ABC分析とは?やり方・活用事例をわかりやすく解説
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- ABC分析の仕組みと、A・B・Cランクの分け方がわかる
- Excelでできる4ステップのやり方と、過剰在庫の見つけ方がわかる
- 業種別の活用事例と、Cランク一律廃止など失敗の防ぎ方がわかる
ABC分析とは、商品や顧客、部品などを売上高や在庫金額の大きい順に並べ、全体に占める割合(累積構成比)に応じてA・B・Cの3つのランクに分け、重要度に合わせて管理の手厚さを変える分析手法です。「重点分析」とも呼ばれ、在庫管理や販売管理、マーケティングの現場で広く使われています。
本記事では、在庫管理・販売管理・生産管理や営業企画の担当者の方に向けて、ABC分析の仕組みとランク分けの基準、Excelでできるやり方の4ステップ、売上と在庫の2軸で過剰在庫を見つける方法、業種別の活用事例、よくある失敗までを整理します。部品や資材の在庫が多い製造業で、分析を続けるための考え方にも触れます。
あなたの会社に合うABC分析の進め方は? かんたん診断
Q1. ABC分析をかけたい対象は、どちらに近いですか?
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ABC分析とは|ランク付けの仕組みと目的
ABC分析とは、管理の対象を重要度の高い順にA・B・Cの3つに分け、全体への影響が大きいものに手間をかける手法です。限られた人手と時間で成果を上げるための「優先順位づけの道具」といえます。
土台にあるパレートの法則
背景には、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの名前に由来する「パレートの法則」があります。成果の大部分は一部の要素から生まれるという経験則で、「売上の8割は2割の商品が生み出している」といった形で紹介されます。中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21でも、100種類の商品を扱う小売店では上位2割の売れ筋商品で売上の8割を占めることが多いといわれる、と「2割-8割の法則」が説明されています。ただし8対2は自然法則ではなく傾向で、自社の実際の偏りを数字で確かめるのがABC分析です。
A・B・Cランクの目安と管理方針
ランクの区切り方に法律や規格で決まった基準はありません。よく使われるのは累積構成比で区切る方法で、代表的な目安とランクごとの管理方針は次のとおりです。
| ランク | 累積構成比の目安 | 位置づけ | 管理方針の例 |
|---|---|---|---|
| A | 上位から70%または80%まで | 売上や在庫金額への影響が大きい最重要品目 | 欠品させない。在庫を頻繁に確認し、随時発注や補充で対応する |
| B | Aランクの次から90%まで | 影響が中程度の品目 | 定期的な発注と補充で対応し、Aランクへの昇格候補がないか見る |
| C | 残りの10%前後 | 個々の影響が小さい品目 | 在庫を絞る、入れ替えや見切り販売を検討する。ただし一律に廃止はしない |
製造業の部品・資材でABC分析を使う場面
ABC分析は商品の売上だけでなく、部品・資材・仕掛品の在庫金額にも使えます。製造業では、在庫金額の大きい部品を重点管理し、使用予定に合わせて発注量を決める場面が代表的です。ただし、個別受注生産では同じ部品でも受注ごとに使い道が決まるため、ランクだけでは「どの受注のための部品か」が分かりません。購買・在庫・生産計画の情報が別々のファイルにあると、ランクを出すためのデータ集めにも手間がかかります。
こうした場合に比較対象になるのが、受注から購買・在庫・生産工程・原価までを製番単位で一元管理できる生産管理システムです。一例が、株式会社日本コンピュータ開発のFUSEです。FUSEは個別受注生産を行う中小製造業向けで、販売・購買・在庫・生産工程・生産計画・実績(原価)管理の6つの機能領域から、必要な範囲を段階的に導入できます。注意したいのは、導入前に業務を整理して自社に合うかを確認する進め方のため、現場の業務の洗い出しが必要になる点と、商品の仕入販売が中心の小売・卸には向かない場合がある点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
おすすめ!
