ちまたの会計とは?無料で使える非営利団体向けクラウド会計ソフトを解説
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- ちまたの会計の機能・料金・使い方が5分でわかる
- 自治会・PTA・サークル別の活用ポイントと向いている団体の条件がわかる
- 電子帳簿保存法・NPO法人化時の法務論点と移行タイミングがわかる
「ちまたの会計」は、自治会・PTA・サークル・ボランティア団体など、簿記の専門知識を持たないメンバーが持ち回りで会計を担う非営利組織のために開発されたクラウド会計ソフトです。完全無料で利用でき、2016年のサービス開始以来、38,000を超える団体に活用されています。Excelや手書きの出納帳で毎期末に苦労している担当者、後継者への引き継ぎに悩む役員の方々から支持を集め、「家計簿感覚で使える」という操作性が最大の特長です。本記事では、ちまたの会計の機能・料金・使い方・よくある失敗パターンまでを網羅し、導入判断に必要な情報をすべて提供します。総務省や国税庁の公的データをもとに、電子帳簿保存法への対応要否など法務面も含めてわかりやすく解説します。
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ちまたの会計とは?基本概要と特長
ちまたの会計は、自治会・PTA・サークル・ボランティア団体など非営利組織の会計担当者が簿記知識なしで使えるよう設計された無料クラウド会計ソフトです。2016年に任意団体「ちまたの会計」がリリースし、現在は38,000超の団体が利用しています。完全無料(登録費・月額費・年会費すべて無料)で、1アカウントで最大5団体まで管理でき、データは無期限保存されます。
同ソフトが広く普及した背景には、小規模な非営利組織が抱える共通の課題があります。担当者が毎年持ち回りで変わるため、引き継ぎのたびにExcelの操作方法を一から教えなければならない、あるいはデータがUSBメモリや担当者の個人PCにしか保存されておらず、紛失リスクが高いという状況です。ちまたの会計はこれらをクラウドで根本的に解決します。
対象となる団体の種類
ちまたの会計が想定する主な利用者は以下の通りです。法人登記のない任意団体や、複雑な会計処理を必要としない非営利組織が中心となります。
| 団体種別 | 主な用途 | 向いている理由 |
|---|---|---|
| 自治会・町内会 | 年間収支管理・総会報告 | 勘定科目が自治会向けに設定済み |
| PTA | 活動費・積立金の管理 | 複数口座の管理が可能 |
| スポーツクラブ・部活動 | 会費収入・備品購入管理 | スマホでいつでも入力できる |
| ボランティア団体 | 寄付金・補助金の収支管理 | 引き継ぎがアカウントで完結 |
| サークル・同好会 | イベント収支・年度決算 | 2000伝票/期で十分なケースが多い |
ちまたの会計の主な機能
ちまたの会計の核心機能は、日々の入出金を入力するだけで5種類の帳票が自動生成される点です。現金出納帳・預金出納帳・科目別台帳・収支計算書・収支予算書の5つが自動作成され、PDFおよびExcel形式でダウンロードできます。年度末の総会資料作成がボタン一つで完了するため、従来2〜3時間かかっていた作業が大幅に短縮されます。
利用制限とスペック
無料ソフトとして使い続けるにあたり、利用制限を把握しておくことが重要です。下表に主要スペックをまとめます。
| 項目 | 制限・仕様 |
|---|---|
| 料金 | 完全無料(登録費・月額費・年会費すべて無料) |
| 登録団体数 | 1アカウントで最大5団体 |
| 伝票件数 | 1団体・1会計期で最大2,000件 |
| 銀行口座登録数 | 1団体あたり最大99口座 |
| データ保存期間 | 無期限 |
| 対応デバイス | Windows・Mac・スマホ・タブレット(ブラウザ対応) |
| 出力形式 | PDF・Excel・CSV |
| 通信セキュリティ | SSL通信(暗号化) |
ちまたの会計の使い方:5ステップで始める
ちまたの会計は、メールアドレス1つで無料登録でき、最短5分で会計を開始できます。複雑な初期設定は不要で、勘定科目は自治会や任意団体向けにあらかじめ設定されているため、会計の専門知識がなくても即日利用できます。各ステップの詳細は以下の通りです。
ステップ1:アカウント登録(所要時間:約2分)
