webサイト制作の発注準備|RFP・要件定義書の書き方

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  • RFP(提案依頼書)・要件定義書に盛り込むべき項目と書き方がわかる
  • 複数社から相見積もりを取る際に比較すべきチェックリストがわかる
  • 契約書で確認すべき著作権・保守範囲・支払条件と、発注準備でよくある失敗パターンがわかる

webサイト制作を制作会社やフリーランスに発注する際、「見積もりを取ったら会社ごとに金額も提案内容もバラバラで、何を基準に比較すればよいか分からない」という声はよく聞かれます。原因の多くは、発注する側が自社の要望を整理した書面(RFP・要件定義書)を用意せず、口頭やごく簡単な依頼メールだけで発注してしまうことにあります。本記事では、webサイト制作を外部に発注する前に準備しておきたいRFP(提案依頼書)・要件定義書の書き方、相見積もり比較のチェックリスト、契約書で確認すべき項目を中心に解説します。依頼先ごとの費用相場や制作会社・フリーランス・BPO代行を含めた4タイプの比較はhp制作の依頼先4タイプと費用相場の考え方で、そもそも自社で内製できないかを検討したい方はホームページ制作を内製する場合の進め方で解説していますので、あわせて参考にしてください。

目次

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  1. webサイト制作でRFP・要件定義書が必要な理由
  2. RFPに盛り込むべき項目とテンプレート
  3. 要件定義書の書き方|目的・ページ構成・機能要件の整理
  4. 相見積もり比較のためのチェックリスト
  5. 契約書で確認すべき項目|著作権・保守範囲・支払条件
  6. 発注準備でよくある失敗3パターンと回避策
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ|今日からできる3つのこと
  9. 参考文献

webサイト制作でRFP・要件定義書が必要な理由

RFP(Request for Proposal、提案依頼書)とは、発注者が制作会社・フリーランスに対して「何を実現したいか」を書面で伝え、それに対する提案・見積もりを依頼するための資料です。要件定義書はさらに一歩踏み込み、必要なページ構成や機能を具体的に整理した資料を指します。この2つを用意せずに発注すると、制作会社ごとに解釈が異なる前提で見積もりが作られてしまい、金額を単純比較できない、契約後に「聞いていた話と違う」という認識のズレが生じる、といった問題が起こりやすくなります。

特に複数社から相見積もりを取る場合、RFPがないと各社が自由に想定した範囲・仕様で見積もりを作成するため、金額の高低だけでは実質的に比較になりません。発注前にRFP・要件定義書を用意することは、費用対効果の高い依頼先を選ぶための土台になります。

RFPに盛り込むべき項目とテンプレート

本格的な大企業向けの形式にこだわる必要はなく、中小企業であれば以下の項目をA4数枚程度にまとめるだけでも十分に機能します。

項目 記載する内容
会社概要・事業内容 制作会社が提案内容を検討するうえで必要な自社の基本情報
背景・現状の課題 既存サイトの問題点、なぜ今リニューアル・新規制作が必要なのか
目的・ゴール 集客・採用・信用付与など、サイトで達成したいことを1つに絞って明記
ターゲット 誰に見てもらいたいサイトかを具体的に記載
必要なページ・機能の概要 想定ページ数、お問い合わせフォームやCMS導入等の必須機能
予算の考え方 上限の目安(幅を持たせてよい)。無記載だと提案の粒度がばらつきやすい
スケジュール 公開希望時期、社内承認に必要な期間
提案・見積もりの提出期限と評価基準 いつまでに何を提出してほしいか、何を基準に選定するか

すべての項目を完璧に埋める必要はありませんが、少なくとも「目的」「必要なページ・機能」「予算の考え方」「スケジュール」の4つは、どの制作会社に送る場合でも共通のフォーマットで用意しておくことが、比較のしやすさに直結します。

要件定義書の書き方|目的・ページ構成・機能要件の整理

RFPが「何を実現したいか」の大枠を伝える資料であるのに対し、要件定義書はより実務的に「具体的に何が必要か」を整理する資料です。以下の3つの観点で整理すると、制作会社側も見積もりを作成しやすくなります。

