経費精算システムとは?基本機能・導入メリットと選び方をわかりやすく解説

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  • 経費精算システム導入で、申請から会計ソフト連携までの一連の業務を自動化できる
  • 電子帳簿保存法が求める電子取引データ保存の要件にも対応しやすくなる
  • 海外拠点や外国人従業員がいる場合は、多言語対応の有無を選定基準に加えることが重要

経費精算は、従業員の立替払いや出張・交際費などの支出を確認・承認し、会計処理へつなげる業務であり、多くの企業でいまだ紙の申請書とExcel集計に依存している領域です。近年はクラウド型の経費精算システムを導入し、申請から承認、仕訳、会計ソフト連携までを自動化する動きが広がっています。本記事では、経費精算システムの基本機能や導入メリット、業種別の活用ポイント、導入時に注意したい法務上のポイントを、事業規模を問わず整理して解説します。

目次

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  1. 経費精算システムとは(基本機能と紙運用との違い)
  2. 経費精算システムを導入するメリット
  3. 業種別にみる経費精算システム活用の着眼点
  4. 経費精算システム導入における法務上の注意点
  5. 海外拠点・外国人従業員を抱える企業における経費精算システムの選び方
  6. 経費精算システム導入でよくある失敗パターン
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ|経費精算システム導入を成功させるためにできる5つのこと
  9. 参考文献

経費精算システムとは(基本機能と紙運用との違い)

経費精算システムとは、従業員が立て替えた費用の申請・承認・仕訳・支払処理をクラウド上で一元管理できるサービスの総称です。スマートフォンで撮影した領収書をOCR(光学文字認識)で自動読み取りし、交通系ICカードやコーポレートカードの利用履歴を取り込むことで、手入力の手間を削減できる点が代表的な特長です。従来の紙+Excel運用では、申請書の回付・突き戻し・二重入力といった非効率が生じやすく、月末の締め処理に業務が集中する傾向がありました。

クラウド型の経費精算システムでは、下図のように申請から会計ソフト連携までの一連の流れをシステム上で完結させることができます。

申請 承認 仕訳 会計ソフト 連携

実際に、経費精算システムの中には「楽楽精算」のように、申請から承認、仕訳、会計ソフト連携までを一気通貫で自動化できる製品もあり、こうした一連の流れをどこまでシステム化できるかが、経費精算システムを選定する際の基本的な着眼点になります。

経費精算システムを導入するメリット

経費精算システムを導入する最大のメリットは、申請・承認・仕訳という一連の業務をデジタル上で完結させ、確認や差し戻しにかかる時間を圧縮できることです。総務省「令和7年版情報通信白書」によると、企業のクラウドサービス利用率(全社利用+一部利用の合計)は2024年時点で80.6%に達し、2014年の38.7%からおよそ10年で倍増しています(総務省「令和7年版情報通信白書」2025年、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd111210.html 2026年8月8日取得)。給与・財務会計・人事分野のクラウド利用も前年から増加傾向にあり、経費精算を含むバックオフィス業務のクラウド化は、もはや一部の先進企業だけの取り組みではなくなっています。

もう一つの重要な観点は、電子帳簿保存法への対応です。2022年の法改正により、電子的に受け取った請求書や領収書などの取引情報(電子取引データ)は、紙に出力せず電子データのまま保存することが原則として義務化されています(国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」、https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm 2026年8月8日取得)。経費精算システムの多くは、この電子取引データ保存の要件(真実性の確保・検索性の確保)に対応した機能をあらかじめ備えているため、法対応と業務効率化を同時に進めやすい点が導入メリットとして挙げられます。

業種別にみる経費精算システム活用の着眼点

経費精算システムに求められる機能は、業種によって重視すべきポイントが異なります。代表的な3つの業種における着眼点を整理します。

業種 経費精算業務の課題 システム選定の着眼点
建設業 現場ごとの仮払・立替が多く、現場責任者の承認が多段階になりやすい 現場・工事案件単位での費用集計機能、多段階承認フローの柔軟な設定
製造業 出張・接待に加え、工場間の移動や部材購入の立替が発生しやすい 部門別・拠点別のコスト管理機能、既存の会計・ERPシステムとの連携性
医療・介護業 シフト制勤務者が多く、月末に申請作業が集中しやすい スマートフォンからの申請・承認のしやすさ、勤務シフトに応じた通知機能

経費精算システム導入における法務上の注意点

経費精算システムを導入する際は、前述の電子帳簿保存法に加えて、個人情報保護の観点にも留意が必要です。経費精算システムには、従業員の氏名や勤務先、場合によっては出張先・訪問先といった行動履歴に関わる情報が蓄積されます。クラウド事業者に個人データの取り扱いを委託する形態となるため、個人情報保護委員会が定めるガイドラインに沿って、委託先の選定基準や委託契約の内容を確認しておくことが望まれます(個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/ 2026年8月8日取得)。

