連携重視型のクラウド給与計算ソフトとは?機能・人数課金の仕組みと勤怠連携での選び方

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  • 他社連携型・同一シリーズ型・労務一体型の違いがわかる
  • クラウド型とオンプレ型の違いと更新対応がわかる
  • 給与計算システムの移行の時期と手順がわかる

「マネーフォワード給与」で検索する方の多くは、クラウド給与計算ソフトを新しく導入するか、今の給与計算の仕組みから乗り換えるかを検討している段階ではないでしょうか。気になるのは、どこまで自動で計算してくれるのか、料金は人数でどう変わるのか、今使っている勤怠システムとつながるのか、そして旧システムやオンプレミス型のソフトからどう移行するのか、という点だと思います。この記事では、マネーフォワード クラウド給与に代表される他社連携型の機能と料金の仕組みを整理し、同一シリーズ型・労務一体型との違い、オンプレミス型との違い、移行の進め方まで比較します。

あなたの会社に合う給与計算ソフトを診断(2問)

Q1. 今の給与計算の状況は?

目次

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  1. クラウド給与計算ソフトの比較|他社連携型・同一シリーズ型・労務一体型
  2. マネーフォワード クラウド給与とは
  3. マネーフォワード クラウド給与の主な機能
  4. マネーフォワード クラウド給与の料金プラン
  5. クラウド型とオンプレミス型の給与計算ソフトの違い|利点と欠点・更新対応
  6. 給与計算システムの移行の進め方|時期・手順・並行稼働
  7. 勤怠・労務管理まで一体運用したい場合の選び方
  8. 給与計算でよくある失敗パターン
  9. 導入コストを数値で確認する
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ
  12. 参考文献

クラウド給与計算ソフトの比較|他社連携型・同一シリーズ型・労務一体型

クラウド給与計算ソフトは、勤怠や人事のデータをどう受け取るかで「他社連携型」「同一シリーズ型」「労務一体型」の3つに分けて考えると選びやすくなります。マネーフォワード クラウド給与は、さまざまな他社の勤怠・人事サービスとつなげられる他社連携型の代表例です。一方で、勤怠から給与まで同じブランドでそろえたい企業や、労務手続きまで一体で運用したい企業には、別の選択肢が合うこともあります。

タイプ データのつなぎ方 長所 短所
他社連携型 APIやCSVで他社の勤怠・人事サービスとつなぐ 今使っている勤怠システムを残したまま導入しやすい 連携の設定や項目の対応づけを自社で管理する必要がある
同一シリーズ型 同じシリーズの勤怠・人事と標準でつながる CSVを介さずにデータが流れ、問い合わせ窓口も一本化できる 既存の勤怠システムから乗り換える手間がかかる
労務一体型 給与計算と社会保険手続き・年末調整を同じ仕組みで扱う 入退社から年末調整まで情報の二重入力が減る 給与計算だけを使いたい場合は機能が余ることがある

同一シリーズ型と労務一体型の代表的なサービスを、ビジネスコンシェルジュの商品ページに掲載されている内容(2026年10月15日確認)で比べると次のとおりです。どちらも「給与計算の前後の業務をどこまで一つの仕組みにまとめるか」という視点で選ぶサービスで、優劣ではなく役割の違いで並べています。

ジンジャー給与とオフィスステーションの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:ジンジャー給与。シリーズ連携で人事情報から給与計算までを同じジンジャーで完結できます

資料を無料ダウンロード

この状況に合う一例:オフィスステーション。公式サイトでは、労務や年末調整、給与などを選べる人事労務ソフトとして紹介されています

資料を無料ダウンロード
サービス ジンジャー給与 オフィスステーション
向いている会社 勤怠から給与までを同じシリーズで統一したい企業 給与計算を労務管理全体の一部として運用したい企業
特徴 シリーズ連携で人事情報から給与計算・各種社会保険の電子申請までジンジャーで完結できる。給与明細や源泉徴収票をWebで確認でき、年末調整にも対応する 計算準備・入力・計算・確認などを自動化し、見落としがちなミスを自動で抽出する。税率や社会保険料率を自動で反映し、法改正に対応する
注意したい点 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある。勤怠・人事データの自動反映はジンジャーの他サービスとの連携が前提で、他社サービスとはCSVでつなぐ 従業員数が少ない場合も一律の月額利用料がかかる料金体系のため、少人数では割高に感じる場合がある
資料・詳細

表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

すでに他社の勤怠システムを使っていて、それを残したいならマネーフォワード クラウド給与のような他社連携型が候補になります。反対に、勤怠システムもあわせて見直すなら、最初から同じシリーズでそろえたほうが連携設定の手間とデータ不一致のリスクを抑えられます。勤怠と給与を一本化したい企業の代表例がジンジャー給与です。

jinjer株式会社

ジンジャー給与

ジンジャー給与
出典:hcm-jinjer.com

jinjer株式会社

ジンジャー給与

低コストで導入したい中小企業向け

全体評価
3 (1件)
GOOD

ここがおすすめ!

