請求書受領サービスの選び方|料金・機能・データ化精度を比較【2026年最新】
Check!
- Bill One(ビルワン)の仕組み・料金体系の考え方・評判がわかる
- 電子帳簿保存法とインボイス制度で請求書受領に求められることがわかる
- データ化精度・支払連携・業種別の視点で請求書受領サービスを選ぶ方法と失敗パターンがわかる
請求書受領サービスは、紙・PDF・メールなどさまざまな形で届く請求書をオンラインで受け取り、データ化から社内の承認、仕訳、保管までをまとめて扱えるクラウドサービスです。電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の開始によって、請求書の受け取り方と保存方法を見直す企業が増えており、その代表的なサービスとしてよく名前が挙がるのが、Sansan株式会社が提供する「Bill One請求書受領」(以下、Bill One)です。
ただ、サービス名で料金や機能、評判を調べていても、「データ化の精度は本当に十分なのか」「受け取った後の支払いや消込は別のシステムになるのではないか」「請求書の枚数が多い自社だと費用はどう変わるのか」といった疑問は残りがちです。この記事では、Bill Oneの仕組み・料金体系の考え方・評判を整理したうえで、請求書受領サービスを選ぶときの確認ポイント、業種別の課題、よくある失敗パターンまでを、国税庁などの公的資料をもとに解説します。
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請求書受領サービスの比較|受領代行型と債務管理型の違い
請求書受領の効率化に使われるサービスは、請求書の受け取りとデータ化を代行する「受領代行型」と、受け取った請求書をもとに支払依頼・承認・振込までを管理する「債務管理型」に大きく分かれます。どちらも請求書を電子化して管理する点は共通していますが、得意とする業務の範囲が異なります。ここでは代表的な2つのサービスを並べて、それぞれの長所と留意点を整理します。優劣ではなく、自社の課題がどの工程にあるかで選ぶことが大切です。
| サービス名(提供会社) | 向いているケース | 主な強み | 留意点 |
|---|---|---|---|
| Bill One請求書受領(Sansan株式会社) | 紙・PDF・メールなど受け取り方がばらばらで、拠点や部門に請求書が分散している | 送付先を変えるだけで紙もPDFもオンラインで受領。データ化から申請・承認、仕訳、支払い管理、保管まで一元化。専任担当者の伴走サポート、JIIMA認証 | 月の受領件数や従業員数によって有料プランへの切り替えや初期費用・年額費用が発生。小規模向けプランは使える機能が限られる |
| マネーフォワード クラウド債務支払(株式会社マネーフォワード) | PDF・メールの請求書が中心で、支払依頼から振込までをクラウドで完結させたい | AI OCRで支払依頼の下書きを自動作成。柔軟な承認ワークフロー、銀行振込API、支払調書の作成。紙の受領代行はBPOで補える | 紙の請求書の受け取り・保管をシステムだけで完結させるには、オプションのBPOサービスの利用を検討する必要がある。料金は問い合わせで確認 |
比較表の情報は、各サービスの紹介ページに掲載されている特徴・機能・注意点をもとにしています(2026年9月24日確認)。受け取りの段階で紙とデータが混在し、取引先に負担をかけずに受け取り方を一本化したいならBill One、受け取った後の支払依頼や振込の手作業をなくしたいならマネーフォワード クラウド債務支払、というのが一つの整理です。両者は競合というより、請求書業務の前工程と後工程をそれぞれ得意としていると考えると理解しやすくなります。
紙の請求書が多く、まず受け取りとデータ化の負担を減らしたい方は、Bill Oneの資料から確認できます。

評判・口コミを紹介
Bill Oneであれば紙の請求書でもオンラインで受領・データ化することが可能なため、それらの作業を行うことなく、請求書をオンラインで簡単に確認できるようになり、業務時間を3000時間程度削減できました。また、テレワークの前に請求書をスキャンするための残業がなくなり、経理担当者1人あたりのテレワーク実施時間が月44時間から月84時間へと増加しました。
ニュース(株式会社ボディワークホールディングス)|Sansan株式会社
ここがおすすめ!
