後払いとは?種類・仕組みとメリット・導入の概要を解説

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  • 後払いの意味と仕組み、BNPLとの関係がわかる
  • 代金引換・クレジットカードとの違いを比べられる
  • 自社運用との違いと法人向けの掛け払いがわかる

後払いとは、商品やサービスを受け取った後に代金を支払う決済方法の総称です。ECサイトでは、クレジットカードを使わずに商品の到着後にコンビニや銀行で支払う「後払い決済」を指すことが多く、企業間の取引では、月末締め翌月末払いのような「掛け払い」が後払いにあたります。「後払いに対応していないから購入をやめた」という声や、取引先からの「請求書払いにしてほしい」という要望をきっかけに、導入を考え始めた方も多いのではないでしょうか。この記事では、後払いの意味と仕組み、種類、代金引換やクレジットカードとの違い、自社で運用する場合との違い、法人向けの掛け払い、導入の進め方とよくある失敗までを、事業者の目線で整理します。決済手段全体を比較したい方は決済代行サービスのおすすめ17選を徹底比較もあわせてご覧ください。

あなたに合う後払いのタイプを診断(2問)

Q1. 後払いを提供したい相手は?

目次

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  1. 後払い・掛け払いサービスの比較|消費者向けと企業間向けの違い
  2. 後払いとは|意味・仕組みとBNPL
  3. 後払いの種類|3つの分け方と、代金引換・クレジットカードとの違い
  4. 後払いのメリット・デメリット|購入者と事業者の両面
  5. 消費者向け後払いの導入|EC・店舗での進め方
  6. 法人向けの後払い(BtoB)とは|企業間取引の掛け払い
  7. 後払い導入でよくある失敗パターン
  8. 後払いの導入効果を数値で確認する
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|後払いは「誰に提供するか」から選ぶ
  11. 参考文献

後払い・掛け払いサービスの比較|消費者向けと企業間向けの違い

後払いサービスは、個人の消費者向けの「後払い決済」と、法人の取引先向けの「掛け払い」に大きく分かれます。どちらも決済事業者が与信審査と請求・回収を担い、事業者は未回収のリスクを抑えられる点は共通ですが、保証の条件や、対象となる取引、得意とする運用が異なります。

以下は、各サービスの商品ページと公式サイトで確認した内容(2026年10月15日確認)をもとに、役割の違いを比べたものです。優劣や順位をつけるものではありません。料金は取扱高や商材によって変わるため、具体的な金額は各社の資料や見積もりで確認してください。

後払い・掛け払いサービスの役割の違いを比べる

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:GMO後払いは、請求書の発行・督促・入金管理を同社が行う、個人のお客様向けのEC用の後払いです。

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この状況に合う一例:GMO掛け払いは、買い手側の書類提出が不要で、情報を入力すれば初回の取引から利用できると案内されています。

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この状況に合う一例:マネーフォワード 掛け払いは、請求書の発行から入金消込・督促までを代行し、会計ソフトとの連携やAPIにも対応しています。

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サービス GMO後払い GMO掛け払い マネーフォワード 掛け払い
向いている会社 カードより現金で払いたい顧客を抱えるEC事業の会社 新規の取引先を広げたいが、未回収のリスクは抑えたい会社 与信・請求書・消込・督促をまとめて任せ、請求業務の課題を減らしたい会社
特徴 決済時にその場で与信審査を行うリアルタイム与信。与信を通過し正常に完了した取引の未回収リスクは同社が負担し、請求書の発行・督促・入金管理を代行する 決済時にリアルタイムで与信を行い、取引企業ごとに利用上限枠を設定。与信を通過し正常に完了した取引の未回収リスクは同社が負担し、請求書の発行・入金確認・督促を代行する。買い手は書類の提出が不要 機械学習を用いた審査モデルで、与信は最短1秒とされている。所定の条件を満たした場合に入金を保証し、適格請求書の発行と電子帳簿保存法の要件を満たした保存、入金消込、督促を代行。マネーフォワード クラウド会計との連携やAPIにも対応
注意したい点 対面販売や電話受注には対応していない。Webサイトが未完成の場合も対象外 手数料や固定費は幅があり、取り扱う商材や販売方法によって負担が変わる場合があるため、見積もりで確認する 業種や商材によっては利用できない場合がある。操作はデモ版で確認できる
資料・詳細

3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

ECサイトで個人のお客様に後払いを提供したい場合は、消費者向けの後払い決済が候補になります。特に、クレジットカードの入力に抵抗がある層や、商品を確認してから支払いたい層の取りこぼしを減らしたい場合に向いています。決済時にその場で与信が行われるサービスであれば、購入意欲が高いうちに注文を完了してもらえ、請求書の発行や未払い時の督促も任せられます。

GMOペイメントサービス株式会社

GMO後払い

GMO後払い
出典:www.gmo-ps.com

GMOペイメントサービス株式会社

GMO後払い

カードより現金で払いたい顧客を抱えるEC事業におすすめ

全体評価
4.5 (2件)
GOOD

ここがおすすめ!

