リレーショナルデータベース(RDB)とは?仕組み・SQLの役割・NoSQLとの違いをわかりやすく解説

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  • RDBの仕組みと構造、キーの役割がわかる
  • RDBMS・SQL・NoSQLとの違いがわかる
  • 費用の考え方と権限管理の注意点がわかる

リレーショナルデータベース(RDB)とは、データを行と列からなる表(テーブル)で管理し、表どうしを顧客番号などの共通の項目で結びつけて扱うデータベースです。業務システムの多くが、裏側でこの仕組みを使っています。一方で、「Excelの表と何が違うのか」「RDBMSやSQLとの関係があいまい」「NoSQLとどう使い分けるのか」といった疑問は、担当になったばかりの人がつまずきやすい点です。本記事では、基本的な考え方から構造、RDBMSとSQLの役割、NoSQLとの違い、費用の考え方、権限管理までを解説し、RDBの知識を詳しい人1人に閉じ込めず社内で共有する方法も紹介します。

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Q1. RDBについて、いちばん確かめたいのは?

目次

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  1. リレーショナルデータベース(RDB)とは|4つの要点と、社内で理解をそろえる方法
  2. RDBの仕組み|リレーションと表計算ソフトとの違い
  3. RDBの構造(テーブル・行・列・キー)
  4. RDBMSとSQLの役割
  5. RDBのメリットとデメリット
  6. RDBとNoSQLの違い
  7. 代表的なRDBMS製品と、導入・運用で押さえる点
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

リレーショナルデータベース(RDB)とは|4つの要点と、社内で理解をそろえる方法

リレーショナルデータベース(RDB)とは、データを行と列の表で管理し、表どうしを共通のキーで結びつけて扱うデータベースです。名前に「リレーショナル」とあるため難しく聞こえますが、押さえる点は次の4つに絞れます。

  • 表で管理する:データを、1件分を表す行と、項目を表す列からなるテーブルに格納する
  • キーで結びつける:主キーと外部キーで、顧客の表と注文の表のように別々の表を関連付ける
  • SQLで操作する:検索、追加、更新、削除といった指示を、標準化された言語SQLで出す
  • 整合性を守る:トランザクションと制約により、途中で失敗したデータや矛盾したデータを残さない

RDBの知識は、詳しい人1人に集まりやすい

RDBの知識は、システム担当者だけが持っていればよいものではなくなっています。業務システムからデータを取り出して集計したい営業企画、帳票の項目を変えたい経理、ベンダーと仕様を詰める情シスなど、「表がどうつながっているか」を知っているかどうかで、社内の会話の速さが変わるからです。ところが現実には、データベースに詳しい人が1人か2人しかおらず、その人が異動や退職をした途端に、誰もテーブルの構造を説明できなくなるという状況が少なくありません。

こうした属人化を防ぐ方法の1つが、テーブル定義書やER図といった社内資料を整えたうえで、読み方や使い方を研修の形で全員に伝えることです。対象が数名なら、資料の読み合わせや書籍、無料の学習サイトで足りる場合もあります。対象が増え、教材の配信や受講状況の確認、理解度の確認を手作業で回せなくなったときに、eラーニングなどの仕組みを検討する価値が出てきます。

社内で理解をそろえる研修サービスの例|3つの役割の違い

ここでは、当サイト「ビジネスコンシェルジュ」に掲載されているeラーニングのうち、役割の異なる3つを並べます。3つともRDB専用の教材が中心のサービスではなく、「自社の資料で研修コースを作る」「理解度をテストで確認する」「情報セキュリティや個人情報の研修を行う」という役割の違いで選ぶものです。優劣や順位ではなく、自社の状況に合うものを見つける材料としてお使いください。

RDBの知識を社内でそろえる仕組み、3つの役割の違い

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RDBの仕組み|リレーションと表計算ソフトとの違い

RDBの仕組みの核は、顧客番号のような共通の項目で表どうしを結びつけ、必要なときに組み合わせて取り出す点にあります。Excelなどの表計算ソフトとの違いは、多数の人が同時に使っても内容が食い違わないよう、仕組みで守られていることです。

このデータの持ち方は、1970年に、IBMの研究者だったエドガー・F・コッド氏が発表した関係モデル(リレーショナルモデル)という理論がもとになっています。日本語では「関係データベース」とも呼ばれます。