- あらゆる請求書をオンラインで受け取れて、クラウド上で一元管理できる
- 申請や承認などのさまざまな請求書業務をデジタル上で完結でき、生産性が向上する
- インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に都度対応し、請求書業務の負担を軽減できる
ここが少し気になる…
- 価格を確認するには問い合わせが必要
-
支払請求書の管理漏れを防げるようになりました。紙で届いた請求書もスキャンして取り込めるうえ、電子帳簿保存法に対応しているため、紙の保管・管理の手間が大幅に削減。業務効率が格段に向上しました。さらに、300件/月まではずっと無料で利用できる点もコストめんで大変ありがたく、導入しやすかったです。
Bill One(ビルワン)とは|請求書受領サービスの仕組み
Bill Oneは、Sansan株式会社が提供するクラウド請求書受領サービスで、あらゆる形式の請求書をオンラインで代理受領し、データ化から申請・承認、仕訳、支払い管理、保管までを1つのサービス上で完結させることを目的としています。2020年にサービスが始まり、名刺管理サービスで培ったデータ化の仕組みを請求書業務に応用している点が特徴です。
受け取りからデータ化までの流れ
Bill Oneを導入すると、取引先には請求書の送付先をBill Oneが指定する宛先に変えてもらいます。取引先は発行の方法や形式を変える必要がなく、紙の請求書は郵送のまま、PDFはメールのまま送れます。紙で届いた請求書はBill One側でスキャンされ、PDFなどのデータも含めてデータ化されます。紹介ページでは、Sansan株式会社が規定する条件を満たした場合のデータ化精度を99.9%としています。データ化された請求書にはそれぞれ固有のURLと番号が割り当てられ、クラウド上で検索・閲覧できるようになります。
| 業務の段階 | 主な機能 | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|
| 受け取り | 紙・PDFの代理受領、受領やデータ化完了のメール通知、固有URL・番号の付与、定額支払いの自動登録 | 取引先への送付先変更の案内を誰がどう行うか |
| 申請・承認 | ステータス管理、コメントの付与、拡張項目の追加・初期値設定 | 現在の社内承認ルートをそのまま設定できるか |
| 保管・経理対応 | 仕訳入力・過去仕訳の呼び出し、支払通知のメール送付、印刷・ダウンロード | 利用中の会計システムと連携できるか、連携方式は何か |
料金体系の考え方
Bill Oneの料金は、初期費用と年額費用で構成され、年額費用は受け取る請求書の件数などに応じて個別に設定されるのが基本です。紹介ページによると、1か月あたりの受領件数が100件を超えた場合は翌月から有料プランへの切り替えが必要で、従業員数が101名以上の場合は初期費用と年額費用が発生します。小規模事業者向けのプランも用意されていますが、利用できる範囲や機能は限られています。具体的な金額は見積もり制のため、本記事では金額そのものではなく、課金の仕組みに注目しています。最新の条件は公式サイトや問い合わせで確認してください。
評判・口コミで多い声
比較サイトや導入事例では、「請求書をオンラインで簡単に確認できるようになった」「現場とのやり取りが減り、月次決算が早まった」「支払漏れや入力漏れが減った」といった声が多く見られます。一方で、データ化の結果に確認が必要なケースがある、データ化が完了するまでに時間がかかることがある、といった指摘もあります。代理受領とデータ化を任せる仕組みである以上、受領からデータ化完了までのタイムラグと、データ化結果の確認手順を運用の中でどう扱うかが、評価の分かれ目になりやすい点です。口コミを読む際は、投稿者の受領件数や業種が自社に近いかも意識しましょう。
請求書受領サービスが必要とされる背景|電子帳簿保存法・インボイス制度
請求書受領サービスが広がった背景には、電子帳簿保存法の改正で電子取引データの電子保存が求められるようになったことと、インボイス制度の開始で受け取った請求書が適格請求書かどうかの確認が必要になったことがあります。受け取る請求書の形式が紙とデータで混在すると、保存方法も確認作業も二重になり、経理部門の負担が大きくなります。
国税庁の「電子帳簿保存法関係」では、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引データの保存という3つの区分で制度が案内されています。このうち、メールやWebで受け取ったPDFの請求書などの電子取引データは、紙に印刷して保存するのではなく、データのまま一定の要件を満たして保存することが求められています。根拠となる法律は、e-Gov法令検索で公開されている「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」です。
