優先順位の付け方|使えるフレームワーク5選と個人・チームでの使い分け

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  • 優先順位と優先度の違い、決め方の基本がわかる
  • フレームワーク5選を場面別に使い分けられる
  • 複数案件で必要な工数・利益の数字の整え方がわかる

優先順位とは、複数ある物事のなかで、どれを先に行うかを決めた順番のことです。ビジネスでは、限られた時間と人手をどの仕事から配分するかを判断することを指し、重要度・緊急度・かかる工数の3つの軸で決めるのが基本です。本記事では、優先順位と「優先度」の違い、基本の4ステップ、代表的なフレームワーク5選、個人・チーム・複数プロジェクトでの使い分けを整理します。あわせて、システム開発や案件の優先順位を決めるときに必要になる工数・原価の数字、よくある失敗、決めたあとの進め方と効果の測り方まで解説します。

あなたの優先順位づけに合う読み進め方を診断

Q1. 優先順位を決めたい対象は、どちらに近いですか?

目次

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  1. 優先順位は何を材料に決める?複数の案件では数字が足りなくなる
  2. 優先順位とは|「優先度」との違い
  3. 優先順位の付け方|基本の4ステップ
  4. 優先順位づけの代表的なフレームワーク5選
  5. フレームワークの使い分け方|個人とチーム・プロジェクト
  6. 優先順位づけでよくある失敗パターン
  7. 優先順位を決めたあとの進め方
  8. 優先順位づけの効果をどう測るか
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

優先順位は何を材料に決める?複数の案件では数字が足りなくなる

優先順位は、重要度・緊急度・負荷(かかる工数)の3軸で決めます。複数の案件を比べる場面では、さらに工数・原価・利益の数字が判断材料になります。

  • 重要度:そのタスクや案件が、組織や自分の目標にどれだけ貢献するか
  • 緊急度:期限までの残り時間と、遅れたときに生じる影響の大きさ
  • 負荷:完了までにかかる時間・人手・費用

個人のタスクなら経験と感覚でも判断できますが、複数の案件を比べる場面では、工数・原価・利益といった数字がないと順番をつけられません。重要度と緊急度は依頼の内容や期限から判断できますが、負荷は数字で測る必要があります。たとえば同じ「重要で急ぎ」の案件が3つ並んだとき、1つは外注費がかさみ、1つは担当者の稼働がすでに埋まり、1つは利益率が低い、といった違いは、案件ごとの工数・原価・利益を集計しないと見えません。この集計をExcelや別々のシートで行っていると、優先順位を決める会議の前に数字を集める作業が発生し、集めた時点で数字が古くなっていることもあります。

複数の案件を抱える会社では、優先順位の付け方を学ぶだけでなく、判断材料の数字を整える仕組みも必要になります。プロジェクト型のビジネス向けのクラウドERPには、案件ごとの工数・原価・損益を一か所で集計できるものがあります。ここでは、プロジェクト管理・工数管理のカテゴリから、役割の異なる2つのサービスを比較表で紹介します。

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優先順位とは|「優先度」との違い

優先順位とは、複数ある物事のなかで、どれを先に行うかを示す順番のことです。ビジネスでは、限られた時間と人手をどの仕事から配分するかを決める判断を指します。

1番目、2番目と並べた順序そのものが優先順位です。よく似た言葉に「優先度」があり、日常会話ではほぼ同じ意味で使われますが、実務では区別しておくと混乱が減ります。

項目 優先度 優先順位
意味 1つのタスクがどれだけ優先されるべきかの度合い 複数のタスクを並べたときの実行の順番
表し方 高・中・低、A・B・Cなどのランク 1位、2位、3位という一意の順序
同じ値の重複 同じ「高」が複数あってよい 原則として同順位はつくらない
使いどころ タスクを登録するときの分類 今日・今週、実際に着手する順番の決定