ここでいう「リレーション(関係)」は、もともと数学の集合論に由来する言葉で、表そのものを指します。ただ、実務では「表と表の関係」というイメージで理解しても大きな問題はありません。たとえば、注文の表には「顧客番号」だけを記録し、顧客の名前や住所は顧客の表にまとめておきます。注文の内容を見るときは、顧客番号を手がかりに2つの表を結びつけて表示します。この「必要なときに表を結びつける」という考え方が、RDBの核心です。

表計算ソフトでの管理との違い

行と列の表と聞くと、Excelなどの表計算ソフトを思い浮かべる人も多いはずです。見た目は似ていますが、目的と仕組みは大きく違います。表計算ソフトは、1人または少人数が表を開いて計算や加工をするための道具です。一方、RDBは、多数の利用者やシステムが同時にデータを読み書きしても、内容が食い違わないように管理するための仕組みです。Google Cloudの解説でも、RDBはスプレッドシートを集めたものにたとえられていますが、各表の間に事前に決めた関係があり、データ型やキーで内容を守る点が異なります。

比較項目 表計算ソフト リレーショナルデータベース
主な用途 個人や少人数での計算、集計、資料作成 業務システムのデータを長期にわたって正確に保管・共有
入力ルール セルに何でも入力できる(日付欄に文字も入る) 列ごとにデータ型や必須かどうかを定義し、ルール外の値を受け付けない
同時利用 同時編集で上書きや食い違いが起きやすい 多数の同時アクセスでも整合性を保つ仕組みがある
データ量 行数が増えると動作が重くなる 大量のデータを前提に、索引などで検索を速くできる
複数表の関連 参照関数でつなぐが、壊れやすい キーによる関連付けが仕組みとして組み込まれている

顧客台帳や受注一覧を表計算ソフトで管理している会社で、「どれが最新のファイルか分からない」「同じ顧客が別の表記で二重に登録されている」といった問題が起きるのは、この違いによるものです。表計算ソフトが悪いわけではなく、共有と整合性が求められる場面では、RDBを使った業務システムのほうが向いているということです。

ほかのデータベースの種類との関係

データベースには、RDBのほかにもいくつかの方式があります。歴史的には、データを親子の木構造で持つ階層型や、網の目のようにつなぐネットワーク型が先に使われていました。これらはデータの経路があらかじめ決まっているため、決まった処理は速い一方で、想定外の切り口で検索するのが苦手でした。RDBは、表を自由に組み合わせて検索できる柔軟さから広く普及し、現在も業務システムの主流になっています。その後、オブジェクト指向データベースや、後述するNoSQLと呼ばれる方式も登場し、用途に応じて使い分けられるようになりました。

RDBの構造(テーブル・行・列・キー)

RDBの構造は、テーブル、行、列、キーという4つの要素で説明できます。用語は製品や文献によって呼び方が少しずつ違うため、対応関係を押さえておくと資料が読みやすくなります。

要素 別の呼び方 意味と例
テーブル 表、リレーション 同じ種類のデータの集まり。顧客テーブル、商品テーブル、注文テーブルなど
行 レコード、タプル 1件分のデータ。顧客テーブルなら顧客1人分
列 フィールド、カラム、属性 データの項目。氏名、電話番号、登録日など。列ごとにデータ型を決める
キー 主キー、外部キーなど 行を特定したり、表どうしを結びつけたりするための列

列ごとに決める「データ型」

列には、入れてよい値の種類を決めます。これをデータ型と呼びます。代表的なものは、整数、小数、文字列、日付や時刻、真偽値(はい・いいえ)などです。日付の列に文字を入れようとするとエラーになるため、入力ミスを早い段階で防げます。型の名前や細かな仕様は製品ごとに少しずつ違うので、実際に使うRDBMSのマニュアルで確認してください。

主キーと外部キー

主キー(プライマリキー)は、表の中で1行を確実に特定するための列です。顧客番号や社員番号のように、重複せず、空欄にならない値を使います。氏名は同姓同名がありうるため、主キーには向きません。複数の列を組み合わせて1行を特定する複合キーもあります。外部キーは、別の表の主キーを参照する列です。注文テーブルに「顧客番号」の列を置き、顧客テーブルの主キーを参照させると、存在しない顧客番号の注文は登録できなくなります。この制約を参照整合性と呼び、データの食い違いを仕組みで防ぐ役割を果たします。

