家計簿のつけ方と続けるコツ|ノート・エクセル・アプリの選び方と費目の分け方

Check!

  • 目的に合う家計簿の方法と費目がわかる
  • 予算の決め方とつけ方5ステップがわかる
  • 副業のお金と家計の分け方がわかる

家計簿とは、収入と支出を記録してお金の流れを見える化し、使い方を見直すための帳簿やツールのことです。続けるコツは、目的を決める、費目を8つから10個に絞る、記録するタイミングを決める、月末に改善点を1つだけ決める、の4点に集約できます。「3か月もたない」「ノート・エクセル・アプリのどれが自分に合うのか分からない」という悩みの多くは、方法や費目が自分の生活に合っていないことが原因です。本記事では、3つの方法の違い、費目の分け方、手取りに対する予算の考え方、つけ方の5ステップ、見直しの進め方を整理します。あわせて、副業や独立で事業の収支が発生した人が家計簿と会計ソフトをどう使い分けるかも、国税庁の制度情報をもとに解説します。

あなたの家計管理に合う進め方を診断

Q1. 管理したいお金に、副業・個人事業の売上や経費は含まれますか?

目次

開く

閉じる

  1. 家計簿とは?つける目的と得られる効果
  2. 事業の収支がある人は、家計簿と会計ソフトを分けて管理する
  3. 家計簿の3つの方法|ノート・エクセル・アプリの違い
  4. 家計簿の費目(項目)の分け方
  5. 家計簿のつけ方|始める前の準備から月末の振り返りまで5ステップ
  6. 記録を家計の改善につなげる|月末の振り返りと固定費の見直し
  7. 副業・個人事業主の家計簿で押さえたい、事業とプライベートの切り分け方
  8. 家計簿が続かない原因と、よくある失敗パターン
  9. 家計簿アプリで口座連携するときのセキュリティと注意点
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|家計簿を無理なく続けるための6つのポイント
  12. 参考文献

家計簿とは?つける目的と得られる効果

家計簿とは、世帯の収入と支出を日々記録し、お金の流れを把握するための帳面やツールのことです。記録そのものが目的ではなく、記録から支出の傾向を読み取り、翌月以降の使い方を調整するところに価値があります。

家計簿をつける効果は、大きく3つに整理できます。1つ目は、固定費と変動費の内訳が分かり、見直す優先順位を決められることです。通信費や保険料などの固定費は一度見直すと効果が毎月続くため、家計簿で金額を把握することが見直しの出発点になります。2つ目は、貯蓄の目標を「毎月いくら残すか」という具体的な数字に落とし込めることです。3つ目は、家族間でお金の状況を共有しやすくなることです。感覚で話し合うよりも、記録に基づいて話すほうが、どこを削るかの合意を取りやすくなります。

事業の収支がある人は、家計簿と会計ソフトを分けて管理する

副業の売上や個人事業の経費は、生活費を記録する家計簿とは別に、帳簿として記録する必要があります。事業の記帳は会計ソフトに任せ、家計簿は生活費の管理に専念させる役割分担が現実的です。

家計簿は「使いすぎを防ぐ」ための記録で、書き方に決まりはありません。一方、事業の帳簿は確定申告の根拠資料で、国税庁の制度に沿った記帳と保存が求められます。この2つを1冊の家計簿に混ぜると、申告の時期に「どれが経費だったか」を一から仕分け直す作業が発生しやすくなります。

国税庁の案内によると、青色申告特別控除は65万円・55万円・10万円の3段階があり、55万円以上の控除を受けるには、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)による記帳と、貸借対照表・損益計算書の添付が要件とされています。さらに65万円控除は、帳簿の電子帳簿保存かe-Taxによる申告のいずれかが追加で必要です(出典:国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除)。複式簿記を手書きやエクセルで一から組むのは負担が大きいため、事業の記帳だけは会計ソフトに任せるという選択肢があります。

記帳の義務や申告方式は人によって異なります。本記事は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。個別の判断は、税務署や税理士に確認してください。

こうした事業の記帳を会計ソフトに任せたい場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供するマネーフォワード クラウド会計です。商品ページによると、銀行口座やクレジットカードなど2,400社以上の金融機関と連携して取引明細を自動で取り込み、AIが過去の仕訳を学習して勘定科目を提案します。紙の領収書やレシートの読み取り、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応も機能に含まれます。一方で、AIが誤った仕訳を学習する可能性があるため、入力内容は正確に保つ必要があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド会計

マネーフォワード クラウド会計

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド会計

他システムの移行や機能性重視の方におすすめ!