  • 給与や賞与明細・源泉徴収票などインターネット上で確認できペーパーレス化に
  • 社会保険や労働保険・年末調整など年次業務にも対応
  • シリーズ連携で人事情報から給与計算・各種社会保険の電子申請までジンジャーで完結
  • 優れたUIで価格も安く気軽に導入しやすい
MORE

ここが少し気になる…

  • 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある
評価・口コミ(一部抜粋)
3
  • ジンジャー給与を導入したことで、勤怠データの手入力ほぼ不要になり、業務負担が大幅に軽減されました。給与計算のミスも減り、確認作業の時間短縮にもつながっています。クラウド上で作業できるため、場所を問わず作業できる点もメリットです。

他システムとの比較記事はこちら

料金の機能の詳細や利用イメージは
「サービス詳細はこちら」をクリック

同一シリーズでそろえた事例として、jinjer株式会社の導入事例ページには、勤怠と給与が別のシステムだった企業の声が掲載されています。

勤怠管理システムと給与計算システムが分断されており、それぞれにデータを入力する手間がかかるうえ、入力ミスも発生していました。

JR九州ビジネスパートナーズ株式会社の導入事例(jinjer株式会社)

マネーフォワード クラウド給与とは

マネーフォワード クラウド給与は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型の給与計算ソフトです。給与・賞与の計算に加えて、所得税、雇用保険料、社会保険料の計算、Web給与明細の配信、銀行との振込連携までをブラウザ上で行えます。会計や経費精算など同社のクラウドサービス群の一つとして提供されており、単体でも他社サービスと組み合わせても使える点が特徴です。公式サイトで案内されているのはクラウド版で、自社のサーバーにインストールして使うオンプレミス型ではありません(2026年10月15日時点の公式の機能・料金ページに基づく)。

給与計算の難しさは、計算式そのものより、計算に使う料率や税額表が毎年のように改定される点にあります。厚生年金保険料額表は日本年金機構、雇用保険料率は厚生労働省から公表され、年度ごとに見直されます。クラウド型のソフトは、こうした改定をサービス提供側が反映するため、担当者が料率表を探して手作業で差し替える負担が小さくなります。

ただし、自動化されるのはあくまで「登録された情報に基づく計算」です。従業員の扶養の状況、住民税の特別徴収額、手当の支給条件といった前提情報が間違っていれば、計算結果も間違います。導入前には、どの情報を誰が、いつ登録・更新するかという運用の分担を決めておく必要があります。これは他社連携型に限らず、どの給与計算ソフトでも共通する注意点です。

クラウド型給与計算ソフトの基本的な仕組みや種類をもう少し広く知りたい方は、中小企業向けクラウド給与計算ソフトの選び方もあわせてご覧ください。こちらでは会計連携や従業員規模の観点から、クラウド給与計算ソフト全般の選び方を整理しています。

マネーフォワード クラウド給与の主な機能

主な機能は、給与・賞与の自動計算、Web給与明細、銀行との振込連携、他サービスとのAPI・CSV連携の4つです。公式の料金ページでは、これらが各プランの共通機能として案内されています。ここでは導入効果に直結しやすいWeb給与明細、他サービス連携、前月比較、年末調整との連携を順に見ていきます。

Web給与明細によるペーパーレス化

Web給与明細は、従業員がパソコンやスマートフォンから自分の給与明細を確認できる機能です。紙の明細を印刷し、封入して配る作業がなくなるため、拠点が複数ある企業やテレワーク中心の企業ほど効果が大きくなります。明細の再発行依頼にも、従業員自身が過去分を確認することで対応しやすくなります。

注意したいのは、給与明細を電子で交付するには、事前に従業員の承諾を得ることが必要とされている点です。マネーフォワード クラウド給与の公式ページにも同じ注意書きがあります。承諾を得ていない従業員には書面で交付する必要があるため、導入時に同意の取り方と、同意しない従業員への対応方法を決めておきましょう。源泉徴収票の電子交付も同様の考え方です。詳しい要件は国税庁の年末調整に関するページなどで最新の情報を確認してください。