表どうしの関係|1対1・1対多・多対多

表どうしの関係は、1つの行が相手の表のいくつの行と結びつくかによって、3つに分けて考えます。設計の最初に、どの関係にあたるかを整理すると、表の分け方が決めやすくなります。

関係 意味 例
1対1 一方の1行が、相手の1行だけと結びつく 社員と、その社員に割り当てるログインアカウントの情報
1対多 一方の1行が、相手の複数の行と結びつく 1人の顧客と、その顧客の複数の注文
多対多 双方が、互いに複数の行と結びつく 注文と商品(1つの注文に複数の商品があり、1つの商品が複数の注文に含まれる)

多対多は、そのままでは表にうまく表せません。そこで、注文明細のような中間のテーブルを挟み、「注文と注文明細」「商品と注文明細」という2つの1対多に分けて表現します。

正規化で「同じ情報を1か所に」

RDBを設計するときの基本的な考え方が正規化です。正規化とは、同じ情報が複数の場所に重複して記録されないように、表を適切に分割することです。たとえば、注文テーブルに顧客の住所まで毎回書き込んでいると、顧客が引っ越したときにすべての注文行を書き換える必要があり、書き換え漏れがあると住所が食い違います。顧客の住所は顧客テーブルに1か所だけ持ち、注文テーブルは顧客番号で参照するように分ければ、住所の変更は1行の更新で済みます。正規化には段階があり、一般には次の3つまでを押さえれば実務で困りません。

  • 第1正規形:1つのセルに複数の値を入れない(「商品A、商品B」のような繰り返しをなくす)
  • 第2正規形:複数の列で主キーを作る表で、その一部だけで決まる項目を別の表に分ける
  • 第3正規形:主キー以外の項目によって決まる項目を別の表に分ける(社員表に部署コードと部署名を両方持たない、など)

一方で、表を細かく分けすぎると、データを表示するたびに多くの表を結合する必要があり、処理が重くなることがあります。そのため実務では、検索の速さを優先してあえて一部の情報を重複して持たせる「非正規化」を行う場合もあります。どこまで分けるかは、データの更新頻度と検索の頻度のバランスで決めるのが一般的です。

検索を速くするインデックス(索引)とビュー

インデックスは、本の索引のように、特定の列の値から該当する行を素早く探すための仕組みです。大量のデータから目的の行を探す検索が速くなる一方で、データを追加・更新するたびに索引も更新するため、書き込みは遅くなり、保存容量も余計に使います。検索で頻繁に使う列に絞って設定するのが基本です。ビューは、よく使う検索の結果を、名前を付けた「仮想の表」として定義したものです。実データを複製せずに、見せたい列や行だけを絞って利用者に見せられるため、権限の管理にも使われます。

整合性を守るトランザクションとACID特性

RDBが業務システムで信頼される理由の1つが、トランザクションという仕組みです。トランザクションは、複数の処理を「全部成功するか、全部取り消すか」の1つのまとまりとして扱う単位です。銀行の振込で、Aさんの口座から引き落とす処理だけが成功し、Bさんの口座への入金が失敗したら大問題になります。トランザクションを使えば、途中で失敗したときに引き落としも取り消され、中途半端な状態が残りません。

トランザクションが満たすべき性質は、頭文字をとってACID特性と呼ばれます。原子性(Atomicity:全部実行か全部取り消しか)、一貫性(Consistency:ルールに反するデータを残さない)、独立性(Isolation:同時に動く処理どうしが干渉しない)、永続性(Durability:確定した結果は障害が起きても失われない)の4つです。多くのRDB製品はこの性質を備えており、お金や在庫のように正確さが欠かせないデータの管理に使われています。

ここまでの用語は、自社の業務システムのテーブル定義書やER図を読むときに、そのまま使われます。意味を全員が共通で理解していれば、ベンダーとの仕様確認で行き違いが減ります。説明の内容を自社の動画や文書にまとめ、いつでも見直せる研修コースにしておきたい場合は、次の資料が参考になります。

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RDBMSとSQLの役割

RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)とは、RDBを作成・更新・管理するためのソフトウェアのことで、SQLは、そのRDBMSに検索や更新を指示するための標準化された言語です。

RDBという言葉は、データの持ち方(表で管理する方式)を指す場合と、それを実現するソフトウェアを指す場合があります。後者を正確に呼ぶとRDBMSになります。日常の会話では両方をまとめてRDBと呼ぶことも多いため、資料を読むときは文脈で見分けてください。

