合資会社とは?意味・仕組み・株式会社との違いと設立手続き、承継時の注意点を解説

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  • 合資会社の仕組みと他の会社形態との違いがわかる
  • 略称の書き方と設立手続き・費用がわかる
  • 種類変更・承継の注意点と帳簿の整え方がわかる

合資会社とは、会社の債務に対して限度なく責任を負う「無限責任社員」と、出資した額までしか責任を負わない「有限責任社員」が、それぞれ1名以上集まってつくる会社です。会社法では合名会社・合同会社と同じ「持分会社」に分類され、最低2名の社員が必要なため、1人では設立できません。本記事では、仕組みと株式会社・合同会社・合名会社との違い、メリットとデメリット、略称の書き方、合同会社などへの変更、承継時の注意点、設立手続きと費用、設立後に必要な帳簿までを、会社法と国税庁の公開情報をもとに解説します。

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目次

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  1. 合資会社とは|無限責任社員と有限責任社員で構成される会社形態
  2. 合資会社と株式会社・合同会社・合名会社の違い
  3. 合資会社のメリット
  4. 合資会社のデメリット・注意点
  5. 合資会社の略称と社名の付け方|「(資)」と書いてよい場面
  6. 既存の合資会社を引き継ぐときに確認したい3つのこと
  7. 合資会社から合同会社・株式会社に変えるには|種類変更と組織変更の違い
  8. 合資会社の設立手続き
  9. 設立後・引き継ぎ後に整えたい帳簿と計算書類
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ
  12. 参考文献

合資会社とは|無限責任社員と有限責任社員で構成される会社形態

合資会社とは、無限責任社員と有限責任社員がそれぞれ1名以上いる持分会社です。会社法第576条第3項は、合資会社の定款に「社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨」を記載するよう定めています。ここでいう「社員」は従業員ではなく、会社に出資した人を指し、株式会社でいえば株主にあたります。

持分会社では、社員は定款に別段の定めがなければ自ら業務を執行します(第590条)。「出資する人」と「経営する人」が一致しているのが、株式会社との大きな違いです。2種類の社員の違いは、会社が債務を払えなくなったときの責任の範囲にあります。

項目 無限責任社員 有限責任社員
会社債務への責任 限度なし。会社の財産で払いきれない分は個人の財産で弁済する責任を負う(第580条第1項) 出資の価額が限度。履行済みの出資分を超える責任は負わない(第580条第2項)
出資の目的 金銭や財産のほか、労務や信用による出資も可能とされている 金銭等に限られる(第576条第1項第6号)
業務の執行 定款に別段の定めがなければ業務を執行する 現行の会社法では、定款に別段の定めがなければ業務を執行できる

どちらの社員にとっても、会社の数字を把握しておくことは欠かせません。合資会社は決算公告の義務がありませんが、会社法は持分会社に、適時に正確な会計帳簿を作成し、閉鎖から10年間保存することを求めています(第615条)。とくに無限責任社員は、会社の財産で債務を払いきれない場合に個人の財産で弁済する責任を負うため、現預金・未払金・借入の残高を毎月確認できる状態が重要です。

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出典:マネーフォワード クラウド会計 導入事例(株式会社HITOMIOテクノロジーズ)

これは同社の事例であり、同じ結果になることを保証するものではありません。合資会社の場合は、帳簿の作り方の違いが、無限責任社員の資金繰りの確認にどう影響するかを、後の章で具体的に見ていきます。

なお、2006年に会社法が施行される前の旧商法では、有限責任社員は業務執行ができないとされていました。現在は定款で定めれば役割を自由に分けられるため、「経営は無限責任社員、資金は有限責任社員」という分担も、全員で経営に関わる形も選べます。

合資会社と株式会社・合同会社・合名会社の違い

会社法で設立できる会社は、株式会社と、合名会社・合資会社・合同会社の3つの持分会社の計4種類です。合資会社は、出資者の責任が「無限と有限の混在」である点で、他の3つと区別されます。主な違いを表にまとめます。