  • 決済時に与信審査が行える「アルタイム与信」は業界最長の事績を持ち、安心かつスムーズな取引が可能
  • 与信審査通過かつ正常に完了した取引に限り、業界最低水準の料金設定で「未回収リスク100%保証」
MORE

ここが少し気になる…

  • サイトが未完成の場合や、対面販売・電話受注販売には対応していない
評価・口コミ(一部抜粋)
4.5
  • 昨今、クレジットカード決済でのオンライン注文が当たり前だが、個人情報やクレジットカード決済をしたくない方、そのやり方がわからないシニア層にとってはオンライン注文のハードルが後払いの支払い方法がある事により下がったと思う。特に、現金で支払いたいが、代引きはNGという方にとってもむいていると思う。

  • GMO後払いを利用することで、代金未回収のリスクを大幅に軽減できたのが大きなメリットです。特に医療や通販など、商品やサービスを先に提供する業態では、支払い遅延や未払いが課題でしたが、このサービスにより与信審査や回収業務を任せられるようになり、スタッフの負担も軽減されました。顧客側も手元に商品が届いてから支払える安心感があるため、購買率アップにもつながっていると思います。

導入企業の声として、ECサイト「hugkumi+」を運営する株式会社はぐくみプラスは、未払いのお客様への督促状の作成と送付を自社で行っていた負担を理由にGMO後払いへ切り替え、次のように述べています。

「やはり、社内から請求書発行・回収業務がなくなったというのが一番のメリットですね。」

出典:GMOペイメントサービス「株式会社はぐくみプラス 様 導入事例」(取締役のコメント。取材時期は2022年3月。2026年10月15日確認)

一方、法人の取引先への請求書払いを外部に任せたい場合は、掛け払いサービスが候補になります。GMO掛け払いとマネーフォワード 掛け払いは、与信管理と請求業務のどちらを重視するかで選び方が変わるため、後半の「法人向けの後払い(BtoB)とは」で、それぞれ向いている場面とあわせて紹介します。

後払いとは|意味・仕組みとBNPL

後払いとは、商品やサービスを受け取った後に代金を支払う決済方法の総称です。消費者庁は、決済方法を「前払い」「即時払い」「後払い」の3つに分類し、後払いを「商品・サービスの提供を受けた後に支払いをする方法」と説明しています(出典:消費者庁「決済について」2026年10月15日確認)。

広い意味ではクレジットカードも後払いの一種ですが、ECサイトの支払い方法として「後払い」と表示されている場合は、クレジットカードを使わずに、商品の到着後にコンビニや銀行振込などで支払う後払い決済サービスを指すことがほとんどです。海外ではこうしたサービスを「Buy Now, Pay Later(今買って、後で払う)」の頭文字からBNPLと呼び、日本でもこの呼び方が広まっています。

後払い決済の基本的な流れ

後払い決済サービスでは、事業者(加盟店)と購入者の間に決済事業者が入り、代金の立替えと回収を担います。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 購入者がECサイトで商品を選び、支払い方法として後払いを選択する
  2. 決済事業者が、氏名・住所・電話番号や過去の利用状況などをもとに与信審査を行う
  3. 審査を通過すると注文が確定し、事業者は商品を発送する
  4. 購入者のもとに商品と請求書(同梱または別送、あるいはスマートフォンへの通知)が届く
  5. 購入者は期日までにコンビニ・銀行・スマートフォン決済などで代金を支払う
  6. 決済事業者は、購入者の支払い状況にかかわらず、所定の期日に事業者へ代金を入金する(保証型の場合)

事業者にとってのポイントは、5番目と6番目が切り離されていることです。購入者が支払いを遅らせたり、支払わなかったりしても、与信を通過して正常に完了した取引であれば、事業者には代金が入金されます。督促や回収は決済事業者が行うため、事業者は未回収の心配と回収業務の両方から解放されます。その対価として、事業者は決済手数料と請求書の発行費用を負担します。

後払い決済と割賦販売法の関係

クレジットカードや分割払いのローンは割賦販売法の規制を受けますが、2か月以内に一括で支払う後払い決済サービスは、同法の信用購入あっせんの規制対象にはあたらないのが一般的です。経済産業省は、信用購入あっせん業者を「消費者が販売業者で購入した商品等の代金等を立て替え払いし、2か月を超える期間で消費者から当該代金等の支払いを受ける事業者」と説明しています(出典:経済産業省「割賦販売法(後払分野)の概要・FAQ」問15、2026年10月15日確認)。

国民生活センターも、後払い決済サービスを「クレジットカード等を用いず、2カ月以内での後払いができるサービス」と説明しています(出典:国民生活センター「増加し続ける後払い決済サービスが関連する消費者トラブル」2026年10月15日確認)。規制の枠組みがクレジットカードと異なるからこそ、加盟店となる事業者にも、表示や契約条件をわかりやすく示す責任が求められます。この点は後半の失敗パターンで詳しく扱います。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的助言ではありません。自社の取引が規制の対象となるかどうかは、弁護士などの専門家や決済事業者に確認してください。

後払いの種類|3つの分け方と、代金引換・クレジットカードとの違い

後払いの種類は、「誰に提供するか」「どう支払うか」「未回収のリスクを誰が負うか」の3つの軸で整理できます。自社の商品や客層に合うタイプを選ぶときは、この3つを順に決めていくと迷いにくくなります。