RDBMSが担う仕事

RDBMSは、データをディスクに保存するだけでなく、次のような仕事を引き受けています。利用者や業務システムは、データがどのファイルのどこに書かれているかを意識せずに、RDBMSに頼むだけでデータを扱えます。

  • データの保存と検索:索引(インデックス)を使って、大量のデータから目的の行を素早く探す
  • 同時実行の制御:複数の利用者が同じデータを更新しても、食い違いが起きないように順番を管理する
  • 障害からの回復:停電や故障が起きても、記録をもとに確定済みのデータを復元する
  • アクセス権限の管理:誰がどの表を読めるか、書き換えられるかを細かく設定する(詳しくは後述)
  • 制約の確認:主キーの重複や参照整合性の違反など、ルールに反するデータを受け付けない

SQLでできる基本操作

SQLは、RDBを操作するための標準的な言語で、国際規格(ISO/IEC 9075)として定められています。製品ごとに独自の拡張はありますが、基本的な文法は共通しているため、1つの製品で覚えた知識をほかの製品でも生かしやすいのが特徴です。SQLの命令は、大きく次のように分けられます。

分類 代表的な命令 役割
データ操作(DML) SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE データの検索、追加、更新、削除
データ定義(DDL) CREATE、ALTER、DROP テーブルや索引などの作成、変更、削除
データ制御(DCL) GRANT、REVOKE 利用者への権限の付与と取り消し
トランザクション制御 COMMIT、ROLLBACK 処理の確定と取り消し

初学者が最初に覚えるべきなのは、検索に使うSELECT文です。たとえば「注文テーブルと顧客テーブルを顧客番号で結合し、今月の注文を顧客名つきで一覧にする」という操作は、次のように書きます。

SELECT c.customer_name, o.order_date
FROM orders o
JOIN customers c ON o.customer_id = c.customer_id
WHERE o.order_date >= '2026-10-01';

JOIN(結合)で2つの表を顧客番号で結びつけ、WHERE(条件)で期間を絞っています。SQLは「どうやって探すか」ではなく「何がほしいか」を書く言語で、探し方の工夫はRDBMSが自動で行います。このため、プログラミングの経験がない事務部門の担当者でも、集計に使う基本的な文なら比較的短期間で読めるようになります。

SQLを社内で読める人を増やすには

ただし、SQLは本を読むだけでは身につきにくく、実際に表を作って問い合わせを書き、結果を確かめる練習が欠かせません。練習のあとに理解度を確認するテストを用意し、誰がどこまで進んだかを管理者が見られる形にしておくと、個人の自習に任せるより定着しやすくなります。

確認テストで知識の定着を測りたい場合の一例が、SAKU-SAKU Testing(株式会社イー・コミュニケーションズ)です。商品ページによると、CBTの技術を活かしたeラーニングプラットフォームで、選択式、穴埋め、並び替え、記述式のテストを作成・配信でき、受講状況や結果はリアルタイムで集計されます。自社で作った設問と、あらかじめ用意された設問を1つのテストにまとめることもできます。ただし、商品ページに載っているコンテンツのラインナップはコンプライアンス、ハラスメント、情報セキュリティや階層別の研修が中心で、RDBやSQLの教材は掲載されていません。設問は自社で作る前提で考えるとよいでしょう。事務局運営やカスタマーデスクの利用はオプションです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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RDBのメリットとデメリット

RDBのメリットは、データの正確さを仕組みで守れることと、SQLで複雑な検索ができることです。一方で、データ量やアクセスが急増する場面での拡張は苦手です。得意なことと苦手なことを整理しておくと、後述するNoSQLとの使い分けも理解しやすくなります。

メリット デメリット
トランザクションと制約により、データの整合性を保ちやすい データ量やアクセスが急増すると、処理速度が落ちやすい
SQLで、表をまたいだ複雑な検索や集計ができる サーバーを横に増やして性能を上げる(水平分散)のが難しい
正規化により重複が減り、更新の手間とミスが減る 事前に表の構造(スキーマ)を決める必要があり、変更に手間がかかる
SQLが標準化されており、技術者や情報が多い 画像、音声、形の定まらない文書などの非構造化データの扱いは得意でない

デメリットとして挙げられる処理速度や拡張性の問題は、どの規模でも起きるわけではありません。一般的な中小企業の販売管理や会計のデータ量であれば、適切に索引を設計したRDBで十分に対応できることがほとんどです。問題になりやすいのは、インターネットサービスのように利用者が数百万人単位に増える場合や、センサーから秒単位で大量のデータが届くような場合です。