| 制度・区分 | 請求書受領で関係すること | サービスで支援できること |
|---|---|---|
| 電子取引データの保存 | メールやWebで受け取った請求書をデータのまま保存する | 受領したデータの一元保管、取引年月日・金額・取引先での検索 |
| スキャナ保存 | 紙で受け取った請求書を要件に沿ってスキャンし、データで保存する | 代理受領とスキャン、タイムスタンプなどの改ざん防止の仕組み |
| インボイス制度 | 受け取った請求書が適格請求書か、登録番号が正しいかを確認する | 登録番号の読み取りと適格請求書の判定 |
インボイス制度について、国税庁の「インボイス制度について」では、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書の保存が必要とされています。受け取った請求書ごとに登録番号の有無や記載事項を確認する作業は、件数が多いほど手作業では追いつきにくくなります。Bill Oneもマネーフォワード クラウド債務支払も、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応を機能として掲げています。
保存要件の細かな内容や、自社の運用が要件を満たしているかどうかは、国税庁の一問一答や所轄の税務署、税理士などの専門家に確認することをおすすめします。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法律上の助言ではありません。
請求書受領サービスの選び方
請求書受領サービスを選ぶときは、「データ化の精度と速度」「受領後の支払業務との連携」「保存枚数と料金体系」の3点を順に確認するのが基本です。知名度や口コミだけで決めると、導入後に後工程の手作業が残っていたり、件数の増加で費用が想定を超えたりすることがあります。
データ化の精度・速度
請求書のデータ化には、AI OCRだけで読み取る方式と、AI OCRにオペレーターによる確認を組み合わせる方式があります。前者は処理が速い一方、手書きや独自レイアウトの請求書では読み取りのばらつきが出やすく、後者は精度が高まりやすい一方、データ化の完了まで一定の時間がかかります。評判で「精度にばらつきがある」「処理に時間がかかる」という声が出るのは、この仕組みの違いを理解しないまま導入した場合に多い傾向があります。選定時には、公表されている精度の数字だけでなく、その数字がどのような条件のもとで測られたものか、データ化が完了するまでの目安、読み取り結果を誰がどの画面で確認するのかを確認しましょう。自社で実際に受け取っている請求書のうち、読み取りにくそうなものを数枚選んでトライアルや見積もりの段階で試してもらうと、導入後のギャップを減らせます。
受領後の支払業務との連携
請求書業務の効率化で見落とされやすいのが、受け取った後の工程です。受領とデータ化がクラウド化されても、支払依頼の作成、承認、インターネットバンキングでの振込、支払後の消込が別々の作業のままだと、月末の経理担当者の負担はあまり変わりません。確認したいのは、支払依頼の作成がどこまで自動化されるか、承認ルートを自社の規程どおりに設定できるか、銀行振込まで同じ画面で完結できるか、会計システムにどのような方式で仕訳を渡せるか、という点です。
マネーフォワード クラウド債務支払は、請求書メールの自動取込とAI OCRによって支払依頼申請の下書きを作成し、事前申請から支払いまでを一貫して管理できる債務管理システムです。銀行振込API機能を使えば、インターネットバンキングに都度ログインせず取引先への振込を実行でき、全銀データ(FBデータ)の作成も不要になります。マネーフォワード クラウド会計との連携に加えて他社会計システムと接続できるAPIも公開されており、支払調書の作成にも対応しています。紙の請求書の受領代行や保管はBPOサービスと組み合わせて補う設計のため、PDFやメールの請求書が中心で、支払までを一気通貫で整えたい企業に向いています。受領後の支払・振込の手作業をなくしたい方は、以下から資料を確認できます。
AI OCR機能や承認フローの効率化により、請求書の電子保存や自動入力で請求書管理を効率化するなら、マネーフォワード クラウド債務支払の導入がおすすめです。

評判・口コミを紹介
導入後の最大のメリットは、やはりペーパーレス化により紙にまつわる作業や手間がすべてなくなったことです。経費や支払の問い合わせの際に毎回紙を探す手間、ファイリングする手間、会計監査や税務調査の際に紙の資料を収集する手間がなくなりました。
経費の導入事例(マックス株式会社)|株式会社マネーフォワード
ここがおすすめ!
