オンライン会議とは?種類・機能・費用相場から選び方まで解説

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  • オンライン会議の意味と、Web会議・テレビ会議との違いやツールの種類がわかる
  • 主な機能と費用相場の考え方、自社に合うツールの選び方がわかる
  • 会議の前・中・後の運用ルールと、議事録や決定事項管理の失敗への対策がわかる

オンライン会議とは、インターネットを介して映像・音声・画面共有をリアルタイムでやり取りし、離れた場所にいる相手と会議を行う仕組みです。テレワークやクラウドサービスの定着とともに、社内の定例会議から取引先との商談、採用面接まで幅広い場面で使われるようになりました。一方で、「Web会議やテレビ会議と何が違うのか」「どの種類のツールを選べばよいのか」「費用はどのくらいかかるのか」といった基本的な疑問に加え、「会議はオンライン化できたが、議事録や決定事項の管理がうまくいかない」という運用面の悩みを抱える担当者も少なくありません。この記事では、会議の記録・進行管理を支えるツールを先に紹介したうえで、オンライン会議の種類、メリットとデメリット、主な機能、費用の考え方、選び方、会議の前・中・後で決めておきたい運用ルール、法務上の注意点、よくある失敗パターンまでを順に整理します。

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目次

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  1. 会議の記録・進行管理の悩みを解消する、ミーティングマネジメントツールの紹介
  2. オンライン会議とは|主な種類
  3. オンライン会議のメリットとデメリット
  4. オンライン会議ツールの主な機能
  5. オンライン会議ツールの費用相場
  6. オンライン会議ツールの選び方のポイント
  7. 会議の前・中・後で決めておきたい運用ルール
  8. 業界別に見るオンライン会議の使い方と注意点
  9. オンライン会議と個人情報保護法の関係
  10. オンライン会議の運用でよくある失敗パターン
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
  13. 参考文献

会議の記録・進行管理の悩みを解消する、ミーティングマネジメントツールの紹介

ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetといったオンライン会議ツールを導入すると、場所を問わず会議を開けるようになります。ただ、オンライン会議ツールの役割は、あくまで「会議を開催してつなぐこと」です。アジェンダを事前に集める、議事録を作って共有する、決まったタスクの担当者と期限を管理するといった会議の前後の作業は、多くの場合、担当者の手作業や別々のファイル管理に頼ったままになりがちです。こうした会議運営そのものを支えるのが、ミーティングマネジメントツールです。オンライン・対面を問わず、会議の準備から開催、振り返りまでを効率化する役割を持ち、オンライン会議ツールと組み合わせて使われます。ここでは、タイプの異なる代表的なツールの特徴を並べておきます。強みと留意点は、お名前.comビジネスコンシェルジュのミーティングマネジメントツール比較記事の掲載内容をもとに整理しています。

サービス名(提供会社) タイプ 主な強み 留意点
TIMO Meeting(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社) 会議総合支援型 アジェンダ展開から議事録の共有まで、会議前後の業務を幅広くカバー。文字起こしや要約などAIを活用した機能、コメントやTodo管理の機能も備える 費用や導入までの期間などは問い合わせで確認が必要
ConforMeeting/e(日本電気株式会社) 会議総合支援型 直感的な操作と高いセキュリティで、会議の準備から終了後までのプロセス全体を最適化。事務局運用のサポート機能も備える 議事録作成や文字起こしの機能は非搭載
スマート書記(エピックベース株式会社) 議事録作成支援型 AIによる文字起こしで議事録作成を支援。さまざまなWeb会議ツールと連携でき、モバイルアプリにも対応 費用は利用人数にあわせて変動するため、見積もりでの確認が必要
miro(ミロ・ジャパン合同会社) オンラインホワイトボード型 AIを搭載し、アイデアの整理と意思決定を支援。テンプレートを使って自分たちに合った環境を作れる 議事録作成や文字起こしなどの会議支援向け機能は非搭載

留意点はサービスの優劣を示すものではなく、自社の会議の課題と照らし合わせて確認したい観点です。たとえば「役員会議の資料配布とペーパーレス化」が課題なら会議総合支援型、「議事録作成に時間がかかりすぎる」なら議事録作成支援型、「オンラインだと議論が活性化しない」ならホワイトボード型というように、困りごとから逆算すると候補を絞り込みやすくなります。オンライン会議ツールの導入を検討している段階でも、会議の記録と進行をどう管理するかを同時に考えておくと、導入後に「会議の回数は増えたのに成果が見えない」という状態を避けやすくなります。