他サービスとの連携(勤怠管理システム・労務管理ソフト)

マネーフォワード クラウド給与の大きな特徴が、他社の勤怠管理や労務管理のサービスと連携できる範囲の広さです。公式の連携ページでは、KING OF TIME、ジョブカン、HRMOS勤怠などがAPIで連携できる勤怠ソフトとして、CSVで連携できる勤怠ソフトや連携できる労務管理ソフトも別に案内されています。今使っているシステムを入れ替えずに、給与計算だけをクラウド化しやすい構成です。連携できる具体的なサービス名は更新されるため、自社のシステムが対象かどうかは公式の連携ページで確認してください。

一方で、連携の仕組みがあることと、自社の運用にそのまま合うことは別の話です。勤怠システム側の「残業」「深夜」「休日出勤」といった項目が、給与側のどの支給項目に対応するのかを一つずつ設定する必要があり、ここを誤ると割増賃金の計算がずれます。割増賃金の考え方は厚生労働省の労働時間・休日のページで整理されています。連携を始める最初の数か月は、手計算や旧システムの結果と並行して照合する期間を設けると安心です。

同じマネーフォワード クラウドの勤怠管理と組み合わせる場合は、マネーフォワード勤怠の機能・料金・活用事例の解説が参考になります。勤怠管理システムそのものを比較したい場合は、勤怠管理システムのおすすめ比較もご覧ください。給与計算ソフトとの連携可否は、勤怠管理システムを選ぶ段階で確認しておくと、後から連携できないことが分かる事態を避けられます。

前月比較と帳票による確認・集計

毎月の給与確認で役立つのが前月比較機能です。公式のサポートサイトによると、前月に支給した給与額との差額や、前月の給与計算を確定した後に変更された従業員情報の箇所を確認できます。基本給や手当に変動があった従業員だけを見つけやすくなるため、全員分を目視で突き合わせる負担を減らせます。確認作業が担当者の経験に頼りがちな会社ほど、手順を標準化しやすくなります。

集計の面では、公式の機能一覧に、支給控除一覧表などの帳票の発行や、会計サービスとのデータ連携が挙げられています。給与データを使った人件費の分析や予実管理まで求める場合は、帳票の出力で足りるのか、会計システムや分析ツールと役割を分けるのかを、導入前に決めておくと運用が安定します。

年末調整との連携と導入時のサポート

給与計算ソフトを選ぶときは、毎月の計算だけでなく、年に一度の年末調整までつながるかも確認しておきたい点です。公式の機能一覧では、年末調整は同じシリーズの「マネーフォワード クラウド年末調整」、社会保険の手続きは「マネーフォワード クラウド社会保険」との連携として整理されています。別のサービスとの連携にあたるため、自社が使うプランに含まれるかどうかは公式サイトで確認が必要です。給与データと年末調整のデータを別々に管理すると、扶養の状況や源泉徴収額を二重に入力することになり、転記ミスの原因になります。年末調整を紙の申告書で回している企業は、給与計算の見直しとあわせて検討するとよいでしょう。

導入前には、ビジネスプラン相当の機能を1か月無料で試せるトライアルが用意されています(2026年10月15日時点の公式の料金ページに基づく)。トライアル期間中に、自社の勤怠データを実際に取り込み、手当や割増賃金が想定どおりに計算されるかを確かめておくと、本契約後の手戻りを減らせます。設定や運用に不安がある場合は、公式サイトで給与計算業務の設計から設定・運用までを任せるアウトソーシングサービスも案内されています。

利用者の評判・口コミから見る向き不向き

製品を選ぶときは、公式の説明だけでなく、実際に使っている人の声も確認しておきたいところです。比較サイトのITトレンドには、2026年10月15日の確認時点で593件の口コミが掲載され、全体満足度は5点満点中4.3でした。項目別では、機能と使いやすさがいずれも4.2、サポート品質が3.8、価格が3.7と表示されています。これらは利用者個人の感想を集計したもので、自社の環境で同じ結果になるとは限りません。