つまり、優先度は「評価」、優先順位は「決定」です。多くの職場で起きているのは、優先度「高」のタスクが10件並んでいて、どれから始めるかが決まっていない状態です。この状態では、結局は声の大きい依頼や締め切りが近いものから手をつけることになり、評価をした意味が薄れてしまいます。フレームワークで優先度を評価したあとに、「そのなかで今日の1番目はどれか」を決める一手間を加えることが、優先順位づけの本質といえます。

優先順位付けとは|どんな作業を指すか

優先順位付けとは、抱えている仕事や案件を基準に沿って比べ、実行する順番を決める作業のことです。書き出す、分類する、期限を決める、予定に落とすという流れで進めます。具体的な手順は、次の「優先順位の付け方」の見出しで説明します。

優先順位が重要な理由|つけないと起きること

時間と人手には限りがあり、順番を決めないまま働くと、目先の依頼や声の大きい依頼から着手することになります。優先順位をつけない、またはつけ方を誤ると、次のようなことが起こります。

起きること 具体的な内容 主な原因
納期遅れ・トラブル対応の後手 期限が近い仕事や、取引先に影響する問題への対応が後ろに回る 緊急度と、遅れたときの影響を見ていない
重要な仕事の後回し 業務改善や人材育成など、重要だが急ぎでない仕事がいつまでも始まらない 緊急の依頼だけを追いかけている
工数の逼迫と残業 後半に作業が集中し、立て直しが難しくなる 負荷(工数)を見積もっていない
担当者の板挟み 複数の案件がそれぞれ「最優先」を主張し、判断できなくなる 案件同士の順番が決まっていない

優先順位の表し方と言い換え|「優先順位順」は何と書く?

優先順位は「1位、2位、3位」のように数字で表し、優先度は「高・中・低」や「A・B・C」のランクで表すのが一般的です。社内で共有するときは、どちらで表すかを先にそろえておくと、受け取る側が迷いません。

「優先順位順」という書き方は意味が通じますが、「順」が重なって読みにくくなります。ビジネス文書やメールでは、次のように言い換えると自然です。

言い方 使いどころ 文例
優先度の高い順 優先度のランクがあるとき 優先度の高いものから順にご対応ください
重要度順 重要度で並べ替えたとき 重要度順に一覧にしました
優先順位の高い順 順位が決まっているとき 優先順位の高い順に着手します
最優先で 1番目を指定するとき 本件を最優先で進めます
先に・まず 順番だけを伝えるとき 見積もりの確認を先に行います

緊急度は「期限」だけでなく「遅れたときの影響」で測る

緊急度を「締め切りが近いかどうか」だけで判断すると、判断を誤りやすくなります。同じ明日締め切りでも、遅れると顧客との取引に影響する仕事と、社内の資料で1日遅れても誰も困らない仕事では、実際の緊急度はまったく違います。緊急度は「期限までの近さ」と「遅れたときに誰にどれだけ影響するか」の両方で判断し、影響が小さいものは期限の交渉も選択肢に入れると、本当に急ぐべき仕事に時間を回せます。

優先順位の付け方|基本の4ステップ

優先順位の付け方は、どのフレームワークを使う場合でも「書き出す、分類する、期限を決める、予定に落とす」の4ステップで進めると迷いにくくなります。

  1. やることをすべて書き出す:頭の中や複数のメモに散らばった仕事を一か所に集め、大きな仕事は着手できる単位まで分解します。
  2. 重要度と緊急度で分類する:前述の3軸やフレームワークを使って仕分けし、この段階で「やらないこと」「人に任せること」も決めます。
  3. 期限と所要時間を決める:依頼主の期限を確認し、自分で決める仕事にも期限を置きます。所要時間を見積もっておくと、1日に入る量が現実的になります。
  4. スケジュールに落とし込む:順番に沿って予定表に時間を確保し、割り込みに備えて余白を残します。新しい仕事が入ったら、その都度この順番と比べて入れ替えを判断します。

