目標達成シートとは?種類・記入項目の作り方・費用相場と運用のポイント

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  • 目標達成シートの意味と種類がわかる
  • 書き方と記入項目、職種別の例がわかる
  • 書いて終わりにしない運用のコツがわかる

目標達成シートとは、達成したい目標と、そこに至るまでの要素や具体的な行動を1枚に書き出して整理するシートです。中心に目標を置いて周りのマスを埋めるマンダラチャート型が有名ですが、企業では目標管理(MBO)のシートやOKRのシートも含めて「目標達成シート」「目標達成表」「目標設定シート」と呼ぶことがあります。「何をどう書けばよいかわからない」「書いたまま見返されない」という声は多く、書き方と同じくらい、書いたあとの見直しの仕組みが成果を左右します。この記事では、種類と書き方、記入例、費用の考え方、よくある失敗と運用のポイントを順に整理します。

目標達成シートの書き方と見直し、いま知りたいことは? かんたん診断

Q1. 目標達成シートを使いたい場面はどれですか?

目次

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  1. 目標達成シートを「書いて終わり」にしない|書き方と見直しの仕組みをそろえる
  2. 目標達成シートとは|意味と呼び方、代表的な種類
  3. 目標達成シートの書き方|記入項目と作り方の手順
  4. 目標達成シートの職種別の記入例
  5. 目標達成シートの費用相場(テンプレート・ツール導入の場合)
  6. 目標達成シートの運用でよくある失敗パターン
  7. 目標達成シートの効果を高める運用のポイント
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

目標達成シートを「書いて終わり」にしない|書き方と見直しの仕組みをそろえる

目標達成シートは、目標と行動を書き出して管理するシートで、効果は書いたあとに見返されるかどうかで大きく変わります。

目標達成シート(目標達成表、目標設定シートと呼ぶ会社もあります)は、期初に丁寧に書いても、次に開くのが期末の評価面談になりがちです。月に1回でも上司と部下が同じシートを見返せば、止まっている行動や、状況の変化で見直すべき目標に早く気づけます。書き方の手順や種類は、次のH2以降で順に説明します。ここでは先に、見直しの運用を何で支えるかを見ておきます。

表計算ソフトのシートをメールで送り合う運用では、最新版がどれかわからなくなったり、承認や差し戻しのやり取りが口頭やチャットに散らばったりします。目標の入力、上司の承認、進捗の確認、期末の評価を同じ場所で行えるのが人事評価システムで、目標管理の機能を持つサービスがあります。目標達成シートの見直しと相性のよい3つのサービスを、役割の違いで並べました。

目標の入力から見直しまでを支える人事評価システム3サービスの違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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サービス 人事評価ナビゲーター ジンジャー人事評価 カオナビ
向いている会社 紙やExcelでの目標・評価の運用を、機能を絞ったシステムに移したい会社 目標や評価のフローを自社の運用に合わせて設定したい会社。勤怠や給与など他のジンジャーのサービスとも連携したい会社 目標・評価とあわせて、人材情報の一元化やタレントマネジメントにも広げたい会社
特徴 目標達成度評価・行動評価・職務評価に対応。本人が目標を入力し、上司が承認または差し戻しを選べる。2次評価以降は下位評価者の結果を一括コピーして編集できる 評価シートをドラッグ&ドロップで作成。評価者の自動設定、入力が遅れている対象者への一括リマインド、項目ごとの閲覧・編集権限の設定ができる 紙やExcelの評価シートをクラウドに移行し、進捗を一覧で確認してリマインドメールも送れる。AI目標・評価アシストが、SMART原則やFAST原則に基づく目標の内容を提案する
注意したい点 問い合わせから契約まで1か月程度かかる。現行の人事制度をそのまま運用できない場合がある 初期設定に2-3か月、契約から運用開始まで一般に3-5か月かかる。統合型データベースの利点を得るには他のジンジャーのシステムとの連携が推奨される 機能が幅広いため、目標管理だけが目的なら必要な範囲の整理が要る。料金は問い合わせが必要
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どのシステムも、入れるだけで目標管理がうまくいくわけではありません。何のために目標を書くのか、どの状態になれば達成とみなすのかを、上司と部下で先に共有しておくことが前提です。そのうえで、回収と承認の手間を減らしたいのか、目標や評価のフローを細かく決めたいのか、目標を人材情報とあわせて見たいのかによって、合うサービスは変わります。

