英文翻訳とは?種類・費用相場・依頼先の選び方までわかりやすく解説

Check!

  • 英文翻訳の意味と、機械翻訳・人力翻訳の違いや文書の種類ごとの注意点がわかる
  • 料金の目安と見積もりの確認項目、翻訳会社・フリーランス・翻訳ツールの選び方がわかる
  • 依頼前の原稿準備と、よくある失敗や法務面の注意点への対策がわかる

英文翻訳とは、日本語の文章や文書を英語に訳す作業のことで、契約書や取扱説明書、Webサイト、社内マニュアルなど、海外の取引先や外国籍の社員とやり取りするあらゆる場面で必要になります。一方で、「機械翻訳で済ませてよい文書と、プロに頼むべき文書の線引きがわからない」「見積もりの金額が会社ごとに違いすぎて比べられない」「翻訳会社、フリーランス、翻訳ツールのどれに頼めばよいのか」と迷う担当者も少なくありません。この記事では、翻訳を都度依頼する運用の先にある日常的な多言語コミュニケーションの仕組みを先に紹介したうえで、英文翻訳の方式の違い、文書の種類ごとの注意点、公開されている料金の目安と見積もりの読み方、依頼先の比較、依頼前の原稿準備、よくある失敗パターン、法務面の注意点までを順に整理します。

あなたの翻訳ニーズを診断

Q1. 英文翻訳が必要になっているのは、主にどの場面ですか?

目次

開く

閉じる

  1. 翻訳依頼だけで終わらせない、海外拠点との日常コミュニケーションまで見据えたグループウェアの比較
  2. 英文翻訳とは|機械翻訳と人力翻訳の違い
  3. 英文翻訳の種類(一般文書・契約書・技術文書・マーケティング文書)
  4. 英文翻訳の費用相場
  5. 依頼先の選び方(翻訳会社・フリーランス・翻訳ツールの比較)
  6. 依頼前に整えておきたい原稿の準備
  7. 英文翻訳でよくある失敗パターン
  8. 英文翻訳に関わる法務面の注意点
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

翻訳依頼だけで終わらせない、海外拠点との日常コミュニケーションまで見据えたグループウェアの比較

英文翻訳を依頼するきっかけは、契約書やWebサイトのような「一度きちんと訳せば済む文書」であることが多いものです。しかし、海外拠点との取引や外国籍社員の受け入れが始まると、翻訳が必要になるのは正式な文書だけではなくなります。スケジュールの共有、稟議や申請の回覧、掲示板でのお知らせ、日々の業務連絡など、細かなやり取りのたびに翻訳を依頼していては、時間も費用も追いつきません。こうした日常の情報共有を支えるのが、多言語に対応したグループウェアです。画面表示を利用者ごとの言語に切り替えられたり、タイムゾーンを拠点ごとに設定できたりする製品もあり、「翻訳を都度頼む」運用から「最初から多言語で共有できる」運用へ移行する手段になります。ここでは、お名前.comビジネスコンシェルジュの多言語対応グループウェア比較記事で紹介されている2製品の特徴を整理します。

サービス名(提供会社) 主な強み 留意点
desknet’s NEO(株式会社ネオジャパン) 情報共有から申請・承認、スケジュール管理まで使える多機能型。少人数から大人数まで対応した料金プランがあり、クラウド版は初期費用無料で利用できる 業務アプリ作成ツールAppSuiteは、スタンダードプラン/プレミアムプランのみ標準対応
Garoon(サイボウズ株式会社) kintoneと併用することで幅広い使い方が可能。クラウド版とパッケージ版を選べ、企業規模に捉われず利用できる より使いこなす場合は他サービスとの連携を検討する必要がある

