ナーチャリングとは?意味・施策・リードジェネレーションとの関係を解説
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- ナーチャリングの意味と使い方、リードジェネレーションとの関係がわかる
- メリット・デメリットと、検討段階に合う具体的な施策がわかる
- CRM・SFA・MAの違いと、よくある失敗への対策がわかる
ナーチャリングとは、獲得した見込み顧客に継続して情報を届け、信頼関係を築きながら購買意欲を高めていくマーケティング活動です。英語のnurturingは「育成する」という意味で、「顧客育成」「リードナーチャリング」とも呼ばれます。資料請求や名刺交換をしたばかりの相手は、まだ導入を決めていないことがほとんどです。すぐに売り込むのではなく、検討の段階に合わせた情報提供を重ね、「相談するならこの会社」と思ってもらえる状態をつくるのがナーチャリングの役割です。この記事では、意味と使い方、リードジェネレーションとの関係、メリットとデメリット、メルマガやウェビナーなどの施策、導入手順、CRM・SFA・MAツールとの違い、よくある失敗までを順に整理します。
あなたのナーチャリング、どこから見直す?2問で診断
Q1. 見込み顧客の育成は、いまどの段階ですか?
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ナーチャリングとは|意味・使い方と、育成を続けるための仕組み
ナーチャリングとは、見込み顧客の検討段階に合わせて役立つ情報を届け続け、購買意欲を少しずつ高めていく活動です。対象は見込み顧客だけではなく、一度取引した既存顧客も含みます。
「ナーチャリングする」とはどういう意味か|使い方の例
「ナーチャリング」は、英語のnurture(育てる、養う)に由来する言葉で、ビジネスでは見込み顧客や既存顧客を「育てる」取り組みを指します。「ナーチャリングする」と動詞のように使うときは、相手の関心が高まるまで関係を保つ行為を意味し、「展示会で集めたリストをナーチャリングする」「失注した顧客を半年後にナーチャリングする」のように使います。見込み顧客を対象にする場合は、特に「リードナーチャリング」と呼ばれます。
ナーチャリングの目的
目的は、「今すぐは買わないが、将来の顧客になりうる相手」との関係を途切れさせず、相手が本格的に検討を始めたときに最初に思い出してもらうことです。BtoBの商材では、資料をダウンロードした直後に電話をかけても「まだ情報収集の段階です」と断られることが少なくありません。こうした相手を「見込みなし」として放置すると、半年後に予算がついたときには他社に決まっていた、ということが起こります。
育成を続けるために必要な2つの仕組み|記録と連絡手段
ナーチャリングは、施策を始めるよりも続けるほうが難しい活動です。つまずきやすいのは、「誰がどの段階にいるのか分からない」「連絡したいときの手段が決まっていない」という2点です。メールの配信リストは表計算ソフト、名刺は担当者の机、商談の記録は営業の頭の中、というように情報が分かれていると、有望な相手への連絡が遅れたり、別々の部署から重複して連絡したりします。
そこで必要になるのが、相手の反応を記録して連絡の優先順位をつける仕組みと、相手に確実に届く連絡手段の2つです。次の表は、この2つの役割を担うサービスの例を、役割の違いで並べたものです。優劣をつけるものではありません。
ナーチャリングを続ける仕組みづくり、2つのサービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:infobox スコアリング機能で、連絡の優先順位をつけたい場合に
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:SMSLINK メールが読まれにくい連絡を、SMSで補いたい場合に
資料を無料ダウンロード| サービス | SMSLINK |
|
|---|---|---|
| 向いている会社 | リードが増え、どの相手から連絡するかを営業とそろえたい会社 | ウェビナーの案内や日程調整など、確実に見てほしい連絡を電話番号宛てに送りたい会社 |
| 特徴 | 「スコアリング機能」「受注分析機能」を搭載。自社のCRMの活用や、SFA・MAツールとの連携も可能 | 国内4キャリアと直接接続して配信。一斉送信、予約配信、配信結果の確認ができる |
| 注意したい点 | 月額費用は問い合わせて確認する必要があり、学習機能や育成管理などは搭載されていない | 海外の携帯電話番号には送信できない。キャリアごとに通数の数え方が異なる |
| 資料・詳細 |
2サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
