広告ブロックのおすすめと選び方|4タイプの違いと法人利用の注意点
Check!
- 広告ブロックは広告が出る場所で選ぶ
- ツールの安全性は4つの観点で確かめる
- 会社の端末では許可ツールを決めて運用
広告ブロックとは、Webサイトやアプリに表示される広告を、読み込み前に止めたり非表示にしたりする仕組みです。おすすめは、広告が出る場所で変わります。PCのブラウザならAdBlockやuBlock Originなどの拡張機能かBraveのような内蔵型、iPhoneならコンテンツブロッカーとして動くアプリ、Androidのアプリ内広告まで減らしたいならアプリ型かDNS型が候補になります。一方で、名前の似た偽物の拡張機能や、会社の端末に許可なく入れたツールがリスクになることもあります。本記事では、仕組みと4つのタイプ、代表的なツールの特徴と安全性の確かめ方、デバイス別の導入手順、選び方、よくある失敗、会社の端末で使うときの確認事項を順に解説します。各ツールの機能や提供条件は更新で変わるため、導入前に公式情報もあわせて確認してください。
広告ブロックの考え方、あなたはどのタイプ? かんたん診断
Q1. 広告ブロックを入れたい主な端末は?
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広告ブロックのおすすめは目的で決まる|結論と、会社で使うときの考え方
広告ブロックのおすすめは、広告が出る場所で決まります。PCのブラウザなら拡張機能型かブラウザ内蔵型、iPhoneはコンテンツブロッカー型のアプリ、Androidでアプリ内の広告まで減らすならアプリ型かDNS型が基本です。
| 利用環境・目的 | 検討しやすいタイプ | 代表例 |
|---|---|---|
| PCのChromeやEdgeでWebサイトの広告を減らしたい | Manifest V3対応の拡張機能型 | AdBlock、uBlock Origin Lite |
| PCとスマホで同じように広告を減らしたい | ブラウザ内蔵型 | Brave |
| iPhoneのSafariで広告を減らしたい | コンテンツブロッカーとして動くアプリ型 | 280blocker、AdGuard(iOS版) |
| Androidのアプリ内広告まで減らしたい | アプリ型またはDNS型 | AdGuard(アプリ版・DNS) |
| 会社の複数端末で設定をそろえたい | 管理者が選んだツールを一括配布(個人判断で導入しない) | 社内ルールで決める |
ここまでは端末ごとの話です。会社で使う場合は、もう1つ考えることがあります。広告ブロックは、社員が画面を見るときの対策です。不正広告に触れる機会は減らせますが、会社が運用しているサーバーやクラウド環境の安定稼働や不正アクセス対策までは担いません。端末に入れるツールのルールを整えるのと並行して、自社のクラウド環境の監視体制や、運用・支払いの手間も点検の対象になります。
そこで、自社のシステムをAWSで運用している会社を例に、運用保守や支払いを任せる選択肢を2つ並べます。AWSを使っていない会社は、この節を読み飛ばして次の解説に進んでも問題ありません。
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広告ブロックとは|仕組みと4つのタイプ
広告ブロックとは、Webサイトやアプリに表示される広告を、読み込み前に止めたり非表示にしたりする仕組みです。多くのツールは「フィルタリスト」と呼ばれる、広告配信サーバーのドメインや広告の表示に使われるコードの一覧を持っており、該当する通信や要素を遮断します。どの段階で遮断するかによって、大きく4つのタイプに分かれます。
| タイプ | 遮断する場所 | ブロックできる範囲 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 拡張機能型 | ブラウザに追加した拡張機能 | そのブラウザで開いたWebページの広告 | AdBlock、Adblock Plus、uBlock Origin |
| ブラウザ内蔵型 | ブラウザ本体の機能 | そのブラウザで開いたWebページの広告やトラッカー | Brave |
| アプリ型 | 端末にインストールしたアプリ | Webページに加え、製品によっては他のアプリ内の広告 | AdGuard(アプリ版)、280blocker |
| DNS型 | ドメイン名の名前解決(DNS) | 設定した端末やネットワーク全体の、広告ドメインへの通信 | AdGuard DNS、NextDNS |
拡張機能型:PCのブラウザで最も手軽