留意点はサービスの優劣を示すものではなく、自社の使い方と照らし合わせて確認したい観点です。多言語対応グループウェアを選ぶ際は、使用する言語に対応しているか、海外のタイムゾーンに切り替えられるか、多言語でのサポート体制があるかが主な確認ポイントになります。なお、グループウェアの翻訳機能は日常のやり取りを円滑にするためのもので、契約書のように正確性が求められる文書の翻訳を置き換えるものではありません。正式な文書は本記事の後半で解説する方法で翻訳し、日常の共有はグループウェアで回すという役割分担が現実的です。

英文翻訳とは|機械翻訳と人力翻訳の違い

英文翻訳とは、日本語で書かれた文章を英語に訳すことで、実務上は「和文英訳」とほぼ同じ意味で使われます。反対に、英語の文章を日本語に訳すことは「英文和訳」と呼ばれます。依頼や見積もりの相談をする際は、どちらの言語からどちらの言語への翻訳なのかを最初に明確にしておくと、料金の単位(日本語は文字数、英語はワード数で数えるのが一般的)の食い違いも防げます。

英文翻訳の方法は、大きく「人力翻訳」「機械翻訳」「機械翻訳と人による確認を組み合わせる方法」の3つに分けられます。どれが優れているかではなく、文書の重要度と用途によって使い分けるものだと考えると判断しやすくなります。

方法 特徴 向いている文書 注意点
人力翻訳 翻訳者が文脈や業界特有の言い回しを理解して訳す 契約書、対外公開する資料、ブランドに関わる文章 時間と費用がかかりやすい。翻訳者の得意分野の見極めが必要
機械翻訳 翻訳ツールで瞬時に訳す。大量の文章も短時間で処理できる 社内メモ、受け取った英文の大意把握、下書き 文脈や専門用語の誤訳が起こり得る。無料ツールは入力データの扱いを要確認
機械翻訳+人の確認(ポストエディット) 機械翻訳の訳文を、人が確認・修正して仕上げる マニュアル、社外向け案内文など、量とスピードと品質の両立が必要な文書 確認の深さで品質が大きく変わる。どこまで直すかを事前に合意しておく

機械翻訳の精度が上がっても人の確認が残る理由

近年の機械翻訳は、一般的なビジネス文書であれば自然な英文を返すことが増えました。それでも人の確認が必要とされるのは、機械翻訳が「文として自然か」と「書き手の意図どおりか」を区別できないためです。たとえば日本語は主語や目的語を省略しやすく、誰が何をするのかが曖昧なまま訳されると、責任の所在が変わってしまうことがあります。また、社内で決まっている製品名や部署名の英語表記、業界の慣用表現などは、原文だけからは判断できません。機械翻訳は「下訳を速く作る道具」、人の確認は「意図と用語を合わせる工程」と役割を分けて考えると、使いどころを判断しやすくなります。

ネイティブチェックとクロスチェックの違い

翻訳会社の見積もりには、翻訳そのもの以外に「ネイティブチェック」や「クロスチェック」という工程が含まれることがあります。ネイティブチェックは、英語を母語とする人が訳文を読み、不自然な言い回しや文法の誤りを直す工程です。クロスチェックは、翻訳者とは別の担当者が原文と訳文を照らし合わせ、訳抜けや誤訳、数字の転記ミスがないかを確認する工程を指すのが一般的です。前者は「英語として自然か」、後者は「原文どおりか」を確認するもので、目的が異なります。どちらが標準料金に含まれ、どちらがオプションかは会社によって違うため、見積もりを比べる際は工程の範囲をそろえて確認することが大切です。

英文翻訳の種類(一般文書・契約書・技術文書・マーケティング文書)

英文翻訳は、対象となる文書の種類によって求められる知識や品質の基準が変わります。依頼先を選ぶ前に、自社が訳したい文書がどの種類に当たるかを整理しておくと、見積もりの比較や翻訳者の選定がしやすくなります。