育成の対象を絞り込む場面の一例が、株式会社インフォボックスの「infobox」です。商品ページでは、「スコアリング機能」「受注分析機能」といった各種アシスト機能を搭載し、適切なタイミングでのアプローチにより質のいい提案を行えると紹介されています。自社のCRMの活用や、SFA・MAツールとの連携も可能です。一方で、月額費用は問い合わせて確認する必要があり、学習機能や育成管理などは搭載されていないため、メールの自動配信といった育成施策の実行は、ほかの手段と組み合わせて考える必要があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
市場リサーチ・企業リスト作成・決裁者アプローチを一気通貫で実現し、質の高い営業ストーリーで提案を行うなら、infoboxの導入がおすすめです。

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- 「スコアリング機能」「受注分析機能」といった各種アシスト機能を搭載
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- 月額費用は問い合わせて確認する必要があり、学習機能や育成管理などは非搭載
「仮に1度目のタイミングで商談に繋がらなくても、それは今のタイミングではなかっただけのこと。」
出典:株式会社パトスロゴスの導入事例より(infobox公式サイト)
ナーチャリングが必要とされる背景とメリット・デメリット
ナーチャリングが必要とされるのは、法人の購買行動がオンライン化し、検討期間も長くなったことで、問い合わせの前後に接点が途切れやすくなったためです。
ナーチャリングが必要とされる3つの背景
1つ目の背景は、購買行動のオンライン化です。法人の担当者も、営業と話す前にWebで情報を集め、候補を絞ってから問い合わせることが当たり前になりました。営業が接点を持てる時期が遅くなった分、問い合わせの前段階から関係を築いておく必要性が高まっています。
2つ目は、検討期間の長期化と関係者の増加です。BtoBの導入判断には、現場の担当者、上長、情報システム部門、経理など複数の人が関わり、稟議にも時間がかかります。検討が長引くほど、その間に接点が途切れないよう情報を届け続ける仕組みが重要になります。
3つ目は、デジタル化による顧客データの活用環境の広がりです。経済産業省は、産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けて、「デジタルガバナンス・コード」に沿った様々な施策を展開しています。企業がデータを活用して顧客に向き合う流れの中で、MAツールやCRMの普及によって、メールの開封やサイトの閲覧といった行動を記録し、育成に活かす環境が整ってきました。ナーチャリングは、DXの取り組みを営業・マーケティングの現場で具体化する入り口の1つといえます。DXとIT化の違いは、DXとIT化の違いとは?経産省定義とデジタル化との関係を比較表で解説で整理しています。
ナーチャリングに取り組むメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 営業の効率が上がる | 購買意欲が高まった相手に絞って営業が動けるため、見込みの薄い相手への訪問や電話に使う時間を減らせる |
| 商談化率・成約率が上がりやすい | 事前に課題や自社の強みを理解してもらったうえで商談に入れるため、話が具体的に進みやすい |
| 休眠顧客を掘り起こせる | 過去に名刺交換や失注をした相手にも定期的に接点を持つことで、状況が変わった際に再び検討してもらえる |
| 新規獲得のコストを抑えられる | すでに接点のあるリードを育てて成果につなげるため、広告などで新たにリードを集め続ける負担を軽くできる |
ナーチャリングのデメリットと対処法
ナーチャリングは、始めればすぐに成果が出る活動ではありません。取り組む前に、次のデメリットを知っておくと、無理のない計画を立てられます。
| デメリット | 起こること | 対処法 |
|---|---|---|
| 時間とリソースがかかる | 企画、コンテンツの作成、配信、効果測定を担当者が兼務し、忙しくなると止まってしまう | 少人数では施策を3つ程度に絞り、誰が何をいつ行うかと、記録の方法を先に決める |
| 一定数のリストが必要になる | リードが少ないうちは、育成の効果を測るためのデータが集まりにくい | 展示会、資料請求、休眠顧客などの連絡先を整理し、リードジェネレーションと並行して進める |
| 相手に合わせた情報の用意が必要になる | 全員に同じ内容を送ると反応が下がり、配信停止につながる | 業種や検討段階でリードを分け、段階ごとに届ける内容を決める |