3つの軸で見る後払いの種類

分け方 タイプ 特徴 事業者が確認したい点
誰に提供するか 個人向け(BtoC)の後払い決済 購入者が1回の注文ごとに支払う。注文時の与信と請求書の発行の自動化が重要 利用上限額と、対応する販売チャネル(EC・電話受注・店頭)
誰に提供するか 法人向け(BtoB)の掛け払い 取引先と合意した締め日と期日で、取引をまとめて請求する。取引が継続し、1件あたりの金額が大きい 取引先ごとの与信枠、請求書の形式、会計ソフトとの連携
どう支払うか 請求書型 商品の到着後、請求書を使ってコンビニ・銀行・郵便局などで支払う 請求書の発行方法(同梱・別送・スマートフォンへの通知)と支払い期限
どう支払うか 支払い方法を選べるタイプ(BNPLと呼ばれることが多い) アプリやクレジットカードなどで、翌月払い・分割払いなどを購入者が選べるサービスもある 分割手数料の負担者と、購入者ごとの利用上限額
未回収のリスクを誰が負うか 保証型 与信を通過し正常に完了した取引について、購入者が支払わなくても決済事業者が代金を入金する 保証の対象外となる取引と、その条件
未回収のリスクを誰が負うか 保証のない型 購入者が支払わない場合の未回収は、事業者に残る 督促・回収の運用を自社で持てるか

表の「支払い方法を選べるタイプ」は、決済事業者の解説を参考にしています(出典:SBペイメントサービス「BNPL(後払い決済)とは?メリットやクレジットカードとの違いを解説」2026年10月15日確認)。利用シーンも広がっています。物販のECサイトに加え、旅行予約やデジタルコンテンツなどのサービス系EC、スマートフォンアプリのQRコード決済機能を使った実店舗での対面決済でも、後払いが使われるようになっています(出典:信金中央金庫 地域・中小企業研究所「急成長する国内後払い決済サービス市場の動向」)。ただし、サービスによっては対面販売や電話受注に対応していないため、販売チャネルごとに利用できるかを事前に確認してください。

請求書型の代表的なサービスであるNP後払いの仕組みや手数料の考え方は、後払い決済サービスとは?仕組み・手数料の考え方とBtoC後払い・BtoB掛け払いの選び方で詳しく解説しています。

前払い・代金引換・クレジットカードなど、ほかの決済方法との比較

支払いのタイミングで見ると、決済方法は前払い・即時払い・後払いに分かれ、事業者と購入者のどちらがリスクを負うかが入れ替わります。前払いは事業者が安心でも購入者に不安が残り、後払いは購入者が安心でも、事業者に未回収のリスクが生じます。後払い決済サービスは、そのリスクを決済事業者が引き受ける仕組みといえます。

支払い方法 支払いのタイミング 購入者から見た特徴 事業者から見た特徴
銀行振込(前払い) 商品発送前 振込の手間があり、商品が届かないリスクを感じやすい 未回収リスクはないが、入金確認まで発送できず、振込を待つ間の離脱が起きやすい
代金引換 商品受け取り時 受け取り時に在宅と現金の用意が必要 受け取り拒否による返送のリスクと、代引き手数料の説明が必要
クレジットカード 後日、カード会社経由で引き落とし カード番号の入力に抵抗がある人、カードを持たない人は使えない 入金は確実だが、カード情報の取扱いやセキュリティ対策が求められる
後払い決済(BNPL) 商品到着後、期日までに支払い 商品を確認してから支払え、カード情報を入力せずに済む 保証型なら未回収リスクを決済事業者が負う。手数料と請求書発行費用がかかる
キャリア決済 携帯電話料金と合算して後日支払い 携帯電話の契約者なら手軽に使えるが、利用上限額がある デジタルコンテンツなど少額の決済と相性がよい
掛け払い(企業間) 月末締め翌月末払いなど、取引先と合意した期日 発注ごとに支払わず、月単位でまとめて支払える 与信管理・請求書発行・入金消込・督促の業務が発生し、貸し倒れのリスクもある

表のとおり、同じ「後払い」でも、個人向けの後払い決済と企業間の掛け払いは、支払い期日の決まり方も、事業者が抱える業務も大きく異なります。個人向けは1件あたりの金額が小さく件数が多いため、注文の瞬間に与信できることと、請求書の発行を自動化できることが重要です。企業間は1件あたりの金額が大きく、取引が継続するため、取引先ごとの与信枠の管理と、月次の請求・消込業務の効率化が重要になります。このあとのセクションでは、この2つを分けて導入の進め方を解説します。

代金引換(代引き)と後払いの違い

代金引換(代引き)は商品の受け取りと同時に代金を支払う方法で、後払いは商品を受け取った後に、請求書の期日までに支払う方法です。

消費者庁は決済方法を前払い・即時払い・後払いの3つに分け、代金引換を、受け取りと同時に支払う即時払いの例として挙げています(出典:消費者庁「決済について」2026年10月15日確認)。一方、後払いは、先に商品やサービスを受け取り、あとから支払う方法です。信金中央金庫の資料は、購入した商品を実際に確認してから代金を支払いたいという需要から、後払い決済サービスが代金引換の代替手段として広がったと説明しています(出典:信金中央金庫 地域・中小企業研究所「急成長する国内後払い決済サービス市場の動向」)。事業者から見た違いは次のとおりです。