RDBが向いている業務の例

  • 会計・経理:仕訳、元帳、請求、支払など、金額の正確さが欠かせないデータ
  • 販売・在庫管理:受注、出荷、在庫数のように、複数の処理が同じ数字を同時に更新するデータ
  • 顧客管理:顧客、担当者、取引履歴を結びつけて、さまざまな切り口で検索したいデータ
  • 人事・勤怠管理:社員、所属、勤務記録、給与のように、構造が安定していて長期間保管するデータ
  • 予約管理:同じ枠に二重で予約が入らないよう、同時更新の制御が重要なデータ

このうち顧客管理や人事・勤怠管理のように、個人情報を多く含む表を扱う業務では、システムの機能だけでなく、操作する人が取り扱いのルールを理解していることが欠かせません。権限の設定については、後の章であらためて説明します。個人情報や情報セキュリティの研修を全社で継続して行いたい場合は、次の資料が参考になります。

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RDBとNoSQLの違い

RDBは正確さと構造の安定を重視する表形式のデータベースで、NoSQLは、大量のデータや形の変わりやすいデータを柔軟に扱うRDB以外のデータベースの総称です。NoSQLは「Not only SQL」の意味で使われることが多い名称です。

NoSQLは単一の技術ではなく、データの持ち方によっていくつかの種類に分かれます。RDBの苦手な、大量データの高速処理や、形が決まっていないデータの保管を得意とします。

比較項目 RDB NoSQL
データの形 行と列の表。構造を事前に定義する キーと値、文書、列の集まり、グラフなど。構造を柔軟に変えられるものが多い
整合性 ACID特性による強い整合性 一時的な食い違いを許容し、最終的にそろえる考え方(BASE)の製品が多い
拡張の方法 主にサーバーの性能を上げる(垂直拡張) サーバーの台数を増やして分散する(水平拡張)のが得意
検索 SQLで表をまたいだ複雑な検索ができる キーを指定した単純な読み書きは速いが、複雑な結合は苦手なものが多い
向いている用途 会計、在庫、顧客管理など正確さが重要な基幹業務 アクセスログ、セッション情報、SNSの投稿、IoTのセンサーデータなど

拡張の方法については、RDBでも、読み取り専用の負荷を分けるためにデータを複製して台数を増やす方法があります。ただし、読み取りと書き込みの両方を複数のサーバーに分散するには、データを分割して持たせるシャーディングのような特別な設計が必要になり、難易度が上がります。

NoSQLの主な種類

  • キーバリュー型:キーと値の組で保存する最も単純な形。ログイン状態の保持やキャッシュなど、高速な読み書きが必要な場面に使われる
  • ドキュメント型:JSONのような文書の形でデータを保存する。項目がデータごとに異なる商品カタログなどに向く
  • ワイドカラム型:列の集まりを単位に保存し、大量のデータを多数のサーバーに分散して扱う
  • グラフ型:データどうしのつながりを点と線で表す。人間関係や推薦の仕組みなどに向く

使い分けの考え方

RDBとNoSQLは、どちらかが新しくて優れているという関係ではありません。判断の軸は、扱うデータに「正確さ」と「形の安定」が求められるか、それとも「量と速さ」と「形の柔軟さ」が求められるかです。データの大きさや構造、アクセスの頻度があらかじめ見通せて、データどうしの関係が重要な場合はRDBが向いています。一方、データの形が将来変わりそうな場合や、SNSの友人関係のように表の形に収まりにくいつながりを扱う場合は、NoSQLが向いています。

実際のシステムでは、注文や決済はRDBで管理し、閲覧履歴やおすすめ表示のためのデータはNoSQLで処理するというように、1つのサービスの中で両方を組み合わせることも珍しくありません。また、近年はRDB製品の中にもJSON形式のデータを扱える機能を持つものが増えており、両者の境界は少しずつ近づいています。

代表的なRDBMS製品と、導入・運用で押さえる点

RDBMSには、ソフトウェアを無償で利用できるオープンソースのものと、ベンダーが提供する商用のもの、クラウド事業者がサービスとして提供するものがあります。代表的な製品を、特徴の方向性で整理すると次のようになります。

