コロケーションとは?ハウジングとの違い・費用の内訳・メリットを解説

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  • コロケーションの意味とハウジング・ホスティングとの違いがわかる
  • 費用の内訳とメリット・デメリット、よくある失敗がわかる
  • クラウドとの選び分けと預けたサーバーの資産管理のポイントがわかる

「社内のサーバールームが手狭になってきた」「停電や地震のたびにサーバーが止まらないか心配だ」「クラウドに移すべきか、今のサーバーを使い続けるべきか決めきれない」という悩みを抱える情報システム担当者は少なくありません。そうした検討の過程で候補に挙がるのが、データセンターに自社のサーバーを預ける「コロケーション」です。

本記事では、コロケーションの意味とハウジング・ホスティングとの違い、仕組み、費用の内訳、メリットとデメリット、よくある失敗、クラウドや自社設置との比較までを整理します。あわせて、見落とされがちな「データセンターに預けたサーバーを自社の資産としてどう管理するか」という論点も取り上げます。

コロケーション検討で押さえるべき点を診断

Q1. コロケーション導入で一番気になることは?

目次

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  1. 既存サーバーの資産管理の悩みを解消する固定資産管理システムの比較
  2. コロケーションとは?ハウジングとの違い
  3. コロケーションの仕組み(データセンターへのサーバー設置)
  4. 導入にかかる費用相場(設置費・回線費・ラック利用料)
  5. コロケーションのメリット(可用性・BCP対策・セキュリティ)
  6. デメリット・注意点(初期費用、運用の手間、クラウドとの比較)
  7. コロケーションを利用するデータセンターの選び方
  8. よくある失敗パターン(拡張性を見誤り移設が発生する等)
  9. クラウド・自社サーバーとの比較
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ
  12. 参考文献

既存サーバーの資産管理の悩みを解消する固定資産管理システムの比較

コロケーションで預けるサーバーやネットワーク機器は自社の所有物であり、会計上は多くの場合、減価償却の対象となる固定資産です。社内のサーバールームにあった頃は目で見て確認できた機器も、データセンターに移すと実物を確認する機会が減り、固定資産台帳の記載と実際の設置場所や稼働状況がずれていきがちです。移設時の付随費用の扱い、保守切れ機器の入れ替え、廃棄時の除却処理まで含めると、Excelの台帳だけで追い続けるのは負担が大きくなります。

こうした機器の管理を仕組み化する手段が固定資産管理システムです。下の表は、比較記事で紹介されている固定資産管理システムのうち3つを、公開されている特徴と留意点で並べたものです。

サービス名(提供会社) 強み 留意点
マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード) 台帳ごとに異なる償却計算ができ、減価償却費がリアルタイムに反映される 導入から稼働まで2から3か月程度かかるとされ、料金の詳細は確認が必要
ProPlus固定資産システム(株式会社プロシップ) 海外24か国の税制に対応し、有形・無形の固定資産をまとめて管理できる 料金プランや対象規模は問い合わせでの確認が必要
固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント) 24時間の監視体制によるセキュリティと、固定資産の実務への細かな対応 導入から稼働まで1か月程度の期間が必要とされる

表の内容は比較記事の掲載情報をもとにした概要で、料金や機能の詳細は製品や契約内容によって異なります。預ける機器が数台で、経理担当者がExcelで台帳を問題なく管理できている段階であれば、まずは本記事で紹介する管理ルールを整えるだけでも十分です。機器の台数が多い、複数拠点やデータセンターに資産が分散している、という場合に検討するとよいでしょう。

コロケーションとは?ハウジングとの違い

コロケーションとは、自社で所有するサーバーやネットワーク機器をデータセンター内のラックや区画に設置し、電源、空調、回線、入退室管理といった設備を利用するサービスです。英語の「colocation(同じ場所に置く)」が語源で、多数の企業の機器が同じ施設に同居することからこう呼ばれます。

国内では「ハウジング」とほぼ同じ意味で使われることが多く、事業者によって呼び方が異なるだけというケースもあります。区別して使う場合は、ハウジングがラック単位の小規模な貸し出し、コロケーションがケージや専用ルームなど、より大きな区画を自由度高く使う形態を指すのが一般的です。また、運用支援や保守サービスまで含めてコロケーションと呼ぶ事業者もあります。

項目 ハウジング コロケーション ホスティング
機器の所有者 利用企業 利用企業 事業者
借りる単位 ラック単位(1ラック、ハーフラックなど) ラック群、ケージ、専用ルームなど サーバー単位、サービス単位
運用の担い手 原則として利用企業 利用企業(運用支援を付けられる場合あり) 主に事業者
構成の自由度 高い 非常に高い 事業者の用意した範囲内