| 成果が出るまで時間がかかる | 数か月で商談が増えないと、施策をやめてしまう | 途中段階のKPIで効果を測り、半年から1年の単位で評価する |
リードジェネレーションとの関係|顧客化までの3ステップ
ナーチャリングは単独で行うものではなく、見込み顧客を集める「リードジェネレーション」、育てる「リードナーチャリング」、有望な相手を選び出す「リードクオリフィケーション」という3つのステップの真ん中に位置づけられます。この流れ全体を「デマンドジェネレーション」と呼ぶこともあります。
| ステップ | 目的 | 主な活動の例 |
|---|---|---|
| 1. リードジェネレーション | 見込み顧客の連絡先と接点を獲得する | 展示会への出展、資料ダウンロード、Web広告、問い合わせフォーム |
| 2. リードナーチャリング | 関心を育て、購買意欲を高める | メルマガ、ウェビナー、事例記事、ホワイトペーパー、インサイドセールスの電話 |
| 3. リードクオリフィケーション | 商談につなげる相手を選び出す | スコアリング、営業への引き継ぎ基準の設定、ヒアリング |
3つのステップを分けて考える理由
よくあるのは、リードジェネレーションで集めたリストをそのまま営業に渡し、一斉に電話をかけてしまうパターンです。集めたリードの多くは情報収集の段階にあるため、この方法では断られる件数ばかりが増え、営業の負担と相手の不信感が高まります。逆に、ナーチャリングだけを続けて営業に引き継ぐ基準がないと、関心が高まった相手を見逃してしまいます。3つのステップを分けて、それぞれの担当とゴールを決めておくことで、リードを無駄にせず商談につなげられます。
スコアリングで「育った」状態を判断する
ナーチャリングからクオリフィケーションへ移るタイミングを判断する方法として、スコアリングがあります。メールの開封は1点、料金ページの閲覧は5点、セミナーへの参加は10点というように、行動ごとに点数をつけて合計し、一定の点数を超えた相手を営業に引き継ぎます。業種や従業員数など、自社の商材に合うかどうかを示す属性の点数を加えると、より精度が上がります。点数の配分に正解はないため、最初は単純なルールで始め、実際に商談になった相手の行動を振り返りながら調整していくのが現実的です。
ナーチャリングの具体的な施策例
ナーチャリングの施策は多くありますが、すべてを同時に始める必要はありません。相手の検討段階と自社の体制に合わせて組み合わせることが大切です。代表的な施策と、それぞれが得意とする場面を整理します。
メールマガジン・ステップメール
メールマガジンは、少ない費用で多くの相手と定期的に接点を持てる、ナーチャリングの基本となる施策です。業界の動向や課題の解決方法など、売り込みではなく役立つ情報を中心にすると読まれやすくなります。資料請求の直後から決まった順番でメールを届けるステップメールを組み合わせると、検討の初期段階で知ってほしい情報を確実に伝えられます。なお、広告や宣伝を目的としたメールを送る場合、特定電子メール法により、原則として事前に受信者の同意を得ることや、送信者の情報を表示することなどが求められるとされています。配信を始める前に、同意の取り方と配信停止の方法を確認しておきましょう。個別の判断は法務担当者や専門家に確認してください。
セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーは、相手が自ら時間を使って参加するため、関心の高さを確かめられる施策です。質疑応答を通じて相手の課題を直接聞けるほか、講師の話し方や回答の質を通じて信頼を得やすいという特徴があります。ウェビナーは会場費がかからず、遠方の相手も参加しやすいため、少人数の企業でも始めやすい方法です。録画をアーカイブとして公開すれば、参加できなかった相手への接点にもなります。
ホワイトペーパー・事例資料
ホワイトペーパーは、特定の課題について解決策や調査結果をまとめた資料です。比較検討の段階にある相手は、社内で説明するための材料を探していることが多いため、導入事例や費用対効果の考え方をまとめた資料は特に役立ちます。資料をダウンロードした相手が、どのテーマに関心を持っているかを知る手がかりにもなります。
オウンドメディア・SNS
自社のブログやオウンドメディアで課題の解決方法を発信すると、検索経由で新たな相手に見つけてもらえるだけでなく、既存のリードが繰り返し訪れる場にもなります。SNSは気軽に接点を持てる反面、BtoBでは成果に直結しにくいため、記事やウェビナーの告知など、他の施策への入り口として使うと効果的です。
インサイドセールス
