添削とは?校正・校閲との違いと文章を良くする進め方を解説
Check!
- 添削は構成や表現まで手を入れる作業
- 校正・校閲・推敲・修正とは役割が違う
- 基準を文書にして教材にすると定着する
添削(てんさく)とは、他人の文章や答案に書き加えたり削ったりして、より伝わる文章に改め直すことです。誤りを正すだけの校正や、事実関係を確かめる校閲とは違い、構成や表現そのものに手を入れる点に特徴があります。一方で、職場の添削は「上司の好みで赤字が入る」「直された理由がわからない」といった不満を生みやすく、書き手が育たないまま同じ指摘が繰り返されることも少なくありません。本記事では、添削の意味と校正・校閲・推敲・修正との違い、文章を良くする視点と進め方、使えるツールの選び方、そして職場で添削の基準をそろえて教材にする方法までを順に解説します。
あなたの職場の添削、どこから整えますか(2問診断)
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添削の指摘を研修コンテンツにする|基準づくりに使える3つのサービス
職場の添削は、よく出る指摘を教材にまとめると繰り返しを減らせます。教材づくりには、役割の異なる3つのeラーニングサービスが使えます。
職場の添削で入る赤字の多くは、実は毎回ほぼ同じ指摘です。「結論を先に」「一文を短く」「社内用語を使わない」といった指摘を1人ずつ口頭や赤ペンで伝えていると、添削者の負担は減らず、書き手も前回の指摘を忘れがちです。Before/Afterつきで教材にしておけば、書き手は添削を受ける前に自分で直せるようになります。何を教材にしたいかで選び方が変わるため、役割の違いで3つを並べました。
添削の指摘を教材にする3サービスの役割の違い
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残る2つのサービスは、理解度のテストを使う場面と、外部向け文書の法令を学ばせる場面で、それぞれ後半の「業務での添削フロー」「外部向け文書の添削で確認したい表現と法令」で紹介します。
添削とは|意味・読み方と、校正・校閲・推敲・修正との違い
添削とは、他人の文章を書き加えたり削ったりして、目的に合った、より良い文章に改めることです。読み方は「てんさく」です。誤りを見つけて正すことにとどまらず、構成の組み替えや言い換えまで含むのが特徴で、学校の作文や答案に先生が赤ペンを入れる場面が典型です。文章を直すと同時に書き手を育てる意味合いを持っています。
辞書(デジタル大辞泉)でも、添削は他人の詩歌・文章・答案などに書き加えたり削ったりして改め直すこととされています。書き加えることと削ることの両方を指す言葉のため、「添消」と書くのは誤りで、正しくは「添削」です。
添削の類語・言い換え
「添削する」は、文脈によって「手直しする」「手を入れる」「赤を入れる(朱を入れる)」「加筆訂正する」「推敲する」などに言い換えられます。ただし、「推敲する」は書き手本人が練り直す場合、「校正する」は誤りを正す場合に使う言葉で、他人の文章に手を入れる添削とは主体や範囲が少しずつ違います。言い換えるときは、誰の文章に、どこまで手を入れるのかで選びます。
似た言葉との違いは、「何を見るか」「誰が行うか」「どこまで書き換えるか」の3つで整理するとわかりやすくなります。
| 作業 | 主に見るもの | 行う人 | 書き換えの度合い |
|---|---|---|---|
| 添削 | 構成、表現、論理のつながり、読み手への伝わり方 | 書き手より経験や知識のある第三者 | 大きい(段落の入れ替えや言い換えもある) |
| 校正 | 誤字・脱字、表記のゆれ、体裁 | 書き手以外の確認者 | 小さい(文字単位の修正) |
| 校閲 | 事実関係、数値や固有名詞の正しさ、内容の矛盾 | 内容を確認する担当者 | 指摘が中心で、表現には原則手を入れない |
| 推敲 | 言葉選び、表現、構成 | 書き手本人 | 書き手の判断で自由に変える |
| 修正 | 文章に限らず、計画や数値など不十分・不適当な点 | 誰でも(指定はない) | 誤りや不十分な点を改め直す範囲で、度合いは決まっていない |