このように、ハウジングとコロケーションは「自社の機器を預ける」という点で共通しており、機器を事業者から借りるホスティングとは根本的に異なります。見積もりを依頼する際は、呼び方ではなく、借りる区画の単位と、事業者がどこまで作業を代行するかを確認するのが確実です。

コロケーションの仕組み(データセンターへのサーバー設置)

コロケーションは、データセンター事業者が建物と設備を用意し、利用企業が機器を持ち込んで運用する分担で成り立っています。導入から運用までの流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 必要なラック数、電源容量、回線の種類と帯域を見積もり、データセンターを選定して契約する
  2. ラック内の機器配置と配線を設計し、電源や回線の開通工事を行う
  3. サーバーを搬入してラックに設置し、ネットワークを接続して動作を確認する
  4. 稼働後は、利用企業がリモートでOSやアプリケーションを運用し、障害時はデータセンターに入館して対応する

役割分担の目安は次の表のとおりです。事業者によっては、機器の再起動やケーブルの差し替えといった簡単な現地作業を代行する「リモートハンド」と呼ばれるサービスを用意しており、これを利用すると入館の回数を減らせます。

データセンター事業者が担うこと 利用企業が担うこと
建物の耐震・免震、非常用発電機や無停電電源装置による電源供給 サーバーやネットワーク機器の購入と設置
空調による温度・湿度の管理 OS、ミドルウェア、アプリケーションの運用と更新
入退室管理や監視カメラによる物理的なセキュリティ データのバックアップと、サイバー攻撃への対策
通信事業者の回線を引き込むための設備 機器の保守契約、故障時の交換、資産台帳の管理

ここで押さえておきたいのは、設備の安全性はデータセンターが担保しても、機器の中身と台帳の管理は利用企業に残るという点です。データのバックアップなどの対策は、IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も参考にしながら、自社で計画しておく必要があります。

導入にかかる費用相場(設置費・回線費・ラック利用料)

コロケーションの費用は、ラック利用料だけでは決まらず、電源容量、回線、保守、初期工事の組み合わせで総額が大きく変わります。料金は立地や設備のグレード、契約量によって幅があり、多くの事業者が個別見積もりとしているため、まず費用項目を把握してから複数社を同じ条件で比べることが大切です。

費用項目 発生タイミング 金額を左右する要素
初期費用・設置工事費 契約時 ラック設置、電源工事、配線工事の範囲
ラック利用料 毎月 ラックの大きさ(フル、ハーフ、クォーター)、データセンターの立地とグレード
電源費用 毎月 契約する電源容量、電源の二重化の有無、従量か定額か
回線費用 初期と毎月 インターネット接続か閉域網か、帯域、回線の冗長化
オプション費用 毎月または都度 リモートハンド、監視、バックアップなどの代行範囲
機器の購入費と移設費 導入時と更新時 サーバーの台数と性能、搬出入の作業費

見落とされやすいのが、最後の機器の費用です。コロケーションの月額料金は「場所と設備」の対価であり、預けるサーバー自体は自社で購入し、数年ごとに更新します。購入した機器は、取得価額などに応じて減価償却を通じて費用化するのが原則で、国税庁の「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」にあるように、取得価額が10万円未満などの要件を満たす場合に限って一度に費用処理できます。月額料金の比較だけでなく、機器の購入、償却、更新の周期まで含めた総コストで判断しましょう。

コロケーションのメリット(可用性・BCP対策・セキュリティ)

コロケーションの主なメリットは、自社の機器を使い続けながら、社内では用意しにくい水準の電源、空調、耐災害性、物理セキュリティを利用できることです。

電源と空調が安定し、可用性が高まる

データセンターの多くは、電源の二重化、無停電電源装置、非常用発電機を備えており、オフィスビルの法定点検による停電や落雷の影響を受けにくくなります。空調も常時管理されるため、夏場のサーバールームの温度上昇による故障といったリスクも減らせます。

BCP対策として拠点を分散できる

耐震や免震の構造を持つ施設に基幹システムを置くことで、オフィスが被災しても業務システムを動かし続けられる可能性が高まります。本社から離れた地域のデータセンターを選べば、同じ災害で本社とシステムが同時に止まる事態も避けやすくなります。中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」では、緊急時に中核事業を継続・早期復旧するための計画づくりが解説されており、情報システムの置き場所はその検討項目の一つになります。

