勤怠管理システムとは?基本機能・導入メリットと選び方をわかりやすく解説
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- 自社の勤務形態(オフィス出社・テレワーク・シフト制など)に合った打刻方式を選べているか
- 労働基準法第109条・厚生労働省ガイドラインを踏まえた記録の保存体制になっているか
- 認知度だけで決めず、複数の勤怠管理システムを比較検討したか
従業員の出退勤を正確に記録し、集計・申請承認までを一つの仕組みで管理する「勤怠管理システム」は、働き方の多様化や法令対応の必要性を背景に、企業規模を問わず導入が進んでいます。本記事では、勤怠管理システムの基本的な仕組みと打刻方式の広がり、導入が求められる法的背景、業界別の活用ポイント、そして選定時に陥りやすい失敗パターンと回避策までを整理して解説します。自社に合った仕組みを検討する際の判断材料として活用してください。
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勤怠管理システムとは?基本機能と打刻方式の広がり
勤怠管理システムとは、従業員の出勤・退勤・休憩・残業などの時間情報を記録し、集計や申請承認、シフト管理、給与計算システムとの連携までを一元的に行うためのシステムです。紙の出勤簿やExcelでの手集計と比較して、集計ミスの削減や労務担当者の作業時間の圧縮につながる点が主なメリットとして挙げられます。
打刻方式も多様化しており、PC・スマートフォン(ブラウザやアプリ)での打刻に加え、ICカード、指紋認証、顔認証、GPSを利用した位置情報付き打刻など、複数の手段を組み合わせて導入する企業が増えています。クラウド型の勤怠管理システムの一例として、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する「KING OF TIME」のように、2003年からサービスを提供し、複数の打刻方式に対応することを特徴とするサービスもあります(導入社数・利用ID数は同社公式サイトで公開されている数値を参照。2026年7月1日時点で導入社数7.5万社・利用ID数455万ID、出典:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2025年版」)。もっとも、こうした数値は各サービスのプランや契約条件によって変動するため、導入検討時には必ず各社公式サイトの最新情報を確認することが必要です。
打刻方式ごとの特徴を整理すると、以下のような違いがあります。
| 打刻方式 | 特徴 | 向いている働き方 |
|---|---|---|
| PC・スマートフォン | 追加の専用機器が不要で、テレワークや外出先からの打刻に対応しやすい | テレワーク・直行直帰が多い働き方 |
| ICカード | 既存の社員証や交通系ICカードを流用できる場合が多く、打刻操作が簡単 | オフィス出社を中心とする働き方 |
| 指紋認証・顔認証 | なりすまし打刻(代理打刻)の防止効果が高い | 工場・店舗など複数人で共有する現場 |
| GPS(位置情報) | 打刻時の位置情報を記録でき、勤務場所の実態確認に活用しやすい | 直行直帰・現場作業が多い働き方 |
勤怠管理システムの導入が求められる法的背景
勤怠管理システムの導入が広がっている背景には、労働時間の適正な把握を求める法令・行政指針の存在があります。厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を定め、使用者が労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録することを求めています。自己申告制のみに依拠した労働時間管理は、実態との食い違いが生じやすいことが行政指導でも指摘されており、客観的な記録方法の一つとして勤怠管理システムの打刻データが位置づけられています。
また、労働基準法第109条では、労働者名簿・賃金台帳に加え、出勤簿やタイムカードなど労働時間の記録に関する書類について、原則5年間(当分の間の経過措置により3年間)の保存が義務付けられています。手作業での長期保存は紛失・改ざんのリスクや保管スペースの負担を伴うため、記録の保存・検索性の観点からもシステム化のメリットは大きいといえます。なお、出勤簿やタイムカードは国税関係帳簿書類ではないため、電子帳簿保存法の電子取引・スキャナ保存の要件が直接適用される対象ではありませんが、労働基準法上の保存義務は別途生じる点に注意が必要です。
本記事は労働基準法・電子帳簿保存法等の一般的な内容を紹介するものであり、個別の法的判断や助言を目的としたものではありません。実際の対応にあたっては、社会保険労務士や弁護士などの専門家、または所轄の労働基準監督署にご確認ください。
業界別に見る勤怠管理システム活用のポイント
製造業:シフト制・交替勤務との連携
製造業では、日勤・夜勤の交替制勤務や36協定に基づく残業時間の上限管理が課題となりやすい業種です。勤怠管理システムでシフトパターンをあらかじめ登録し、残業時間の累計を自動で可視化できれば、労務担当者が上限超過のリスクを早期に把握しやすくなります。工場の入退場管理システムと打刻データを連携させる運用も見られます。
IT・オフィスワーク:テレワークとフレックスタイム制への対応