- 銀行振込APIと連携しているため、ワンクリックで振込みができる
- AI-OCRにより、適格請求書の判定業務を効率化
- ワークフローは自社にあわせて柔軟に申請経路の設定が可能
ここが少し気になる…
- 開封や受領・保管の代行はオプションとなる
保存枚数・料金体系
請求書受領サービスの料金は、受領件数に応じて費用が決まる方式、利用ユーザー数に応じた方式、機能の範囲でプランが分かれる方式などがあり、同じ「月額いくら」でも比べる軸が異なります。受領件数で課金される場合は、繁忙期や取引先の増加で件数がどこまで伸びるかを見込んでおく必要があります。一方、ユーザー数で課金される場合は、承認に関わる現場の担当者までアカウントが必要になると費用が膨らむことがあります。保存できる枚数や保存期間に上限があるかどうかも、電子帳簿保存法に沿って長期間データを保存する前提では重要な確認項目です。見積もりを取る際は、直近1年分の月ごとの受領件数と、承認に関わる人数を手元に用意しておくと比較がしやすくなります。
業種別に見る請求書処理の課題
請求書処理の負担は業種によって大きく異なり、建設業や卸売業のように取引先と月間の請求書枚数が多い業種では「受け取りとデータ化の量」が、サービス業や中小企業では「少人数の経理体制で支払と保存まで回すこと」が中心的な課題になります。自社の課題がどこにあるかによって、重視すべきサービスの型が変わります。
| 比較項目 | 建設業・卸売業 | サービス業・中小企業 |
|---|---|---|
| 請求書の届き方 | 協力会社・仕入先が多く、紙の請求書が現場や支店に届く | 取引先は比較的少なく、PDFやメールでの受け取りが増えている |
| 負担が大きい工程 | 回収、スキャン、データ入力、工事や案件ごとの振り分け | 承認の回付、振込の実行、保存要件への対応 |
| 起きやすいミス | 請求書の紛失、回収の遅れによる支払漏れ | 担当者不在時の支払遅延、二重支払い |
| 重視したい型 | 代理受領とデータ化を任せられる受領代行型 | 支払依頼から振込まで管理できる債務管理型 |
建設業・卸売業(請求書枚数が多い業種)
建設業では、1つの工事に多くの協力会社が関わるため、月末になると現場事務所や支店に紙の請求書がまとめて届きます。本社の経理部門はそれを回収し、工事ごとに振り分けてから支払処理をするため、回収の遅れがそのまま支払の遅れにつながりやすい構造です。卸売業でも、仕入先の数が多く、請求書の形式が取引先ごとにばらばらになりがちです。こうした業種では、取引先に送付先を変えてもらうだけで紙もPDFも1か所に集まり、データ化まで任せられる受領代行型の効果が出やすくなります。一方で、受領件数が多いほど件数に応じた費用も増えるため、見積もり時に繁忙期を含めた件数を正確に伝えることが大切です。建設業の協力会社に送付先の変更をお願いする際は、案内文や切り替え時期を早めに決め、切り替え前後に届いた請求書の扱いも社内で共有しておくと混乱を防げます。
サービス業・中小企業
サービス業や中小企業では、経理担当者が1人から数人という体制が多く、請求書の受け取りから承認の回付、振込、保存までを同じ担当者が行っていることが珍しくありません。受け取る請求書の枚数自体は多くなくても、担当者が休んだときに支払が止まる、振込データを手で作るため二重支払いのリスクがある、といった課題が生じやすくなります。この場合は、受け取りの代行よりも、PDFの請求書から支払依頼を自動で作り、承認と振込までをクラウド上で完結できる債務管理型のほうが効果を感じやすいでしょう。取引先の多くがPDFやメールで請求書を送ってくる企業であれば、受領代行型を使わなくても、メール取込とAI OCRで十分に対応できるケースもあります。請求書を発行する側の業務もあわせて見直したい場合は、請求書発行システムおすすめ15選(全34選)を徹底比較も参考になります。
