退勤とは?出勤・退社との違いから管理方法・DX化まで解説

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  • 退勤の基礎と出勤・退社との違い、DX領域での位置づけがわかる
  • 中小企業が知っておくべき退勤管理の選定基準・費用目安・失敗パターンがわかる
  • 厚生労働省ガイドラインや労働安全衛生法など、退勤管理に関わる法務対応の要点がわかる

「退勤」は、勤務時間が終わって職場を退出する行為、またはその時刻を指す言葉で、労務・総務担当者にとっては日々の勤怠管理・打刻ルールを整備する上で欠かせない基本用語です。近年は働き方の多様化やテレワークの普及にともない、退勤時刻の管理方法を紙のタイムカードやExcelでの手入力から、客観的な記録が残るクラウド勤怠管理システムへ切り替える動きが進んでいます。本記事では、退勤の基本的な意味や「退社」「出勤」との違い、退勤管理の主な方法とその比較、DX化が求められる背景、費用相場、業界別の課題、関連する法務論点、よくある失敗パターンまでを、中小企業の労務・総務担当者向けに解説します。

📌 退勤管理のDX化を進める前に、業務基盤を見直しませんか?

退勤管理のDX化をはじめとするITツールの活用を進めても、採用・労務・コンプライアンスなどのバックオフィス業務が属人化したままでは、組織の成長に限界があります。取引先・採用候補者の反社確認を手作業で行っている企業は、法務リスクが顕在化した際に対応が遅れます。

✅ 自己診断:あなたの職場はこの状況に当てはまりますか?

以下が1つでも当てはまる場合、採用・労務の業務基盤の見直しが急務です。

  • □ 採用管理がExcelまたは担当者の頭の中だけに存在している
  • □ 応募者への連絡が遅れ、内定辞退・選考辞退が発生している
  • □ 給与計算・社会保険手続きを担当者1名が兼務で抱えている
  • □ 取引先・採用候補者の反社確認を手動で行っている
  • □ 経営者や少数チームがバックオフィス業務を兼務し、コア業務が後回しになっている

目次

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  1. 退勤とは?出勤・退社・退勤時刻との違い
  2. 退勤管理の方法4タイプ比較(タイムカード/ICカード/Excel/クラウド勤怠システム)
  3. なぜ今、退勤管理のDX化が求められているのか
  4. 退勤管理システムの費用相場|初期費用・月額の目安
  5. 業界別に見る退勤管理の課題(製造業/小売・サービス業/IT業)
  6. 退勤時刻管理に関わる法務論点(労働基準法・労働安全衛生法)
  7. 退勤管理でよくある失敗パターン3つ
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|今日からできる3つのこと
  10. 参考文献

退勤とは?出勤・退社・退勤時刻との違い

「退勤」とは、勤務時間が終わり従業員が職場を退出する行為、またはその時刻を指す言葉です。就業規則や勤怠管理の場面では「退勤時刻」「退勤処理」といった形で使われ、出勤時刻とセットで管理される労働時間管理の基本用語のひとつです。

一方で「退社」は本来「その日の勤務を終えて会社を出ること」という意味を持ちますが、実務上は「会社を辞めること(離職)」の意味で使われる場面も多く、両者が混同されやすい点には注意が必要です。また「出勤」は勤務を開始するために職場に来ることを指し、「終業」は就業規則上の勤務終了時刻そのものを指す用語であり、いずれも「退勤」とは指し示す範囲が異なります。労務・総務担当者が「退勤」というキーワードで情報を探す場合、多くは日々の退勤時刻をどう記録・管理し、打刻ルールをどう整備すればよいかという実務的な関心から検索していると考えられます。

用語 意味 主に使われる場面
退勤 勤務終了時に職場を退出する行為・その時刻 勤怠管理・打刻・退勤時刻の記録
退社 その日の勤務を終えて会社を出ること/会社を辞めること(離職)の2つの意味を持つ 日常会話・離職手続きの文脈
出勤 勤務を開始するために職場に来ること 勤怠管理・出勤時刻の記録
終業 就業規則上定められた勤務終了時刻 就業規則・労働時間の定義

退勤管理の方法4タイプ比較(タイムカード/ICカード/Excel/クラウド勤怠システム)

退勤時刻の記録・管理方法には、大きく分けて①紙のタイムカード、②ICカード・IC入退室連動、③Excel等の手入力(自己申告)、④クラウド勤怠管理システムの4タイプがあります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、企業規模や業務形態に応じた選択が必要です。