物理セキュリティを強化できる

入館時の本人確認、監視カメラ、施錠されたラックなど、何重もの入退室管理によって、機器の盗難や関係者以外の操作を防ぎやすくなります。オフィスの一角にサーバーを置いている場合と比べ、物理的な安全性は大きく向上します。

自社機器の構成をそのまま生かせる

クラウドと異なり、既存のサーバーや業務システムの構成を大きく変えずに移設できます。特定のハードウェアに依存するシステムや、ライセンスの条件でクラウドに移しにくいソフトウェアを使っている場合に向いています。

デメリット・注意点(初期費用、運用の手間、クラウドとの比較)

一方で、コロケーションは機器を自社で持つ形態である以上、費用と運用の負担が残ります。導入前に次の点を確認しておきましょう。

  • 初期費用がかかる:機器の購入費に加え、設置工事や回線開通の費用が必要で、クラウドのように少額から始めることは難しい
  • 現地対応の手間がある:故障時の部品交換や機器の入れ替えでは、データセンターまで出向くか、有償の代行サービスを使う必要がある
  • 拡張に時間がかかる:処理能力が足りなくなった場合、機器の調達と設置が必要で、クラウドのように数分で増強することはできない
  • 契約の縛りがある:最低契約期間が設けられていることが多く、途中での移設や解約には費用と手間がかかる
  • 資産管理が見えにくくなる:機器が社外にあるため、台帳上の資産と実際の設置機器の突き合わせが後回しになりやすい

特に最後の点は、情報システム部門と経理部門の間で抜け落ちやすい部分です。データセンターの契約書にはラック番号や電源容量は書かれていても、中にどの資産番号の機器が入っているかまでは書かれていません。移設の時点で、資産番号と設置場所を対応づけた一覧を作っておくことが後々の管理を楽にします。

コロケーションを利用するデータセンターの選び方

データセンターは、立地、設備、拡張性、サポート範囲、契約条件の5つの観点で比べると選びやすくなります。一度機器を設置すると移設には手間と費用がかかるため、料金だけで決めず、数年先の運用まで見据えて確認することが大切です。

観点 確認したいポイント
立地とアクセス 障害時に担当者が駆けつけられる距離か、本社と同じ災害の影響を受けにくい地域か
設備とセキュリティ 耐震・免震構造、非常用発電機の連続運転時間、電源や空調の冗長化、入退室管理と監視体制
電源容量と拡張性 1ラックあたりの供給電力、隣接ラックの空き状況、将来の増設に対応できるか
回線とサポート 選べる通信事業者の数、リモートハンドの対応時間と範囲、機器搬入やキッティングの作業スペース
契約条件 最低利用期間、解約・移設時の費用、障害時の一次対応をどちらが担うかという責任範囲

候補を絞り込んだら、契約前に施設見学を申し込むのがおすすめです。資料だけでは分からない搬入経路の広さや作業スペース、受付から入室までの手続きを実際に確かめておくと、稼働後の現地作業で困る場面を減らせます。また、障害発生時の一次切り分けを事業者と自社のどちらが行うかは、契約書やサービス仕様書で文書として確認しておきましょう。

よくある失敗パターン(拡張性を見誤り移設が発生する等)

コロケーションの失敗は、契約時の見積もりの甘さと、稼働後の管理の抜けから起きることがほとんどです。代表的なパターンと対策を整理します。

失敗パターン(Before) 起きること 対策(After)
現在の機器台数だけでラックと電源を契約する 数年で空きがなくなり、別フロアや別施設への移設が発生する 今後の増設計画を踏まえ、ラックの空きと電源容量に余裕を持たせる。隣接ラックの確保可否も確認する
アクセスのしやすさを考えずに施設を選ぶ 障害時の駆けつけに時間がかかり、復旧が遅れる 本社からの移動時間と、リモートハンドの対応範囲をセットで比較する
月額料金だけで事業者を比べる 電源の追加や回線の冗長化で、想定より総額が膨らむ 費用項目をそろえた同じ条件で見積もりを取り、5年程度の総額で比べる
移設後に資産台帳を更新しない 設置場所が不明な機器や、廃棄済みなのに台帳に残る機器が生じる 資産番号、設置場所、保守期限を一覧化し、移設や廃棄のたびに更新する
保守期限の管理を担当者任せにする 保守切れの機器が故障し、部品が手に入らず復旧できない 保守期限と更新予定を台帳で管理し、更新予算を前もって確保する