項目 代金引換 後払い決済サービス
支払いのタイミング 商品の受け取りと同時 商品の受け取り後、請求書に記載された期日まで
購入者の準備 受け取りの場に在宅し、代金を用意する必要がある 在宅していなくても受け取れ、期日までにコンビニや銀行などで支払える(サービスによる)
購入者の費用 代引き手数料がかかる場合がある サービスによって異なる。購入者が手数料を負担する場合と、事業者が負担する場合がある
事業者の負担 受け取り拒否の場合は、返送の対応が必要になる 決済手数料と請求書の発行費用。保証型のサービスなら、未回収のリスクは決済事業者が負う

どちらか1つに絞る必要はありません。後払いと代金引換、クレジットカードを併用し、購入者が自分に合った方法を選べるようにすることもできます。

クレジットカード払いと後払いの違い

クレジットカード払いも広い意味では後払いですが、ECの「後払い決済」は、カードを使わずに、商品の到着後に支払う決済サービスを指すのが一般的です。

消費者庁はクレジットカードを後払いの代表例として挙げ(出典:消費者庁「決済について」)、国民生活センターは後払い決済サービスを「クレジットカード等を用いず、2カ月以内での後払いができるサービス」と説明しています(出典:国民生活センター「増加し続ける後払い決済サービスが関連する消費者トラブル」2026年10月15日確認)。事業者から見た主な違いは次のとおりです。

項目 クレジットカード払い 後払い決済サービス
購入者の情報入力 カード番号などを入力する クレジットカード番号等を販売業者に伝えずに決済できる(国民生活センター)
利用のはじまり カードの発行と審査が前提 カードを持たない人も使える。信金中央金庫は、クレジットカードに比べて審査が緩やかで、信用履歴が薄い層にも利用しやすい点を特徴に挙げている
事業者の対応 カード情報の取扱いとセキュリティ対策が求められる 与信・請求・督促を決済事業者に任せられる。決済手数料や請求書の発行費用がかかる
法令上の位置づけ 経済産業省は、クレジットカード会社などを包括信用購入あっせん業者と説明している 2か月以内に一括で支払う後払い決済サービスは、同法の信用購入あっせんの規制対象にはあたらないのが一般的(前述)

カード決済と後払いは、どちらかを選ぶものではなく併用できます。カードを使いたくないお客様に後払いを用意しておくことで、決済手段が合わないことによる取りこぼしを減らせます。

後払いのメリット・デメリット|購入者と事業者の両面

後払いは、購入者にとっては「安心して買える」、事業者にとっては「買ってもらいやすくなる」決済手段ですが、どちらの立場にも手間や費用の面でデメリットがあります。導入を判断するときは、自社の利点だけでなく、お客様が後払いを選ぶ理由と、選んだ後に困りやすい点まで把握しておくと、案内文や問い合わせ対応を準備しやすくなります。

立場 メリット デメリット
購入者 クレジットカードを持っていなくても使え、カード情報を入力せずに済む。商品を確認してから支払え、支払いまでに猶予がある コンビニなどで支払う手間があり、払い忘れが起きやすい。サービスによっては手数料がかかり、利用できる金額に上限がある
事業者 クレジットカードを使わない層にも購入してもらえ、支払い方法が合わないことによる離脱(カゴ落ち)を減らせる。保証型のサービスなら、与信・請求・督促の業務と未回収リスクを任せられる 決済手数料や請求書の発行費用などのコストがかかる。保証のない運用では未回収リスクが残る。利用上限額があるため高額な商品には向きにくい

購入者側のデメリットは、事業者にとっても無関係ではありません。払い忘れが続くと、購入者は決済事業者から督促を受けることになり、その不満が販売した店舗への問い合わせとして届くことがあります。支払い期日と支払い方法、手数料の有無を、注文の確認画面や発送時のメールでわかりやすく伝えておくと、こうした行き違いを減らせます。また、後払いには1回あたり、または一定期間あたりの利用上限額が設けられているのが一般的で、単価の高い商材では後払いを選べないお客様が出てきます。高額な商品を扱う場合は、クレジットカードなど他の決済手段を必ず併用しましょう。

後払い決済サービスを選ぶときに確認したい6つのポイント

上の表のデメリットの多くは、サービスの選び方で小さくできます。資料を取り寄せたら、次の6点を並べて比べてみてください。

  1. 料金の構成:初期費用、月額費用、決済手数料、請求書の発行費用のうち、どれがかかるのかを確認します。手数料率だけでなく、注文1件あたりにかかる総額で比べることが大切です。注文がキャンセルになった場合の費用の扱いも確認しておきましょう。
  2. 未回収時の保証の有無と条件:購入者が支払わなかった場合に代金が保証されるのか、保証の対象外となるのはどのような取引かを確認します。
  3. 利用上限額:1回の注文や購入者1人あたりの上限額が、自社の商品単価に対して十分かを確認します。
  4. 入金サイクル:締め日と入金日はサービスやプランによって異なります。仕入れの支払い時期と照らし合わせ、資金繰りに無理がないかを見ておきます。
  5. 与信のタイミング:注文の画面上で与信結果がすぐに出るサービスであれば、審査に通らなかったお客様にその場で別の支払い方法を選んでもらえます。結果が後から出る方式では、注文後に支払い方法の変更を依頼する連絡が必要になります。
  6. システム連携:利用しているカートシステムや受注管理システムと自動で連携できるか、ファイルの取り込みなどの手作業が必要かを確認します。