方法 メリット デメリット
①紙のタイムカード 導入コストが低く操作が簡単 集計が手作業になりやすく、打刻漏れ・不正打刻のリスクがある
②ICカード・IC入退室連動 入退室と連動した客観的な記録が残りやすい 導入・運用コストがかかり、テレワークには対応しにくい
③Excel等の手入力(自己申告) 追加費用をかけずに始められる 自己申告のため実態とのズレが生じやすく、原則では例外的な措置に位置づけられる
④クラウド勤怠管理システム 客観的な記録を自動で蓄積でき、複数拠点・テレワークにも対応しやすい システム利用料が発生し、導入時に運用ルールの整備が必要

退勤時刻の管理方法を検討するうえで踏まえておきたいのが、厚生労働省が2017年1月20日に策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」です。同ガイドラインでは、使用者が労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録する原則的な方法として、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録によることを求めています。Excel等への手入力や本人の自己申告による記録は、あくまで例外的に認められる方法とされており、実態との突合など追加の措置が求められる点に留意が必要です(出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。

この観点から見ると、ICカードやクラウド勤怠管理システムは打刻データが自動的に客観的な記録として残るため、ガイドラインが原則とする管理方法との相性が良いといえます。特にクラウド勤怠管理システムは、複数拠点・テレワークなど働き方が多様化した環境でも退勤時刻を一元的に記録・集計しやすく、業務効率化(DX)の観点からも導入が検討されやすい方法のひとつとして挙げられます。ただし、どの方法を選ぶ場合も、自社の就業規則や運用体制に合っているかを事前に確認することが大切です。

💡 成長フェーズで破綻しやすい業務パターン

退勤管理のDX化を進めても、以下の業務が手作業・属人化のままだと、社員数10〜30名を超えた段階で業務が急速に破綻します。

  • 給与計算・社会保険手続きを担当者1名が兼務 → 離職・病欠で即業務停止
  • 採用応募者管理をExcel/個人メールで対応 → 対応漏れ・選考遅延が急増
  • 反社チェックを取引先ごとに手動検索 → 法務リスクが顕在化した際に対応不可

なぜ今、退勤管理のDX化が求められているのか

退勤管理のDX化が急がれる背景には、複数の公的データが示す構造的な課題がある。経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」では、既存システムの老朽化やDX未対応が続いた場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性が指摘されており(いわゆる”2025年の崖”)、紙やExcelによる旧来の退勤管理体制もこの老朽化した業務プロセスの一つとして見直しが迫られている。

東京商工リサーチの調査では、DXに取り組む企業の割合は大企業66.0%に対し中小企業40.6%と25.4ポイントの差があり、独立行政法人中小企業基盤整備機構が2024年に実施した「中小企業のDX推進に関する調査」でも、DX推進の課題として「IT人材不足」(25.4%)「DX推進人材不足」(24.8%)が上位を占める。退勤管理を含む勤怠システムの導入・運用を担う人材不足が、DX化そのものの遅れを招いている実態がうかがえる。

さらに、2019年の働き方改革関連法により法制化された労働安全衛生法第66条の8の3および同法施行規則第52条の7の3では、事業者に客観的な方法による「労働時間の状況」の把握が義務付けられている。退勤時刻を客観的な記録として残すことは、この義務への対応に直結する。

  • 法令遵守:労働時間の状況を客観的に把握する義務への対応
  • 経営リスクの回避:”2025年の崖”に象徴されるシステム老朽化への対策
  • 人材不足対策:限られた人員でも運用できる仕組みへの転換

🔧 退勤管理のDX化と同時に見直すべきバックオフィス課題

🙋 バックオフィスを外部化する

経営者や少数チームがバックオフィス業務を兼務している状態では、コア業務に集中できずITツール推進も停滞します。

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👥 採用管理を整備する

採用業務をExcelで管理すると、成長フェーズで応募者対応の漏れや選考の属人化が急に限界を迎えます。

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🔍 反社リスクを自動管理

取引先・採用候補者の反社確認を手作業で行う企業は、法務リスクが顕在化した際に対応が遅れます。

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退勤管理システムの費用相場|初期費用・月額の目安

退勤管理システムの費用は提供会社やプラン、利用人数によって幅があるが、複数のアンケート調査・比較サイトの実勢価格帯を目安として把握しておくと選定の参考になる。クラウド型勤怠管理システムの初期費用は5万〜30万円程度が目安とされ、アンケート調査では「10万〜30万円未満」の回答が20.1%で最も多く、次いで「5万〜10万円未満」が18.6%となっている。月額費用は1ユーザーあたり100円〜500円程度が一般的で、なかでも300〜500円の価格帯が最も多い。企業全体での月額総支払額としては1万〜5万円程度に収まるケースが多いとされている。