- 個別受注生産に強く、BOMがすべて確定していない段階でも、確定した部品・ユニットから先行手配を進められる
- 受注・購買・在庫・工程・原価を製番単位でつなぎ、進捗や原価をリアルタイムに把握できる
- 業務整理から導入後の運用定着まで、専門スタッフが伴走し、自社業務に合わせた導入ができる
気になる…
- 導入範囲やカスタマイズ内容によって費用が変動するため、詳細な料金は問い合わせが必要
「システムを導入することで全体の生産計画が一元で見られるようになったので、現場の見える化という点でも非常に良くなりました。」
株式会社丸善(プレス加工・各種鈑金加工)の導入事例より。出典:カイゼンナビ「生産計画の見える化と不良の追跡が可能に」
ABC分析のA・B・Cは何の略か
ABC分析のA・B・Cは、重要度の高い順に付けるランクの名前で、ABC分析という名前は3つのランクに分ける手法であることを表しています。似た名前に「ABC原価計算」がありますが、これは間接費を活動ごとに割り当てる別の手法で、ABC分析とは目的も手順も異なります。
ABC分析でわかること・メリット
- どの品目が売上や在庫金額の大部分を占めているかが数字で見える
- 欠品させてはいけない品目と、在庫を減らせる品目を区別できる
- 限られた人手を、影響の大きい業務に優先して振り向けられる
- 同じ基準で毎月や四半期ごとに測ることで、施策の効果を時系列で比べられる
- 担当者の勘に頼っていた判断を、社内で共有できる根拠に置き換えられる
ABC分析のやり方4ステップ|Excelでできる手順
ABC分析はExcelやスプレッドシートで十分に始められます。ここでは商品別の売上高で分析する場合を例に、4つのステップで手順を説明します。
ステップ1. 目的・評価軸・期間を決めてデータを集める
最初に「何のために分析するのか」を決めます。目的によって使うべき評価軸が変わるためです。欠品対策なら出荷数量、在庫削減なら在庫金額、利益改善なら粗利額というように選びます。期間は1年分を基本にすると、季節による偏りをならせます。季節商品が多い場合は、シーズンごとに分けて分析する方法もあります。データは販売管理や在庫管理のシステム、POSレジなどから品目ごとに書き出します。
ステップ2. 数値の大きい順に並べ替え、構成比を出す
品目と売上高を一覧にし、売上高の大きい順(降順)に並べ替えます。次に、品目ごとの「構成比」を計算します。構成比は、その品目の売上高を全体の売上高で割った値です。Excelなら、合計をSUM関数で求めておき、各行で割り算をするだけで出せます。
ステップ3. 累積構成比を計算してランクを付ける
上から順に構成比を足し上げたものが「累積構成比」です。1行目は自分の構成比、2行目は1行目の累積構成比に2行目の構成比を足した値、というように計算します。そのうえで、あらかじめ決めた基準(例えば80%と90%)で区切り、A・B・Cのランクを付けます。累積構成比がE列にあるなら、ランク欄に =IF(E2<=0.8,"A",IF(E2<=0.9,"B","C")) と入れて下の行へコピーすれば、ランクが自動で表示されます。
区切りの基準は、目的と品目数に合わせて選びます。解説サイトでは次のように複数の区切り方が使われており、どれが正しいということはありません。一度決めたら、比較のために同じ基準を使い続けることが大切です。
| 区切り方(A/B/Cの境目) | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 80%/90% | パレートの法則に沿った、最も一般的な基準 | まず標準的なやり方で試したい場合 |
| 70%/90% | Aランクを絞り込み、重点品目をより少なくする | 管理に割ける人手が少なく、本当に重要な品目だけを手厚く見たい場合 |
| 50%/80% | J-Net21の小売店向け分析表で例示されている基準。Cランクが広くなる | 品ぞろえの入れ替えを積極的に検討したい小売店 |
簡単な例で確認しましょう。10品目の年間売上合計が1,000万円の店で、上位から順に並べた結果が次のようになったとします。
| 順位 | 売上高 | 構成比 | 累積構成比 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 400万円 | 40% | 40% | A |
| 2 | 250万円 | 25% | 65% | A |
| 3 | 150万円 | 15% | 80% | A |
| 4 | 60万円 | 6% | 86% | B |
| 5 | 40万円 | 4% | 90% | B |
| 6から10 | 合計100万円 | 合計10% | 100% | C |
この例では、10品目のうち3品目で売上の8割を占めています。Aランクの3品目は欠品を絶対に避け、Cランクの5品目は在庫の持ち方や品ぞろえを見直す、という判断の出発点になります。
ステップ4. パレート図で可視化し、ランク別の対策を決める