Chrome、Edge、Firefox、Safariなどのブラウザに拡張機能を追加する方法です。インストールしてすぐに使え、無料のものが多いのが特徴です。一方、効果はそのブラウザの中に限られ、別のブラウザやアプリの広告には効きません。また、Chromeでは拡張機能の仕組みがManifest V3という新しい規格に移行したことで、従来型の一部の拡張機能が使えなくなり、ブロックの仕組みにも制限が加わりました。Chromeでの具体的な設定はChromeの広告ブロック方法を解説した記事で詳しく紹介しています。
ブラウザ内蔵型:ツールを追加したくない人向け
ブラウザ自体に広告やトラッカーを遮断する機能が組み込まれているタイプです。代表的なBraveは、標準の保護機能(Shields)で広告やトラッカーを止める仕組みを備えており、PCとスマホの両方で使えます。拡張機能を入れる手間がなく、拡張機能の権限を管理する必要もない点が利点です。ただし、普段使っているブラウザから乗り換える必要があり、会社で使う場合は業務システムが対応ブラウザとして想定しているかを確認する必要があります。
アプリ型:スマホのアプリ内広告まで減らしたい場合
端末にアプリをインストールし、ブラウザの外も含めて広告を遮断するタイプです。AndroidやWindowsでは、端末内にVPNのような仕組みを作って通信を選別し、他のアプリの広告まで減らせる製品があります。iPhoneでは、OSの仕組み上、Safariのコンテンツブロッカーとして動作するものが中心で、280blockerのような国産アプリや、AdGuardのiOS版がこの方式で使われています。ブロックできる範囲が広い反面、通信をアプリが仲介するため、提供元の信頼性と通信データの扱いを確認することが特に重要です。
DNS型:ネットワーク単位でまとめて遮断
Webサイトやアプリが通信先を探す「名前解決(DNS)」の段階で、広告配信サーバーのドメインへの問い合わせを止めるタイプです。端末やルーターのDNS設定を変えるだけで使え、アプリを追加しなくても、その設定を使う全ての通信に効果が及びます。一方で、Webページと同じドメインから配信される広告や、動画の途中に挟み込まれる広告は止めにくいという限界があります。さらに、会社のネットワークでは社内のDNSやセキュリティ製品と競合する可能性があるため、個人の判断で設定を変えるべきではありません。
広告ブロックで得られる効果と、限界
広告ブロックで期待できる効果は、大きく4つあります。1つ目は、バナーやポップアップ、動画広告が減り、読みたい情報に集中しやすくなることです。2つ目は、広告のデータを読み込まなくなるため、ページの表示が軽くなり、スマホでは通信量も減らせることです。3つ目は、動きのある広告の処理が減ることによる、端末の負荷やバッテリー消費の軽減です。4つ目は、正規の広告配信の仕組みに紛れ込む不正広告(マルバタイジング)に触れる機会を減らせることです。
一方で、広告ブロックは「広告の読み込みを止める」仕組みであり、ウイルス対策やOS・ブラウザの更新の代わりにはなりません。表示速度の改善幅もサイトやツールによって異なります。効果は目安として捉え、後述の失敗パターンや安全性の確認とあわせて判断してください。
代表的な広告ブロックツールの特徴(AdBlock・AdGuard・uBlock Origin・Brave)
広告ブロックツールは数多くありますが、ここでは利用者が多く、比較記事でもよく取り上げられる代表的なツールを、タイプや初期設定の考え方とあわせて整理します。特定のツールを推奨するものではなく、目的に合わせて比べるための材料として参考にしてください。
| ツール名 | タイプ | 長所 | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|---|
| AdBlock | 拡張機能型 | 利用者が多く、主要ブラウザに対応。操作がわかりやすい | 初期設定で一定の基準を満たす広告を表示する仕組みがあり、全て消したい場合は設定変更が必要 |
| Adblock Plus | 拡張機能型 | 歴史が長く、フィルタリストの追加などカスタマイズしやすい | 「許容される広告」を初期設定で表示する方針のため、設定内容の確認が必要 |
| uBlock Origin / uBlock Origin Lite | 拡張機能型 | 無料で動作が軽く、詳細なフィルタ設定ができる | ChromeではManifest V3対応のLite版を使う。従来版はFirefoxなどで利用 |
| AdGuard | 拡張機能型・アプリ型・DNS型 | 拡張機能、PC・スマホ用アプリ、DNSと提供形態が幅広く、アプリ内広告にも対応する製品がある | 提供形態ごとに機能と有料・無料の範囲が異なる |
| Brave | ブラウザ内蔵型 | 追加ツールなしで広告やトラッカーを遮断。PCとスマホの両方で使える | ブラウザの乗り換えが必要。独自の広告・報酬の仕組みを持つ |
| 280blocker | アプリ型(iPhone) | 国産で、日本のサイトの広告に合わせたフィルタが特徴 | 有料アプリで、効果はSafariなど対応する範囲に限られる |