製品名 区分 主な特徴
MySQL オープンソース(商用版もあり) Webサービスで広く使われ、情報や対応するソフトが多い
PostgreSQL オープンソース 標準SQLへの準拠度が高く、拡張機能が豊富
Oracle Database 商用 大規模な基幹システムでの実績が多く、可用性を高める機能が充実
Microsoft SQL Server 商用 Windows環境やMicrosoft製品との連携がしやすい
SQLite オープンソース(パブリックドメイン) サーバーが不要で、アプリや機器の中に組み込んで使われる

クラウドのリレーショナルデータベースサービス

リレーショナルデータベースサービスとは、クラウド事業者がRDBMSの運用を代行して提供するサービス(マネージドサービス)のことです。たとえば、AmazonのAmazon RDSや、GoogleのCloud SQLがあり、MySQLやPostgreSQLなどをサーバーの管理を意識せずに使えます。データベースのメンテナンス、パッチ適用、容量管理といった作業をクラウド事業者に任せられる点が特徴です。クラウドとSaaSの関係は、SaaSとクラウドの違いで整理しています。

データベースの費用の考え方

データベースの費用は、製品のライセンスや利用料だけで決まるものではなく、構築から運用、人材育成までを含めて考えます。金額は製品やプラン、利用規模で大きく変わるため、ここでは具体的な金額を示さず、費用がどこで発生するかを整理します。

費用の項目 内容 金額が変わる主な要因
ライセンス・利用料 商用製品のライセンス、クラウドサービスの利用料。オープンソースは本体が無償でも、サポートが有償の場合がある 製品、契約形態、サーバーの台数や性能、利用量
サーバー・クラウド基盤 自社で運用するならサーバーや設置場所、クラウドなら計算資源と保存容量 データ量、アクセス数、止まらない構成にするかどうか
設計・構築・移行 テーブル設計、既存データの移行、周辺システムとの連携開発 テーブルやシステムの数、移行するデータの量
運用・保守 監視、バックアップ、パッチ適用、障害対応 対応時間(夜間・休日を含むか)、自社運用か委託か
人材・教育 担当者の育成、利用者向けの研修 対象人数、すでにある知識の水準

なお、止まらない構成にするほど基盤の費用は増えます。考え方は、冗長化とはの記事で詳しく説明しています。具体的な費用は、利用するサーバーの規模、ライセンスの形態、クラウドの利用量などで大きく変わるため、提供元の最新情報で確認してください。製品の選定では、性能や機能だけでなく、自社や委託先に運用できる技術者がいるか、サポートの期限はいつまでかといった点もあわせて確認する必要があります。

運用でよくある課題

RDBは導入して終わりではなく、運用の段階で課題が出てくることが多い技術です。よく見られるのが、機能追加のたびに表や列が継ぎ足されて構造が複雑になり、どの表に何が入っているのか誰も全体を説明できなくなるケースです。また、設計を担当した人しかテーブルの意味を知らず、その人が異動すると改修やデータの抽出が止まってしまうという属人化も起きやすくなります。

対策としては、表と列の意味をまとめた資料(テーブル定義書やER図)を最新の状態に保つこと、命名のルールをそろえること、そしてデータベースの基礎を理解している人を複数育てておくことが挙げられます。基礎の共通言語を持つ人が社内に増えるほど、ベンダーとの打ち合わせや業務改善の検討がスムーズになります。自社の状況は、次のセルフチェックで確認できます。

データベースの運用、属人化していない?セルフチェック

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権限管理と個人情報の扱い

RDBMSでは、利用者ごとに、どの表を読めるか、書き換えられるか、表そのものを変更できるかを設定できます。SQLではGRANT(付与)とREVOKE(取り消し)で指定し、役割(ロール)にまとめて権限を管理する方法も一般的です。基本は、業務に必要な最小限の権限だけを与えることです。ビューを使えば、住所や電話番号の列を見せずに、必要な列だけを利用者に見せることもできます。異動や退職があったときにアカウントと権限を見直す手順も、あらかじめ決めておく必要があります。

個人データを扱う場合、個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、安全管理措置として、組織的、人的、物理的、技術的な措置を挙げています。技術的な措置の事例には、アクセス制御で担当者や取り扱う範囲を限定すること、人的な措置の事例には、従業者に定期的な研修を行うことが示されています。データベースの権限設定は前者、従業者への研修は後者に関わる取り組みです。なお、本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。自社に必要な措置は、ガイドラインの原文や専門家に確認してください。

