出勤とは?出社との違い・出勤簿の法的要件・テレワーク時の考え方を解説

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  • 出勤と出社・勤務・就業の違いと、出社時刻と出勤時刻が異なる場合の考え方がわかる
  • 始業・終業時刻の客観的な記録や出勤簿の保存期間など、出勤管理の法的要件がわかる
  • 紙・Excel管理でよくある失敗と、出勤管理をシステム化する3ステップがわかる

出勤とは、従業員が仕事に就くこと、つまり勤務を始めて労働している状態に入ることを指します。日常会話では「会社に行くこと」とほぼ同じ意味で使われますが、テレワークや直行直帰が当たり前になった今、「会社に来た時刻」と「仕事を始めた時刻」は必ずしも一致しません。労務管理のうえでは、この違いが残業代の計算や法令対応に直結します。

この記事では、出勤と出社・勤務・就業の違い、出勤管理について労働基準法などで求められていること、テレワークやフレックスタイム制での出勤の考え方、紙の出勤簿やExcel管理でよくある失敗、出勤管理をシステム化する進め方を、総務・労務担当者向けに整理します。

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Q1. 出勤管理でいちばん困っていることはどれですか?

目次

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  1. 出勤管理の手間は勤怠管理システムでまとめて減らせる
  2. 出勤とは|出社・勤務・就業との違い
  3. 出勤管理に関する労働基準法上の要件
  4. テレワーク・フレックスタイム制における出勤の考え方
  5. 出勤管理でよくある失敗パターン(紙・Excel管理の限界)
  6. 出勤管理のDX化で得られる効果
  7. 出勤管理DX化の進め方3ステップ
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

出勤管理の手間は勤怠管理システムでまとめて減らせる

出勤管理の方法は、大きく分けて紙の出勤簿、Excel、タイムカード、勤怠管理システムの4つです。どれを使っても「誰が何日に何時から何時まで働いたか」を記録する目的は同じですが、記録の正確さや集計にかかる手間、テレワークへの対応力は大きく異なります。まずは4つの方法を比べてみます。

管理方法強み留意点
紙の出勤簿費用がかからず、すぐに始められる自己申告になりやすく、客観的な記録とはいえない。集計は手作業
Excel計算式で集計を自動化でき、自由に項目を足せる入力は自己申告。数式の破損や上書き、ファイルの版ずれが起きやすい
タイムカード打刻時刻が機械的に残り、客観的な記録になる事業所にいないと打刻できず、集計のための転記作業が残る
勤怠管理システムPC・スマホ・ICカードなどで打刻でき、集計や残業の警告まで自動化できる月額費用がかかる。就業規則に合わせた初期設定が必要

後の章で詳しく触れますが、厚生労働省のガイドラインでは、始業・終業時刻はタイムカードやパソコンの使用時間の記録など客観的な方法で確認することが原則とされています。テレワークと出社が混在する職場や、従業員が増えて集計の負担が大きくなってきた職場では、打刻から集計までを1つの仕組みで行える勤怠管理システムが現実的な選択肢になります。

勤怠管理システムは製品によって、打刻方法、対応できる勤務形態、給与計算ソフトとの連携、料金体系が異なります。自社の働き方に合う製品を選ぶための比較ポイントと、主要な製品の特徴は、次の記事で詳しく比較しています。

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出勤とは|出社・勤務・就業との違い

出勤は「勤めに出ること」、つまり仕事を始めることを表す言葉です。似た言葉に出社・勤務・就業がありますが、それぞれ意味の重心が異なります。社内の規程や案内文で使い分けておくと、テレワークや直行直帰の扱いで誤解が生まれにくくなります。

言葉意味の重心使い方の例
出勤仕事を始めること。場所は問わない在宅で9時に出勤した、明日は休日出勤です
出社会社(オフィス)に行くこと。場所に重心がある週2日は出社する、出社せず客先に直行する
勤務職務に就いて働いている状態や、その形態勤務時間、夜勤勤務、在宅勤務
就業仕事に就いていること。規程や制度で使われることが多い就業規則、就業時間、就業場所