このほか、自社と同じ業種や近い規模での導入実績があるかどうかも、判断材料の1つになります。条件はプランや商材によって変わるため、最終的には各社の資料と見積もりで確認してください。

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後払いサービスごとの保証の条件や利用上限額を、1社ずつ調べて比べるのは大変だと感じていませんか?

こんな会社に向いています

カードより現金で払いたいお客様の取りこぼしを減らしたいEC事業の会社

請求書の発行や督促を自社で抱えたくない会社

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消費者向け後払いの導入|EC・店舗での進め方

消費者向けの後払いを導入するには、自社で請求書を発行して回収する方法と、後払い決済サービスに加盟する方法があり、中小規模のECでは後者が現実的です。自社で運用すると、与信の判断、請求書の作成と同梱、入金の照合、未払い時の督促までをすべて抱えることになるためです。

自社で後払いを運用する場合と、決済サービスを使う場合の違い

自社後払いとは、決済サービスを使わず、事業者が自社で与信の判断・請求書の発行・入金確認・督促までを行って、後払いを提供する方法です。決済サービスに任せる場合との違いは、次の業務をだれが担うかにあります。

業務 自社で運用する場合 後払い決済サービスに任せる場合
与信(後払いを認めてよいかの判断) 住所や購入履歴などをもとに、自社で判断する 決済事業者が審査する。サービスによっては、注文時にその場で結果が出る
請求書の発行・送付 自社で作成し、商品に同梱または別送する 決済事業者が発行・送付する
入金確認 入金明細と注文を、自社で突き合わせる 決済事業者が管理し、事業者には所定の期日に代金が入金される
督促 期日を過ぎた購入者へ、自社で連絡する 決済事業者が行う
未回収のリスク 自社が負う 保証型のサービスでは、与信を通過し正常に完了した取引に限り、決済事業者が負う
主なコスト 人件費、請求書の印刷・郵送費など 決済手数料と請求書の発行費用(金額はサービスごとの資料で確認)

自社運用が成り立つのは、取引する購入者が限られ、住所や支払いの実績を把握できている場合です。新規のお客様が増えるほど、与信の判断と督促の負担が重くなり、督促の連絡そのものが購入者との関係に影響することもあります。前の比較で引用した導入事例のように、自社で督促状を作成して送る運用が負担になり、決済サービスへ切り替えるEC事業者もあります。

後払い決済サービスを導入する手順

  1. 自社の販売形態(ECのみか、電話受注や店頭受け取りもあるか)と、取扱商材を整理する
  2. 複数の後払い決済サービスの資料を取り寄せ、利用条件・与信のスピード・請求書の発行方法を比べる
  3. 事前審査を申し込む(Webサイトの商品掲載や特定商取引法に基づく表示が審査の対象になる)
  4. 契約を締結し、加盟店審査を受ける
  5. カートシステムとの連携や、決済方法の説明画面を設定する
  6. 最終確認を経て、利用を開始する

審査ではWebサイトそのものが確認されることが多いため、サイトが完成していない段階では申し込めない場合があります。特定商取引法に基づく表示は、事業者名や連絡先、支払い時期、返品の条件などを通信販売で表示する義務のあるもので、後払いを導入するかどうかにかかわらず整えておく必要があります(出典:e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」2026年10月15日確認)。

業種・販売形態による向き不向き

後払い決済が特に効果を出しやすいのは、アパレルや化粧品、健康食品、雑貨など、初めて利用するお客様が多いECサイトです。「知らないお店にカード番号を入力したくない」「届いた商品を確認してから払いたい」という不安が、購入をためらう理由になりやすいためです。高齢の方や若年層など、クレジットカードを使わない層を多く抱える業種でも、選択肢として用意しておく意味があります。

一方で、店頭での対面販売や電話での受注には対応していないサービスもあります。実店舗を持つ事業者は、店頭ではキャッシュレス決済端末、ECでは後払い決済というように、販売チャネルごとに決済手段を分けて考えるのが現実的です。また、金券などの換金性の高い商材や、一部の業種・商材は取り扱えない場合があるため、候補のサービスに事前に確認しておきましょう。

定期購入を扱う事業者が注意したい表示

国民生活センターには、後払い決済サービスが利用された取引に関する相談が年々寄せられており、2024年度は43,964件にのぼりました(出典:国民生活センター「増加し続ける後払い決済サービスが関連する消費者トラブル」2026年10月15日確認)。相談事例には、解約したのに後払いで請求が続く定期購入のトラブルなどが挙げられており、同センターは業界団体に対して、加盟店の審査やモニタリングの徹底を要望しています。

