マニュアル・手順書とは?違いと作成方法6ステップ、自社作成と外注の費用相場を解説
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- マニュアルと手順書の違いと、作成方法の6つのステップがわかる
- ツールを使った自社作成と外注(作成代行)の費用相場と、選び方の4つのポイントがわかる
- 作って終わりにしないための失敗パターンと、教育への組み込み方・効果測定の方法がわかる
「業務のやり方が人によってバラバラ」「新人に同じ説明を何度もしている」「担当者が休むと仕事が止まる」。こうした悩みを解消する手段として、多くの職場で検討されるのがマニュアル・手順書の整備です。ところが、いざ作ろうとすると、マニュアルと手順書は何が違うのか、どこから手を付ければよいのか、自社で作るべきか外注すべきか、費用はどれくらいかかるのか、と迷うポイントが次々に出てきます。
本記事では、マニュアルと手順書の違いから、作成の6ステップ、自社作成(ツール利用)と外注(作成代行)の費用相場、ツールや依頼先の選び方、作って終わりにしないための失敗パターンと効果測定の方法までを順に解説します。業務標準化を任された総務・管理部門の担当者や、現場の教育を担う責任者に向けた内容です。完成したマニュアルを研修や教育にどう組み込むか、という運用面にも踏み込んでいます。
マニュアル作成のつまずきポイントをかんたん診断
Q1. マニュアル・手順書づくりで一番困っていることは?
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作ったマニュアル・手順書を教育に活かす動画対応eラーニングの比較
マニュアル・手順書は、作成して共有フォルダに置いただけでは現場に定着しません。新人研修や異動者の教育の中で「誰が、いつ、どの手順を学んだか」まで管理できて、はじめて業務標準化の効果が出ます。そこで近年増えているのが、手順を動画で撮影し、eラーニングシステム上で教材として配信・管理する方法です。文章では伝わりにくい手元の動きや機械操作も、動画なら一度見れば理解しやすく、受講履歴も自動で残ります。
下の表は、動画教材の作成・配信に対応したeラーニングシステムのうち、マニュアルの動画化と相性のよい3つのサービスを、各サービスの紹介ページに記載された特徴と留意点をもとに整理したものです。どれが優れているかではなく、自社の悩みに近いものを見つける目安として使ってください。
| サービス名(提供会社) | マニュアル活用での強み | 留意点 |
|---|---|---|
| soeasy buddy(株式会社soeasy) | スマホで撮影した動画をそのままマニュアル化でき、受講者とのやり取りやモチベーションの変化も管理画面で把握しやすい | 動画マニュアルのスターターキットはオプション扱い |
| GBeeM(株式会社ガルフネット) | スマホ撮影動画をそのまま教材化でき、評価・コメント機能で教材を改善していける | 1動画あたりの容量に上限がある |
| TANREN(TANREN株式会社) | 研修動画をすばやく共有でき、視聴実績の機能で受講管理がしやすい | 契約は月単位ではなく6か月または12か月単位 |
この3つ以外にも、人事評価と研修を一体で管理できるもの、教材がはじめからセットになっているもの、ストレージ容量に制限がないものなど、動画教材に対応したeラーニングシステムは複数あります。文書の手順書を研修でどう使うかまで見据えるなら、作成ツールを選ぶ前に、配信と受講管理の仕組みを比べておくと後戻りが少なくなります。
マニュアルと手順書の違い|目的と範囲で使い分ける
マニュアルは業務全体の考え方やルールをまとめた文書、手順書は特定の作業を正しく行うための具体的な手順をまとめた文書です。両者は混同されがちですが、扱う範囲と目的が違うため、作る前に区別しておくと構成に迷いません。
マニュアルには、業務の目的、全体の流れ、判断の基準、関係部署との役割分担、トラブル時の連絡先といった「業務を理解するための情報」が入ります。一方の手順書は、ある作業を始めてから終えるまでの操作や動作を、順番どおりに漏れなく書いたものです。たとえば受注業務であれば、受注から出荷、請求までの流れや判断基準を示すのがマニュアル、そのうち「受注システムに注文を登録する」作業の画面操作を一つずつ示すのが手順書、という関係になります。
| 比較項目 | マニュアル | 手順書 |
|---|---|---|