インサイドセールスは、電話やメール、オンライン会議で見込み顧客と対話する営業の役割です。メールやコンテンツだけでは分からない相手の状況や検討の時期を聞き出し、関心が高まった相手を外回りの営業に引き継ぎます。専任の担当者を置けない場合でも、スコアの高い相手に週に数件だけ電話をかけるといった形で始められます。
リターゲティング広告・Webトラッキング
リターゲティング広告は、自社サイトを訪れたことのある相手に、別のサイトやアプリ上で広告を表示する手法です。Webトラッキングは、サイトで閲覧されたページなどの履歴を記録し、相手がどのテーマに関心を持っているかを把握する手法で、スコアリングの元データにもなります。いずれも、メールの開封を待たずに関心の変化をつかめる点が強みです。一方で、閲覧履歴などを個人と結びつけて管理する場合は、個人情報の取扱いが関わります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、個人情報の利用目的を特定し、取得したときは本人に通知または公表することが求められるとされています。始める前に、プライバシーポリシーの記載を確認しておきましょう。個別の判断は法務担当者や専門家に確認してください。
SMS・電話など、メール以外の接点
メールは、受信箱に埋もれて開かれないまま終わることがあります。ウェビナー前日の案内や日程調整の連絡のように、期限があって確実に見てほしい連絡には、電話番号宛てに短い文面を送るSMSという選択肢もあります。SMSLINKの商品ページでは、SMSはメールに比べて視認性が高く、重要な連絡に気付いてもらいやすいと紹介されています。
ただし、SMSで広告・宣伝を含む連絡を送る場合も、特定電子メール法の対象になります。総務省は、電話番号でメッセージを送受信するSMSなどのサービスも同法に規定する電子メールの通信方式の一つとされており、広告・宣伝メールを送信する場合は原則として規制の対象になると案内しています。受信者の同意の取り方、送信者の表示、配信停止の手段を、メルマガと同じように整えてから使いましょう。個別の判断は法務担当者や専門家に確認してください。SMSとRCSの違いは、RCSメッセージとは?SMS・LINEとの違いと導入メリット、配信サービスの選び方で整理しています。
メールの届きにくさや、連絡の運用の手間が課題の場合の一例が、株式会社ネクスウェイの「SMSLINK」です。商品ページでは、国内4キャリアと直接接続して配信でき、一斉送信や予約配信、配信結果(URLのクリック数やクリック日時など)の確認ができると紹介されています。Webタイプは、宛先リストのアップロード、メッセージの作成、送信日時の設定の流れで送れる点も特徴です。一方で、海外の携帯電話番号には送信できず、キャリアごとに通数の数え方が異なるため、配信先の特性と費用の数え方を事前に確認する必要があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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キャリア直接接続の高品質◎SMSのほか、音声・メール認証にも対応!低コストでも確実に届けたい企業におすすめ
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- サービスの利用がない月の場合は無料だが、利用有かつ利用額1,000円を下回った場合のみ、最低利用料金として1,000円がかかる
「国内携帯キャリアとの直接接続のため、海外サービス利用時と比べて『SMSが届かない』という連絡が減少。」
出典:トヨタ自動車株式会社の導入事例より(SMSLINK公式サイト。用途はカーシェアリングのSMS認証、2024年9月時点の内容)
検討段階と施策の組み合わせ方
施策は、相手の検討段階に合わせて使い分けると効果が高まります。比較検討の段階にある相手は、社内で稟議を通すための材料を探しています。稟議書の書き方は稟議書とは?書き方・記載項目・記載例と電子化の進め方を解説で解説していますが、渡す側は、相手がそのまま転用できる事例や費用対効果の資料を用意しておくと役立ちます。次の表は、検討段階ごとに相手が求めている情報と、それに合う施策を整理したものです。
| 検討段階 | 相手が求めている情報 | 合う施策 |
|---|---|---|
| 課題に気づいた段階 | 自社の課題が何か、他社はどう対処しているか | オウンドメディアの解説記事、メルマガ、SNS |
| 解決策を調べている段階 | どんな解決方法があり、何を基準に選べばよいか | ウェビナー、ホワイトペーパー、ステップメール |
| 比較検討の段階 | 自社に合うサービスはどれか、社内でどう説明するか | 導入事例、費用対効果の資料、個別相談会 |
| 導入を決める段階 | 導入の手順、サポート体制、契約条件 | インサイドセールスからの連絡、営業による提案、日程調整のリマインド(メール・SMS) |
