複業クラウドとは?サービスの仕組み・料金体系・導入時の注意点を解説

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  • 自社の課題(人材不足・専門性補完・DX推進)に合った複業クラウドの活用タイプがわかる
  • 複業クラウドの料金体系(月額制・成果報酬なし)の仕組みを理解し、導入検討の判断材料にできる
  • 導入前に確認すべき法務上の注意点や失敗パターンを押さえ、トラブルを未然に防げる

「複業クラウドを導入すれば、専門人材を採用コストを抑えて確保できる」と耳にしたものの、具体的な仕組みや料金体系、導入時の注意点が分からず一歩を踏み出せない経営者・人事担当者は少なくありません。複業クラウドは、株式会社Another worksが運営する複業・業務委託人材マッチングプラットフォームで、企業が人材データベースに直接アプローチし、仲介手数料をかけずに専門人材と直接契約できる点が特徴です。本記事では、複業クラウドの基本的な仕組みから料金体系、業界別の活用事例、導入時に押さえておきたい法務論点や失敗パターンまで、初めて検討する企業担当者向けにわかりやすく解説します。

📌 複業クラウドを導入する前に、業務基盤を見直しませんか?

複業クラウドをはじめとするITツールの活用を進めても、採用・労務・コンプライアンスなどのバックオフィス業務が属人化したままでは、組織の成長に限界があります。取引先・採用候補者の反社確認を手作業で行っている企業は、法務リスクが顕在化した際に対応が遅れます。

✅ 自己診断:あなたの職場はこの状況に当てはまりますか?

以下が1つでも当てはまる場合、採用・労務の業務基盤の見直しが急務です。

  • □ 採用管理がExcelまたは担当者の頭の中だけに存在している
  • □ 応募者への連絡が遅れ、内定辞退・選考辞退が発生している
  • □ 給与計算・社会保険手続きを担当者1名が兼務で抱えている
  • □ 取引先・採用候補者の反社確認を手動で行っている
  • □ 経営者や少数チームがバックオフィス業務を兼務し、コア業務が後回しになっている

目次

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  1. 複業クラウドとは?運営会社Another worksとサービスの仕組み
  2. 複業クラウドの活用タイプ|企業が導入する3つの目的パターン
  3. 複業クラウドの主な機能|人材データベース検索から契約までの流れ
  4. 複業クラウドの料金体系|月額制・成果報酬なしの仕組み
  5. 業界別に見る複業クラウドの活用事例|IT・製造・バックオフィス
  6. 複業クラウド導入時の法務論点|労働時間管理・秘密保持・就業規則
  7. 複業クラウド活用で起こりやすい失敗パターン3つ
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|今日からできる3つのこと
  10. 参考文献

複業クラウドとは?運営会社Another worksとサービスの仕組み

「複業クラウド」は、株式会社Another works(東京都港区虎ノ門、代表取締役:大林尚朝)が2019年9月にサービスを開始したSaaS型の複業・業務委託人材マッチングプラットフォームです。似た名称のサービスが複数存在するわけではなく、Another worksが独自に企画・開発・運営している単一のサービスを指します。企業は複業クラウド上に登録された人材データベースへ直接アプローチできる点が特徴で、2025年12月末時点で累計導入企業数は2,500社、複業登録タレント数は10万人を超えています(同社発表)。

複業クラウドの定義|運営会社Another worksとサービスの位置づけ

複業クラウドは、複業・業務委託で働きたい個人と、専門人材を求める企業や自治体を直接つなぐ「総合型複業マッチングプラットフォーム」です。運営元のAnother worksは2019年5月設立で、複業クラウドを軸に、自治体向けの「複業クラウド for Public」やスポーツチーム向け「複業クラウド for Sport」、教育機関向け「複業クラウド for Academy」など複数のブランドを展開しています。本記事で扱う「複業クラウド」は、これら関連ブランドの基盤となる企業向けの中核サービスを指します。

複業クラウドの仕組み|月額料金でのデータベース閲覧から直接契約まで

複業クラウドの基本的な仕組みは、次の3ステップで進みます。

  1. 企業が月額料金を支払い、複業クラウドに登録された人材データベースを閲覧できる状態にする
  2. 企業が条件に合う人材へ直接アプローチ・オファーを送る(アプローチできる人数に上限を設けない運用が基本)
  3. 企業と人材が直接契約を結ぶ。マッチング成立時にも成約手数料は発生せず、仲介事業者を介さないため中間マージンも発生しない