全体評価
4.2 (14件)
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら

GOOD

おすすめ!

  • 面倒な帳簿・レポート・決算書を自動作成
  • 金融機関の入出金データを自動取得してリアルタイムで数字を共有
  • 他サービスとの連携で勤怠管理やマイナンバー管理が可能
MORE

気になる…

  • ある程度の簿記知識が必要な場合も
評価・口コミ(一部抜粋)
4.2
  • これまで手入力していた取引データの記帳作業が大幅に削減され、経理作業の時間が約半分になりました。特に仕訳の自動提案機能が優秀で、経理知識が浅い自分でも運用できる点が大きなメリットです。また、リアルタイムで損益を把握できるようになったため、経営判断が早くなったことも効果として実感しています。

  • 自動入力がとても便利だと感じています。マネーフォワード給与やマネーフォワード請求書からのデータと連携できるので手入力の作業が減り時短になっています。

  • リアルタイムで金融機関の残高推移が確認できるため、インターネットバンキングをあける必要がない。また、必要以上の機能がなく最低限になるのでシンプルでわかりやすい、初心者向けの会計システムかと思います。

実際に使ってみたレビュー記事はこちら

【レビュー】マネーフォワードクラウド会計を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある会計ソフトの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド会計」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。

「銀行口座やクレジットカードと連携すると入出金記録を自動で取り込んでくれるのでラクですね。仕訳も自動で勘定科目をレコメンドしてくれるのですごく助かってます。」

出典:株式会社プランノーツ 代表取締役 高橋 宣成 様「「経理が苦にならない」毎月たった数時間で完結」(マネーフォワード クラウド会計 導入事例。2020年7月27日公開、公開当時の情報)
マネーフォワード クラウド会計

副業や個人事業の記帳を、自動取り込みで減らしたい方に

マネーフォワード クラウド会計の資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

生活費だけを管理したい人は、ここから先の家計簿の基本とつけ方の解説に進んでください。事業の収支がある人も、家計側の管理は家計簿で行うため、以降の内容はそのまま役立ちます。事業用口座の分け方や按分の考え方は、後半の「副業・個人事業主の家計簿で押さえたい、事業とプライベートの切り分け方」で詳しく扱います。

家計簿の3つの方法|ノート・エクセル・アプリの違い

家計簿の方法は、手書きのノート、パソコンのエクセル(表計算ソフト)、スマートフォンの家計簿アプリの3つに大別でき、現金払いが多ければノート、分析を重視するならエクセル、キャッシュレス中心ならアプリが合います。どれが優れているかではなく、自分の生活スタイルと性格に合うかどうかで選ぶのがポイントです。

方法 メリット デメリット 向いている人
ノート(手書き) 書く行為で支出を意識しやすい。費用が安く、デジタル機器に不慣れでも始められる 集計を自分で計算する必要がある。過去データの検索や分析がしにくい 現金払いが多い人、書くことで気持ちを整理したい人
エクセル 費目や集計方法を自由に設計できる。関数やグラフで年単位の分析がしやすい パソコンを開く手間があり、外出先での入力に向かない。表の設計に時間がかかる 表計算に慣れている人、自分仕様で細かく分析したい人
家計簿アプリ 銀行口座やクレジットカードとの連携、レシート読み取りで入力を減らせる。自動でグラフ化される 連携には金融情報の登録が必要。無料プランでは連携数や機能に制限がある場合がある キャッシュレス決済が中心の人、入力の手間を最小限にしたい人