目標の入力から上司の承認までをシンプルに運用したい場合の一例が、株式会社日本経営の「人事評価ナビゲーター」です。目標達成度評価では、評価対象者本人が目標を入力し、上司が「承認」または「差し戻し」を選べると商品ページで紹介されています。各過程にフリーコメント欄があり、修正箇所などのメッセージも残せます。一方で、問い合わせから契約までは1か月程度かかり、現行の人事制度をそのまま運用できない場合がある点には注意が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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出典:社会福祉法人容風会の導入事例(人事評価ナビゲーター公式サイト)(効果は導入企業の運用状況によって異なります)

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目標達成シートとは|意味と呼び方、代表的な種類

目標達成シートとは、達成したい目標と、そのために必要な要素や行動を1枚にまとめて書き出し、「何を」「いつまでに」「どうやって」実現するかを具体化するシートです。

頭の中にある漠然とした目標を言葉にし、次に取る行動と確認の時期を決めることが目的です。書き出すことで、自分やチームが何をすべきかが見え、進み具合を後から確かめられるようになります。

目標達成表・目標設定シート・目標管理シートの違い

似た名前の用語が多く、会社によって指す範囲が違います。導入するときは、社内でどれを指しているのかを最初にそろえておくと混乱を防げます。

呼び方 主に指すもの よく使われる場面
目標達成シート・目標達成表 目標を要素と行動に分解して書き出すシート。9マス四方のものが代表的 個人の目標整理、研修、チームでの目標づくり
目標設定シート 期初に今期の目標を書くシート。形式は会社ごとに異なる 半期や年度の目標を決める場面
目標管理シート 目標、達成基準、期限、行動計画、結果と振り返りを表形式で書くシート(MBO型) 人事評価と連動した目標管理

このあと説明する書き方は、どの呼び方でも共通して使える考え方を中心にしています。

マンダラチャートとオープンウィンドウ64

シートの形として最もよく知られるのは、中心に目標を置き、周りに要素と行動を広げる9マス四方(81マス)の形です。1979年に松村寧雄氏が開発した「マンダラチャート」がその代表で、「マンダラチャート」は一般社団法人マンダラチャート協会の登録商標です。協会の案内では、個人の利用にライセンス料はかからず、企業の人事担当者が社内の研修などで使う場合も、商標の表記を入れれば連絡は不要とされています。有償のセミナーや商品化など営利で使う場合は、協会への相談が必要です。詳しくはマンダラチャート協会の案内を確認してください。

もう1つよく見かけるのが、原田隆史氏の「原田メソッド」のツールの一つ、オープンウィンドウ64(OW64)です。中心に目標を書き、周囲の8マスに目標に関わる項目を置き、それぞれに8つずつ具体的な行動を書くため、合計64の行動になります。

大谷翔平選手が高校時代に書いたシートの目標

大谷翔平選手が花巻東高校の1年生のときに書いたシートは、このオープンウィンドウ64として紹介されています。中心の目標は、卒業時に「ドラフト1位指名を8球団から受ける」ことでした。周囲の8項目には、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運、人間性、メンタル、体づくりが挙げられています。

注目したいのは、技術だけでなく「運」や「人間性」といった数字で測りにくい要素も項目に入れている点です。ただし、原田メソッドでは、シートに加えて目的や目標を整理する別の用紙、日誌やチェック表などを組み合わせて使うとされています。シートを書くだけで目標が達成されるわけではなく、書いたあとの行動と見直しがセットだと考えると、この記事の主題とも重なります。出典は、PRESIDENT Onlineと原田隆史氏のメルマガ連載です。