良い声としては、給与計算がほぼ自動で完了して時間が減った、画面がシンプルで使いやすい、従業員が給与明細をいつでも確認できる、といった内容が見られます。気になる声としては、問い合わせの受付がチャットとメールで電話ができない、源泉徴収票が給与のサービスからは見られず年末調整のサービスへ別にアクセスする必要がある、勤怠から情報を取り込むときに対象月を毎回選ぶ必要がある、といった内容があります。経理や給与の経験が少ない担当者が一人で運用する場合は、サポートの受け方と設定の難しさを事前に確認しておくとよいでしょう。出典はITトレンドのマネーフォワード クラウド給与の評判・口コミです。

マネーフォワード クラウド給与の料金プラン

料金は、事業規模に応じたプランの基本料金に一定のアカウント数が含まれ、それを超えた分を1名ごとに追加する仕組みです。公式の料金ページでは、ひとり法人、スモールビジネス、ビジネスの各プランが用意され、従業員数の目安が51名以上の中堅から大企業向けは個別の問い合わせとされています(2026年10月15日時点の公式サイトの案内に基づく。具体的な金額や条件は変更される場合があるため、必ず公式の料金ページで確認してください)。同じページには、2027年6月に料金体系の一部改定を予定していることも記載されています。

こうした人数課金の料金体系で見落としやすいのが、「何を1名と数えるのか」という点です。公式の料金表ではアカウント数と表記されていますが、ITトレンドでは給与計算の対象者数で利用料が決まる従量課金と説明されており、表記は一致していません。給与計算の対象となる従業員数とアカウント数の関係、休職者や月の途中で退職した人、給与の支払いがない役員をどう扱うかは、サービスごとに定義が異なります。契約前にはサービス提供元のヘルプページや問い合わせ窓口で、自社の人員構成に当てはめた場合の課金対象を確認しておきましょう。

また、給与計算ソフトの費用は月額料金だけでは判断できません。勤怠システムとの連携設定、従業員情報の移行、並行稼働の期間に担当者が使う時間も、導入コストの一部です。年払いと月払いで実質の負担が変わる場合もあるため、1年間の総額で比べるのが基本です。少人数の企業では、一律の月額料金がかかるサービスより人数課金のサービスが割安になることもあれば、その逆もあります。後半のシミュレーターで、自社の人数に当てはめて確認してみてください。

2サービスの役割を比較表で見る

クラウド型とオンプレミス型の給与計算ソフトの違い|利点と欠点・更新対応

オンプレミス型は自社のサーバーやPCにソフトを導入して自社で運用する形、クラウド型はベンダーが運用するサービスをインターネット経由で使う形で、更新対応と保守の負担が最も大きく異なります。マネーフォワード クラウド給与はクラウド型にあたるため、今オンプレミス型の給与計算ソフトを使っている企業は、乗り換えで何が変わるのかを先に整理しておくと判断しやすくなります。

比較項目 オンプレミス型 クラウド型
導入の形 自社のサーバーやPCにソフトを導入し、自社で運用する ベンダーが運用するサービスをブラウザなどから利用する
初期の準備 機器やライセンスの用意、インストールが必要 アカウントの発行と初期設定が中心で、機器の用意は原則不要
費用の考え方 導入時にまとまった費用がかかる形が多く、保守や更新の費用が別にかかることもある 利用料を継続して支払う形が多く、人数やプランで変わる
法改正・料率改定への対応 更新プログラムの適用やマスタの変更を自社で行う場面が多い ベンダー側で反映される範囲が広い。ただし自社で更新する項目も残る
使える場所 社内ネットワーク内が中心。外から使うには別の仕組みが必要 インターネット環境があれば、拠点やテレワークからも使える
セキュリティの管理 機器の管理からアクセス制御まで自社で担う ベンダーと利用企業で役割を分担する。ID・権限の管理は自社で必要
独自の設定 帳票や計算式を自社向けに作り込みやすい場合がある 標準機能の範囲で設定する。作り込みには制限がある

クラウド型の利点は、法改正や料率改定の多くをベンダー側で反映でき、拠点やテレワークからも同じ画面で使えることです。欠点は、利用料を継続して支払う必要があること、設定の自由度に限りがあること、料金体系や仕様の変更をベンダーが決めることです。実際、マネーフォワード クラウド給与の公式の料金ページには、2027年6月に料金体系の一部改定を予定していると記載されています。利用企業の側では、改定の内容を確認して年間の総額を見直す運用が必要になります。

