仕訳帳とは?書き方・記入例と総勘定元帳との違い、取引量に応じた見直し方

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  • 仕訳帳の意味と総勘定元帳との違い、記入項目と取引別の記入例がわかる
  • 手書き・Excel・会計ソフトという仕訳帳の作り方の違いと保存期間を確認できる
  • 取引量や拠点・子会社が増えたときの仕訳帳の見直し方がわかる

「仕訳帳」と検索する方の多くは、簿記を学び始めて仕訳帳の役割や書き方を知りたいか、手書きやExcelで帳簿を付けていて「このままのやり方で大丈夫なのか」と感じているかのどちらかではないでしょうか。仕訳帳は、会社や個人事業のすべての取引を日付順に記録する、帳簿の出発点ともいえる帳簿です。

この記事では、仕訳帳の意味と総勘定元帳との違い、記入例つきの書き方、手書き・Excel・会計ソフトという作成方法ごとの違いを整理します。さらに、一般的な解説記事ではあまり触れられていない「取引量が増えたとき、どの段階で仕訳帳の付け方を見直すべきか」という視点から、単体で決算している会社と、子会社や複数拠点を持つ会社それぞれの考え方までを、国税庁などの公的資料をもとに解説します。

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Q1. いまの仕訳帳の付け方は?

目次

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  1. 仕訳帳の作成を効率化する会計ソフトの比較
  2. 仕訳帳とは|総勘定元帳との違い
  3. 仕訳帳の書き方・記入例
  4. 仕訳帳の作成方法の種類|手書き・Excel・会計ソフト
  5. 取引量が増えたら仕訳帳はどう見直す?
  6. 仕訳帳運用でよくある失敗パターン
  7. 記帳時間を数値で確認する
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

仕訳帳の作成を効率化する会計ソフトの比較

仕訳帳を会計ソフトで作る場合、1社の日々の仕訳を自動化するクラウド会計と、グループ各社の仕訳データをまとめる連結会計の2種類から、自社の決算の形に合うものを選びます。仕訳帳の書き方を先に知りたい方は、次の章から読み進めてください。

会計ソフトを使うと、取引ごとに仕訳を1回入力するだけで、仕訳帳だけでなく総勘定元帳や補助簿、試算表まで自動で作られます。手書きやExcelでは避けられなかった転記の作業そのものがなくなるため、転記ミスや集計漏れの心配も小さくなります。ここでは、仕訳帳の作成と管理を効率化する2つのサービスを、役割の違いがわかるように並べました。

比較項目 マネーフォワード クラウド会計 マネーフォワード クラウド連結会計
仕訳帳との関わり1社の取引を仕訳として記録し、仕訳帳・総勘定元帳・決算書を自動作成各社の仕訳・決算データを集め、グループ全体の連結決算にまとめる
向いている会社個人事業主、小規模から中小企業子会社や海外拠点を持つグループ企業
特徴的な機能2,400社以上の金融機関等との連携による明細の自動取込、AIによる勘定科目の提案各社データのクラウド収集、Excelファイルの直接取り込み、連結科目のAIサジェスト、外貨換算
法令・制度への対応電子帳簿保存法・インボイス制度に対応、法令改正時は無料でアップデート各社の既存会計システムを変えずに導入でき、日本語と英語の切り替えに対応
注意したい点従業員51名以上の法人は個別見積もり。連結決算の機能は含まない単体の仕訳入力は各社の会計ソフトで行う前提。1社のみの会社には不要

表のとおり、2つのサービスは優劣ではなく役割が異なります。1社で決算している会社や個人事業主が、手書きやExcelの仕訳帳から移る場合は、マネーフォワード クラウド会計のような標準的なクラウド会計が比較の起点になります。銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、取引内容から勘定科目を提案してくれるため、仕訳を1件ずつ考えて入力する負担を減らせます。仕訳帳は日付順に自動で並び、総勘定元帳への転記も不要です。経理に慣れていない担当者向けのサポートも用意されています。料金は事業規模とプランによって異なるため、資料や公式サイトで最新の条件を確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド会計

