会社設立とは|手続き・費用・設立後の届出までわかりやすく解説
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- 会社設立の手続きの流れと、個人事業主との違いがわかる
- 株式会社と合同会社の設立費用の内訳と、形態の選び方がわかる
- 登記後に必要な届出の期限と、設立直後の経理体制の整え方がわかる
「会社を設立したいが、何から手をつければよいのかわからない」「株式会社と合同会社で費用がどれくらい違うのか知りたい」と感じていませんか。会社設立は、定款を作り、資本金を払い込み、法務局に設立登記を申請することで法人格を得る手続きです。ただし、登記が完了した日がゴールではありません。登記後には税務署・都道府県・市区町村への届出、社会保険の加入手続き、法人口座の開設、そして毎月の記帳や請求書の処理といった経理業務が一斉に始まります。設立準備に追われて「設立後の経理を誰が担うのか」を決めないまま事業をスタートし、最初の決算期に慌てるケースは少なくありません。この記事では、会社設立の意味と個人事業主との違い、手続きの流れ、株式会社と合同会社の費用の内訳、設立形態と決算期の決め方、登記後90日以内に済ませたい届出、よくある失敗パターンまでを、これから起業する方や法人化を検討している個人事業主の目線で解説します。あわせて、設立直後の経理体制をどう整えるかという、競合の解説記事ではあまり触れられない論点も整理します。
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会社設立の手続き、次の一歩は経理体制づくり|経理代行サービスの比較
会社設立の手続きは大きく4つの段階に分かれ、登記が完了した瞬間から経理業務が始まります。設立までの流れは、書類を順番にそろえていけば自分でも進められるように整備されています。一方で、設立後に毎月発生する記帳・請求・支払・給与計算は、事業が続く限り終わりません。まずは設立までの流れを整理します。
| 段階 | 主な作業 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 基本事項の決定 | 商号、事業目的、本店所在地、資本金の額、役員、決算期を決める | 事業目的を狭く書きすぎると、後から追加する際に変更登記が必要になる |
| 2. 定款の作成と認証 | 定款を作成し、株式会社は公証役場で認証を受ける(合同会社は認証不要) | 紙の定款だと収入印紙代がかかる。電子定款にするかを先に決める |
| 3. 資本金の払込み | 発起人の個人口座に資本金を振り込み、通帳の写しなどで払込みを証明する | 定款作成より前の日付の入金は扱いに注意が必要 |
| 4. 設立登記の申請 | 本店所在地を管轄する法務局に登記を申請する。申請日が会社の設立日になる | 書類の不備があると補正の手間がかかり、口座開設などの予定もずれる |
設立登記が終わると、法人名義の口座が開設でき、取引先との契約や請求が法人として動き出します。ここで多くの創業者が直面するのが、「経理を担当する人がいない」という問題です。創業期は社長自身が営業も開発も担っていることが多く、経理担当者を正社員で採用する余裕はまだないのが一般的です。かといって、領収書を箱にためておき、決算直前にまとめて処理しようとすると、仕訳の根拠が思い出せない、請求漏れに気づかないといった問題が起きやすくなります。
設立直後の経理体制には、主に3つの選択肢があります。社長や家族が会計ソフトを使って自分で入力する方法、経理経験者をパートタイムで採用する方法、そして経理代行サービスに日々の経理業務を任せる方法です。取引量が少ないうちは自分で入力する方法でも回りますが、事業が伸びて請求書や経費精算の件数が増えると、経営者の時間が経理作業に奪われていきます。経理代行サービスの比較・おすすめ記事に掲載されている代表的なサービスを、強みと確認しておきたい点で整理すると次のとおりです(内容は比較記事の掲載情報をもとにしています)。
| サービス名(提供会社) | 強み | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|
| Remoba経理(株式会社Enigol) | 公認会計士・税理士の監修のもとで幅広い経理業務を依頼でき、クラウドサービスと組み合わせて効率化を図れる | 対応範囲は経理業務のため、コピーやスキャンなどのアシスタント業務は別サービスの契約が必要 |
| HELP YOU(株式会社ニット) | 請求・支払などの日常経理から経営判断に使う資料作成まで、オンラインで幅広く依頼できる | 税務判断や税務申告など、税理士資格が必要な業務は対応範囲外 |
| freee支出管理 受取請求書アシスト(フリー株式会社) | 請求書の受領から仕訳までをまとめて依頼でき、freee会計を使っている場合は連携しやすい | 経理業務全般を任せたい場合は、他のサービスの利用が必要になる |
経理代行サービスは、記帳や請求書の処理などの実務を担うもので、税務申告や税務相談は税理士の業務です。設立直後に顧問税理士をつけるかどうかとあわせて、「実務は代行サービス、申告と税務判断は税理士」という分担で検討すると、依頼範囲の重複や漏れを防げます。
会社設立とは|個人事業主との違い