結果を社内で共有するときは、パレート図にすると伝わりやすくなります。パレート図は、品目ごとの売上高を大きい順に並べた棒グラフと、累積構成比を示す折れ線グラフを1つにまとめた図です。Excelでは、データ範囲を選んで「グラフの挿入」からパレート図を選ぶか、棒グラフと折れ線グラフの複合グラフで作れます。棒グラフをランクごとに色分けすると、Aランクの品目がひと目で分かります。最後に、ランクごとの発注方法や陳列、販促の方針を決め、担当者に共有して初めて分析が業務に生かされます。
ここまでの手順を、毎月の業務として回すとどうなるでしょうか。次のセルフチェックで、今のやり方に負担が出ていないかを確認してみてください。
ABC分析の運用、今のやり方で大丈夫? セルフチェック
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売上ランクと在庫ランクを組み合わせる|過剰在庫を見つける応用法
多くの解説ではABC分析を1つの評価軸だけで行いますが、実務で特に役立つのは、同じ品目を「売上高」と「在庫金額」の2つの軸でそれぞれランク分けし、そのずれを見る方法です。売上のランクより在庫のランクが高い品目は、売れ行きに比べて在庫を持ちすぎている候補と読みます。ここでの読み方は、一般的な分析の考え方を整理した一例であり、公的な基準ではありません。
| 売上ランクと在庫ランクの組み合わせ | 状態の読み方 | 検討したい対策 |
|---|---|---|
| 売上A・在庫A | よく売れ、在庫も多い。おおむね健全 | 欠品を防ぎつつ、発注量が多すぎないかを確認 |
| 売上A・在庫C | よく売れるのに在庫が薄い。欠品の危険がある | 発注点や安全在庫を引き上げる |
| 売上C・在庫A | あまり売れないのに在庫が多い。不良在庫の候補 | 発注を止める、値下げや返品を検討する |
| 売上C・在庫C | 売上も在庫も小さい | 品ぞろえとしての役割を確認し、続けるか入れ替えるかを判断 |
売上だけで見ると「Cランクだから減らそう」で終わりがちですが、在庫の軸を重ねると、手を付けるべき品目が「売上C・在庫A」に絞り込まれます。在庫は資金が商品の形で眠っている状態のため、ここを減らすことは資金繰りの改善にも直結します。同じ考え方で、売上高と粗利額を組み合わせると「売れているのに利益が薄い品目」も見つけられます。
業種別の活用事例(在庫・販売の両面)
ABC分析は業種を問わず使える汎用的な手法です。ここでは代表的な業種での使い方を、在庫の観点と販売の観点に分けて整理します。紹介するのは一般的な活用の型であり、特定企業の実績ではありません。
小売業(スーパー・専門店・EC)
在庫の面では、Aランク商品の欠品が売り逃しに直結するため、発注頻度を上げて補充を切らさないようにします。販売の面では、Aランク商品は棚の目立つ位置で陳列面積(フェイス)を広く取り、Cランク商品は入れ替えや見切り販売の時期を決めておきます。ECでは、商品ページの改善や広告の予算をAランクに優先して配分する、といった使い方もあります。
卸売業・製造業
部品や原材料を在庫金額でランク分けし、Aランクは使用量に合わせて細かく発注し、Cランクの安価な部品はまとめ買いで発注の手間を減らす、という管理の使い分けが代表例です。個別受注生産の製造業では、ランクに加えて「どの受注で使う部品か」を確認してから発注量を決める必要があります。販売の面では、得意先を売上高でランク分けし、Aランクの顧客には担当者を固定して手厚く対応するといった営業体制の設計に使われます。
飲食業
メニューを注文数や売上高でランク分けし、Aランクのメニューは食材の欠品を防ぐよう仕込み量を優先して確保します。Cランクのメニューは、食材の廃棄が多くないかを確認したうえで、改良するか、メニューから外すかを判断します。注文数と粗利を組み合わせると、看板メニューの価格設定を見直すきっかけにもなります。
BtoBサービス・マーケティング
顧客を年間取引額でランク分けし、DMやメール配信、訪問頻度に差を付けるのが典型的な使い方です。ただし、取引額だけで判断すると、今は小さくても伸びている顧客を見落とします。前年からの伸び率や取引期間といった別の指標と組み合わせて見ることが大切です。
分析結果を行動に変える|ランク別の発注方式と組み合わせたい指標
ABC分析は「どこに力を入れるか」を決める手法であり、ランクを付けただけでは在庫も売上も変わりません。結果を日々の業務に落とし込むには、ランクごとに発注の方式を決め、ほかの指標と組み合わせて判断の精度を上げることが欠かせません。
ランクに合わせて発注方式を使い分ける
J-Net21では、在庫の発注方式として定量発注方式、定期発注方式、都度発注方式の3つが紹介されています。それぞれの特徴とABC分析のランクとの組み合わせ方の例を整理すると、次のようになります。
| 発注方式 | 仕組み | 組み合わせやすいランクの例 |
|---|---|---|
| 定量発注方式 | 決まった量を、在庫があらかじめ決めた量(発注点)を下回ったときに発注する | 出入りの激しい売れ筋のAランク、または手間をかけたくないCランクの安価な品目 |
| 定期発注方式 | 週や月など一定の間隔で、その都度必要な量を計算して発注する | 需要の動きを見ながら量を調整したいAランクやBランク |