権限の設定という技術面に加えて、従業者が個人情報や情報セキュリティの基本を理解していることも欠かせません。この研修を全社で継続して行いたい場合の一例が、OneCompliance(ワンコンプライアンス)(株式会社Oyster)です。商品ページによると、コンプライアンス研修に特化したeラーニングプラットフォームで、情報セキュリティや個人情報保護法などのコースがあります。コースのアサインや自動リマインダー、受講状況のダッシュボードにより、研修の実施と管理の工数を減らせるとされ、法改正に合わせてコンテンツが更新される点も特徴です。一方で、料金は受講人数に応じた体系のため問い合わせでの確認が必要で、デモや無料トライアルの内容も問い合わせで確認することになります。RDBの技術そのものを学ぶ教材ではない点に注意してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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株式会社Oyster

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よくある質問(FAQ)

Q1. リレーショナルデータベースとは簡単にいうと何ですか?

A. データを行と列からなる表で管理し、複数の表を顧客番号などの共通の項目で結びつけて扱うデータベースです。同じ情報を1か所にまとめて持つため、データの食い違いが起きにくく、販売管理や会計などの業務システムで広く使われています。

Q2. RDBとRDBMSの違いは何ですか?

A. RDBはデータを表で管理する方式やデータベースそのものを指し、RDBMSはそれを実現・管理するソフトウェアを指します。MySQLやPostgreSQLなどはRDBMSにあたります。日常会話では、両方をまとめてRDBと呼ぶことも少なくありません。

Q3. NoSQLデータベースとリレーショナルデータベースの違いは何ですか?

A. RDBは行と列の表でデータを管理し、構造を事前に決めて強い整合性を保つ方式です。NoSQLはキーと値、文書、グラフなどの柔軟な形でデータを持ち、大量データの高速処理や、形の変わりやすいデータに向きます。会計や在庫のように正確さが必要なデータはRDB、アクセスログやセンサーデータのようなデータはNoSQLが向き、両方を組み合わせることも一般的です。

Q4. リレーショナルデータベースとExcelの違いは何ですか?

A. Excelは表計算ソフトで、RDBではありません。見た目は表ですが、列ごとのデータ型の強制、主キーや参照整合性の制約、多数の同時更新でも整合性を保つ仕組みは備えていません。共有と正確さが求められる業務データは、RDBを使ったシステムで管理するほうが向いています。

Q5. リレーショナルデータベースサービスとは何ですか?

A. クラウド事業者が、RDBMSの運用を代行して提供するサービス(マネージドサービス)です。Amazon RDSやCloud SQLなどがあり、メンテナンスやパッチ適用、容量管理といった作業を事業者に任せながら、MySQLやPostgreSQLなどを利用できます。

Q6. RDBの知識を社内で効率よく共有する方法はありますか?

A. テーブル定義書やER図を最新の状態で共有したうえで、自社の資料で研修コースを作り、理解度を確認テストで測る方法があります。対象者が多い場合は、受講状況を管理できるeラーニングを使うと、詳しい人の負担を増やさずに基礎知識をそろえられます。個人情報を扱う場合は、情報セキュリティの研修もあわせて検討してください。

まとめ

リレーショナルデータベースについて、押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  1. RDBは、データを行と列の表で管理し、主キーと外部キーで表どうしを結びつけるデータベースで、正規化によって同じ情報を1か所に持つ
  2. トランザクションとACID特性により整合性を保てるため、会計、在庫、顧客管理などの業務システムで広く使われている
  3. RDBMSはデータを管理するソフトウェアで、SQLはRDBMSに検索や更新を指示する標準化された言語である
  4. NoSQLは大量データや形が変わりやすいデータに強く、RDBとはデータの性質に応じて使い分けたり組み合わせたりする
  5. データベースの費用は、ライセンスや利用料だけでなく、構築、運用、人材育成まで含めて考え、権限の設定と個人情報の取り扱いを定期的に見直す
  6. 知識の属人化を防ぐため、定義書の整備に加えて、研修コースの作成、理解度のテスト、情報セキュリティの研修のうち自社に必要なものを整理し、サービスの資料を取り寄せて比較する

RDBの仕組みが分かると、業務システムの仕様書やベンダーの説明が格段に読みやすくなります。まずは身近な業務のデータを「どんな表に分けられるか」という目で眺めるところから始めてみてください。

参考文献

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