項目 目安となる価格帯 補足
初期費用 5万〜30万円程度 「10万〜30万円未満」が20.1%で最多、「5万〜10万円未満」が18.6%で次点
月額費用(1ユーザーあたり) 100円〜500円程度 300〜500円が最も多い価格帯
月額総支払額(企業全体) 1万〜5万円程度 利用人数や機能要件により変動

上記はいずれも複数のアンケート調査・比較サイトにおける実勢価格帯であり、公的機関による中央値統計ではない点に留意したい。金額は目安であり、企業規模・必要な機能要件・利用人数、契約時点の料金プランによって変動する。導入を検討する際は、複数のサービスから見積りを取得し、税込・税抜の条件も含めて最新の料金を個別に確認することが望ましい。

業界別に見る退勤管理の課題(製造業/小売・サービス業/IT業)

二交代制・三交代制などのシフト勤務体制を採用する製造業では、退勤時刻が従業員ごとに大きく分散しやすく、シフトごとの勤務実績と申請内容の突合作業が煩雑になりがちです。また、工場内の生産ラインに設置された打刻端末と、事務所側で使用する勤怠システムが別々に運用されているケースも少なくなく、データ連携の手間や入力ミスのリスクが課題として挙げられます。

パート・アルバイトスタッフの比率が高い小売業・サービス業では、シフト表に定められた勤務時間と実際の退勤時刻がずれるケースが多く見られます。閉店作業の延長対応や急な欠員対応によるシフト外勤務、休憩時間の記録漏れなどが常態化しやすく、さらに複数店舗を本部で一括管理する必要があるため、店舗ごとに異なる運用ルールを統一する手間も負担になります。

裁量労働制やフレックスタイム制を適用する企業が多いIT・情報サービス業では、従業員が退勤時刻を自身の判断で決められる分、勤務時間の透明性確保が難しくなりがちです。パソコンのログイン・ログオフ記録などの客観的なデータと、本人が申請する退勤時刻との紐付け・整合性確保が課題となりやすく、テレワーク環境ではその難易度がさらに高まる傾向があります。

退勤時刻管理に関わる法務論点(労働基準法・労働安全衛生法)

労働安全衛生法66条の8の3及び同法施行規則52条の7の3では、2019年の働き方改革関連法施行に伴い、事業者はタイムカードやパソコンの使用時間の記録など客観的な方法により、労働者の「労働時間の状況」を把握することが義務付けられています。また厚生労働省が2017年1月20日に策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、始業・終業時刻の確認及び記録は客観的な記録によることが原則とされ、自己申告制はあくまで例外的な措置であり、実態調査など追加の対応が必要とされています。

さらに労働基準法109条により、勤怠記録を含む重要書類には保存義務があり、保存期間は原則5年(当分の間の経過措置として3年)とされています。退勤時刻の記録が不正確であったり改ざんされていたりすると、未払い残業(サービス残業)の温床となり、労働基準監督署の調査・指摘を受けるリスクにもつながるため、客観的かつ正確な記録の確保が重要です。

退勤管理でよくある失敗パターン3つ

  1. 自己申告制からの移行が不十分なまま運用を続け、客観的記録の要件を満たせず労働基準監督署の指摘を受けてしまうパターン。移行時は打刻機器やログ記録との併用で客観性を担保する必要があります。
  2. 既存の給与計算システムとの連携を事前に確認せずに退勤管理システムを選定し、データの二重入力や突合作業の手間が解消されないまま残ってしまうパターン。導入前に連携方式の確認が欠かせません。
  3. 現場の実態に合わない機能過剰なシステムを導入した結果、従業員が使いこなせず紙やExcel運用に戻ってしまう定着失敗のパターン。現場の運用フローに合わせたシンプルな設計を選ぶことが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 退勤と退社の違いは何ですか?