ノートの家計簿が向いているケース

ノートの家計簿は、市販の家計簿帳を使う方法と、大学ノートに自分で罫線を引く方法があります。現金で買い物をする機会が多い人や、1日の終わりにレシートを見返して書き写す習慣が作れる人に向いています。書き写す作業は手間ですが、その手間があるからこそ「今日はこれに使った」と自覚でき、衝動的な支出を抑える効果を感じる人もいます。集計の負担を減らすには、日ごとではなく週ごとに合計を出す、費目ごとの予算欄を月初に書いておく、といった工夫が有効です。

エクセルの家計簿が向いているケース

エクセルの家計簿は、日付・費目・金額・支払方法・メモの列を持つ明細シートを作り、SUMIF関数などで費目別・月別に集計するのが基本の形です。ゼロから作るのが面倒な場合は、表計算ソフトに用意されているテンプレートを使う方法もあります。エクセルの強みは、年単位でデータを蓄積し、「前年同月と比べて光熱費がいくら増えたか」といった比較を自由に作れる点です。一方、スマートフォンからの入力はしにくいため、レシートやクレジットカードの利用明細を週末にまとめて入力する運用にすると続けやすくなります。

家計簿アプリが向いているケース

家計簿アプリは、入力方式によって、手入力型、レシート撮影型、銀行口座やクレジットカードと連携する自動連携型に分かれます。支払いのほとんどがキャッシュレス決済で完結している人は、自動連携型を選ぶと入力の手間がほぼなくなります。反対に、金融機関の情報をアプリに登録することに抵抗がある人は、手入力型やレシート撮影型を選ぶ方法があります。代表的なアプリの機能比較や無料プランの違いは、家計簿アプリおすすめ比較|無料プランの違い・選び方と個人事業主の注意点で詳しく整理しているので、アプリで始めると決めた人はあわせてご覧ください。

紙の家計簿とアプリは、どちらがよいか

紙とアプリのどちらかが常に優れているわけではなく、支払い方法と続けやすさで決まります。現金払いが多く、書くことで支出を意識したい人は紙のノートが合います。キャッシュレス決済が中心で、入力の手間が続かなかった経験がある人はアプリが合います。迷う場合は、1か月だけ試して「入力を忘れずに続けられたか」「月末に見返す気になれたか」の2点で判断すると、自分に合う方法が分かります。

家族やパートナーと共有したい場合

家計を世帯で管理する場合は、記録を家族で共有できるかどうかも選ぶ基準になります。共有に対応した家計簿アプリを使えば、それぞれのスマートフォンから入力した内容が1つの家計簿に集まります。エクセルをクラウド上で共有する方法や、紙のノートを決まった場所に置いて交代で記録する方法もあります。共有する場合は、費目の分け方と記録するタイミングを最初に話し合って決めておくと、入力のばらつきを防げます。お金の使い方を責め合う場ではなく、使いすぎの原因を一緒に探す場として家計簿を使うことが、共有を長続きさせるコツです。

家計簿の費目(項目)の分け方

家計簿の費目は、収入・固定費・変動費・特別費・貯蓄の5区分を軸に、全体で8つから10個程度に絞ると続けやすくなります。家計簿が続かない原因として多いのが、費目を細かく分けすぎることです。「食費」を「主食」「おかず」「調味料」「おやつ」に分けると、1回の買い物を仕分けるだけで時間がかかり、記録そのものが負担になります。最初はざっくりした費目で始め、特に気になる費目だけを後から細分化するのがおすすめです。

費目を決めるときは、まず「固定費」と「変動費」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。固定費は毎月ほぼ同じ金額が出ていく支出で、見直すと効果が長く続きます。変動費は月によって金額が変わる支出で、日々の意識で調整できる部分です。

