ち返る基準になるだけでなく、外部に資料作成を依頼する場合の指示書としてもそのまま使えます。

型にしても残る手間|同じ資料の説明を毎回やり直していませんか

型を作れば体裁は揃いますが、資料ができたあとに、その内容を人に説明する手間は残ります。新人や会議に出られなかった人に同じ資料を何度も口頭で説明したり、手順の変更のたびに説明用の録音や画面収録をやり直したりしているなら、問題は資料のデザインではなく、説明の伝え方にあるかもしれません。整えたスライドに原稿を付けて動画にしておけば、原稿を直すだけで説明を更新できます。次のチェックで、いまの運用を確認してみてください。

パワポの資料づくりと説明、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

チェックの結果にかかわらず、まずは本記事のルールで体裁を整えるだけでも、資料の見やすさは大きく変わります。説明の手間が気になる場合に、資料で内容を確認してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. パワーポイントのデザインはどうやって作ればよいですか?

A. 資料の使われ方を決め、1スライド1メッセージで内容を整理してから、配色、フォント、配置の順に整えます。最後にスライドマスターで配色とフォントを固定して型にすると、誰が作っても同じ見た目になります。装飾から足すのではなく、情報の整理から始めるのがコツです。

Q2. パワポのデザインやデザイナー機能はどこにありますか?

A. テーマなどのデザインは[デザイン]タブから選べます。デザイナー機能は[デザイン]タブの[デザイン候補]ボタンから使え、Microsoft 365サブスクライバー向けの機能です。提案が表示されない場合は、スライドのレイアウトや写真の枚数などの条件を確認します。

Q3. センスの良いパワーポイントのデザインにするには?

A. センスよりもルールで決まります。色の数を絞る、フォントを統一する、余白と位置を揃える、強調を1か所に絞るといった基本を守るだけで、洗練された印象になります。ルールをスライドマスターに組み込んでおくと、毎回迷わずに同じ品質で作れます。

Q4. パワポのデザインで使う色は何色までがよいですか?

A. 背景や本文に使う無彩色に加えて、有彩色はメインカラーとアクセントカラーの2色までに絞るのが基本です。色を増やしたい場合は、新しい色を足すのではなく、メインカラーの濃淡で表現の幅を広げると統一感を保てます。

Q5. 見やすいフォントと文字サイズの目安は?

A. 和文はゴシック体が読みやすく、Windowsでは游ゴシックやメイリオ、Macではヒラギノ角ゴシックがよく使われます。Microsoftのアクセシビリティの案内では、18pt以上のサンセリフのフォントが推奨されています。社外に送る場合は、相手の環境で同じフォントが表示されるかにも注意しましょう。

Q6. スライドマスターを使うと何が便利になりますか?

A. 背景・配色・フォント・ロゴの位置など、すべてのスライドに共通するデザインをまとめて設定・変更できます。新しいスライドにも同じデザインが自動で適用されるため、スライドごとの見た目のばらつきを防げます。よく使うスライドの形をレイアウトとして登録しておくと、作成時間も短縮できます。

まとめ

見やすいパワポのデザインは、センスではなくルールで作れます。最後に、本記事で解説したポイントを、作業の順番に沿って振り返ります。

  1. 資料が投影されるのか、読まれるのか、動画で見られるのかを決め、1スライド1メッセージで情報を整理する
  2. 配色はベース・メイン・アクセントの役割で、有彩色を2色に絞り、色だけに頼らない表現を心がける
  3. フォントは1から2種類にし、文字サイズは役割ごとに固定する
  4. Z字型の視線の流れに沿って配置し、余白・整列・近接を揃える
  5. スライドマスターとルールスライドで社内資料を型にする
  6. 整えた資料の説明を毎回やり直しているなら、資料を動画にして使い回す方法も検討し、Video Craftの資料で内容を確認する

まずは今作っている資料で、色の数とフォントの種類を数えてみるところから始めてみてください。それだけでも、見やすさは大きく変わります。

参考文献

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