IP電話とは?仕組み・種類・料金相場と法人向け選び方を徹底解説【2026年最新】
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- IP電話の仕組み・050型とOABJ型の違い・3タイプの料金相場がわかる
- 業界別選定ポイント・失敗パターン3つ・法務確認事項がわかる
- 2024年NTT IP網移行後の企業対応ポイントと今日からできる手順がわかる
IP電話とは、インターネット回線(IPネットワーク)を使って音声通話を行う電話サービスです。従来のアナログ回線に依存せず、インターネット環境さえあればスマートフォン・PCから会社番号で発着信できるため、テレワーク普及や多拠点展開を加速する個人事業主・中小企業・中堅大企業を問わず導入が拡大しています。2024年1月にはNTTの固定電話網がPSTN(公衆交換電話網)からIP網に完全移行し、日本の音声通信はIP電話を中心に再編が進む転換期を迎えています。本記事では、IP電話の仕組み・種類・料金相場から業界別の選び方・法務確認事項・よくある失敗まで、公的データをもとに徹底解説します。
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目次
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- IP電話とは?仕組みと固定電話との違い
- IP電話の種類|050型・0ABJ型・インターネット電話の違い
- IP電話の料金相場|初期費用・月額・通話料の内訳
- IP電話のタイプと選び方|5軸分類で最適なサービスを見つける
- IP電話のメリット・デメリット|導入前に知っておくべきこと
- 業界別IP電話活用のポイント|医療・不動産・製造業・小売業の事情
- IP電話導入前に確認すべき法務・セキュリティ論点
- IP電話でよくある失敗パターン3つと回避策
- IP電話の選び方チェックリスト|失敗しない5つの確認ポイント
- NTT IP網移行後のIP電話環境|2024年以降の変化と中小企業の対応
- IP電話 よくある質問(FAQ)
- まとめ|IP電話導入で今日からできる3つのこと
- 参考文献
IP電話とは?仕組みと固定電話との違い
IP電話とは、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術を用い、音声をデジタルデータ(パケット)に変換してインターネット回線で伝送する通話サービスです。アナログ回線を使わないため設備工事が不要で、インターネット環境があれば即日利用できます。
従来の固定電話(加入電話)はPSTN(公衆交換電話網)を使い、アナログ音声を銅線で直接伝送する回線交換方式でした。一方IP電話は、音声をデジタルパケットに分割してIPネットワーク上を伝送し、受信側で再合成します。この仕組みの違いが、コスト・拡張性・機能の差を生み出しています。
2024年1月、NTT東日本・西日本は全国の固定電話網をPSTNからIP網へ完全移行しました(出典:総務省「固定電話網の円滑な移行」政策ページ)。これにより、従来の加入電話もバックエンドはIP技術で動作するようになり、日本の音声通信はIP化を完了しています。利用者側での工事・手続きは不要ですが、INSネット(ディジタル通信モード)は2028年12月末に終了する予定であるため、該当する企業は代替手段への移行が求められます。
固定電話との主な違いをまとめると、IP電話は①距離に関係なく全国一律料金、②インターネット回線の共用でコスト削減、③スマートフォン・PCなど多端末で利用可能、④クラウドPBX・CRM等との連携が容易、の4点が特長です。一方、インターネット回線の品質に通話品質が依存する点と、050番号では緊急通報(110・119番)に発信できない制約があります。
IP電話の種類|050型・0ABJ型・インターネット電話の違い
IP電話は大きく3種類に分類されます。「050型」はコスト重視の企業・個人事業主向け、「0ABJ型」は品質・信頼性重視の法人向け、「電話番号不要型(インターネット電話)」はLINE・Teamsのような社内コミュニケーション向けです。自社の用途に合った種類を選ぶことが重要です。