人材側(タレント)の登録・利用は無料で、求人への直接エントリーも可能です。企業・個人のどちらにとっても「間に仲介者を挟まない直接契約」であることが、複業クラウドの仕組み上の最大の特徴といえます。なお、月額料金の具体的な金額はプランや契約条件によって変動する場合があるため、最新の料金は複業クラウドの公式サイトで確認することをおすすめします。

複業クラウドと他社サービスの違い|契約形態で比較する

複業・副業人材のマッチングサービスは複業クラウド以外にも存在しますが、運営会社も契約の仕組みも異なります。代表的なサービスとの違いを、契約形態を軸に整理しました。

サービス名 運営会社 契約の仕組み 特徴の傾向
複業クラウド 株式会社Another works 企業と個人が直接契約(プラットフォームは仲介しない) 登録タレント全体に企業側から直接アプローチでき、成約手数料・中間マージンが発生しない
HiPro Direct パーソルキャリア株式会社 企業(法人会員)と個人(プロ会員)の二者間で業務委託契約 業務を細かい単位に分けて募集し、スポット相談から中長期の稼働まで幅広く対応
YOUTRUST 株式会社YOUTRUST 企業と個人がSNS上の「つながり」を通じて直接コンタクト キャリアSNSとして機能し、転職・複業を今すぐ考えていない層にも緩やかにアプローチできる
lotsful パーソルイノベーション株式会社 個人・lotsful・企業の三者間契約(エージェント型) 専任スタッフが人材の見極めや契約調整に関わり、企業・個人双方へのサポートが手厚い

各サービスの料金・提供機能は改定される場合があるため、契約前には必ず各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。複業クラウドは「唯一の総合型複業マッチングサービス」というわけではなく、契約形態(直接契約・二者間契約・三者間契約)や人材との関わり方が異なる複数のサービスが存在する点を踏まえて比較検討することが重要です。

複業クラウドの活用タイプ|企業が導入する3つの目的パターン

複業クラウド自体は前述のとおり単一のプラットフォームですが、実際に導入する企業の目的を整理すると、活用の仕方は大きく3つのパターンに分けられます。自社がどの目的で複業クラウドを使うのかを最初に定めておくと、募集要件の設定やアプローチする人材像がぶれにくくなります。

複業クラウドの活用タイプ 企業が複業クラウドを導入する目的を3タイプに分類した図 複業クラウドの活用タイプ 1 ①顧問・スポット登用 経営課題への専門アドバイス 月数回のスポット稼働が中心 2 ②実務代行・稼働支援 人手不足の実務を継続的に代行 週数時間〜の継続稼働が中心 3 ③新規事業・DXの外部ブレーン 新規事業立ち上げやDX推進を支援 企画〜実行まで一貫して参画 目的に応じて活用タイプを選ぶと、募集要件が明確になります

タイプ①専門プロ人材の顧問・スポット登用

経営戦略や特定分野の意思決定など、社内に知見が少ないテーマについて、外部の専門人材からスポットで助言を得たい企業に向くパターンです。稼働は月に数回程度のミーティングやレビューが中心で、実務そのものを丸ごと任せるのではなく「判断のための材料」を得る目的で活用されます。

タイプ②実務代行・稼働支援

マーケティング運用やバックオフィス業務など、人手が足りずに手が回っていない実務そのものを、継続的に担ってもらいたい企業に向くパターンです。週数時間〜といった稼働時間を設定し、社内の担当者と同じツールやフローで実務を進めてもらう運用が中心になります。

タイプ③新規事業・DX推進の外部ブレーン

新規事業の立ち上げやDX推進など、社内に経験者が少ないテーマを、企画段階から実行段階まで一貫して推進してもらいたい企業に向くパターンです。プロジェクト単位で契約し、社内のリーダーと外部人材が共同でチームを組成して進める形が多く見られます。