出社時刻と出勤時刻は同じとは限らない

労務管理で重要なのは、「会社に着いた時刻」と「仕事を始めた時刻」が違う場合があるという点です。労働時間は、使用者の指揮命令下に置かれている時間を指すため、始業前に会社に着いて私用で過ごしている時間は、原則として労働時間に含まれません。反対に、始業前の朝礼や着替えが義務付けられている場合、その時間は労働時間にあたると考えられています。出勤時刻の定義を就業規則で明確にしておくことが、トラブルを防ぐ第一歩です。

「出勤日」と「労働日」

出勤日は、実際に出勤した日を指すのが一般的です。一方、労働日は就業規則などで働くことが予定されている日で、休日の反対にあたります。年次有給休暇の付与要件である「全労働日の8割以上出勤」を計算するときは、有給休暇を取得した日や業務上のけがで休業した日なども出勤したものとして扱われるため、単純な出勤日数とは一致しない点に注意が必要です。

「出勤率」と「出社率」は別の指標

出勤と出社の違いは、社内で使う指標にも表れます。出勤率は、全労働日のうち実際に出勤した日の割合で、年次有給休暇の付与要件(8割以上)の判定などに使われます。在宅勤務で業務を行った日も出勤に含まれるため、働く場所には左右されません。一方、出社率は、従業員のうちオフィスに来た人の割合や、勤務日のうちオフィスで働いた日の割合を指すのが一般的で、オフィスの座席数の見直しやハイブリッドワークの運用状況の確認に使われます。出社率は法令で定められた指標ではないため、社内で使う場合は算出方法を決めておきましょう。2つを混同すると「出社率が低い=勤務していない」といった誤解につながるため、勤怠記録では出勤の有無と勤務場所(オフィス・在宅・直行直帰など)を分けて残しておくと、どちらの指標も正しく集計できます。

出勤管理に関する労働基準法上の要件

会社には、従業員の出勤と労働時間を適正に把握し、記録を残す義務があります。業種や会社の規模を問わず、従業員を1人でも雇っていれば対象になる点を押さえておきましょう。

始業・終業時刻を客観的な方法で記録する

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、使用者は労働日ごとに始業・終業時刻を確認し、記録することとされています。確認の方法は、使用者が自ら現認するか、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録を基礎とすることが原則です。やむを得ず自己申告制とする場合は、従業員への十分な説明や、自己申告と実態が合っているかの調査などの措置が求められます。

また、労働安全衛生法でも、2019年4月から、管理監督者を含むすべての従業員について、客観的な方法で労働時間の状況を把握することが事業者に義務付けられています(参考:厚生労働省「確かめよう労働条件」労働時間の適正な把握方法)。

出勤簿に記録しておきたい項目

出勤簿は、賃金台帳や労働者名簿と並んで、労働関係の重要な書類として保存が求められる帳簿です。法律で様式が決まっているわけではありませんが、残業代の計算や労働時間の上限の確認に使えるよう、次の項目を記録しておくのが一般的です。

項目記録する理由
従業員の氏名誰の記録かを特定するため
出勤日・労働日数給与計算や有給休暇の付与要件の確認に使うため
始業・終業時刻労働時間を算出する基礎になるため
休憩時間法定の休憩を与えているかを確認するため
時間外・休日・深夜の労働時間割増賃金の計算と、時間外労働の上限の確認に使うため

記録の保存期間は5年(当面は3年)

出勤簿やタイムカードなど労働時間の記録に関する書類は、労働基準法により保存が義務付けられています。2020年4月の法改正で保存期間は5年に延長されましたが、経過措置として当面の間は3年とされています。紙で保管する場合は、保管場所と廃棄のルールまで決めておかないと、必要なときに見つからないという事態になりがちです。