たとえば「弊社の新サービスは、業界でも類を見ないほど多くの機能を持っており、お客様の様々な課題を解決することが可能となっております。」という一文があったとします。「様々」の表記を社内ルールに合わせて直すのは校正、「機能数が本当に業界最多なのか」を確かめるのは校閲です。添削では「どの課題をどう解決するのかが書かれていない」と内容の伝わり方を指摘し、「新サービスは、請求書の作成から送付までを1つの画面で完結できます。」のように文章そのものを組み立て直すこともあります。
添削と修正の違い
添削と修正の違いは、対象と手の入れ方にあります。デジタル大辞泉では、修正は不十分・不適当と思われるところを改め直すこととされ、文章の誤りだけでなく、計画や軌道など幅広いものが対象になります。一方の添削は、他人の文章や答案に書き加えたり削ったりして改め直す点に特徴があります。「文章を修正する」は誤りや不備を直すニュアンスが中心で、添削は構成や表現まで整える作業と整理できます。なお、「文章を修正する」は、辞書の類語にある「直す」「手直しする」などに言い換えられます。
推敲と添削は、どちらも文章を良くする作業ですが、行う人が違います。自分で練り直すのが推敲、他人に直してもらうのが添削です。なお、実務では言葉の使い分けがあいまいなことも多く、「校正をお願いします」と頼まれて内容まで直すことを期待されている場合もあります。依頼を受けたら、どこまで手を入れてよいかを最初に確認しておくと行き違いを防げます。誤字や表記の確認、つまり校正の具体的な進め方については、校正とは?校閲との違い・進め方・効率化の方法を解説で詳しく扱っています。
文章を良くするための添削の視点(構成・語彙・冗長表現)
添削で見るべき視点は、大きいものから順に「構成」「語彙」「冗長表現」の3層に分けられます。細かい言い回しから直し始めると、後で段落ごと入れ替えたときに直した箇所が無駄になるため、大きい層から確認するのが効率的です。
構成:結論の位置と論理のつながり
最初に見るのは、文章全体の組み立てです。ビジネス文書では、読み手が最初に知りたいのは結論であることが多いため、結論が冒頭に来ているかを確認します。そのうえで、結論と根拠がつながっているか、段落ごとに話題が1つに絞られているか、同じ内容が別の箇所で繰り返されていないかを見ます。構成の問題は、読み手が「結局何が言いたいのか」と感じる原因になりやすく、ここを直すだけで文章の印象は大きく変わります。
語彙:読み手に合った言葉選び
次に、使われている言葉が読み手に合っているかを見ます。社内でしか通じない略語、専門用語の説明不足、同じ意味の言葉の不統一(「顧客」と「お客様」の混在など)が主な確認ポイントです。文化庁の「公用文作成の考え方」でも、読み手に合わせて専門用語を言い換えたり説明を加えたりすることが示されており、行政文書に限らずビジネス文書の添削にもそのまま使える考え方です。
冗長表現:一文の長さと不要な言葉
最後に、一文単位で読みやすさを整えます。一文に複数の内容を詰め込んでいないか、「確認することが可能です」のような回りくどい言い方や、「まず最初に」のような重複表現がないかを確認します。目安として、一文が長くなりすぎた場合は2文に分けられないかを検討します。冗長表現は書き手本人が気づきにくいため、第三者の添削が特に効果を発揮する部分です。
| 視点 | 確認する問い | よくある修正 |
|---|---|---|
| 構成 | 結論は冒頭にあるか。根拠とつながっているか | 段落の入れ替え、結論の前出し、重複段落の削除 |
| 語彙 | 読み手が意味を理解できる言葉か。用語は統一されているか | 専門用語の言い換え、略語の展開、用語の統一 |
| 冗長表現 | 一文に内容を詰め込みすぎていないか。不要な言葉はないか | 文の分割、回りくどい言い方の簡略化、重複表現の削除 |
文書の種類で変える添削の深さ
すべての文章に同じ深さの添削をすると、添削者の負担が増えるうえ、社内メールのように速さが大切な文書では連絡が遅れます。文書の目的と読み手に応じて、添削の深さを決めておくと運用しやすくなります。次の表は、考え方の目安です。
| 文書の種類 | 添削の深さの目安 | 重点を置く確認 |
|---|---|---|
| 社内メール・チャット | 校正中心。添削は必要なときだけ | 宛名、日時、誤字、依頼内容が1回で伝わるか |
| 報告書 | 構成と根拠を中心に添削 | 結論、数字の根拠、事実と意見の区別、次の行動 |
| 提案書・企画書 | 構成・語彙・冗長表現のすべてを添削 | 読み手が判断するのに必要な情報がそろっているか |
| 広告・プレスリリース・Web記事 | 添削に加えて、表現と事実の確認 | 誇張がないか、根拠を示せるか、法令に照らして問題がないか |