会社設立とは、会社法に基づく手続きを経て設立登記を行い、個人とは別の「法人格」を持つ事業主体をつくることです。法人格を持つことで、会社の名前で契約を結び、財産を持ち、銀行口座を開設できるようになります。個人事業主が事業の権利義務をすべて個人として負うのに対し、会社では事業の主体が会社そのものになる点が根本的な違いです。
個人事業は税務署に開業届を出せば始められますが、会社は登記をしなければ成立しません。その分、会社は登記簿によって商号・本店・役員・資本金などが公開され、取引先から見た信用の裏付けになります。個人事業主と会社の主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 個人事業主 | 会社(法人) |
|---|---|---|
| 始め方 | 開業届の提出で開始できる | 定款作成と設立登記が必要 |
| かかる税金 | 所得税(所得が増えるほど税率が上がる累進課税)と住民税など | 法人税・法人住民税・法人事業税など。赤字でも法人住民税の均等割がかかる |
| 経営者への報酬 | 事業の利益がそのまま事業主の所得になる | 役員報酬として支給し、会社の経費として扱える(一定のルールあり) |
| 社会保険 | 国民健康保険・国民年金が基本 | 代表者1人の会社でも健康保険・厚生年金保険の加入が必要 |
| 会計・申告の手間 | 確定申告。帳簿付けは比較的シンプル | 決算書の作成と法人税申告が必要で、事務負担が大きい |
| 対外的な信用 | 取引先によっては法人との取引を条件にされることがある | 登記により事業の実在が確認しやすく、取引や採用で有利になりやすい |
個人事業主が会社を設立して事業を移すことを「法人成り」と呼びます。所得が増えると個人の所得税は段階的に税率が上がるため、一定の利益水準を超えた段階で法人化を検討する事業者は多くいます。ただし、会社には赤字でも発生する法人住民税の均等割や、会社負担分の社会保険料といった固定的なコストが加わります。目先の税負担だけで判断せず、社会保険料、決算の事務負担、取引先からの信用、将来の採用計画まで含めて比べることが大切です。判断が難しい場合は、税理士などの専門家に自社の数字をもとに試算してもらうと安心です。
会社設立にかかる費用の内訳
会社設立の費用は、定款認証手数料・収入印紙・登録免許税といった法定費用が中心で、株式会社は最低でも約18万円、合同会社は最低約6万円が目安です。いずれも資本金の額や定款の作り方によって変わるため、内訳を知っておくと節約できる部分が見えてきます。日本公証人連合会の案内をもとに、株式会社と合同会社の法定費用を比べると次のとおりです(2026年9月時点の公表情報にもとづく目安で、制度改正により変わる場合があります)。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款認証手数料 | 資本金の額等に応じて3万円から5万円(一定の要件を満たす小規模な設立は1万5,000円) | 不要 |
| 定款の謄本手数料 | 1枚250円(おおむね2,000円程度) | 不要 |
| 収入印紙(定款) | 紙の定款は4万円、電子定款は不要 | 紙の定款は4万円、電子定款は不要 |
| 登録免許税 | 資本金の額の1000分の7(最低15万円) | 資本金の額の1000分の7(最低6万円) |
| その他 | 会社の実印(代表者印)の作成費用、印鑑証明書・登記事項証明書の取得費用など | |
株式会社の場合、資本金100万円未満で電子定款を使うと、定款認証手数料3万円、謄本代約2,000円、登録免許税15万円で、法定費用は約18万円になります。2024年12月からは、発起人が3人以下の個人のみで取締役会を置かないなど一定の要件を満たす場合、資本金100万円未満の株式会社の定款認証手数料が1万5,000円に引き下げられています。合同会社は定款認証が不要なため、電子定款であれば登録免許税の6万円が法定費用の中心です。
電子定款で収入印紙代を節約する
紙で作成した定款には4万円の収入印紙を貼る必要がありますが、PDFに電子署名をした電子定款であれば印紙税はかかりません。電子署名にはマイナンバーカードと対応ソフトなどの準備が必要なため、自分で用意する手間と、電子定款に対応した専門家やクラウド設立サービスを使う費用とを比べて選びます。株式会社の定款認証は、電子定款であればオンラインでの手続きにも対応しています。
資本金の額の決め方
会社法上、資本金は1円から設立できますが、実務上は事業の運転資金と対外的な信用を踏まえて決めるのが一般的です。資本金の額は登記事項として公開されるため、取引先や金融機関が会社の規模感を判断する材料の一つになります。極端に少額だと、設立直後から運転資金が足りず、融資の審査や取引開始の場面で不利になることがあります。
一方で、資本金を大きくすれば良いわけでもありません。資本金が1,000万円以上になると、設立初年度から消費税の課税事業者になるなど、税務上の取扱いが変わる場合があります。また、法人住民税の均等割は資本金等の額によって区分されるため、金額が上がると毎年の固定費も増えます。業種によっては許認可の要件として一定以上の資本金や財産的基礎が求められることもあるため、自社が該当する業種の要件を事前に確認しましょう。目安としては、設立後数か月分の運転資金をまかなえる額を起点に、税務・許認可の条件と照らし合わせて決めると無理がありません。