| 都度発注方式 | 必要な都度、必要な量を発注する | 売れ行きが読みにくい高額品や、受注生産に近いCランク |
同じAランクでも、日々よく売れる消耗品なら定量発注で自動的に補充し、単価が高く需要が波打つ商品なら定期発注で量を見極める、というように品目の性質で使い分けます。ランクは「どれだけ注意を払うか」、発注方式は「どう補充するか」を決めるものと考えると整理しやすくなります。
在庫回転率・適正在庫と組み合わせる
ABC分析は全体に占める割合を見る手法のため、「その在庫量が多すぎるかどうか」までは教えてくれません。そこで組み合わせたいのが在庫回転率です。在庫回転率は、一定期間の売上(または出庫)が平均在庫の何倍にあたるかを示す指標で、数値が高いほど在庫が効率よく売上に変わっていることを意味します。J-Net21では、年間の平均適正在庫を「年間販売高の予想÷年間の予定商品回転率」で求める式が示されていますが、これは平均的な目安にすぎず、季節要因や安全在庫を考慮して商品ごとに決める必要があるとされています。Aランクの品目ごとに回転率の目標を決め、実績と比べると、欠品と過剰在庫のどちらに傾いているかを判断できます。
需要の安定性を見るXYZ分析
もう一つの補助的な考え方が、需要のばらつきで品目を分ける方法で、XYZ分析と呼ばれることがあります。毎月の販売数が安定している品目をX、ある程度変動する品目をY、売れる月と売れない月の差が大きい品目をZとし、ABC分析と組み合わせます。「Aランクで需要が安定している品目」は発注の自動化に向き、「Aランクで需要が不安定な品目」は担当者が状況を見て判断する、といった役割分担を決める材料になります。分類の基準は会社ごとに決めてかまいませんが、ABC分析と同じく、基準を固定して定期的に見直すことが大切です。
ABC分析を手作業で行う際の限界
ABC分析はExcelで手軽に始められる一方、続けるほど手作業ならではの課題が出てきます。
- データの書き出しと貼り付けが毎回必要になり、月次で続けるほど担当者の負担が大きくなる
- 品目数が数千を超えると、ファイルが重くなり、数式の入力ミスにも気付きにくくなる
- 在庫データと売上データが別のシステムにあると、品目コードをそろえて突き合わせる作業が発生する
- 分析した時点のデータしか見られず、急な売れ行きの変化に気付くのが遅れる
- 作り方が担当者ごとに違い、異動や退職のあとに同じ分析を再現できなくなる
ABC分析を一度きりで終わらせず、日々のデータが集まり、同じ基準で繰り返し分析できる状態をつくることが、運用を続けるうえでの鍵になります。Excelでの在庫管理の限界と移行の判断については、在庫管理をエクセルで始める方法|テンプレートから限界・移行判断まで完全解説も参考になります。
導入・運用でよくある失敗パターン
ABC分析は手順そのものは単純ですが、結果の読み方を誤ると、かえって売上や顧客を失うことがあります。よくある失敗と対策を表にまとめます。
| よくある失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| Cランクを一律に廃止する | Aランク商品と一緒に買われていた商品や、品ぞろえの幅を支える商品まで消え、客離れにつながる | 併売の関係や顧客からの要望を確認してから判断する。少数でも長く売れ続ける商品の価値(ロングテール)も考える |
| 季節商品や一時的な流行を過大評価する | 一時的にAランクになった商品を多めに仕入れ、ブームが去ったあとに在庫が残る | 分析期間を季節ごとに分ける、前年同期と比べる |
| 値引きで伸びた売上をそのまま評価する | 値下げで売上が伸びただけの商品がAランクに入り、安定した売れ筋と取り違える | 値引き期間を除いた数字でも並べ直し、粗利額の軸でも確認する |
| 売上高の軸しか見ない | 売れているが利益の薄い商品に販促費をかけ続けてしまう | 粗利額や在庫金額の軸でも分析し、組み合わせて見る |
| 新商品や見せ筋を同じ基準で評価する | 販売期間が短いだけ、売上が小さいだけでCランクになり、育つ前や集客の役割を持つうちに打ち切ってしまう | 発売から一定期間は評価の対象から外すか、別枠で見る |
| 一度分析して終わりにする | ランクの入れ替わりに気付かず、古い方針のまま発注や陳列を続ける | 月次や四半期ごとに同じ基準で再分析する仕組みをつくる |
表の失敗の多くは、「売上だけで見る」「一度きりで終わる」という2つの原因に行き着きます。同じ基準で繰り返し分析するには、売上・在庫・購買のデータの出どころをそろえることが欠かせません。部品や資材を扱う個別受注生産の製造業であれば、受注・購買・在庫・原価を製番単位でつなげて管理できる生産管理システムが、ABC分析に使うデータの整備にも役立ちます。FUSEはその一例で、必要な機能から段階的に導入できます。生産管理システムの全体像はおすすめの生産管理システム10選も参考にしてください。商品の仕入販売が中心の会社は、FUSEとは別に、在庫管理や販売管理のシステムを自社の取引に合わせて比較してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ABC分析とは何の略ですか?