  • ページ構成:トップページ、会社概要、サービス紹介、採用情報、お問い合わせなど、必要なページを一覧化する。既存サイトがある場合は、残すページ・削除するページ・新設するページを分けて整理する。
  • 機能要件:お問い合わせフォーム、CMSでの自社更新機能、多言語対応、会員機能など、必須の機能とあれば望ましい機能を分けて記載する。すべてを「必須」にすると見積もりが不必要に高額になりやすいため、優先順位をつけておく。
  • デザイン・トーンの方向性:参考にしたい競合サイト・同業他社サイトのURLを2、3件挙げ、「どこが良いと感じるか」を一言添えると、デザイン制作の手戻りを減らせる。

要件定義書はいきなり完璧なものを作ろうとせず、社内でたたき台を作成したうえで、初回の打ち合わせで制作会社側の意見を聞きながら精緻化していく進め方が現実的です。制作会社は多くの案件を見てきた経験から、発注者側が気づいていない要件の抜け漏れを指摘してくれることも多いため、たたき台の段階で相談してしまってよいでしょう。

相見積もり比較のためのチェックリスト

同じRFPを複数社に送っても、見積もりの内訳の見せ方や、含まれる工程の範囲は会社ごとに異なります。金額の大小だけで判断せず、以下の観点で横並び比較することが重要です。

  • 見積もりに含まれる工程(要件定義・デザイン・コーディング・テスト・公開作業)に漏れがないか
  • デザインの修正回数に上限があるか、上限を超えた場合の追加費用の条件
  • CMS導入・レスポンシブ対応・SSL設定・アクセス解析タグ設置が基本料金に含まれるか、オプション扱いか
  • 公開後の保守・更新サポートの範囲と、月額費用の有無
  • 納品後の著作権・データの帰属先が明記されているか
  • 支払条件(着手金・中間金・完了時払いの割合、検収の基準)

「金額は安いが工程の一部が含まれておらず、結果的に追加費用がかさんだ」という失敗は、比較段階でこれらの項目を横並びにしていないことが原因で起こりやすくなります。なお、そもそも要件が標準的な会社紹介サイトの範囲に収まる場合は、外部発注ではなくCMSツールを使った自社での構築・更新も選択肢に入ります。要件定義の段階でCMSに何が求められるかを整理しておくと、外注する場合・自社で構築する場合のどちらを選ぶにしても判断材料になります。

契約書で確認すべき項目|著作権・保守範囲・支払条件

著作権:権利の帰属と特掲事項の明記

webサイト制作における著作権は原則、実際に創作した制作会社側に帰属するとされている。著作権法第61条第2項により、契約書に「著作権を譲渡する」とだけ記載しても、同法第27条(翻案権等)・第28条(二次的著作物の利用権)に規定する権利は、契約書上に特掲されていない限り譲渡されなかったものと推定されるとされている。公開後に自社で改修・修正を自由に行いたい場合は、契約書に「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」旨を明記しておく必要があるとされている。なお、著作者人格権は譲渡できない権利であるため、実務上は不行使特約を契約書に定めておくことが推奨されている。RFP・要件定義書の段階で「納品後、自社で改修する可能性がある」ことを伝えておくと、契約書のこの条項について制作会社側から適切な提案を受けやすくなる。

下請法:自社利用のサイト制作は対象外となる場合がある

公正取引委員会のQ&Aによれば、自社の宣伝目的で利用するホームページの制作を外注する場合は「自家使用する情報成果物」に該当し、原則として下請法上の「情報成果物作成委託」には該当しないとされている。一方、有償で提供するコンテンツの作成を委託する場合は対象となりうるとされている。下請法は名称・運用状況が変更される可能性があるため、発注時点の最新情報を公正取引委員会「下請法Q&A」等で確認しておきたい。

保守範囲・支払条件の明文化

公開後の保守・更新対応がどこまで契約範囲に含まれるか(軽微な文言修正は無償か、月額費用に何が含まれるか)は、口頭合意だけで済ませず契約書に明記しておくことが重要です。支払条件についても、着手金・中間金・完了時払いの割合や、検収(何をもって「完成」とみなすか)の基準を事前に取り決めておくと、公開直前の認識のズレを防げます。