表で注目したいのは、「初期設定のまま全ての広告が消えるとは限らない」点です。AdBlockの公式サイトには、サイト運営者が一定の基準を満たす広告だけを使うことに同意する「控えめな広告」の仕組みがあり、基準を満たした広告は初期設定で表示されると説明されています。これは広告収入で運営されているサイトとの共存を意図したものです。全ての広告を止めたい場合は設定で無効にできますが、広告で成り立つ無料サービスへの影響も考えたうえで判断するとよいでしょう。
また、ChromeのManifest V3移行は、どのツールを選ぶかに大きく影響しています。Chrome for Developersの公開情報では、2025年7月公開のChrome 138でManifest V2の拡張機能がすべてのユーザーで無効化されました。従来のuBlock OriginはChromeで使えなくなり、Lite版が後継として提供されています。FirefoxではManifest V2形式の拡張機能が引き続き使えるため、より細かくブロックしたい人がFirefoxを選ぶケースもあります。ツールを選ぶ際は、使っているブラウザで現在提供されている版を公式の拡張機能ストアから入手することが前提です。
AdBlockなどの広告ブロックは安全? 確かめる4つの観点
広告ブロックの安全性は、ツールの名前だけでは判断できません。広告ブロックは閲覧中のページの内容や通信を読み取る強い権限を持つため、次の4つを確認してから入れるのが基本です。AdBlockのように利用者の多いツールでも同じです。
| 確認する観点 | 見る場所 | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 入手先 | 公式の拡張機能ストア、App Store、Google Play、開発元の公式サイト | 検索広告や外部サイトから案内された、名前の似たアプリ |
| 提供元 | 開発元の名称、公式サイト、更新の履歴 | 提供元が不明、更新が長期間止まっている |
| 要求する権限 | インストール時に表示される権限の説明 | 広告ブロックの目的に不要な権限を求める |
| データの扱い | プライバシーポリシー、利用規約 | 閲覧履歴の収集や第三者提供の説明が曖昧 |
AdBlockの公式サイトでは、基本機能は無料で、オープンソースのソフトウェアとして開発していると説明されています。ただし、これは公式の説明であり、導入後の安全を保証するものではありません。偽の拡張機能やアプリが公式ストアに紛れ込んだ事例もあるため、ストア上の提供元の表示まで確認してください。
YouTubeの広告はブロックできる? 規約と視聴制限に注意
AdBlockやBraveなど、多くのツールの公式サイトはYouTubeの広告ブロックをうたっています。ただしYouTubeヘルプには、広告をブロックするとYouTubeの利用規約に違反することになると記載されています。広告ブロッカーを使っていると、広告の許可かYouTube Premiumへの登録を求められたり、動画の再生が制限されたりすることがあります。仕事でYouTubeを使う会社では、広告ブロックで再生が止まる可能性を踏まえて、利用するかどうかを決めておくと安心です。
デバイス別の導入手順|PC・iPhone・Androidで広告をブロックする方法
広告ブロックの導入手順は、PCでは拡張機能の追加、iPhoneではアプリの追加と有効化、Androidではブラウザかアプリの選択が基本です。画面の操作は更新で変わるため、ここでは流れだけを整理します。
PCのブラウザでサイトの広告をブロックする
PCでは、使っているブラウザの公式ストアで広告ブロックの拡張機能を探し、提供元を確認して追加します。追加後は、ツールバーに表示されるアイコンから、特定のサイトだけブロックを止める「許可リスト」の設定ができます。うざい広告が1か所だけ残る場合は、ツールが備える要素の非表示機能やフィルタの追加で対応できることがありますが、設定を増やしすぎると管理が難しくなります。PCやスマホで広告を消す画面操作の手順は、広告を消す方法をPC・スマホ別に解説した記事でも紹介しています。
iPhoneで広告をブロックする
iPhoneでは、App Storeから280blockerやAdGuardのようなコンテンツブロッカー型のアプリを入れ、iPhoneの設定アプリでSafariの項目を開いて、入れたアプリを有効にします。項目名はiOSのバージョンによって異なります。有効にするまで広告は止まらない点に注意してください。または、Braveのような広告ブロック機能を内蔵したブラウザを使う方法もあり、こちらは追加の有効化が不要です。
Androidで広告をブロックする