テレワーク・フレックスタイム制における出勤の考え方

働き方が多様になると、「出勤した」をどう判断し、どう記録するかが職場ごとに曖昧になりがちです。代表的な働き方ごとに、出勤の考え方と記録のポイントを整理します。

働き方出勤の考え方記録のポイント
テレワーク自宅などで業務を始めた時点が出勤。出社はしていなくても出勤にあたるPCのログイン記録やシステムでの打刻など客観的な記録を残す。業務を離れる中抜け時間の扱いも決めておく
フレックスタイム制始業・終業時刻を従業員が決める。出勤時刻は日によって変わる日々の始業・終業時刻に加え、清算期間の総労働時間と過不足を管理する
直行直帰客先など会社以外の場所で業務を始めた時点が出勤スマホの打刻や位置情報を使い、出社しなくても記録できるようにする
シフト制シフトで予定された時刻に業務を始めることが出勤予定と実績の差(遅刻・早退・残業)を比べられるように記録する

厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」でも、テレワークであっても労働基準関係法令が適用され、使用者は労働時間を適正に把握する必要があるとされています(参考:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」)。上司が出勤を目で確認できない働き方ほど、メールやチャットでの「おはようございます」の連絡だけに頼らず、記録として残る仕組みを用意しておくことが大切です。

出勤管理でよくある失敗パターン(紙・Excel管理の限界)

従業員が少ないうちは紙やExcelの出勤簿でも回りますが、人数や働き方のバリエーションが増えると、次のような問題が起きやすくなります。

失敗パターンよくある運用(Before)改善後の運用(After)
1. 自己申告のまま放置従業員が月末にまとめて出勤簿を記入し、定時の時刻が並ぶ打刻で始業・終業時刻を毎日記録し、実態とのずれを確認する
2. 集計ミスタイムカードの時刻をExcelに手入力し、転記ミスや数式の破損が起きる打刻データをそのまま集計し、手入力の工程をなくす
3. 打刻漏れ押し忘れに月末の締めで気づき、本人の記憶で修正する打刻漏れをその日のうちに通知し、修正は申請と承認の履歴を残す
4. 残業の把握が遅れる月末に集計して初めて、時間外労働の上限に近いことに気づく残業時間が一定を超えたら本人と上司に自動で警告を出す
5. 法改正への対応漏れExcelの様式を何年も変えず、新しい管理項目が記録されていない法改正に合わせて提供側が機能を更新する仕組みを使う

5つの失敗のうち、1から3は「記録の取り方」、4と5は「記録の活かし方」の問題です。紙やExcelは記録を残すことはできても、打刻漏れの通知や残業の警告のように、記録をもとに先回りして手を打つことが苦手です。出勤管理の負担と法令違反のリスクを同時に下げたいなら、打刻から集計、警告までを自動化できる仕組みに切り替えることを検討しましょう。

出勤管理をDX化して法対応も効率化する

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出勤管理のDX化で得られる効果

出勤管理をシステム化すると、どれくらい手間が減るのでしょうか。紙のタイムカードの時刻をExcelに転記して集計している職場を例に、月末の締め作業の時間を試算してみます。数値はあくまで考え方を示すための仮の例です。

作業紙・Excel管理(従業員30人の例)システム化後
打刻時刻の転記1人あたり5分で、月150分不要(打刻データを自動で取り込む)
打刻漏れ・誤りの確認と修正月末にまとめて確認し、月60分程度日々の通知で本人が修正申請し、承認のみ
残業・有給休暇の集計Excelの数式を確認しながら月60分程度自動集計の結果を確認するだけ
給与計算への受け渡し集計表を給与ソフトへ手入力連携機能やCSV出力で取り込む

この例では、月末の締め作業だけで毎月4時間以上を転記と確認に使っている計算になります。自社の場合を試算するときは、「従業員数×1人あたりの転記時間」に、確認・修正と集計の時間を足してみてください。削減できる時間に加えて、転記ミスによる給与の支払い誤りや、残業時間の上限超過に気づくのが遅れるリスクを減らせることも、システム化の大きな効果です。