オンライン会議とは|主な種類

オンライン会議とは、パソコンやスマートフォン、タブレットからインターネット経由で接続し、映像・音声・資料を共有しながら行う会議の総称です。専用の会議室や機材がなくても、個人の端末から参加できる点が特徴です。ここでは、似た用語との違いと、提供形態・ツールの形による種類を整理します。

Web会議・テレビ会議・ビデオ会議との違い

「オンライン会議」「Web会議」「テレビ会議」「ビデオ会議」は日常的には同じ意味で使われることが多い言葉ですが、成り立ちと必要な機材には違いがあります。導入時に用語を混同すると、必要な機材やネットワーク要件を見誤ることがあるため、次の表で整理しておきます。

用語 接続手段 主な利用機材 特徴
オンライン会議 インターネット PC・スマホ・タブレット 最も広い概念。個人の端末から参加する会議全般を指す
Web会議 インターネット(ブラウザ・専用アプリ) PC・スマホ・タブレット オンライン会議とほぼ同じ意味で使われる呼び方
テレビ会議 専用線・閉域網が中心 会議室専用のカメラ・モニター一式 拠点の会議室同士を高品質な映像でつなぐ、比較的大がかりな構成
ビデオ会議 インターネット・専用線の両方 PC・専用機材の両方 映像を使う会議の総称で、Web会議とテレビ会議の両方を含む
リモート会議 インターネット・専用線・電話回線 PC・専用機材・電話機 離れた場所の参加者で行う会議全般の呼び方。電話会議(音声のみ)も含む、オンライン会議より広い概念

近年はクラウド型のサービスが主流になり、テレビ会議専用機材を使っていた企業でもWeb会議システムへの切り替えが進んでいます。実務では用語を厳密に使い分ける必要はありませんが、「専用機材が必要か」「個人の端末からインターネット経由で参加できるか」の2点を確認しておくと、システム選定の要件整理がスムーズになります。

ツールの形による3つの種類

オンライン会議ツールは、どのような形で提供されているかによって、おおむね次の3つに分けられます。すでに社内で使っているサービスがある場合は、その中に会議機能が含まれていないかを先に確認すると、二重契約を避けられます。

種類 特徴 向いているケース
Web会議専用ツール 会議機能に特化しており、大人数の会議やウェビナー、ブレイクアウトルームなどの機能が充実している 社外との商談やセミナー配信が多い企業
グループウェア内蔵型 チャット、カレンダー、ファイル共有などと一体で提供され、予定登録から会議参加までの流れがつながっている 社内会議が中心で、日常の情報共有と会議をまとめて管理したい企業
ブラウザ型 アプリのインストールが不要で、URLを開くだけで参加できる。機能はシンプルなものが多い 取引先や応募者など、社外の人を気軽に招きたい場面

提供形態の違い|クラウド型とオンプレ型

提供形態で見ると、事業者のサーバーをインターネット経由で使う「クラウド型」と、自社内にサーバーや機材を置いて運用する「オンプレ型(オンプレミス型)」に分かれます。クラウド型は自社でサーバーを構築する必要がなく、契約後すぐに使い始められるため、初期費用を抑えたい企業に向いています。ただし、セキュリティの仕組みは提供事業者の仕様に左右されるため、業界特有の厳しい基準がある場合は事前の確認が欠かせません。オンプレ型は通信経路やデータの保管場所を自社で管理できるため、金融や医療など情報管理の基準が厳しい業界で選ばれることがあります。その分、機材の購入や設置工事、保守の体制が必要になり、拠点が多いほど費用と管理の負担が増えやすくなります。近年はクラウド型でも企業向けにセキュリティ機能を強化したプランが増えており、「オンプレ型でなければ安全ではない」とは限らない点も押さえておきましょう。

テレワークの定着とオンライン会議の広がり

総務省の「令和7年通信利用動向調査」(令和7年8月末時点、常用雇用者100人以上の企業が対象)によると、テレワークを導入している企業の割合は50.1%となり、前年より増加しました。また、クラウドサービスを利用している企業は8割を上回り、増加傾向が続いています(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。働く場所が分散するほど、対面に頼らない会議の手段は業務の前提になっていきます。厚生労働省のテレワーク総合ポータルでも、テレワーク導入の手順や労務管理の考え方が紹介されており、オンライン会議の運用ルールを考える際の参考になります。