| 扱う範囲 | 業務全体(複数の作業のまとまり) | 特定の作業一つ |
| 主な目的 | 業務の全体像・ルール・判断基準を共有する | 作業を誰がやっても同じ品質・安全で行えるようにする |
| 主な内容 | 目的、流れ、役割分担、例外対応、問い合わせ先 | 準備物、作業の順番、急所(ポイント)、注意事項、完了確認 |
| 主な読み手 | 業務に新しく関わる人、管理者 | 実際にその作業を行う担当者 |
| 更新の頻度 | 業務フローや組織が変わったとき | システム・設備・道具が変わったとき |
似た言葉に「作業標準書」「作業指示書」「SOP(標準作業手順書)」もあります。作業標準書は製造業などで品質を一定に保つための基準(使う材料や設定値など)を定めた文書、作業指示書は特定の案件・日程に対して誰に何をさせるかを伝える文書、SOPは手順書をより厳密に標準化したもので、医薬品や食品などの業界で使われることが多い用語です。社内で呼び方がそろっていないと、同じ内容の文書が複数できてしまう原因になるため、まず自社での呼び分けを決めておくことをおすすめします。
手順書が特に重要になる場面
厚生労働省の作業手順書に関する資料では、作業手順書の目的として、品質・能率・安全の三つを追求した作業方法を決めること、そして新しく配属された人や配置換えになった人の教育資料として使うことが挙げられています。つまり手順書は、ミスや事故を防ぐ道具であると同時に、教育の教材でもあるということです。製造や物流、介護、飲食など、手の動きや安全確認が重要な現場ほど、手順書の出来が品質と安全に直結します。事務作業でも、経理の締め処理や情報システムの設定変更など、間違えると影響が大きい作業は手順書を用意しておく価値があります。
マニュアル・手順書の作成方法|6つのステップ
マニュアル・手順書は、いきなり書き始めるのではなく、対象業務の洗い出しと作業の分解から始めるのが近道です。厚生労働省の資料で示されている作業手順書の作成ステップ(作業構成の把握、作業の分解、原案の作成、決定、実施、改訂)を、事務・現場を問わず使える形に整理すると、次の6つになります。
ステップ1. 目的と対象読者、対象業務を決める
最初に「何のために作るのか」を一文で言えるようにします。新人の早期戦力化なのか、属人化の解消なのか、ミスや事故の削減なのかで、書く粒度や載せる情報が変わるからです。あわせて、読み手がその業務の未経験者なのか、ある程度経験のある人なのかを決めます。対象業務は、ミスが多い、問い合わせが多い、特定の人しかできない、の三つの観点で優先順位を付けると、効果が出やすい業務から着手できます。
ステップ2. 業務の全体像を洗い出す
対象業務を、始まりから終わりまで大きな流れで書き出します。このとき、普段その業務を担当している人に実際に作業してもらい、それを観察しながら書き出すのが確実です。頭の中だけで書くと、本人にとって当たり前になっている確認作業や、例外時の対応が抜け落ちます。業務フロー図や箇条書きで、誰が、何をきっかけに、何をして、次に誰へ渡すのかを整理します。
ステップ3. 作業を分解し、急所を見つける
全体の流れを、一つひとつの作業、さらに作業の中の手順へと分解します。分解した各手順について「なぜそうするのか」「ここを間違えると何が起きるか」を確認し、品質や安全、やりやすさを左右するポイント(急所)を見つけます。手順書の価値は、手順の羅列よりも、この急所と理由がきちんと書かれているかで決まります。理由が書かれていない手順は、状況が少し変わっただけで守られなくなるためです。
ステップ4. 構成と書式をそろえて原案を作る
見出しの階層、表記ルール(用語、数字、ボタン名の書き方など)、1手順1動作の原則、図や画面キャプチャの入れ方といった書式を先に決めてから書きます。書式がそろっていないと、複数人で分担したときに読みにくく、更新もしにくくなります。テンプレートを一つ作り、それを全員が使う形にするのが効果的です。文章で伝わりにくい動作は、写真や動画を使う方が早く正確に伝わります。
ステップ5. 現場で試し、意見を反映して確定する
原案ができたら、その業務に慣れていない人に原案だけを見て作業してもらいます。途中で手が止まった箇所、質問が出た箇所が、書き足すべきポイントです。実際に作業する人の意見を聞いて反映することは、手順書を守ってもらうためにも重要です。確定版は承認者を決めて承認し、版番号と改訂日を付けて公開します。
ステップ6. 教育で周知し、定期的に改訂する