テレワークやフレックスタイム制を採用する企業では、オフィスにいない従業員の勤務実態をどう把握するかが論点になります。PC・スマートフォンからの打刻に加えて、PCの起動・終了ログと打刻データを突き合わせる運用により、実態との食い違いを確認しやすくする工夫が取られています。
小売・サービス業:多店舗・複数拠点のシフト管理
複数店舗を展開する小売・サービス業では、店舗ごとに異なるシフトパターンや、パート・アルバイトを含む多様な雇用形態への対応が求められます。本部が全店舗の勤怠データをまとめて確認できる仕組みがあると、店舗間の人員配置調整や急な欠員への対応判断がしやすくなります。
勤怠管理システム選定で陥りやすい失敗パターンと回避策
勤怠管理システムの導入自体は珍しくなくなった一方で、選定・運用の段階でつまずくケースも少なくありません。代表的な3つの失敗パターンを紹介します。
失敗パターン1:自社の勤務形態に合わない打刻方式を選んでしまう
直行直帰が多い営業職にICカード打刻を導入してしまい、結局オフィスに戻らないと打刻できず自己申告に戻ってしまう、といったケースです。導入前に、自社の主な働き方(オフィス出社・テレワーク・現場作業など)に対応した打刻方式が用意されているかを確認する必要があります。
失敗パターン2:既存の給与計算システムとの連携を確認せずに導入してしまう
勤怠データを給与計算システムに手動で転記し直す運用になり、システム化の効果が半減してしまうケースです。既存の給与計算・人事システムとのデータ連携(API連携やCSV連携など)が可能かどうかを、契約前に必ず確認することが重要です。
失敗パターン3:複数のサービスを比較せず、認知度だけで決めてしまう
知名度の高いサービスをそのまま選び、後から自社の勤務形態や拠点数に合わないことに気づくケースです。勤怠管理システムは打刻方式・料金体系・サポート体制がサービスごとに異なるため、候補を複数比較したうえで検討することが望ましいといえます。
勤怠管理システム導入の進め方
勤怠管理システムを導入する際は、以下のようなステップで進めるのが一般的です。
- 自社の勤務形態(オフィス出社・テレワーク・シフト制など)と課題を整理する
- 候補となる複数のサービスを比較検討し、打刻方式・連携範囲・サポート体制を確認する
- 無料トライアルやデモを利用し、実際の操作性を確認する
- 一部の部署・店舗で試験運用し、問題点を洗い出したうえで全社展開する
特に2の比較検討の段階を省略してしまうと、前章で紹介した失敗パターンに陥りやすくなります。契約前に複数サービスの機能・料金体系・サポート範囲を並べて確認する時間を確保することが、後々の運用負荷を下げるうえで重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 勤怠管理システムとタイムカードの違いは何ですか。
A. タイムカードは出退勤の時刻を紙やカードに記録する仕組みで、集計は手作業で行うのが基本です。勤怠管理システムは打刻データの集計・申請承認・給与計算システムとの連携までを自動化できる点が異なります。
Q2. 勤怠管理システムはどのような企業規模でも導入できますか。
A. クラウド型の勤怠管理システムは、数名規模の小規模事業者から数千人規模の企業まで、幅広い規模で導入されています。ただし機能や料金プランはサービスごとに異なるため、自社の従業員数や拠点数に応じたプランが用意されているかを確認する必要があります。
Q3. テレワーク中の従業員の勤怠管理はどう行えばよいですか。
A. PCやスマートフォンから打刻できるクラウド型の勤怠管理システムを利用することで、オフィス外からでも出退勤の記録が可能になります。合わせてPCの操作ログなどと組み合わせて実態確認を行う運用も見られます。
Q4. 勤怠管理システムの導入にあたって補助金は使えますか。
A. 中小企業・小規模事業者向けの「IT導入補助金」や、厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」など、条件を満たせば活用できる制度があります。対象要件や申請スケジュールは年度によって変わるため、公式サイトで最新情報を確認してください。
Q5. 出勤簿やタイムカードのデータはどのくらいの期間保存する必要がありますか。
A. 労働基準法第109条により、出勤簿やタイムカードを含む労働時間の記録は原則5年間(当分の間の経過措置により3年間)保存することが義務付けられています。保存期間の起算日は書類の種類によって異なるため、詳細は厚生労働省の案内や専門家にご確認ください。
Q6. 複数の勤怠管理システムを比較する際は何を基準にすればよいですか。
A. 自社の打刻方式のニーズ、既存の給与計算システムとの連携範囲、サポート体制、料金体系の4点を軸に比較すると、選定の失敗を避けやすくなります。複数サービスをまとめて比較した記事を参考にするのも一つの方法です。
まとめ|今日からできる4つのこと
勤怠管理システムの導入・見直しを検討する際は、以下の4点から着手すると進めやすくなります。
- 自社の勤務形態(オフィス出社・テレワーク・シフト制など)に必要な打刻方式を整理する
- 労働基準法第109条や厚生労働省のガイドラインを踏まえ、記録の保存・管理体制を確認する
- 製造業・オフィスワーク・小売・サービス業など、自社の業種特有の勤怠管理課題を洗い出す
- 認知度だけで決めず、複数の勤怠管理システムを比較検討したうえで候補を絞り込む
特に4の比較検討は、この記事で紹介した失敗パターンを避けるうえで欠かせないステップです。自社の条件に近いサービスを一覧で比較したい場合は、以下の記事も参考にしてください。