マネーフォワード クラウド会計
出典:biz.moneyforward.com

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド会計

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評価・口コミ(一部抜粋)
4.2
  • 銀行やクレジットカードから仕訳入力や取引データの取得が自動化され、会計業務にかかる時間を大幅に短縮できました。AIによる自動仕訳やレポート自動生成機能により、経営状況の可視化やミスの防止も実現。帳票を出力して提出書類として扱いやすいのがメリットです。

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  • 年度繰り越しもあっという間にできるし、確定申告も決められた所に数字を入れれば簡単にできるので助かっています。 また分からないことがあっても、AIにはなりますが24時間いつでも聞けるのが魅力的です。だいたい聞いたら解決できます。

実際に使ってみたレビュー記事はこちら

【レビュー】マネーフォワードクラウド会計を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある会計ソフトの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド会計」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。

一方、子会社や複数拠点があり、各社の仕訳帳から作った数字を合算する必要がある会社では、単体の会計ソフトを入れるだけでは統合の作業が残ります。この場合の考え方は、後半の「子会社・複数拠点の仕訳を統合したい場合」で詳しく解説します。無料の会計ソフトから始めたい方は、フリー会計とは?無料の会計ソフトと有料版の違い・成長段階別の選び方もあわせてご覧ください。

仕訳帳とは|総勘定元帳との違い

仕訳帳とは、すべての取引を発生した日付順に、借方と貸方に分けて記録する帳簿です。複式簿記では総勘定元帳と並ぶ「主要簿」の1つで、取引の記録はまず仕訳帳に書かれ、そこから勘定科目ごとの総勘定元帳へ書き写されます。

複式簿記では、1つの取引を「原因」と「結果」の2つの面からとらえて記録します。たとえば、現金で文房具を買ったなら「消耗品費が増えた」という面と「現金が減った」という面があります。この2つの面を、左側の借方と右側の貸方に分けて書き表すことを「仕訳」といい、その仕訳を1冊にまとめたものが仕訳帳です。取引が起きた順番に並んでいるため、「いつ、どんな取引があったか」をあとから時系列でたどれるのが仕訳帳の大きな役割です。

これに対して総勘定元帳は、仕訳帳の内容を「現金」「売上」「消耗品費」といった勘定科目ごとに並べ替えた帳簿です。仕訳帳が取引の日記だとすれば、総勘定元帳は科目別の家計簿のようなもので、「現金がいくら残っているか」「今月の売上はいくらか」を科目ごとに確認するために使います。

比較項目 仕訳帳 総勘定元帳
並び順取引が発生した日付順勘定科目ごと
主な役割すべての取引を漏れなく時系列で記録する科目ごとの増減と残高を把握する
作成の順番取引が起きたら最初に記入する仕訳帳から転記して作成する
使う場面特定の日の取引内容を確認する、誤りの原因をたどる試算表や決算書を作る、残高を確認する

仕訳帳と総勘定元帳は、法人税法上も保存が求められる帳簿です。国税庁のタックスアンサー「No.5930 帳簿書類等の保存期間」では、法人は帳簿を備え付けて取引を記録し、その帳簿を確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならないとされ、帳簿の例として総勘定元帳と並んで仕訳帳が挙げられています。欠損金が生じた事業年度などでは、保存期間が10年間になる場合もあります。

個人事業主の場合も、青色申告で最大の特別控除を受けるには、複式簿記による記帳が要件の1つになります。国税庁の「No.2070 青色申告制度」では、青色申告の特典を受けるための帳簿の備え付けや記録、保存の要件が説明されています。複式簿記で記帳するということは、実質的に仕訳帳と総勘定元帳を作ることと同じ意味を持ちます。なお、仕訳帳の代わりに現金出納帳などの補助簿を使って記帳する方法が認められる場合もあるため、自社の帳簿の組み立て方は税理士に確認しておくと安心です。