後半の3つは、いずれも「どの機器がどこにあり、いつまで使うのか」を把握できていないことが原因です。機器の台数が増えるほど、表計算ソフトの台帳では更新漏れが起きやすくなります。取得日、耐用年数、設置場所、除却の履歴までを一元管理できる仕組みがあれば、コロケーションでの運用と会計処理を同じ情報でつなげられます。

クラウド・自社サーバーとの比較

コロケーションが自社に合うかどうかは、自社設置(オンプレミス)やクラウドと並べて比べると判断しやすくなります。

比較項目 自社設置 コロケーション クラウド
機器の所有 自社 自社 事業者
設備の品質 自社の投資次第 データセンターの水準を利用できる 事業者の水準を利用できる
構成の自由度 高い 高い 提供される範囲内
拡張のしやすさ 機器の調達が必要 機器の調達とラックの空きが必要 画面の操作で短時間に増減できる
費用の形 機器購入と設備投資が中心 機器購入と月額の利用料 利用量に応じた月額が中心
資産管理 固定資産として管理 固定資産として管理(設置場所は社外) 機器の資産管理は原則不要

既存の機器や業務システムを生かしつつ設備面の不安を解消したい場合はコロケーション、需要の変動が大きく機器を持ちたくない場合はクラウドが向いています。実際には、基幹システムはコロケーション、変動の大きいWebサービスはクラウドというように、両方を組み合わせる企業も少なくありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. コロケーションとハウジングは何が違いますか?

A. どちらも自社の機器をデータセンターに預けるサービスで、ほぼ同じ意味で使われることが多いです。区別する場合は、ハウジングがラック単位の小規模な貸し出し、コロケーションがケージや専用ルームなど大きな区画を自由度高く使う形態を指すのが一般的です。

Q2. コロケーションの費用は何で決まりますか?

A. ラック利用料に加え、電源容量、回線の種類と帯域、リモートハンドなどのオプション、初期の設置工事費で総額が決まります。多くは個別見積もりのため、費用項目をそろえて複数社を比べ、預ける機器の購入費と更新費も含めた総コストで判断しましょう。

Q3. コロケーションはBCP対策になりますか?

A. なります。耐震や免震の構造、非常用電源を備えた施設に機器を置くことで、オフィスが被災してもシステムを動かし続けられる可能性が高まります。本社から離れた地域の施設を選べば、同じ災害で本社とシステムが同時に止まるリスクも下げられます。

Q4. コロケーションとクラウドはどちらを選ぶべきですか?

A. 既存の機器やシステムの構成を生かしたい場合はコロケーション、需要の変動が大きく機器を持ちたくない場合はクラウドが向いています。基幹システムはコロケーション、Webサービスはクラウドのように、用途ごとに組み合わせる方法もあります。

Q5. データセンターに預けたサーバーは会計上どう扱いますか?

A. 自社で購入した機器であれば、設置場所がデータセンターでも自社の資産です。取得価額などに応じて減価償却資産として固定資産台帳で管理し、移設や廃棄の際は台帳も更新します。具体的な処理は税理士などの専門家に確認してください。

Q6. 預けたサーバーの管理漏れを防ぐ方法はありますか?

A. 資産番号、設置場所、保守期限を対応づけた一覧を作り、移設や廃棄のたびに更新するのが基本です。機器の台数が多い場合や資産が複数の拠点に分散している場合は、固定資産管理システムで台帳と減価償却をまとめて管理すると、更新漏れを防ぎやすくなります。

まとめ

コロケーションは、自社の機器を使い続けながら、データセンターの電源、空調、耐災害性、セキュリティを利用できるサービスです。本記事のポイントを整理します。

  1. コロケーションはハウジングとほぼ同じ意味で使われ、区別する場合は借りる区画の規模と自由度の違いを指す。
  2. 費用はラック利用料、電源、回線、オプション、初期工事で決まり、機器の購入と更新も含めた総コストで比べる。
  3. 可用性、BCP対策、物理セキュリティの向上がメリットで、初期費用、現地対応、拡張の遅さがデメリットになる。
  4. ラックと電源は将来の増設を見込んで契約し、移設後も資産番号と設置場所の台帳を更新し続ける。
  5. クラウドとは二者択一ではなく、用途ごとに組み合わせる選択肢もある。

まずは現在のサーバーの台数、使用電力、保守期限を書き出し、今後数年の増設計画とあわせて整理するところから始めましょう。その一覧が、データセンターの見積もり依頼にも、資産管理の見直しにも使える土台になります。

参考文献

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