| 種類 | 番号形式 | 通話品質 | 緊急通報 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 050型 | 050-XXXX-XXXX(11桁) | 通信環境に依存 | 不可(サービスにより異なる) | コスト削減・スタートアップ・個人事業主 |
| 0ABJ型 | 市外局番+市内局番(10桁) | 総務省基準で高品質 | 可能(110・119番) | 法人・拠点展開・顧客対応窓口 |
| 電話番号不要型 | 番号なし | サービス依存 | 不可 | 社内チャット・ビデオ会議 |
050型は初期費用・月額料金を抑えられる点でコストメリットが大きく、特に個人事業主や小規模事業者が通話コスト削減を目的に導入するケースが多いです。一方、0ABJ型はNTT東日本・西日本の「ひかり電話」に代表される形式で、総務省が定めたネットワーク品質・安定品質・接続品質・総合品質の4基準を満たした通信事業者のみが提供できます。緊急通報にも対応しており、法人の代表番号として顧客からの信頼も得やすい番号形式です。
令和3年版情報通信白書(総務省)によると、0ABJ型IP電話の契約数は2020年度末時点で3,568万件に達し、固定電話市場全体の67.5%を占めています。その後も増加を続け、2022年度末には3,612万件と固定電話市場の約74%がIP電話となっています(出典:一般社団法人電気通信事業者協会「情報通信サービス利用状況」2024年版)。従来の加入電話が年々減少する一方、IP電話への移行が着実に進んでいます。
IP電話の料金相場|初期費用・月額・通話料の内訳
法人向けIP電話(クラウド型)の料金は、初期費用が無料〜20万円程度、月額費用が1,000円〜2万円程度、固定電話への通話料が3分あたり8〜18円程度です。050型は月額数百円から始められるため個人事業主や小規模企業に向き、0ABJ型(ひかり電話等)は月額1,100円前後から本格的な法人用途に対応します。
| 費用項目 | 050型(クラウド) | 0ABJ型(ひかり電話系) | オンプレミス型 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 無料〜数千円 | 無料〜数万円 | 100万円程度〜 |
| 月額基本料 | 無料〜数百円 | 1,100円前後〜 | 保守費用別途 |
| 固定電話への通話料 | 3分8〜17.6円 | 全国一律9.35円/3分(IP網移行後) | 要確認 |
| 携帯電話への通話料 | 1分11〜19.8円 | 別料金体系 | 要確認 |
| 同一サービス間 | 無料(多くの場合) | 拠点間通話無料(グループ登録時) | 内線扱いで無料 |
料金選定の中央値として参考になるのが、クラウド型の場合「月額1,000〜3,000円程度(ユーザー1名あたり)」です。5名規模の事業者であれば月額5,000〜15,000円程度が目安になります。なお、月額料金が安価でも通話録音・IVR・CRM連携などの機能がオプション扱いになっているサービスも多く、必要な機能を含めたトータルコストで比較することが重要です。
IP電話のタイプと選び方|5軸分類で最適なサービスを見つける
IP電話サービスは、利用目的・規模・機能要件によって「コスト重視型」「品質重視型」「テレワーク特化型」「AI連携型」「業種特化型」の5タイプに分類できます。まず自社の最優先課題を特定し、そのタイプに絞ってサービスを比較することが選定の近道です。
| タイプ | 特徴 | 向いている企業 | 料金目安(月額) |
|---|---|---|---|
| コスト重視型 | 050番号・月額数百円〜無料 | 個人事業主・スタートアップ・1〜5名 | 無料〜500円 |
| 品質重視型 | 0ABJ番号・品質基準対応 | 顧客対応が多い中小〜中堅企業 | 1,000〜5,000円 |
| テレワーク特化型 | スマホアプリ・代表番号共有 | リモートワーク・フルリモート企業 | 500〜3,000円/人 |
| AI連携型 | 通話録音・文字起こし・CRM自動連携 | 営業・コールセンター・インサイドセールス | 3,000〜1万円/人 |