💡 成長フェーズで破綻しやすい業務パターン

複業クラウドで業務を効率化しても、以下の業務が手作業・属人化のままだと、社員数10〜30名を超えた段階で業務が急速に破綻します。

  • 給与計算・社会保険手続きを担当者1名が兼務 → 離職・病欠で即業務停止
  • 採用応募者管理をExcel/個人メールで対応 → 対応漏れ・選考遅延が急増
  • 反社チェックを取引先ごとに手動検索 → 法務リスクが顕在化した際に対応不可

複業クラウドの主な機能|人材データベース検索から契約までの流れ

複業クラウドは、企業が自社で複業(副業)人材を探し、直接コンタクトを取れるSaaS型のマッチングプラットフォームです。運営会社である株式会社Another worksの公式サイト(talent.aw-anotherworks.com)や複数の導入レビューサイトの記載を踏まえると、主な機能は大きく「人材データベースの検索・スカウト」「企業と人材の直接契約」「稼働後の管理・レポーティング」の3段階に整理できます。

1. 人材データベースの検索・スカウト機能

登録されている複業人材のプロフィール(経歴・スキル・実績・希望条件など)を条件検索し、気になる人材に直接スカウトメッセージを送れる仕組みが用意されています。人材紹介会社を介さず企業自身が人材を探しにいく点が特徴で、検索条件の細かさや検索可能な人材の属性は時期によって更新されている可能性があるため、最新の検索項目や登録人材数は公式サイトまたは問い合わせで確認することをおすすめします。

2. 企業と人材が直接つながる契約の仕組み

複業クラウドは、企業と複業人材がプラットフォーム上でマッチングした後、双方が直接契約を結ぶ形を取っているとされています。一般的な人材紹介のように仲介会社が契約に介在しないぶん、契約条件(業務内容・稼働時間・報酬など)を企業と人材が直接すり合わせる必要がある点は、導入前に社内で認識をあわせておきたいポイントです。契約書式や契約実務のサポート範囲については、サービス上で用意されているひな形やサポート体制の有無を含め、公式サイトでの確認を推奨します。

3. 稼働管理・レポーティング機能

契約後の稼働状況を管理する機能や、複業人材の稼働実績を可視化するレポーティングといった機能も用意されているとされています(要問い合わせで詳細確認推奨)。複業人材はフルタイムの従業員と異なり稼働時間や業務範囲が限定的なケースが多いため、進捗や成果を定期的に可視化できる機能があるかどうかは、実際の運用負荷を左右する重要な確認ポイントです。

導入検討時にチェックしたい観点

  • 検索・スカウトできる人材の属性(職種・スキル領域・稼働可能時間帯など)が自社のニーズと合っているか
  • 契約書のひな形や契約実務に関するサポートが、自社の契約フローに合う形で用意されているか
  • 稼働開始後のレポーティング機能が、社内の管理体制(誰が確認・承認するか)と噛み合うか
  • 複業人材とのコミュニケーション(メッセージ機能・面談設定など)がどこまでプラットフォーム内で完結するか
  • 企業側の担当者アカウント数や利用できる部署の範囲に制限があるか

これらの機能詳細や対応範囲は更新・改善が続く可能性があるため、実際の導入検討時は公式サイトの最新情報を確認するか、問い合わせフォームから直接質問するのが確実です。

🔧 ITツール導入と同時に見直すべきバックオフィス課題

🙋 バックオフィスを外部化する

経営者や少数チームがバックオフィス業務を兼務している状態では、コア業務に集中できずITツール推進も停滞します。

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👥 採用管理を整備する

採用業務をExcelで管理すると、成長フェーズで応募者対応の漏れや選考の属人化が急に限界を迎えます。

詳しく見る →

🔍 反社リスクを自動管理

取引先・採用候補者の反社確認を手作業で行う企業は、法務リスクが顕在化した際に対応が遅れます。

詳しく見る →

複業クラウドの料金体系|月額制・成果報酬なしの仕組み

複業クラウドの料金体系で特徴的なのは、成果報酬(人材が決まった際の成約手数料)を取らない「月額固定制」を採用している点です。公式サイト(talent.aw-anotherworks.com)では具体的な料金は非公開となっており、企業ごとの相談やデータベース閲覧を通じて個別に提示される仕組みになっています。ただし、複数の第三者による導入レビュー・比較サイトでは、料金モデルの骨格について概ね一致した内容が報告されています。