少人数で回すための最小構成
中小企業では、マーケティングの専任担当がいないことも珍しくありません。その場合は、施策を増やすよりも「続けられる量」に絞ることが成果への近道です。たとえば、月1回のメルマガ、四半期に1回のウェビナー、スコアの高い相手への週数件の電話という3つだけでも、ナーチャリングの基本的な流れは回せます。大切なのは、誰が何をいつ行うかを決め、記録を残すことです。半年続けて商談につながった相手の行動を振り返れば、どの施策に力を入れるべきかが見えてきます。
ただし、施策を組み合わせるほど、「誰がどのメールを開き、どのウェビナーに参加し、どの資料を読んだか」という情報が増えていきます。これを手作業でまとめ続けるのは負担が大きく、担当者が替わると途切れてしまいがちです。ツールで記録と優先順位づけを助けてもらう方法は、後の章で種類ごとに整理します。
2つのサービスの役割を比較表で見るナーチャリングを導入する手順
ナーチャリングの導入は、ゴールとKPIの設定、ペルソナとリードの分類、カスタマージャーニーに沿った施策の決定、営業との引き継ぎ基準とPDCAの4手順で進めます。思いつきで始めるより、事前に設計してから進めるほうが成果につながりやすくなります。
手順1:ゴールとKPIを決める
最終的なゴールは受注ですが、ナーチャリングの成果は受注までの途中の数値で測ります。メールの開封率やクリック率、ウェビナーの参加者数、商談化した件数、商談化までにかかった日数などから、自社にとって意味のある指標を2つか3つに絞ってKPIとして設定します。
手順2:ペルソナを設定し、リードを分類する
受注実績のある顧客を分析し、どんな業種、規模、役職の人が、どんな課題をきっかけに導入したかを整理して、ペルソナ(典型的な顧客像)を描きます。そのうえで、手元のリードを業種や関心のテーマ、検討段階で分類します。分類があることで、相手に合った情報を届けられるようになります。
手順3:カスタマージャーニーに沿って施策を決める
ペルソナが課題に気づいてから導入を決めるまでの流れ(カスタマージャーニー)を描き、各段階でどんな情報が必要かを洗い出します。前の章の「検討段階と施策の組み合わせ方」の表を参考に、段階ごとに届ける施策を割り当てます。
手順4:営業との引き継ぎ基準を決め、PDCAを回す
スコアや行動など、どの状態になったら営業に引き継ぐかを、マーケティングと営業の双方で合意します。引き継いだ相手が実際に商談につながったかを記録し、月に1回程度、基準や施策を見直します。顧客情報を一元管理しておくと、この振り返りが格段に楽になります。
ここまでの4手順を、いまの自社の運用に当てはめて確認してみましょう。当てはまる項目の数で、見直しの優先度を3段階で表示します。
ナーチャリングの運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
チェックが多かった場合は、4手順の作業のうち、記録の更新、優先順位づけ、連絡の実行のどこに時間がかかっているかを分けて考えるのが近道です。優先順位づけにはスコアリング機能、連絡の実行にはSMSなどの配信手段というように、役割ごとにサービスを当てはめられます。
ナーチャリングを支えるツール|CRM・SFA・MAの違い
CRMは顧客情報と対応履歴の管理、SFAは営業活動と商談の管理、MAはメール配信やスコアリングなど見込み顧客への働きかけの自動化を、それぞれ主に担うツールです。ナーチャリングでは、この3つの役割分担を先に整理します。
| ツール | 主な役割 | ナーチャリングでの使いどころ | 導入前に決めること |
|---|---|---|---|
| CRM(顧客関係管理) | 顧客情報や、問い合わせ・商談の履歴を一元管理する | 接点の履歴を担当者が替わっても引き継ぐ。休眠顧客を抽出して連絡する | 入力する項目と、更新のルール |
| SFA(営業支援) | 営業活動や商談の進み具合、案件を管理する | 営業に引き継いだ後の商談を追い、受注・失注の理由を分析する | 商談の段階の定義と、入力する担当 |
| MA(マーケティングオートメーション) | メール配信、スコアリング、閲覧などの行動の記録といった、見込み顧客への働きかけを自動化する | 検討段階ごとのステップメールを送り、スコアが基準を超えた相手を営業に知らせる | 配信するコンテンツの量と、同意取得・配信停止の運用 |
よく混同されるのが、CRMとナーチャリングの違いです。CRMは顧客情報を管理する道具で、ナーチャリングは顧客との関係を育てる活動です。ナーチャリングはCRMだけでも始められますが、メールの自動配信やスコアリングまで広げるときは、MAを組み合わせるのが一般的です。SFAは、ナーチャリングの次の段階にあたる、営業が商談を進める場面を支えます。