この流れは、正当に営業している事業者にとっても無関係ではありません。加盟店の審査が厳しくなるほど、定期購入の条件や解約方法の表示があいまいなサイトは、審査に通りにくくなったり、利用開始後に確認を求められたりする可能性があります。定期購入を扱う場合は、回数や総額、解約の方法と期限を、申し込みの最終確認画面でわかりやすく示しておくことが、トラブルの予防と後払い導入の両方につながります。

ここまでの内容を、自社の今の運用に当てはめてみましょう。当てはまる項目が多いほど、後払い決済サービスに任せられる業務が多い状態です。

後払いの請求・回収、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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法人向けの後払い(BtoB)とは|企業間取引の掛け払い

法人向けの後払い(法人後払い)とは、月末締め翌月末払いのように、一定期間の取引をまとめて後日請求する「掛け払い(掛け売り)」のことです。日本の企業間取引では広く使われている商習慣ですが、売り手側には、取引先の与信審査、請求書の発行、入金の消込、未入金時の督促という業務と、貸し倒れのリスクが発生します。

消費者向けの後払い決済との大きな違いは、取引が継続する点と、1件あたりの金額が大きい点です。一度きりの注文ではなく、同じ取引先と毎月取引が続くため、取引先ごとに「いくらまで掛けで売ってよいか」という与信枠を設定し、取引額の変化に合わせて見直す必要があります。また、取引先によって締め日や支払サイトが異なることも多く、請求業務は取引先の数に比例して複雑になります。

企業間の後払いサービスには、本記事で紹介するGMO掛け払い、マネーフォワード 掛け払いのほか、買い手が取引先経由で申し込み、請求書を受け取って支払うPaidのようなサービスもあります。いずれも、与信審査と請求・回収を決済事業者が担う形が基本です。BtoB決済代行サービス全体の概要は、BtoB決済代行サービスとは?取引特有のメリットを解説でも解説しています。

支払期日(支払サイト)を決めるときの注意

掛け払いの締め日と支払期日は、取引先との合意で決めるのが一般的です。ただし、取適法の対象となる取引では、委託事業者は、製造委託等代金の支払期日を、物品等を受領した日(役務提供委託の場合は役務の提供をした日)から起算して60日以内で、できる限り短い期間内に定める義務があります(出典:公正取引委員会「委託事業者の義務」2026年10月15日確認)。自社が発注する側か受注する側か、対象の取引にあたるかによって扱いが変わるため、支払サイトを決めるときは、契約書の内容や専門家に確認してください。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。

与信管理・未回収対策を重視する場合

新規の取引先が増えるたびに、信用調査会社のレポートを取り寄せたり、決算書を確認したりして与信を判断するのは、営業や経理の担当者にとって大きな負担です。与信の判断に時間がかかると、その間は受注を確定できず、取引先を待たせてしまいます。反対に、審査を省いて取引を始めると、取引先の経営が悪化したときに売掛金を回収できなくなるリスクを自社で抱えることになります。与信管理そのものの進め方や専用のシステムについては、与信管理システムおすすめ7選も参考になります。

掛け払いサービスを使うと、決済事業者が与信審査を行い、サービスが定める条件を満たした取引については、未回収のリスクを決済事業者が負います。決済時にリアルタイムで与信を行い、取引企業ごとに利用上限枠を設定する仕組みであれば、取引先を待たせずに、上限の範囲で受注を進められます。買い手側に書類の提出を求めないサービスなら、初回の取引から利用を始めてもらいやすくなります。請求書の形式を取引先ごとに選べると(封書タイプ、圧着ハガキタイプなど)、請求書の形式にこだわる取引先が混在していても対応しやすくなります(出典:GMO掛け払い公式サイト、2026年10月15日確認)。

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出典:www.gmo-ps.com

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新規拡大したいけど未回収リスクは減らしたい方におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 「消し込み」や「督促(架電・再発行)」「入金管理」といった業務負荷のかかる作業を代行
  • 未回収リスクも負担
  • 買い手は事前の手続きが不要で初回取引から利用できる
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ここが少し気になる…

  • 手数料や固定費の幅が広く、取り扱いの商材や販売方法によっては高くつく場合も

導入企業の声として、カタログギフトを扱うリンベル株式会社は、小規模法人の取引が増えて社内の与信関連業務が膨らんだことを背景にGMO掛け払いを導入し、法人営業部次長が次のように述べています。

お電話・メールの窓口は以前まで各書類作業が煩雑だったのですが、「GMO掛け払い」の導入により書類作業の手間が省けたため、受注対応できるお客様の件数が増えました。

出典:GMOペイメントサービス「リンベル株式会社 様 導入事例」(2026年10月15日確認)

バックオフィス連携で請求業務を効率化したい場合

取引先の数が増えてくると、与信よりも毎月の請求業務そのものが負担になっていきます。月末月初に請求書を作成して送付し、翌月には入金を1件ずつ照合して消込を行い、未入金があれば取引先に連絡する、という作業が毎月繰り返されるためです。2023年10月に始まったインボイス制度への対応や、電子帳簿保存法に沿った請求書の保存も、請求業務の手間を増やす要因になっています(出典:国税庁「特集 インボイス制度」2026年10月15日確認)。