公式サイト(timakai.com)にアクセスし、メールアドレスとパスワードを入力して登録します。クレジットカード番号や口座番号などの金融情報は一切不要です。登録完了メールが届いたらログインできます。
ステップ2:団体情報の設定(所要時間:約3分)
ログイン後、団体名・会計期(例:4月〜翌3月)・団体の種類(自治会・PTAなど)を入力します。1アカウントで最大5団体まで登録でき、同一メールアドレスで複数の団体を切り替えて管理できます。
ステップ3:口座・勘定科目の初期設定
現金口座と銀行口座の情報を登録します。勘定科目は「会費収入」「行事費」「通信費」「積立金」など、任意団体の実態に合った項目がデフォルトで設定されており、そのまま使い始めることができます。カスタマイズも可能です。
ステップ4:日々の入出金入力
入出金が発生するたびに、日付・金額・科目・摘要を入力します。スマートフォンにも対応しているため、集会の帰り道や移動時間中でも記帳できます。口座間の振替(現金→銀行など)も専用の入力画面で簡単に処理できます。
ステップ5:帳票出力・総会報告
年度末に帳票出力ページへアクセスすると、収支計算書・収支予算書・科目別台帳などが自動生成されます。PDFでの印刷やExcel形式でのダウンロードに対応しており、そのまま総会資料として使えます。スマートフォンからコンビニ印刷することも可能です。
業種・団体規模別の活用ポイント
ちまたの会計は、年間伝票数が2,000件以内の中小規模非営利団体に最も向いています。自治会・PTA・スポーツクラブなど、年間の収支がシンプルでスタッフが定期的に交代する組織にとっては、引き継ぎコストを大幅に削減できる有力ツールです。一方、部門別管理・給与計算・法人税申告が必要な大規模組織や、法人化を視野に入れた成長フェーズの組織では、早期に有料クラウド会計ソフトへの移行を検討することが推奨されます。
業界別の活用事例
団体の業種ごとにちまたの会計の活用方法は異なります。以下に代表的なケースを整理します。
【自治会・町内会の場合】年間の収入(会費・区費・補助金)と支出(清掃費・行事費・備品費)を現金出納帳と預金出納帳に分けて管理します。総務省の「地域コミュニティの在り方に関する研究会報告書」によれば、自治会の運営における記録管理の透明性確保が課題として挙げられており、クラウド化によるアクセス共有が有効な対策として位置づけられています(総務省「地域コミュニティに関する研究会報告書」2022年3月、https://www.soumu.go.jp/ 2026年6月26日取得)。
【PTA・学校関係の場合】学年PTA費・本部費・積立金を別口座で管理するケースが多く、ちまたの会計の複数口座管理(最大99口座)機能が活用されます。また、役員交代時のアカウント引き継ぎにより、前年度の収支データをそのまま参照しながら新年度のPTA業務を開始できます。
【ボランティア・NPO法人未満の団体の場合】寄付金・補助金の収支管理において、透明性の高い帳票出力が行政・支援者への報告に活用されます。ただし、NPO法人格取得後は「特定非営利活動促進法」に基づく会計基準(活動計算書・貸借対照表)への対応が必要となるため、法人格取得時点でfreee会計などへの移行を計画することが推奨されます(内閣府NPOホームページ、https://www.npo-homepage.go.jp/ 2026年6月26日取得)。
電子帳簿保存法・法務面での注意事項
ちまたの会計は非営利任意団体向けのツールであるため、原則として法人(株式会社・NPO法人等)に義務づけられる電子帳簿保存法の対象外です。ただし、活動規模の拡大や法人化を検討する段階になった場合は、以下の法務・税務上の論点を事前に確認しておく必要があります。
電子帳簿保存法との関係
2022年1月施行・2024年1月に猶予期間終了となった電子帳簿保存法改正(国税庁「電子帳簿保存法一問一答」、https://www.nta.go.jp/ 2026年6月26日取得)は、法人と個人事業主(青色申告者)に適用されます。自治会・PTA・任意団体は原則として青色申告の義務がないため、同法の対象外となります。ただし、任意団体が収益事業を営む場合(例:バザー収益が継続的に発生する場合)は収益事業としての確定申告が必要になるケースがあり、その場合は電子帳簿保存法の検討が必要です。
個人情報保護法との関係