効果を最大化するには、自社の働き方(テレワークの有無、シフト制、フレックスタイム制など)と、今使っている給与計算ソフトに対応した製品を選ぶことが欠かせません。

まずは出勤管理システムを比較する

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出勤管理DX化の進め方3ステップ

ステップ1:現状のルールと課題を洗い出す

就業規則で定めている始業・終業時刻、休憩、勤務形態(固定時間制、シフト制、フレックスタイム制など)を整理し、今の出勤管理で困っていることを書き出します。出勤時刻の定義があいまいな場合は、このタイミングで「業務を始めた時刻を打刻する」などのルールを明文化しておくと、システム導入後の運用がぶれません。

ステップ2:必要な機能で製品を絞り込み、試用する

打刻方法(PC、スマホ、ICカードなど)、対応できる勤務形態、残業の警告、給与計算ソフトとの連携、料金体系の5点を軸に候補を絞ります。多くの製品には無料の試用期間があるため、実際に打刻する従業員と、集計する担当者の双方で使い勝手を確かめてから決めると失敗を防げます。

ステップ3:説明と並行運用を経て切り替える

従業員に打刻方法と修正申請の手順を説明し、1か月程度は従来の方法と並行して運用して、集計結果に差が出ないかを確認します。問題がなければ本格的に切り替え、過去の紙の出勤簿は保存期間が終わるまで保管しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 出勤と出社の違いは何ですか?

A. 出勤は仕事を始めることで、場所は問いません。出社は会社(オフィス)に行くことで、場所に重心があります。そのため、在宅勤務で業務を始めた場合は「出勤したが出社はしていない」ことになります。

Q. 会社に着いた時刻から労働時間になりますか?

A. 原則として、労働時間は使用者の指揮命令下で業務を始めた時点から数えます。始業前に私用で過ごしている時間は含まれませんが、義務付けられた朝礼や着替えなどの時間は労働時間にあたると考えられています。

Q. 出勤簿は法律で作成が義務付けられていますか?

A. 会社には従業員の始業・終業時刻を確認し記録する義務があり、出勤簿やタイムカードなどの労働時間の記録は保存が求められます。様式の決まりはありませんが、氏名、出勤日、始業・終業時刻、休憩時間、時間外労働の時間などを記録しておくのが一般的です。

Q. 出勤簿は何年保存すればよいですか?

A. 労働基準法の改正により保存期間は5年とされましたが、経過措置として当面の間は3年となっています。将来の運用変更に備えて、5年保存を前提に保管ルールを決めておくと安心です。

Q. テレワークの日の出勤はどう記録すればよいですか?

A. 自宅などで業務を始めた時点が出勤です。チャットのあいさつだけに頼らず、PCのログイン記録や勤怠管理システムでの打刻など、客観的な記録を残す方法を用意しましょう。業務を一時的に離れる中抜け時間の扱いもあらかじめ決めておくと安心です。

Q. 紙やExcelの出勤簿から勤怠管理システムに切り替えるべきタイミングは?

A. 集計や打刻漏れの修正に毎月まとまった時間がかかっている、テレワークや直行直帰で出社しない日がある、残業時間の把握が月末まで遅れる、といった状況が目安です。無料の試用期間を使い、自社の勤務形態に合う製品かを確かめてから切り替えましょう。

まとめ

出勤とは仕事を始めることで、会社に行くことを指す出社とは意味が異なります。出勤管理を見直す際は、次の4点を押さえておきましょう。

  1. 出社時刻と出勤時刻は同じとは限らないため、出勤時刻の定義を就業規則で明確にする
  2. 始業・終業時刻はタイムカードやPCの記録など客観的な方法で記録し、5年(当面は3年)保存する
  3. テレワークや直行直帰など出社しない働き方でも、記録として残る方法で出勤を管理する
  4. 紙やExcelで集計の負担や打刻漏れが目立つなら、勤怠管理システムへの切り替えを検討する

出勤管理は給与計算と法令対応の土台です。働き方が変わった今こそ、自社の記録の取り方が実態に合っているかを見直してみてください。

参考文献

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