こうした場合は、請求書の発行・送付・保存から入金消込、督促までをまとめて代行し、会計ソフトや基幹システムとデータ連携できる掛け払いサービスが向いています。たとえばマネーフォワード 掛け払いは、適格請求書の発行と、改正電子帳簿保存法の要件を満たした保存、買い手からの入金の有無にかかわらず行える消込に対応すると案内されており、マネーフォワード クラウド会計と連携すれば仕訳登録まで自動化できるとされています。APIで自社の受発注システムや基幹システムとつなげれば、受注から請求、会計の仕訳までの流れを自動化しやすくなります(出典:マネーフォワード 掛け払い公式サイト、2026年10月15日確認)。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード 掛け払い

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出典:mfkessai.co.jp

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与信・請求書・消込・督促ぜんぶおまかせ!請求業務の課題を解決したい企業におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 煩雑な手続きゼロで口座振替の負荷もなく導入が可能
  • 連携機能が充実していて、仕訳登録の自動化ができる
  • インボイス制度・電子帳簿保存法などの法改正などにも対応
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ここが少し気になる…

  • 業種や商材によって対応できない場合もある

導入企業の声として、サイボウズ株式会社は、販売件数の増加に伴って入金処理や催促の工数が増えたことを背景にマネーフォワード 掛け払いを導入し、次のように述べています。

結果的に、今回のマネーフォワード 掛け払いの導入によって、入金処理や催促に関わる作業工数が100分の1以下に軽減することができています。

出典:マネーフォワード「サイボウズ株式会社 導入事例」(2022年9月12日公開、公開当時の情報。2026年10月15日確認)

なお、掛け払いサービスを導入しても、取引先側の支払いの流れが大きく変わるわけではありません。取引先は従来どおり請求書を受け取り、期日までに振込などで支払います。ただし、請求書の発行元が決済事業者の名義になる場合があるため、導入時には主要な取引先に案内しておくと混乱を防げます。請求書の発行業務だけをシステム化したい場合は、請求書発行システムおすすめ15選(全34選)を徹底比較も参考になります。

なお、与信から請求・回収までを任せる掛け払いは、取引先への案内の進め方や、利用できる取引の範囲がサービスによって異なります。自社の取引先の数や商材で使えるかどうかは、資料で条件を確認しておくと安心です。

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後払い導入でよくある失敗パターン

後払いの導入でつまずくのは、サービス選びそのものより、「自社の販売形態や取引先に合っているか」「表示や社内の運用を整えたか」の確認が抜けたケースです。決済手段は一度導入すると切り替えにも手間がかかるため、始める前によくある失敗を押さえておきましょう。

消費者向けでは、電話受注や店頭受け取りの注文にも後払いを使えると思い込んで導入し、実際には一部の販売チャネルで使えなかったというケースがあります。定期購入の条件表示があいまいなまま導入し、解約をめぐる問い合わせが後払いの決済事業者にも寄せられるケースもあります。企業間では、掛け払いサービスを導入したものの、既存の取引先への案内が不十分で、請求書の差出人が変わったことに取引先が戸惑い、問い合わせが増えるケースが見られます。また、自社で与信していたころの取引条件を見直さないまま移行し、審査を通過しない取引先の扱いを決めていなかった、という失敗もあります。

下のトグルでは、よくある失敗と、それを防ぐための改善策を切り替えて確認できます。

よくある失敗 改善後

失敗1:一部の販売チャネルで使えなかった。電話受注や店頭受け取りにも後払いを使えると思い込み、導入後に対象外と分かった。

失敗2:定期購入の表示があいまいだった。回数や解約条件の表示が分かりにくく、解約をめぐる問い合わせが決済事業者にも寄せられた。

失敗3:取引先への案内が不十分だった。掛け払いサービスへの移行で請求書の差出人が変わり、取引先からの問い合わせが増えた。

失敗4:審査に通らない取引先の扱いを決めていなかった。与信を通過しなかった取引先に、どの支払い方法を案内するか現場で判断が分かれた。

消費者庁は、消費者向けに「前払いは商品未着のリスク、クレジットカードは情報漏えいのリスクがある」と注意を促しています(出典:消費者庁「決済について」2026年10月15日確認)。事業者の立場から見れば、購入者が感じるこうした不安を、複数の決済手段を用意することで減らせるということでもあります。後払いは万能な手段ではなく、前払い・クレジットカード・後払いを組み合わせ、購入者が自分に合った方法を選べる状態をつくることが大切です。

後払いの導入効果を数値で確認する

後払い導入の判断では、「増える売上」と「かかる手数料」、そして「減らせる業務時間」を並べて比べるのが基本です。手数料率だけを見ると割高に感じても、自社で請求と回収を行う手間や未回収の損失を含めると、評価が変わることがあります。

下のシミュレーターでは、月間の取扱高と、後払い導入による売上の増加率、決済手数料率を入力すると、年間の増収額と手数料、差し引きの効果を試算できます。売上の増加率は商材や客層によって大きく異なるため、まずは控えめな値で試し、導入後の実績で見直すことをおすすめします。