請求書受領サービス導入の進め方|4つのステップ
請求書受領サービスの導入は、「現状の棚卸し」「業務フローと保存ルールの設計」「取引先への切り替え案内」「並行運用と定着」の4段階で進めると、稼働後の手戻りを減らせます。社内だけで完結するシステムと違い、取引先の協力が必要になる点が、請求書受領サービスならではの特徴です。
| ステップ | 主な作業 | 担当の目安 |
|---|---|---|
| 1. 現状の棚卸し | 取引先ごとの請求書の形式・届く場所・月ごとの件数、承認ルート、支払方法を一覧にする | 経理担当、各拠点の事務担当 |
| 2. 業務フローと保存ルールの設計 | 受領から支払・保存までの担当と使うシステムを決め、電子帳簿保存法に沿った事務処理規程を整える | 経理責任者、ベンダーのサポート |
| 3. 取引先への切り替え案内 | 新しい送付先と切り替え日を案内し、旧宛先に届いた請求書の扱いを決める | 経理担当、購買・現場の窓口担当 |
| 4. 並行運用と定着 | 1から2か月は従来の方法と突き合わせ、データ化結果の確認や承認の滞りを見直す | 経理担当、承認者 |
最も時間をかけるべきなのは、1つ目の棚卸しです。経理部門が把握している請求書は全体の一部で、実際には現場や支店が受け取ってから本社に回すまでに日数がかかっていたり、担当者の個人メールに届いていたりすることが少なくありません。取引先ごとに「紙かPDFか」「どこに届くか」「月に何件か」を一覧にすると、受領代行が必要な範囲と、メール取込で足りる範囲が見えてきます。この一覧は、そのまま見積もりの前提資料や取引先への案内先リストとしても使えます。
2つ目の設計では、システムの設定だけでなく、電子保存に関する社内ルールも整えておく必要があります。国税庁の電子帳簿保存法関係の案内では、電子取引データの保存にあたって改ざん防止のための措置の一つとして、訂正や削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する方法が示されています。サービス側でタイムスタンプや訂正削除の履歴が残る仕組みがあるか、それとも自社で規程を整える必要があるかを、ベンダーに確認しておきましょう。3つ目の取引先への案内は、切り替え日の1か月以上前に行い、請求書の締め日をまたがないように設定すると、旧宛先と新宛先の混在を最小限に抑えられます。
請求書受領サービス選定でよくある失敗パターン
請求書受領サービスの導入でつまずく原因は、「データ化の精度を公表値だけで判断する」「受領後の支払工程を後回しにする」「取引先への切り替え案内を軽く考える」の3つに集約されます。スイッチを切り替えると、それぞれの回避策を確認できます。
失敗パターン1:データ化の精度を公表値だけで判断した。自社に多い手書きや独自形式の請求書で確認作業が発生し、データ化完了までの待ち時間も想定より長く、月末の締めに影響が出た。
失敗パターン2:受領のクラウド化だけで満足した。支払依頼の作成と振込データの作成は手作業のまま残り、経理担当者の作業時間がほとんど減らなかった。
失敗パターン3:取引先への送付先変更の案内が遅れた。旧住所や担当者宛てに請求書が届き続け、紙とクラウドの二重管理がしばらく続いた。