区分 費目の例 見直しのポイント
収入 給与(手取り額)、副収入、児童手当などの給付金 ボーナスは毎月の収入に含めず、特別費や貯蓄に充てる前提で分ける
固定費 住居費(家賃・住宅ローン)、水道光熱費、通信費、保険料、サブスクリプション 契約内容の見直しで毎月の支出を継続的に下げられる
変動費 食費、日用品費、交通費、被服費、交際費、娯楽費、医療費 予算を決め、週単位で使いすぎを確認する
特別費 冠婚葬祭、家電の買い替え、年払いの保険料や税金、旅行 年間の予定額を12で割り、毎月積み立てておく
貯蓄・投資 先取り貯蓄、積立、生活防衛資金 給料日に先に別口座へ移し、残りで生活する

費目名に迷う場合は、総務省統計局の家計調査の分類(食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、その他の消費支出)を参考にする方法もあります。家計調査は全国約9,000世帯を対象に家計の収支や貯蓄・負債を調べている統計で、景気動向の判断や社会保障制度の検討などの基礎資料として使われています(出典:総務省統計局「家計調査」)。統計と同じ区分で記録しておくと、世帯人数や年齢階級別に公表されている平均値と比べやすくなり、突出して多い費目を見つける手がかりになります。ただし、統計は平均値であり、住んでいる地域や持ち家か賃貸かによって適正な水準は変わるため、あくまで目安として使うのが適切です。

見落としがちなのが「特別費」です。車検や年払いの保険料、帰省の交通費など、年に数回しか発生しない支出は、月々の家計簿では「今月だけ赤字」に見えてしまいます。これを防ぐには、年間の特別費を洗い出して12で割った額を、毎月の支出予算に最初から組み込んでおくことです。こうすると、特別費が発生した月も慌てずに済み、家計簿の数字を冷静に読めるようになります。

家計簿のつけ方|始める前の準備から月末の振り返りまで5ステップ

家計簿のつけ方は、手取り収入の確認、固定費の書き出し、予算の設定、日々の記録、月末の振り返りの5ステップで進めると、無理なく習慣にできます。その前に、何のために記録するのかを1つ決めておくと、迷わずに続けられます。

最初に、家計簿をつける目的を1つ決める

家計簿が続かない理由の1つは、何のために記録するのかが決まっていないことです。目的が決まれば、毎月最初に見る数字が決まり、記録の細かさも自然に決まります。目的は欲張らず、まず1つに絞ってください。

目的 最初に見る数字 記録のしかた
貯蓄を増やしたい 毎月の貯蓄額と、変動費に使える残りの額 先取り貯蓄の額を決め、変動費だけを記録する
支出を減らしたい 固定費の合計と、費目別の増減 固定費を書き出し、月末に費目別に前月と比べる
家族とお金の状況を共有したい 世帯全体の収入と支出 共有できるアプリや共有シートで、同じ費目で記録する
副業・事業の収支を整理したい 事業のお金と生活費の区分 口座を分け、事業の取引は会計ソフトで記帳する

目的が決まったら、次の5ステップで進めます。いきなり毎日記録を始めるより、最初に全体像をつかんでから記録を始めるほうが続きやすくなります。

  1. 手取り収入を確認する:給与明細や入金記録から、毎月実際に使えるお金(手取り額)を把握します。ボーナスは毎月の収入に含めず、特別費や貯蓄に充てる前提で分けておくと計画が立てやすくなります。
  2. 固定費を書き出す:家賃、通信費、保険料、サブスクリプションなど、毎月決まって出ていく支出を一覧にします。口座振替やクレジットカードの利用明細を見れば、ほとんどの固定費は洗い出せます。
  3. 先取り貯蓄の額と変動費の予算を決める:手取り収入から固定費と毎月の貯蓄額を差し引いた残りが、変動費に使える予算です。貯蓄は「余ったら貯める」ではなく、給料日に先に別口座へ移す形にすると確実です。
  4. 日々の支出を記録する:レシートをもらう、キャッシュレス決済の履歴を残すなど、記録の材料を集める習慣をつけます。毎日つけるのが難しければ、週に1回まとめて入力する形でも十分です。
  5. 月末に振り返る:費目ごとに予算と実績を比べ、予算を超えた費目の原因を1つだけ書き出します。翌月はその1点だけ改善を試す、というように小さく調整するのが長続きのコツです。