ちまたの会計の登録に必要な個人情報はメールアドレスのみで、クレジットカード番号・口座番号・金融機関情報は収集されません。ただし、会計データに会員名・口座名義などの個人情報が含まれる場合は、個人情報保護委員会ガイドラインに基づく適切な管理が必要です(個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」https://www.ppc.go.jp/ 2026年6月26日取得)。特にクラウドへのデータ保管については、委員会ガイドラインが「クラウド事業者との間で個人データの取り扱いに関する契約を締結することが望ましい」としており、ちまたの会計のプライバシーポリシーの内容を確認した上で利用することが推奨されます。
NPO法人化・法人格取得後の会計基準
任意団体がNPO法人格を取得する場合、内閣府NPOホームページが定める「NPO法人の会計に関する研究会報告書」に基づく会計基準(活動計算書・貸借対照表・財務諸表の注記)への準拠が義務づけられます。ちまたの会計はこれらの法定帳票には対応していないため、法人格取得と同時にfreee会計やマネーフォワードクラウド会計等へ移行する計画を立てておくことが重要です。移行時は、ちまたの会計からCSVデータを書き出して移行作業を行うことができます。
ちまたの会計でよくある失敗パターン3選と回避策
無料で使いやすいちまたの会計ですが、利用者の体験談から抽出した「失敗パターン」が存在します。導入前に把握しておくことで、トラブルを未然に防げます。
失敗パターン1:「期」をまたいでしまう入力ミス
ちまたの会計は会計期(例:4月〜翌3月)を設定して管理します。年度をまたぐ時期に誤った会計期へ入力してしまうと、前期・今期の収支が混在します。回避策:会計期が変わる際には必ず「新しい会計期を作成」してから入力を開始する。前期データはそのまま残り、過去の収支は後から参照できます。また、入力前に画面上部に表示されている会計期を必ず確認する習慣をつけましょう。
失敗パターン2:口座間振替の処理を二重入力してしまう
現金→銀行口座へ入金する際に、「現金の支出」と「銀行の収入」を別々に入力してしまうと、収支計算書に誤った数字が反映されます。回避策:「振替」専用の入力画面を使う。ちまたの会計には口座間振替を一括処理するメニューが用意されており、この画面を使うと二重計上が発生しません。
失敗パターン3:担当者交代時にアカウント情報が引き継がれない
退任する担当者が個人のメールアドレスでアカウントを作成していた場合、そのアカウントのログイン情報が引き継がれず、後任者が過去データにアクセスできなくなるケースがあります。回避策:団体共用のメールアドレス(例:jimukyoku@○○.com)でアカウントを作成する。メールアドレスはGmailなどの無料サービスで作成できます。初期設定時点から共用アドレスを使うことで、担当者変更のたびのアカウント移行作業が不要になります。
ちまたの会計の料金・費用の中央値と他ツール比較
ちまたの会計の料金はすべて無料です。類似ツールとの費用比較を行うことで、導入判断の参考にしてください。中小企業庁「中小企業のIT活用に関する調査」(https://www.chusho.meti.go.jp/ 2026年6月26日取得)によれば、中小企業が会計ソフトに支出する年間費用の中央値は約3〜6万円(有料クラウド型)と報告されています。ちまたの会計はこれと比較して費用ゼロで運用できますが、機能面での制約があります。
| ツール名 | 月額費用(目安) | 主な対象 | 特長 |
|---|---|---|---|
| ちまたの会計 | 無料(0円) | 任意団体・非営利組織 | 簡単操作・引き継ぎ楽 |
| freee会計 | 1,480円〜(個人プラン) | 個人事業主・中小企業 | 確定申告・青色申告対応 |
| マネーフォワードクラウド | 1,408円〜(スモールビジネス) | 個人事業主・SMB | 銀行連携・自動仕訳 |
| やよいの青色申告 | 9,680円/年〜 | 個人事業主 | 国内シェアNo.1・税務申告対応 |
| フリーウェイ経理 | 無料(5ユーザーまで) | 小規模法人 | 複式簿記対応・法人向け |
有料会計ソフトへの切り替えを検討する目安は、①法人格の取得、②有給スタッフ(給与計算)の発生、③年間伝票数が1,500件を超える、④電子帳簿保存法の対応義務が生じる、のいずれかが発生したタイミングです。移行は段階的に行えるため、ちまたの会計での運用を続けながら並行してトライアルを試すことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. ちまたの会計は本当に完全無料ですか?有料プランはありますか?
