ポップアップブロック解除方法|4大ブラウザの手順とDX活用

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  • Chrome・Edge・Safari・Firefox4ブラウザの解除手順が画面操作の流れでわかる
  • 士業・EC・医療・建設など業界別のポップアップ許可設定の注意点を紹介
  • よくある失敗パターン3つと、解除時に注意すべき法務・セキュリティ論点を解説

「ポップアップブロックを解除したいが、どこを操作すればいいか分からない」「業務システムの画面が開かず作業が止まっている」という相談は、中小企業のバックオフィス担当者から特に多く寄せられる。ポップアップブロックはブラウザに標準搭載されたセキュリティ機能で、不審な広告や不正な別ウィンドウの表示を自動的に止める一方、勤怠管理・経理・Web会議など日常業務で使うシステムの正規の画面まで意図せず止めてしまうことがある。本記事では、今すぐ目の前の画面を解除したい担当者向けに、Chrome・Edge・Safari・Firefoxそれぞれでの解除手順そのものに絞り、業界別の実務ポイント、法務・セキュリティ上の注意点、よくある失敗パターン、そして自社サイトでポップアップ型の表示を活用する立場の担当者が知っておきたい注意点まで整理して解説する。なお、ポップアップブロックの仕組みや、複数端末・複数従業員を抱える企業がどの管理方式(ブラウザ標準機能/拡張機能/グループポリシー・MDM)を軸にすべきかを先に把握したい場合は、姉妹記事「ポップアップブロックとは?解除・設定方法とビジネス活用の注意点」を参照されたい。

目次

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  1. ポップアップブロックとは?ブラウザが自動で止める仕組みと理由
  2. 主要4ブラウザの解除方法の違いを比較表で確認
  3. 【Chrome/Edge/Safari/Firefox】ポップアップブロック解除の手順
  4. 業務システムの「ポップアップブロック」とサイト側の「ポップアップ型」表示は仕組みが違う
  5. ポップアップブロックが招く業務ロスと再発防止の体制づくり
  6. 業界別に見るポップアップ許可設定の実務ポイント
  7. 解除時に注意すべき法務・セキュリティ論点
  8. ポップアップブロック解除でよくある失敗パターン3選
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|今日からできる3つのこと
  11. 参考文献

ポップアップブロックとは?ブラウザが自動で止める仕組みと理由

ポップアップブロックとは、ユーザーの直接的な操作を伴わずに新しいウィンドウやタブを開こうとする挙動をブラウザが自動的に検知し、表示を止める標準機能のことである。Chrome・Edge・Safari・Firefoxなど主要ブラウザに搭載されており、もともとは意図しない広告ポップアップや、フィッシングサイトへ誘導する不審な別ウィンドウを防ぐ目的で普及した。

ブラウザはクリック起点かどうかで判定している

ブラウザは「ユーザーのクリックやタップの直後に開くウィンドウ」か「時間差・非同期処理を経て開くウィンドウ」かを内部の基準で判定し、後者を不審な動作としてブロック対象に含めやすい。業務システムが正規の目的で別ウィンドウを開こうとしても、通信処理を挟んで画面表示までに時間がかかると、ブラウザ側からは広告ポップアップと区別がつかず、まとめてブロックされてしまうことがある。

業務システムで誤ブロックされやすい典型例

中小企業の日常業務で使うシステムには、別ウィンドウ表示を前提とした画面が多く含まれる。代表的な例は次の通りである。

  • 勤怠管理システムの打刻・申請ウィンドウ:出退勤の打刻画面や休暇申請フォームが別窓で開く設計の場合、ボタン押下から画面表示までに通信処理を挟むとブロックされやすい
  • 経理システムの証憑アップロード・承認画面:請求書や経費精算の証憑を確認するプレビュー画面、上長の承認操作画面などが別窓表示される場合がある
  • Web会議ツールの起動リンク:メールやチャット内のリンクから会議アプリの起動画面が別ウィンドウで立ち上がる際に止まることがある
  • 印刷ダイアログ・PDF出力の別窓表示:請求書や納品書を印刷用画面として別ウィンドウで開く仕様のシステムで、印刷準備画面自体が表示されない
  • 決済代行・オンライン決済連携画面:契約や申込みの途中で決済代行会社の入力画面へリダイレクトする際、遷移用の別ウィンドウがブロックされる