1つ目の書き出しのコツは、やることリストとは?作り方のコツと工数管理に切り替えるタイミングで解説しています。大きな課題を着手できる単位まで分解したいときは、ロジックツリーとは?4つの種類と作り方5ステップ、実行に移すコツを解説も参考になります。

優先順位がつけられない主な原因

手順を知っていても順番が決まらない場合は、次のような原因が重なっていることが多くあります。1つ目は、仕事の全体像が見えていないことです。抱えている仕事を書き出していないと、比べる対象がそろわず、目に入ったものから手をつけることになります。2つ目は、仕事の重要性を判断する材料が足りないことです。その仕事が誰の何の目的につながっているのかを知らないと、重要度を評価できません。依頼を受けた時点で目的と期限を確認しておくことが対策になります。3つ目は、すぐ終わる簡単な仕事や気の進む仕事を先に選んでしまうことです。片づけた実感は得られても、面倒で重要な仕事が後回しになり、期限直前に慌てる原因になります。こうした原因は、上の4ステップのうち「書き出す」「分類する」を省いたときに起きやすいため、順番に迷ったら最初のステップに戻ることが近道です。

重要度・優先度のランク分け|基準の決め方の例

重要度や優先度をランクに分けるときは、ランクごとの基準と扱いを先に決めておくと、人によって判定がぶれにくくなります。次の表は、緊急度と重要度の組み合わせで4段階に分ける場合の一例です。基準の言葉は、組織の事情に合わせて調整してください。

ランク 目安 扱い
A(最優先) 重要で期限が近い。遅れると取引先や顧客に影響する 今日・今週の1番目から順に着手し、件数に上限を設ける
B(計画的に進める) 重要だが期限に余裕がある 予定表に先に時間を確保する
C(調整する) 期限は近いが重要度は低い 期限の交渉や、他の人への依頼を検討する
D(見送る) 重要でも緊急でもない 後回しにするか、やらないと決める

同じランクが並んだときの順位のつけ方

同じランクの仕事が複数並んだら、次の観点で1番目から順に決めます。ランクが同じままでは実行の順番にならないため、ここで一意の順位に変えることが大切です。

  • 影響の大きさ:遅れたときに、顧客や後続の作業に与える影響が大きいものを先にする
  • 依存関係:その仕事が終わらないと、他の人や次の工程が止まるものを先にする
  • 工数:重要度が同じなら、短時間で終わるものを先に片づけて、着手の勢いをつくる
  • 判断を仰ぐ:基準で決まらないときは、依頼主や上司に確認して決める

決めた順位は、期限と担当者とあわせて書き出しておくと、割り込みが入ったときに比べやすくなります。ここまでの手順を、自社の今の運用に当てはめて確認してみましょう。案件ごとの数字を集める作業が、優先順位づけの負担になっていないかを確認できるセルフチェックです。

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優先順位づけの代表的なフレームワーク5選

代表的なフレームワークは、アイゼンハワーマトリクス、ABCDEメソッド、ABC分析、MoSCoW法、Value vs Effortマトリクスの5つです。判断の軸・向く場面・注意点で整理します。

フレームワーク 判断の軸 向いている場面 注意点
アイゼンハワーマトリクス 緊急度と重要度の4象限 個人の日々のタスク整理 「緊急」に引っ張られ、重要だが急ぎでない仕事が後回しになりやすい
ABCDEメソッド やらないと困る度合いでAからEに分類 個人のToDoリストの並べ替え A判定が増えすぎると機能しないため、Aの数に上限を決める
ABC分析 売上・件数などの数値の構成比 顧客・商品・業務の重点化 数値化できない業務には使いにくい
MoSCoW法 Must/Should/Could/Won’t チーム・プロジェクトの範囲決め 「今回はやらない(Won’t)」を明記しないと形骸化する
Value vs Effortマトリクス 得られる価値と、かかる手間 改善施策・DX施策の着手順 価値と手間の見積もりが人によってずれるため、基準をそろえる