目標達成シートの主な種類

種類 形式の特徴 向いている用途 注意したい点
マンダラチャート型(9マス四方) 中心に目標、周りの8マスに要素、さらに各要素の周りに8つの行動を書く。最大で64の行動まで分解できる 個人の長期目標、能力開発、アイデア出し 項目が多く、優先順位や期限がつけにくい
MBO型(目標管理シート) 目標、達成基準、期限、行動計画、結果と振り返りを表形式で書く 人事評価と連動した半期や年度の目標管理 評価を意識して低めの目標を立てやすい
OKR型 定性的な目標(Objective)と、達成度を測る3つ前後の主要な成果(Key Results)を組み合わせる 組織とチーム、個人の目標をつなげたいとき、挑戦的な目標 達成率をそのまま人事評価に使うと挑戦しにくくなる
KPIシート型 売上や件数などの数値指標と、その進み具合を一覧で管理する 営業や製造など、数値で成果が測りやすい職種 数字に表れにくい行動や育成が見落とされやすい
行動計画(アクションプラン)型 目標に対して、週や月ごとの行動と実施状況を一覧で管理する 短期の目標、新人や異動者の立ち上がり支援 目の前の作業が中心になり、目的を見失いやすい

どれか1つを選ぶ必要はありません。たとえば、期初にマンダラチャート型で目標を大きく分解し、その中から今期取り組む行動を選んでMBO型のシートに落とし込む、という組み合わせ方もあります。発想を広げる道具と、進み具合を管理する道具を分けて考えると、それぞれの弱点を補えます。

目標達成シートを使うメリットとデメリット

メリット デメリット
目標と行動のつながりが見え、次に何をすべきかがはっきりする 項目を埋めることが目的になり、実行されない行動が並ぶことがある
上司や同僚と目標を共有しやすく、チームで共通の認識を持てる 書き込みが多いと、全体像がかえって見えにくくなる
進み具合を書き残せるため、振り返りやモチベーションの維持に役立つ 大きすぎる目標を書くと、達成の見込みが立たず挫折につながる
書き出す過程で、自分では気づいていなかった課題や強みが見つかる 環境の変化に合わせた見直しをしないと、実態とずれた目標が残る

デメリットの多くは、シートの形式そのものではなく、書いた後の扱い方から生まれます。見直しの時期と相手をあらかじめ決めておけば、多くは防げます。この点は後半の「運用でよくある失敗パターン」で詳しく扱います。

目標達成シートの書き方|記入項目と作り方の手順

目標達成シートは、最初に達成したい目標を1つ決め、そのために必要な要素、具体的な行動、期限、確認の時期へと順に分解して書きます。ここでは、マンダラチャート型とMBO型を例に、手順と記入項目を整理します。

マンダラチャート型の書き方

  1. 9マス四方の表を用意し、真ん中のブロックの中心に、達成したい目標を1つ書く。
  2. 中心の周りの8マスに、目標の達成に必要な要素を書く。仕事であれば「専門知識」「顧客との関係」「チームの協力」「健康管理」のように、性質の違う要素を並べる。
  3. 8つの要素を、周囲の8つのブロックの中心にそれぞれ書き写す。
  4. 各ブロックの周りの8マスに、その要素を高めるための具体的な行動を書く。「毎週1回」「月に2件」のように、実行したかどうかを判断できる表現にする。
  5. 書き出した行動の中から、今月または今期に取り組むものを選び、印をつける。全部を同時に始めない。

すべてのマスを一度で埋める必要はありません。空いたマスは、上司や同僚と話しながら埋めていくと、自分だけでは出てこない視点が加わります。要素を考えるときは、不足している能力や知識に偏りがちなので、メンタルや人との関わりなども入れると網羅しやすくなります。また、手順5の「今期取り組むものを選ぶ」作業を省くと、64の行動がすべて同じ重みで並び、どれから手をつけるべきか判断できなくなります。マンダラチャート型の弱点である優先順位のつけにくさは、この選択の作業で補います。