ポップアップブロックが作動しても、多くの場合エラーメッセージは表示されず、画面が反応しない・真っ白のまま止まる、といった見え方になる。このため利用者側は不具合の原因に気づきにくく、「システム側の不具合」と誤認しやすい。対象サイトを個別に許可すれば、セキュリティを保ったまま解消できる。

主要4ブラウザの解除方法の違いを比較表で確認

ポップアップブロックの解除方法は、ブラウザによって設定項目の名称やアクセス経路が異なる。Chrome・Edge・Safari・Firefoxの4ブラウザについて、設定へのアクセス経路と、個別サイト許可・全体オフの可否を比較表で整理する。

ブラウザ 設定へのアクセス経路(目安) 個別サイト許可 全体オフ
Google Chrome アドレスバー左側のサイト情報アイコン、または設定内の「プライバシーとセキュリティ」から「サイトの設定」へと進んでアクセスするのが一般的 可能 可能
Microsoft Edge アドレスバーのサイト情報アイコン、または設定内の「Cookieとサイトのアクセス許可」からアクセスするのが一般的 可能 可能
Safari メニューの「設定」(環境設定)を開き「Webサイト」タブからサイトごとに個別設定するのが基本 可能 サイト単位の既定値変更が中心
Mozilla Firefox 設定内の「プライバシーとセキュリティ」の「許可設定」内にある「ブロック」の例外リストからアクセスするのが一般的 可能 可能

※ 設定項目の名称やメニューの配置はブラウザのバージョンによって変わる場合がある。表記が見つからない場合は設定内の検索欄に「ポップアップ」と入力すると該当項目を見つけやすい。

個別サイト許可と全体オフ、どちらを選ぶべきか

比較表の通り、ほとんどのブラウザではポップアップブロックを丸ごと無効化する「全体オフ」と、業務システムのURLだけを許可する「個別サイト許可」の両方が選べる。ただし全体オフにすると、業務システム以外の不審なサイトが開こうとする詐欺的なポップアップや偽の警告ウィンドウまで通過してしまうため、セキュリティ上のリスクが高まる。そのため、業務で常時アクセスするシステムのURLに限って個別に許可し、それ以外のサイトについてはブロック機能を有効なままにしておく運用が推奨される。従業員数が数十名を超え、この個別許可作業をブラウザ標準機能だけで手動対応するのが難しくなってきた場合は、グループポリシーやMDMによる一括配布への切り替えを検討する段階にある。方式ごとの向き不向きとコスト感は、姉妹記事「ポップアップブロックとは?解除・設定方法とビジネス活用の注意点」で比較している。

【Chrome/Edge/Safari/Firefox】ポップアップブロック解除の手順

ポップアップブロックの解除方法はブラウザごとに異なる。ここでは主要な4種類のブラウザについて、設定メニューから行う正式な手順と、多くのユーザーが実際によく使う「アドレスバーのアイコンから即時許可する」簡易的な方法の両方を紹介する。自社で利用しているブラウザの項目を確認してほしい。

Google Chromeの場合

Chromeでポップアップがブロックされると、アドレスバーの右側に赤いバツ印の付いたアイコンが表示される。まずはこの簡易的な方法を試すと早く解決できる。

  1. アドレスバー右側に表示されたブロック通知アイコンをクリックする
  2. 表示された一覧から「常に許可する」を選択する
  3. 「完了」をクリックして設定を反映する

アイコンが見当たらない場合や、複数サイトをまとめて設定したい場合は、設定メニューから操作する。

  1. ブラウザ右上の縦三点アイコンをクリックし「設定」を開く
  2. 左メニューの「プライバシーとセキュリティ」を選択する
  3. 「サイトの設定」をクリックする
  4. 「ポップアップとリダイレクト」を選択する
  5. 「サイトの追加」からポップアップを許可したいサイトのURLを登録する

Microsoft Edgeの場合

EdgeもChromeと同様の構造を持つブラウザのため、操作の流れはほぼ共通している。

  1. アドレスバー右側にブロック通知アイコンが表示されている場合はクリックする
  2. 「常に許可する」を選択して設定を反映する
  3. ブラウザ右上の「・・・」(設定など)アイコンをクリックし「設定」を開く
  4. 左メニューの「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択する
  5. 「ポップアップとリダイレクト」をクリックする
  6. 「許可」欄の「追加」からポップアップを許可したいサイトのURLを登録する