アイゼンハワーマトリクス|4象限の扱い方

アイゼンハワーマトリクスは、重要度と緊急度の高低で仕事を4つの象限に分け、象限ごとの扱い方を決める方法です。迷ったときは、まず第2象限の仕事に予定表で時間を確保しておくと、緊急対応に追われる悪循環を防げます。

象限 内容 扱い方 例
第1象限 重要かつ緊急 最優先で今日から着手する 顧客からのトラブル対応、期限が迫った納品
第2象限 重要だが緊急でない 予定表に時間を先に確保する 業務改善、マニュアル整備、人材育成
第3象限 緊急だが重要でない 期限の交渉、他の人への依頼、定型化を検討する 急ぎの社内依頼、一部の問い合わせ対応
第4象限 重要でも緊急でもない 見送る、またはまとめて処理する 目的のない資料作り、惰性で続く定例作業

工数・所要時間を見積もって順番を調整する

重要度と緊急度が同じなら、工数(かかる時間)を見て順番を調整します。工数とは、作業にかかる人数と時間の掛け合わせのことで、人時や人日で表します。工数を見積もっておくと、「今週ここまでできる」という実行の見通しが立ち、無理な順番を避けられます。次の表は、計算の考え方を示す例です。1人の1週間で、会議や割り込み対応を除いて集中して使える時間を30時間と仮定しています。

仕事 重要度 見積工数 累計
提案書の作成 高 12時間 12時間
月次報告の集計 高 10時間 22時間
新規案件の見積もり 中 8時間 30時間
マニュアルの更新 中 6時間 36時間(今週は超過)

この例では、集中して使える30時間に収まるのは上から3つまでで、4つ目は来週に回すか、他の人に頼むかを判断することになります。見積もりは過去の実績で補正すると精度が上がるため、案件ごとの工数を記録しておくことが欠かせません。見積もりには、割り込みに備えた余白も持たせておきます。

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フレームワークの使い分け方|個人とチーム・プロジェクト

個人のタスクにはアイゼンハワーマトリクスやABCDEメソッド、チームにはMoSCoW法、複数プロジェクトにはABC分析やValue vs Effortマトリクスが合いやすくなります。フレームワークは「どれが一番優れているか」ではなく、「誰が、何の順番を決めるのか」で選ぶのが基本です。同じアイゼンハワーマトリクスでも、個人で使えば今日の段取りを決める道具になり、チームで使うと各人の「重要」の感覚がずれて議論がまとまらない、ということが起こります。ここでは場面を3つに分けて、使い分けの考え方を整理します。

場面 決めたいこと 合いやすいフレームワーク 見直しの頻度の目安
個人のタスク 今日・今週、自分が何から着手するか アイゼンハワーマトリクス、ABCDEメソッド 毎日
チームの業務 限られた人手で何を今回やり、何を見送るか MoSCoW法、Value vs Effortマトリクス 週1回程度
複数プロジェクト どの案件に人と時間を優先的に配るか ABC分析、Value vs Effortマトリクス 月1回程度、または大きな変化があったとき

個人のタスク:毎日「1番目」を決めて書き出す

個人の場合は、判断のスピードが何より重要です。アイゼンハワーマトリクスで4象限に分けたら、「重要かつ緊急」から今日の1番目を選び、「重要だが緊急でない」仕事は予定表に時間を確保して先に押さえておきます。ABCDEメソッドを使う場合は、Aに入れるタスクを1日3件程度までに絞ると、Aばかりで順番がつかないという事態を避けられます。

ポイントは、朝に決めた順番を目に見える場所に置いておくことです。頭の中だけで覚えていると、割り込みの依頼が入った瞬間に元の順番が消えてしまいます。順番が書き出されていれば、「割り込みは今の2番目より優先すべきか」をその場で比べられます。やることの管理の基本は、todoリストとは?作り方とタスク管理ツールとの違い、プロジェクト管理への移行ラインやタスク管理とは?やり方・ToDo管理との違いとツールのタイプ別選び方を解説でも整理しています。