| 業種特化型 | 医療・不動産・士業向け機能 | 規制業種・専門業種 | 個別見積もり |
選定の際は、月額料金の安さだけで判断するのは危険です。無料・低価格プランでは通話録音・IVR(自動音声案内)・CRM連携などの機能がオプション扱いとなり、必要な機能を追加すると結果的に割高になるケースが少なくありません。まず自社に必須な機能(通話録音・転送・内線・CRM連携等)をすべて洗い出してから、総合的な費用対効果で比較することが重要です。
IP電話のメリット・デメリット|導入前に知っておくべきこと
IP電話の最大のメリットは、通話コスト削減・工事不要での即日導入・場所を選ばない利用の3点です。一方、インターネット回線品質への依存・050番号での緊急通報不可・FAX利用の制約という3つのデメリットも把握しておく必要があります。
メリット
①通話コストの削減:IP電話は距離に関係なく全国一律料金で、同一サービス内の通話は多くの場合無料です。複数拠点を持つ企業や、全国・海外との通話が多い企業では特に大きなコスト削減効果が得られます。
②工事不要・即日利用:インターネット環境があれば、専用配線工事なしに最短当日から利用を開始できます。オフィス移転や新拠点立ち上げ時も、設備工事のコスト・時間を削減できます。
③柔軟な拡張性:スマートフォン・PC・IP電話機など多様な端末で利用でき、テレワーク中の社員も会社番号で発着信可能です。人員増減やオフィス移転にも柔軟に対応できます。
④業務ツールとの連携:CRM・SFA・チャットツール等とのAPI連携により、通話履歴の自動記録や顧客情報のポップアップ表示が実現します。AI通話録音・文字起こし機能を持つサービスも普及しており、業務効率化の幅が広がっています。
デメリット・注意点
①通話品質がネット回線に依存:回線が混雑している時間帯や帯域不足の環境では、音声遅延・途切れが発生します。法人利用では専用帯域確保やQoS(通信優先制御)の導入が推奨されます。
②050番号では緊急通報に発信不可:050型IP電話では110番・119番などの緊急通報に発信できないサービスがあります。万一に備え、0ABJ型サービスか携帯電話の緊急用回線を別途確保することが望まれます。
③FAX・フリーダイヤルの利用制限:サービスによってFAX送受信や0120(フリーダイヤル)への発信ができない場合があります。既存業務でこれらを多用している企業は、事前に対応状況を確認することが必要です。
業界別IP電話活用のポイント|医療・不動産・製造業・小売業の事情
IP電話の選び方は業種によって大きく異なります。医療・不動産・製造業・小売業のそれぞれに固有の規制・業務要件があり、汎用サービスでは対応できない場合もあります。業界特有の要件を事前に整理してから選定することが、導入後トラブルを防ぐ最善策です。
医療・クリニック
医療機関では患者個人情報を含む通話が多く、個人情報保護法(個情法)への準拠が必須です。通話録音データの保管先がクラウドの場合、第三者提供に該当するかどうかの確認が求められます(出典:個人情報保護委員会「クラウドサービスにおける個人情報取扱い」)。また、緊急患者への対応を考えると110・119番への発信が可能な0ABJ型の選択が推奨されます。診療科によっては夜間・休日の当直対応をスマートフォンで受けられるクラウドPBX連携が有効です。
不動産・建設
不動産業では03・06などの市外局番を持つことで顧客からの信頼性を確保する必要があり、0ABJ型が主流です。物件内覧時や現場からでも会社番号で発着信できるスマートフォン連携機能が特に重視されます。また顧客情報管理システム(CRM)との通話履歴連携で、追客漏れを防ぐAI連携型サービスの需要が高まっています。
製造業・多拠点企業
全国・海外に拠点を持つ製造業では、拠点間通話の無料化によるコスト削減効果が特に大きく、グループ通話定額サービスとの相性が良いです。工場・倉庫など電波の届きにくい環境での利用を考慮し、Wi-Fi経由での安定性や有線接続型のIP電話機の利用可否も確認が必要です。EDIシステムをINSネットで運用していた製造業は、2028年12月末のINSネット終了に備えたインターネットEDIへの移行計画も並行して進める必要があります(出典:総務省「固定電話網の円滑な移行」)。