複数の第三者情報で一致している料金モデルの特徴

  • 料金は「人材データベースを利用するための月額利用料」が基本となっている
  • 企業側の登録料は発生しないとされている
  • 複業人材とのマッチングが成立した際の成約手数料(採用が決まるごとの追加費用)は発生しないとされている
  • システム利用料など別枠の費用も別途発生しないとされている
  • 月額利用料は契約期間中固定で、何人採用しても料金が変わらない仕組みとされている

なお、上記はあくまで第三者サイトでの紹介内容にもとづく料金モデルの傾向であり、具体的な金額(月額の目安額や中央値など)は本記事では記載しません。料金プランは企業規模や利用範囲によって個別見積りとなっている可能性があり、時期によって改定される可能性もあるため、正確な最新料金は公式サイトからの問い合わせを推奨します。

成果報酬型サービスとの違い

複業人材のマッチングや人材紹介の市場では、採用が決まった時点で成約報酬が発生する「成果報酬型」の課金モデルを採用している事業者も多いと言われています。これに対して複業クラウドは月額固定制であるため、採用人数が増えても追加コストが発生しにくいという傾向があるとされています。一方で、採用が発生しない期間も固定費として月額利用料がかかる点は、成果報酬型とは異なる考慮ポイントになります。どちらのモデルが適しているかは、複業人材の活用頻度や採用予定人数によって変わるため、自社の利用イメージに合わせて比較検討することが重要です。

料金モデル 仕組み メリット デメリット(考慮点)
月額固定制
(複業クラウドが採用しているとされるモデル)
人材データベース利用料を月額で支払い、成約手数料は発生しない 採用人数が増えても追加費用が発生しにくく、複数人材の並行採用時にコストが読みやすい 採用が発生しない月も固定費がかかる/自社での検索・スカウト稼働が必要
成果報酬型
(人材紹介市場で広く見られるモデル)
採用が決まった時点で成約報酬が発生する 採用が決まるまでは費用が発生しにくい/少人数・単発の採用に向く傾向がある 採用人数が増えるほど費用が積み上がりやすい傾向がある

上表はあくまで一般的な料金モデルの型を整理したものであり、特定他社の具体的な料金・料率を示すものではありません。複業クラウドの正確な料金プランや最新の料金体系については、公式サイトの問い合わせフォームから直接確認することをおすすめします。

業界別に見る複業クラウドの活用事例|IT・製造・バックオフィス

複業クラウドは特定の業界に限定されたサービスではなく、幅広い業種で「専門性の補完」「人手不足の解消」「DX推進の推進力確保」といった目的で活用されています。ここでは、活用の広がりが特に大きいIT・Web業界、製造業、バックオフィス・士業系中小企業の3つを取り上げ、それぞれの業界特有の課題と複業人材活用の効果を整理します。

IT・Web業界:専門エンジニア・デザイナー不足への対応

IT・Web業界では、正社員採用だけで最新技術に対応できる人材を確保することが年々難しくなっています。特に、特定の言語・フレームワークに精通したエンジニアや、UI/UXデザインの専門知識を持つ人材は採用競争が激しく、中小規模の企業では自社のみで採用しきれないケースも少なくありません。

複業クラウドのようなプラットフォームを通じて、大手企業の現役エンジニアやフリーランスの専門人材に業務委託でスポット的に参画してもらうことで、正社員採用では届きにくいスキルレベルの人材を、必要なタイミング・必要な期間だけ確保できる点が活用の効果として挙げられます。新規プロダクトの技術選定や、既存システムのコードレビューといった「短期集中で高度な知見が必要な場面」に向いています。

製造業:DX推進・生産管理の専門知見補完

製造業では、生産現場のノウハウを持つベテラン人材の高齢化・引退が進む一方で、IoTやデータ活用による生産管理のDXを推進できる人材は社内に不足している、という二重の課題を抱える企業が多く見られます。

複業人材の活用シーンとしては、他社での生産管理システム導入経験を持つ人材に業務委託で参画してもらい、自社の生産データの可視化や在庫管理の仕組み構築を進める、といった形が想定されます。フルタイムでDX人材を雇用するコストをかけずに、必要な期間だけ知見を取り込める点が、特に中小規模の製造業にとってのメリットになります。

バックオフィス・士業系中小企業:専門知識の補完と業務効率化

士業事務所や中小企業のバックオフィス部門では、労務・法務・広報・マーケティングといった専門性の高い業務を、限られた人員で兼務せざるを得ない状況が起こりやすくなります。