項目 合資会社 株式会社 合同会社 合名会社
出資者の責任 無限責任と有限責任が混在 全員有限責任 全員有限責任 全員無限責任
最低人数 2名 1名 1名 1名
所有と経営 一致 分離が基本(株主と取締役) 一致 一致
定款の公証人認証 不要 必要 不要 不要
設立登記の登録免許税 1件6万円 資本金の1000分の7(最低15万円) 資本金の1000分の7(最低6万円) 1件6万円
決算公告 義務なし 義務あり 義務なし 義務なし
株式の発行・上場 できない できる できない できない

登録免許税の額は、国税庁のNo.7191 登録免許税の税額表に基づいています。株式会社との最大の違いは、出資者の中に無限責任を負う人がいることと、出資者がそのまま経営を担うことです。株式会社は株式を発行して広く資金を集め、出資者と経営者を分けられるため、事業を大きくしたい場合や上場を目指す場合に向いています。

同じ持分会社の中では、合同会社が全員有限責任で1人から設立できるのに対し、合資会社は無限責任社員を置く必要があります。設立の手軽さや運営の自由度は共通しているため、新しく持分会社を作る場合は、リスクの小さい合同会社が選ばれることが多いのが実情です。

利益の分け方は、定款で出資比率と違う割合にできる

持分会社が株式会社と大きく違うのが、利益と損失の分け方です。会社法第622条は、損益分配の割合について定款に定めがないときは、各社員の出資の価額に応じて定めると規定しています。逆にいえば、定款で定めれば、出資額と違う割合にできます。たとえば、資金を出す有限責任社員と、技術や労務で事業を支える無限責任社員で、出資額に関係なく利益を分け合う、といった設計が可能です。

社員を増やすには定款の変更が必要

持分会社では、社員の氏名または名称と住所が定款の記載事項です(第576条第1項第4号)。新たに社員を加入させるときは、その社員に係る定款の変更をした時に効力が生じます(第604条第2項)。定款の変更は、定款に別段の定めがなければ総社員の同意が必要です(第637条)。持分を他人に譲渡する場合も、原則として他の社員全員の承諾が必要です(第585条)。株式のように自由に売買できない点は、事業を広げたいときの制約になります。

統計で見る合資会社|この6年で約19%減り、合同会社は約1.9倍に

国税庁の会社標本調査(令和6年度分)によると、活動中の法人(休業・清算中の法人などを除く)のうち、合資会社は10,916社で、全体の0.4%です。令和元年度分の13,540社から約19%減りました。一方、合同会社は113,196社から215,081社へと約1.9倍に増えています。

組織 令和元年度分 令和6年度分
株式会社 2,559,561社 2,692,201社
合同会社 113,196社 215,081社
合名会社 3,343社 2,986社
合資会社 13,540社 10,916社

数字は、国税庁の令和6年度分 会社標本調査 調査結果報告と令和元年度分 会社標本調査 調査結果報告の「組織別・資本金階級別法人数」によります。新しく持分会社を作る人の多くが合同会社を選んでいることが、数字からも読み取れます。

合資会社のメリット

合資会社には、主に次の4つのメリットがあります。

1. 設立の手間と費用を抑えられる

株式会社では公証人による定款の認証が必要ですが、合資会社では不要です。登録免許税も1件6万円で、株式会社の最低15万円と比べて低く抑えられます。電子定款で作成すれば、紙の定款に必要な収入印紙もかかりません。

2. 定款で運営ルールを柔軟に決められる

持分会社は「定款自治」の範囲が広く、業務の決め方や利益の分配方法を、会社法に反しない範囲で社員どうしが自由に定められます。株主総会や取締役会のような機関を置く必要もないため、少人数で素早く意思決定できます。

3. 資金がなくても無限責任社員として参加できる

有限責任社員の出資は金銭等に限られますが、無限責任社員は労務や信用で出資することも可能とされています。技術やノウハウを持つ人が経営を担い、資金は別の人が出すという組み合わせを作りやすい形態です。金銭以外の出資で設立する場合は、出資の評価の標準を定款に記載します。

4. 決算公告の義務がない

株式会社は毎年の決算を官報などで公告する必要がありますが、持分会社にはこの義務がありません。公告にかかる費用や手間が発生しない点は、小規模な会社にとって負担の軽さにつながります。