仕訳帳の書き方・記入例

仕訳帳には、日付、勘定科目、摘要、借方・貸方の金額、元丁を記入し、1つの取引の借方合計と貸方合計が必ず一致するように書きます。最初は項目の意味と、代表的な取引の記入例を押さえておけば十分です。

仕訳帳に記入する項目

項目 書く内容
日付取引が発生した年月日
勘定科目借方・貸方それぞれの勘定科目。借方を上の行、貸方を下の行に書くのが一般的
摘要取引先や取引の内容を簡潔に記入する(例:A社へ商品売上)
元丁転記先の総勘定元帳のページ番号や口座番号。転記済みの目印にもなる
借方金額・貸方金額それぞれの科目の金額。1つの取引の借方合計と貸方合計は同額になる

よくある取引の記入例

借方と貸方のどちらに書くかは、勘定科目のグループで決まります。資産と費用が増えたら借方、負債・純資産・収益が増えたら貸方に書き、減ったときはその逆側に書く、というのが基本のルールです。次の表は、中小企業でよく発生する取引の記入例です。

取引の内容 借方 貸方
事務用の備品を現金で購入した備品現金
商品を掛けで販売した売掛金売上
売掛金が普通預金に入金された普通預金売掛金
商品を掛けで仕入れた仕入買掛金
事務所の家賃を普通預金から支払った地代家賃普通預金

1つの取引で借方や貸方の科目が複数になる「複合仕訳」もあります。たとえば、商品を売り上げて代金の一部を現金で受け取り、残りを掛けにした場合は、借方に現金と売掛金の2行、貸方に売上の1行を書きます。このときも、借方の金額の合計と貸方の金額の合計は必ず一致します。一致しない場合は、金額や科目の書き間違いがあるサインです。

記入するときの注意点

手書きの仕訳帳で間違えた場合は、修正液や消しゴムで消さずに、誤った箇所に二重線を引いて正しい内容を書き加えるのが一般的です。帳簿は税務調査などで内容を確認されることがあるため、いつ、どのように修正したかが分かる状態にしておくことが大切です。また、摘要は「雑費」のようにあいまいに書かず、取引先名や品目を入れておくと、あとで総勘定元帳の残高が合わないときに原因を探しやすくなります。消費税の課税事業者であれば、税率ごとの区分が分かるように記録しておく必要もあります。

仕訳帳から決算書までの帳簿付けの流れ

仕訳帳は単独で完結する帳簿ではなく、決算書を作るまでの一連の流れの入口にあたります。仕訳帳への記入が全体のどこに位置するのかを知っておくと、1件の書き間違いがあとの帳簿すべてに影響する理由も理解しやすくなります。帳簿付けは、一般的に次の順番で進みます。

順番 作業 内容
1取引の確認領収書や請求書、通帳などの証拠書類から、取引の日付・相手先・金額を確認する
2仕訳帳への記入取引を借方と貸方に分け、日付順に記録する
3総勘定元帳への転記仕訳の内容を勘定科目ごとの口座に書き写し、仕訳帳の元丁欄に転記先を記入する
4試算表の作成総勘定元帳の各科目の合計や残高を集計し、借方と貸方が一致するかを確かめる
5決算整理と決算書の作成決算整理仕訳を仕訳帳に記入し、貸借対照表と損益計算書を作成する

仕訳帳と総勘定元帳は、複式簿記で必ず作成する主要簿です。これに対して、現金出納帳や売掛金元帳、買掛金元帳のように、特定の取引や勘定科目の明細を記録して主要簿を補う帳簿を補助簿といいます。補助簿は必要に応じて作成するもので、たとえば売掛金の残高を取引先ごとに把握したいときに使います。試算表で借方と貸方が一致しない場合は、流れを逆にたどり、総勘定元帳への転記、仕訳帳の記入の順に確認していくと原因を見つけやすくなります。