報告書の添削では、次の5点を順に確認すると、赤字が散らばりにくくなります。
- 何のための報告か(目的)と、読み手に取ってほしい行動が冒頭に書かれているか
- 数字や日付に、出どころ(資料名や集計期間)が添えられているか
- 事実と、書き手の意見や推測が区別されているか
- 問題点だけで終わらず、次に何をするかが書かれているか
- 読み手が知らない社内用語や略語が、説明なしに使われていないか
添削の基本的な進め方
添削は「目的の確認、全体の通読、大きい層から修正、理由を添えて返却」の4段階で進めると、手戻りが少なく、書き手にも伝わりやすくなります。
1. 文章の目的と読み手を確認する
添削を始める前に、その文章を誰に読ませ、読んだ後にどう動いてほしいのかを確認します。同じ提案書でも、決裁者向けなら結論と費用対効果を前に、現場担当者向けなら運用の手順を厚くするなど、良い文章の基準は目的によって変わるためです。目的がわからないまま添削すると、添削者の好みで直すことになり、書き手の納得も得にくくなります。あわせて「どこまで手を入れてよいか」(誤字だけか、構成まで直してよいか)も確認しておきます。
2. 最後まで通して読み、全体の問題をつかむ
いきなり赤字を入れず、まず最後まで読み通します。読み終えた時点で「何が言いたい文章か」を一言でまとめられない場合は、構成に問題がある可能性が高いと判断できます。この段階では細かい表現には触れず、気になった箇所に印を付ける程度にとどめます。
3. 構成、語彙、冗長表現の順に直す
前の章で紹介した3つの視点を、大きい層から順に適用します。構成を直してから語彙や一文の長さを整えることで、直した箇所が後の修正で消えてしまう無駄を防げます。すべての問題を一度に直そうとせず、重要度の高いものから優先して指摘するのがコツです。赤字が多すぎると、書き手は何から直せばよいかわからなくなります。
4. 修正の理由を添えて返す
添削が校正と大きく違うのは、書き手が次に同じ間違いをしないよう育てる役割を持っている点です。そのため、直した文だけを返すのではなく、「結論が後半にあるため前に出しました」のように理由を短く添えます。理由がわかれば、書き手は次の文章から自分で直せるようになります。良い表現には「ここは具体例があって伝わりやすい」と残す理由も伝えると、書き手は自分の強みを把握できます。
添削の後に校正を行う
添削で内容や表現を大きく変えた後は、新たな誤字や表記のゆれが生まれていることがあります。添削で文章を練り上げ、最後に校正で仕上げる順番にすると、二度手間を防げます。順番が逆になると、校正で整えた箇所を添削で書き換えてしまい、もう一度校正が必要になります。
添削を依頼する・お礼を伝えるときの言い方
「添削ありがとうございます」は敬語として使えますが、目上の人には「ご添削いただき、ありがとうございます」と伝えると、より丁寧です。
文化庁の「敬語の指針」では、「ございます」は丁寧語のなかでも丁寧さの度合いが高い言い方とされています。また、「御利用いただきましてありがとうございます」のように「いただく」を使う言い方と、「御利用くださいまして」のように「くださる」を使う言い方は、どちらも適切とされています。「添削」も同じ形で使え、自分が相手の添削を受けるときは「ご添削いただく」、相手の行為を立てて言うときは「ご添削くださる」になります。
| 場面 | 言い方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 上司・取引先に依頼する | 「資料のご添削をお願いできますでしょうか」 | 目的、読み手、締め切り、直してよい範囲を添える |
| 上司・取引先にお礼を伝える | 「ご添削いただき、ありがとうございます」 | 直しを受けて何が変わったかを一言添えると伝わりやすい |
| 先輩・同僚にお礼を伝える | 「添削ありがとうございます」「添削していただき、ありがとうございました」 | 社内の関係性に合わせて丁寧さを選ぶ |
| 修正の意図を確認する | 「この箇所を直した理由を教えていただけますか」 | 不満ではなく、次に活かすための質問として聞く |
添削に使えるツール・サービスの種類と選び方
文章の添削に使えるものは、人による添削、文書作成ソフトの校正機能、専用ツール、生成AIの4種類です。文書の重要度と目的に応じて使い分けます。
文章の添削に使えるソフトは何がある?