チームの業務:判断基準を先に合意する

チームで優先順位がまとまらない原因の多くは、個々のタスクの評価ではなく、評価の基準がそろっていないことです。営業担当は顧客対応を、管理部門は期限のある申請を重要と感じるのは自然なことで、基準を決めないまま議論すると、声の大きい人の意見で決まりがちになります。

MoSCoW法は、今回の期間で「必ずやる(Must)」「できればやる(Should)」「余裕があればやる(Could)」「今回はやらない(Won’t)」を明示できるため、チームでの合意づくりに向いています。とくにWon’tを書き出すことで、「やらないと決めたこと」がチーム全員に共有され、後から蒸し返される議論を減らせます。Value vs Effortマトリクスを使う場合は、「価値」を売上への影響で測るのか、作業時間の削減で測るのかを最初に決めておくと、評価のずれが小さくなります。

複数プロジェクト:タスクではなく案件の順番を決める

複数のプロジェクトが並行している状況では、個々のタスクをいくら並べ替えても問題は解決しません。同じ人が複数案件を掛け持ちしている場合、案件ごとのタスクがそれぞれ「最優先」を主張し、担当者が板挟みになるためです。この場面では、まず案件同士の順番を決め、そのうえで各案件のタスクの順番を決める、という2段階で考えます。

案件の順番を決めるには、ABC分析で売上や顧客への影響が大きい案件を把握したり、Value vs Effortマトリクスで投入する人手に対する効果を比べたりする方法が使えます。決めた順番は担当者任せにせず、管理職やプロジェクト責任者が明示することが大切です。現場の担当者が案件間の優先順位を自分で判断しなければならない状態は、それ自体が組織の課題といえます。

DX推進のように複数部門にまたがる取り組みでも、同じ考え方が当てはまります。DXの基本的な考え方はDXとは?経産省の定義とデジタル化との違い、業種別・規模別の始め方で、進め方と実行管理のコツはDX推進のステップ|6段階の進め方と役割分担・実行管理のコツで解説しています。

プロジェクト選定・システム開発の優先順位|価値・工数・依存関係で見る

プロジェクト選定とは、複数の候補のなかから、どの案件に人と予算を投じるかを決める判断です。システム開発でも、機能や改修の要望が並んだときに同じ判断が必要になります。見る観点は大きく4つです。

観点 見ること 判断に使う材料
価値 売上、業務時間の削減、リスクの低減など、得られる効果 見込み売上、削減できる作業時間
工数・コスト 必要な人員、期間、外注費 見積もり工数、原価
実現可能性 今の人員と期間で実行できるか 担当者の稼働状況、スキル
依存関係 他の案件やシステムが先に終わっている必要があるか 前提となる作業、基盤の整備状況

システム開発では、要件が多いときにMoSCoW法でMust/Should/Could/Won’tに分け、今回の範囲を決める方法が有効です。機能そのものに順位をつけるより、「どの課題を解決するか」に順位をつけると、同じ課題を解く手段を柔軟に選べます。ユーザー数・影響度・確信度・工数を点数化するRICEスコアのような方法も、開発の現場で使われています。ただし、価値の高い順に必ず作るわけではありません。他の機能の土台になる共通部分や、工数の小さい改修を先に進める判断も必要です。

いずれの場面でも共通するのは、決めた優先順位を関係者全員が同じ画面で確認できる状態をつくることです。個人なら今日の順番、チームなら今回のMust、複数プロジェクトなら案件ごとの担当と期限が一覧できれば、割り込みや認識のずれが起きたときにすぐ立ち返れます。案件の順番を決める材料として工数・原価・利益を使うなら、その数字をタイムリーに集計できる仕組みが前提になります。

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優先順位づけでよくある失敗パターン

よくある失敗は、すべてを「最優先」にする、緊急の仕事だけを追いかける、一度決めたら見直さない、といったパターンです。フレームワークを知っていても、運用の段階でつまずくケースは少なくありません。よく見られる失敗と、その対処をまとめます。