決算時に行う仕訳帳の締め切り

期末には、その事業年度の記録を区切って次の年度につなげるために、帳簿の締め切りを行います。仕訳帳では、まず期中の取引の借方合計と貸方合計を計算し、両者が一致することを確かめたうえで合計線と締切線を引いて区切ります。続いて決算整理仕訳と決算振替仕訳を記入し、同じように合計を確認して締め切ります。決算振替仕訳とは、収益と費用の各勘定の残高を「損益」という勘定に集め、当期の利益または損失を純資産の勘定へ振り替える仕訳のことです。資産・負債・純資産の残高は次期に繰り越しますが、この繰り越しを仕訳帳に記入せず総勘定元帳の上で直接行う方法を英米式、残高勘定を設けて仕訳帳にも仕訳として記入する方法を大陸式と呼びます。実務や簿記の学習では、手順が簡便な英米式が一般的に使われています。

締め切った仕訳帳は、そのまま保存の対象になります。前の章で紹介した法人税法上の保存期間に加えて、会社法第432条では、株式会社は会計帳簿の閉鎖の時から10年間、その会計帳簿と事業に関する重要な資料を保存しなければならないと定められています。株式会社の場合は、税法上の期間が過ぎた帳簿でもすぐに廃棄せず、10年間を目安に保管しておくと安心です。会計ソフトでは、締め切りや繰り越しにあたる処理が年度の更新として自動で行われるため、手書きのように線を引く作業はありませんが、締めた年度のデータをあとから書き換えられないように管理しておく点は同じです。

仕訳帳の作成方法の種類|手書き・Excel・会計ソフト

仕訳帳の作り方は、手書き、Excelなどの表計算ソフト、会計ソフトの3種類があり、費用の安さと手間の少なさがちょうど反比例する関係にあります。取引の件数と、帳簿を見る人数によって向いている方法が変わります。

作成方法 費用の目安 メリット デメリット
手書き市販の帳簿用紙代のみパソコンが不要で、簿記の流れを理解しやすい総勘定元帳への転記や集計をすべて手作業で行う必要があり、ミスが起きやすい
Excelなどの表計算ソフトソフトの利用料のみ(既に使っていれば追加費用なし)並べ替えや集計の関数を使え、テンプレートを自由に作れる数式の破損やファイルの版の混在が起きやすく、制度改正への対応は自分で行う
会計ソフト無料プランから、月額・年額の有料プランまで幅がある仕訳の入力だけで各帳簿と決算書が自動作成され、明細の自動取込も使える利用料がかかり、操作に慣れるまでの時間が必要

手書きの仕訳帳は、簿記を学ぶ段階や、取引が月に数件から数十件程度の小さな事業であれば十分に機能します。ただし、仕訳帳に書いた内容を総勘定元帳に写し、さらに試算表にまとめる作業がすべて手作業になるため、件数が増えるにつれて時間とミスが比例して増えていきます。

Excelの仕訳帳は、手書きに比べて集計が格段に楽になり、費用もほとんどかからないため、多くの小規模事業者が最初に選ぶ方法です。一方で、行を挿入したときに集計の数式が崩れる、複数人で編集して最新のファイルがどれか分からなくなる、といった管理上の問題が起きやすくなります。電子帳簿保存法の要件を満たした形で保存できているかも、自分で確認しなければなりません。

会計ソフトは、仕訳を入力した時点で仕訳帳と総勘定元帳の両方に反映されるため、「転記」という作業そのものがなくなります。クラウド型であれば、銀行口座やクレジットカードの明細から仕訳の候補を自動で作ったり、税理士と同じデータを同時に見たりすることもできます。国税庁の「電子帳簿保存法関係」のページでは、帳簿を電子データのまま保存する際のルールや、電子で受け取った請求書などの保存方法が公開されています。電子で帳簿を保存するなら、会計ソフトがこれらのルールにどう対応しているかを確認しておきましょう。

取引量が増えたら仕訳帳はどう見直す?