A. A・B・Cは、重要度の高い順に付けるランクの名前です。ABC分析は、品目を3つのランクに分けて管理の手厚さを変える手法で、「重点分析」とも呼ばれます。似た名前の「ABC原価計算」は間接費を活動ごとに割り当てる別の手法で、ABC分析とは異なります。
Q2. ABC分析のAの割合はどのくらいですか?
A. 決まった割合はありません。累積構成比で上位70%または80%までをAとする例が一般的で、50%までをAとする例もあります。品目の数でみると、小売店では上位2割ほどの売れ筋商品で売上の8割を占めることが多いといわれます。目的と品目数に合わせて決め、一度決めたら同じ基準を使い続けることが大切です。
Q3. ABC分析とパレート分析は同じものですか?
A. ほぼ同じ意味で使われます。パレートの法則を土台に、品目を大きい順に並べて累積構成比で区分する手法をABC分析と呼び、その結果を表すグラフをパレート図と呼びます。品質管理の分野では、不良の原因を件数の多い順に並べる分析をパレート分析と呼ぶこともあります。
Q4. ABC分析はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
A. 品目の入れ替わりが早い小売業や飲食業では月次、入れ替わりが緩やかな卸売業や製造業では四半期ごとが一つの目安です。季節商品が多い場合は、シーズンごとに分析して前年同期と比べると、一時的な売れ行きに振り回されにくくなります。
Q5. Cランクの商品はなくしてもよいですか?
A. 一律になくすのはおすすめできません。Aランク商品と一緒に買われている商品や、品ぞろえの幅として来店の理由になっている商品もあるためです。在庫金額とも組み合わせ、売上が小さいのに在庫が多い品目から優先して見直すと判断しやすくなります。
Q6. Excelで行う場合、どんな関数を使いますか?
A. 合計を出すSUM関数、構成比を出す割り算、累積構成比を出す足し算、ランクを自動で付けるIF関数があれば十分です。並べ替えは「データ」タブの並べ替え機能を使います。パレート図はグラフの挿入から作成できます。
まとめ
ABC分析は、品目を指標の大きい順に並べて累積構成比でA・B・Cに分け、重要度に応じて管理の手厚さを変える手法です。最後に、取り組むときに押さえておきたい4つのことを整理します。
- 目的を先に決め、それに合った評価軸(売上高、粗利額、在庫金額、出荷数量)と期間を選ぶ
- ランクの基準は自社に合うものを選び、比較のために同じ基準を使い続ける
- 売上と在庫など2つの軸を組み合わせ、Cランクを一律に削るのではなく見直す品目を絞り込む
- 手作業での集計が負担になったら、データを一元管理できるシステム(部品や資材を扱う製造業ならFUSEのような生産管理システム)の導入を、資料を取り寄せて検討する
まずは手元の売上データを使って、Excelで1回ABC分析を試してみてください。自社の売上がどの品目に偏っているかが見えるだけでも、次に手を付けるべきことがはっきりします。
参考文献
- J-Net21(独立行政法人中小企業基盤整備機構)「すぐに使える/小売店のABC分析表」https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list9/9-1-11.html
- J-Net21(独立行政法人中小企業基盤整備機構)「小売業の在庫費用削減策」https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list9/9-1-9.html
- カイゼンナビ(株式会社日本コンピュータ開発)「生産計画の見える化と不良の追跡が可能に」https://kaizen-navi.biz/case/visualization-of-production-plans-and-tracking-of-defects