設立後に毎年かかる費用も見込んでおく
競合する解説記事の多くは設立時の費用で説明を終えていますが、事業計画で見落としやすいのは設立後に毎年かかる費用です。代表的なものは、赤字でも課される法人住民税の均等割、会社負担分の社会保険料、決算書の作成と法人税申告にかかる税理士報酬、会計ソフトの利用料などです。設立費用が安い合同会社を選んでも、これらのランニングコストは株式会社とほぼ変わりません。設立時の費用と、1年目に見込まれる固定費を合わせて資金計画を立てておくと、「設立したものの運転資金が足りない」という事態を避けやすくなります。
設立形態の選び方|株式会社と合同会社の違い
新たに設立できる会社の形態は、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社の4つで、実務上はほとんどの起業家が株式会社か合同会社を選びます。合名会社と合資会社は、出資者の一部または全員が会社の債務に無限責任を負う形態のため、新規の設立はあまり多くありません。株式会社と合同会社は、いずれも出資者が出資額の範囲でしか責任を負わない有限責任の会社です。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立費用 | 法定費用は最低約18万円 | 法定費用は最低約6万円 |
| 所有と経営 | 株主(所有)と取締役(経営)が分かれる。株主総会で重要事項を決める | 出資者(社員)が原則として経営にも参加する |
| 利益の配分 | 原則として持株数に応じて配当する | 定款で出資比率と異なる配分を定められる |
| 役員の任期 | 任期があり、再任時にも変更登記が必要(非公開会社は最長10年まで伸ばせる) | 任期の定めがなく、重任登記が不要 |
| 資金調達 | 株式の発行による出資を受けやすく、将来の上場も視野に入る | 株式を発行できないため、外部からの出資を受ける場面では制約がある |
| 決算公告 | 毎年の決算公告が義務 | 決算公告の義務はない |
選び方の軸は、「将来、外部から出資を受ける予定があるか」「取引先や採用市場で株式会社の肩書きが重視される業界か」「設立と維持のコストをどこまで抑えたいか」の3点です。投資家からの資金調達や上場を目指すなら株式会社、少人数で運営し、設立費用と維持コストを抑えたいなら合同会社が候補になります。合同会社として設立したあとで、組織変更の手続きを経て株式会社に移行することも可能ですが、その際には改めて費用と手間がかかります。数年先の事業の姿を思い描き、途中で形態を変える可能性が高いなら、最初から株式会社を選んでおく方が結果的に負担が少ない場合もあります。
決算期の決め方で気をつけたいポイント
会社の決算期(事業年度の終わり)は自由に決められ、その決め方が資金繰りや事務負担に影響します。決算期は設立後に変更することもできますが、定款の変更や税務署への届出が必要になるため、設立時点で見通しを立てて決めておくのが望ましいとされています。
第一に、繁忙期と決算の時期を重ねないことです。決算書の作成や棚卸しは手間がかかるため、売上のピークと重なると本業と経理の両方が立ち行かなくなります。第二に、納税資金の準備です。法人税などの申告と納付は原則として決算日の翌日から2か月以内が期限になるため、売上の入金が集中する時期の後に納付期限が来るように設定すると資金繰りが安定しやすくなります。第三に、最初の事業年度の長さです。設立日から最初の決算日までの期間が短すぎると、設立直後にいきなり決算作業が発生します。消費税の免税期間の扱いにも関わる場合があるため、決算期は税理士などの専門家と相談しながら決めると安心です。
設立登記後90日以内に済ませたい届出スケジュール
設立登記の完了はスタート地点であり、税務・社会保険・労働保険の届出にはそれぞれ期限があります。登記の準備と同時にこのスケジュールを組んでおくと、事業開始後に慌てずに済みます。主な届出と提出期限を、国税庁・日本年金機構などの公表情報をもとに整理しました(従業員を雇うかどうかなど、会社の状況によって必要な届出は異なります)。
| 届出 | 提出先 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 年金事務所 | 事実発生から5日以内 |
| 労働保険・雇用保険の加入手続き(従業員を雇う場合) | 労働基準監督署・ハローワーク | 雇用した日の翌日から10日以内など |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 開設の日から1か月以内 |
| 法人設立届出書 | 税務署 | 設立の日以後2か月以内 |
| 法人設立の届出(地方税) | 都道府県・市区町村 | 各自治体が定める期限 |
| 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立の日以後3か月を経過した日と、第1期の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで |
このうち特に見落としやすいのが、社会保険の新規適用届と青色申告の承認申請書です。社会保険は代表者1人だけの会社でも加入が必要で、期限が短く設定されています。青色申告の承認申請書を期限内に出さないと、設立1期目は青色申告の特典(欠損金の繰越控除など)を受けられません。設立1期目は赤字になりやすいため、この届出の漏れは後々まで響きます。国税庁の届出はe-Taxでも提出できるため、登記完了の翌週に「届出の日」を確保しておくと漏れを防ぎやすくなります。
なお、2024年10月からは、一定の要件のもとで登記事項証明書などに代表取締役等の住所の一部を表示しない措置の申出ができるようになっています。自宅を本店とする小規模な会社などでは、プライバシー保護の観点から検討する価値があります。ただし、この措置を利用すると金融機関の口座開設などで追加の書類が求められる場合があるため、法務省の案内で要件と影響を確認してから申し出ましょう。
会社印の準備と法人口座の開設
届出と並行して進めたいのが、会社印の準備と法人口座の開設です。会社の実印(代表者印)は、登記申請の前に作成しておくのが一般的で、あわせて銀行印や請求書・見積書に押す角印をそろえておくと、設立後の事務がスムーズになります。法人口座の開設には、登記事項証明書や定款、代表者の本人確認書類などが求められることが多く、個人口座よりも審査に時間がかかる傾向があります。事業の実態が確認できる資料(事業計画書やホームページ、取引予定先の情報など)を用意しておくと説明しやすくなります。口座が開設されるまでは法人名義で入金を受けられないため、最初の請求日から逆算して早めに申し込みましょう。
また、創業時には国や自治体、日本政策金融公庫などによる補助金・助成金・融資制度が用意されている場合があります。制度ごとに対象や申請期限が異なり、設立前の申請が条件になるものもあるため、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の支援情報ヘッドラインなどで、地域や業種に合った制度を設立準備の段階から確認しておくと安心です。
設立の手続きは自分で進めるか、専門家に依頼するか
会社設立は自分でも進められますが、手続きの種類ごとに担当できる専門家が異なるため、依頼範囲を整理してから選ぶことが大切です。一般に、設立登記の申請代理は司法書士、税務署への届出や税務の助言は税理士、社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士、定款作成の支援や許認可の申請は行政書士が担うことが多いとされています。
進め方は大きく3つです。1つ目は、法務局の申請書様式や記載例を使って自分で進める方法で、費用を法定費用だけに抑えられる反面、書類の作成や確認に時間がかかります。2つ目は、クラウドの会社設立サービスを使う方法で、画面の案内に沿って情報を入力すると定款や登記申請書のひな形が作成されるため、専門知識がなくても書類をそろえやすくなります。3つ目は、専門家にまとめて依頼する方法で、報酬はかかりますが書類の不備による手戻りを防ぎ、設立後の届出や税務の相談まで一貫して任せられます。
どの方法でも、事業目的の書き方や資本金の額、決算期といった判断が必要な部分は、サービスの案内だけで決めずに、自社の事業計画と照らし合わせて検討することが重要です。設立の手続きそのものより、設立後に続く経理・税務・労務の体制をどう組むかが、会社運営のしやすさを左右します。
会社設立でよくある失敗パターン
会社設立の失敗は、手続きそのものより「設立前の判断」と「設立後の体制づくり」で起こりやすくなります。よくある失敗と、その回避策を整理しました。
| 失敗パターン | 起こりやすい結果 | 回避策 |
|---|---|---|
| 費用だけで設立形態を決める | 出資を受ける段階で株式会社への組織変更が必要になり、追加の費用と手間がかかる | 数年先の資金調達や採用計画を踏まえて形態を選ぶ |
| 事業目的を狭く書く | 新規事業のたびに目的変更の登記が必要になる。許認可の要件を満たさないこともある | 将来展開する可能性のある事業も含めて記載し、許認可の要件を確認する |
| 紙の定款で進める | 電子定款なら不要な収入印紙代4万円を負担する | 電子定款に対応した方法で手続きを進める |
| 届出の期限を把握していない | 青色申告の承認申請が間に合わず、1期目の赤字を翌期以降に繰り越せない | 登記の準備と同時に届出スケジュールを作成する |
| 経理担当を決めないまま事業を始める | 領収書や請求書がたまり、決算直前にまとめて処理することになる。請求漏れや支払遅延も起きやすい | 設立前に、自社で入力するか外部に任せるかを決め、月次で締める運用をつくる |
最後の失敗は、設立の手続き自体とは関係がないため見落とされがちです。しかし、設立1期目の決算を迎えたときに帳簿が整っていないと、決算書の作成に時間がかかり、税理士への依頼費用も膨らみます。月次で数字が締まっていれば、資金繰りの見通しが立ち、金融機関から融資を受ける際の説明もしやすくなります。経営者自身が本業に集中するためにも、設立直後から経理の実務を外部に任せる選択肢は検討する価値があります。依頼できる業務の範囲や、サポート体制の違いは比較記事で確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社設立とは何ですか?