A. 登録費・月額費・年会費すべて無料です。2026年6月時点で有料プランは存在せず、すべての機能が無料で利用できます。ちまたの会計は寄付によって運営されており、利用者が任意で支援金を寄付する仕組みです。機能追加やサポート強化のためには寄付による支援が役立ちます。
Q2. 簿記の資格や経理の知識がなくても使えますか?
A. 使えます。ちまたの会計は簿記知識を必要としない設計で、家計簿のように「日付・金額・科目・摘要」を入力するだけで帳票が自動生成されます。勘定科目もあらかじめ自治会・PTA向けに設定されているため、初期設定もほとんど不要です。公式サイトのヘルプセンターには操作マニュアルも整備されています。
Q3. データのバックアップや移行はどうすればよいですか?
A. クラウド上に自動保存されるため、通常はバックアップ操作は不要です。万が一のデータ保護を目的としたバックアップ機能(CSVエクスポート)も備えており、データを外部に書き出して保管できます。ちまたの会計から他ソフトへ移行する際も、このCSVデータを活用して移行作業を行うことができます。
Q4. 複数の担当者で同じアカウントにアクセスできますか?
A. 同一アカウントのログイン情報(メールアドレス・パスワード)を複数人で共有することで、複数担当者が同じデータにアクセスできます。ただし、同時ログインや権限別管理(閲覧のみ・入力可など)の機能は2026年6月時点では非対応です。担当者ごとにアクセスを制御したい場合は、別途有料ソフトの導入を検討してください。
Q5. スマートフォンだけで全ての会計作業ができますか?
A. 入出金の入力・帳票の確認・収支グラフの閲覧はスマートフォンで対応できます。ただし、帳票を印刷する場合は、スマートフォンからPDFをダウンロードしてコンビニプリントを利用する手順となります。精緻な科目設定や初期設定はPC操作のほうがスムーズです。
Q6. ちまたの会計が向いていない団体はどんな組織ですか?
A. ①NPO法人・社会福祉法人など法人格を持ち法定会計基準への準拠が必要な組織、②年間伝票数が2,000件を超える大規模団体、③部門別・事業別管理が必要な組織、④給与計算・源泉徴収・社会保険手続きが発生する組織、には機能が不足します。これらに該当する場合はfreee会計・マネーフォワードクラウド等の有料ソフトを検討してください。
まとめ|ちまたの会計を活かすための3つのポイント
- 団体共用メールアドレスでアカウントを作成する:担当者交代のたびに発生するアカウント移行トラブルを防ぐ最も重要な設定です。初回登録時から共用アドレスを使うことで、数年先の引き継ぎも円滑になります。
- 年度末前に「デモサイトで操作確認」を行う:初めて利用する担当者が年度末に慌てないよう、事前にデモサイトで帳票出力の手順を確認しておきましょう。公式サイトのデモ環境は登録不要で体験できます。
- 法人化・組織拡大のタイミングで移行計画を立てる:ちまたの会計はあくまで任意団体向けのツールです。NPO法人化・有給スタッフの採用・補助金申請の頻度増加など、組織の拡大が見えてきた時点で、freeeやマネーフォワードへの移行スケジュールを策定しておくことが長期的なリスク管理に繋がります。
ちまたの会計は「誰もが会計できる社会」を目指す任意団体が開発・運営する、非営利組織向けの真摯なプロダクトです。無料であることの限界を正確に把握した上で、小規模・中規模の非営利団体の会計DXを進める最初の一手として積極的に活用しましょう。組織の成長段階に応じて適切なツールへ移行することで、会計業務の属人化から永続的に脱却できます。
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参考文献
- 総務省「地域コミュニティに関する研究会報告書」2022年3月、https://www.soumu.go.jp/ 2026年6月26日取得
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答(帳簿・書類関係)」最終改訂2024年1月、https://www.nta.go.jp/ 2026年6月26日取得
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」最終改正2024年、https://www.ppc.go.jp/ 2026年6月26日取得
- 内閣府NPOホームページ「特定非営利活動法人の活動計算書について」https://www.npo-homepage.go.jp/ 2026年6月26日取得
- 中小企業庁「中小企業のIT活用に関する調査」(中小企業白書関連資料)https://www.chusho.meti.go.jp/ 2026年6月26日取得
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