小売業・EC事業者
小売業では来店・配送に関する顧客問い合わせ対応が多く、IVR(自動音声案内)やコールキューイング機能が有効です。EC事業者は通話録音・AI文字起こしによる対応品質管理にニーズがあります。店舗スタッフの入れ替わりが多い業種では、スマートフォン1台で代表番号を共有できるクラウドPBX型の導入が業務継続性を高めます。
IP電話導入前に確認すべき法務・セキュリティ論点
IP電話を法人で利用する際は、個人情報保護法・電気通信事業法・景品表示法(ステマ規制)の3つの法的論点を事前に確認することが重要です。特に通話録音データの取り扱いと、050番号での緊急通報制限は、多くの企業が見落としがちなリスクポイントです。
①個人情報保護法(個情法)と通話録音データ
通話録音機能を利用する場合、録音された音声データには顧客の個人情報が含まれるため、個人情報保護法の適用を受けます。クラウド型サービスでデータをベンダーのサーバーに保存する場合、個人情報保護委員会のガイドラインでは「クラウドサービス提供事業者が個人データにアクセスできない場合は第三者提供に該当しない」とされていますが、アクセス可能な状態での保存は第三者提供に該当し得るため、利用規約・データ保管ポリシーの確認が必要です。
②電気通信事業法と通話録音の告知義務
通話録音を行う場合、顧客への事前告知が求められます。電気通信事業法では通信の秘密を保護しており、相手方の同意なく録音することは秘密の保護の観点から問題になりえます。コールセンター等での通話録音には「この通話は品質向上のために録音しています」などのアナウンスを冒頭に流すことが一般的な実務対応です。
③050番号と緊急通報・フリーダイヤル接続
050型IP電話サービスの多くは110番・119番等の緊急通報や0120(フリーダイヤル)への発信が制限されています。社員がIP電話のみを業務端末として使用する場合、緊急時の対応手段を別途確保することが求められます。また、特定の金融機関や行政窓口では0120番号への発信が必要なケースもあるため、現在の業務フローで発信先を事前に洗い出しておくことが重要です。(参考:総務省「固定電話網の円滑な移行」)
④セキュリティリスク:VoIPのなりすまし・盗聴対策
IP電話はインターネット技術を使うため、VoIPシステムへの不正アクセス・なりすまし発信・通話内容の盗聴といったセキュリティリスクが存在します。IPAのセキュリティガイドラインでは、クラウドサービス利用時のアクセス制御・通信の暗号化(TLS/SRTP)・多要素認証の設定を推奨しています(出典:独立行政法人IPA「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」)。法人利用ではこれらの設定が標準で提供されているサービスを選ぶことが安全です。
IP電話でよくある失敗パターン3つと回避策
IP電話の導入失敗の多くは「選定段階」「運用設計段階」「コスト試算段階」のいずれかで起きています。以下の3つのパターンを把握し、事前対策を講じることで、導入後のトラブルと無駄なコストを防ぐことができます。
失敗パターン①:月額料金の安さだけで選んで機能不足に陥る
「月額無料・通話料が安い」という表示に惹かれて050型の格安サービスを選んだところ、通話録音・IVR・CRM連携がすべてオプション扱いで、必要な機能を追加すると月額料金が当初想定の3倍になるケースが見られます。
回避策:導入前に自社で必須の機能を一覧化し、必要機能をすべて含めた形で複数サービスの見積もりを取り比較する。無料トライアルを活用して通話品質・機能を実際に検証することも有効です。
失敗パターン②:通話品質の問題を軽視して顧客対応に影響が出る
オフィスの共有Wi-Fi環境にIP電話を導入したところ、会議や大容量ファイル転送との同時利用でネットワークが混雑し、通話中の音声途切れ・ノイズが頻発。顧客からのクレームが相次ぐケースがあります。
回避策:IP電話導入前にネットワーク帯域を確認し、QoS(音声通信優先制御)の設定を行う。通話量が多い拠点では有線LAN接続のIP電話機と専用帯域の確保を検討する。