オンライン会議のメリットとデメリット

オンライン会議は移動の手間をなくせる一方で、対面とは異なる難しさもあります。導入を判断する際は、メリットだけでなくデメリットと、その対策をセットで把握しておくことが大切です。

区分 内容 補足・対策
メリット 移動時間・交通費・会議室の確保にかかる負担を減らせる 拠点間の定例会議や遠方の取引先との打ち合わせで効果が大きい
メリット 日程調整がしやすく、意思決定までの時間を短くできる 短時間の確認会議を気軽に開けるため、判断待ちの時間が減る
メリット 録画や文字起こしで会議の内容を記録に残しやすい 欠席者への共有や、議事録作成の負担軽減につながる
デメリット 通信環境によって映像や音声が途切れることがある 有線接続やヘッドセットの利用、参加前の接続テストで予防する
デメリット 相手の反応や場の空気がつかみにくく、発言が偏りやすい 進行役を決め、発言を順番に促す、チャットやリアクション機能を使う
デメリット 会議を開きやすい分、回数と時間が増え、決定事項があいまいになりやすい アジェンダと終了時刻を事前に決め、決定事項と担当者を記録して共有する

見落とされやすいのが、最後の「会議が増えすぎる」問題です。移動がなくなることで会議の予定を入れるハードルが下がり、気づくと一日の大半が会議で埋まっている、というケースは珍しくありません。会議の数そのものより、会議ごとに目的と決定事項がはっきりしているかどうかが、オンライン会議の生産性を左右します。

オンライン会議ツールの主な機能

オンライン会議ツールを選ぶ際は、参加人数や料金だけでなく、業務に必要な機能がそろっているかを確認することが重要です。多くのツールに共通する基本機能と、業務での使いどころを整理します。

機能 概要 業務での活用場面
画面共有 資料やデスクトップ画面をリアルタイムで共有する 提案書のレビュー、システム操作の説明
録画・録音 会議内容をクラウドまたは端末に保存する 議事録作成、欠席者への共有
チャット 会議中にテキストやファイルをやり取りする 補足情報やURLの共有、発言しにくい人の意見集め
背景ぼかし・バーチャル背景 実際の背景を隠して映像を映す 自宅からの参加、社外との商談
字幕・文字起こし 発言をリアルタイムでテキスト化する 聞き取りに配慮した会議、記録の作成
ブレイクアウトルーム 参加者を小グループに分ける 研修やワークショップ形式の会議
待機室・パスコード 主催者が許可した人だけを入室させる 社外参加者がいる会議、機密情報を扱う会議
AIによる要約 発言内容を自動でまとめる 議事録作成の手間の削減

画面共有や録画といった基本機能はほとんどのツールに備わっていますが、待機室や多要素認証、録画の保存容量、文字起こしの精度といった細かな仕様はツールやプランごとに差があります。また、議事録の体裁を整える、決定事項をタスクとして管理するといった会議後の作業まで一つのツールで完結するとは限りません。どこまでをオンライン会議ツールに任せ、どこから別の仕組みで補うかを決めておくと、機能の過不足で迷いにくくなります。議事録作成に特化したツールについては、議事録作成ツールの比較記事も参考になります。

オンライン会議ツールの費用相場

オンライン会議ツールの多くは、無料プランと、1ユーザーあたり月額で課金される有料プランを用意しています。無料プランでも基本的な会議は開けますが、1回あたりの会議時間、参加できる人数、録画の保存先や容量などに制限が設けられていることが一般的です。有料プランは、下位プランで時間制限の解除や録画機能が加わり、上位プランになるほど参加人数の上限拡大、管理者向けの機能、ウェビナーなどの機能が追加されていく構成が多く見られます。

グループウェア内蔵型の場合は、会議機能単体ではなく、メールやファイル共有、チャットなどを含むパッケージとしての料金になります。すでにこうしたサービスを契約しているなら、追加費用なしでオンライン会議を始められることもあります。オンプレ型やテレビ会議システムは、月額の利用料に加えて機材の購入費や設置工事、保守の費用がかかるため、初期費用が大きくなりやすい点が特徴です。料金は改定されることがあり、契約形態(月払いか年払いか)によっても変わるため、具体的な金額は必ず各サービスの公式サイトで最新の情報を確認してください。