文書の種類 具体例 重視されるポイント
一般文書 ビジネスメール、社内通知、議事録、会社案内 意味が正確に伝わること、スピード
契約書・法務文書 売買契約書、秘密保持契約書、利用規約、プライバシーポリシー 法律用語の正確な使い分け、条文の構造の再現
技術文書 取扱説明書、仕様書、安全データシート、ソフトウェアのUI 専門用語の統一、単位や数値の正確性
マーケティング文書 Webサイト、広告コピー、パンフレット、プレスリリース 現地の読み手に自然に届く表現、ブランドの一貫性

契約書・法務文書

契約書では、似た意味に見える語でも法的な効果が異なる場合があります。たとえば「shall」「will」「may」は義務・意思・任意のニュアンスの違いを表すために使い分けられ、「indemnify」と「compensate」も補償の範囲の考え方が異なるとされています。こうした使い分けは一般的な英語力だけでは判断が難しいため、契約書の翻訳は法務分野の実績がある翻訳者に依頼し、最終的には社内の法務担当者や弁護士の確認を経るのが安全です。

技術文書

取扱説明書や仕様書では、同じ部品や操作を指す用語が文書ごと、翻訳者ごとに異なる訳語になると、現地の作業者が別物だと誤解するおそれがあります。社内で使う訳語をまとめた用語集(グロッサリー)を用意し、翻訳会社と共有しておくことで、複数回の依頼でも訳語をそろえやすくなります。インチとミリ、華氏と摂氏など単位の扱いを原文のままにするのか換算するのかも、事前に決めておきたいポイントです。

マーケティング文書

Webサイトや広告コピーは、原文に忠実な訳よりも、読み手の文化や商習慣に合わせて表現を調整する「ローカライズ」の考え方が重視されます。日本語で効果のあるキャッチコピーを直訳しても、英語圏の読み手には意図が伝わらないことは珍しくありません。ネイティブチェックを標準で含む依頼先を選ぶ、訴求したいポイントを原稿とは別に伝えておくといった工夫が、仕上がりの差につながります。

英文翻訳の費用相場

翻訳会社に英文翻訳を依頼する場合、料金は日本語原稿の文字数を基準に計算されるのが一般的です(英語から日本語への翻訳では英文のワード数が基準になります)。業界団体である一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)は、クライアント企業が翻訳会社に初めて依頼する場合の翻訳料金の目安を、分野別に公開しています。

文書の分野 日英翻訳(和文1文字あたり・税別) 英日翻訳(英文1ワードあたり・税別)
コンピューターマニュアル 20円 28円
一般科学・工業技術 21円 28円
金融 25円 30円
経営管理・財務・契約書 25円 30円
医学・医療・薬学 30円 35円
特許明細書 30円 26円

出典:一般社団法人日本翻訳連盟「翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安」。JTFは、上記は一般的な実例の平均値を分野ごとに示した目安であり、専門性、難易度、翻訳量、納期、データ形式、品質レベル、翻訳会社の価格方針などによって大幅に異なるとしています。また、JTFは民間の業界団体であり、この目安は公的統計ではありません。実際の料金は、必ず各事業者の見積もりで確認してください。

見積もりで確認したい追加費用の項目

翻訳の見積もりは、文字単価だけを並べて比べると判断を誤りやすくなります。同じ文字単価でも、どこまでの作業が含まれているかが会社によって異なるためです。見積もりを受け取ったら、次のような項目が含まれているか、別料金かを確認しましょう。

  • ネイティブチェック、クロスチェックなどの確認工程
  • 最低料金(ミニマムチャージ)の有無。短い文書でも一定額がかかる場合がある
  • 特急対応の割増料金
  • PowerPointや画像内の文字など、ファイル操作やレイアウト調整(DTP)の費用
  • 納品後の修正対応の範囲と回数
  • 用語集の作成や、翻訳メモリ(過去の訳文の再利用)による割引の有無

特に、継続的に翻訳を依頼する予定がある場合は、過去の訳文を再利用できる仕組みがあるかどうかで、2回目以降の費用と品質の安定性が変わります。一方で、機械翻訳ツールは文字単価ではなく月額・年額のプラン課金が中心で、利用人数や翻訳できる量によって料金が決まるのが一般的です。