MBO型(目標管理シート)の主な記入項目

記入項目 書く内容 書き方のポイント
組織(部署)の目標 会社や部署が今期目指していること 個人の目標がどこにつながるかを示すため、最初に書く
個人の目標 今期に達成したい成果。3つ前後に絞る 数字で測れるものは数字で書く
達成基準 どの状態になれば達成とみなすか。段階に分けてもよい 上司と部下で解釈がずれない表現にする
期限 最終期限と、途中の確認時期 中間の確認日も先に決めておく
行動計画 目標のために、いつ何をするか 自分の行動で決められる内容にする
必要な支援 上司や周囲に求める協力、研修などの機会 1on1で確認する材料になる
結果と振り返り 達成の度合い、うまくいった点と課題、次の期に生かすこと 本人の振り返りと上司のコメントを分けて書く

表の中で見落とされがちなのが「必要な支援」の欄です。目標を本人だけの課題にせず、上司が何をすれば達成に近づくかを書いておくと、期中の面談で話す内容がはっきりします。上司は部下の一次評価者として、この欄を手がかりに支援を考えます。評価者の役割は課長の役割と年収相場を解説した記事でも整理しています。職種や役割に応じて求められる知識や行動を整理したいときは、厚生労働省が業種や職種ごとに公開している職業能力評価基準を参考に、目標の項目を考える方法もあります。

結果目標と行動目標を分けて書く

目標には、売上や契約件数のように成果で測る「結果目標」と、訪問件数や学習時間のように自分の行動で決められる「行動目標」があります。結果目標は景気や顧客の事情にも左右され、本人の努力だけでは動かせない部分があります。そのため、結果目標を1つ置いたうえで、それを支える行動目標を複数並べると、うまくいかなかったときにも「結果が出なかった」ではなく「どの行動が足りなかったか」を振り返れます。マンダラチャートの周囲のマスは行動目標、MBO型の個人の目標は結果目標、行動計画の欄は行動目標、という対応で考えるとわかりやすくなります。

目標の書き方はSMARTで確かめる

シートの形式にかかわらず、書いた目標が具体的かどうかは、SMARTと呼ばれる5つの観点で確かめると判断しやすくなります。Specific(具体的か)、Measurable(測定できるか)、Achievable(達成できる見込みがあるか)、Relevant(組織や本人の目的とつながっているか)、Time-bound(期限があるか)の頭文字です。たとえば「営業力を上げる」は測れず期限もないため、「9月末までに、既存顧客への提案を毎月3件以上行う」のように書き換えます。

目標を達成できなかったときの書き方

目標が未達成だったときの「結果と振り返り」の欄は、責任を問う場ではなく、次の期の行動を決める場として書きます。事実、要因、次に変えることの3つに分けると、感情的な言い訳や反省文にならずに済みます。

書く内容 書き方のポイント 書き方の例
事実(どこまで達成したか) 数字や件数で、達成した部分と届かなかった部分を分けて書く 新規提案は目標の毎月3件に対し、4月から6月は平均2件だった
要因(なぜ届かなかったか) 自分で変えられる要因と、変えられない要因を分けて書く。後者は上司に共有する 自分で変えられる要因は提案資料の作成に時間がかかったこと。外部の要因は顧客の予算の時期だった
次に変えること 来期の行動計画につながる、具体的な1-2点に絞る 提案資料のひな形を作り、1件あたりの準備時間を短くする

達成できなかった項目は、目標そのものが高すぎたのか、行動が足りなかったのか、状況が変わったのかを切り分けると、次の目標の立て方が変わります。上司は、数字の達成率だけで判断せず、この3つの欄を一緒に確かめるとよいでしょう。

自作するときの記入欄の例

手元のExcelやスプレッドシートで目標管理シートを自作するときは、次のような記入欄を並べると、MBO型の基本項目をそろえられます。デザイン付きの無料テンプレートを配布しているサービスもありますが、業務で使う場合は配布元の利用規約を確認してください。