公開しただけでは読まれません。新人研修や朝礼、部署ミーティングなどで手順書を使った教育を行い、読んだこと・理解したことを確認します。厚生労働省の資料でも、手順書を作成したら作業者に教育すること、教育を受けた記録を残すことの大切さが示されています。さらに、設備やシステム、法令が変わったとき、ミスやヒヤリハットが起きたときには必ず改訂し、見直しの時期をあらかじめ決めておきます。この「教育」と「改訂」の仕組みまで含めて、はじめてマニュアル作成が完了したといえます。
自社作成と外注の2パターン|費用相場の考え方
マニュアル・手順書の作り方は、大きく分けて「ツールを使って自社で作る」か「作成代行会社などに外注する」かの2パターンです。費用はページ数、図や写真・動画の量、紙か電子か、更新の頻度によって大きく変わるため、ここで示す金額は複数の制作会社やツール比較サイトが公開している一般的な目安であり、実際の費用は必ず見積もりや公式サイトで確認してください。
| 比較項目 | 自社作成(ツール利用) | 外注(作成代行) |
|---|---|---|
| 費用の発生の仕方 | 月額や年額の利用料が継続的にかかる。社内の作業時間(人件費)も発生 | 企画・原稿・図版などの制作費が一度にかかる。改訂のたびに追加費用 |
| 向いているケース | 対象業務が多い、頻繁に更新する、社内にノウハウを残したい | 短期間で品質の高い成果物が必要、社内に作成の人手がない、製品の取扱説明書など対外的な文書 |
| 品質 | 担当者のスキルに左右されるが、テンプレートで一定にそろえられる | 構成や表現の品質は高いが、業務理解には社内の協力が欠かせない |
| 更新のしやすさ | 社内ですぐ直せる | 依頼と納品の時間がかかる。更新だけを請け負うプランがある場合も |
ツール利用の費用相場
マニュアル作成ツールは、手順をステップ形式で作れるもの、画面操作を自動でキャプチャできるもの、動画マニュアルに強いもの、社内Wikiやナレッジ共有を兼ねるものなどに分かれます。ツール比較サイトの公開情報を見ると、初期費用は無料から数万円程度、月額料金は数千円程度から数十万円程度まで幅があり、ユーザー数課金のものと、組織単位の定額のものがあります。買い切り型のソフトもあります。
ツールの費用を考えるときは、利用料だけでなく、作成にかかる社内の作業時間も合わせて見積もることが大切です。たとえばWordやExcelで画面キャプチャを貼り付けて手順書を作る場合、ツール代はかからなくても、1本あたりの作成時間や、改訂時の差し替えの手間が大きくなりがちです。月額料金と、削減できる作成・更新時間の人件費を比べると、どのくらいの規模から有料ツールが割に合うかを判断しやすくなります。少人数で試したい場合は、無料プランや無料で使えるツールから始める方法もあります(無料で使えるマニュアル作成ツールおすすめ2選も参考になります)。
外注(作成代行)の費用相場と依頼の流れ
外注の場合、費用は工程ごとに積み上げて見積もられるのが一般的です。制作会社や外注サービスが公開している目安では、企画構成が一式で15万円から30万円程度、原稿作成が1ページあたり6,000円から15,000円程度、図やイラストが1点あたり2,000円から10,000円程度、写真撮影が半日で3万円から6万円程度とされています。電子化はPDF化であれば1ページあたり数百円程度、HTML化は1ページあたり5,000円程度という目安が示されています。依頼先が専門の代行会社か、フリーランスか、クラウドソーシングかによっても単価は大きく変わります。
依頼の流れは、目的・対象読者・ページ数・納期・予算を整理して問い合わせ、ヒアリングと見積もり、構成案の確認、取材や撮影、原稿とデザインの作成、社内確認と修正、納品、という順番が一般的です。費用を抑えるには、業務の流れや既存資料など、社内で用意できる素材を事前にそろえておくこと、全部を任せずに企画構成やデザインなど一部の工程だけを依頼することが有効です。外注先ごとの費用感をさらに詳しく知りたい場合は、マニュアル作成にかかる費用相場は?外注・作成ツールに分けて解説もあわせてご覧ください。
なお、外注で作った手順書でも、その後の更新を社内で行う場合は、納品形式(編集できるファイルで受け取れるか)と、著作権や二次利用の範囲を契約で確認しておくことが大切です。編集できない形式で納品されると、小さな修正のたびに再依頼が必要になり、結果的に費用がかさみます。
マニュアル作成ツール・依頼先の選び方|4つのポイント