翻訳費用を抑えるための工夫

品質を落とさずに翻訳費用を抑えるには、依頼の出し方を工夫するのが近道です。まず、見積もりは1社だけでなく複数の依頼先から取り、確認工程や修正対応の範囲をそろえたうえで比較します。1社の金額だけでは、それが妥当な水準かどうかを判断しにくいためです。次に、納期に余裕を持たせることも有効です。特急対応は割増料金の対象になることが多く、急ぎでない文書まで短納期で依頼すると、その分だけ費用が上がります。また、小さな文書を何度も分けて依頼すると、そのたびに最低料金がかかる場合があるため、まとめて依頼できるものは一度に出す方が割安になりやすくなります。さらに、社内資料のように大意がわかれば足りる文書は、ネイティブチェックなどのオプションを外す、機械翻訳の訳文を人が確認・修正するポストエディットのプランを選ぶといった形で、文書の用途に合わせて工程を絞り込むと無駄な費用を減らせます。反対に、対外公開や契約に使う文書で確認工程を省くと、後からの修正や再依頼で結果的に高くつくことがあるため、削ってよい工程と削るべきでない工程を分けて考えることが大切です。

依頼先の選び方(翻訳会社・フリーランス・翻訳ツールの比較)

英文翻訳の依頼先は、主に翻訳会社、フリーランスの翻訳者、翻訳ツールの3つに分けられます。それぞれ得意な場面が異なるため、文書の重要度、量、頻度、社内で確認できる人がいるかどうかを基準に選ぶのが現実的です。

依頼先 長所 短所 向いているケース
翻訳会社 分野別の翻訳者を手配でき、チェック体制や秘密保持の仕組みが整っていることが多い。大量・多言語にも対応しやすい 費用は比較的高め。担当者を介するため、細かな意図が翻訳者に伝わりにくいことがある 契約書、対外公開資料、大量の技術文書
フリーランス翻訳者 翻訳者と直接やり取りでき、意図を伝えやすい。条件によっては費用を抑えやすい 品質や納期が個人の力量に左右される。チェック工程や秘密保持は個別に取り決める必要がある 分野が明確で、社内に訳文を確認できる人がいる場合
翻訳ツール 即時に訳文が得られ、量が多くても費用が大きく増えにくい 誤訳の可能性があり、最終確認は自社で行う必要がある。無料版は入力データの扱いに注意 社内資料、大意の把握、下訳の作成

依頼先を比べるときは、対象分野の実績、確認工程の有無、秘密保持契約(NDA)への対応、納期と特急対応、原稿データの管理方法を共通の物差しにすると、見積もりの違いが何によるものかを把握しやすくなります。なお、フリーランス翻訳者には、クラウドソーシングサービスを通じて依頼する方法もあります。募集から契約、支払いまでをサービス上で完結でき、少量の文書でも依頼しやすい一方、翻訳者の実績や専門分野は応募者ごとに大きく異なるため、過去の実績の確認や試訳を通じて見極めることが欠かせません。機密情報を含む文書を依頼する場合は、サービスの規約に加えて、翻訳者個人との秘密保持の取り決めも確認しておきましょう。翻訳会社や翻訳ツールの具体的なサービスを比べたい場合は、おすすめの翻訳サービスを比較した記事も参考になります。

もう一つ考えておきたいのが、翻訳の「頻度」です。契約書や会社案内のように年に数回の文書であれば、そのつど翻訳会社に依頼する方法で十分に回ります。しかし、海外拠点との週次の報告、外国籍社員への社内通知、申請や承認の回覧のように、毎日発生するやり取りまで外部に翻訳を依頼していると、費用がかさむだけでなく、翻訳待ちの時間が業務の遅れにつながります。頻度の高いやり取りは、表示言語の切り替えや翻訳機能を備えた社内の共有基盤で回し、正式文書だけを翻訳会社に依頼するという分け方にすると、費用と品質のバランスをとりやすくなります。