費用を考えるときは、ツールの利用料だけでなく、会議にかかっている人の時間にも目を向けると判断しやすくなります。たとえば、毎回の議事録作成に担当者が長い時間をかけている、会議の準備で資料の印刷や配布に手間がかかっているといった状況なら、その作業時間も「会議のコスト」です。全社員に同じ上位プランを付与するのではなく、社外との会議が多い部署だけ上位プランにする、記録作業の負担が大きい会議だけ議事録支援の仕組みを使うといった配分の工夫で、全体の費用を最適化できます。

オンライン会議ツールの選び方のポイント

自社に合ったツールを選ぶには、機能の多さより「どのような会議に使うのか」から考えることが大切です。次の5つの観点で要件を整理しておくと、比較がしやすくなります。

  1. 会議の相手と規模:社内中心か社外中心か、同時に何人参加するか、今後1年から2年で拠点や人数が増える見込みはあるかを確認します。
  2. 会議の時間と頻度:長時間の会議が多いなら時間制限のないプランが必要です。毎日の短い朝会が中心なら、起動の手軽さを重視します。
  3. セキュリティ要件:待機室、パスコード、通信の暗号化、シングルサインオンや多要素認証への対応、データの保管場所などを、情報システム部門の基準と照らし合わせます。
  4. 既存システムとの連携:社内で使っているカレンダーやチャット、グループウェアと連携できるかを確認します。予定登録から会議参加までの手順が少ないほど定着しやすくなります。
  5. 記録と会議後の運用:録画の保存容量と保存期間、文字起こしの有無、議事録や決定事項をどこで管理するかを決めておきます。

多くのツールに無料プランや無料トライアルがあるため、候補を2つから3つに絞ったら、実際の社内会議で試してみるのが確実です。その際は、ITツールに慣れていない社員にも参加してもらい、招待リンクから参加するまでの流れで迷う点がないかを確認しておくと、全社展開の際のつまずきを減らせます。オンライン会議ツールそのものを横並びで比較したい場合は、Web会議システムの比較記事で各サービスの特徴を確認できます。

会議の前・中・後で決めておきたい運用ルール

オンライン会議の質は、ツールの性能よりも運用ルールで決まる部分が大きいものです。対面の会議なら自然にできていた「空気を読む」「終わったら口頭で念押しする」といったことが、オンラインでは起こりにくいためです。会議を前・中・後の3つの段階に分けて、決めておきたいことを整理します。

段階 決めておきたいこと ねらい
会議の前 目的とアジェンダ、終了時刻、資料の事前共有、参加者の範囲、録画の有無の告知 会議の冒頭を説明に使わず、議論と判断に時間を使う
会議の中 進行役と記録係の分担、発言しないときのミュート、カメラのオンオフの基準、チャットの使い方 発言の偏りと聞き取りにくさを防ぎ、全員が議論に参加できるようにする
会議の後 議事録の共有期限、決定事項と担当者・期限の記録、録画データの保存期間と閲覧権限 決まったことを確実に実行し、記録を安全に管理する

社外の相手との会議では、マナーへの配慮も欠かせません。開始時刻の少し前に入室して音声と映像を確認しておく、背景に書類や社内のホワイトボードが映り込んでいないか確かめる、画面共有の前に不要な通知やウィンドウを閉じておく、といった準備は、相手への印象だけでなく情報漏洩の防止にもつながります。会議の終了時は、主催者や目上の相手が退出するのを待ってから接続を切ると丁寧です。

会議室の参加者と自宅などからの参加者が混在するハイブリッド会議では、会議室側の音声が聞き取りにくい、会議室の中だけで話が進んでしまうといった問題が起こりやすくなります。会議室には全体の音を拾えるマイクとスピーカーを用意し、進行役がオンライン参加者に意見を求める場面を意識的に作ると、参加のしやすさが大きく変わります。