Androidでは、広告ブロック機能を内蔵したブラウザを入れる方法と、アプリ型やDNS設定でアプリ内の広告まで減らす方法があります。スマホ版のChromeは拡張機能に対応していないため、Chromeのまま広告ブロックを足すことはできません。アプリ型の一部は端末内にVPNに似た仕組みを作るため、許可を求められる内容を読んでから進めてください。
広告ブロックツールの選び方|ブロック範囲・カスタマイズ性・安全性
広告ブロックツールは「一番強力なもの」を選べばよいわけではありません。どの端末の、どの広告を、どこまで止めたいかによって適したタイプが変わります。次の4つの観点で整理すると選びやすくなります。
1. ブロック範囲:消したい広告がどこにあるか
PCのブラウザで見るWebサイトの広告だけなら、拡張機能型かブラウザ内蔵型で十分です。スマホのアプリ内広告まで減らしたいなら、アプリ型やDNS型が候補になります。家庭やオフィスの全端末に効かせたい場合はDNS型ですが、前述のとおり会社のネットワークでは管理者の判断が必要です。まず「困っている広告がどの画面に出ているか」を確認するのが出発点です。冒頭の早見表も参考にしてください。
2. カスタマイズ性:例外設定のしやすさ
広告ブロックを使うと、ログイン画面や決済画面、動画プレーヤーなど、広告と同じ仕組みを使う部分まで止まってしまうことがあります。そのため、特定のサイトだけブロックを解除する「許可リスト」が簡単に設定できるかは重要な比較ポイントです。フィルタリストの追加や、ページ内の特定の要素を個別に非表示にする機能もありますが、設定項目が多いほど管理が難しくなるため、初めての人は標準設定で使いやすいものから選ぶのが無難です。
3. 安全性:提供元と権限を確認する
広告ブロックツールは、閲覧中のページの内容や通信を読み取る強い権限を持ちます。そのため、名前の似た偽物の拡張機能やアプリが、閲覧履歴の収集や不正な広告の挿入に悪用された事例も報告されています。確認する観点は前述の4つの表のとおりです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表する「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、組織向けの脅威として「システムの脆弱性を悪用した攻撃」や「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が挙げられており、端末に入れるソフトウェアの出所を管理する重要性は高まっています。
個人であれば自分で確認すれば済みますが、会社の端末ではこの確認を社員一人ひとりに任せるのは現実的ではありません。会社として使ってよいツールを決めて配布し、それ以外のソフトや拡張機能が入っていないかを定期的に確認する、という運用に切り替えるのが現実的です。
4. 料金:無料か、有料か
広告ブロックの料金の形は、大きく3つに分かれます。具体的な金額は変わるため、必ず各ツールの公式サイトで確認してください。
| 料金の形 | 考え方 | 代表例 |
|---|---|---|
| 基本機能が無料 | Webサイトの広告を減らすだけなら、無料の拡張機能やブラウザ内蔵型でも多くの場合は対応できる | uBlock Origin、Brave、AdBlock(基本機能) |
| 無料版と有料版がある | 無料版で試し、アプリ内広告の遮断やDNS保護など追加機能が必要なら有料版を検討する | AdGuard、AdBlock Premium |
| 有料のアプリ | スマホのアプリとして購入して使う。対応する範囲と対応OSを確認する | 280blocker |
広告ブロック導入時によくある失敗パターン
広告ブロックは手軽に導入できる反面、仕組みを理解しないまま使うと、かえって不便になったりリスクが増えたりすることがあります。よくある失敗と、その対策を整理します。
| よくある失敗(Before) | 起きる問題 | 見直し後(After) |
|---|---|---|
| 複数の広告ブロックを同時に入れる | 処理が重複して動作が重くなり、表示崩れの原因も特定しにくい | ツールは1つに絞り、効かない広告は設定で対応する |
| 表示がおかしいサイトでブロックを全て停止する | 停止したまま戻し忘れ、他のサイトでも無防備になる | そのサイトだけ許可リストに追加する |
| 検索結果の上位に出たツールをそのまま入れる | 名前の似た偽物を入れ、閲覧データを抜き取られる | 公式ストアで提供元・利用者数・更新状況を確認する |
| 広告ブロックがあればウイルス対策は不要と考える | OSやブラウザの脆弱性を突く攻撃は防げない | OS・ブラウザの更新とセキュリティソフトを組み合わせる |
| 社員が各自の判断で導入する | 業務システムの不具合が端末ごとに発生し、原因の切り分けに時間がかかる | 会社が選んだツールを配布し、導入状況を一覧で把握する |