依頼前に整えておきたい原稿の準備

英文翻訳の仕上がりと費用は、依頼先選びだけでなく、依頼する側の原稿の状態にも大きく左右されます。翻訳者は原稿に書かれていることしか訳せないため、原稿の曖昧さはそのまま訳文の曖昧さや、確認のやり取りの増加につながります。依頼前に次の点を整えておくと、修正の往復を減らせます。

準備すること 理由
原稿を確定版にしてから依頼する 翻訳途中の原稿修正は、差分の特定や再翻訳で費用と納期が膨らみやすい
主語と目的語を明記する 日本語で省略された主語は、英語では明示が必要。誰が何をするのかを翻訳者が推測せずに済む
固有名詞の英語表記を一覧にする 社名、製品名、部署名、役職名の表記が文書ごとにぶれるのを防ぐ
読み手と用途を伝える 米国向けか英国向けか、専門家向けか一般向けかで、綴りや語調の選び方が変わる
過去の訳文や参考資料を渡す 以前の翻訳や競合の英語サイトがあれば、用語とトーンをそろえやすい
編集可能なファイル形式で渡す 画像やPDFだけで渡すと、文字の抽出やレイアウト調整に追加費用がかかる場合がある

特に社内マニュアルのように継続的に更新される文書は、最初の依頼時に用語集と表記ルールを作っておくと、2回目以降の依頼がぐっと楽になります。こうした準備は翻訳会社任せにせず、原稿を書く部署と翻訳を発注する部署の間で分担を決めておくと、担当者が替わっても品質を保ちやすくなります。

英文翻訳でよくある失敗パターン

英文翻訳のトラブルは、翻訳者の力量よりも、依頼の仕方や方法の選び方に原因があることが少なくありません。よくある失敗と、その対策を整理します。

失敗パターン(Before) 起こりやすい問題 対策(After)
重要な文書を機械翻訳の結果のまま使う 誤訳が対外的な信用や契約上のトラブルにつながる 公開・提出する文書は、人による確認やネイティブチェックを必ず通す
文字単価の安さだけで依頼先を選ぶ 確認工程がなく、修正や再依頼で結果的に費用と時間が増える 見積もりに含まれる工程をそろえて比較する
専門分野の実績がない翻訳者に依頼する 法律・技術・医療などの専門用語が誤って訳される 対象分野の実績を確認し、可能なら試訳で品質を確かめる
無料の翻訳ツールに機密文書を入力する 利用規約によっては入力内容が保存・利用され、情報漏えいのリスクになる 入力データの扱いを確認し、機密文書は法人向けサービスやNDAを結んだ依頼先を使う
日常の連絡まで都度翻訳を依頼する 費用がかさみ、翻訳待ちで業務が遅れる 正式文書は翻訳会社、日常の共有は多言語対応の社内ツールと役割を分ける

英文翻訳に関わる法務面の注意点

契約書や個人情報を含む文書を翻訳する場合は、翻訳の品質とは別に、法務面で確認しておきたい点があります。ここでは一般的な考え方を紹介します。

契約書の言語優先条項

日本語と英語の両方で契約書を作成する場合、両者の解釈に違いが生じたときにどちらを優先するかを定める条項(言語優先条項)を設けることが、国際取引の実務では一般的とされています。翻訳版を参考訳と位置づけ、原文を優先する旨を明記する例も多いとされますが、自社に不利な言語が優先されていないかは、契約前に確認しておきたいポイントです。

個人情報を含む文書の翻訳委託

顧客情報や従業員の人事情報を含む文書を翻訳会社に依頼する場合、個人情報保護法上の委託に当たると整理されることが一般的で、委託元には委託先を適切に監督することが求められるとされています。また、海外にある翻訳会社や翻訳者に依頼する場合は、外国にある第三者への提供に関する規律への対応が必要になる場合があります(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(外国にある第三者への提供編)」)。翻訳に不要な個人情報は、依頼前に削除や置き換えをしておくのも有効な対策です。