仕訳帳の付け方は、月間の仕訳件数と、帳簿を作る会社や拠点の数を目安に見直します。件数が増えたら入力の自動化を、会社や拠点が増えたら仕訳データを統合する仕組みを検討するのが基本の考え方です。

中小企業庁の「2025年版中小企業白書」では、中小企業のデジタル化の取組段階として、紙や口頭中心の段階から、デジタルツールの部分的な利用、デジタル化による業務効率化、さらにビジネスモデルの変革へと進む流れが示されています。仕訳帳に当てはめると、手書きからExcelへ、Excelから会計ソフトへ、そして会社ごとの帳簿からグループ全体の数字の一元管理へ、という順番で見直していくことになります。次の表は、取引量と会社の形から見た見直しの目安です。件数の区切りは一般的な目安であり、1件あたりの処理の複雑さによって前後します。

状態 起きやすい課題 見直しの方向
月の仕訳が数十件程度記帳の習慣が定着していない手書きやExcel、無料の会計ソフトでも対応可能
月の仕訳が数百件以上転記と集計に時間がかかり、月次の数字が遅れる明細の自動取込がある会計ソフトで入力を自動化
経理担当者が複数人ファイルの版が混在し、誰が何を入力したか分からないクラウド型で同じデータを共有し、権限を設定
子会社・複数拠点がある各社の仕訳帳の数字を手作業で合算している各社のデータを集めて連結する仕組みを追加

単体決算での自動化

1社で決算している会社が仕訳帳を見直すときは、「入力する件数そのものを減らせるか」が最大のポイントです。会計ソフトの明細の自動取込を使うと、銀行やクレジットカードの取引が仕訳の候補として自動で並び、担当者は内容と勘定科目を確認して登録するだけになります。毎月同じ内容で発生する家賃や通信費などは、自動で仕訳を登録するルールを設定しておけば、入力の手間はさらに減ります。

業種によって、自動化の効き方は変わります。たとえば小売業や飲食業は、1日の売上の取引件数が多い業種です。レシート1枚ごとに仕訳を切るのではなく、POSレジの日次の売上データを会計ソフトに連携し、1日分を支払い方法ごとにまとめて仕訳にする運用にすると、仕訳帳の件数を大きく減らしつつ、売上の記録漏れも防げます。一方で、キャッシュレス決済の入金は手数料が差し引かれて入ってくるため、売上と入金額の差額を手数料として仕訳するルールを最初に決めておくことが重要です。

子会社・複数拠点の仕訳を統合したい場合

子会社や複数の拠点を持つ会社では、仕訳帳をめぐる課題が「1社の記帳を速くすること」から「グループ各社の数字を正確に、早くまとめること」に変わります。たとえば製造業で、販売会社や海外の生産子会社を持つグループの場合、各社がそれぞれの仕訳帳と総勘定元帳を作り、親会社はそれを集めて、勘定科目を連結用の科目にそろえ、グループ内の売買や貸し借りを相殺し、海外子会社の外貨を換算する必要があります。この作業を各社から届くExcelファイルとメールのやり取りで進めていると、転記ミスや版の取り違えが起き、決算の数字が固まるまでに時間がかかります。

ここで押さえておきたいのは、各社の会計ソフトをそろえても、グループの数字をまとめる手作業は残るという点です。必要なのは、各社の仕訳帳はそれぞれの会計ソフトで作りつつ、そのデータを集めて連結する仕組みを追加することです。マネーフォワード クラウド連結会計は、グループ各社が入力した財務データをクラウド上で一元管理し、親会社がリアルタイムに確認できる連結会計システムです。マネーフォワード クラウド会計とはAPIで連携でき、他の会計システムを使っている子会社はExcelファイルをそのまま取り込めるため、各社の会計ソフトを統一しなくても導入できます。連結科目の自動提案や外貨換算、日本語と英語の切り替えにも対応し、専任担当者による初期設定からのサポートもあります。料金は資料や問い合わせで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド連結会計

マネーフォワード クラウド連結会計
出典:biz.moneyforward.com

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド連結会計

短期間かつ低コストで導入したい中堅から上場企業におすすめ

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5 (1件)