失敗パターン③:番号ポータビリティと既存システムの互換性を確認せずに移行する
現在使用している03番号を新しいIP電話サービスへ引き継げると思っていたが、実際には番号ポータビリティ非対応で新番号での再スタートになり、名刺・封筒の刷り直しや取引先への告知コストが発生するケースがあります。また、FAX複合機や旧型PBXとの互換性が確保されず、設備の追加投資が必要になるケースも報告されています。
回避策:選定段階で番号ポータビリティの対応状況・既存のFAX機・PBX・CTIシステムとの互換性を必ず確認する。主要なIP電話サービスでは契約前の事前確認窓口を設けているため、積極的に活用する。
IP電話の選び方チェックリスト|失敗しない5つの確認ポイント
IP電話サービスを選ぶ際は、①番号形式の適切さ、②必要機能の充足、③通話品質の確認、④セキュリティ要件、⑤サポート体制の5点を必ず確認してください。この5点が揃っているサービスが自社に最適な選択肢です。
NTT IP網移行後のIP電話環境|2024年以降の変化と中小企業の対応
2024年1月にNTT東日本・西日本がPSTNからIP網への完全移行を完了し、日本の固定電話の基盤はIP技術に統一されました。この移行により固定電話料金が全国一律9.35円/3分(税込)となった一方、EDI・ISDN利用企業には代替移行が求められる状況になっています。
総務省「固定電話網の円滑な移行」政策ページによると、PSTNからIP網への設備移行は2024年内に完了しました。この移行はNTT局内の設備変更であり、利用者側での工事・手続きは不要です。電話番号や基本的な通話機能はそのまま継続します。ただし、以下の点について中小企業は確認・対応が必要です。
①INSネット(ディジタル通信モード)の終了:2028年12月31日にサービス終了が予定されています。EDI・POS通信・医療機器接続などでINSネットを使用している企業は、インターネットEDI等への移行計画を早急に策定する必要があります。②マイラインの終了:IP網移行に伴い、マイライン・マイラインプラスサービスが終了しています。③FAX機・旧型PBXとの互換性:メタルIP電話(IP網移行後の加入電話)ではFAXが引き続き利用できますが、一部の機能は変更されています。クラウドPBX等へ移行する際は現在使用中のFAX機・ビジネスフォンとの互換性確認が必要です。
なお、2026年度からはNTTのメタル(銅)回線の段階的な撤去が始まり、2035年度までに全国でサービスを終了する予定です。長期視点では光回線や次世代固定電話サービスへの移行を見据えた通信インフラの見直しが中小企業にも求められます。(出典:総務省「固定電話網の円滑な移行」https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/telephone_network/index.html)
IP電話 よくある質問(FAQ)
Q1. IP電話と固定電話の違いは何ですか?
A. IP電話はインターネット回線(IPネットワーク)を使って音声通話を行うサービスで、従来の固定電話がアナログ回線(PSTN)を専有する回線交換方式だったのに対し、音声をデジタルパケットに変換してIPネットワーク上で伝送します。主な違いは①通話料が距離に関係なく一律、②工事不要でインターネット環境があれば即日利用可能、③スマートフォン・PCなど多端末で利用できる点です。なお、NTTは2024年にPSTNからIP網への移行を完了しており、現在の加入電話もバックエンドはIP技術で動作しています。
Q2. IP電話で110番・119番の緊急通報はできますか?
A. 050型IP電話では緊急通報(110・119番)への発信ができないサービスが多いため、万一に備えて0ABJ型(市外局番付き)か携帯電話の緊急回線を別途確保することをお勧めします。0ABJ型IP電話(ひかり電話等)は総務省の品質基準を満たした通信事業者が提供しており、緊急通報にも対応しています。会社での法人利用の場合、緊急通報対応の観点からも0ABJ型の採用が推奨されます。
Q3. IP電話の月額費用はどのくらいですか?