ツールを選ぶ場合も外注先を選ぶ場合も、確認しておきたいポイントは共通しています。次の4つを軸に比べると、導入後のミスマッチを減らせます。
1. 作りやすさとテンプレートの有無
現場の担当者が無理なく作れるかが最重要です。ステップ形式の入力画面、画面キャプチャの自動取得、スマホでの写真・動画撮影からの作成、テンプレートの有無などを確認します。無料トライアルがあれば、実際に1本の手順書を作ってみて、作成にかかった時間を測ると比較しやすくなります。外注の場合は、自社と同じ業種・同じ種類の文書の制作実績があるかを確認します。
2. 共同編集・更新・承認のしやすさ
マニュアルは作った後の更新が本番です。複数人で同時に編集できるか、変更履歴やバージョン管理があるか、公開前の承認フローを設定できるか、改訂時に関係者へ通知できるかを確認します。更新のしやすさは、マニュアルが形骸化するかどうかを大きく左右します。
3. セキュリティと閲覧権限
手順書には、システムの操作画面や取引先の情報、社内の判断基準など、外部に出したくない情報が含まれることが多くあります。部署や役職ごとに閲覧・編集の権限を分けられるか、アクセスログが残るか、データの保管場所や通信の暗号化などのセキュリティ対策がどうなっているかを確認します。外注の場合は、秘密保持契約の締結と、預けた資料の管理方法を確認します。
4. 検索性と教育への組み込みやすさ
現場で必要なときにすぐ見つけられるか(キーワード検索、スマホでの閲覧、QRコードでの呼び出しなど)に加えて、研修や教育にそのまま使えるかも重要です。マニュアル作成ツールの多くは「作る・共有する」機能が中心で、誰がどこまで学んだかを管理する機能は限られます。新人研修や定期教育の教材としても使いたい場合は、手順を動画教材として配信し、受講状況やテスト結果まで管理できるeラーニングシステムと組み合わせると、作ったマニュアルを確実に教育へつなげられます。
特に、人の入れ替わりが多い現場や、複数の拠点で同じ作業をそろえたい組織では、文書の手順書をそのまま配るよりも、作業を撮影した動画を教材にして、拠点ごとの受講状況を本部で確認できる形の方が定着しやすくなります。どのような仕組みがあるかは、動画教材に対応したeラーニングシステムの比較で確認できます。
マニュアル・手順書づくりでよくある失敗パターン
マニュアルづくりの失敗は、作成段階よりも、公開した後の運用段階で起きることがほとんどです。よくあるパターンと対策を整理します。
| 失敗パターン | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 作って終わりになる | 共有フォルダに置かれたまま誰にも読まれず、結局は口頭で教えている | 研修や業務の中で使う場面を決め、読んだかどうかを記録する |
| 更新されず古くなる | システムや設備の変更が反映されず、現場が手順書を信用しなくなる | 更新の責任者と見直し時期を決め、変更があれば必ず改訂する |
| 一人で完璧に作ろうとする | 完成まで時間がかかり、その間に業務が変わってしまう | 優先度の高い業務から小さく作って公開し、使いながら直す |
| 手順だけで理由がない | 想定外の状況で判断できず、手順の省略やミスが起きる | 急所と「なぜそうするか」を手順とセットで書く |
| 詳しすぎる・長すぎる | 必要な箇所が見つからず、読まれなくなる | マニュアルと手順書を分け、1手順書1作業を目安にする |
| 書式がバラバラ | 作成者ごとに書き方が違い、読みにくく更新しにくい | テンプレートと表記ルールを最初に決める |
このうち最も多いのが、作って終わりになるパターンです。マニュアル作成の担当者は「完成させること」をゴールにしがちですが、本当のゴールは、そのマニュアルを使って誰もが同じ品質で作業できる状態をつくることです。公開と同時に、誰が、いつまでに、どの手順を学ぶのかという教育の計画もセットで決めておくと、形骸化を防げます。
マニュアル活用の効果を測定する方法
マニュアル・手順書を整備した効果は、導入前後で同じ指標を比べることで確認できます。効果が見えると、改訂や対象業務の拡大に必要な予算や人手も社内で確保しやすくなります。代表的な指標は次のとおりです。
| 指標 | 測り方の例 | 見えること |
|---|---|---|
| 教育にかかる時間 | 新人が一人で作業できるまでの日数、指導者がつきっきりで教えた時間 | 早期戦力化の効果、指導者の負担軽減 |