| 広告ブロックを入れたまま動画やニュースサイトを見る | 広告ブロックを検知して、警告の表示や視聴の制限が起きる | 業務で使うサイトは許可リストに入れるか、規約を確認して使い分ける |
特に注意したいのは、広告ブロックを「セキュリティ対策そのもの」と誤解することです。広告ブロックは不正広告に触れる機会を減らしますが、マルウェア対策や脆弱性対策の代わりにはなりません。端末の防御は、OSやブラウザを最新に保つこと、信頼できるセキュリティソフトを動かすことが基本です。セキュリティソフトの選び方はウイルス対策・不正アクセス対策ソフトの比較記事も参考になります。
システムへの負荷についても誤解されがちです。一般に、広告の読み込みが減ればページは軽くなりますが、フィルタリストを大量に追加したり、複数のツールを重ねたりすると、ブロック処理そのものがメモリやCPUを消費します。古いPCで動作が重くなったと感じたら、追加したフィルタを見直し、ツールを1つに絞ってから効果を比べてみてください。
もう1つ見落としやすいのが、端末の対策は「社員が見る側」の守りにすぎない点です。会社が自社のWebサービスや社内システムをクラウドで運用している場合、その稼働状況の監視や障害対応は、広告ブロックとは別の層の仕事になります。AWSで運用している会社が、夜間や休日の監視・障害対応を外部に任せる選択肢の一例として、AWS監視・運用 マネージドクラウド for AWSがあります。
法人利用時に確認すべきセキュリティ・法務事項
個人向けの比較記事ではあまり触れられませんが、会社の端末で広告ブロックを使う場合は、便利さだけでなく社内規程や契約との関係を確認する必要があります。以下は一般的な確認ポイントであり、個別の判断は社内の情報システム部門や法務担当、必要に応じて専門家に相談してください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。
情報セキュリティポリシーとの整合
多くの企業では、業務端末にインストールできるソフトウェアや拡張機能を情報セキュリティポリシーで定めています。広告ブロックツールは通信やページ内容を読み取る権限を持つため、許可されていないツールを入れることは、ポリシー違反になる可能性があります。導入したい場合は、まず社内で利用が認められているかを確認し、認められていない場合は申請手続きに従いましょう。管理する側は、許可するツールと版を明確にしておくと、社員からの問い合わせにも答えやすくなります。
通信データの扱いと提供元の信頼性
アプリ型やDNS型の一部は、通信の宛先情報を提供元のサーバーで処理します。業務で使う端末の場合、どのような情報が社外のサーバーに送られ、どこで保存・利用されるのかを、プライバシーポリシーや利用規約で確認しておく必要があります。顧客情報を扱う部門では、社外へのデータの送信が社内規程や取引先との契約で制限されていないかも確認しましょう。
利用するWebサービスの利用規約
広告ブロックの利用そのものが一般に違法とされているわけではありませんが、動画配信サービスなど一部のWebサービスでは、利用規約で広告ブロックの使用を制限していたり、利用を検知すると視聴を制限したりする場合があります。YouTubeヘルプでも、広告のブロックは利用規約に違反すると案内されています。業務で使うサービスでアカウントの利用制限を受けると業務に支障が出るため、重要なサービスについては規約を確認しておくと安心です。
自社のWebマーケティングへの影響
広告ブロックは、自社が広告を出す立場にとっても無関係ではありません。広告ブロックを使うユーザーには広告が届かず、アクセス解析のタグが止められて計測データが欠ける場合もあります。広告主側への影響と対策は広告ブロッカーの仕組みと広告主への影響を解説した記事で詳しく整理しています。
端末のルールと、クラウド運用の点検は別々に行う
これらの確認事項を全社で継続して守るには、ルールを決めたうえで、実際に各端末で何が使われているかを把握できる状態にしておくことが欠かせません。端末の台数が増えるほど手作業での確認は難しくなるため、許可するツールの一覧づくりと、定期的な棚卸しを運用に組み込みましょう。
あわせて、自社が運用するクラウド環境の点検も、端末のルールとは別に行う必要があります。AWSで運用している場合、夜間や休日の障害対応が特定の担当者に頼りきりになっていないか、AWSの利用料の支払いに手間がかかっていないかは、確認しておきたい項目です。AWS監視・運用 マネージドクラウド for AWSやCloudCREW AWS請求代行のように、運用や支払いの手間を外部に任せるサービスもあります。次のセルフチェックで、自社の状況を確認してみてください。
会社の広告ブロックとクラウド運用、今の状況は大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
よくある質問(FAQ)