振り返りの段階で大切なのは、記録の正確さより傾向をつかむことです。1円単位で帳尻が合わなくても、費目ごとの大まかな金額が分かれば見直しには十分役立ちます。現金の残高と記録が合わない場合は、差額を「使途不明金」として1行記録して次に進み、細かい原因探しに時間をかけすぎないようにしましょう。

記録を始める前に、1か月の区切りをいつにするかも決めておきましょう。カレンダーどおり月初から月末で区切る方法は、公共料金やサブスクリプションの請求サイクルと合わせやすく、月ごとの比較が分かりやすい方法です。一方、給料日から次の給料日の前日までで区切る方法は、手元に入ったお金をその期間でどう使ったかが一目で分かり、予算管理と実感が一致しやすいという利点があります。どちらが正解ということはないため、収入が入るタイミングと固定費の引き落とし日を見比べて、自分が把握しやすい方を選んでください。また、記録の手間を減らすには、1枚のレシートに複数の費目が混ざっていても金額の大半を占める費目にまとめて計上する、10円未満の端数は切り上げて記録する、といった割り切りも有効です。厳密さを少し手放すことで、入力にかかる時間が短くなり、続けやすさにつながります。

変動費の予算の決め方|50:30:20ルールの計算例

手取り収入に対する予算の枠の目安として、50:30:20ルールが知られています。手取り収入の50%を生活に必要な支出、30%を欲しいもの、20%を貯蓄や借金返済に充てる考え方で、米国の書籍『All Your Worth』(2005年)が発端とされています。割合は、税金や社会保険料を引いた後の手取り額に対して計算します(出典:Business Insider Japan「家計管理に着手するなら、まず「50:30:20ルール」を試してほしい」)。手取り月額ごとの金額は、次のとおりです(計算のための仮の数字です)。

手取り月額 必要な支出(50%) 欲しいもの(30%) 貯蓄・借金返済(20%)
15万円 7万5,000円 4万5,000円 3万円
20万円 10万円 6万円 4万円
25万円 12万5,000円 7万5,000円 5万円
30万円 15万円 9万円 6万円

地域や家族構成によっては、家賃や教育費などの必要な支出だけで5割を超えることもあります。この比率はあくまで出発点です。ステップ3の考え方(固定費と貯蓄額を先に決める)と組み合わせ、自分の家計に合わせて比率を調整してください。

記録のタイミングとレシートの扱いを決める

記録が続かない大きな原因は、いつ書くかが決まっていないことです。寝る前に1日分、週末に1週間分、給料日にカードの明細と合わせて、のようにタイミングを先に決めておきます。毎日の入力が難しい場合は、材料を集める習慣だけを毎日続けます。レシートは捨てずに専用の袋や箱に入れる、キャッシュレス決済の履歴は消さずに残す、レシートが出ない支払い(自動販売機や割り勘など)はスマートフォンのメモに残す、の3つを守れば、入力は週に1回まとめて行っても漏れを防げます。

クレジットカード払いを家計簿に記録する方法

クレジットカードで支払った分は、使った日と口座から引き落とされる日がずれるため、記録のルールを決めておかないと二重計上や記録漏れが起こりやすくなります。記録の基準は、使った日に支出として記録する「利用日基準」と、引き落とし日にまとめて記録する「引き落とし日基準」の2つです。利用日基準は、その月に何にいくら使ったかを正確に把握でき、予算管理に向いています。引き落とし日基準は、口座残高の動きと記録が一致するため、手元の資金繰りを確認しやすい方法です。どちらを選んでもかまいませんが、途中で基準を変えないことが大切です。利用日基準で記録する場合は、引き落とし時に同じ金額を再度支出として記録しないよう注意しましょう。レシートを保管し忘れた場合も、カード会社のWeb明細を見れば利用日・利用先・金額を確認できるため、週1回の入力時に明細と照らし合わせると漏れを防げます。カードの枚数が多いと明細の確認に手間がかかるため、日常の支払いに使うカードは1枚から2枚に絞っておくと管理が楽になります。