オンプレミス型の利点は、帳票や計算式を自社向けに作り込みやすいこと、社内ネットワークの中で完結させやすいことです。欠点は、更新プログラムの適用、機器の保守、バックアップを自社で担う必要があり、担当者が異動や退職をしたときに運用が止まりやすいことです。社内ネットワークの外から使えないことも、テレワークや拠点が増えた会社には負担になります。

法改正・料率改定の更新対応はどう違うか

給与計算ソフトに求められる更新対応は、毎年ほぼ決まった時期に発生します。令和8年度(2026年度)を例に、公的機関が公表している主な更新を並べると次のとおりです。

時期 更新される内容 確認先
3月分(4月納付分)から 協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率の改定(健康保険組合に加入している場合は組合ごとに異なる) 協会けんぽ
4月分(5月納付分)から 健康保険料にあわせて子ども・子育て支援金の徴収が始まる(5月に給与天引き) こども家庭庁
年度ごと 雇用保険料率の年度別の公表 厚生労働省
毎年 年末調整(1年分の給与と源泉徴収税額をもとに精算) 国税庁

クラウド型なら、こうした料率や制度の変更はベンダー側で反映されるため、担当者が料率表を探して差し替える手間は小さくなります。ただし「すべて自動」とは限りません。マネーフォワード クラウド給与のサポートサイトには「住民税新年度控除額を更新する方法」のガイドがあり、料率の自動反映とは別に、毎年の更新作業が残る項目があることがわかります。ジンジャー給与は、商品ページで所得税や住民税率を手動で変更する必要があるとされています。一方、オフィスステーションは、税率や社会保険料率を自動で反映して法改正に対応し、見落としがちなミスを自動で抽出するとされています。更新対応を重視するなら、自動反映の範囲と自社で行う作業を契約前に確認しておきましょう。なお、料率や適用時期は変更される場合があるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の判断は社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

オフィスステーション

法改正や料率改定のたびに、設定の確認と照合に追われていませんか?

こんな会社に向いています

税率や社会保険料率の改定を、自動で反映できるサービスを探している

計算ミスを自動で抽出して、確認作業を減らしたい

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オンプレミス型を使い続けてよいのはどんな会社か

オンプレミス型が合うのは、社内ネットワークの外にデータを出せない運用ルールがある、既存の基幹システムと密に連携した帳票や計算式を使っている、機器とソフトの保守を担える担当者がいる、といった会社です。反対に、更新プログラムの適用が年度替わりのたびに負担になっている、担当者が一人で属人化している、拠点やテレワークが増えて社内ネットワークの外から使いたい、という会社はクラウド型への移行を検討する価値があります。クラウド型を選ぶ場合も、クラウドサービスの安全な使い方はIPAの中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインの付録に手引きがまとめられており、利用前のチェックに使えます。

給与計算システムの移行の進め方|時期・手順・並行稼働

給与計算システムの移行とは、旧システムの従業員情報・給与の設定・過去の実績を新システムに移し、新旧の計算結果を並行して照合しながら切り替える作業のことです。オンプレミス型からクラウド型への乗り換えでも、クラウド型どうしの乗り換えでも、基本の流れは同じです。データを入れ替えるだけでなく、勤怠・人事・会計などほかのシステムとのつなぎ方も見直すことになります。

移行はいつ行うのがよいか

切り替え時期は、年の区切りに合わせるのが一般的な目安です。年末調整は1年分の給与の総額と源泉徴収した税額をもとに精算するため(国税庁の年末調整がよくわかるページ)、年の途中で切り替えると、旧システムで支給済みの月次の実績を新システムに引き継ぐ作業が増えます。年末調整が終わったあとの1月の給与や、新年度の区切りに合わせると、この引き継ぎを小さくできます。

一方で、社会保険料率が改定される3月から5月ごろ、住民税の控除額が切り替わる6月、賞与の支給月は、設定の変更と確認が重なりやすい時期です。この時期に切り替える場合は、並行稼働の期間を長めに取り、自社の締め日と賞与の時期から逆算してスケジュールを組みます。あくまで目安であり、年度の途中でも、旧システムのサポートや保守が終わる時期が決まっていれば、それに合わせて計画します。