秘密保持契約と訳文の権利

機密性の高い文書を依頼する際は、業務開始前に秘密保持契約を結んでおくのが一般的です。また、訳文は原文をもとにした二次的な著作物に当たりうるため、訳文の権利の扱いや再利用の可否についても、契約時に取り決めておくと後のトラブルを防げます。なお、海外への特許出願を予定している中小企業などを対象に、翻訳費用を含む外国出願の費用の一部を補助する公的な支援制度もあります(出典:特許庁「外国出願に要する費用の半額を補助します」)。対象や要件は年度によって変わるため、公式情報で確認してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の契約や個人情報の取り扱いについては、弁護士などの専門家や関係機関にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 英文翻訳と和文英訳は何が違いますか?

A. 実務上はほぼ同じ意味で使われ、どちらも日本語の文章を英語に訳すことを指します。英語の文章を日本語に訳す場合は英文和訳と呼ばれます。依頼時は翻訳の方向を明確に伝えることが大切です。

Q. 英文翻訳の費用はどのくらいかかりますか?

A. 翻訳会社に依頼する場合、日本語原稿の文字数を基準に計算されるのが一般的です。日本翻訳連盟が公開する目安では、日英翻訳は分野によって和文1文字あたり20円から30円程度(税別)とされていますが、専門性や納期、確認工程の有無などで大きく変わるため、見積もりで確認しましょう。

Q. 契約書を機械翻訳だけで訳しても問題ありませんか?

A. おすすめできません。契約書は一語の解釈が権利義務に関わるため、機械翻訳の結果をそのまま使うと誤訳のリスクがあります。法務分野の実績がある翻訳者への依頼と、法務担当者や弁護士による確認を組み合わせるのが安全です。

Q. ネイティブチェックは必ず必要ですか?

A. 社内でのみ使う資料であれば省略する選択肢もありますが、Webサイトや広告、取引先に提出する文書など、英語圏の読み手に公開するものでは付けておくと安心です。標準料金に含まれるかオプションかは依頼先によって異なります。

Q. 翻訳会社とフリーランス翻訳者はどう使い分ければよいですか?

A. 契約書や大量の文書、多言語展開など、確認体制や秘密保持の仕組みが必要な場合は翻訳会社が向いています。分野が明確で、社内に訳文を確認できる人がいる場合は、翻訳者と直接やり取りできるフリーランスも選択肢になります。

Q. 海外拠点との日常的な連絡も翻訳を依頼すべきですか?

A. 毎日発生する連絡や通知まで都度依頼すると、費用と時間がかさみがちです。正式な文書は翻訳会社に依頼し、日常の情報共有は表示言語の切り替えや翻訳機能を備えた多言語対応のグループウェアで回すなど、役割を分けると運用しやすくなります。

まとめ

英文翻訳は、文書の重要度と用途に応じて方法と依頼先を選ぶことが基本です。最後に、今日から取り組める5つのことを整理します。

  1. 訳したい文書を一般文書、契約書、技術文書、マーケティング文書に分け、重要度に応じて人力翻訳、機械翻訳、機械翻訳と人の確認の組み合わせを使い分ける
  2. 公開されている料金の目安を参考にしつつ、見積もりは確認工程や追加費用の範囲をそろえて比較する
  3. 主語の明記、固有名詞の表記一覧、用途の共有など、依頼前に原稿を整えておく
  4. 契約書の言語優先条項、個人情報の取り扱い、秘密保持契約を事前に確認する
  5. 日常のやり取りまで都度翻訳を依頼している場合は、多言語対応のグループウェアで共有の仕組みそのものを見直す

まずは自社で翻訳が必要になっている文書と、その頻度を洗い出すところから始めてみましょう。

参考文献

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top