ツールを選ぶ前に決める3つのこと
1つ目は、自社が詰まっている工程です。リストの記録、優先順位づけ、連絡の実行、営業への引き継ぎのどこで止まっているかによって、必要な機能が変わります。2つ目は、すでに使っているツールとの連携です。CRMやSFAを導入済みなら、それを活かせるかを確認します。3つ目は、運用する人と時間です。機能が多くても、入力や配信を続けられなければ成果につながりません。
たとえば、優先順位づけで詰まっている場合の一例が、先に紹介したinfoboxです。商品ページには、自社のCRMの活用や、SFA・MAツールとの連携も可能と紹介されているため、すでに使っている管理の仕組みを活かしながら検討できます。一方で、育成管理などは搭載されていないとされているため、メールの自動配信を行うならMAツールなど別の手段との組み合わせを考える必要があります。
infobox
有望な相手の見極めが、担当者の感覚でばらばらになっていませんか?
こんな会社に向いています
営業とマーケティングで、連絡の優先順位をそろえたい会社
自社のCRMやSFA・MAツールと組み合わせて使いたい会社
優良顧客への応用|既存顧客のファン化
ナーチャリングは、契約前の見込み顧客だけでなく、すでに取引のある顧客にも応用できます。新規顧客を獲得するより、既存顧客との取引を続けてもらうほうが、一般的に費用を抑えやすいとされています。既存顧客を対象としたナーチャリングでは、継続利用、追加の購入、他社への紹介といった成果を目指します。
既存顧客向けナーチャリングの施策
導入直後の顧客には、使い方の案内や活用のコツを届け、早い段階で効果を実感してもらうことが大切です。利用が定着した顧客には、上位プランや関連サービスの活用事例、ユーザー向けの勉強会などを案内します。利用頻度が下がった顧客には、担当者から状況を確認する連絡を入れると、解約の兆しに早めに気づけます。
ファン・推薦者を育てる
自社のサービスに満足している顧客は、導入事例への協力や、知り合いの企業への紹介を通じて、新たな顧客を連れてきてくれる存在になります。ユーザー会やコミュニティを設けて顧客同士が交流できる場をつくったり、事例記事として成果を紹介したりすることで、顧客自身が自社の発信者(インフルエンサー)のような役割を担ってくれることもあります。ただし、紹介や口コミの投稿に謝礼を出す場合は、広告であることを明示しないと景品表示法のステルスマーケティング規制に抵触するおそれがあるとされているため、運用ルールを事前に確認しておきましょう。個別の判断は法務担当者や専門家に確認してください。
2つのサービスの役割を比較表で見るナーチャリングでよくある失敗パターン
ナーチャリングの失敗の多くは、相手の検討段階を無視したアプローチから生まれます。よくある失敗と、その対策を整理しました。
| 失敗パターン | 起こること | 対策 |
|---|---|---|
| 情報収集段階の相手に売り込む | 資料請求の直後に電話で提案し、警戒されて配信停止や連絡拒否につながる | 初期段階では役立つ情報の提供に徹し、スコアが上がってから連絡する |
| 全員に同じ内容を送る | 業種や関心と関係のないメールが続き、開封率が下がっていく | 業種や検討段階でリードを分類し、内容を出し分ける |
| 配信の頻度が多すぎる | 短期間に何通も届き、迷惑メールと受け取られる | 配信の頻度に上限を決め、反応を見ながら調整する |
| 営業への引き継ぎ基準がない | 関心が高まった相手を見逃したり、早すぎる段階で営業が連絡したりする | スコアや行動による引き継ぎ基準を、営業と合意して明文化する |
| 短期間で成果を求める | 数か月で商談が増えないため、施策をやめてしまう | 途中段階のKPIで効果を測り、半年から1年の単位で評価する |
| 連絡手段がメールだけになっている | 開封されないまま止まり、相手の検討が進む時期を逃す | 電話やSMSなども組み合わせ、同意の取得と配信停止の運用を整えたうえで使い分ける |
これらの失敗に共通するのは、相手が今どの検討段階にいるのかを把握できていない点です。相手ごとの属性や反応の履歴をまとめて見られる状態にしておけば、売り込みのタイミングを誤ったり、関心の高い相手を見逃したりすることは減らせます。リードの数が増えて手作業での把握に限界を感じたら、記録と優先順位づけの部分を助けるinfoboxのようなサービスや、メールが届かない場面を補うSMSLINKのような配信サービスの資料を取り寄せ、自社の運用に合うかを確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ナーチャリングするとはどういう意味ですか?