評判・口コミを紹介

優れたUI/UXの効果として、メンバーの早期戦力化も挙げられます。教育コストが抑えられると同時にメンバーの成長も加速しており、2023年4月に経理未経験で入社をしたメンバーもすでに問題なく使いこなせています。それにより、既存メンバーの業務時間も大幅に削減されました。

連結会計の導入事例(株式会社日輪)|株式会社マネーフォワード
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  • 「マネーフォワード クラウド会計」及び「マネーフォワード クラウド会計Plus」以外の会計システムは今後API連携の予定
評価・口コミ(一部抜粋)
5
  • 連結決算業務の工数を約3分の1に削減できました。Excelでの手作業に比べて、圧倒的な効率化を実感しています。 さらに、システム導入の過程で過去の連結決算における入力ミスも発覚し、正確な数値に修正できたことは予想外の成果でした。専門知識を持つ担当者がいなくても、正確かつ効率的に連結決算が行えるようになった点が、本サービスの最大の貢献だと感じています。

なお、連結財務諸表の作成が法令上求められるかどうかは、上場の有無や会社の形態によって異なります。法定の開示義務がない会社でも、金融機関への説明やグループ全体の経営管理のために連結ベースの数字を作ることは珍しくありません。自社に求められる範囲については、顧問の公認会計士や税理士に確認しましょう。

仕訳帳運用でよくある失敗パターン

仕訳帳の運用でよくある失敗は、拠点ごとのExcel分裂、科目ルールのばらつき、保存方法の未整備の3つです。いずれも普段は気づきにくく、決算や税務調査のタイミングで表面化します。スイッチを切り替えると、失敗例と改善策を見比べられます。

よくある失敗 改善策

失敗パターン1:拠点ごとにExcelの仕訳帳が分裂した。店舗や支店がそれぞれ独自の様式で仕訳帳を作り、決算時に列の並びや日付の形式がそろわず、統合に何日もかかった。

失敗パターン2:担当者ごとに勘定科目の使い方が違った。同じ種類の支出が消耗品費と雑費に分かれて記録され、月ごとの比較や予算管理ができなくなった。

失敗パターン3:仕訳帳の保存方法を決めていなかった。過去のExcelファイルが上書きされ、税務調査で数年前の仕訳の根拠を示せなかった。

中でも見落とされやすいのが、1つ目のExcelの分裂です。拠点が1つのうちは担当者が1人でExcelを管理できるため問題が起きませんが、2店舗目や2つ目の営業所ができたときに「とりあえず同じファイルをコピーして使ってもらう」という運用を始めると、半年もすれば様式も科目の使い方もばらばらになります。月次の数字を見るたびに各拠点のファイルを開いて手で集計する状態になったら、それが見直しのサインです。

3つの失敗に共通しているのは、「今は困っていないから」と仕組みづくりを後回しにした結果、決算や税務調査という一番余裕のない時期に問題が表面化している点です。会計ソフトへの移行や拠点データの統合には、過去の仕訳データの取り込みや科目の整理、担当者の操作習得に一定の期間がかかります。期の途中で切り替えると同じ事業年度のデータが2か所に分かれるため、期首や決算が終わったタイミングを目安に計画しておくと安心です。

記帳時間を数値で確認する

仕訳帳の付け方を見直す価値があるかは、「月間の仕訳件数×1件あたりの記帳時間×自動化で減らせる割合」でおおよそ見積もれます。手書きやExcelでは、仕訳帳への記入に加えて総勘定元帳への転記の時間もかかっている点を踏まえて、下のスライダーで自社に近い値を入れてみてください。

仕訳帳の記帳時間シミュレーター

現在の年間記帳時間:60.0時間

自動化後の年間記帳時間:30.0時間

年間の削減時間の目安:30.0時間

※入力値に基づく簡易計算です。実際の削減効果は、連携できる金融機関の数や取引の内容によって大きく異なります。

試算で出た削減時間に経理担当者の時給を掛けると、1年間で浮く人件費の目安になります。この金額が会計ソフトの年間利用料を上回るなら、費用面でも会計ソフトへ移る価値があるといえます。削減時間がわずかであれば、今の方法のまま続け、取引が増えた時点で改めて試算し直すのが合理的です。

この試算は1社の仕訳帳の記帳時間だけを対象にしています。複数の拠点や子会社がある会社では、これに加えて各拠点のファイルの回収、形式の統一、科目の組み替え、グループ内取引の相殺といった統合作業の時間がかかります。統合作業は拠点や会社の数が増えるほど膨らむため、毎月どれだけの時間を使っているかを一度書き出してみると、連結会計の仕組みを検討すべきかどうかの判断材料になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 仕訳帳と総勘定元帳の違いは何ですか?