移行する対象データの洗い出し

データ 主な内容 確認のポイント
従業員マスタ 氏名、入社日、給与の支給形態、扶養、振込口座 項目名と登録形式が新システムと一致するか
給与体系 支給・控除の項目、計算式、手当の支給条件 旧システムの計算式をそのまま再現せず、就業規則や賃金規程に合わせて見直す
社会保険・住民税 標準報酬月額、特別徴収する住民税額 年度ごとの更新時期と、誰が更新するか
年間の累計 年初からの支給額、源泉徴収した税額 年の途中で切り替える場合は、年末調整のために必要
過去の賃金台帳・明細 旧システムに残っている出力データ 解約前に必要な期間分を出力して保管する
勤怠連携の項目 残業、深夜、休日出勤などの集計項目 給与側のどの支給項目に対応させるか

移行の手順と並行稼働

  1. 今の運用の課題と、移行で減らしたい手作業を書き出す
  2. 移行対象のデータを洗い出し、新システムに入れる形式へ整える
  3. 切り替え時期を決め、締め日と賞与の時期から逆算して日程を組む
  4. 新システムに従業員情報と給与体系を設定し、旧システムと同じ条件で給与を試算して差分を照合する(並行稼働)
  5. 切り替え後の運用ルール(勤怠の締め、マスタの更新、明細の配布、差分の確認)を決め、従業員に周知する

このうち最も省略できないのが4の並行稼働です。旧システムと新システムで同じ従業員・同じ条件の給与を計算し、差が出た項目を一つずつ原因まで確認します。設定の違いや計算ロジックの違いは、実際に計算するまで見つかりません。例外処理が多い会社は、最初の月からすべてを完璧に移そうとせず、段階的に切り替えるほうが安全です。

あわせて、旧システムのデータの扱いにも注意が必要です。労働基準法第109条では、労働者名簿や賃金台帳などを5年間保存するとされ、当分の間は3年間の経過措置が設けられています(厚生労働省 新潟雇用労働相談センターの解説)。旧システムを解約する前に、必要な期間分の賃金台帳や明細を出力して保管しておきましょう。クラウド型どうしの乗り換えでは、解約後にデータが保持される期間と、書き出せる形式を提供元に確認します。オンプレミス型からの乗り換えでは、旧ソフトで作り込んだ独自の帳票をどう置き換えるかも早めに決めます。

ここまでの作業のうち、勤怠データの転記や明細の配布、年末調整の書類集めといった工程を毎月・毎年手で行っているなら、移行は仕組みごと見直す機会になります。次のセルフチェックで、今の運用にどの程度手作業が残っているかを確認してみてください。

給与計算の移行、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

勤怠・労務管理まで一体運用したい場合の選び方

給与計算の前後にある勤怠集計や労務手続きまで含めて見直すなら、「給与計算ソフト単体の機能」ではなく「どこまでを一つの仕組みで扱うか」で選ぶのが近道です。毎月の給与計算は、勤怠の締め、従業員情報の更新、計算、明細配信、振込、社会保険の手続きという一連の流れの一部だからです。

勤怠から給与まで統一ブランドで揃えたいなら

勤怠と給与を同じシリーズでそろえる最大の利点は、データの受け渡しにCSVの出力と取り込みが不要になり、項目の対応づけも標準で用意されていることです。他社連携型では、勤怠側か給与側のどちらかが仕様を変更したときに連携が崩れることがありますが、同一シリーズであれば提供元が一体で保守します。困ったときの問い合わせ先が一つで済むのも、担当者が少ない企業には大きな利点です。勤怠システム側の考え方はマネーフォワード勤怠の特徴・料金・他サービス連携の解説でも整理しています。

ジンジャー給与は、ジンジャー勤怠やジンジャー人事労務と連携することで、勤怠集計から給与計算までをCSVを介さずに行える同一シリーズ型のサービスです。一方で、所得税や住民税率は手動で変更する必要があるとされているため、年度替わりの設定変更を誰が担当するかは決めておきましょう。また、単体で導入した場合は勤怠や人事のデータを自動では連携できず、他社のサービスとはCSVでつなぐ形になります。勤怠システムをまだ導入していない企業や、今の勤怠システムに不満があって入れ替えを考えている企業は、比較表で紹介したジンジャー給与を候補に入れて検討してみてください。

ジンジャー給与

勤怠から給与までを同じシリーズでそろえたい会社に

ジンジャー給与の資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

労務管理全体を一体運用したいなら

入社時の雇用契約や社会保険の資格取得、年末調整、退職時の手続きまでを同じ仕組みで扱いたい場合は、給与計算を労務管理の一機能として選ぶ考え方が合います。従業員情報を一度登録すれば、給与計算にも社会保険の手続きにも同じ情報が使われるため、住所変更や扶養の変更を複数のシステムに入力し直す手間がなくなります。年末調整の流れは国税庁の年末調整がよくわかるページで毎年案内されており、この時期の負担を減らしたい企業ほど一体運用の効果を感じやすくなります。