業界別に見るオンライン会議の使い方と注意点

オンライン会議は業種を問わず広がっていますが、使い方や直面しやすい課題は業界によって異なります。代表的な3つの業界を例に見ていきます。

製造業|多拠点の進捗会議と工場の通信環境

製造業では、複数の工場や拠点をまたいだ生産進捗会議にオンライン会議がよく使われます。工場長やライン責任者が定例で集まり、生産数量や不良率、設備トラブルの状況を画面共有しながら報告することで、移動の時間を減らしつつ情報共有を早められます。一方、工場内は事務所と通信環境が異なり、Wi-Fiが届きにくい場所もあります。映像が途切れるといったトラブルを避けるため、会議に使う場所の通信状況を事前に確認し、必要に応じて有線接続を用意しておくと安心です。海外拠点との会議では、時差を考えて開催時間を持ち回りにする、参加できないメンバー向けに録画を共有するといった工夫も有効です。

医療機関|多職種カンファレンスと情報管理

医療機関では、医師や看護師、薬剤師、リハビリスタッフなど多職種によるカンファレンスや、本院と分院、地域の連携医療機関との情報交換にオンライン会議を使う動きがあります。当直や外来で一か所に集まりにくいスタッフも参加しやすくなる点が利点です。注意したいのは、ここで扱う会議はスタッフ間の情報共有が目的であり、医師が患者を診療する「オンライン診療」とは制度上区別されるという点です。オンライン診療には別のルールが定められているため、両者を混同しない運用が前提になります。また、カンファレンスでは患者の氏名や病状など機密性の高い情報を扱うことが多いため、参加者の限定、録画の保存先と閲覧権限の管理、会議URLの共有範囲の制限を事前に決めておくことが欠かせません。

小売・サービス業|本部と店舗をつなぐ会議と研修

店舗を展開する小売・サービス業では、本部から各店舗への情報伝達や店長会議、新人研修にオンライン会議が使われています。店長が本部に移動しなくても、新商品や接客ルールの変更を画面で説明し、その場で質疑応答まで済ませられます。一方で、店舗スタッフは必ずしもパソコン操作に慣れているとは限りません。参加方法でつまずく人が多いと、本部が個別に対応する手間が増えてしまいます。手順を絞ったマニュアルを用意する、各店舗に操作に慣れた窓口役を置く、バックヤードの通信環境を事前に確認するといった準備が、定着の鍵になります。

オンライン会議と個人情報保護法の関係

オンライン会議では、参加者の氏名や所属、録画された映像と音声、チャットに残った発言など、特定の個人と結びつく情報を多く扱います。こうした情報は個人情報にあたる場合があるため、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の考え方を踏まえて取り扱いのルールを決めておく必要があります。

特に注意したいのが、会議が終わった後も残る録画データとチャットログです。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、利用目的をできる限り特定することや、取り扱う個人データを安全に管理するための措置を講じることが求められています。録画をする場合は、事前に参加者へ目的(議事録の作成、社内共有など)を伝え、保存期間、閲覧できる人の範囲、削除のルールを社内規程として決めておくことが望ましいといえます。

また、録画データや議事録を社外の関係者と共有する場合は、それが業務の委託にあたるのか、第三者への提供にあたるのかを整理しておく必要があります。利用するサービスが海外のサーバーでデータを扱う場合には、外国にある第三者への提供に関する規律が関わる可能性もあるため、サービス提供事業者のデータ保管場所や取り扱いの条件を契約前に確認しておきましょう。なお、本項は個人情報保護法の一般的な考え方を整理したものであり、法的助言ではありません。個別の運用が法令上どのように扱われるかは、弁護士などの専門家にご確認ください。

オンライン会議の運用でよくある失敗パターン

オンライン会議は導入しやすいツールに見えますが、実際には選定・定着・運用のそれぞれの段階でつまずくケースがあります。代表的な失敗パターンと対策を表にまとめました。