簡易シミュレーター:後払い導入の効果(年間)

年間の増収額は約180万円、後払い分の決済手数料は約30.2万円で、差し引きの効果は約149.8万円です。請求書の発行費用や自社で回収していた場合の業務時間・未回収損失は含んでいません(簡易計算のため、実際の効果は商材・客層・契約条件により異なります)。

試算では、手数料がかかるのは後払いで決済された分だけである点に注目してください。後払いを選ぶ購入者の割合が小さければ、手数料の総額も限られます。一方で、増収の効果は、後払いがあることで購入をやめずに済んだ注文から生まれるため、決済手段の不足による離脱が多いサイトほど大きくなります。企業間の掛け払いでは、売上の増加よりも、請求書の発行や消込にかかっていた時間と、貸し倒れによる損失の削減が主な効果になるため、自社で請求業務に使っている月間の時間数もあわせて見積もっておくと判断しやすくなります。

企業間の掛け払いで、売上の増加よりも請求業務の削減を重視する場合は、請求書の発行から入金消込、督促、会計ソフトへの仕訳までを、どこまで自動化できるかが判断の軸になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 後払いとは何ですか?

A. 商品やサービスを受け取った後に代金を支払う決済方法の総称です。ECサイトの支払い方法としての後払いは、クレジットカードを使わずに、商品の到着後にコンビニや銀行振込などで支払う後払い決済サービス(BNPL)を指すことがほとんどです。

Q2. 後払いとクレジットカード払いの違いは何ですか?

A. クレジットカード払いも広い意味では後払いですが、ECの後払い決済サービスは、クレジットカード等を用いず、2か月以内に支払う決済手段を指します。購入者はカード番号を販売業者に伝えずに済み、事業者は与信と請求・回収を決済事業者に任せられます。決済手数料や保証の条件はサービスごとに異なるため、資料で確認してください。

Q3. 代金引換と後払いの違いは何ですか?

A. 代金引換は商品の受け取りと同時に代金を支払う方法で、消費者庁は即時払いに分類しています。後払いは商品を受け取った後、請求書の期日までに支払う方法です。購入者は受け取りの場で代金を用意する必要がなくなる一方、事業者は決済手数料や請求書の発行費用を負担します。

Q4. Paidなど、法人向けの後払い(掛け払い)サービスとは何ですか?

A. 法人向けの後払いは、月末締め翌月末払いのように、一定期間の取引をまとめて後日請求する掛け払いです。Paidは、運営元が「後払いでお支払いができる企業間決済サービス」と案内しているサービスで、このような企業間の後払いサービスの1つです。与信審査と請求・回収を決済事業者が担う点は共通ですが、利用条件や保証の範囲はサービスごとに異なります。

Q5. 後払い決済で購入者が支払わなかった場合、事業者はどうなりますか?

A. 未回収リスクを保証する型のサービスであれば、与信審査を通過して正常に完了した取引について、購入者の支払い状況にかかわらず事業者に代金が入金されます。督促や回収は決済事業者が行います。保証の条件はサービスごとに異なるため、契約前に確認が必要です。

Q6. 後払い決済は割賦販売法の対象になりますか?

A. 経済産業省は、信用購入あっせん業者を、代金を立て替え払いし2か月を超える期間で支払いを受ける事業者と説明しており、2か月以内に一括で支払う後払い決済サービスは、一般に同法の信用購入あっせんの規制対象にはあたりません。個別の取引の判断は専門家や決済事業者に確認してください。

まとめ|後払いは「誰に提供するか」から選ぶ

後払いは、購入者が商品を受け取った後に支払える便利な決済手段です。一方で、事業者にとっては未回収のリスクと請求・回収の業務が生じるため、それを決済事業者に任せられるかどうかが導入の鍵になります。最後に、この記事のポイントを整理します。

  1. 後払いの意味を押さえる:商品やサービスの提供を受けた後に支払う方法の総称で、ECでは後払い決済サービス(BNPL)を指すことが多いです。
  2. 3つの軸で種類を整理する:誰に提供するか、どう支払うか、未回収のリスクを誰が負うかで分けると、自社に合うタイプを選びやすくなります。代金引換やクレジットカードとは、支払いのタイミングと事業者の負担が異なります。
  3. 消費者向けと法人向けを分けて考える:個人向けは注文時の与信と請求書の自動化、企業間の掛け払いは取引先ごとの与信管理と月次の請求業務の効率化が重要です。
  4. 自社で運用するか、決済サービスに任せるかを決める:請求書の発行・入金確認・督促の負担を洗い出し、表示や販売チャネルの確認、取引先への案内、審査に通らなかった場合の代替手段まで先に整えます。
  5. 数値で効果を確かめる:増収額と手数料、減らせる業務時間を並べて試算し、導入後の実績で見直します。
  6. 資料を取り寄せて比べる:保証の条件・利用上限額・手数料を、複数のサービスの資料で並べて確認します。

まずは、自社が後払いを提供したい相手が個人の消費者なのか、法人の取引先なのかを整理し、それに合ったサービスの資料を取り寄せて比べるところから始めてみてください。

参考文献

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