Safariの場合(Mac)

MacのSafariは設定の呼び方や場所がWindows系ブラウザと異なる点に注意が必要である。macOSのバージョンによって「環境設定」という表記が「設定」に変わっている場合もあるが、操作の流れは同じである。

  1. Safariのアドレスバー付近に表示される通知アイコンがある場合はクリックし、その場で許可を選択する
  2. 個別に許可されなかった場合は、メニューバーの「Safari」から「環境設定」(新しいバージョンでは「設定」)を開く
  3. 「Webサイト」タブをクリックする
  4. 左の一覧から「ポップアップウィンドウ」を選択する
  5. 右側に表示された対象サイトの設定を「許可」に変更する

Firefoxの場合

  1. アドレスバー付近にブロック通知のアイコン(盾やメッセージ表示)が出ている場合はクリックし「ポップアップを許可する」を選択する
  2. ブラウザ右上のメニュー(三本線アイコン)から「設定」を開く
  3. 左メニューの「プライバシーとセキュリティ」を選択する
  4. 「許可設定」内の「ポップアップウィンドウをブロックする」項目にある「例外サイト」をクリックする
  5. 許可したいサイトのURLを入力し「許可」をクリックする
  6. 「変更を保存」をクリックして完了する

解除後の確認方法

設定変更後は、必ず動作確認を行う。対象ページを一度閉じてブラウザの再読み込み(リロード)を行い、ポップアップが表示される操作をあらためて実行する。可能であれば別タブまたはシークレット・プライベートウィンドウを開き、同じ手順を再テストして表示を確認するとよい。設定を変更してもポップアップが表示されない場合は、ブラウザの拡張機能(広告ブロッカーなど)が別途ブロックしているケースもあるため、拡張機能側の設定も併せて確認する必要がある。

業務システムの「ポップアップブロック」とサイト側の「ポップアップ型」表示は仕組みが違う

ここまでは自社の従業員が業務システムを使う際にブロックを解除する側の話だったが、自社サイトの運営側としてサイト訪問者に声かけ表示を出す立場になると、論点が逆転する。ECサイトやサービスサイトでは、訪問者に対してクーポン表示・チャット案内・退店防止メッセージなどを表示する仕組みが広く使われているが、これらの多くはブラウザのポップアップブロックの対象にはならない。

ブラウザが止めるのは「別ウィンドウ生成」、サイト内の重ね表示は対象外

本記事で解説してきたブラウザのポップアップブロックは、新しいウィンドウやタブを生成する処理のみを検知・ブロックする仕組みである。一方、サイト訪問者への声かけや案内表示に使われるいわゆる「Web接客」ツールの多くは、別ウィンドウを開かず、既存のページの上にレイヤーを重ねて表示する実装(オーバーレイ・モーダル形式)が中心となっている。この方式であれば、ブラウザ標準のポップアップブロックの判定対象に含まれないため、訪問者側の設定に関わらず表示できる可能性が高いとされている。

ただし、ツールの実装方式によっては、別ウィンドウ・別タブを生成する処理を伴う場合もある。この場合はブラウザのポップアップブロックの対象となり得るため、初回表示時に意図した通りに表示されているかを、複数のブラウザ・複数の端末で事前に確認しておくことが望ましい。せっかく訪問者への声かけ設計を練っても、肝心の表示自体がブロックされていれば効果を検証すること自体ができなくなってしまう。

サイト運営側が確認しておきたいチェックポイント

  • 導入予定のツールが、別ウィンドウ生成ではなくページ内オーバーレイ方式で表示される仕様かどうか
  • Chrome・Edge・Safari・Firefoxそれぞれの標準設定(ポップアップブロック有効)で、実際に表示崩れやブロックが起きていないか
  • 広告ブロッカー等の拡張機能を入れた環境でも、案内表示が想定通り出るかどうか
  • スマートフォンのブラウザ環境でも同様に表示確認ができているか

自社サイトでの声かけ表示を新たに導入・見直す際は、こうした表示方式の違いを理解したうえでツールを選定すると、導入後に「表示されない」という思わぬトラブルを避けやすくなる。

ポップアップブロックが招く業務ロスと再発防止の体制づくり

ポップアップブロックそのものは数分で解除できる操作だが、社内でこの対応が繰り返されると、見えにくい形で生産性を圧迫していく。ここでは、その負担を考える視点と、再発を防ぐための体制づくりを整理する。