合資会社のデメリット・注意点

一方で、合資会社には次のようなデメリットがあります。

デメリット 内容 事前にできる備え
無限責任のリスク 事業がうまくいかなかった場合、無限責任社員は個人の財産で会社の債務を弁済する責任を負う 借入や大きな契約の前に、資金繰りと負債の状況を数字で確認できる体制を作る
2名以上の社員が常に必要 どちらかの種類の社員がいなくなると、合資会社のままではいられない 退社や相続が起きた場合の扱いを定款で決めておく
知名度・信用面 設立数が少なく、取引先や求職者に会社形態を説明する場面がある 事業内容や財務状況を説明できる資料を用意しておく
資金調達の手段が限られる 株式を発行できないため、出資を広く募ったり上場したりできない 拡大の見込みがあれば、株式会社への組織変更も視野に入れる
持分の譲渡が難しい 持分の譲渡には原則として他の社員全員の承諾が必要(第585条) 譲渡や承継のルールを定款で具体的に決めておく

特に注意したいのは、無限責任社員のリスクです。会社の借入に個人保証をしていなくても、会社の財産で債務を払いきれなければ、無限責任社員は個人として弁済を求められる可能性があります。だからこそ、無限責任社員には、会社の現預金や未払金、借入残高を月単位で把握しておくことが欠かせません。

知名度の面でも、数字の整備は役に立ちます。金融機関や取引先から信用を得るには、会社形態の説明よりも、決算書や月次の試算表で事業の状態を示せることの方が効果的です。会社形態を変えることでリスクや知名度の課題に対応する方法は、後の章で整理します。

合資会社の略称と社名の付け方|「(資)」と書いてよい場面

合資会社は、会社名の前後に付く種類の文字です。会社法第6条第2項は、会社が株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の種類に従い、商号中にその文字を用いなければならないと定めています。たとえば合資会社を設立する場合は、商号に「合資会社」の文字を入れる必要があります。

第6条第3項は、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を商号に用いることを禁じています。そのため、合資会社が「株式会社」を名乗ることはできません。また、会社でない者が会社と誤認されるおそれのある文字を名称に使うことも、第7条で禁じられています。

日常の書面では、「合資会社」を「(資)」と略して書く例があります。検索で「資 会社」「(資)会社」などと調べられるのは、この略称の意味を確かめたい人が多いためと考えられます。ただし、略し方は提出先や書式によって決まっている場合があります。厚生労働省の「法人名の略語の記載について」(労働保険料等の口座振替納付の案内)では、合資会社のカナ略語を次のように示しています。

法人名での位置 合資会社の略語 株式会社の略語(参考)
頭部に付けるとき シ) カ)
途中に入るとき (シ) (カ)
末尾に付けるとき (シ (カ

上の表は、同じ案内にある法人名の略語一覧の一部です。契約書や請求書など正式な書類では略称を使わず、登記された商号のとおり「合資会社」と書くのが基本です。略語の定めが書式ごとに違う場合は、提出先の記入例を確認してください。出典:厚生労働省「法人名の略語の記載について」

既存の合資会社を引き継ぐときに確認したい3つのこと

合資会社について調べる人の中には、新しく会社を作るのではなく、親や親族が経営してきた合資会社を引き継ぐ立場の人も少なくありません。承継の場面では、合資会社ならではのルールが問題になることがあります。ここでは会社法の規定をもとに、確認しておきたい点を3つ紹介します。

1. 社員が退社すると会社の種類が自動的に変わることがある

会社法第639条では、有限責任社員が退社して無限責任社員だけになった場合は合名会社に、無限責任社員が退社して有限責任社員だけになった場合は合同会社に、それぞれ定款を変更したものとみなすと定めています。たとえば無限責任社員だった先代が亡くなると、社員は死亡によって退社するため(第607条)、残った社員が有限責任社員だけであれば、会社は合同会社に変わったものとして扱われます。この場合は種類の変更に伴う登記が必要になります。

2. 相続人が持分を引き継げるかは定款次第

社員が死亡した場合、相続人がそのまま社員の地位を引き継げるとは限りません。会社法第608条では、相続人などが持分を承継する旨を定款で定めることができるとされています。定款にこの定めがなければ、相続人は社員にはならず、持分の払戻しを受ける扱いになるのが一般的とされています。承継を予定しているなら、早めに定款の内容を確認しておきましょう。