失敗パターン 起こりがちな状況 対策
セキュリティ要件の見落としで選定がやり直しになる 現場が使いやすさと価格で選んだ後、情報システム部門から認証方式やデータ保管場所の基準を満たしていないと差し戻される 選定の初期段階から情報システム部門を加え、セキュリティ要件を先に整理してから比較する
現場に定着せず元の方法に戻る 参加方法や画面共有の操作がわかりにくく、結局電話や対面に戻ってしまう 利用場面ごとの簡易マニュアルを用意し、部署ごとに操作に慣れた窓口役を置く
プランの上限に後から引っかかる 拠点や人数が増えて参加人数や録画容量の上限を超え、急なプラン変更が必要になる 今後1年から2年の拠点数・人数の見込みを踏まえてプランを比較する
議事録が残らず、同じ議論を繰り返す 記録係が決まっておらず、録画はあるが誰も見返さない。前回の結論がわからず議論がやり直しになる 記録係を毎回決め、決定事項だけを短くまとめて会議後すぐに共有する。議事録作成を支援する仕組みを使う
決定事項が実行されない 会議では合意したものの、担当者と期限があいまいで、次の会議まで誰も手を付けていない 決定事項ごとに担当者と期限を記録し、次回の会議の冒頭で進捗を確認する
会議が増えすぎて本来の業務が進まない 気軽に会議を設定できるため、目的のはっきりしない会議や参加者の多すぎる会議が増える アジェンダのない会議は開かない、情報共有だけならチャットや資料で済ませるといったルールを決める

表の前半3つはツール選定と導入の段階で起きる失敗、後半3つは導入後の会議運営で起きる失敗です。後半の失敗は、オンライン会議ツールを別の製品に替えても解決しにくいのが特徴です。議事録の作成と共有、決定事項のタスク管理、アジェンダの事前共有といった会議の前後の作業は、会議をつなぐ機能とは別の領域だからです。担当者の努力に頼るだけで改善が難しい場合は、会議の記録と進行を一元管理できる仕組みを取り入れ、「会議のやり方」そのものを見直すことを検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. オンライン会議とWeb会議は違うものですか?

A. 実務上はほぼ同じ意味で使われています。どちらもインターネットを介して個人の端末から参加する会議を指します。専用の機材と回線で会議室同士をつなぐテレビ会議とは、必要な設備が異なる点で区別されます。

Q. オンライン会議ツールは無料でも使えますか?

A. 多くのツールに無料プランがありますが、会議時間、参加人数、録画機能などに制限があります。定例の社内会議や社外との商談で継続的に使う場合は、有料プランへの移行を検討するのが現実的です。

Q. 会議に参加するのに特別な機材は必要ですか?

A. カメラとマイクが使えるパソコンやスマートフォンと、インターネット接続があれば参加できます。音声を聞き取りやすくしたい場合はヘッドセット、会議室から複数人で参加する場合は全体の音を拾えるマイクとスピーカーの用意がおすすめです。

Q. オンライン会議のセキュリティ対策は何をすればよいですか?

A. 待機室やパスコードを使って参加者を限定し、会議URLの共有範囲を絞ることが基本です。あわせて、録画データの保存期間と閲覧権限、画面共有時の映り込みへの注意など、社内の運用ルールを決めておくとリスクを抑えられます。

Q. オンライン会議ツールとミーティングマネジメントツールはどう違いますか?

A. オンライン会議ツールは会議を開催して参加者をつなぐためのツールです。ミーティングマネジメントツールは、アジェンダの共有、議事録の作成、決定事項のタスク管理など、会議の準備から振り返りまでを支えるツールで、オンライン会議ツールと組み合わせて使われます。

Q. 会議を録画するときに注意することはありますか?

A. 録画には参加者の映像や発言が含まれるため、事前に録画することと利用目的を参加者に伝えておくことが大切です。保存期間、閲覧できる人の範囲、削除のルールを社内で決め、不要になったデータを放置しないようにしましょう。

まとめ

オンライン会議は、インターネットを介して離れた場所の相手と会議を行う仕組みで、テレワークの定着とともに業務の前提になりつつあります。ツールには専用型、グループウェア内蔵型、ブラウザ型といった種類があり、費用は無料プランから始めて、時間や人数、録画の要件に応じて有料プランを選ぶのが一般的です。導入を成功させるために、次の3つを押さえておきましょう。

  1. 会議の相手と規模、時間、セキュリティ要件、既存システムとの連携、記録の扱いの5つの観点で要件を整理してから、ツールを比較して試す。
  2. 会議の前・中・後で、アジェンダの共有、進行役と記録係の分担、議事録と決定事項の共有期限といった運用ルールを決める。
  3. 議事録や決定事項の管理が担当者任せで回らない場合は、会議の記録と進行を支える仕組みを取り入れ、会議の運営そのものを見直す。

参考文献

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