Q. 広告ブロックアプリは危険ですか?
A. 広告ブロックそのものが危険というより、入れるツールの出所によって安全性が変わります。広告ブロックは閲覧内容や通信を読み取る権限を持つため、名前の似た偽物が閲覧履歴の収集などに悪用された事例もあります。公式ストアから入手し、提供元・要求する権限・プライバシーポリシーを確認してください。
Q. 広告ブロックは違法ですか?
A. 広告ブロックの利用そのものが一般に違法とされているわけではありません。ただし、Webサービスによっては利用規約で使用を制限している場合があり、違反すると視聴やアカウントの利用が制限されることがあります。会社の端末では、社内の情報セキュリティポリシーで認められているかもあわせて確認してください。
Q. iPhoneで広告をブロックするにはどうすればよいですか?
A. 280blockerやAdGuardのようなコンテンツブロッカー型のアプリをApp Storeから入れ、設定アプリのSafariの項目で有効にします。有効にしないと広告は止まりません。Braveのような広告ブロック機能を内蔵したブラウザを使う方法もあります。Androidでは、内蔵型のブラウザや、アプリ内の広告まで減らせるアプリ型・DNS型を選べます。
Q. サイトの広告やうざい広告をブロックするにはどうすればよいですか?
A. PCでは、ブラウザの公式ストアから広告ブロックの拡張機能を追加するか、広告ブロック機能を内蔵したブラウザを使います。一部の広告が消えない場合は、初期設定で一定の基準を満たす広告を表示する仕組みのツールがあることや、Webページと同じドメインから配信される広告はブロックしにくいことが主な理由です。設定画面で表示を許可する広告の項目を確認し、複数のツールを重ねるのは避けましょう。
Q. AdBlockなどの広告ブロックの安全性は、どう確かめればよいですか?
A. 入手先、提供元、要求する権限、データの扱いの4点を確認します。AdBlockは公式サイトで基本機能が無料でオープンソースと説明されていますが、導入後の安全を保証するものではありません。ストア上の提供元の表示が公式のものかまで確認し、導入後もツールが増えすぎていないかを定期的に見直してください。
Q. 会社の複数の端末で広告ブロックをそろえるにはどうすればよいですか?
A. 社員が各自で導入するのではなく、会社が使用するツールを決め、ブラウザのポリシー機能などで一括配布する方法が一般的です。許可するツールの一覧を作り、各端末に何が入っているかを定期的に棚卸しすると、許可していないツールの導入や更新漏れも把握しやすくなります。
まとめ
広告ブロックは、仕組みとタイプの違いを理解したうえで、目的に合ったものを選ぶことが大切です。本記事のポイントを整理します。
- 広告ブロックには拡張機能型・ブラウザ内蔵型・アプリ型・DNS型の4タイプがあり、広告が出る場所によって選ぶ
- ツールはブロック範囲・カスタマイズ性・安全性・料金の4つの観点で選び、入手先と提供元を確認して1つに絞って使う
- 初期設定で一部の広告を表示するツールや、ChromeのManifest V3移行の影響を受けるツールがある
- 広告ブロックはセキュリティ対策の代わりにならず、YouTubeなど規約で制限されるサービスもある
- 法人では、社内ポリシー・通信データの扱い・利用規約を確認し、許可するツールの一覧と棚卸しの運用を整える
- AWSで自社のシステムを運用している会社は、端末のルールとは別に、監視・障害対応と支払いの手間を点検し、外部サービスの資料を見比べる
個人で使うなら、まずは困っている広告がどの画面に出ているかを確認し、それに合ったタイプを1つ試すところから始めてみてください。会社で導入を検討している場合は、許可するツールを決めることが最初の一歩になります。
参考文献
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「情報セキュリティ10大脅威 2026」https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html
- Chrome for Developers「Manifest V2 のサポート タイムライン」https://developer.chrome.com/docs/extensions/develop/migrate/mv2-deprecation-timeline?hl=ja
- YouTube ヘルプ「視聴している動画で広告を許可する」https://support.google.com/youtube/answer/14129599?hl=ja
- AdBlock公式サイトhttps://getadblock.com/ja/
- Brave公式サイトhttps://brave.com/ja/