失敗パターン 起きること 対処
すべてを「最優先」にする 順番がつかず、結局は締め切り順や依頼者の声の大きさで動く 最上位に置ける件数に上限を設け、同順位をつくらない
緊急の仕事だけを追いかける 業務改善や育成など、重要だが急ぎでない仕事が永遠に始まらない 重要だが緊急でない仕事に、予定表で先に時間を確保する
一度決めたら見直さない 状況が変わっても古い順番のまま進み、成果の小さい仕事に時間を使う 個人は毎日、チームは週1回など見直しのタイミングを決める
順番を頭の中だけで管理する 割り込みが入ると元の順番を忘れ、抜け漏れが起きる 順番・期限・担当を書き出し、見える場所に置く
やらないことを決めない タスクが増え続け、優先順位の低い仕事がいつまでもリストに残る MoSCoW法のWon’tのように、見送る仕事を明示して関係者と共有する
フレームワークの評価に時間をかけすぎる 分類作業そのものが仕事になり、着手が遅れる 判断に迷うタスクは仮の順番で着手し、見直しの場で修正する

なかでも影響が大きいのは「緊急の仕事だけを追いかける」パターンです。目の前の依頼に対応しているあいだは忙しく働いている実感がありますが、業務の仕組みを変える取り組みや、属人化を解消するためのマニュアル整備などは後回しになり続けます。その結果、同じ種類の緊急対応が毎月のように発生する、という悪循環に陥ります。重要だが緊急でない仕事こそ、意識的に時間を確保して優先順位の上位に置くことが、長い目で見て緊急対応そのものを減らす近道です。

また、「一度決めたら見直さない」パターンは、チームや複数プロジェクトで特に起こりやすい失敗です。期初に決めた優先順位が、顧客の要望や市場環境の変化で合わなくなっているのに、誰も見直しを言い出せないまま進んでしまいます。見直しを定例化し、「順番を変えること」を失敗ではなく通常の運用として扱うと、柔軟に対応しやすくなります。見直しの場で毎回数字を集め直さなくて済むよう、案件ごとの工数や利益を一覧できる状態にしておくことも前提になります。

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優先順位を決めたあとの進め方

優先順位を決めたあとは、余白を残して予定を組み、上位の仕事だけに順位をつけ、状況に応じて見直すのが基本です。決めただけでは仕事が進まないため、予定の組み方と見直しの仕方を決めておきます。

余白を残して予定を組む

予定表を隙間なく埋めると、割り込みが入った時点で順番が崩れます。緊急の依頼やトラブル対応に備えて、1日の予定には余白を残し、見積もりにも余裕を持たせます。新しい仕事が増えたときは、余白で吸収できるか、今の順番のどれかと入れ替えるかを判断します。

上位の仕事だけに順位をつける

すべての仕事に1位から順に番号をつける必要はありません。順位づけには手間がかかるため、直近の1か月から2か月で着手できそうな上位の仕事だけに順位をつけ、残りはランクだけにしておくと運用しやすくなります。状況が変われば順番も前後するため、細かく決めすぎないことが続けるコツです。

状況に応じて見直す

優先順位は一度決めたら終わりではなく、見直しを前提にします。個人は毎日の始業時、チームは週1回の定例など、見直す時間をあらかじめ決めます。見直しのたびに、新しく入った依頼、期限や影響の変化、工数の超過や進捗の遅れを確認し、順番を入れ替えます。

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優先順位づけの効果をどう測るか

優先順位づけの効果は、最優先タスクの完了率、期限遅れの件数、重要だが緊急でない仕事に使った時間、残業時間の4つの指標で測れます。感覚ではなく、日々の記録から確認できる指標を選ぶのが続けるコツです。