記入欄 書き込む内容のヒント 記入者
期間・氏名・所属 対象の期間(上期、下期、通年など)と、本人・上司の名前 本人
部署の目標 部署が今期達成したいこと。上司から共有された文言をそのまま写す 上司
私の目標(1-3つ) 結果目標をSMARTの観点で書く 本人
達成基準・期限 達成とみなす状態と、最終期限・中間の確認日 本人と上司
行動計画 週や月ごとの行動目標。マンダラチャートで出した行動から3つ前後を選ぶ 本人
必要な支援 上司や周囲に求める協力、研修、時間の確保 本人
中間確認メモ 見直し日ごとの進み具合と、話し合って決めたこと 本人と上司
結果と振り返り 事実、要因、次に変えることの3点 本人と上司

ここまでの手順で書き方は固まっても、回収や記録の運用が重いと、見直しが続かなくなります。いまのやり方がどの程度手間になっているかを、次のチェックで確かめてみてください。

目標達成シートの運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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目標達成シートの職種別の記入例

職種別の記入例は、結果目標と、それを支える行動目標をセットで示すと、シートに写しやすくなります。数字は例なので、自社の状況に合わせて置き換えてください。

職種 目標の例 行動の例
営業職 今期の新規契約件数を前期より2割増やす 毎週、見込み客リストを見直し、新規の訪問を5件入れる
事務職 月次の締め作業にかかる時間を半期で3割減らす 手順書を作り、繰り返し作業を月に1つずつ自動化する
企画・マーケティング職 半期で自社サイトからの問い合わせ件数を前期より増やす 毎月、流入の多いページを2本見直し、改善案を週次の会議で共有する
技術職 年度内に担当領域の資格を取得する 平日に30分の学習時間を確保し、月末に模擬試験を受ける
接客・サービス職 顧客アンケートの満足度の項目を前期より上げる 毎週、接客で気づいた点を1つ記録し、月1回チームで共有する
管理職 チーム全員の目標を期中に一度は見直す体制をつくる メンバー全員と月1回の1on1を行い、シートの進捗を確認する

目標を書くときは、「目的」と「目標」を分けて考えると、状況が変わったときに見直しやすくなります。「なぜそれを目指すのか」が目的、「何をどこまで達成するのか」が目標です。目的を書かずに数字の目標だけを並べると、見直しの判断ができません。シートの上部に1行でよいので目的を書いておくと、途中で目標を修正するときの拠り所になります。

目標達成シートの費用相場(テンプレート・ツール導入の場合)

目標達成シートは、紙とペンや表計算ソフトがあれば費用をかけずに始められます。費用が発生するのは、運用を仕組みにするためのツールを使う場合や、作り方の研修を外部に頼む場合です。具体的な金額はサービスや利用人数、契約内容によって大きく変わり、料金を問い合わせで案内しているサービスも多いため、ここでは費用の種類と発生のしかたを整理します。

方法 費用の発生のしかた 向いている場面 注意したい点
紙、手書き ほぼかからない 個人での目標整理、研修の場での作成 共有や保管、書き直しがしにくい
無料テンプレート(Excel、スプレッドシート) テンプレートは無料で配布されているものが多い。既存の表計算ソフトの範囲で使える 少人数のチーム、まず試してみたい段階 ファイルの版管理と、配布元の利用規約の確認
目標管理ツール、1on1ツール 利用人数に応じた月額や年額の契約が中心。初期費用がかかるものもある シートの進捗確認を面談と一緒に回したいとき 目標管理の機能が上位プランや追加契約になっていないか
人事評価システム、タレントマネジメントシステム 月額や年額の契約に加え、設定や移行の支援費用がかかる場合がある 目標と人事評価、人材情報までをまとめて管理したいとき 機能が多く、目標管理だけなら過剰になることもある
外部研修、コンサルティング 研修の回数や参加人数、制度設計の範囲で変わる 目標設定の書き方を全社でそろえたいとき 研修後に運用が続く仕組みもあわせて考える

費用を比べるときは、ツールの利用料だけでなく、いまシートの配布や回収、集計にかかっている手間と比べる視点が欠かせません。人数が少ないうちは無料のテンプレートで十分に回りますが、メンバーが増えるとファイルの回収と最新版の確認だけで管理者の時間が取られます。まずはテンプレートで小さく始め、確認や記録の手間が目立ってきた段階でツールを検討する順番が、無理のない進め方です。