Microsoft Wordなどの文書作成ソフトには、入力中に誤字や文法の候補を示す校正機能があります。対応する言語や機能は、製品や版によって異なるため、公式のヘルプで確認してください。専用のソフトやクラウドサービスの場合は、表記ゆれの検出や社内用語ルールの適用ができるものがあります。生成AIは、言い換え案の提示や冗長表現の圧縮に使えます。それぞれの得意なこととつまずきやすい点を、次の表にまとめました。
| 種類 | 得意なこと | 注意したい点 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 人(上司・同僚・外部の添削サービス) | 目的や文脈を踏まえた構成・伝わり方の判断 | 時間や費用がかかる。添削者によって基準がぶれる | 提案書など重要な文書、書き手の育成 |
| 文書作成ソフトの校正機能(Microsoft Wordなど) | 誤字や文法の候補の表示 | 構成や表現の改善提案は限られる。対応言語や機能は製品・版で異なる | 日常の誤字・表記の確認 |
| 専用の校正・添削ツール | 表記ゆれの検出、用語統一、社内ルールの適用 | 校正だけか、添削まで対応するかは製品で異なる | 複数人が書く文書の品質をそろえたいとき |
| 生成AI | 言い換え案、冗長表現の圧縮、トーンの調整 | 意味が変わることがある。入力した文章の取り扱いに注意が必要 | 一次チェックや案出し |
選ぶときの4つの確認点
- 校正(誤りの指摘)だけか、構成や表現の改善提案まで対応するか
- 自社の用語や表記ルールを登録して、社内の基準で確認できるか
- 入力した文章がどう扱われるか(社外秘や個人情報を入力してよいか、学習に使われないか)
- 普段使う文書作成の流れ(Word、メール、CMSなど)に組み込めるか
ツールを入れても、添削の基準が決まっていないと、指摘の良し悪しを判断できません。まず基準を決め、ツールはその基準を機械的に確認する役割に置くと、導入が定着しやすくなります。文章校正ツールの選び方は文章校正とは?やり方・チェックリストとツールの選び方を解説で、AIを使った添削の進め方はAI文章添削とチェッカーの違い|使い方と業務フロー・指示文の例でも詳しく扱っています。
生成AIで添削するときの注意点
生成AIは、冗長表現の指摘や言い換え案の提示など、添削の一次チェックに役立ちます。一方で、文章の目的や社内の事情を踏まえた判断は苦手で、意味を変えてしまう書き換えをすることもあります。AIの提案はあくまで候補として扱い、採用するかどうかは人が判断する使い方が基本です。
- AIに添削を頼むときは、文章の目的と読み手、直してよい範囲を指示に含める
- AIが書き換えた箇所は元の文と見比べ、意味や事実が変わっていないかを確認する
- 社外秘の情報や個人情報を含む文章を入力してよいか、社内のルールを事前に確認する
- AIの修正を受け入れるだけでは書き手の力は伸びないため、修正の理由を書き手自身が説明できるかを確かめる
「AIで冗長表現を洗い出し、人が構成と内容を判断する」という分担にすると、添削者の負担を減らしつつ、目的に合った添削を保ちやすくなります。なお、AIの修正の理由を書き手が説明できるかは、口頭で聞くだけでは人によって確認の深さが変わります。悪文を直す小テストの形にしておけば、全員に同じ基準で確かめられます。選択式・穴埋め・記述など複数の形式でテストを作れるサービスもあります。
添削でよくある失敗パターン
添削の失敗は、文章の出来よりも「添削のやり方」に原因があることがほとんどです。職場で起こりやすい失敗と、その改善例を整理しました。
| 失敗パターン | Before(よくあるやり方) | After(改善したやり方) |
|---|---|---|
| 好みで直す | 添削者の言い回しの好みに書き換え、意味が同じ表現まで修正する | 読み手に伝わるかどうかを基準にし、問題のない表現は残す |
| 理由を書かない | 修正後の文だけを返し、書き手は何が悪かったのかわからない | 主な修正に1行の理由を添え、次回に活かせるようにする |
| 全部直してしまう | 添削者がほぼ書き直し、書き手の原稿が残らない | 重要な指摘に絞り、直し方の方向性を示して書き手に直してもらう |
| 細部から直す | 一文ずつ言い回しを直した後に構成を変え、修正が無駄になる | 構成、語彙、冗長表現の順に大きい問題から直す |
| 添削者ごとに基準が違う | 上司Aと上司Bで逆の指摘が入り、書き手が混乱する | チーム共通の添削基準を文書にし、添削者同士でもそろえる |
特に見落とされやすいのが、最後の「添削者ごとに基準が違う」問題です。添削者が複数いる職場では、書き手は「どの上司に見てもらうか」で直し方を変えるようになり、文章力そのものは伸びにくくなります。基準のずれは添削者本人には自覚しにくいため、同じ文章を複数の添削者が添削して結果を見比べると、どこで判断が分かれるかを確認できます。基準のずれを添削者の努力だけで抑えるのではなく、教育の仕組みで減らす会社もあります。よく出る指摘と直し方を研修コースにまとめておけば、新しく添削を担当する人にも同じ基準を渡せます。