家計簿をつけるのが苦手な人は、支払い履歴の確認から始める

どうしても記録が続かない人は、書き写す前に、支払いの履歴が自動で残る手段を使う方法があります。クレジットカードのWeb明細やキャッシュレス決済の利用履歴は、いつ・どこで・いくら使ったかが自動で残るため、週に1回その履歴を見返して費目ごとに合計するだけでも、支出の傾向はつかめます。日々の支払いを1枚から2枚のカードに集約しておくと、確認の手間も減ります。ただし、履歴を見るだけで終わらせず、月末に予算と比べる習慣だけは残してください。それが、家計簿を代替するときの条件です。

記録を家計の改善につなげる|月末の振り返りと固定費の見直し

家計簿は、記録をもとに「なぜ使ったか」を振り返り、優先順位をつけ、効果が続く固定費から見直すことで、初めて家計の改善につながります。記録だけで終わると、毎日つけていても支出は変わりません。

月末の振り返りは、3つの問いで進めます。1つ目は、予算を超えた費目について「なぜ使ったのか」を考えることです。やむを得ない支出か、何となく使った支出かを分けるだけで、減らせる部分が見えてきます。2つ目は、使ったお金に優先順位をつけることです。収入には限りがあるため、1回の金額が小さくても、月単位・年単位で積み上がる支出は意識的に選び直します。3つ目は、日々の節約より先に、毎月自動で出ていく固定費を見直すことです。一度見直せば、その効果が翌月以降も続きます(出典:金融広報中央委員会 知るぽると「スマホでもできる?!家計簿を始めてみよう!」を参考に整理)。

固定費 見直しのポイント
携帯電話・通信費 利用状況に合った料金プランか確認し、事業者が提供しているプランの見直し診断なども活用する
保険料 社会保障制度も踏まえて、本当に必要な保障と保障額を整理する
サブスクリプション・会費・新聞代 使用頻度を確認し、ほとんど使っていないものは解約を検討する
住居費(家賃・住宅ローン) 更新時に家賃の交渉や住み替えを検討する。住宅ローンは借り換えで条件が良くなるか試算する

固定費の見直しには、契約の変更や解約の手間がかかります。月末の振り返りで「今月は固定費を1つだけ見直す」と決めて、1か月に1項目ずつ進めると、負担が小さく続けやすくなります。

副業・個人事業主の家計簿で押さえたい、事業とプライベートの切り分け方

副業や個人事業の収支は、事業用の口座とカードを分けたうえで、会計ソフトで記帳するのが基本です。ここからは、生活費と事業の収支が同じ財布の中で混ざりやすい人向けの解説です。会社員の副業や、独立したばかりの個人事業主は、家計簿の延長で事業のお金も管理しようとしがちです。しかし、事業のお金を家計簿に混ぜると、家計の数字も事業の数字も正しく読めなくなります。事業の売上が家計の収入として計上されると、家計が実際より豊かに見えてしまうからです。

比較項目 家計簿(ノート・エクセル・アプリ) 会計ソフト
主な目的 生活費の見える化・節約・貯蓄計画 事業取引の記帳・決算書と申告書類の作成
記録の形式 自由(費目は自分で決めてよい) 勘定科目による仕訳(複式簿記に対応)
確定申告への対応 基本的に申告書類は作成できない 製品により青色申告・e-Tax・電子帳簿保存に対応
留意点 事業の経費を混ぜると後の仕分けが大変になる 勘定科目など最低限の用語に慣れる必要がある

切り分けの基本は、事業用の銀行口座とクレジットカードを個人用とは別に用意することです。事業の入出金をすべて事業用口座に集めれば、会計ソフトに口座を連携するだけで事業の取引を漏れなく把握できます。家計簿側では、事業用口座から生活費として個人口座に移したお金を「収入(事業からの生活費)」として1行記録すれば済みます。会計ソフトの側では、事業用のお金を個人の生活費に回したものを「事業主貸」、個人のお金を事業に入れたものを「事業主借」という勘定科目で処理するのが一般的です。