ツールを比べるときは、対象人数、目標管理や評価の機能の範囲、導入までの期間、サポートの内容、試用できるかどうかを確認します。たとえば、目標の評価に絞って低コストで始めたい場合は、機能を絞った設計の「人事評価ナビゲーター」のようなサービスが選択肢になります。人事評価システム全般の選び方は人事評価システムの導入メリットと選び方を解説した記事も参考になります。

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目標達成シートの運用でよくある失敗パターン

目標達成シートは書くこと自体は難しくありませんが、書いた後の扱い方を決めないまま始めると、形だけの取り組みになりがちです。企業でよく起きる失敗と、その対策をまとめました。

失敗パターン よくある状況(Before) 対策(After)
書いて終わり 期初に提出したシートを、次に開くのが期末の評価面談になっている 月1回など見直しの時期と相手を決め、1on1でシートを開いて進捗を確認する
マスを埋めることが目的になる マンダラチャートの64マスを無理に埋め、実行しない行動が並ぶ 空欄を許し、今期に取り組む行動を3つ前後に絞って印をつける
評価を恐れて低い目標になる 達成率がそのまま評価に響くため、確実に達成できる目標だけを書く 挑戦的な目標の扱い方を評価ルールで明確にし、過程も評価の対象にする
組織の目標とつながらない 個人が書いた目標が部署の方針と関係なく、達成しても組織の成果に結びつかない シートの最初に部署の目標を書く欄を設け、上司と目標をすり合わせてから確定する
記録が散らばる シートは共有フォルダ、面談のメモは個人のノートにあり、期末に経緯を追えない 目標と面談の記録を同じ場所に残す。人数が多い場合は目標管理ツールの利用を検討する
書くこと自体が面倒になる 項目が多く、回収や転記の手間もあり、現場に「めんどくさい」という空気が広がる 導入の目的を共有し、項目を絞る。回収と転記の手間はツールで減らす

6つの失敗のうち、「書いて終わり」と「記録が散らばる」は、どちらも振り返りの仕組みがないことから起きています。上司が部下全員のシートを個別に追いかけるのは負担が大きく、忙しい時期ほど後回しになります。面談の予定とシートの確認を最初から結びつけ、話した内容が目標の記録と並んで残るようにしておくと、期末になって慌てて経緯を思い出す必要がなくなります。

「めんどくさい」と感じられる背景には、何のために書くのかが共有されていないこと、書いたあとに誰も見ないこと、評価に直結するため書き方に気をつかうことなどがあります。対策は、書く量を減らすことと、書いたものが使われる実感をつくることの両方です。進捗のリマインドを自動化して、上司が催促に時間をとられない状態にするのも、運用を続けるための工夫です。

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目標達成シートの効果を高める運用のポイント

導入の目的を共有し、小さく始める

目標達成シートを導入するときは、なぜ書くのか、書いたものを誰がどう使うのかを最初に共有します。目的が伝わっていないと、現場は提出のために書くだけになります。最初から全項目を埋めさせず、目標を3つ前後に絞って小さく始め、慣れてから項目を足すほうが定着しやすくなります。

期間を区切り、中間の確認日を先に決める

1年の目標をそのまま置いておくと、期限が遠く、日々の行動に結びつきません。四半期や月の単位に区切り、それぞれの時点でどこまで進んでいればよいかを書いておくと、遅れに早く気づけます。中間の確認日は、目標を書いたその日にカレンダーへ入れてしまうのが確実です。

1on1では「評価」より「支援」を話す

シートを使った1on1で、上司が進捗の遅れを責める場になると、部下は正直に状況を書かなくなります。進み具合の確認は短く済ませ、何が妨げになっているのか、上司が何を手伝えるのかに時間を使うと、シートに書かれる内容も実態に近づきます。シートの「必要な支援」の欄は、この対話の入口として使えます。1on1の進め方は1on1の目的と導入ステップを解説した記事でも紹介しています。