複業クラウドを活用することで、他社での実務経験を持つ人材に、就業規則の見直しや広報資料の作成、Webサイトの運用改善といった業務をスポットで依頼できます。常勤の専門職を新たに雇用するほどの業務量ではないものの、社内だけでは対応が難しい領域を補完したい、という中小企業のニーズに合致する活用シーンです。

複業クラウド導入時の法務論点|労働時間管理・秘密保持・就業規則

複業クラウドを導入する際は、業務委託契約であることを前提としつつ、労働関連法令・個人情報保護法・フリーランス新法など複数の観点から確認しておくべき論点があります。以下は一般的な整理であり、個別の契約内容や運用方法によって判断が異なる場合があるため、実務上の最終判断は弁護士・社会保険労務士等の専門家に確認することが推奨されます。

労働基準法:業務委託と雇用契約での労働時間の考え方の違い

副業・兼業に関する労働時間の議論では、「本業と副業の労働時間を通算して管理する必要がある」という論点がよく取り上げられます。ただし、この労働時間通算の考え方は、本業・副業の双方が雇用契約(労働者として使用される関係)である場合に生じる論点であり、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」等でもその前提で整理されています。

複業クラウドを通じたマッチングは、多くの場合、企業と複業人材との間で業務委託契約(準委任・請負等)が締結される形態です。業務委託契約に基づく複業人材は、労働基準法上の「労働者」に該当しないと整理されるのが一般的であり、この場合、発注企業側に本業先との労働時間通算義務や、労基法上の労働時間規制(時間外労働の上限規制等)が直接適用されるものではないとされます。ただし、実際の業務の指揮命令の実態によっては「労働者性」が認められ、雇用類似の関係と判断される可能性もゼロではないため、業務委託であることが名目だけにならないよう、業務の進め方(指揮命令の程度、勤務時間や場所の指定の有無等)には留意が必要です。

就業規則:自社の副業・兼業規定の整備

複業クラウドで複業人材を「受け入れる」場合には上記の業務委託契約の論点が中心になりますが、自社の従業員が複業クラウドを通じて他社の業務に「参画する」ケースも想定されます。この場合、自社の就業規則に副業・兼業に関する規定が整備されているかを確認する必要があります。

厚生労働省のモデル就業規則第68条では、原則として労働者は勤務時間外に他の会社等の業務に従事できるとしつつ、企業の利益を害する場合や、労務提供上の支障がある場合には禁止・制限できる旨が示されています。従業員の複業を認める場合は、許可制・届出制のいずれにするか、競業避止や秘密保持の扱いをどう定めるかなど、自社の就業規則を事前に見直しておくことが望ましいとされます。

個人情報保護法:マッチングプラットフォーム上のデータ取扱い

複業クラウドのようなマッチングプラットフォームでは、人材側の氏名・経歴・スキル情報や、企業側の募集内容・組織情報など、個人を識別できる情報がプラットフォーム上でやり取りされます。個人情報保護法上、これらの情報を取得・利用する際は、利用目的をあらかじめ特定・通知し、その範囲内で利用することが求められます。

また、マッチング後に業務委託契約を締結する過程で、企業側が複業人材の個人情報(連絡先・銀行口座情報等)を直接取得する場面も生じます。この場合も、取得した個人情報を契約目的以外に無断で利用しない、必要な安全管理措置を講じるといった、個人情報保護法上の基本的な対応が求められる点に留意が必要です。

フリーランス新法:業務委託契約の条件明示・報酬支払期日

2024年11月に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆるフリーランス新法)は、業務委託契約を通じてフリーランス(特定受託事業者)に業務を発注する事業者に、一定の義務を課すものです。複業クラウドを通じて複業人材(多くはフリーランスとして業務委託を受ける個人)に業務を発注する企業は、この法律の対象となる可能性があります。

  • 業務委託の内容・報酬額・支払期日等の取引条件を、書面または電磁的方法により明示すること
  • 原則として、業務が完了した日から60日以内のできるだけ早い時期に報酬支払期日を設定し、期日までに支払うこと
  • 継続的な業務委託の場合、ハラスメント防止のための相談体制の整備や、契約解除の際の事前予告等、一定の対応が求められる場合があること