オフィスステーションは、公式サイトで労務、年末調整、給与、給与明細、勤怠などを必要なものから選べる人事労務ソフトとして紹介されており、給与計算の機能では計算準備から入力、計算、確認までを自動化し、見落としがちなミスを自動で抽出するとされています。税率や社会保険料率の改定も自動で反映されるとされています。料金は従業員数が少ない場合でも一律の月額利用料がかかる体系のため、少人数の企業は人数課金のサービスと年間総額で比べたうえで判断しましょう。労務手続きまで含めた効率化を重視する企業に向いた選択肢です。

株式会社エフアンドエム

オフィスステーション

オフィスステーション
出典:www.officestation.jp

株式会社エフアンドエム

オフィスステーション

法改正にも自動対応!ミスを防ぎながら作業時間を削減したい方におすすめ

GOOD

ここがおすすめ!

  • 計算準備・入力・計算・確認などを自動化し、業務時間を大幅に削減
  • 見落としがちなミスを自動で抽出し、計算ミスを防止
  • 税率や社会保険料率を自動で反映し、法改正にも適切に対応
MORE

ここが少し気になる…

  • 従業員数が10名以下の場合は、月額利用料は一律4,000円となる

一体運用の事例として、株式会社エフアンドエムの成功事例ページには、給与明細と勤怠をそれぞれ別のソフトで運用していた企業が、労務のシステムとの連携と一元化を見据えてオフィスステーションに乗り換えた例があります。

実際に、オフィスステーションへの一元化を進めることで、従業員と担当者間の情報共有の精度が大きく向上したと感じています。

株式会社ほねごりの成功事例(オフィスステーション)

なお、給与計算ソフトは氏名、住所、マイナンバー、給与額、口座番号といった機密性の高い個人情報を扱います。どのタイプを選ぶ場合でも、アクセス権限の設定や二要素認証の有無、退職した担当者のアカウント削除の手順を確認しておきましょう。個人情報の取り扱いは個人情報保護委員会、クラウドサービス利用時の対策はIPAの中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインが参考になります。

2サービスの役割を比較表で見る

給与計算でよくある失敗パターン

クラウド給与計算ソフトの導入でつまずきやすいのは、ソフトの機能不足よりも、課金の数え方や連携設定、前提情報の更新といった運用面です。スイッチを切り替えると、よくある失敗と回避策を見比べられます。

よくある失敗 回避策

課金人数の誤認:給与を支払う従業員数だけで月額を見積もったが、休職者や退職月の従業員、担当者のアカウントも数に入り、想定より費用が高くなった。

連携項目のずれ:勤怠システムの深夜残業の項目を通常の残業手当に対応づけてしまい、割増賃金が数か月にわたって少なく計算されていた。

日割り計算の設定漏れ:月の途中で入社・退職した従業員の日割り方法を設定しておらず、基本給が満額で計算された。

移行時の累計の入れ忘れ:年の途中で切り替えたが、旧システムの年初からの支給額と源泉徴収税額を入れておらず、年末調整の計算がずれた。

4つの失敗に共通するのは、ソフトが正しく動いていても、入力される前提や数え方の認識がずれていると結果が間違うという点です。特に日割り計算は、暦日で割るのか、所定労働日数で割るのかといった方法が会社の規程によって異なり、法律で一つの方法が決められているわけではありません。ソフトの初期設定のまま使わず、自社の規程と一致しているかを確認することが重要です。

また、給与計算の誤りが後から見つかった場合、過去にさかのぼって差額を精算し、源泉徴収税額や社会保険料も調整し直す必要が生じることがあります。導入直後の数か月に並行稼働の期間を設けるのは手間に見えますが、後から数か月分をまとめて修正する手間に比べればはるかに小さく済みます。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断については社会保険労務士などの専門家に相談してください。

導入コストを数値で確認する

人数課金型と一律料金型のどちらが割安かは、従業員数と基本料金に含まれる人数で変わります。下のシミュレーターに、検討中のサービスの公式料金ページに記載された金額を入力すると、年間の費用を比べられます。初期値は計算例であり、特定のサービスの料金ではありません。