業務での添削フローの作り方
職場の添削を個人の力量任せにしないためには、「基準」「手順」「記録」の3つを仕組みにすることが近道です。
添削の基準を文書にする
まず、チームで共通して使う添削の基準を1枚にまとめます。結論の位置、一文の長さの目安、使わない言葉、用語の統一ルールなど、過去の添削で繰り返し出てきた指摘から作ると実態に合った基準になります。表記の部分は、文化庁の「公用文作成の考え方」や常用漢字表などの公的な基準を土台にし、自社固有の用語だけを追加すると作りやすくなります。
依頼と返却の手順を決める
添削を依頼するときに伝える項目(文章の目的、読み手、締め切り、直してよい範囲)と、返却の形式(修正履歴を残す、主な修正に理由を書く)を決めておきます。文書ごとに添削者を決めておけば、「誰に見てもらえばよいかわからない」という迷いも減ります。重要度の低い社内向け文書は自己チェックのみ、社外向けの提案書は添削と校正の両方、のように文書の種類で手順を分けると、添削者の負担を抑えられます。
添削の記録を教材として蓄積する
添削の結果は、その場限りで終わらせずに記録しておくと、チームの財産になります。よく出る指摘のBefore/Afterを集めておけば、新しく入ったメンバーは添削を受ける前に自分で直せるようになり、添削者ごとの基準のずれも見つけやすくなります。教材にするときは、次の観点で整理すると作りやすくなります。
| 添削の現場で起きていること | 研修コンテンツにするときのポイント |
|---|---|
| 同じ指摘を何人にも繰り返している | 頻出の指摘を10個程度に絞り、1項目1画面の短い教材にする |
| 直した理由が伝わっていない | 修正前後の文を並べ、なぜ直したかを1行で添える |
| 学んだはずの内容が身についていない | 悪文を直す小テストを付け、理解度を確認できるようにする |
| 添削する人によって基準が違う | 添削者向けの教材も用意し、指摘の基準そのものを共有する |
蓄積した添削例に小テストを付けて、理解度まで確かめたい場合の一例がSAKU-SAKU Testing(株式会社イー・コミュニケーションズ)です。eラーニングプラットフォームとして、ドリル・テスト・アンケートの作成や、受講状況のリアルタイム集計ができ、既存の問題と自社オリジナルの問題を1つのテストにまとめられる点が特徴です。添削のBefore/Afterを自社の設問にすれば、「読んだはずなのに身についていない」という状態を、受講結果で確認できます。一方で、事務局運営やカスタマーデスクの利用はオプション扱いのため、必要な範囲を事前に確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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導入企業の声として、メディカル・データ・ビジョン株式会社の担当者は、自社の設問を含めてテストを運用できる点を次のように語っています。
「1つのテストの中にコンプライアンス総合問題集の設問と当社オリジナルの設問を一緒にできるので助かっています。」
SAKU-SAKU Testing導入事例(https://www.e-coms.co.jp/jirei/jirei29)。個別の事例であり、同様の結果を保証するものではありません。
自分の職場の添削の運用が整っているかを、次の5項目で確かめてみてください。
職場の添削、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
外部向け文書の添削で確認したい表現と法令
広告やプレスリリースなど外部に出す文章の添削では、読みやすさに加えて、景品表示法などに照らして書いてよい表現かの確認も必要です。なお、本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の表現が法令に抵触するかは、消費者庁の資料や弁護士などの専門家に確認してください。
消費者庁によると、景品表示法は、消費者に誤認される不当な表示を禁止しています。代表的なものに、商品・サービスの内容を実際のものよりも著しく優良であると示す優良誤認表示(5条1号)と、価格などの取引条件を実際のものよりも著しく有利であると誤認させる有利誤認表示(5条2号)があります。また、優良誤認表示にあたるかの判断が必要な場合、消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を事業者に求めることができるとされています(不実証広告規制)。添削では、次のような表現を見つけたら、根拠を示せるかを確認します。
| 添削で見つけたい表現 | 確認すること |
|---|---|
| 「国内最大級」「最安」などの最上級・比較表現 | 比較の対象、時期、調査元を示せるか。示せなければ表現を改める |
| 効果や性能を言い切る表現 | 効果や性能の裏付けとなる資料が手元にあるか |