3. 退社した無限責任社員の責任はすぐには消えない

会社法第612条では、退社した社員は、退社の登記をする前に生じた会社の債務について、従前の責任の範囲内で弁済する責任を負うと定めています。この責任は、登記後2年以内に請求や請求の予告がなければ消滅します。つまり、無限責任社員を退いても、退社前の債務については2年間は責任が残る可能性があります。引退する側も引き継ぐ側も、退社の時点での負債を帳簿で正確に確認しておくことが重要です。

いずれのケースも、具体的な手続きや税務上の扱いは会社の状況によって異なるため、司法書士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

合資会社から合同会社・株式会社に変えるには|種類変更と組織変更の違い

合資会社の無限責任をなくしたい場合や、事業を広げたい場合には、会社の形を変える方法があります。合資会社から合同会社へ変えるのは「種類の変更」、株式会社へ変えるのは「組織変更」で、手続きの重さが異なります。

項目 合同会社への種類変更 株式会社への組織変更
根拠 会社法第638条第2項第2号 会社法第743条以下(持分会社の組織変更は第781条)
変更の内容 社員の全部を有限責任社員とする定款の変更 持分会社が株式会社になる
手続きの中心 定款の変更。定款に別段の定めがなければ総社員の同意が必要(第637条) 組織変更計画の作成(第743条)、総社員の同意(第781条第1項。定款に別段の定めがある場合を除く)、債権者保護の手続き(第781条第2項で第779条を準用)
責任の範囲 全員有限責任になる 全員有限責任になる
変更後にできること 全員有限責任で、持分会社の運営の自由度を保てる 株式を発行して資金を集められる

登記にかかる登録免許税は、国税庁の税額表によると、組織変更または種類の変更による株式会社・合同会社の設立の登記は、資本金の額の1000分の1.5(3万円に満たないときは3万円)が基本です。変更前の資本金を超える部分には、1000分の7が適用されます。実際に必要な登記の種類と税額は手続きの方法によって異なるため、法務局や司法書士に確認してください。

無限責任のリスクを引き継ぎたくない場合は、合同会社への種類変更が選択肢の1つです。資金調達や上場を視野に入れるなら、株式会社への組織変更を検討します。どちらも会社の状況によって判断が分かれるため、専門家への相談をおすすめします。

合資会社の設立手続き

合資会社を設立する一般的な流れは次のとおりです。

  1. 社員の構成を決める:無限責任社員と有限責任社員を、それぞれ1名以上決めます
  2. 基本事項を決める:商号、事業目的、本店所在地、出資の内容と価額などを決めます
  3. 定款を作成する:社員全員が署名または記名押印します(第575条)。電磁的記録(電子定款)でも作成できます
  4. 出資を行う:定款で定めた出資を行います
  5. 設立登記を申請する:本店所在地を管轄する法務局に申請します。会社は設立の登記によって成立します(第579条)
  6. 設立後の届出を行う:税務署や都道府県・市区町村への法人設立の届出、年金事務所への社会保険の手続きなどを行います

定款には、目的、商号、本店の所在地、社員の氏名または名称と住所、各社員が無限責任社員か有限責任社員かの別、社員の出資の目的と価額または評価の標準を必ず記載します(第576条)。商号には「合資会社」という文字を入れる必要があります。

費用の目安は、登録免許税が1件6万円です。紙の定款で作る場合は収入印紙代として4万円がかかりますが、電子定款であればかかりません。株式会社と違って公証人の認証手数料も不要です。会社設立全体の流れや設立後の届出については、会社設立とは|手続き・費用・設立後の届出までわかりやすく解説でも詳しく紹介しています。

※本記事の法令に関する記述は、e-Gov法令検索・国税庁の公開情報をもとにした一般的な解説であり、個別の事案に対する法的助言ではありません。実際の手続きは、最新の法令を確認のうえ、専門家にご相談ください。

設立後・引き継ぎ後に整えたい帳簿と計算書類

設立登記が終わると、すぐに日々の取引が始まります。合資会社は決算公告の義務がありませんが、会計をおろそかにしてよいわけではありません。会社法では、次のことが定められています。

  • 会計帳簿を適時に正確に作成し、帳簿の閉鎖から10年間、帳簿と事業に関する重要な資料を保存する(第615条)
  • 成立の日の貸借対照表と、各事業年度の計算書類を作成し、計算書類を作成した時から10年間保存する(第617条)
  • 社員は営業時間内であれば、いつでも計算書類の閲覧や謄写を請求できる(第618条)