自宅を仕事場にしている場合や、スマートフォンを仕事とプライベートで兼用している場合は、家賃や通信費を事業とプライベートに按分する必要があります。按分の割合は、使用時間や面積など合理的な基準で決め、その根拠を説明できるようにしておくことが大切です。こうした按分の処理を家計簿で毎月手作業で行うのは手間がかかりますが、会計ソフトなら一度按分の設定をしておくことで、決算時にまとめて処理できる製品が多くあります。

どのタイミングで会計ソフトを使い始めるべきかは、事業の規模よりも「確定申告が必要になったかどうか」で判断するとよいでしょう。記帳の義務や申告方式は人によって異なるため、詳しくは税務署や税理士に確認することをおすすめします。家計簿アプリと会計ソフトを連携させて確定申告の手間を減らす具体的な方法は、家計簿アプリの選び方|タイプ別比較と個人事業主が事業と家計を分けて管理する方法で解説しています。

ここまでの作業を、今も毎回手でやっていないでしょうか。次のチェックで、自分の記帳のやり方を確認してみてください。

事業の記帳、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

家計簿が続かない原因と、よくある失敗パターン

家計簿を始めた人の多くがつまずくポイントは共通しています。自分がどのパターンに当てはまりそうかを事前に知っておくと、挫折を防ぎやすくなります。

失敗パターン よくある状態(Before) 改善後(After)
目的が決まっていない 何のために記録するのか曖昧で、記録しても見返さない 貯蓄、固定費の削減など、目的を1つ決めて最初に見る数字を絞る
完璧主義で挫折 1円単位で合わせようとして、記録漏れが出た時点でやめてしまう 差額は使途不明金として処理し、傾向がつかめれば良しとする
費目の細分化しすぎ 費目が20以上あり、仕分けに迷って入力が止まる 8つから10個程度に絞り、気になる費目だけ後から分ける
記録だけで終わる 毎日つけているのに、振り返らないため支出が変わらない 月末に予算と実績を比べ、改善点を1つだけ決める
事業のお金が混在 副業の売上や経費を家計簿に混ぜ、申告時に仕分けをやり直す 事業用の口座を分け、事業の取引は会計ソフトで記帳する
方法が合っていない キャッシュレス中心なのに手書きで書き写し、手間で続かない 支払い方法に合わせて、ノート・エクセル・アプリを選び直す

中でも見落とされやすいのが、「事業のお金が混在」するパターンです。家計簿として続いているように見えても、確定申告の時期に1年分の明細を見直して事業の取引を抜き出す作業が発生し、結果的に大きな手間になります。副業の売上が出始めた段階で早めに管理を分けておくほうが、年末にまとめて整理するより負担は小さくなります。

家計簿アプリで口座連携するときのセキュリティと注意点

口座連携型の家計簿アプリを使うときは、プライバシーポリシー、二段階認証、データの暗号化の3点を利用前に確認します。自動連携型の家計簿アプリは便利な反面、銀行口座やクレジットカードの情報を扱うためです。確認しておきたいのは、提供会社のプライバシーポリシーで個人データの利用目的や第三者提供の範囲が明示されているか、二段階認証などのログイン保護の機能があるか、データの暗号化について説明があるか、といった点です。

個人情報の取り扱いについては、個人情報保護委員会が事業者向けのガイドラインや、個人向けの相談窓口の情報を公開しています(出典:個人情報保護委員会)。アプリを使わなくなったときは、放置せずに金融機関との連携を解除し、アカウントを削除しておくと、不要な情報が残り続けるリスクを減らせます。スマートフォン本体の画面ロックやOSの更新も、家計簿アプリの情報を守るための基本的な対策です。