A. 個人・小規模向けの050型は月額無料〜数百円から始められます。法人向けの0ABJ型(ひかり電話オフィスA等)は1契約あたり月額1,100円(税別)前後が目安です。クラウド型の中規模サービスは初期費用無料〜20万円程度、月額1,000〜2万円程度です。なお、月額料金の安さだけで判断せず、通話録音・IVR・CRM連携などの必須機能を含めたトータルコストで比較することが重要です。
Q4. 今の固定電話番号(03・06など)をIP電話に引き継げますか?
A. 番号ポータビリティに対応しているIP電話サービスでは、現在使用中の03・06などの市外局番をそのまま引き継ぐことが可能です。ただし、すべてのサービスが番号ポータビリティに対応しているわけではないため、選定時に必ず確認することが必要です。NTT東日本・西日本の「ひかり電話オフィスA(エース)」等は既存の電話番号をそのまま利用できるサービスの一つです。
Q5. テレワーク中に会社番号でIP電話を使えますか?
A. はい、クラウドPBXと連携したIP電話サービスであれば、テレワーク中の社員のスマートフォン・PCから会社の代表番号で発着信が可能です。個人のスマートフォンを法人携帯代わりに活用できるため、リモートワーク環境の整備・業務継続性の確保・法人携帯のコスト削減が同時に実現します。Wi-Fi環境の安定性が通話品質に直結するため、自宅の通信環境確認も合わせて行うことをお勧めします。
Q6. NTTのIP網移行で企業は何か対応が必要ですか?
A. 通常の音声通話については、NTTのIP網移行は局内設備の変更のみのため、企業側での工事・手続きは不要です。ただし、①INSネット(ディジタル通信モード)を利用しているEDI・POS等のシステムは2028年12月末のサービス終了前に代替移行が必要、②マイライン・マイラインプラスは終了済み、③一部の付加サービスが変更・終了されている点を確認することが求められます。詳細は総務省「固定電話網の円滑な移行」ページでご確認ください。
まとめ|IP電話導入で今日からできる3つのこと
- 自社の用途・規模に合ったIP電話のタイプ(050型・0ABJ型・クラウドPBX型)を確認し、必要機能を一覧化した上で複数サービスの見積もりを取る
- INSネット利用企業は2028年12月末の終了に向けた代替移行計画を策定し、番号ポータビリティ・FAX互換性・セキュリティ(通話録音の個情法対応)を確認する
- 無料トライアルを活用して実際の通話品質・操作性を検証し、サポート体制・導入支援の充実度も含めて最終選定を行う
IP電話は、コスト削減・テレワーク対応・業務ツール連携という3つの効果を同時に得られる、現代の法人に欠かせないインフラとなっています。2024年のNTT IP網移行完了により、日本全体が「IP電話の時代」に本格移行しました。まず自社の通話環境の現状を把握し、050型・0ABJ型・クラウドPBX型の中から最適なタイプを選定することがスムーズな導入への第一歩です。業種・規模・セキュリティ要件を踏まえた選定で、通信コストと業務生産性の両立を実現してください。
参考文献
- 総務省「令和7年版 情報通信白書」音声通信サービスの加入契約数の状況 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd212270.html (2026年6月26日取得)
- 総務省「固定電話網の円滑な移行」政策ページ https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/telephone_network/index.html (2026年6月26日取得)
- 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)「第2章 情報通信サービス利用状況 2024年版」https://www.tca.or.jp/databook/pdf/2024chapter_2j.pdf (2026年6月26日取得)
- 独立行政法人IPA「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」https://www.ipa.go.jp/security/index.html (2026年6月26日取得)
- 個人情報保護委員会「クラウドサービスにおける個人情報の取扱いについて」https://www.ppc.go.jp/ (2026年6月26日取得)
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。サービス内容・料金は変更される場合があります。導入前に各サービス事業者への確認をお勧めします。
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