第618条のとおり、有限責任社員を含む全員が数字を確認できる状態にしておくと、利益の分配をめぐる行き違いを防げます。決算書の読み方は、決算書とは?財務三表の読み方・種類・電帳法対応まで中小企業向けに解説で解説しています。

月次で見ておきたい数字

無限責任社員が資金繰りを把握するには、決算のときだけでなく、月ごとに次の数字を確認しておくと安心です。

  • 現預金の残高:口座ごとの残高と、直近の入出金
  • 未払金・買掛金:翌月以降に支払う金額と期日
  • 借入残高:返済の予定額と時期
  • 売掛金:入金が遅れている取引先がないか

銀行口座やクレジットカードの明細を手入力で仕訳していると、月次の数字が出るころには翌月になってしまうことがあります。自分たちの会社の記録の運用を、次のチェックで振り返ってみましょう。

合資会社の帳簿づくり、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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よくある質問(FAQ)

Q1. 合資会社とはどんな会社ですか?

A. 無限責任社員と有限責任社員がそれぞれ1名以上集まってつくる持分会社です。無限責任社員は会社の債務について個人の財産でも弁済する責任を負い、有限責任社員は出資の価額までしか責任を負いません。最低2名の社員が必要です。

Q2. 合資会社は1人で設立できますか?

A. できません。合資会社には無限責任社員と有限責任社員がそれぞれ1名以上必要なため、最低2名の社員が必要です。1人で会社を作りたい場合は、株式会社か合同会社を選ぶことになります。

Q3. 合資会社と合同会社の違いは何ですか?

A. どちらも持分会社ですが、合同会社は社員全員が有限責任で、1人から設立できます。合資会社は無限責任社員を1名以上置く必要があります。定款自治の広さや決算公告の義務がない点は共通しています。

Q4. 合同会社はやめたほうがよいと言われるのはなぜですか?

A. 一概に不利とはいえませんが、株式会社に比べて知名度が低く、取引先に説明が必要な場面があることや、株式を発行できず上場できないことが理由に挙げられます。持分の譲渡に他の社員の承諾が必要な点も、事業を広げたいときの制約になります。合資会社にも同じ制約があり、さらに無限責任社員のリスクがあります。

Q5. 有名な合資会社はありますか?何社くらいありますか?

A. 公的な「有名な合資会社」の一覧はなく、個別の会社名は挙げません。国税庁の会社標本調査(令和6年度分)では、活動中の合資会社は10,916社で、全体の0.4%です。個別の会社は、国税庁法人番号公表サイトで商号を検索して確認できます。

Q6. 「(資)」は合資会社の略ですか?

A. はい。日常の書面で合資会社を「(資)」と略す例があります。ただし契約書や請求書などでは、登記された商号のとおり「合資会社」と書くのが基本です。提出先の書式が略語を定めている場合は、その記入例に従ってください。

まとめ

合資会社とは、無限責任社員と有限責任社員がそれぞれ1名以上集まってつくる持分会社です。押さえておきたいポイントを5つにまとめます。

  1. 合資会社は最低2名で設立し、出資者がそのまま経営を担う。無限責任社員は会社の債務を個人の財産で弁済する責任を負う
  2. 定款認証が不要で登録免許税は6万円と、設立の手間と費用を抑えられる一方、株式の発行はできず、知名度も高くない。法人数は減少傾向にある
  3. 既存の合資会社を引き継ぐ場合は、社員の退社による種類の変更、相続人の持分承継、退社後2年間の責任を定款と帳簿で確認する
  4. 無限責任のリスクを避けたいときは合同会社への種類変更、資金調達を広げたいときは株式会社への組織変更を、専門家に相談して検討する
  5. 決算公告の義務がなくても会計帳簿の作成と10年保存は必要。帳簿づくりの仕組みを整える手段として、会計ソフトの資料を取り寄せて機能を比べることを検討する

新しく会社を作る場合は合同会社や株式会社が選ばれることが多いものの、合資会社の仕組みを理解しておくと、会社形態の違いがより明確になります。自分たちの事業規模や出資者との関係に合った形態を選び、設立後・承継後の帳簿まで見据えて準備を進めましょう。

参考文献

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