都度対応が積み重なることで生じる負担の考え方

ポップアップブロックによる業務システムの表示不具合は、多くの場合「従業員が操作を止め、情報システム担当者やヘルプデスクに問い合わせ、担当者が個別に設定を確認・変更する」という流れで解決される。1件あたりの対応時間は短くても、これが従業員数分・発生頻度分だけ積み重なると、情報システム部門の本来業務を圧迫する要因になり得る。この負担を可視化する際は、具体的な金額を断定するのではなく「1件あたりの対応時間」「月間の問い合わせ件数」「対応する担当者の人数」といった要素を洗い出し、どの工程に負荷が集中しているかを整理する視点を持つことが有効である。

従業員が自己解決できる体制を整える

情報システム部門への問い合わせを減らすには、従業員自身がポップアップブロックの解除を自己解決できる環境を整えることが重要である。

  • 利用しているブラウザ別の解除手順を画像付きの社内マニュアルとして整備する
  • 社内FAQ・ナレッジベースに「よくあるトラブルと対処法」として登録し、誰でも検索できる状態にする
  • 新しい業務システムを導入する際は、事前に許可設定の案内を周知しておく

こうした仕組みは一度整備すれば継続的に活用できるため、中長期的な問い合わせ削減につながる。

ツール選定時に確認したいチェックポイント

勤怠管理・経理処理・契約管理といったバックオフィス業務のDXツールは、クラウド型・月額課金制のサービスが中心となっている傾向がある。料金体系は提供事業者によって異なるため、具体的な金額は必ず各サービスの公式サイトで最新情報を確認する必要がある(掲載されている料金は時点の目安であり、プラン改定等により変動する場合がある)。ポップアップブロックによるトラブルを未然に防ぐためには、ツール選定の段階で以下の点を確認しておくことをおすすめする。

  • 導入予定のツールが動作にポップアップ表示を必要とする仕様かどうか
  • ポップアップ許可設定が必要な場合、事前に社内へ周知できる手順書が用意できるか
  • 複数拠点・複数ブラウザ環境で利用する場合、設定を一括で配布・管理できる手段があるか(グループポリシーや管理コンソールの有無など)
  • ベンダー側のサポート窓口で、ブラウザ設定に関する問い合わせに対応してもらえるか

業界別に見るポップアップ許可設定の実務ポイント

ポップアップブロックの許可設定は業種によって注意すべき勘所が異なる。士業・EC・小売業・医療・介護・建設・製造業の4業種を例に、実務ポイントを整理する。

士業(会計事務所・社労士事務所):クラウド会計・電子契約サービスの利用シーン

会計事務所や社労士事務所では、クラウド会計ソフトの明細取込画面や、電子契約サービスの署名・捺印画面がポップアップ(別ウィンドウ)で開く設計になっていることが多い。ブラウザの初期設定のままだと、これらの画面が「ブロックされました」の通知だけ表示されて開かず、顧問先への提出期限直前に作業が止まってしまうケースが起きやすい。士業事務所では複数の顧問先のクラウド会計・電子契約サービスを並行して使うことが多いため、許可設定をサービス単位で管理しないと「どのサイトを許可したか分からない」状態になりやすい。許可したサイトの一覧をスプレッドシート等で記録し、担当者が変わっても引き継げる状態にしておくことが望ましいとされる。

EC・小売業:受発注システム・決済連携画面での許可設定

EC・小売業では、受発注システムの在庫確認・出荷指示画面や、決済代行サービスとの連携設定画面が別ウィンドウで立ち上がる仕組みになっていることが少なくない。特に季節性の高い商戦期(セール開始日など)にポップアップが開かず出荷処理が滞ると、業務全体への影響が大きくなりやすい。EC担当者は店舗管理画面・広告管理画面・決済管理画面など複数のドメインを日常的に扱うため、業務で使う正規ドメインの一覧を事前に整理し、それ以外のドメインからのポップアップ許可リクエストには安易に応じない運用を徹底することが重要とされる。