指標 見方 改善のヒント
最優先タスクの完了率 その日・その週の1番目に決めた仕事が、予定どおり終わった割合 低い場合は見積もりが甘いか、割り込みが多い。割り込みの内容を記録する
期限遅れの件数 期限を過ぎたタスクの数と、その優先度 優先度の高いタスクが遅れているなら、順番の決め方そのものを見直す
重要だが緊急でない仕事に使った時間 改善・育成・準備などに、週にどれだけ時間を使えたか ゼロが続く場合は、予定表で先に時間を確保する
残業時間 優先順位づけを始める前と後の比較 減らない場合は、やらないことを決める工程が抜けていないか確認する

残業時間の削減は、厚生労働省が進める働き方改革でも中心的なテーマの1つです。働き方改革では長時間労働の是正や労働生産性の向上が柱の1つとされ、時間外労働の上限規制も盛り込まれています。限られた時間のなかで成果につながる仕事を先に行う優先順位づけは、個人のスキルというより組織として取り組むべき課題になっています。働き方改革の全体像は、厚生労働省の「働き方改革」の実現に向けてで確認できます。

これらの指標を手作業で集計するのは手間がかかります。案件ごとの工数・原価・利益は、日々の入力が集計の土台になるため、入力の細かさや集計の項目を自社の運用に合わせて決めておくと、週1回の振り返りの材料をそのまま用意できます。指標の定義や分析の項目を自社流に決めたい場合は、設定の自由度が高いシステムも検討の対象になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. ビジネス用語で優先順位とは何ですか?

A. 複数ある仕事のなかで、どれから先に取り組むかを決めた順番のことです。限られた時間と人手をどの仕事から配分するかの判断を指し、重要度・緊急度・かかる工数などの基準で決めます。

Q2. 優先順位付けとはどういう意味ですか?

A. 抱えている仕事や案件を基準に沿って比べ、実行する順番を決める作業のことです。書き出す、分類する、期限を決める、予定に落とすという4つのステップで進めると迷いにくくなります。

Q3. 優先順位と優先度の違いは何ですか?

A. 優先度は1つのタスクがどれだけ優先されるべきかの度合いで、高・中・低のように同じ値が複数あっても構いません。優先順位は複数のタスクを並べたときの実行の順番で、原則として同順位はつくりません。優先度で評価し、優先順位で決定すると考えると整理しやすくなります。

Q4. 優先順位が重要な理由は何ですか?

A. 時間と人手には限りがあり、順番を決めないと、目先の依頼や声の大きい依頼から着手してしまうためです。納期遅れや、重要だが急ぎでない仕事の後回し、担当者の板挟みを防ぎ、成果につながる仕事に時間を配分できます。

Q5. 「優先順位順」の言い換えは何ですか?

A. 「優先度の高い順」「重要度順」「優先順位の高い順」などに言い換えられます。ビジネス文書では「優先度の高いものから順に」「最優先で」と書くと、意味が伝わりやすくなります。

Q6. 複数の案件の優先順位を決めるには何が必要ですか?

A. タスクの並べ替えより先に、案件ごとの価値と、工数・原価・利益の数字をそろえることが必要です。数字を手作業で集計する負担が大きい場合は、案件別の損益や工数を集計できるプロジェクト管理・工数管理のシステムも選択肢になります。

まとめ

優先順位づけは、フレームワークを知ることよりも、場面に合わせて使い分け、決めた順番を実行し続けることが大切です。今日から取り組める4つのことを整理します。

  1. 自分が困っている場面(個人・チーム・複数プロジェクト)を見極め、合うフレームワークを1つ選ぶ
  2. 優先度を評価したら、そのなかで「1番目」を決め、同順位をつくらない
  3. 決めた順番・期限・担当を見える場所に置き、見直しのタイミングと振り返りの指標を決める
  4. 複数案件の優先順位に工数・原価・利益の数字が必要なら、集計できるシステムの資料を取り寄せて比べる

4つ目は、案件の数字を手作業で集める負担が大きい場合に有効です。比較表で、ZACとMA-EYESの役割の違いを確認し、自社の運用に合うかを資料で確かめてみてください。

参考文献

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