A. 会社法に基づいて定款の作成や資本金の払込みを行い、法務局で設立登記をすることで、個人とは別の法人格を持つ会社をつくることです。登記を申請した日が会社の設立日になり、以後は会社の名前で契約や口座開設ができるようになります。
Q. 会社設立にかかる費用はいくらですか?
A. 法定費用の目安は、株式会社が最低約18万円、合同会社が最低約6万円です。株式会社は定款認証手数料・謄本代・登録免許税がかかり、紙の定款の場合は収入印紙代4万円が加わります。資本金の額や定款の作り方で変わるため、最新の情報を公的機関の案内で確認してください。
Q. 株式会社と合同会社はどちらを選ぶべきですか?
A. 将来、外部から出資を受けたい場合や、取引先・採用市場で株式会社の信用が重視される場合は株式会社が候補になります。少人数で運営し、設立費用と維持の手間を抑えたい場合は合同会社が向いています。数年先の事業計画を踏まえて選ぶことが大切です。
Q. 会社設立にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 基本事項の決定から登記申請までは、準備の状況によりますが2週間から3週間程度が一つの目安です。登記が完了するまでには、申請後さらに一定の日数がかかります。法人口座の開設や各種届出も続くため、事業開始日から逆算して余裕を持って準備しましょう。
Q. 設立後にはどのような届出が必要ですか?
A. 税務署への法人設立届出書や青色申告の承認申請書、都道府県・市区町村への届出、年金事務所への健康保険・厚生年金保険の新規適用届などが必要です。従業員を雇う場合は労働保険・雇用保険の手続きも加わります。それぞれ提出期限があるため、登記と同時にスケジュールを立てておきましょう。
Q. 設立直後で経理担当者がいない場合はどうすればよいですか?
A. 取引が少ないうちは会計ソフトを使って経営者自身が入力する方法もありますが、請求書や経費の件数が増えると本業の時間が圧迫されます。記帳や請求書処理などの実務を経理代行サービスに任せ、税務申告は税理士に依頼するといった役割分担を検討すると、少ない人員でも月次で数字を締めやすくなります。
まとめ
会社設立は、基本事項の決定、定款の作成と認証、資本金の払込み、設立登記の申請という流れで進みます。費用は株式会社で最低約18万円、合同会社で最低約6万円が目安で、電子定款を使えば収入印紙代を節約できます。設立形態は費用だけでなく将来の資金調達や信用を踏まえて選び、決算期は繁忙期と納税資金の時期を考えて決めましょう。設立後は、社会保険の新規適用届や青色申告の承認申請書など、期限のある届出が続きます。そして、登記の翌日から始まる経理業務を誰が担うのかを設立前に決めておくことが、1期目をスムーズに乗り切るための大切な準備です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法律・税務上の助言ではありません。具体的な手続きや判断にあたっては、法務局・税務署などの公的機関の案内を確認し、必要に応じて司法書士・税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
参考文献
- 法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00134.html
- 法務省「合同会社の設立手続について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00141.html
- 法務省「代表取締役等住所非表示措置について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00210.html
- 国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm
- 日本年金機構「新規適用の手続き」https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150311.html
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21「支援情報ヘッドライン」https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/
- 日本公証人連合会「定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q03