複業クラウドを利用する場合、条件明示や支払期日の管理をプラットフォーム側の仕組みに委ねられる部分もありますが、最終的な契約当事者は企業と複業人材本人であるため、自社がフリーランス新法上の義務を負う発注事業者にあたるかどうかは、あらかじめ確認しておくことが望ましいとされます。

以上はいずれも一般的な整理であり、個々の契約形態や業務の実態によって適用関係が異なる場合があります。導入を検討する際は、契約書の内容や運用フローについて、弁護士や社会保険労務士など専門家に事前に確認することを推奨します。

複業クラウド活用で起こりやすい失敗パターン3つ

複業クラウドは、正社員採用に比べて柔軟に専門人材を確保できる一方、運用の仕方によっては期待した効果が得られないこともあります。ここでは、導入企業で起こりやすい失敗パターンを3つ取り上げ、それぞれの予防策を整理します。

失敗パターン1:稼働・成果管理が曖昧で成果につながらない

複業人材は本業や他の業務と並行して稼働するため、依頼企業側が求める成果物やスケジュールを明確に伝えていないと、稼働時間だけが積み上がり、期待した成果につながらないというケースが起こりがちです。特に「まずは様子を見ながら進めてほしい」といった曖昧な依頼の仕方は、複業人材側も本業との時間配分がしづらく、双方にとって非効率になりやすい傾向があります。

予防策:業務委託契約の段階で、成果物・納期・評価基準をできるだけ具体的に取り決め、定期的な進捗確認の場(週次の短時間ミーティング等)を設けることが有効です。稼働時間ベースではなく、成果物・タスク単位で進捗を管理する運用にしておくと、双方の時間配分の自由度を保ちながら成果に結びつけやすくなります。

失敗パターン2:契約条件の取り決め不備によるトラブル

業務範囲・報酬額・支払条件・秘密保持義務といった契約条件の取り決めが不十分なまま業務を開始してしまい、後になって「想定していた業務範囲を超えている」「報酬の算定根拠が不明確」といったトラブルに発展するケースがあります。特に、口頭でのやり取りだけで業務を進めてしまうと、双方の認識にずれが生じやすくなります。

予防策:業務委託契約書または業務委託条件を明示した書面を必ず作成し、業務範囲・報酬・支払期日・秘密保持義務(NDA)・契約解除の条件などを事前に明文化しておくことが基本になります。前述のとおり、フリーランス新法の対象となる取引では条件明示が義務となる場合もあるため、契約書のひな形を事前に整備しておくと運用がスムーズになります。

失敗パターン3:社内受け入れ体制の不足による定着失敗

複業人材を「外部の助っ人」として一時的に受け入れるだけで、業務に必要な情報共有の仕組みやオンボーディングの体制を整えていないと、複業人材が社内の状況を十分に理解できず、力を発揮しきれないまま契約期間が終了してしまうことがあります。特に、社内のツールやコミュニケーション文化に不慣れな状態のまま業務を依頼すると、立ち上がりに時間がかかり、短期間の契約では成果が出しにくくなります。

予防策:複業人材の受け入れ開始時に、業務に必要な情報(背景・関係者・使用ツール等)をまとめた簡易的なオンボーディング資料を用意し、社内の担当者を明確に決めておくことが有効です。社内の既存メンバーとの情報共有の場を早い段階で設けることで、限られた稼働時間の中でも早期に業務へ入ってもらいやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. 複業クラウドと他の複業・副業マッチングサービスとの違いは?

A. 複業クラウドは、企業が月額料金でデータベースを閲覧し、気になる複業人材に直接アプローチ・直接契約できる点が特徴です。多くの人材紹介サービスが成約時に高額な成果報酬を課すのに対し、運営会社の株式会社Another worksは成約手数料・登録料を無料としているため、月額費用以外の追加コストを抑えやすい仕組みになっています。

Q. 複業クラウドの運営会社はどこですか?

A. 複業クラウドは、東京都港区虎ノ門に本社を置く株式会社Another worksが運営するサービスです。同社は2019年5月に設立され、同年9月に複業クラウドをリリースしました。代表取締役は大林尚朝氏で、企業と複業人材のマッチング事業を展開しています。