A. 見込み顧客や既存顧客に、検討段階に合わせた情報を継続して届け、関係を保ちながら購買意欲を高めていくことを指します。英語のnurture(育てる)に由来し、「展示会で集めたリストをナーチャリングする」のように、相手を育てる行為を表す動詞として使います。
Q2. CRMとナーチャリングの違いは何ですか?
A. CRMは顧客情報や対応の履歴を管理するツールで、ナーチャリングは見込み顧客や既存顧客との関係を育てる活動です。CRMで接点の履歴を管理し、その情報をもとにメールやウェビナーなどの施策を行うのが基本の関係です。メールの自動配信やスコアリングまで広げるときは、MAツールを組み合わせるのが一般的です。
Q3. リードジェネレーションとナーチャリングの違いは何ですか?
A. リードジェネレーションは見込み顧客の連絡先や接点を獲得する活動で、ナーチャリングは獲得した見込み顧客の関心を育てる活動です。その後、商談につなげる相手を選び出すリードクオリフィケーションへと進みます。
Q4. ナーチャリングの使い方や、代表的な施策は何ですか?
A. 「リードをナーチャリングする」のように使い、代表的な施策には、メールマガジンやステップメール、セミナー・ウェビナー、ホワイトペーパーや事例資料、オウンドメディアやSNS、インサイドセールス、リターゲティング広告などがあります。相手の検討段階に合わせて組み合わせることが大切です。
Q5. 中小企業でもナーチャリングは始められますか?
A. 始められます。月1回のメルマガ、四半期に1回のウェビナー、関心の高い相手への電話といった続けられる量の施策に絞り、誰が何をいつ行うかを決めて記録を残すことから始めるのが現実的です。
Q6. ナーチャリングの成果はどのように測りますか?
A. 受注だけでなく、メールの開封率やクリック率、ウェビナーの参加者数、商談化した件数、商談化までの日数といった途中段階の指標をKPIとして設定します。成果が出るまで時間がかかるため、半年から1年の単位で評価するのが一般的です。
まとめ
ナーチャリングは、見込み顧客や既存顧客との関係を途切れさせず、検討段階に合わせた情報を届けることで購買意欲を育てる活動です。施策の数よりも、相手の段階を把握し、続けられる仕組みをつくることが成果を左右します。取り組む際は、次の5つを押さえておきましょう。
- 意味と使い方を押さえ、リードジェネレーション、ナーチャリング、クオリフィケーションの3つのステップを分けて、それぞれの担当とゴールを決める。
- 検討段階に合わせて、メルマガ、ウェビナー、事例資料、SMSなどの接点を使い分ける。
- スコアリングで営業への引き継ぎ基準を決め、途中段階のKPIで半年から1年の単位で振り返る。
- CRM・SFA・MAのどこで何を管理するかを決め、メールやSMSの同意取得と配信停止の運用を整える。
- 記録と優先順位づけ、連絡手段のうち手作業の負担が大きい部分は、infoboxやSMSLINKのようなサービスの資料を取り寄せ、自社の運用に合うかを比較検討する。
参考文献
- 経済産業省「産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)」 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
- 総務省「迷惑メール対策」(特定電子メール法) https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
- infobox公式サイト「株式会社パトスロゴス様の導入事例」 https://info-box.jp/case/pathoslogos/
- SMSLINK公式サイト「トヨタ自動車株式会社様の導入事例」 https://smslink.nexway.co.jp/case/17
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を目的としたものではありません。