| 「今だけ」「限定」など条件を示す表現 | 期間や数量、価格などの条件が実際と合っているか |
こうした法令の知識は、添削者だけが知っていても、書き手が知らなければ同じ指摘が繰り返されます。外部向けの文章を書く人に、景品表示法などの知識を定期的に学んでもらいたい場合の一例が、OneCompliance(ワンコンプライアンス)(株式会社Oyster)です。コンプライアンス研修に特化したeラーニングで、景品表示法、個人情報保護法、情報セキュリティなどのコースが用意されており、ダッシュボードや自動リマインダーで受講状況を管理できます。コースの詳しい内容は資料で確認できます。費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせでの確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 添削とはどういう意味ですか
A. 他人の文章に書き加えたり削ったりして、目的に合ったより良い文章に改めることです。読み方は「てんさく」で、誤りを正すだけでなく、構成や表現まで手を入れる点が特徴です。
Q2. 添削と校正・推敲の違いは何ですか
A. 校正は誤字・脱字や表記のゆれなど文字の誤りを正す作業、推敲は書き手本人が練り直すこと、添削は第三者が構成や表現まで手を入れて文章を良くすることです。添削の後に校正を行うと二度手間を防げます。
Q3. 添削と修正の違いは何ですか
A. 修正は、文章に限らず不十分・不適当な点を改め直すことを広く指します。添削は、他人の文章や答案に書き加えたり削ったりして改め直すことです。「文章を修正する」は「直す」「手直しする」と言い換えられます。
Q4. 「添削ありがとうございます」は敬語ですか
A. 「ございます」は丁寧語で、敬語として使えます。目上の人には「ご添削いただき、ありがとうございます」「ご添削くださり、ありがとうございます」と伝えると、より丁寧です。
Q5. 文章の添削に使えるソフトは何がありますか
A. Microsoft Wordなどの文書作成ソフトの校正機能、専用の校正・添削ツール、生成AIがあります。校正だけか添削まで対応するかは製品で異なり、AIの提案は人が最終判断します。機密情報の入力可否も事前に確認が必要です。
Q6. 職場で添削の基準をそろえるにはどうすればよいですか
A. よく出る指摘から共通の添削基準を作り、添削例を記録して教材として共有することです。eラーニングで配信すれば、理解度や受講状況まで把握できます。
まとめ|今日からできる5つのこと
添削は、他人の文章の構成や表現に手を入れて、より伝わる文章に改める作業です。誤りを正す校正、事実を確かめる校閲、自分で練り直す推敲、幅広い対象を直す修正とは役割が異なり、書き手を育てる側面を持っています。職場で添削を活かすために、次の5つから始めてみてください。
- 添削を始める前に、文章の目的・読み手・直してよい範囲を確認する
- 構成、語彙、冗長表現の順に、大きい問題から直す
- 主な修正には理由を1行添えて返す
- ツールや生成AIは一次チェックに使い、採用するかどうかは人が判断する
- よく出る指摘をBefore/Afterで記録し、研修コース・小テスト・法令研修などの教材として共有する仕組みを検討する(資料で各サービスを比べる)
参考文献
- 小学館「デジタル大辞泉」(コトバンク)「添削」 https://kotobank.jp/word/%E6%B7%BB%E5%89%8A
- 小学館「デジタル大辞泉」(コトバンク)「修正」 https://kotobank.jp/word/%E4%BF%AE%E6%AD%A3
- Weblio類語辞典「添削する」 https://thesaurus.weblio.jp/content/%E6%B7%BB%E5%89%8A%E3%81%99%E3%82%8B
- 文化庁「敬語の指針」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf
- 消費者庁「表示規制の概要」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/
- Microsoft サポート「Office でスペル チェックと文章校正を行う」 https://support.microsoft.com/ja-jp/office/check-spelling-and-grammar-in-office
- 文化庁「文化審議会建議「公用文作成の考え方」について」 https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93650001.html
- 文化庁「常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)」 https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/kanji/index.html