医療・介護:予約システム・レセプト関連システムでの利用シーン

医療機関や介護事業所では、オンライン予約システムの空き状況カレンダーや、レセプト(診療報酬請求)関連システムの入力画面・確認画面が別ウィンドウで表示される場合がある。窓口対応中にポップアップが開かず、患者・利用者を待たせてしまう場面が想定される。医療・介護分野で扱う情報には患者・利用者の個人情報が含まれるため、許可設定を行う際は利用しているシステムが正規のドメインであることを必ず確認し、不明な別ウィンドウの表示要求には安易に許可を出さない姿勢が求められる。院内・施設内で許可対象サイトを一元管理し、非常勤職員も含めて周知しておくことが望ましいとされる。

建設・製造業:勤怠管理・現場報告・生産管理システム(MES/ERP)での利用シーン

建設・製造業では、現場からの勤怠打刻・作業報告システムや、生産管理システム(MES/ERP)の詳細画面・帳票出力画面がポップアップで開く設計になっていることがある。現場担当者がタブレットやスマートフォンから利用する場合、端末ごとにブラウザの許可設定が異なり、同じ作業でも「開ける端末」と「開けない端末」が発生しやすい。複数の現場・複数の端末で同じ業務システムを使う建設・製造業では、個々の担当者任せで許可設定を行うと現場ごとに対応がばらつく。IT部門や情報システム担当が許可すべきドメインの一覧を用意し、端末セットアップ時にまとめて設定する運用にしておくと、現場での混乱を減らせるとされる。

解除時に注意すべき法務・セキュリティ論点

ポップアップブロックの解除は、個別サイトを許可する範囲で行うのが原則であり、ブラウザ全体のブロック機能そのものを無効化することは避けるべきとされている。本記事における法令解釈は一般的な情報の整理を目的としたものであり、法的助言ではない。個別の対応が必要な場合は弁護士等の専門家に相談されたい。

ブロック機能を丸ごと無効化すると、業務システム以外の不正な広告サイトやフィッシングサイトのポップアップも表示されるようになり、偽の警告画面やなりすましのログイン画面に誘導されるリスクが高まる。そのため、許可設定は「必要な業務システムのドメインだけを個別に許可する」形にとどめ、どのサイトを許可対象としたかを社内ルールとして明文化しておくことが重要とされる。担当者の個人判断に委ねてしまうと、許可基準が担当者ごとに異なり、結果として不要な許可が積み重なってセキュリティ上の抜け穴になりやすい。情報システム部門や総務担当が許可対象ドメインの一覧を管理し、更新のたびに周知する運用が望ましいとされる。

フィッシングサイトへの誘導が起点となって従業員が業務システムのIDやパスワード、あるいは顧客・取引先の個人情報を入力してしまった場合、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が求める安全管理措置の観点からも問題となり得る。個人情報保護委員会が公表するガイドラインでは、事業者に対して個人データの漏えい等を防止するための安全管理措置を講じることが求められており、フィッシング被害による情報漏えいは、この安全管理措置の実効性が問われる事態につながりかねないと指摘されている。

フィッシングサイトを含む不正な誘導手口については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が毎年公表している「情報セキュリティ10大脅威」でも、組織・個人の双方に向けて注意喚起がなされている項目であり、ポップアップの許可設定を安易に広げることは、こうした脅威への露出を高める行為に当たるとされる。ポップアップブロックを解除する際は、表示元のドメインが本来利用している業務システムのものと一致しているかを都度確認し、少しでも不審な点があれば許可せず、社内の情報システム担当に確認する体制を整えておくことが求められる。

ポップアップブロック解除でよくある失敗パターン3選

失敗パターン1:ブラウザ全体でポップアップブロックを無効化してしまう

特定の業務システムを開くためにポップアップブロックの設定画面を開いた際、個別サイトの許可ではなく「ポップアップブロックを常にオフにする」という全体設定を選んでしまうケースがある。この設定にすると、業務システム以外の不正広告やフィッシングサイトのポップアップまで表示されるようになり、意図せず危険なサイトへの入口を広げてしまう。予防策として、設定変更時は必ず「このサイトのみ許可」の個別許可を選び、全体を無効化する設定項目には触れないことをルール化しておく。

失敗パターン2:業務システムだと思い込んで許可した先が偽サイトだった

メールやチャットで送られてきたリンクを、いつも使っている業務システムだと思い込んでクリックし、表示されたポップアップの許可通知にそのまま「許可」を押してしまうケースがある。実際にはドメインが微妙に異なる偽サイト(フィッシングサイト)であり、ログイン情報や個人情報を入力してしまう被害につながりやすい。予防策として、許可を出す前に必ずアドレスバーのドメインを目視で確認し、社内で共有している正規ドメインの一覧と一致するかをチェックする習慣を徹底する。