事業で家計簿アプリや会計ソフトを使う場合は、電子帳簿保存法にも注意が必要です。国税庁の電子帳簿保存法関連の案内では、メールやWebサイトで受け取った請求書・領収書などの電子取引データを、要件に沿って保存することが求められています(出典:国税庁 電子帳簿保存法関連情報)。家計簿アプリに領収書の画像を残しているだけでは要件を満たさない可能性があるため、事業の取引は対応機能を持つ会計ソフトやツールで保存するのが確実です。なお、本項は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務判断を行うものではありません。具体的な対応は税理士や税務署に確認してください。

事業の取引の保存まで家計簿の延長で済ませるのが難しいと感じた場合は、電子帳簿保存法への対応を含む機能の範囲を、会計ソフトの商品ページで確認してみてください。マネーフォワード クラウド会計の商品ページでは、対応する機能や運営会社の情報を確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 家計簿は紙とアプリのどちらがよいですか?

A. 支払い方法と続けやすさで選ぶのがおすすめです。現金払いが多く書くことで支出を意識したい人は紙のノート、キャッシュレス決済が中心で入力の手間を減らしたい人は家計簿アプリが向いています。分析を細かくしたい人は、エクセルという選択肢もあります。

Q2. 家計簿の基本の5項目は何ですか?

A. 決まった公式の定義はありませんが、本記事では収入、固定費、変動費、特別費、貯蓄・投資の5つで整理しています。最初はこの5区分で記録し、変動費だけを食費や日用品費などに分けると、仕分けに迷わず続けやすくなります。

Q3. 50:30:20ルールとは何ですか?

A. 手取り収入の50%を必要な支出、30%を欲しいもの、20%を貯蓄や借金返済に充てる目安です。米国の書籍『All Your Worth』(2005年)が発端とされる考え方で、家賃の水準などによって調整が必要になるため、自分の家計に合わせて比率を見直してください。

Q4. 家計簿を毎日つけられません。週1回でも効果はありますか?

A. 効果はあります。家計簿の目的は支出の傾向をつかんで使い方を見直すことなので、週に1回レシートや決済履歴をまとめて入力し、月末に予算と実績を比べる運用でも十分です。

Q5. 無料で使える家計簿アプリのおすすめは?

A. 無料プランでも、連携できる金融機関の数や機能に制限がある場合があり、範囲はアプリごとに異なります。まず自分の支払い方法がキャッシュレス中心か現金中心かを決め、その入力方式に対応した無料プランを試すのが近道です。

Q6. 副業の収入や経費は家計簿で管理してもよいですか?

A. 生活費とは分けて管理することをおすすめします。事業の取引は確定申告の根拠となる帳簿として記録する必要があり、青色申告特別控除の55万円以上を受けるには複式簿記による記帳などが要件とされています。事業用の口座を分け、事業の取引は会計ソフトで記帳すると整理しやすくなります。

まとめ|家計簿を無理なく続けるための6つのポイント

  1. 最初に目的を1つ決め、ノート・エクセル・アプリの中から、自分の支払い方法と生活スタイルに合う方法を選ぶ
  2. 費目は収入・固定費・変動費・特別費・貯蓄の5区分を軸に、8つから10個程度に絞り、細かくしすぎない
  3. 手取り収入から固定費と先取り貯蓄を差し引き、変動費の予算を決めてから記録を始める(50:30:20ルールは目安として使う)
  4. 記録の正確さより傾向をつかむことを重視し、月末に改善点を1つだけ決めて振り返る
  5. 振り返りでは支出に優先順位をつけ、効果が続く固定費から見直す
  6. 副業・事業の収支がある場合は口座を分け、事業の記帳は家計簿ではなく会計ソフトで行う前提で、資料や商品ページで機能を比較検討する

家計簿は、正確に記録することより、記録をもとに使い方を少しずつ変えていくことに意味があります。自分に合う方法と費目で気軽に始め、月に一度の振り返りを習慣にしていきましょう。副業や独立で事業の収支が発生したら、家計簿と会計ソフトを役割分担させることで、家計の見える化と確定申告の準備を両立できます。

参考文献

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top