中でも影響が大きいのが、2つ目の支払工程の後回しです。請求書受領サービスの導入目的を「紙をなくすこと」だけに置くと、受け取りは速くなっても、支払依頼の作成や振込の実行に同じだけ時間がかかり、期待した効果が出ません。受領後の工程まで含めて、どの作業をどのシステムに任せるかを決めておくことが、導入効果を左右します。
1つ目の精度については、データ化の方式を理解したうえで運用を組むことが大切です。オペレーターの確認を含む方式では精度が高まりやすい反面、データ化の完了を待つ時間が発生します。月末や締め日の直前に届く請求書が多い企業では、この時間を見込んだ締めのスケジュールを組んでおくと、処理が間に合わないという事態を防げます。
請求書処理コストを数値で確認する
請求書受領サービスの効果は、「月間の請求書枚数×1枚あたりの手作業時間」で表せる工数が、データ化と電子管理によってどれだけ減るかで見積もれます。以下のシミュレーターに、自社の月間の請求書枚数と、1枚あたりの受け取り・入力・回付・ファイリングにかかっている時間、担当者の時給の目安を入力すると、月あたりの削減時間と人件費の目安を試算できます。
簡易シミュレーター:請求書処理の削減時間と人件費の目安
削減できる人件費の目安は月約40,000円、年約480,000円です。
※初期値は操作説明用の仮の値です。削減率は請求書の形式や業務範囲によって変わります。サービスの利用料と比べる際は、各サービスの見積もりで最新の料金を確認してください。
試算の際は、請求書の開封やスキャン、入力だけでなく、現場からの回収の催促、承認者への回付、差し戻しの連絡、紙のファイリングと保管スペースの管理など、請求書にまつわる周辺作業も含めて考えると実態に近づきます。一方で、受領件数に応じて利用料が決まるサービスでは、枚数が多い企業ほど利用料も増えるため、削減できる工数と利用料のバランスを年間で比べることが大切です。
金額に表れにくい効果にも目を向けましょう。請求書の紛失や支払漏れを防げることは取引先との信頼につながり、保存要件に沿った電子保存は税務調査への備えにもなります。請求書以外の契約書や社内文書もあわせて電子化したい場合は、文書管理システムおすすめ10選(全15選)を徹底比較も参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q. Bill One(ビルワン)とはどのようなサービスですか?
A. Sansan株式会社が提供するクラウド請求書受領サービスです。紙・PDFなどあらゆる形式の請求書をオンラインで代理受領してデータ化し、申請・承認、仕訳、支払い管理、保管までを1つのサービス上で扱えます。取引先は送付先を変えるだけで、発行方法を変える必要はありません。
Q. Bill Oneの料金はどのような仕組みですか?
A. 初期費用と年額費用で構成され、年額費用は受領する請求書の件数などに応じて個別に設定されます。月の受領件数が100件を超えた場合や、従業員数が101名以上の場合は有料プランや初期費用・年額費用が必要になります。具体的な金額は見積もり制のため、公式サイトや問い合わせで確認してください。
Q. 請求書受領サービスと債務管理システムの違いは何ですか?
A. 請求書受領サービスは、請求書の受け取りとデータ化、保管を中心とした前工程を得意とします。債務管理システムは、受け取った請求書をもとに支払依頼、承認、銀行振込、支払管理を行う後工程を得意とします。自社の負担がどの工程に集中しているかで選び分けるのが基本です。