また、通信販売に該当するECサイトを制作する場合は特定商取引法に基づき事業者名・連絡先・返品条件等の表示義務があり、問い合わせフォームやアクセス解析ツールを利用する場合は個人情報保護法に沿ったプライバシーポリシーの整備が必要とされている。これらの対応がRFP段階で要件に含まれているかも確認しておくとよい。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の契約内容については弁護士等の専門家にご確認ください。

発注準備でよくある失敗3パターンと回避策

失敗パターン1:口頭発注に近い形で進め、認識のズレが表面化する

RFP・要件定義書を作らずメールや打ち合わせの口頭のみで発注を進めると、制作が進んだ段階で「思っていた内容と違う」というズレが表面化しやすくなります。回避策:簡易的でよいので、目的・必要なページ・予算感を書面化し、制作会社との認識合わせに使う資料として残しておきましょう。

失敗パターン2:見積もりの前提条件がバラバラなまま比較してしまう

各社に個別の説明の仕方で依頼すると、見積もりに含まれる工程や仕様の前提が会社ごとに異なり、金額の単純比較ができなくなります。回避策:同一のRFP・要件定義書を全社に配布し、見積もり比較のチェックリストに沿って横並びで確認しましょう。

失敗パターン3:契約書の確認を後回しにして権利関係でトラブルになる

提案内容や金額ばかりに気を取られ、契約書の著作権・保守範囲・支払条件の確認を後回しにすると、納品後に「自社でデザインを改修できない」「想定外の保守費用が発生した」といったトラブルにつながります。回避策:契約締結前に、著作権の帰属・保守範囲・支払条件の3点を必ずチェックし、不明点は書面で確認してから発注しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. RFPと要件定義書は両方作る必要がありますか?

A. 案件の規模によります。小規模なコーポレートサイトであれば、RFPと要件定義書を統合した1枚の資料でも十分機能します。複数部署が関わる大規模なサイトでは、目的を伝えるRFPと、詳細仕様を詰める要件定義書を分けたほうが、関係者間の認識が揃いやすくなります。

Q2. RFPは何社くらいに送るのが適切ですか?

A. 3社前後が比較検討しやすい目安とされています。あまり多くの会社に送ると、各社への対応や比較の手間がかえって増え、選定が長引く原因になります。

Q3. 予算が未確定でもRFPを送ってよいですか?

A. 幅を持たせた形で構いませんが、予算の目安を全く示さないと、制作会社側が想定する規模感がばらつき、見積もりの比較が難しくなります。「〇〇万円から〇〇万円程度を想定」といった形で記載しておくとよいでしょう。

Q4. 制作会社とフリーランス、RFPの内容は変える必要がありますか?

A. 基本的な項目(目的・ページ構成・機能要件・予算・スケジュール)は共通で問題ありません。ただし、フリーランスに送る場合は対応範囲(保守まで対応可能か等)を明確に確認する項目を追加しておくと、制作会社との体制の違いを踏まえた比較がしやすくなります。

Q5. そもそも自社で作れる規模かどうか、どう判断すればよいですか?

A. 要件定義書に整理した機能要件が、CMSやノーコードツールの標準機能の範囲に収まるかを確認するとよいでしょう。独自システム連携や複雑な会員機能が必要な場合は外注が向きますが、標準的な会社紹介サイトであれば内製も選択肢になります。判断基準の詳細はホームページ制作を内製する場合の進め方で解説しています。

Q6. 見積もりが想定より高い場合、どう交渉すればよいですか?

A. 値引き交渉よりも、要件定義書に立ち返り「必須機能」と「あれば望ましい機能」を再整理し、優先順位の低い機能を削って再見積もりを依頼するほうが建設的です。予算内に収める過程で、本当に必要な機能を見極める機会にもなります。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 目的・必要なページ・予算感・スケジュールを整理したRFPを、簡易的でよいので書面化する
  2. 複数社に同一のRFP・要件定義書を送り、見積もり比較のチェックリストに沿って横並びで確認する
  3. 契約締結前に、著作権の帰属・保守範囲・支払条件の3点を必ず確認してから発注する

webサイト制作の発注は、RFP・要件定義書を用意するかどうかで、見積もり比較のしやすさと公開後のトラブルの起こりやすさが大きく変わります。完璧な資料を作ることよりも、目的・要件・予算という最低限の軸をそろえて複数社に同じ土俵で提案してもらうことが、失敗しない発注準備の第一歩です。

参考文献

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