Q. 複業クラウドの導入までの期間はどれくらいですか?

A. 導入までの期間は、募集要件の整理や社内調整の進め方によって企業ごとに異なります。一般的には募集内容の設計・掲載準備・候補者との面談調整といった工程を経て運用が始まる傾向にあり、余裕を持ったスケジュールで検討することが望ましいでしょう。正確な期間は運営会社への問い合わせで確認するのが確実です。

Q. 中小企業でも複業クラウドを利用できますか?

A. はい、企業規模を問わず利用が想定されているサービスです。専門人材を正社員として採用するコストや時間をかけずに、必要な業務・期間に応じて複業人材へ直接アプローチできるため、限られたリソースの中で専門性を補いたい中小企業にも活用の余地があります。導入前に自社の目的を整理しておくと効果的です。

Q. 複業クラウドの契約形態はどのようなものですか?

A. 複業クラウドを通じたマッチング後の契約は、雇用契約ではなく業務委託契約が基本となります。企業と複業人材が直接契約を結ぶ形式のため、業務範囲・報酬・契約期間などの条件は当事者間で個別に取り決める必要があります。契約前に業務委託に関する法務論点を確認しておくことが重要です。

Q. 複業クラウドの料金は公開されていますか?

A. 具体的な月額料金は公式サイト上で一律には公開されておらず、要問い合わせとなっています。成約手数料・登録料は無料とされていますが、料金プランは企業の利用規模や目的によって異なる可能性があるため、正式な見積もりは運営会社への問い合わせで確認することをおすすめします。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 複業クラウドは、東京都港区虎ノ門の株式会社Another worksが運営する月額制のサービスで、成約手数料や登録料がかからない点が特徴です。料金の詳細は公式サイトから直接問い合わせて確認しましょう。
  2. 導入を検討する際は、自社がどのような業務・課題に複業人材を活用したいのかを明確にし、活用タイプや業界特性を踏まえて目的に合った人材像を具体化することが重要です。
  3. 業務委託契約であることを踏まえた法務論点の整理や、社内の受け入れ体制の構築を事前に行うことで、失敗パターンを避けやすくなり、複業人材の定着につながります。

📖 複業クラウドを活用する企業が同時に見直していること

採用管理システム

採用業務をExcelで管理している企業では、応募者対応の漏れや選考状況の属人化が、採用拡大フェーズで急に限界を迎えます。

採用管理システムとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説 →

人事労務代行

給与計算・社会保険手続きを担当者1名に依存している企業では、その担当者の離職・病欠で業務が完全に止まります。

人事労務代行とは?外注できる業務や利用メリット、選び方も解説 →

オンラインアシスタント

経営者や少数チームがバックオフィス業務を兼務している状態では、コア業務に集中できずITツール推進も停滞します。

オンラインアシスタントとは?メリット・デメリット、選び方を解説 →

⚠️ 業務基盤を放置した場合の損失事例

  • 事例A(採用管理未整備):採用拡大期にExcel管理が崩壊。内定連絡の遅延・ダブルブッキングが続出し、採用辞退率が前年比2倍以上に上昇。
  • 事例B(労務体制一人依存):労務担当者の突然の離職により給与計算が3週間停滞。社員からの不信感が増大し、複数の退職者が連鎖した。
  • 事例C(反社チェック未実施):取引先企業の反社関係者との取引が判明し、与信停止・取引先からの契約解除に発展。

🏢 社員規模別:今すぐ見直すべき業務課題

〜30名規模

バックオフィス担当者が兼務状態で限界に近づいている。オンラインアシスタントで業務を外部化し、ITツール定着を加速させる。

詳しく見る →

30〜100名規模

採用管理システムと労務代行の導入タイミング。人事部門が立ち上がる前の過渡期に業務基盤を整備することが急務。

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100名〜規模

反社チェックの自動化・採用管理の高度化が課題。コンプライアンス整備を優先し、法務リスクを排除する。

詳しく見る →

参考文献

  • 総務省統計局「就業構造基本調査」
    https://www.stat.go.jp/
  • 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
    https://www.mhlw.go.jp/
  • 公正取引委員会・中小企業庁「フリーランスとして業務を行う個人の取引に関する実態調査報告書」
    https://www.jftc.go.jp/
  • 厚生労働省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)」関連情報
    https://www.mhlw.go.jp/

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