失敗パターン3:担当者個人のPCだけで解除し、社内共有をしなかった

ある担当者が自分のPCでポップアップブロックを解除して業務システムを使えるようにしたものの、その設定方法や許可対象サイトを社内で共有しなかったために、他の端末や他の従業員が同じ業務を行う際に同じ問題で作業が止まってしまうケースがある。担当者が休暇や異動で不在になると、誰も対処方法を分からず業務が停滞するリスクもある。予防策として、許可設定を行った際は対象サイトと設定手順を社内の共有ドキュメントやマニュアルに記録し、情報システム担当や上長にも共有しておく運用にする。

よくある質問(FAQ)

Q1. ポップアップブロックを解除すると具体的に何が変わりますか?

A. ブラウザが「望ましくない広告」と自動判定して非表示にしていた別ウィンドウやタブが、意図したとおりに開くようになります。業務では、請求書発行システムのプレビュー画面、決済代行サービスの入力ウィンドウ、勤怠管理ツールのカレンダー選択画面、Web会議の招待リンクなどがポップアップ形式で実装されているケースが多く、解除しないとボタンを押しても何も起こらない、あるいは画面が固まったように見える不具合として現れます。

Q2. Chromeでポップアップブロックを解除する一番簡単な方法は?

A. アドレスバー右端に表示される「ポップアップがブロックされました」のアイコンをクリックし、対象サイトを「常に許可する」に設定する方法が最も手早く済みます。アイコンが見当たらない場合は、Chromeの設定から「プライバシーとセキュリティ」を開き、「サイトの設定」、「ポップアップとリダイレクト」の順に進んで、利用したいサイトのURLを許可リストに追加してください。

Q3. ポップアップブロックを解除するとセキュリティ上のリスクは高まりますか?

A. 「すべてのサイトで許可」に設定を変更してしまうと、悪意あるサイトが偽の警告画面や偽ログイン画面をポップアップで表示できるようになり、フィッシングやマルウェア感染のリスクは相対的に高まります。一方で、業務システムなど信頼できる特定のサイトだけを個別に許可する運用であれば、リスクを抑えたまま必要な機能を使うことができます。全許可ではなく個別許可を基本にすることが安全性を保つポイントです。

Q4. 特定のサイトだけポップアップを許可する方法はありますか?

A. あります。Chromeであればアドレスバーの鍵アイコンまたは情報アイコンから「サイトの設定」を開き、「ポップアップとリダイレクト」の項目を「許可」に切り替えることで、そのサイトだけを対象に設定できます。Safariでも「環境設定」の「Webサイト」タブから、サイトごとにポップアップの許可・拒否を個別指定できるため、業務で使うサイトのみを許可リストに登録しておくのが安全です。

Q5. 自社サイトにポップアップ型の案内表示を導入すると、訪問者のブロック設定の影響を受けますか?

A. 多くの案内表示ツールは、別ウィンドウを開かずページ内にレイヤーを重ねて表示する仕組みのため、ブラウザ標準のポップアップブロックの影響を受けにくいとされています。ただし実装方式によっては影響を受ける場合があるため、導入前にツールの表示方式を確認し、実際の表示崩れがないか自社サイトで検証しておくと安心です。

Q6. ポップアップブロックを解除しても業務システムの画面が表示されない場合はどうすればよいですか?

A. ブラウザ本体の設定を解除しても表示されない場合は、広告ブロック系の拡張機能が別途ポップアップを止めていないか確認してください。また、企業でパソコンを一括管理している場合、情報システム部門がグループポリシーやMDMでポップアップ許可設定を上書きしていることがあるため、個人設定では解除できないケースもあります。改善しない場合は、別のブラウザで同じ操作を試して切り分けたうえで、社内のIT担当者に相談することをおすすめします。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 普段使っている業務システムやツールのURLを、ブラウザの許可リストに個別に登録する。
  2. 「すべて許可」ではなく、必要なサイトだけを個別に許可する設定に見直す。
  3. 設定手順を社内で共有し、拡張機能や社内ポリシーが原因の場合はIT担当者に確認する体制を整える。自社サイトで案内表示を運用する立場であれば、表示方式がブラウザのブロック対象にならないかも合わせて確認する。

参考文献

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