A. 退勤は「その日の勤務を終えて職場を出ること」を指し、勤怠管理上は終業時刻の記録という文脈で使われます。一方、退社には「会社を退職する」という意味もあり、日常的な使われ方によって指す内容が変わります。勤怠管理の場面では、退勤時刻は労働時間を算定する起点データとなるため、意味を混同せず正確に記録することが重要です。

Q. 退勤時刻はExcelでの手入力管理でも問題ないですか?

A. 厚生労働省のガイドラインでは、原則として使用者が自ら現地確認するか、タイムカードやICカード、パソコンの使用時間記録など客観的な記録により始業・終業時刻を確認・記録することが求められています。自己申告制による記録は、やむを得ない場合の例外的な措置として位置づけられており、Excelへの手入力のみで運用している場合は客観性を補う仕組みの検討が望まれます。

Q. 退勤管理システムを導入する費用はどのくらいかかりますか?

A. 提供会社やプランによって異なりますが、一般的には初期費用が5万〜30万円程度、月額利用料は1ユーザーあたり100〜500円程度が目安とされています。これはあくまで市場に出回っている実勢価格帯の目安であり、税込・税抜の表記や契約形態によっても変動するため、複数社から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

Q. 退勤時刻の記録はどのくらいの期間保存する必要がありますか?

A. 労働基準法第109条では、労働者名簿や賃金台帳などの重要書類の保存期間が定められており、退勤時刻等の記録もこれに準じて扱われます。原則の保存期間は5年間ですが、当面は経過措置として3年間の保存でよいとされています。将来的に原則期間に統一される可能性もあるため、余裕を持った長期保存の運用を検討しておくと安心です。

Q. 業種によって退勤管理の注意点は変わりますか?

A. はい、業種特有の勤務形態によって注意点は異なります。製造業では交代制やシフトの分散により拠点・部署ごとの管理が煩雑になりやすく、小売・サービス業ではパート・アルバイト比率の高さから多様な勤務パターンへの対応が必要です。IT業などで裁量労働制を採用している場合も労働時間の把握義務自体は免除されないため、勤務実態に応じた管理方法を選ぶことが大切です。

Q. 退勤管理システムの導入で失敗しないためのポイントは?

A. よくある失敗パターンとして、自己申告制のまま形だけシステムを導入してしまうケース、既存の給与システムと連携できず二重入力が発生するケース、機能が過剰で現場に定着しないケースが挙げられます。導入前に運用ルールを見直し、既存システムとの連携可否や現場が使いこなせる機能範囲を確認しておくことが失敗を避けるポイントです。

まとめ|今日からできる3つのこと

退勤管理は単なる記録作業ではなく、労務コンプライアンスと働き方の実態把握を支える重要な業務です。まずは以下の3点から見直しを始めてみましょう。

  1. 自社の退勤記録の取り方を見直し、客観的な記録方法(タイムカード・ICカード・クラウド勤怠システムなど)を採用しているか確認する。
  2. 退勤時刻等の記録の保存期間(原則5年・経過措置3年)を社内ルールとして明文化し、担当者間で共有しておく。
  3. 退勤管理システムを検討する際は、自社の業種特性(シフト分散・パート比率・裁量労働制など)に合った機能と価格帯かを複数社で比較する。

📖 退勤管理のDX化を進める企業が同時に見直していること

採用管理システム

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⚠️ 業務基盤を放置した場合の損失事例

  • 事例A(採用管理未整備):採用拡大期にExcel管理が崩壊。内定連絡の遅延・ダブルブッキングが続出し、採用辞退率が前年比2倍以上に上昇。
  • 事例B(労務体制一人依存):労務担当者の突然の離職により給与計算が3週間停滞。社員からの不信感が増大し、複数の退職者が連鎖した。
  • 事例C(反社チェック未実施):取引先企業の反社関係者との取引が判明し、与信停止・取引先からの契約解除に発展。

🏢 社員規模別:今すぐ見直すべき業務課題

〜30名規模

バックオフィス担当者が兼務状態で限界に近づいている。オンラインアシスタントで業務を外部化し、ITツール定着を加速させる。

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30〜100名規模

採用管理システムと労務代行の導入タイミング。人事部門が立ち上がる前の過渡期に業務基盤を整備することが急務。

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100名〜規模

反社チェックの自動化・採用管理の高度化が課題。コンプライアンス整備を優先し、法務リスクを排除する。

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参考文献

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