状況が変わったら目標を書き換えてよいと決めておく

担当業務の変更や市場の変化で、期初の目標が意味を失うことがあります。そのまま期末を迎えると、達成しても成果にならない目標を追い続けることになります。どの時点で、誰の承認があれば目標を変更できるのかを社内のルールとして決めておくと、シートが実態とずれたまま放置されるのを防げます。

人数が増えたら記録の置き場所を一本化する

数人のチームなら表計算ソフトのシートでも十分ですが、管理職1人あたりの部下が増えると、シートの最新版と面談の記録を探すだけで時間がかかります。目標と面談の記録を同じ画面で見られる状態にしておくと、異動や担当替えのときにも経緯をそのまま引き継げます。目標も評価も記録も部署ごとにばらばらになってきたら、人材情報とあわせて管理できるシステムで何ができるかを確かめておくと判断しやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 目標達成シートとは何ですか?

A. 目標達成シートとは、達成したい目標と、そのために必要な要素や行動を1枚に書き出して整理するシートです。中心に目標を置くマンダラチャート型のほか、企業では目標、達成基準、期限、振り返りを表形式で書く目標管理シートやOKRのシートも含めて、目標達成シートと呼ぶことがあります。

Q2. 目標達成シートの書き方は?

A. 最初に達成したい目標を1つ決め、その実現に必要な要素を8つ前後に分け、それぞれに具体的な行動を書きます。行動は「毎週1回」のように実行したかどうか判断できる表現にし、今期取り組むものを3つ前後に絞って印をつけます。目標はSMARTの観点で確かめると具体的になります。

Q3. 大谷翔平選手が作った目標達成シートの目標は何ですか?

A. 花巻東高校の1年生のときに書いたシートの中心の目標は、卒業時にドラフト1位指名を8球団から受けることだったと紹介されています。周囲の8項目には、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運、人間性、メンタル、体づくりが挙げられています。

Q4. 目標管理シートがめんどくさいのはなぜですか?

A. 何のために書くのかが共有されていない、書いたあとに誰も見ない、項目が多い、回収や転記に手間がかかる、といった理由が重なるためです。目標を3つ前後に絞り、見直しの日を決め、回収と進捗の確認の手間を減らすと、負担を軽くできます。

Q5. 目標達成シートと目標管理シートの違いは何ですか?

A. 目標達成シートは、目標を要素と行動に分解して発想を広げることに向いています。目標管理シートは、目標、達成基準、期限、行動計画、振り返りを表形式で書き、人事評価と結びつけて進み具合を管理することに向いています。会社によって呼び方が異なるため、社内で指す範囲をそろえておくと安心です。

Q6. 目標達成シートはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?

A. 期末の評価面談だけでは間隔が空きすぎるため、月に1回程度の見直しが目安です。上司と部下の1on1の場でシートを開き、進み具合と妨げになっていることを短く確認すると、行動が止まっている項目に早く気づけます。

まとめ

目標達成シートは、目標と、そこに至る要素や行動を1枚に書き出して具体化するシートです。代表的なマンダラチャート型のほか、企業ではMBO型の目標管理シートやOKR型のシートも使われ、目的に応じて組み合わせることができます。導入する前に、次の5点を確認しておきましょう。

  1. 社内で「目標達成シート」がどの形式を指すのかをそろえ、個人の目標整理か、チームの目標管理か、人事評価との連動かという目的に合った種類を選ぶ。
  2. 目標は結果目標と行動目標に分け、SMARTの観点で確かめる。組織の目標とのつながりと、必要な支援の欄まで書く。
  3. まずは無料のテンプレートで小さく始め、目標を3つ前後に絞る。
  4. 月1回などの見直しの時期を決め、1on1でシートを開いて進み具合を確認し、話した内容を目標の記録と同じ場所に残す。
  5. 回収や転記、記録の手間が増えてきたら、目標管理の機能を持つ人事評価システムの資料を取り寄せ、自社の運用に合うか比べる。

目標達成シートが成果につながるかどうかは、書き方の上手さよりも、書いた後に何度見返されるかで決まります。シートを書く日と同時に見直す日を決め、上司と部下が同じシートを見ながら話す習慣をつくることから始めてみてください。

参考文献

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