A. 仕訳帳はすべての取引を日付順に借方と貸方に分けて記録する帳簿で、総勘定元帳は仕訳帳の内容を勘定科目ごとに並べ替えて残高を把握する帳簿です。取引はまず仕訳帳に記入し、そこから総勘定元帳へ転記します。会計ソフトでは、仕訳を入力すると両方に自動で反映されます。

Q. 仕訳帳には何を書けばよいですか?

A. 日付、借方・貸方の勘定科目、摘要、元丁、借方・貸方の金額を記入します。1つの取引の借方合計と貸方合計は必ず一致します。摘要には取引先名や品目を入れておくと、あとで取引内容を確認しやすくなります。

Q. 仕訳帳の保存期間は何年ですか?

A. 国税庁のタックスアンサー「No.5930 帳簿書類等の保存期間」では、法人は仕訳帳などの帳簿を確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があるとされています。欠損金が生じた事業年度などでは10年間になる場合があります。個人事業主の保存期間は申告の種類などで異なるため、国税庁の資料や税理士に確認してください。

Q. 仕訳帳はExcelで作ってもよいですか?

A. Excelなどの表計算ソフトで作ることもできます。取引が少ないうちは費用をかけずに運用できますが、件数や担当者、拠点が増えると、数式の破損やファイルの版の混在が起きやすくなります。電子データのまま保存する場合は、国税庁が公開している電子帳簿保存法のルールも確認しましょう。

Q. 手書きやExcelから会計ソフトに切り替える目安はありますか?

A. 月の仕訳が数百件を超えて転記や集計に時間がかかるようになった、経理担当者が複数人になった、拠点が2つ以上になった、のいずれかに当てはまったときが目安です。同じ事業年度のデータが分かれないよう、期首や決算後に切り替えるのが安全です。

Q. 子会社や複数拠点の仕訳帳はどうまとめればよいですか?

A. 各社・各拠点の仕訳帳はそれぞれの会計ソフトで作りつつ、そのデータを集めてまとめる仕組みを別に用意するのが基本です。Excelでの手作業の統合は会社が増えるほど転記ミスや属人化が起きやすいため、各社のデータをクラウドで集められるマネーフォワード クラウド連結会計のような連結会計システムを検討するとよいでしょう。

まとめ

仕訳帳は、すべての取引を日付順に借方と貸方で記録する、帳簿の出発点です。書き方の基本は変わりませんが、取引の件数や担当者、拠点や会社の数が増えるにつれて、最適な作り方は変わっていきます。自社の仕訳帳を見直すために、次の4点を確認しましょう。

  1. 仕訳帳と総勘定元帳の役割の違いと、日付・勘定科目・摘要・元丁・金額という記入項目を押さえる
  2. 仕訳帳は法人税法上の保存対象の帳簿であり、原則7年間の保存が必要なことを確認する
  3. 月間の仕訳件数と記帳時間を試算し、手書きやExcelから会計ソフトへ移る時期を決めておく
  4. 拠点や子会社が増えたら、Excelの分裂を防ぎ、各社の仕訳データを統合する仕組みを検討する

まずは今の仕訳帳の付け方と月間の仕訳件数を確認し、このままの方法で続けるか、会計ソフトや連結会計の仕組みを比較するかを判断するところから始めてみてください。なお、本記事の内容は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の税務・会計上の判断に関する助言ではありません。具体的な対応は税理士や公認会計士などの専門家にご相談ください。

参考文献

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