また、インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応状況も、経費精算システムを選ぶ際に確認しておきたい点です。適格請求書に必要な記載事項の確認機能や、税率区分ごとの集計機能があるかどうかは、国税庁の案内を参照しながら自社の運用に照らして確認することをおすすめします。

※本記事の法務・制度に関する記載は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的判断や税務判断を行う際は、税理士・弁護士等の専門家、または管轄の官公庁に確認してください。

海外拠点・外国人従業員を抱える企業における経費精算システムの選び方

近年は、海外拠点との往来や外国人従業員の増加により、経費精算の運用そのものが多言語対応を求められる場面が増えています。厚生労働省の発表によると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人と、届出が義務化された平成19年以降で過去最多を更新しました(厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」2026年1月、https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html 2026年8月8日取得)。国内の職場で外国人従業員が経費精算を行う場面や、海外現地法人とのやり取りが発生する企業では、申請画面や通知メールの多言語表示、外国語レシートへの対応状況が、経費精算システムを選定する際の実務的な判断軸になります。

こうした多言語対応の要否は、国内向けの経費精算システムだけでは見えにくい部分でもあるため、英語をはじめとした多言語対応に特化して製品を整理した情報を確認しておくと、比較検討の手間を減らせます。

経費精算システム導入でよくある失敗パターン

経費精算システムの導入効果を十分に得られないケースには、共通したパターンが見られます。代表的な3つを紹介します。

  • 現場の運用ルールを整備せず導入してしまう:システムを導入しても、申請ルール(いつまでに何を申請するか)や承認者の権限を整理していないと、従来の紙運用の非効率がそのままシステム上に持ち込まれてしまいます。
  • 既存の会計ソフトとの連携方法を事前に確認していない:仕訳データの連携形式が既存の会計ソフトと合わず、結局手動でのデータ加工が発生し、二重の作業負担が生じるケースがあります。
  • 従業員への説明・研修が不十分なまま本稼働してしまう:特にスマートフォン操作に不慣れな従業員が多い現場では、申請方法の説明が不十分だと、システムへの問い合わせ対応が経理部門の新たな負担になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 経費精算システムとはどのようなサービスですか

A. 従業員が立て替えた費用の申請・承認・仕訳・会計ソフト連携までをクラウド上で一元管理できるサービスの総称です。領収書のOCR読み取りや交通系ICカードの履歴取り込みなど、手入力を減らす機能を備えているものが一般的です。

Q2. 経費精算システムを導入すると何が変わりますか

A. 申請から承認までの回付にかかる時間が短縮され、月末の集計作業に業務が集中しにくくなります。また、電子帳簿保存法が求める電子取引データの保存要件に対応した機能を備えている製品が多く、法対応の手間も軽減できます。

Q3. 中小企業でも経費精算システムは導入しやすいですか

A. 従業員数の少ない企業でも導入されている製品は多くあります。ただし、既存の運用ルールの整理や、会計ソフトとの連携方法の確認を事前に行うことが、規模を問わず導入効果を高めるポイントになります。

Q4. 経費精算システムの導入にはどの程度の期間がかかりますか

A. 必要な設定範囲や既存システムとの連携内容によって幅があり、一概には言えません。運用ルールの整理を含めた準備期間を、システム選定と並行して確保しておくことが望まれます。

Q5. 海外出張が多い場合、経費精算システムの選び方に違いはありますか

A. 外国語で発行されたレシートへの対応状況や、申請画面・通知の多言語表示に対応しているかどうかが、国内利用のみを想定した製品との違いとして表れやすい部分です。海外拠点や外国人従業員が多い企業では、この点を選定基準に加えることをおすすめします。

Q6. 経費精算システムは既存の会計ソフトと連携できますか

A. 多くの経費精算システムは、主要な会計ソフトとの連携機能を備えています。ただし連携の範囲や仕訳データの形式は製品によって異なるため、自社が使用している会計ソフトとの連携方式を導入前に確認することが重要です。

まとめ|経費精算システム導入を成功させるためにできる5つのこと

  1. 現状の経費精算業務の課題(申請の集中時期、差し戻しの多さなど)を洗い出す
  2. 電子帳簿保存法が求める電子取引データの保存要件に対応できるか確認する
  3. 自社の業種・拠点構成に合わせて、承認フローやコスト集計の粒度を整理する
  4. 既存の会計ソフトとの連携方式を事前に確認し、二重入力が発生しない設計にする
  5. 海外拠点や外国人従業員がいる場合は、多言語対応の必要性を選定基準に加える

参考文献

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