| ミス・事故の件数 | 対象作業のミス、手戻り、ヒヤリハットの件数 | 品質・安全面の改善 |
| 問い合わせ件数 | 同じ内容についての質問が担当者に寄せられた回数 | 属人化の解消度合い |
| 閲覧・受講の状況 | 閲覧数、受講率、確認テストの正答率 | マニュアルが実際に使われているか、理解されているか |
| 作業時間 | 対象作業1件あたりの所要時間 | 手順の標準化による効率化 |
測定のポイントは、マニュアル公開前に現状の数値を記録しておくことです。導入前の数値がないと、後から効果を説明できません。また、ミス件数が減らない場合は、マニュアルの内容が悪いのか、そもそも読まれていないのかを切り分ける必要があります。この切り分けに役立つのが閲覧・受講状況のデータで、受講率が低いなら教育の仕組み、受講しているのにミスが減らないなら手順書の内容、というように改善すべき場所が見えてきます。
紙やファイル共有では「誰が読んだか」を把握するのが難しいため、受講履歴や確認テストの結果を自動で記録できる仕組みがあると、効果測定と改善のサイクルを回しやすくなります。手順書を動画教材として配信すれば、視聴の有無だけでなく、どの手順でつまずいているかの手がかりも得られます。
よくある質問(FAQ)
Q. マニュアルと手順書の違いは何ですか?
A. マニュアルは業務全体の目的や流れ、ルール、判断基準をまとめた文書で、手順書は特定の作業を正しく行うための具体的な手順をまとめた文書です。マニュアルの中に、個別の作業ごとの手順書が含まれる関係と考えると整理しやすくなります。
Q. マニュアル・手順書は何から作り始めればよいですか?
A. まず目的と対象読者を決め、ミスが多い、問い合わせが多い、特定の人しかできない業務から優先して着手するのがおすすめです。担当者の実際の作業を観察して全体の流れを書き出し、作業を分解して急所を見つける順番で進めると、抜け漏れの少ない手順書になります。
Q. マニュアル作成を外注するといくらかかりますか?
A. 制作会社などが公開している目安では、企画構成が一式で15万円から30万円程度、原稿作成が1ページあたり6,000円から15,000円程度とされています。ページ数や図・写真の量、電子化の有無で総額は大きく変わるため、複数社から見積もりを取って比較してください。
Q. 自社作成と外注はどちらがよいですか?
A. 対象業務が多く頻繁に更新するなら、ツールを使った自社作成が向いています。短期間で品質の高い文書が必要な場合や、社内に作成の人手がない場合は外注が有効です。企画構成だけを外注し、更新は社内で行うといった組み合わせも選択肢になります。
Q. 作ったマニュアルが読まれないのはなぜですか?
A. 置き場所が分からない、長すぎて必要な箇所が見つからない、内容が古い、読むきっかけがない、といった運用面の原因がほとんどです。研修や業務の中で使う場面を決め、誰がどこまで読んだかを記録する仕組みを作ると定着しやすくなります。
Q. 手順書を動画にするメリットは何ですか?
A. 手元の動きや機械の操作など、文章では伝わりにくい内容を短時間で正確に伝えられる点です。スマホで撮影した動画をeラーニングシステムで配信すれば、作成の手間を抑えながら、受講状況の管理まで一元化できます。
まとめ
マニュアルは業務全体の考え方やルールを、手順書は特定の作業のやり方を伝える文書です。作成は、目的と対象の決定、全体像の洗い出し、作業の分解と急所の発見、書式をそろえた原案作成、現場での試行と確定、教育と改訂の6ステップで進めます。作り方には自社作成と外注の2パターンがあり、費用はページ数や更新頻度で大きく変わるため、作成後の更新の手間まで含めて判断することが大切です。
そして何より、マニュアル・手順書は作って終わりではなく、教育で使われ、定期的に改訂されて、はじめて業務標準化の効果を生みます。公開と同時に教育の計画と効果測定の指標を決め、必要に応じて動画教材やeラーニングシステムも活用しながら、現場で使われ続けるマニュアルを育てていきましょう。
参考文献
- 厚生労働省「作業手順書作成要領及び事例」 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0503-1_012.pdf
- 厚生労働省「製造事業者向け 安全衛生管理のポイント パートや期間従業員などの安全衛生のために」 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/110329-1.html