Q. データ化の精度にばらつきがあるという評判は本当ですか?
A. 口コミでは、データ化結果の確認が必要な場合や、完了まで時間がかかる場合があるという声も見られます。精度はデータ化の方式や請求書の形式によって変わるため、自社で実際に受け取っている読み取りにくい請求書を使って事前に試し、確認手順と締めのスケジュールを運用に組み込むことをおすすめします。
Q. メールで受け取ったPDFの請求書は印刷して保存してもよいですか?
A. 国税庁の電子帳簿保存法関係の案内では、メールやWebで受け取った請求書などの電子取引データは、データのまま一定の要件を満たして保存することが求められています。具体的な保存要件や自社の運用が要件を満たすかは、国税庁の資料や税理士などの専門家に確認してください。
Q. 請求書の枚数が少ない中小企業でも導入するメリットはありますか?
A. 枚数が少なくても、経理担当者が少人数の企業では、担当者不在時の支払遅延や二重支払いの防止、保存要件への対応といった効果が期待できます。PDFやメールの請求書が中心であれば、支払依頼から振込まで管理できる債務管理型のほうが効果を感じやすい場合があります。
まとめ|請求書受領サービスは課題のある工程で選ぶ
Bill Oneは、紙もPDFもオンラインで代理受領し、データ化から申請・承認、仕訳、支払い管理、保管までを一元化できるクラウド請求書受領サービスです。一方で、自社に合うかどうかは、知名度や評判よりも「請求書がどのような形で、どこに届いているか」「受け取った後の支払をどう処理しているか」によって決まります。導入を判断する際は、次の4つを確認しておきましょう。
- 紙・PDF・メールの割合と、請求書が届く拠点や部門を洗い出し、受領代行が必要かを判断する
- 読み取りにくい実際の請求書でデータ化の精度と完了までの時間を試し、確認手順を決める
- 支払依頼・承認・振込・消込をどのシステムで行うかを決め、債務管理型との組み合わせも検討する
- 繁忙期を含めた月ごとの受領件数と承認に関わる人数をもとに、料金体系を比較する
拠点や現場に紙の請求書が分散し、取引先に負担をかけずに受け取り方を一本化したい企業にとって、Bill Oneは有力な候補の1つです。自社の請求書の件数や形式に当てはめて、資料で確認してみてください。

評判・口コミを紹介
Bill Oneであれば紙の請求書でもオンラインで受領・データ化することが可能なため、それらの作業を行うことなく、請求書をオンラインで簡単に確認できるようになり、業務時間を3000時間程度削減できました。また、テレワークの前に請求書をスキャンするための残業がなくなり、経理担当者1人あたりのテレワーク実施時間が月44時間から月84時間へと増加しました。
ニュース(株式会社ボディワークホールディングス)|Sansan株式会社
ここがおすすめ!
- あらゆる請求書をオンラインで受け取れて、クラウド上で一元管理できる
- 申請や承認などのさまざまな請求書業務をデジタル上で完結でき、生産性が向上する
- インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に都度対応し、請求書業務の負担を軽減できる
ここが少し気になる…
- 価格を確認するには問い合わせが必要
-
支払請求書の管理漏れを防げるようになりました。紙で届いた請求書もスキャンして取り込めるうえ、電子帳簿保存法に対応しているため、紙の保管・管理の手間が大幅に削減。業務効率が格段に向上しました。さらに、300件/月まではずっと無料で利用できる点もコストめんで大変ありがたく、導入しやすかったです。
参考文献
- 国税庁「電子帳簿保存法関係」、2026年9月24日確認
- 国税庁「インボイス制度について」、2026年9月24日確認
- e-Gov法令検索「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」、2026年9月24日確認
- Sansan株式会社「Bill One 公式サイト」、2026年9月24日確認