課金対象の人数(休職者・退職月の従業員・担当者アカウントも含めて):20名

人数課金型の基本料金(月額):10000円

基本料金に含まれる人数:10名

超過1名あたりの月額:500円

比較する一律料金型の月額:12000円

人数課金型の年間費用の目安:円

一律料金型の年間費用の目安:円

試算の結果は、税抜・税込の違いや年払いの割引、オプション料金を含まない簡易計算です。実際の比較では、公式サイトの最新の料金表を確認し、連携設定やデータ移行にかかる社内の工数もあわせて見積もりましょう。人数が増える見込みのある企業は、現在の人数だけでなく1年後、2年後の人数でも試算しておくと、乗り換えの判断を先送りせずに済みます。

クラウドツールの導入費用については、中小企業・小規模事業者向けのデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の対象となる場合があります。対象となるツールや補助の要件は年度ごとに変わるため、申請を検討する場合は公募要領を確認してください。

一律料金型の代表例であるオフィスステーションは、従業員数が少ない場合も一律の月額利用料がかかる料金体系と商品ページに書かれています。自社の人数で実際にどの程度の費用になるかは、資料で料金体系を確認するのが確実です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. マネーフォワード クラウド給与ではどこまで自動計算できますか?

A. 給与・賞与の計算に加え、所得税、雇用保険料、社会保険料の計算に対応しています。料率の改定はサービス側で反映されますが、扶養の状況や住民税額、手当の条件など前提となる情報は自社で正しく登録・更新する必要があります。

Q2. 料金は従業員数によってどう変わりますか?

A. 公式の料金ページでは、ひとり法人・スモールビジネス・ビジネスの各プランに含まれるアカウント数が決まっており、超えた分は1名ごとに追加する形で案内されています。51名以上は個別の問い合わせで、2027年6月に料金体系の一部改定も予定されているため、最新の金額と課金の数え方は公式の料金ページで確認してください。

Q3. 今使っている勤怠管理システムと連携できますか?

A. KING OF TIMEなど、APIやCSVで連携できる他社の勤怠管理システムが公式の連携ページで案内されています。ただし連携できるかどうかと項目の対応づけは個別に確認が必要で、最初の数か月は計算結果を並行して照合すると安心です。

Q4. クラウド型とオンプレミス型の給与計算ソフトの利点と欠点を教えてください。

A. クラウド型の利点は、法改正や料率改定の多くをベンダー側で反映でき、拠点やテレワークからも使えることです。欠点は、利用料を継続して支払うことと、設定の自由度に限りがあることです。オンプレミス型は帳票や計算式を作り込みやすい一方、更新プログラムの適用や機器の保守を自社で担う必要があります。

Q5. 給与計算システムの移行とは何ですか。いつ行うのがよいですか?

A. 旧システムの従業員情報・給与の設定・過去の実績を新システムに移し、新旧の計算結果を並行して照合しながら切り替える作業です。年末調整が1年分の給与をもとに行われるため、年末調整後の1月の給与や新年度など、年の区切りに合わせるのが一般的な目安です。

Q6. クラウド給与計算ソフトなら、法改正や料率改定への更新対応は自動ですか?

A. 社会保険料率や税率の改定はベンダー側で反映される範囲が広いものの、すべてが自動とは限りません。住民税の新年度の控除額の更新や、扶養・手当の条件の登録など、自社で行う作業は残ります。所得税や住民税率を手動で変更する必要があるとされるサービスもあるため、契約前に自動反映の範囲を確認してください。

まとめ

マネーフォワード クラウド給与は、他社の勤怠・人事サービスと幅広く連携できる他社連携型のクラウド給与計算ソフトです。自社に合うかどうかを判断し、乗り換える場合にも失敗しにくくするために、次の5つを確認しましょう。

  1. 今の勤怠システムを残すのか、給与とあわせて見直すのかを決める
  2. 課金対象となる人数の数え方を確認し、1年分の総額で比べる
  3. クラウド型かオンプレミス型かを選び、法改正や料率改定の更新を誰がどこまで担うかを決める
  4. 移行する場合は、年の区切りで切り替え時期を決め、移行対象データの洗い出しと並行稼働の期間を計画する
  5. 勤怠から給与までそろえるジンジャー給与、労務まで一体で運用するオフィスステーションの資料も取り寄せ、自社の運用と比べる

給与計算ソフトは、一度導入すると毎月の業務の土台になり、簡単には入れ替えられません。機能の多さだけで選ばず、給与計算の前後の業務まで含めて、自社の運用に合うタイプを選んでください。

参考文献

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